説明

接着剤組成物

本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物に関する。本発明はまた、このような接着剤組成物を含む医用接着デバイスにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それぞれ2009年10月8日および2010年9月21日に出願され、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/278,587号および第61/385,043号の優先権およびその利益を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、皮膚に適用できる接着剤組成物および医用接着デバイスにおけるその使用に関する。本接着剤組成物は、独特の特徴である皮膚親和性(skin friendliness)(例えば、低アレルギー性)、再位置決め性(repositionability)、無痛除去性、および自然抗菌活性を誘発する能力を有する。
【0003】
背景
従来の接着剤組成物、ならびに創傷被覆材(wound dressings)および造孔用製品(ostomy products)は、多年にわたって知られている。当業界は好調に発展しているが、現在の製品は、いくつかの重大な欠点を留めている。1つの不利点は、最初に適用した後、被覆材を再位置決めできない点である。多くの従来の接着剤組成物についての他の問題は、除去する際に経験する痛みである。こうして、上記の状態に対処する接着剤組成物、創傷被覆材、または造孔用製品を設計することの強い要求が存続している。
【0004】
したがって、本発明の一態様は、最初に適用した後、再位置決めする必要性に対処し、また除去する際に患者が経験する痛みの量を軽減する接着剤組成物、創傷被覆材、または造孔用製品を提供することである。本発明の他の目的は、本発明の下記の記述から明らかになるであろう。
【0005】
発明の概要
広く言うと、本発明の特徴は、本発明の一態様において、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を作り出すことによって実現される。この接着剤組成物は、独特の特徴である皮膚親和性、例えば低アレルギー性、無痛除去性、再位置決め性、および自然抗菌活性を誘発する能力を有する。
【0006】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスに関する。
【0007】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、(v)少なくとも1種の有益剤(benefit agent)とを含む接着剤組成物を含む皮膚固定または経皮的薬剤送達接着マトリックス組成物に関する。
【0008】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、(v)少なくとも1種の有益剤とを含み、全体のトリグリセリド含量が、組成物の1重量%〜65重量%の範囲内にある造孔用接着剤組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】鉱油(Om)およびココヤシ油(Oc)の粘度対温度プロフィールを示すグラフである。ココヤシ油は20℃で溶融し、この温度点未満では、測定できる流動が存在しないことに留意されたい。
【0010】
詳細な説明
本発明は、皮膚固定デバイス、創傷被覆材および造孔固定(ostomy fixation)に使用することのできる接着剤組成物に関する。
【0011】
創傷周囲皮膚の表皮が損傷される場合、かつ/または被覆材を除去する間に接着剤によって毛髪が引っ張られる場合に、痛みが感知される。創傷した皮膚上での、攻撃的過ぎる接着剤は、新たに成長した組織に加えられる損傷のため、またその後の治癒の遅れのため望ましくない。
【0012】
一般に、接着剤は、接着破壊、凝集破壊、または基質破壊という3つの形のいずれかで機能しなくなる可能性がある。接着破壊の場合、接着剤は、接着剤/基質の界面で機能しなくなって、残渣を残さない(例えば、無痛除去できる創傷被覆材、絆創膏(masking tape));接着剤は良好な内部凝集強度を有し、また界面強度が比較的弱い。凝集破壊は、接着剤/基質の界面力が、接着剤の内部強度を超える場合に生じ、接着剤は、剥がれる際に内部で破壊されことにより、除去後に基質上に接着剤の残渣が残る(例えば、毛髪から、引っ張ってチューインガムを取り除く場合)。基質破壊は、接着強度および凝集強度の両方が、基質の物質の強度を超える場合に生じて、接着剤を除去した際に、基質の物質が引き裂かれる原因となる(例えば、体毛のワクシング(waxing))。
【0013】
皮膚接触接着剤については、凝集破壊は残渣を生じさせ、基質破壊は皮膚を損傷し痛みをもたらすので、接着破壊が好ましい。
【0014】
1つのベンチマークとして、シリコーン接着剤は、一般に、無痛除去のゴールドスタンダードとみなされる。シリコーンは、表面エネルギーが低く、この独特の性状により、表面を「濡らす(wet)」ことができる。シリコーンはまた凝集強度も低い。したがって、凝集力補強体として、さらなる化学的架橋を導入する必要がある。創傷被覆材について、接着剤は、柔らかく、かつやんわりとなるようにしばしば製剤化され、この柔らかさおよびやんわりさは、接着剤の貯蔵弾性率(G’)が低いことによって特徴付けられる。
【0015】
この低いG’(約5,000〜500,000Pa)は、興味深い設計課題を作り出す:G’が低いほど、凝集力は小さく、凝集破壊の機会、および残渣を残す可能性が増加する。実際に、多くの市販のシリコーン接着剤は、この問題を欠点としている。それらは、接着/凝集破壊限界の末端で設計されている。シリコーン接着剤の残渣は、通常、せん断力が最大となる被覆材縁部で観察される。
【0016】
この低いG’は、シリコーン接着剤に、その所望される再位置決め性および無痛除去特性を付与する。しかし、シリコーン接着剤は天然の汗を吸収することができない。シリコーンは、非常に良好に皮膚の輪郭をなぞるので、皮膚上に非多孔質の密着層を形成する。シリコーン接着剤は、通例、高い透湿度(MVTR)を有し、これにより、接着剤層を通って汗が蒸発することが可能であると広告される。しかし、受動的な蒸発する汗の管理は不十分なものである。1日着用した後に、捕集された汗に起因する皮膚の刺激および痒みを観察することができる。蓄積された汗は、細菌の増殖を促進し、しばしば皮膚の刺激、感染症および解離(maceration)の可能性を招く。したがって、皮膚親和性の水吸収剤を組み込んで、皮膚から汗の水分を能動的に吸収し移送して除去することが重要である。親水コロイド(hydrocolloid)接着剤は、この要求条件に適切に順応している。
【0017】
本親水コロイド接着剤の設計アプローチは、所望の再位置決め性および無痛除去性という設計属性を達成するために、シリコーン接着剤のG’と同様な、接着剤のG’を得ることを対象とする。この目標を達成するために、接着剤にトリグリセリドを組み込むことができる。
【0018】
