説明

接点要素の二つのセット及び二つの駆動源を有するスイッチ

【課題】耐高電圧能力及び迅速なスイッチング時間を有する中電圧または高電圧スイッチを提供する。
【解決手段】スイッチは、接点要素13a,13b,13cの第一のセット、及び接点要素14a,14b,14cの第二のセットを有している。各接点要素は、導電要素16を支持する絶縁キャリア15からなる。このスイッチの閉じられた電流伝送状態において、前記導電要素16は、軸方向Aに沿って、スイッチの端子8,9の間で、一つまたはそれ以上の電流経路34を形成するように揃えられている。このスイッチを開けるために、前記接点要素13a,13b,13c;14a,14b,14cは、二つの駆動源により、軸方向Aに対して垂直の方向Dに沿って互いに変位される。このスイッチは、流体密ハウジングの中で、高い圧力のガスの中または液体の中に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに変位可能な接点要素の第一及び第二のセットを有する高電圧または中電圧スイッチに係る。本発明はまた、そのようなスイッチを有する電流ブレーカに係る。
【背景技術】
【0002】
このタイプのスイッチは、米国特許公報 US 7,235,751 の中に開示されている。このスイッチは、接点要素の第一及び第二のセット、及び、これらの接点要素の内の一つを、変位方向に沿って変位させるように構成された駆動源を有している。各接点要素は、少なくとも一つの導電要素を支持している。接点要素の第一の相対位置において、それらの導電要素は、結合して、変位方向に対して横方向に、スイッチの第一の端子と第二の端子の間で、少なくとも一つの導電経路を形成する。接点要素の第二の位置において、導電要素は、食い違いの位置に互いに変位され、それにより、上記の導電経路が切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,235,751号明細書
【発明の概要】
【0004】
本願発明により解決されるべき課題は、このタイプの改善されたスイッチを提供することにある。この課題は、請求項1のスイッチにより解決される。従って、このスイッチは、電流の入り切りのために使用される第一及び第二の端子を有している。更に、このスイッチは、接点要素の第一及び第二のセット、及び、これらの接点要素を、変位方向に沿って互いに対して互いに変位させるように構成された駆動源を有している。各接点要素は、少なくとも一つの導電要素を支持する絶縁キャリアを有している。
【0005】
導電要素の位置は以下の通りである:
− 接点要素の第一の相対位置において、導電要素は、第一の端子と第二の端子との間で、軸方向に沿って、一つまたはそれ以上の導電経路を形成し、即ち、スイッチは、閉じられた、導通位置にある;
− 接点要素の第二の相対位置において、導電要素は、導電経路が形成されないように互いに変位され、即ち、スイッチは、その開かれた、非導通位置にある。
【0006】
スイッチは、第一及び第二の駆動源を有していて、各駆動源は、接点要素の前記セットの内の一つに接続される。第一及び第二の駆動源は、同時に、即ち、並行的にまたは同一のタイム・ウインドウの間に、第一及び第二のセットを反対方向に、それぞれ移動させるように構成されている。この手立てによって、相対的な接点分離速度、並びに、トータルの接点分離距離が基本的に二倍にされ、それがより速いスイッチングを可能にし、且つ、各駆動源の移動長さを減少させて、接点ギャップを挟む絶縁強度の迅速な形成をもたらす。
【0007】
好ましくは、各駆動源は、電気的な駆動コイル及び可動部材を有していて、ここで、可動部材は、第一の位置と第二の位置の間で移動されることが可能であり、接点要素の第一または第二のセットに、それぞれ接続される。第一の位置は、接点要素の第一の相対位置に対応し、第二の位置は、接点要素の第二の相対位置に対応し、あるいは、その逆でも良い。各駆動源は、電流が駆動コイルの中を通って流れるとき、駆動コイルから遠ざかる方向に、第一の位置から第二の位置へ、可動部材を加速させるように構成されている。このようにして、駆動コイルの中を通る電流パルスは、スイッチを閉じるためまたは開くために使用されることが可能である。
【0008】
それ故に、また更なる好ましい実施形態において、このスイッチは、第一の駆動源の駆動コイル及び第二の駆動源の駆動コイルの中に、並行電流パルスを発生するように構成された電流パルス発生器を有していて、それにより、両方の駆動源の並行動作を実現する。
【0009】
非常にシンプルなデザインは、第二の駆動源の駆動コイルに対して電気的に直列に、第一の駆動源の駆動コイルを配置することにより、並行運動が実現されることを確保する。このようにして、電流パルスは、両方の駆動源に同時に作用する。
【0010】
駆動源は、好ましくは、ハウジングの中に配置され、それにより、機械的なブッシングの必要性を取り除く。
