説明

接合構造および接合方法

【課題】低コストでSiとAlとの確実な接合を可能とする接合構造および接合方法を提供する。
【解決手段】Alワイヤ20をウェッジツールによってSi電極40に押し付け超音波を印加して接合させる。これにより、接合部30にはAl/Al酸化物/Si酸化物/Siの順番で物質が積み重なって強固な接合構造となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合構造および接合方法に関するものであり、特にAlとSiとの接合構造および接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微小且つ精密な装置を作製する技術として、Micro−Electro−Mechanics(MEMS)技術が注目され、盛んに研究が行われている。MEMS技術は、特許文献1に示すように、半導体加工、機械加工、電気回路などの複数種の技術を融合した技術が主流を占めており、この主流となる技術の大きな特徴は、シリコンウェファをエッチングすることにより装置の構造を作り込んでいくところにある。
【0003】
このようにシリコンウェファに装置の構造を作り込むと、この装置を駆動・制御などする電子回路も同じシリコンウェファ上に一体に形成することができるので、装置の小型化などの点でもメリットがあり、例えば携帯電話のマイクロフォン等に用いられるようになってきている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−193336号公報
【特許文献2】特開2002−27595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、MEMS技術においてはシリコンウェファに装置構造をエッチングによって作り込むためシリコンだけではなく半導体装置の配線となるアルミニウムや銅なども除去されてしまい、装置構造が出来上がった時点においては装置の電極部はシリコンまたは二酸化シリコンが占めることになる。この装置に外部から電力を導入したり電気信号の入出力を行うためには外部回路となんらかの方法で接続を行う必要があるが、最も簡単で確実な接続である金線によるワイヤボンディングを行うには、装置の電極部分にめっきなどでAuやAlなどの金属層を形成する必要がある。このような金属層を形成するとコストが大きく上昇し、装置の値段が高くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストでSiとAlとの確実な接合を可能とする接合構造および接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の接合構造は、AlとSiとの接合構造であって、AlとSiの間には、Al酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とが存しており、Al/Al酸化物からなる層/Si酸化物からなる層/Siという順番で積み重なっている構成とした。
【0007】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層はそれぞれ略均一の厚みで広がっていることが好ましい。
【0008】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを合わせた厚みが0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
【0009】
前記Siの前記Alと接合していない部分の表面に存する自然酸化膜の厚みが、前記Si酸化物からなる層の厚みよりも大きいことが好ましい。
【0010】
前記Alのうち、少なくとも前記Al酸化物からなる層に接している部分にはSiが含まれている。
【0011】
前記Siのうち前記Si酸化物からなる層に接している部分にはAlが含まれている。
【0012】
本発明の第2の接合構造は、Siを含むAlワイヤとSi電極との接合構造であって、前記Alワイヤと前記Si電極との接合部では、当該Alワイヤが押しつぶされて変形されており、前記Alワイヤの変形されている部分のSi含有率は、変形されていない部分のSi含有率よりも大きい。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記Alワイヤと前記Si電極との接合部には、Al酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とが互いに接して存しており、前記Alワイヤと前記Al酸化物からなる層とは接しており、前記Si電極と前記Si酸化物からなる層とは接している。
【0014】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを合わせた厚みが0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
【0015】
前記Alワイヤが押しつぶされて変形されている部分のワイヤ幅は、変形していない部分のワイヤ径の1.5倍以上であることが好ましい。
【0016】
前記Alワイヤが押しつぶされて変形されている部分のワイヤは、前記電極部の外側にも存していることが好ましい。
【0017】