通例、トリグリセリドは、それらが酸敗性の恐れがあり、また生分解され易いため、接着製剤から意図的に排除される。しかし、高度に飽和した、または人工的に水素化したトリグリセリドを注意深く選択することによって、酸敗性の悪影響を避け、またはなくすことができる。創傷治療および造孔治療の場合、皮膚上または創傷ベッドに痕跡量の接着剤残渣を残すことはしばしば避けられない。したがって、生分解性油がより望ましく、鉱油などの生物学的に不活性な合成油と比較して接着製剤において思いがけない利点をもたらす。
【0019】
本特許出願において、トリグリセリド、例えばココヤシ油および/または植物油において顕著なトリグリセリドが、一般の皮膚接着剤、創傷被覆材および造孔用途において合成油を完全にまたは部分的に置き換える能力を有することが実証される。さらに、トリグリセリドを高度に温度敏感性の接着剤として組み込むことができ、接着性が皮膚温度で活性化されることも実証される。
【0020】
このような、高トリグリセリド含量を有する皮膚親和性接着剤は、経皮的に送達する用途向けに、脂質可溶性の有益剤を組み込むように設計することができる。親水系有益剤のためには、乳化剤を組み込んで、トリグリセリド系接着剤マトリックス内に有益剤を懸濁させる助けとすることができる。
【0021】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0022】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含み、この脂肪酸が、高度に飽和した植物油に由来している、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0023】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含み、植物油がココヤシ油である、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0024】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含み、植物油が、さらに改質した、精製した、未使用の、分留したまたは水素化した供給源から得られる、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)粘着付与剤とを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0026】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)天然ロジン、改質ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、改質ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリトリトールエステル、改質ロジンのペンタエリトリトールエステル、フェノール改質テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂および脂環式樹脂からなる群から選択される粘着付与剤とを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0027】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)合成油とを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0028】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)鉱油またはシリコーン油とを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0029】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含み、このコポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含む、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0030】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤とを含み、このガムまたはゲル増粘剤がカチオン性、アニオン性または非イオン性である、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0031】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤とを含み、このゲル増粘剤が水溶性もしくは水膨潤性の親水コロイドまたはその混合物である、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0032】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤とを含み、このゲル増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ペクチン、カラゲナン(carragean)およびゼラチンからなる群から選択される、皮膚に適用できる接着剤組成物を包含する。
【0033】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0034】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)粘着付与剤とを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0035】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)天然ロジン、改質ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、改質ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリトリトールエステル、改質ロジンのペンタエリトリトールエステル、フェノール改質テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂および脂環式樹脂からなる群から選択される粘着付与剤とを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0036】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)粘着付与剤と、(iv)合成油とを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0037】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)粘着付与剤と、(iv)合成油とを含み、この合成油が鉱油またはシリコーン油である接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0038】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーとを含み、このコポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0039】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤とを含み、このコポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含む接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0040】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤とを含み、このコポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含み、このゲル増粘剤が水溶性もしくは水膨潤性の親水コロイドまたはその混合物である接着剤組成物を含む医用接着デバイスを包含する。
