接続構造体
【課題】 バンパーリインフォースとサイドメンバーに当接する第1,第2フランジ23,24に、軸部材22の両端を電磁成形により固定したバンパーステイ。軸部材22の先端に形成された拡開部37,38が、バンパーリインフォース及びサイドメンバーへの取り付けの妨げにならないようにする。
【解決手段】 軸部材22の端部は第1,第2フランジ23,24に形成した穴29,34に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ軸部材22の先端の突出部が放射方向に拡開して拡開部37,38を形成し、軸部材22の中央部が放射方向に張り出して張出部39を形成する。第1,第2フランジ23、24には段差が形成されていて、軸部材22の先端に形成された拡開部37,38は、取付部27,32と同一面上又はそれより内側に位置する。
【解決手段】 軸部材22の端部は第1,第2フランジ23,24に形成した穴29,34に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ軸部材22の先端の突出部が放射方向に拡開して拡開部37,38を形成し、軸部材22の中央部が放射方向に張り出して張出部39を形成する。第1,第2フランジ23、24には段差が形成されていて、軸部材22の先端に形成された拡開部37,38は、取付部27,32と同一面上又はそれより内側に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用のバンパーステイのように、軸部材の端部に形成したフランジに他部材を固定する接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば乗用車やトラック等の自動車車体の前端(フロント)及び後端(リア)に設置されるバンパー内部には、補強部材としてバンパーリインフォースが設けられている。バンパーリインフォースは一般に荷重方向に略垂直に向く前壁と後壁、及びそれらを連結する横壁を有する断面中空の部材であり、後方側から一対のバンパーステイにより支持され、各バンパーステイは後端がサイドメンバー(フロント又はリア)の先端に固定されている。
【0003】
アルミニウム製のバンパーステイは、大きく分けて縦圧壊型と横圧壊型がある。縦圧壊型のバンパーステイは、図15(a)に例示するように、軸部1を構成する中空の押出形材の前後端に板状のフランジ2,3(バンパーリインフォース4及びサイドメンバ5の取付用)を溶接したもので、押出軸方向が車体前後方向(バンパーリインフォース4の長手方向に対し略垂直)を向いている。図15(b)に例示する縦圧壊型のバンパーステイは、アルミニウム合金押出材(管材)からなり、軸部6の両端部を電磁成形により拡開しフランジ7,8を形成したもので、下記特許文献1に記載されている。
なお、電磁成形とは、電気エネルギーの投入により、電磁成形用コイルがきわめて短時間の強力な磁場を形成し、この磁場内におかれたワーク(被加工物)が磁場の反発力(フレミングの左手の法則に従ったLorentz力)によって強い拡張力や収縮力を受けて、高速で塑性変形することを利用し、ワークを所定形状に成形する技術である。電磁成形自体は、下記特許文献2〜6にも記載されているように、公知技術である。
【0004】
一方、横圧壊型バンパーステイは、図15(c)に示すように、前後端の取付用フランジ11,12及びそれらを連結するリブ13が一体形成された押出形材9からなり、押出軸方向が車体上下方向(バンパーリインフォース4の長手方向に対し垂直)を向いている。横圧壊型バンパーステイの例として、下記特許文献7〜9が挙げられる。また、下記特許文献10には、横圧壊型のバンパーステイ本体の中空内部に中空の軸部材を配置したバンパーステイが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−189062号公報
【特許文献2】特開昭58−4601号公報
【特許文献3】特開平6−312226号公報
【特許文献4】特開平9−166111号公報
【特許文献5】特開2002−160032号公報
【特許文献6】特開2004−237348号公報
【特許文献7】特開平8−91154号公報
【特許文献8】特開2000−318552号公報
【特許文献9】特開2001−294106号公報
【特許文献10】特開2002−12107号公報
【0006】
図15(a)に示す縦圧壊型のバンパーステイは、3つの部品を溶接により一体化している。バンパーステイの溶接部近傍は最も応力が集中する箇所であり、最も高い強度(継ぎ手強度)が必要とされるが、アルミニウム合金の場合、溶接による熱影響により溶接部近傍が軟化し、必然的に継ぎ手強度が低下するという問題がある。この継ぎ手強度の低下を補うため、管状部材及びフランジ部材の肉厚を大きくしたり、熱処理型アルミニウム合金であれば、熱処理(人工時効処理)を行って硬度及び強度を回復させることが考えられるが、前者の場合、アルミニウム合金を使用した軽量化の効果が半減し、後者の場合、溶接後の熱処理による強度の回復には限界があり、また、溶接後に熱処理工程を付加することによるコストアップが避けられない。
【0007】
図15(b)に示す縦圧壊型のバンパーステイの場合、このような問題点は解消されるが、フランジの外周に近いほど周方向への引張の変形量が大きく、肉厚減少を生じ(外周に近いほど薄肉化する)、さらに変形量が大きくなると割れを生じたりし、バンパーリインフォース及びサイドメンバーに連結するに十分な大きさのフランジを成形することがきわめて困難な場合がある。