本発明の接合方法は、AlとSiとの接合方法であって、Alからなる部材とSiからなる部材とを接触させる工程と、酸素雰囲気下において、圧着振動部材によって前記Alからなる部材を前記Siからなる部材に押し付け、且つ該圧着振動部材によって前記Alからなる部材に超音波を印加するボンディング工程とを含み、前記ボンディング工程では、前記Alからなる部材と前記Siからなる部材との間にAl酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とを形成する。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記ボンディング工程では、前記Siからなる部材の表面に存するSiの自然酸化膜を除去して前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを形成する。
【0019】
ある好適な実施形態において、前記ボンディング工程において、前記圧着振動部材は前記Alからなる部材を前記Siからなる部材に対して0.14N以上0.4N以下の力によって押し付けて、30ms以上50ms以下の間超音波を印加する。
【発明の効果】
【0020】
AlとSiとの間に、Al酸化物層およびSi酸化物層が、Al/Al酸化物/Si酸化物/Siという順番で積み重なっているので、AlとSiとが強固に接合することになる。この接合方法は簡単に且つ低コストで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
【0022】
(実施形態1)
実施形態1は、半導体装置が形成されたSi基板の表面に形成されているSi電極にAlワイヤをウエッジボンディングにより接合させる接合方法と、接合構造とに関するものである。
【0023】
本実施形態においては、図1に示すようにSi基板10上に形成されているSi電極40にAlワイヤ20が接合されている。Si電極40には電気特性の良いポリシリコン(多結晶シリコン)が使われている。Alワイヤ20には1%の割合でSiが含まれて合金となっている。これは、Alワイヤの曲げ強度などの機械的特性を向上させたり接合性を向上させるためである。接合部30は後述のウェッジツールによって押しつぶされて変形している。この接合部30においてAlワイヤ20とSi電極40とは機械的に強固に接着されており、Si基板10を振動させたりAlワイヤ20を多少引っ張ってもAlワイヤ20がSi電極40から離れてしまうことはない。
【0024】
図5(a)は図1のA−A線断面の拡大図、図5(b)はB−B線断面の拡大図である。図5(a)からわかるように、接合部30においてはAlワイヤ20とSi基板10(Si電極40)との間にAl酸化物からなる層24とSi酸化物からなる層14とが存している。元素記号で表すと、Al酸化物からなる層24はAl23などで構成されており、Si酸化物からなる層14はSiO2などから構成されている。これらの層14,24の積み重なっている順番は、Alワイヤ20/Al酸化物からなる層24/Si酸化物からなる層14/Si基板10という順番であり、Al酸化物からなる層24はSi酸化物からなる層14とAlワイヤ20と接しており、Si酸化物からなる層14はさらにSi基板10と接している。
【0025】
Al酸化物からなる層24とSi酸化物からなる層14とは、接合部30の外縁部分を除いて、いずれもほぼ均一な厚みで接合部30全体に広がっている。本実施形態においては、Al酸化物からなる層24の厚みT2とSi酸化物からなる層14の厚みT1とはそれぞれ約0.4nmおよび約0.6nmであり、両方合わせて約1nmである。一方、Si基板10のうちAlワイヤ20と接合していない部分は、図5(b)に示すように表面にSiの自然酸化膜12が存しており、その厚みT3は約1nmであり、Si酸化物からなる層14の厚みT1よりも厚い。これは、Siの自然酸化膜12上に超音波と荷重とを加えながらAlワイヤ20を押し付けた時点で一旦Siの自然酸化膜12が破壊されてSiの新生面が現れて、新たに接合界面にSi酸化物からなる層14ができるためである。
【0026】
Alワイヤ20とSi電極40との接合部30は、上述のように厚みの薄い2つの酸化物からなる層14,24が介在している構造であるので、Alワイヤ20とSi電極40とは機械的に強固に接着されているのとともに、電気的にも接続されている。つまり、Al酸化物からなる層24とSi酸化物からなる層14とを介してAlワイヤ20とSi電極40とは通電している。これは2つの酸化物からなる層14,24の厚みが薄いからである。特にSiの自然酸化膜12の厚みT3よりもSi酸化物からなる層14の厚みT1の方が薄いからである。Al酸化物からなる層24の厚みT2とSi酸化物からなる層14の厚みT1との合計の厚みT1+T2は、0.1nm以上10nm以下が好ましい。0.1nm未満であると機械的な接着強度が不足してAlワイヤ20とSi電極40とが振動等の小さな力で外れてしまう。10nmよりも大きくなると電気抵抗が大きくなって電気的接続が困難になり好ましくない。
【0027】
次にAlワイヤ20とSi電極40との接合方法について説明する。
【0028】
まず図2に示すように、大気下においてSi電極40にAlワイヤ20を近づけて接触させる。
【0029】
次に図3に示すように、ウェッジツール50によってAlワイヤ20をSi電極40に押し付けて、Alワイヤ20に超音波を印加する。このようにすることにより、超音波振動の摩擦によってAlワイヤ20およびSi電極40の接合面の酸化物が除去されて、同時にこの摩擦によって接合面に発熱が生じ、Alワイヤ20の抗張力が急減して塑性変形し、Alワイヤ20とSi電極40とが固相接合される。酸素が存する大気下で接合を行うため、接合部に酸化物が生じるのである。図5において破線で表されているのは、塑性変形する前のAlワイヤ20の上面形状である。
【0030】