【0041】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、(v)少なくとも1種の有益剤とを含む接着剤組成物を含む皮膚固定または経皮的薬剤送達接着マトリックス組成物を包含する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸を含む極性の油または脂肪と、(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、(v)少なくとも1種の有益剤とを含み、全体のトリグリセリド含量が、組成物の1重量%〜25重量%の範囲内にある造孔用接着剤組成物を包含する。
【0043】
一実施形態において、このホモポリマーは、ホモポリマーゴムである。ホモポリマーゴムの例には、イソブチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブロモブチルゴムおよびクロロブチルゴム(chlorobutyal rubber)が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
適切なコポリマーは、少なくとも2種のモノマーを含有し、これらのモノマーは、非常に異なるガラス転移温度を有し、そのため互いに不混和性であり、室温で相分離する。このようなコポリマーの例には、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレン−ブチレンスチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−スチレン(SES)、スチレン−プロピレン−スチレン(SPS)およびエチレン酢酸ビニル(EVA)が含まれるが、これらに限定されない。コポリマーは、Kraton(商標)D 1107(Shell Chemicals)、Kraton(商標)D 1100、Kraton(商標)D1102、Kraton(商標)4000、Kraton(商標)G1600、Kraton(商標)G4600およびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。コポリマーは、Kraton(商標)D1107(Shell Chemicals)などのSISポリマーであることが、より好ましい。
【0045】
一実施形態において、コポリマーはSISである。SISは、接着剤を構築する基礎として作用するベースポリマーを構成することができる。スチレンおよびイソプレンは、非常に異なるガラス転移温度(Tg)(それぞれ+100℃および−60℃)を有する。スチレンおよびイソプレンは不混和性であり、室温で相分離する:スチレンは結晶化するが、イソプレンは液体のままである。SISは、イソプレン鎖の両端にスチレンを有するので、硬化したスチレン結晶は、ナノスケールの物理的架橋剤として作用し、接着剤に完全性をもたらし、その完全性が接着剤ミックスに凝集強度を付与する。一方、イソプレンは低Tgを有し、そのTgを、さらなる粘着付与剤によって修正する必要がある。さらに、接着剤のG’は、しばしば油または脂肪である可塑剤の添加によって修正することができる。選択した油および粘着付与剤の化学的性質に応じて、油および粘着付与剤は、スチレンおよびイソプレンに対する種々の度合いの親和力を有することができる。一般に、選択した大抵の油および粘着付与剤は、中間ブロックであるイソプレン領域(I)には良好な親和力を有し、また末端ブロックであるスチレン領域(S)には中間の親和力からゼロの親和力を有して、凝集強度を保持する必要がある。
【0046】
適切な粘着付与剤は、しばしば低分子量を有すると共にイソプレンよりも高いTgを有する。適切な粘着付与剤の例には、天然ロジン、改質ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、改質ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリトリトールエステル、改質ロジンのペンタエリトリトールエステル、フェノール改質テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂および脂環式樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
油(O)は、天然の植物もしくは動物から由来し(トリグリセリド)、または石油から由来する(鉱油)。通例、天然のグリセリド系油は、酸化され易いことにより油を酸敗させるため接着剤中に使用されない。酸敗の悪影響に対処するため、本発明者らは、天然の、高度に飽和したココヤシ油(Oc)を使用する。Ocは、92%の飽和油高含量を有し、このため水素化なしでもより長い貯蔵安定性をもたらす。通例、Ocは、窒素ブランケットまたは任意の他の酸素除去包装の必要性なしで、少なくとも2年間新鮮のままである。貯蔵寿命をさらに長くするために、水素化したOcおよび/または酸化防止剤を使用して、酸敗過程を最小限とし、またはなくすこともできる。油は、イソプレン領域を希釈することによって接着剤の貯蔵弾性率(G’)を低下させる手段を提供する。低いG’は、接着剤が短時間に表面にぴったり密着することを可能にする。
【0048】
ココヤシ油は、鉱油(Om)よりもはるかに低い粘度を有する。接着剤中の油の効果を調べるため、一定量のベースポリマー(K)を、最大のタックに到達するまで、種々の量の油と混合させることによって一連の実験を行った。O/Kミックスの粘着性(tackiness)を、それぞれの混合比について指間で感じる。粘着性感覚試験は、迅速な定性的比較である。定量的ではないが、油のタック有効性について、極めて有用な洞察をもたらす。これらの結果を以下の表に示す。
【0049】
Om/Kミックスについて、皮膚上の最大タックは、比率8/1(重量/重量)で感じられ、タック得点2/5(タック得点5/5が、現在のSureSkin II Euromed親水コロイドについての評点とみなされ、またタック得点0/5はタックなしとみなされる。)であった。タック得点は、体温および室温で同様である。Om/Kミックスは、良好な冷流動抵抗を有するが、タックに乏しいゴム様の油ゲルである。ゲルを室温(すなわち約25℃)で約8時間放置しても、ゲルは変形または形状変化しない。
【0050】