【0011】
スイッチは、好ましくは、高電圧の用途で(即ち、72kVを超える電圧に対して)使用されるが、このスイッチは、中電圧用途のために(数KVと72kVとの間で)使用されることも可能である。
【0012】
他の好ましい実施形態は、従属請求項、従属請求項の組み合わせ、並びに、図面と共に以下の説明の中に、記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、スイッチの実施形態の断面図を示している。
【図2】図2は、接点要素の拡大断面図を示している。
【図3】図3は、導電要素を有するキャリアの断面図を示している。
【図4】図4は、キャリア及び導電要素の第二の実施形態を示している。
【図5】図5は、スイッチの適用例を示している。
【図6】図6は、スイッチを開けるとき及び閉じるときのストローク対時間の図を示している。
【図7】図7は、駆動源の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下のその詳細な説明からより良く理解され、以上で規定されたもの以外の実施形態及び優位性も明らかになるであろう。そのような説明は、添付図面を参照する。
【0015】
図1のスイッチは、絶縁性の流体で、特に、SFまたは高い圧力の空気などで、または油で、満たされたスペース2を密閉する流体密ハウジング1を有している。
【0016】
ハウジング1は、マニフォールド・タイプのGISタイプの金属製密閉容器を形成し、二つの管状部分を有している。第一の管状部分3は、軸方向Aに沿って伸び、第二の管状部分4は、方向Dに沿って伸びている。この方向Dは、以下で明らかになる理由のために、変位方向と呼ばれている。軸方向Aは、変位方向Dに対して垂直にまたはほぼ垂直であることが可能である。管状部分は、実質的に十字形のハウジング部分5により形成されている。
【0017】
第一の管状部分3は、第一及び第二の支持絶縁体6及び7で、それぞれ終了する。第一の支持絶縁体6は、第一の端子8を支持し、第二の支持絶縁体(7)は、スイッチの第二の端子9を支持している。支持絶縁体6,7の中を通って伸びる二つの端子8,9は、実質的に軸方向Aに沿って、スイッチを通って、電流を伝送する。
【0018】
第二の管状部分4は、第一及び第二のキャップ、またはフランジ部分10及び11の中で、それぞれ終了する。
【0019】
第一の端子8及び第二の端子9は、スペース2の中心の方へ伸び、互いからの距離を隔てて終了し、スイッチング装置12が、第一の管状部分3と第二の管状部分4の交差領域で、それらの間に配置されている。
【0020】
図2から良く分かるように、スイッチング装置12は、接点要素の第一のセット13a、13b,13c、及び、接点要素の第二のセット14a、14b、14cを有している。ここに示された実施形態において、各セットは、三つの接点要素を有しているが、その数は変わっても良く、例えば、二つまたは三つ以上である。第一及び第二のセットは、異なる数の(例えば二つ及び三つの)接点要素を、それぞれ有していても良い。好ましくは、その数は、セット当り少なくとも二つの接点要素である。二つのセットの接点要素は、交互に積み重ねられていて、即ち、一つのセットの各接点要素は、それがスイッチング装置12の端部に配置されていない場合には、他のセットの二つの接点要素に隣接し、その場合には、各接点要素は、他のセットの一つの接点要素と端子8,9の内の一つとの間に配置される。
【0021】
図2及び3に示されているように、各接点要素は、プレート形の絶縁キャリア15、一つまたはそれ以上の導電要素16、及びアクチュエータ・ロッド17を有している。ここに示された実施形態において、各キャリア15は、二つの導電要素16を支持している。
【0022】
図1及び2は、閉じられた状態のスイッチを示していて、接点要素13a,13b,13c;14a,14b,14cは、第一の相対位置にあり、導電要素16は、第一の端子8と第二の端子9との間で、軸方向Aに沿って、二つの導電経路34を形成するように揃えられている。導電経路34は、端子8,9の間で電流を伝送する。それらの数は、電流を連続して運ぶ能力を増大させるために、1よりも大きいことが可能である。他の代表的な実施形態において、各絶縁キャリア15の中に、三つの接点要素16を配置することが可能であり、それは、スイッチが閉じられたとき、三つの導電経路34をもたらす。更なる代表的な実施形態において、各絶縁キャリア15の中で四つの接点要素16を一列に並べずに配置することも可能であり、それは、スイッチが閉じられたとき、四つの導電経路34をもたらす。
【0023】