この時のボンディングの条件は、ウェッジツール50を0.14N以上0.4N以下の力によって押し付けて、超音波の印加は、超音波周波数が60kHz以上140kHz以下であって30ms以上50ms以下の間行うという条件が好ましい。押し付け荷重が0.14N未満であると十分に接合されず、0.4Nよりも大きいとSi電極40のクレタリング(Si電極40の下の層へ至る剥がれ)が発生し好ましくない。超音波周波数が60kHz未満であると接合不良となり、140kHzよりも大きくなるとSi電極40のクレタリングが生じ好ましくない。超音波印加時間が30ms未満であると接合不良が発生し、50msよりも大きいと接合部の形状がいびつになり好ましくない。
【0031】
図4は図1を上から見た図である。接合部30における押しつぶされて変形したAlワイヤ20の幅Wは、Alワイヤ20の変形していない部分の幅の約2.4倍になっている。また、Alワイヤ20の押しつぶされて変形している部分の長さ(変形部分と非変形部分との2つの境界線31,31間の距離)Lは、電極の長さよりも大きく、変形している部分のAlワイヤ20はSi電極40の外側にも存している。Alワイヤ20の押しつぶされて変形している部分がこのように広がっているので、Alワイヤ20とSi電極40とは接合部30において確実且つ強固に接合されている。ここで、Alワイヤ20の非変形部分の幅に対する変形部分の幅の比が、1.5倍未満になると接合強度が不十分となるので、1.5倍以上であることが好ましい。
【0032】
このようにしてAlワイヤ20とSi電極40とを接合すると、Alワイヤ20のうち接合部30における押しつぶされた部分(以下、接合部Alワイヤという)に含有されているSiの含有率は、接合によってSi電極40側からSiが拡散するため、Alワイヤ20の接合部30以外の部分のSi含有率よりも大きくなる。接合部Alワイヤにおいては、Si電極40に近い部分の方が遠い部分よりもSi含有率が大きい。
【0033】
また、Si電極40の方にもSi酸化物からなる層14の下の部分には、接合によってAlが含まれるようになる。
【0034】
以上説明したように、Alワイヤ20とSi電極40との接合において、Al/Al酸化物/Si酸化物/Siの順で積み重なっているので、AlとSiとが強固に接合され、電気的な接続も行われる。また、ウェッジツール50によってAlワイヤ20をSi電極40に押し付けて超音波を印加させて接合を行うので、簡単にかつ短時間に接合を行うことができ、低コストで接合できる。
【0035】
(実施形態2)
実施形態2では、半導体回路が形成されたSi基板(半導体チップ)のSi電極にAlバンプを接合させて、このAlバンプを介してパッケージ基板に半導体チップを搭載してチップサイズパッケージ(CSP)を作製している。
【0036】
本実施形態に係るCSPの製造工程を図6に示す。
【0037】
まず図6(a)に示すように、半導体回路が形成されたSi基板(半導体チップ)10のSi電極40にAlバンプ60を形成する。Alバンプ60はSi電極40の全面をほぼ覆うくらいの大きさを有している。また、Si基板10上にはSi電極40は複数存しており、その全てにAlバンプ60を載せる。
【0038】
次に図6(b)に示すように、Alバンプ60を不図示のウエッジツールによってSi電極40に押し付け超音波と荷重とを印加して接合させる。この時の接合条件は実施形態1の条件と同じである。なお、本実施形態においては、1つのSi基板10上に形成された全てのAlバンプ60を一つ一つSi電極40に対して接合させる。このように接合させることにより、Alバンプ60とSi電極40との間に実施形態1と同様にAl酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とが広がって、Alバンプ60とSi電極40とは機械的にも電気的にも確実且つ強固に且つ低コストで接続される。Al酸化物からなる層とSi酸化物からなる層との厚みに関しては実施形態1と同様である。
【0039】
それから図6(c)に示すように、Si基板10をパッケージ基板70に向かい合わせにして配置する。この時、Si基板10のAlバンプ60とパッケージ基板70の基板側電極71とが相対するように位置を合わせて配置する。パッケージ基板70の基板側電極71が形成された面とは反対側の面にははんだボール74が形成されていて、パッケージ基板70内部には基板側電極71とはんだボール74とを電気的に接続する内部配線が形成されている。
【0040】
次に図6(d)に示すように、Si基板10のAlバンプ60とパッケージ基板70の基板側電極71とを接触させて接続させ、Si基板10とパッケージ基板70との間にアンダーフィル72を流し込んで硬化させて接続部分の保護を行う。こうしてCSPが出来上がる。なお、さらに広範に樹脂封止を行っても構わない。本実施形態では、樹脂封止はいわゆる「後入れ」としたが、封止樹脂を先に塗布しておきSi基板10のAlバンプ60とパッケージ基板70の基板側電極71とを接触させて接続を行う「先入れ」方法であっても構わない。
【0041】
本実施形態においては、簡単且つ短時間の工程によってSi基板10のSi電極40に対してAlバンプ60を接合させることができる。この接合により、Alバンプ60とSi電極40とは機械的にも電気的にも確実且つ強固に接続され低コストな接続を行うことができる。
【0042】
(その他の実施形態)