Oc/Kミックスについて、Om/Kミックスと比較すると、タックははるかに高い。最大タックは、重量/重量比1.6/1で生じ、体温でタック得点5/5である。Oc/Kミックスは、室温では非常に堅く硬質であり、体温では非常に柔らかで粘着性の油ゲルに変るという点で、非常に独特な特性を有する。室温におけるタック得点はわずかに1/5である。この極端な温度依存性は、ココヤシ油の独特の溶融特性による:ココヤシ油は、20℃で溶融する。
【0051】
【表1】

【0052】
高い温度依存性は、非常に有用な利点をもたらす:すなわち、接着剤が、体熱で活性化される。接着剤は、室温では十分に粘着しない。これにより、最初の被覆材適用の間、被覆材を手で取り扱い、再位置決めすることが可能になる。被覆材が適所に置かれると、体熱により油がゆっくり溶融し、接着剤は速やかに、10分以内に皮膚にぴったり密着し、強い接合が急速に構築される。
【0053】
OmとOcとを比較すると、いずれの油も、接着剤のG’を低減させるために組み込むことができる。しかし、Ocは、皮膚温度で皮膚へのはるかに高い接合能力を有する。油は一般に、タックをもたらす粘着付与剤とみなされないが、Ocの高い接合能力は、粘着付与剤を使用せずとも、粘着性の接着剤ゲルを作ることを可能にする。これは、レオロジー測定によって説明することができる:Ocは、スチレン領域のTgピークを幅広くし低くする。Ocは、鉱油のそれと比較して、スチレン領域に対するより高い親和力を有する。したがって、Ocはスチレン領域を弱くして、接着剤にいくらかの凝集強度を失わせ、粘着付与剤を必要とせずに、混合物が接着剤に変換されるのを可能にする。Ocは、この挙動を、Oc溶融温度(20℃)を超えるときだけ示して、温度敏感性接着剤を形成する。したがって、本発明者らは、Ocの特徴の理解を得たことに基づいて、Ocを用いて皮膚親和性接着剤を製剤化した。
【0054】
本接着剤組成物は、親水コロイド(HC)として分類される流体吸収剤材料を含む。親水コロイドは、皮膚固定デバイス、創傷被覆材、経皮パッチにおいて、また造孔用途において使用される。皮膚固定用途および創傷被覆材用途では、親水コロイド接着剤ミックスはポリマーフィルムに積層されて、接着剤積層物を形成する。この積層物は、無傷皮膚に適用され得(皮膚固定)、または創傷に適用され得て(創傷被覆材)、環境バリヤおよび創傷クッションとして作用し、過剰の体汗および創傷滲出物を吸い取る。造孔固定系では、純粋な親水コロイド接着剤をプレスしてリング形状とし、皮膚上に造孔パウチ(ostomy pouch)を接合するために使用される。さらに、本接着剤は、ストーマ周囲の保護バリヤまたはシーラントとして使用して、流出液がストーマ周囲の皮膚と接触するのを遮断することができる。
【0055】
本組成物は、IV被覆材、発泡接着剤および有縁発泡被覆材などの医用固定に適用することができる。このような医用固定は、無痛除去、および創傷周囲皮膚への損傷が回避される特徴を有するであろう。IV被覆材は、IV注射孔を覆う皮膚バリヤとして作用する透明/半透明な薄い被覆材である。発泡接着剤は、皮膚接触側上に接着剤コーティングを有する発泡被覆材である。接着剤は、発泡体を接着させることが可能であり、看護師が発泡体を縁取りするために二次的な接着剤を適用する必要なしに、創傷部位へのやんわりとした接合をもたらす。有縁発泡被覆材は、発泡体に予め積層した接着剤の縁を有し、被覆材は、二次的な接着剤を必要とせずに、そのまま使用される。
【0056】
適切な親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤は、水分を吸い取り、かつ接着剤組成物に追加の凝集強度をもたらすという二重の目的を果たす。適切な親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤は、やんわりとしたタックをもたらすが、流体吸収はもたらさない。
【0057】
皮膚固定接着剤は、実験的設計を経て製剤化された。プロトコルは、一定量のベースSISコポリマーから始まり、次いで粘着付与剤および油が反復して添加されて、連続相を形成する。所望のタックを有するように、また接着剤ベースを形成するために、接着剤性能を試験する。接着剤連続相を配合した後、固体不連続相または流体吸収性材料(例えば、カルボキシメチルセルロースガム(CMC))が添加される。添加されるCMCの量に応じて、連続相配合を修正する必要がある場合もあり、または修正する必要がない場合もある。
【0058】
CMCは、セルロースの改質塩である。CMCは、水分を吸い取り、かつ接着剤ミックスに追加の凝集強度をもたらすという二重の目的を果たす。水吸収能力は、添加されるCMCの濃度に依存する。他の吸水性材料またはガムを、一緒に添加して、相乗的吸水効果を達成することもできる。
【0059】
本明細書で使用される用語「に由来」は、「知られている機械的または化学的精製、分離または抽出技術によって、高度に飽和した植物油から得られる」と定義される。例として、本発明の一実施形態において、脂肪酸が高度に飽和した植物油に由来している場合に、この用語が使用される。
【0060】
本明細書で使用される用語「から得られる」は、「知られている精製、分離または抽出技術によって、これらの指定された供給源から生成もしくは合成される」と定義される。例として、本発明の一実施形態において、さらなる改質した、精製した、未使用の、分留したまたは水素化した供給源から植物油が得られる場合に、この用語が使用される。
【0061】
本明細書で使用される用語「有益剤」には、皮膚、毛髪もしくは爪中の、かつ/または皮膚、毛髪もしくは爪上の所望の場所に送達される化粧剤または医薬品などの任意の活性成分が含まれる。
【0062】
「化粧剤」とは、局所適用によって、例えば、毛髪、爪および/または皮膚について化粧処置する、栄養素を供給する、かつ/またはコンディションを整えるのに適した任意の成分を意味する。「医薬品」とは、本質的に疎水性または親水性のいずれかであり、局所使用に適した任意の薬物を意味する。
【0063】
適切な有益剤の例には、鎮痛薬、ステロイド性および非ステロイド性の性質両方の抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、痒み止め、全身および局所麻酔薬、血管収縮薬;血管拡張薬、利尿薬およびACE阻害剤を含む血圧降下薬;強心剤、止血剤(hemostatics)および止血薬(styptics)、粘液溶解薬、鎮咳薬、去痰剤、粘膜保護剤(mucoprotectants)、抗悪性腫瘍薬(antineoplastics)、免疫剤(immunologic agents)、抗生物質、抗ウイルス薬、抗糖尿病剤、気管支拡張剤、交感神経模倣薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン遮断薬、抗コリン作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬、骨格筋弛緩薬、子宮および抗片頭痛薬、鎮静剤、催眠薬(hypnotics)、抗不安薬、中枢神経系興奮剤、抗うつ薬および他の向精神薬、抗てんかん薬、抗嘔吐薬ならびにホルモン(hormones)が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