接点要素13a,13b,13c;14a,14b,14cは、第二の位置に、変位方向Dに沿って移動されることが可能であり、この第二の位置で、導電要素16は、互いに対して食い違い、導電経路を形成しない。図2において、この第二の位置における導電要素の位置は、参照符号16’を付して、点線で示されている。この図から分かるように、導電要素16’は、方向Dに沿って互いから分離され、それにより幾つかの接点ギャップを作り出し(接点要素13,14の数の二倍)、それにより、高いレベルの耐絶縁性を迅速にもたらす。
【0024】
そのような変位を実現するために、そして、図1の中で良く分かるように、アクチュエータ・ロッド17は、二つの駆動源18,19に接続されている。第一の駆動源18は、接点要素の第一のセット13a、13b,13cのアクチュエータ・ロッド17に接続され、第二の駆動源19は、接点要素の第二のセット14a、14b、14cのアクチュエータ・ロッド17に接続されている。
【0025】
図1及び2に示された実施形態において、スイッチは、アクチュエータ・ロッド17を、スイッチの中心から遠ざかるように引くことにより開かれ、それにより、導電要素を、それらの第二の、食い違いの位置に移動させる。その代わりに、ロッド17は、スイッチの中心の方へ押されることも可能であり、それもまた、導電要素を食い違いの位置に移動させることを可能にする。
【0026】
駆動源18,19は、例えば、反発するロレンツ力の原理で動作することが可能であり、そして、米国特許公報 US 7,235,751 に示されたタイプであって、この米国特許公報は、ここでリファレンスによりその全体でこの明細書の中に組み込まれる。各駆動源は、接点要素の一つのセットを変位方向Dに沿って変位させることが可能である。それらは、走行長さ及び変位の速度を増大させるために、第一及び第二のセットを同時に反対方向に移動させるように、構成され且つコントロールされる。適切な駆動源の実施形態は、以下においてより詳細に説明される。
【0027】
駆動源18,19は、第二の管状部分4の反対側の端の領域の中に配置されている。
【0028】
留意すべきことは、要求される絶縁強度を接点システムがもたらすために、駆動源の全ストローク(例えば駆動源当り20mm)に亘って、必ずしも移動しなくても良く、遥かにより短い(例えば駆動源当り10mm)距離で十分であることがあり、それは、より短い時間で到達されることが可能である、と言うことである。これはまた、ストロークの末端の位置に、そして、アクチュエータの減衰フェーズに到達する際に、逆方向への移動の場合にある程度の安全性をもたらす(図6参照方)。その図面から分かるように、導電要素16の十分な分離は、1または2msの中で到達されることが可能である。
【0029】
図2に示されているように、スイッチがその第一の位置にあるとき、各端子8,9は、導電要素16に接触する接点表面33を形成する接点プレート32を支持している。接点プレート32は、軸方向に変位可能な状態で、端子8,9に取り付けられ、バネ20は、接点表面33を導電要素に対して弾性的に押し付け、それにより、導電要素16を、より良い伝導のためのそれらの揃えられた状態に押し付ける。図2の実施形態において、ラセン圧縮バネ20がこの目的のために使用されているが、他のタイプのバネ部材が同様に使用されることも可能である。また、各端子8,9の中に少なくとも一つのバネ部材があることは好ましいが、揃えられた導電要素16に対する圧縮力が、端子8,9の唯一つの中のバネ部材により作り出されることも可能である。
【0030】
図3は、そのキャリア15の中の、単一の導電要素16の実施形態の断面図を示している。図から分かるように、この要素は、キャリア15の両方の軸方向の表面15a、15bの上方に、高さHだけ、軸方向に突出している。換言すると、導電要素16の軸方向の範囲(即ち、軸方向Aに沿う範囲)は、その周囲を取り囲むキャリア15の軸方向の範囲を超えている。好ましくは、導電要素16の位置で、キャリア15の軸方向の範囲は、導電要素16の軸方向の範囲と比べて、少なくとも10%小さい。
【0031】
導電要素16は、好ましくは、銀でコーティングされたアルミニウムの本体を有している。
【0032】
図3の実施形態において、導電要素16は、例えば接着剤により、キャリア15に固定された状態で接続されている。
【0033】
図4は、接点要素16の代替的な実施形態を示している。この実施形態において、接点要素16は、例えばネジ23により、互いに接続された第一の部分21及び第二の部分22を有している。各部分21,22は、シャフト24及びヘッド25を有していて、ヘッド25は、シャフト24と比べてより大きい直径を有している。二つのシャフト24は、キャリア15及びキャリア15の表面15a、15bに対する頭受けの開口部26の中を通って、軸方向に伸びている。二つのヘッド25の間の距離は、キャリア15の軸方向の範囲と比べて僅かに大きく、それによって、導電要素16が、上記の理由のために、キャリア15に対して軸方向Aに可動である。
【0034】