上記の実施形態は本発明の例示であって本発明はこれらの例に限定されない。AlとSiとの接合であれば、接合されるものはAlワイヤやAlバンプ、あるいはSi電極に限定されない。また、AlワイヤはSiを含有していてもしていなくてもどちらでもよい。AlバンプもSiを含有していてもいなくてもどちらでも構わない。Si基板上のAlバンプはシングルポイントボンディングのように1つ1つ接合する方法であってもよいし、全て一度に接合してもよい。本技術を適用するデバイスは、半導体集積回路、MEMSデバイスのみでなく、イメージセンサーやレーザー素子のような光学デバイスでも良い。また、Si基板のみではなく、SiGe(シリコンゲルマニュウム)基板やSiGeC(シリコンゲルマニュウムカーボン)基板、GaAs(ガリウムヒ素)基板などの電極接合に用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明に係る接合構造は、AlとSiとを強固に接合させる構造であって、半導体装置やMEMS技術等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施形態1に係るAlワイヤとSi電極との接合部分の断面図である。
【図2】AlワイヤをSi電極に接触させた断面図である。
【図3】ウェッジツールによりAlワイヤをSi電極に接合させている断面図である。
【図4】図1の上面図である。
【図5】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図である。
【図6】実施形態2に係るCSPの製造工程断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 Si基板
12 自然酸化膜
14 Si酸化物からなる層
20 Alワイヤ
24 Al酸化膜からなる層
30 接合部
31 境界部
40 Si電極
50 ウェッジツール
60 Alバンプ
70 パッケージ基板
71 基板側電極
72 アンダーフィル
73 内部配線
74 はんだボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AlとSiとの接合構造であって、
AlとSiの間には、Al酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とが存しており、前記Al/前記Al酸化物からなる層/前記Si酸化物からなる層/前記Siという順番で積み重なっている、接合構造。
【請求項2】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層はそれぞれ略均一の厚みで広がっている、請求項1に記載の接合構造。
【請求項3】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを合わせた厚みが0.1nm以上10nm以下である、請求項1または2に記載の接合構造。
【請求項4】
前記Siの前記Alと接合していない部分の表面に存する自然酸化膜の厚みが、前記Si酸化物からなる層の厚みよりも大きい、請求項1から3のいずれか一つに記載の接合構造。
【請求項5】
前記Alのうち、少なくとも前記Al酸化物からなる層に接している部分にはSiが含まれている、請求項1から4のいずれか一つに記載の接合構造。
【請求項6】
前記Siのうち前記Si酸化物からなる層に接している部分にはAlが含まれている、請求項1から5のいずれか一つに記載の接合構造。
【請求項7】
Siを含むAlワイヤとSi電極との接合構造であって、
前記Alワイヤと前記Si電極との接合部では、当該Alワイヤが押しつぶされて変形されており、
前記Alワイヤの変形されている部分のSi含有率は、変形されていない部分のSi含有率よりも大きい、接合構造。
【請求項8】
前記Alワイヤと前記Si電極との接合部には、Al酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とが互いに接して存しており、
前記Alワイヤと前記Al酸化物からなる層とは接しており、前記Si電極と前記Si酸化物からなる層とは接している、請求項7に記載の接合構造。
【請求項9】
前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを合わせた厚みが0.1nm以上10nm以下である、請求項8に記載の接合構造。
【請求項10】
前記Alワイヤが押しつぶされて変形されている部分のワイヤ幅は、変形していない部分のワイヤ径の1.5倍以上である、請求項7から9のいずれか一つに記載の接合構造。
【請求項11】
前記Alワイヤが押しつぶされて変形されている部分のワイヤは、前記電極部の外側にも存している、請求項7から10のいずれか一つに記載の接合構造。
【請求項12】
AlとSiとの接合方法であって、
Alからなる部材とSiからなる部材とを接触させる工程と、
酸素雰囲気下において、圧着振動部材によって前記Alからなる部材を前記Siからなる部材に押し付け、且つ該圧着振動部材によって前記Alからなる部材に超音波を印加するボンディング工程と
を含み、
前記ボンディング工程では、前記Alからなる部材と前記Siからなる部材との間にAl酸化物からなる層とSi酸化物からなる層とを形成する、接合方法。
【請求項13】
前記ボンディング工程では、前記Siからなる部材の表面に存するSiの自然酸化膜を除去して前記Al酸化物からなる層と前記Si酸化物からなる層とを形成する、請求項12に記載の接合方法。
【請求項14】
前記ボンディング工程において、前記圧着振動部材は前記Alからなる部材を前記Siからなる部材に対して0.14N以上0.4N以下の力によって押し付けて、30ms以上50ms以下の間超音波を印加する、請求項12または13に記載の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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