鎮痛薬には、アヘン剤(opiate)および非アヘン剤鎮痛薬ならびに合成および天然起源両方のアンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。例には、モルヒネ誘導体、コデイン誘導体、メタドン、プロポキシフェン、メペリジン、フェンタニル;レボルファノールなどのモルヒナン、およびペンタゾシンが含まれるが、これらに限定されない。他の鎮痛薬には、アセタミノフェンが含まれるが、これに限定されない。
【0065】
非ステロイド性抗炎症剤のいくつかの例には、フェノプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェンなどのプロピオン酸;メクロフェナメートおよびメフェナム酸などのフェナム酸(fenamates);ジクロフェナック、エトドラック、インドメタシン、スリンダックなどの酢酸;ピロキシカムなどのオキシカム;ならびにナブメトンおよびオキシフェンブタゾンなどの他の薬剤が含まれるが、これらに限定されない。さらに、次の薬剤も鎮痛薬/抗炎症剤として知られている:アスピリン、サリチル酸メチルなどのサリチレート;モノグリコールサリチレート;サルサレート;オーラノフィンなどの金化合物;アロプリノール、コルヒチンおよびメチセルジド。
【0066】
ステロイド性抗炎症剤の例には、ヒドロコルチゾン、プレドニソロン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、フルオシノロン、メチルプレドニソロン、ベータメタゾン、フルメタゾン、フルオロメトロン、ベクロメタゾンおよびフルオシノニドが含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
抗ヒスタミン剤は、HもしくはHアンタゴニストまたは他の型のヒスタミン放出阻害剤とすることができる。Hアンタゴニストは、鎮静または非鎮静型とすることができる。H−鎮静型抗ヒスタミン剤の例には、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、プロメタジン、クレマスチンおよびドキシラミンが含まれるが、これらに限定されない。H−非鎮静型抗ヒスタミン剤の例には、アステミゾール、テルフェナジンおよびロラタジンが含まれるが、これらに限定されない。Hアンタゴニストの例には、シメタジン、ファモチジン、ニザチジンおよびラニチジンが含まれるが、これらに限定されない。ヒスタミン放出阻害剤の一例は、クロモリンである。
【0068】
局所麻酔薬の例には、ジブカイン、リドカイン、ベンゾカイン、p−ブチルアミノ安息香酸−2−(ジエチルアミノ)エチルエステル、プロカイン、テトラカイン、クロロプロカイン、オキシプロカイン、メピバカイン、ブピバカイン、コカイン、ピペロカイン、ジクロニンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
血管収縮薬の例には、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリン、およびフェニレフリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
止血剤および止血薬の例には、トロンビン、フィトナジン、プロタミン、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、ルチン、ヘスペリジン、銀塩および第二鉄塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
抗菌薬の例には、サルファ薬、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、エリトロマイシン、アミノグリコシド、ポリペプチド抗生物質、フルオロキノロン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リファムピン、スペクチノマイシン、バンコマイシン、バシトラシン、シクロスポリン、ダプソン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ニトロフラントイン、ピラジナミドおよびトリメトプリムが含まれるが、これらに限定されない。さらなる薬剤には、抗マラリヤ薬、抗アメーバ薬、抗原虫薬、駆虫薬、殺シラミ薬および殺疥癬虫薬が含まれる。
【0072】
抗ウイルス薬の例には、フォスカーネットなどのウイルスDNAポリメラーゼ阻害薬;プロテアーゼ阻害薬、チミジンキナーゼ阻害薬、糖または糖タンパク質合成阻害薬、構造タンパク質合成阻害薬、付着および吸着阻害薬、アマンタジン、ならびにヌクレオシド類似体、例えばアシクロビル、ジダノシン、ガンシクロビル、イドクスウリジン、リババリン、トリフルリジン、ビダラビン、ザルシタビン、ジドブジンなど、アシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビルおよびガンシクロビルが含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
粘液溶解薬の例には、ヨウ化カリウム、チオシアン酸ナトリウム、尿素、グアニジン塩酸塩、N−アセチルシステイン、ジチオテリトール、ならびにタンパク質分解酵素、例えばチモトリプシンおよびトリプシンなどが含まれるが、これらに限定されない。これらの薬剤は、粘液の生成、ならびに生成された粘液の弾性および粘度に影響を及ぼすために使用することができる。
【0074】
ホルモンの例には、インスリン、LHRH,成長ホルモン、カルシトニン、チロイドホルモン、ならびに男性および女性ホルモン、例えばテストステロン、エストロゲンおよびプロゲステロンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
収斂薬の例には、アルミニウム塩、例えばミョウバン、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート(aluminum chlorohydrate)、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート(aluminum zirconium chlorohydrate)など、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、カラミン、グルタラール、メテナミン、過マンガン酸カリウム、レゾルシノール、硝酸銀、タンニン酸、カプリル酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛ピリチオン、硫酸亜鉛およびウンデシレン酸亜鉛が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
刺激剤、発赤薬および発疱薬のいくつかの例には、アントラリン、ベンゾインチンキ、ショウノウ、カンタリジン、カプシクム、コールタール、イクタモール、杜松炭脂、メントール、バルサム、例えばペルーバルサムおよびトルーバルサムなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