図4の実施形態において、ネジは、二つの部分21,22を接続するために使用されていた。その代わりに、リベットが同様に使用されることも可能である。また更なる代替形態において、部分21,22の内の一つは、ピンを有するオス部分としてデザインされることが可能であり、このピンが、プレス嵌めまたはシュリベル・フィット・コネクタを形成するために、他方の、メス部分の開口部の中に導入される。
【0035】
図5は、高電圧サーキット・ブレーカの中での、本願発明のスイッチ27の適用例を示している。このサーキット・ブレーカは、互いに平行に配置された一次の電気的ブランチ28及び二次の電気的ブランチ29を有している。少なくとも一つの固体状態のブレーカ30は、一次ブランチ28の中に配置され、複数の固体状態のブレーカ31は、二次ブランチ29の中に直列に配置されている。二次ブランチ29の中の固体状態のブレーカ31の数は、一次ブランチ28の中の固体状態のブレーカ30の数と比べて遥かに大きい。
【0036】
サーキット・ブレーカがその閉じられた電流導通状態にあるとき、全ての固体状態のブレーカは、導通状態で、スイッチ27は、閉じられた電流導通状態にある。電流は、二次ブランチ29を実質的にバイパスし、その理由は、一次ブランチ28の中での電圧低下が遥かに小さいからである。それ故に、公称電流に対して、サーキット・ブレーカでの損失は、比較的小さい。
【0037】
電流が遮断されたとき、第一のステップで、一次ブランチ28の中の固体状態のブレーカ30が開かれ、それにより、一次ブランチ28の中の電流が小さな残存値まで減少され、次に、それが、スイッチ27を開けることにより遮断される。ここで、全電流が、既に二次ブランチ29へ転流されている。次のステップにおいて、二次ブランチ29の中の固体状態のブレーカ31が開かれる。
【0038】
それ故に、図5サーキット・ブレーカの開かれた状態で、スイッチ27は、二次ブランチの中での全電圧低下を運び、それにより、一次ブランチ28の固体状態のブレーカ30を絶縁破壊から保護する。
【0039】
上記のスイッチは、その迅速なスイッチング時間及びその大きな絶縁強度のために、スイッチ27としてのそのような用途に良く適合している。
【0040】
図7は、駆動源18,19の好ましい実施形態を示している。駆動源は、チャンバ36を密閉するフレーム35を有している。可動部材37は、チャンバ36の中に配置されて、双安定サスペンション38により保持されている。可動部材37は、接点要素13a,13b,13cまたは14a,14b,14cの一つのセットのアクチュエータ・ロッド17に接続され、アクチュエータ・ロッド17は、フレーム35の中の開口部50の中を通って伸びている。
【0041】
双安定サスペンション38は、変位方向Dに対して垂直の方向に、ボア41,42に沿って可動の第一及び第二のピストン39,40を有している。ピストンは、第一及び第二のバネ43,44によりチャンバ36の方へ押し出される。各ピストン39,40は、リンク45,46により可動部材37に接続されている。各リンク45,46は、実質的にリジッドなロッドにより形成され、このロッドは、第一の端部でそのピストン39,40に回転可能に接続され、第二の端部で可動部材37に回転可能に接続されている。
【0042】
バネ43,44は、リンク45,46を可動部材37に対して押し付ける。このようにして、可動部材37は、双安定サスペンション38の中の二つの安定位置、即ち、図7の中で実線で示されているような第一の位置、並びに、破線で示されているような第二の位置、を取ることが可能である。第一の位置は、接点要素の第一の相対位置に対応し、第二の位置は、第二の相対位置に対応している。
【0043】
可動部材37を作動させるために、第一及び第二の駆動コイル47,48がチャンバ36の両側に配置されている。更に、可動部材37は、少なくともその駆動コイル47,48に面する表面で、導電性の材料で作られている。第一及び第二の安定位置において、可動部材37は、第一及び第二の駆動コイル47,48に、それぞれ隣接している。
【0044】
それ故に、可動部材37が、例えばその第一の位置にあって、電流パルスが第一の駆動コイル47の中を通って送られるとき、 ミラー電流が可動部材37の中で発生し、それが、可動部材37を第一のコイル47から遠ざかように加速する反発力をもたらす。このようにして可動部材37に与えられる運動エネルギーは、可動部材37を第二の駆動コイル48に隣接するその第二の位置へ移動させるために十分である。
【0045】
二つの駆動源17,18は、同時に作動されるべきであり、または少なくとも、同一のタイム・ウインドウの中で作動されるべきである。パルス発生器49(図1参照方)は、この目的のために設けられている。パルス発生器49は、スイッチを開けるために、両方の駆動源17及び18の第一の駆動コイル47へ並行電流パルスを発生するように構成され、および/または、スイッチを閉じるために、両方の駆動源17及び18の第二のコイル48へ並行電流パルスを発生するように構成されている。