また、図15(c)に示す横圧壊型のバンパーステイは、製造コストが安く、バンパーリインフォースの端部取付箇所が車幅方向に対し傾斜又は湾曲していても、容易に対応できる利点がある。しかし、小さい衝撃力でリブが座屈変形し、縦圧壊型に比べて重量比エネルギー吸収量が小さく、優位な軽量化効果が得られないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献5では、円筒形の軸部材の両端部を、チャンネル型押出形材の一対のフランジ面に開けた穴に嵌挿して先端を外側に突出させ、軸部材を電磁成形により拡管して、軸部材を穴の内周面に密着させ、両フランジ間の部分を半径方向外側に張り出し成形し、同時に両端の突出部を拡開して、軸部材の両端に前記フランジを固定している。また、前記特許文献6では、円筒形の軸部材の端部をブラケットに開けた穴に嵌挿して先端を外側に突出させ、軸部材を電磁成形により拡管し、軸部材を穴の内周面に密着させ、ブラケットの内側を半径方向外側に張り出し成形し、同時に外側の突出部を拡開して、軸部材の端部を前記フランジに固定している。
【0009】
これらの技術を応用すれば、軸部材の一端又は両端にフランジが固定されたバンパーステイを製造することが可能である。フランジは任意の大きさのものを用いることができ、また、軸部材の先端に形成される拡開部は、軸部材とフランジの固定に必要な最小限の大きさで済むため、前記特許文献1の方法において生じ得るフランジの割れや肉厚の減少といった問題が解消される。
一方、前記特許文献5,6に記載された方法では、前記拡開部がフランジの外側に形成されることから、前記拡開部が前記フランジとバンパーリインフォース又はサイドメンバとの取り付けの妨げになる。
【0010】
本発明は、軸部材の一端又は両端に他部材(パーリインフォースやサイドメンバを含む)の被取付部に当接するフランジを電磁成形により固定する場合において、軸部材の先端に形成された拡開部が前記フランジと他部材との取り付けの妨げにならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る接続構造体は、他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの穴から前方側に突出して放射方向に拡開し、さらに前記フランジの前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側(内側)に位置することを特徴とする。フランジに形成した前記穴は、単純な打ち抜き穴でも、後述するバーリング穴でもよい。なお、前方とは軸部材の先端が向く方向、後方とはその逆方向を指す。
【0012】
また、本発明に係る接続構造体は、他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴の内周面に密着し、かつ前記内周面に沿って放射方向に拡開し、さらに前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする。バーリング加工により形成された穴(バーリング穴)には、穴フランジが形成されるため、フランジの元の厚みに比べて深さがあり、かつ前方側に向かって拡開している。
バーリング加工により形成された穴の内周面に軸部材の端部を密着させると、接触面積が大きく、かつ軸部材の端部が穴の内周面に沿って放射方向に拡開するので、仮に軸部材の端部を穴の前方側に突出させなくても、中空部材に対する軸部材の固定が確実になる。
【0013】
前記接続構造体において、軸部材の一方の端部又は両方の端部にフランジを固定することができる。また、前記接続構造体において、それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材を使用することができる。
前記接続構造体において、軸部材の前記フランジの穴より後方側が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(前記特許文献6参照)ことが望ましい。軸部材の両方の端部にフランジを固定する場合、両フランジに挟まれた部分を全体的に放射方向に張り出させることもできる(前記特許文献5参照)。これによりフランジが放射方向に拡開した先端とこの張出部の間に挟まれることになる。
前記接続構造体において、前記フランジ又はフランジ部材として、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一な金属製形材を用いることができる。この金属製形材には押出材だけでなく例えば金属板をプレス加工して製造した形材が含まれ、材質は軽量化の点でアルミニウム合金が望ましいが、鋼材など他の金属を用いることもできる。前記フランジ部材は複数個の形材を組み合わせたものでもよく、この場合、形材には単なる平らな板材も含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軸部材の一端又は両端に他部材の被取付部に当接するフランジを電磁成形により固定する場合において、軸部材の先端に形成された拡開部が前記フランジと他部材との取り付けの妨げにならないで済む。
なお、本発明は、バンパーステイだけでなく接続構造体一般に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る接続構造体について、バンパーステイを例に、図1〜図14を参照して具体的に説明する。
図1に示すバンパーステイ20は、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、それぞれアルミニウム合金押出材からなるフランジ部材21と軸部材22からなる。