局所抗真菌薬には、ハロプロジン、シクロピロックス、フルシトシン、ミコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、メトロニダゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ブタコナゾール、テルコナゾール、ニスタチン、ポビドン−ヨード、トルナフテート、安息香酸、サリチル酸、酸化第二水銀、レゾルシノール、トリアセチン、ウンデシレン酸ならびにそのカルシウム、銅および亜鉛塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
局所麻酔薬には、上述の局所麻酔薬、ならびにベンジルアルコール、ショウノウ、ショウノウメタクレゾール、杜松炭脂、メントール、フェノール、石炭酸ナトリウム(phenolate sodium)、レゾルシノール、サリチル酸メチル、テレビン油、ショウノウ、メントール、ニコチン酸メチル、カプサイシン(capasaicin)、カプサイシン含有トウガラシおよびカプサイシン含有の蕃椒脂油が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
角質溶解薬および焼灼剤の例には、サリチル酸、ポドフィラム樹脂、ポドリフォックス、カンタリジン、クロロ酢酸および硝酸銀が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
局所殺菌剤および消毒薬の例には、チメロサール、フェノール、チモール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポビドンヨード、塩化セチルピリジニウム、ユージノール、臭化トリメチルアンモニウムなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
短鎖脂肪酸(SCFA)は、炭素6個未満の脂肪族尾部を有する脂肪酸である。本発明の実施において有用な短鎖脂肪酸には、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸(2−メチルプロピオン酸)、酪酸、イソ吉草酸(3−メチルブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
中間鎖脂肪酸(MCFA)は、6〜12個の脂肪族尾部を有する脂肪酸である。本発明の実施において有用な中間鎖脂肪酸には、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)およびラウリン酸(C12)が含まれるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、2(C6):55(C8):42(C10):1(C12)のブレンドであるココヤシ油は、好ましい脂肪酸供給源である。
【0083】
長鎖脂肪酸(LCFA)は、炭素12個を超える脂肪族尾部を有する脂肪酸である。本発明の実施において有用な長鎖脂肪酸には、ミリスチン酸(炭素14個)、パルミチン酸(炭素16個)、オレイン酸(炭素18個−単不飽和)、ステアリン酸(炭素18個−飽和)およびエルカ酸(炭素22個)が含まれるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、ミリスチン酸およびパルミチン酸が、好ましい長鎖脂肪酸である。
【0084】
極長鎖脂肪酸(VLCFA)は、炭素22個を超える脂肪族尾部を有する脂肪酸である。極長鎖脂肪酸は、本発明の実施において有用である。
【0085】
本発明の実施において有用である必須脂肪酸には、アルファリノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびガンマリノレン酸が含まれるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、アルファリノレン酸およびエイコサペンタエン酸が好ましい。
【0086】
親水コロイドは、創傷治療技術において知られている。本発明の実施において有用な親水コロイドには、吸水性および/または水膨潤性材料、例えばカルボキシメチルセルロース、ペクチン、ゼラチン、高分子量カーボワックス、カルボキシポリメチレン、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸、カラゲナン、ゼラチン、柑橘類ペクチン、粉末ペクチンなど、合成または天然ゴム、例えばグアールガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム(locust bean gum)、カラヤなど、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本発明の一実施形態において、創傷被覆材は、エラストマー質バインダーおよび粘着付与剤を含有することができる。
【0088】
本発明の実施において有用なエラストマー質バインダーには、二ブロック、三ブロックまたは多ブロックエラストマー質コポリマー、例えばオレフィン系コポリマー、例えばスチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンまたはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンなどであり、例えばKRATON(登録商標)エラストマー樹脂の商標名のもとにShell Chemical Companyから入手できるものなど;ポリウレタン、例えばLYCRA(登録商標)ポリウレタンの商標名のもとにE.I.Du Pont de Nemours Co.から入手できるものなど;ポリアミド、例えば商標名PEBAX(登録商標)ポリエーテルブロックアミドの商標名のもとにAto Chemical Companyから入手できるポリエーテルブロックアミドなど;またはポリエステル、例えばHYTREL(登録商標)ポリエステルの商標名のもとにE.I.Du Pont de Nemours Co.から入手できるものなど;天然ゴム、シリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム、およびアクリロニトリルゴムが含まれるが、これらに限定されない。一例示的実施形態において、KRATON(登録商標)オレフィン系コポリマーが好ましい。
【0089】
粘着付与剤には、マツ由来ロジン(松脂)(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン)および水素化したロジン;炭化水素および水素化した炭化水素樹脂、例えばC5脂肪族樹脂、C9芳香族樹脂、およびC5/C9脂肪族/芳香族樹脂;純粋モノマー、水素化した純粋モノマー、ならびに水性分散物が含まれるが、これらに限定されない。その商標名で知られている代表的な粘着付与剤は、FORAL(登録商標)85およびARKON(登録商標)P115である。FORAL(登録商標)85は、炭化水素粘着付与剤である。ARKON(登録商標)P115は、水素化した炭化水素粘着付与剤である。本発明の一実施形態において、FORAL(登録商標)85およびARKON(登録商標)P115が好ましい。
【0090】
本発明の創傷被覆材の製造
本発明の創傷被覆材は、当業者に知られている方法により、成分をブレンドすることによって調製される。
【0091】