【0046】
好ましくは、そして既に指摘したように、並行動作は、例えば、両方のスイッチの第一の駆動コイル47を電気的に直列に配置することにより、容易に実現されることが可能であり、それは、図1の中の駆動源17,18とパルス発生器49との間のフィードラインにより示されている。
【0047】
同様に、両方のスイッチの第二の駆動コイル48は、好ましくは、同様に直列に配置されるべきである。
【0048】
注記:
ハウジング1は、好ましくは接地電位にあるが(例えばGIS=ガス絶縁変電施設において)、高電圧電位にあっても良い(例えばライブ・タンク・ブレーカにおいて)。上記の例において、各絶縁キャリア15は、それ自身のアクチュエータ・ロッド17を有していた。その代わりに、アクチュエータ・ロッドの数は、異なっていても良く、特に、絶縁キャリア15の数と比べて小さく、絶縁キャリアの少なくとも一部が、機械的に相互に接続されていても良い。
【符号の説明】
【0049】
1・・・ハウジング、2・・・スペース、3,4・・・管状部分、5・・・ハウジング部分、6,7・・・支持絶縁体、8,9・・・端子、10,11・・・キャップ、フランジ、12・・・スイッチング装置、13a,13b,13c・・・接点要素の第一のセット、14a,14b,14c・・・接点要素の第二のセット、15・・・絶縁キャリア、15a,15b・・・絶縁キャリアの軸方向の表面、16,16’・・・導電要素、17・・・アクチュエータ・ロッド、18・・・接点プレート、19・・・接点表面、20・・・バネ、21,22・・・接点要素の第一及び第二の部分、23・・・ネジ、24,25・・・シャフト及びヘッド、26・・・開口部、27・・・スイッチ、28,29・・・一次及び二次のブランチ、30,31・・・半導体ブレーカ、32・・・接点プレート、33・・・接点表面、34・・・導電経路、35・・・フレーム、36・・・チャンバ、37・・・可動部材、38・・・双安定サスペンション、39,40・・・ピストン、41,42・・・ボア、43,44・・・バネ、45,46・・・リンク、47,48・・・駆動コイル、49・・・パルス発生器、50・・・開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧または中電圧スイッチであって、
第一の端子(8)及び第二の端子(9)と、
第一の端子(8)と第二の端子(9)との間に配置された、接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の第一及び第二のセットと、
前記接点要素の第一のセット(13a,13b,13c)に接続され、接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の前記セットを、変位方向(D)に沿って互いに変位させるように構成された第一の駆動源(18)と、
を有し、
各接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)は、少なくとも一つの導電要素(16)を支持する絶縁キャリア(15)を有し、
前記接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の第一の相対位置で、前記接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の導電要素(16)は、前記変位方向(D)に対して横方向に、前記第一の端子(8)と前記第二の端子(9)との間で、軸方向(A)の少なくとも一つの導電経路(34)を形成し、
前記接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の第二の相対位置で、前記導電要素(16)は、互いに変位されて、前記導電経路を形成しない、
高電圧または中電圧スイッチにおいて、
前記スイッチは、前記接点要素の第二のセット(14a,14b,14c)に接続された第二の駆動源(19)を有していて、前記第一及び第二の駆動源(18,19)は、それぞれ、前記第一及び第二のセットを反対方向に同時に移動させるように構成されていること、
を特徴とする高電圧または中電圧スイッチ。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載のスイッチ、
前記駆動源(18,19)のそれぞれは、電気的な駆動コイル(47,48)及び可動部材(37)を有していて、
前記可動部材(37)は、第一の位置と第二の位置の間で可動であり、且つ、接点要素の前記第一または第二のセット(13a,13b,13c;14a,14b,14c)にそれぞれ接続され、
各駆動源(18,19)は、電流が前記駆動コイル(47,48)の中を通って流れるとき、前記駆動コイル(47,48)から遠い方の前記第一の位置から前記第二の位置へ、前記可動部材(37)を加速させるように構成されている。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項2に記載のスイッチ、