例えば、本発明の一実施形態において、本創傷被覆材は、脂肪酸(例えばココヤシ油から得られる)と親水コロイドとを単にブレンドすることによって調製される。
【0092】
本発明の他の実施形態において、本創傷被覆材は、脂肪酸、親水コロイドおよびエラストマーをブレンドすることによって調製される。
【0093】
本発明のさらなる実施形態において、本発明の創傷被覆材は、脂肪酸、親水コロイド、エラストマーおよび粘着付与剤をブレンドすることによって調製される。本発明の一実施形態において、エラストマーは、最初に1種または複数の脂肪酸とブレンドされる;次いで、他の成分が添加される。
【0094】
さらに他の実施形態において、脂肪酸の混合物を使用することができる。例えば、中間鎖脂肪酸、必須脂肪酸および長鎖脂肪酸を比率1:1:1でブレンドして、脂肪酸の混合物を作り出すことができる。また、この混合物中のそれぞれの脂肪酸の比率を調節することができ、特定の脂肪酸は、配合者が所望する中心的な脂肪酸である。言い換えると、中間鎖脂肪酸、必須脂肪酸および長鎖脂肪酸の混合物をブレンドでき、この場合必須脂肪酸が中心的な脂肪酸である。また、脂肪酸の混合物は、必須脂肪酸と長鎖脂肪酸との混合物などの、単に2種の脂肪酸でも構成され得る。中間鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸との混合物も実行可能である。これらの2種の脂肪酸の比率は1:1とすることができ、または一方の脂肪酸を中心的とすることができる。さらに、1種類の脂肪酸の混合物を使用することができる。例えば、アルファリノレン酸およびエイコサペンタン酸などの必須脂肪酸の混合物を使用することができる;前記脂肪酸は、等部とすることができ、または1種を中心的とすることができる。ミリスチン酸、エルカ酸およびステアリン酸などの長鎖脂肪酸の混合物が、実行可能であり、前記酸は、等部とすることができ、または1種を中心的とすることができる。
【0095】
さらに、多くの脂肪酸のブレンドを調製することができる。例えば、本発明の一実施形態において、アルファリノレン酸、ココヤシ油、エルカ酸、ミリスチン酸およびエイコサペンタン酸から構成される脂肪酸ブレンドを、本発明の創傷被覆材において使用することができる。所望される場合、前記脂肪酸は均等な割合とすることができ、または1種もしくはいくつかの脂肪酸を中心的とすることができる。例えば、アルファリノレン酸およびココヤシ油を中心的とすることができる。
【0096】
下記の実施例から、本発明のいくつかの態様を、さらに詳細に理解することができる。
【0097】
【表2】

【0098】
低G’および無痛除去を達成するため、低Tgを有する液体粘着付与剤Wingtack 10を使用する。さらに、ポリイソブチレンOppanol B12(ポリイソブチレン、PIB)を使用して、良好な皮膚の湿潤性をもたらす。CMCは、吸水能力をもたらす。Ocは、低G’、皮膚親和性をもたらし、接着剤の熱活性化を可能にする。SISは、凝集力をもたらし、接着剤の基材の役割を果たす。
【0099】
この接着剤は、高いタック5/5、再位置決め性、ほとんど無痛の除去をもたらし、また残渣を全く残さない。
【0100】
【表3】

【0101】
PIBが、成形可能な接着剤の主要基材をもたらす。SISは、凝集強度をもたらす。Ocは、可塑剤および皮膚親和性加湿剤の役割を果たす。ペクチンおよびCMCは、水を吸収し、バランスのとれたpHをもたらす。
【0102】
この接着剤は、完全に成形可能であり、残渣を全く残さず、また無痛で除去できる。粘着付与剤を使用していないので、成形の間または適用の過程で手に残渣を残さない。
【0103】
【表4】

【0104】
下記の非限定的な例示配合物は、本発明の実施について例示する:
【0105】
【表5】

【0106】
実施例XXは、CMCの干渉なしで、ココヤシ油が接着剤に及ぼす効果を実証している。
【0107】
実施例X(Oc/K=1.6)
a.62重量%のココヤシ油
b.38重量%のKraton 1161
【0108】
実施例1は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.30重量%のココヤシ油、
b.25重量%のカルボキシメチルセルロース
c.30重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))1161
d.15重量%の粘着付与剤(ARKON(登録商標)P115)
【0109】
実施例2は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.6.0重量%のココヤシ油
b.36重量%のカルボキシメチルセルロース
c.18重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))1161
d.40重量%の粘着付与剤(FORAL(登録商標)85)
【0110】
実施例3は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.50重量%のココヤシ油
b.50重量%のカルボキシメチルセルロース
【0111】
実施例4は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.30.0重量%のアルファリノレン酸
b.25重量%のカルボキシメチルセルロース
c.30重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))
d.15重量%の粘着付与剤(FORAL(登録商標)85)
【0112】
実施例5は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.6.0重量%のミリスチン酸
b.36重量%のカルボキシメチルセルロース
c.18重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))
d.40重量%の粘着付与剤(FORAL(登録商標)85)
【0113】
実施例6は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.30.0重量%の、ココヤシ油とアルファリノレン酸とミリスチン酸との1:1:1混合物;
b.25重量%のカルボキシメチルセルロース
c.30重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))
d.15重量%の粘着付与剤(FORAL(登録商標)85)
【0114】
実施例7は、本発明の一態様の代表的な組成物である。
a.50.0重量%の、ココヤシ油とアルファリノレンとミリスチン酸との1:2:1混合物;
b.25重量%のカルボキシメチルセルロース
c.15重量%のエラストマー(KRATON(登録商標))
d.10重量%の粘着付与剤(FORAL(登録商標)85)
【0115】
実施例8−臨床例
本発明の創傷被覆材組成物は、
i)慢性および急性、中間〜重症滲出性の、部分および完全厚さにわたる、表面創傷を含めた創傷、
ii)第2度の火傷、
iii)圧迫性潰瘍、段階II〜IV
の管理に効果的である。
【0116】
本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱せずに、いくつかの形態で具現化することができるので、本発明は、特に他に指定されない限り、上述の記述の細部によって何ら制約されず、むしろ、添付の特許請求範囲において定義されるその精神および範囲内で広く解釈されるべきであり、したがって全ての変更および修正は、特許請求範囲の境界線内にはいると理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または
(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸
を含む極性の油または脂肪と、
(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーを含むベースポリマーと
を含む、皮膚に適用できる接着剤組成物。
【請求項2】
前記脂肪酸が、高度に飽和した植物油に由来している、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記植物油が、ココヤシ油である、請求項2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記植物油が、さらに改質した、精製した、未使用の、分留したまたは水素化した供給源から得られる、請求項2に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
粘着付与剤をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記粘着付与剤が、天然ロジン、改質ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、改質ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリトリトールエステル、改質ロジンのペンタエリトリトールエステル、フェノール改質テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂および脂環式樹脂からなる群から選択される、請求項5に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
合成油をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記合成油が鉱油またはシリコーン油である、請求項7に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
前記コポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤をさらに含み、前記ガムまたはゲル増粘剤がカチオン性、アニオン性または非イオン性である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項11】
前記ゲル増粘剤が水溶性もしくは水膨潤性の親水コロイドまたはその混合物である、請求項10に記載の接着剤組成物。
【請求項12】
前記ゲル増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ペクチン、カラゲナンおよびゼラチンからなる群から選択される、請求項11に記載の接着剤組成物。
【請求項13】
(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または
(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸
を含む極性の油または脂肪と、
(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと
を含む接着剤組成物を含む医用接着デバイス。
【請求項14】
前記接着剤組成物が粘着付与剤をさらに含む、請求項13に記載の接着デバイス。
【請求項15】
前記粘着付与剤が、天然ロジン、改質ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、改質ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリトリトールエステル、改質ロジンのペンタエリトリトールエステル、フェノール改質テルペン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂および脂環式樹脂からなる群から選択される、請求項14に記載の接着デバイス。
【請求項16】
前記接着剤組成物が合成油をさらに含む、請求項14に記載の接着デバイス。
【請求項17】
前記合成油が鉱油またはシリコーン油である、請求項16に記載の接着デバイス。
【請求項18】
前記コポリマーが、少なくとも2種の不混和性モノマーを含む、請求項13に記載の接着デバイス。
【請求項19】
親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤をさらに含む、請求項18に記載の接着デバイス。
【請求項20】
前記ゲル増粘剤が水溶性もしくは水膨潤性の親水コロイドまたはその混合物である、請求項19に記載の接着デバイス。
【請求項21】
(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または
(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸
を含む極性の油または脂肪と、
(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、
(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、
(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、
(v)少なくとも1種の有益剤と
を含む接着剤組成物を含む皮膚固定または経皮的薬剤送達接着マトリックス組成物。
【請求項22】
(i)(a)少なくとも1種のトリグリセリド、および/または
(b)式R−COH(式中、RはC〜C30アルキル基である。)の少なくとも1種の脂肪酸
を含む極性の油または脂肪と、
(ii)少なくとも1種のホモポリマーおよび/またはコポリマーと、
(iii)少なくとも1種の粘着付与剤と、
(iv)少なくとも1種の親水性流体吸収性ガムまたはゲル増粘剤と、
(v)少なくとも1種の有益剤と
を含み、全体のトリグリセリド含量が、組成物の1重量%〜25重量%の範囲内にある造孔用接着剤組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2013−507487(P2013−507487A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533343(P2012−533343)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/051958
【国際公開番号】WO2011/044449
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512091567)ユーロームド,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】