前記第一の駆動源(18)の駆動コイル(47,48)に、及び、前記第二の駆動源(19)の駆動コイル(47,48)に、並行電流パルスを発生するように構成された電流パルス発生器(49)を更に有している。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項2または3に記載のスイッチ、
前記第一の駆動源(18)の駆動コイル(47,48)、及び、前記第二の駆動源(19)の駆動コイル(47,48)は、直列に電気的に配置されている。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項2から4の何れか1項に記載のスイッチ、
各可動部材(37)は、双安定サスペンション(38)の中に配置され、前記第一及び第二の位置は、前記双安定サスペンション(38)の安定状態を形成する。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項5に記載のスイッチ、
各駆動源(18,19)は、前記可動部材(37)を前記第一の位置から前記第二の位置ヘ移動させるための、第一の駆動コイル(47)、及び、前記可動部材(37)を前記第二の位置から前記第一の位置ヘ移動させるための、第二の駆動コイル(48)を有している。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項1から6の何れか1項に記載のスイッチ、
前記スイッチは、ハウジング(1)を有している。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項7に記載のスイッチ、
前記ハウジング(1)、第一の管状部分(3)及び第二の管状部分(4)を有し、
第一の管状部分(3)は、両側で、第一及び第二の支持絶縁体(6,7)の中で終了し、第一の端子(8)は、第一の支持絶縁体(6)の中を通って伸び、第二の端子(9)は、第二の支持絶縁体(7)の中を通って伸び、
第二の管状部分(4)は、前記第一の管状部分(3)に対して実質的に垂直に配置され、前記第一及び第二の駆動源(18,19)は、前記第二の管状部分(4)の反対側の端の領域の中に配置され、
前記接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)は、前記第一及び第二の管状部分(3,4)の交差領域に配置されている。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項7または8に記載のスイッチ、
前記ハウジング(1)は、前記第一及び第二の接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)が流体密ハウジング(1)の中に密閉されるように構成され、
前記流体密ハウジング(1)は、前記接点要素(13a,13b,13c;14a,14b,14c)の周囲を取囲む、電気的に絶縁性の流体を含んでいる。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項7から9の何れか1項に記載のスイッチ、
前記駆動源(18,19)は、前記ハウジング(1)の中に配置されている。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載のスイッチ(27)を有する電流ブレーカであって、
当該電流ブレーカは、
並列に配置された、一次の電気的ブランチ(28)及び二次の電気的ブランチ(29)と、
一次の電気的ブランチ(28)の中に配置された、少なくとも一つの固体状態のブレーカ(30)と、
二次の電気的ブランチ(29)の中に直列に配置された、複数の固体状態のブレーカ(31)と、
を更に有し、
二次の電気的ブランチ(29)の中の固体状態のブレーカ(31)の数は、一次の電気的ブランチ(28)の中の固体状態のブレーカ(30)の数と比べて多いこと、及び、
前記スイッチ(27)は、前記一次の電気的ブランチ(28)の前記固体状態のブレーカ(30)に対して直列に、前記一次の電気的ブランチ(28)の中に配置されていること、
を特徴とする電流ブレーカ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−221959(P2012−221959A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−89922(P2012−89922)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(505063441)アーベーベー・テヒノロギー・アーゲー (96)
【Fターム(参考)】