【0016】
フランジ部材21は、図2に明瞭に示すように、互いに傾斜した板状の第1フランジ23、第2フランジ24及びこれらを連結するリブ25からなる。第1フランジ23は段差を有し、中央部26がバンパーリインフォースに当接する取付部27より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部26と取付部27が互いに平行で傾斜部28でつながれ、前記中央部27に軸部材22を取り付けるための穴29が形成されている。第2フランジ24も同じく段差を有し、中央部31がサイドメンバーに当接する取付部32より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部31と取付部32が互いに平行で傾斜部33でつながれ、前記中央部31に軸部材22を取り付けるための穴34が形成されている。穴29,34は、いずれも中央部31に対し垂直な方向にみたとき円形をなし(穴29は中央部26に対し垂直な方向にみたとき若干楕円形をなす)、各中央部26,31の幅いっぱいに形成されている。リブ25は第1,第2フランジ23,24の狭い方の端部をつなぎ、第2フランジ24の中央部31に垂直である。なお、36は固定用のボルト穴である。
【0017】
軸部材22は、図4,5にも示すように、各端部が穴29,34に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴29,34の内周面に密着し、かつ穴29,34から前方側に突出した部分が放射方向にフランジ状に拡開し(拡開部37,38)、さらに第1,第2フランジ23,24に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部39)。拡開部37,38は、周方向の一部が傾斜部28,33に当接し、その他の部分は中央部26,31に当接し、いずれにしても、軸部材22の先端が第1,第2フランジ23,24の取付部27,32より後方側(内側)に位置している。張出部39は電磁成形の加工力に応じて自由変形(張り出し)をする。このように、軸部材22は、両端部が穴29,34の内周面に密着し、同時に拡開部37,38と張出部39が中央部26,31を挟んだかたちで、フランジ部材21の第1,第2フランジ23,24に固定されている。
【0018】
バンパーステイ20の製造方法を図3に示す。フランジ部材21の第1,第2フランジ23,24に形成した穴29,34に、円形断面の軸素材41の各端部を嵌挿し、先端を前方側に突出させる(図3の仮想線参照)。軸素材41は一端が軸方向に垂直な面で切断され、他端がその面から傾斜した面に沿って切断され、前記一端の切断面が第2フランジ24の中央部31に平行、前記他端の切断面が第1フランジ23の中央部26に平行(各穴29,34からの突出長さが周方向に均一)になるように穴29,34内に配置される。
この状態で軸素材41をフランジ部材21に対して位置決めし、軸素材41内に電磁成形用コイル体42を挿入し、フランジ部材21の開口側に変形防止用の治具43を挿入し、電気エネルギーを投入して、電磁成形を行い、軸素材41を放射方向に拡径する。これにより、先に説明したバンパーステイ20を得ることができる。
【0019】
前記バンパーステイ20において、第1,第2フランジ23,24の中央部26,31が、取付部27,32より後退した位置にあることから、軸部材22の先端(拡開部37,38)が穴29,34より前方側に突出しているにも関わらず、当該先端を取付部27,32の前面より後方側(内側)に位置させることができる。従って、穴29,34より前方に突出した軸部材22の先端が、前記取付部27,32と他部材(バンパーリインフォースとサイドメンバー)との取り付けの妨げにならない。
前記バンパーステイ20において、フランジ部材21のリブ25は、軸部材22とともに衝突時に負荷される荷重を支持する作用を有する。軸部材22の補強効果により衝突時にリブ25の座屈(倒れ)が起こりにくく、相応の荷重支持作用が得られ、また軸部材22の蛇腹状変形による高いエネルギー吸収作用が得られる。
【0020】
前記バンパーステイ20において、第1,第2フランジ23,24をリブ25で連結したフランジ部材21を使用したことにより、第1,第2フランジ23,24の互いの位置関係が一義的に規定されているので、電磁成形時に第1,第2フランジ23,24と軸部材22との位置決めが容易になる。また、リブ25が第1,第2フランジ23,24の狭い方の端部を連結している(広い方の端部が解放されている)ことにより、電磁成形時に外部から変形防止用の治具43を挿入しやすいという利点が得られる。
このバンパーステイ20では、軸部材22の両端部が穴29,34の内周面に密着し、拡開部37,38の周方向の一部が傾斜部28,33に当接し、第1フランジ23(特に穴29が形成されている中央部26)が、軸部材22の軸方向に対し垂直な面から傾斜している。従って、軸部材22とフランジ部材21(フランジ23,24)を相対的に回転させようとする力が作用しても、軸部材22が穴29,34内で回転するのが防止される。
【0021】
図6,7に別の形態のバンパーステイ50を示す。このバンパーステイ50は、フランジ部材51の第1,第2フランジ53,54を連結するリブ55が、それぞれの中央部56,57と傾斜部58,59のコーナー近傍を連結している点、第1,第2フランジ53,54の中央部56,57に形成された穴61,62が、前記中央部56,57の幅いっぱいではなく、小さめに形成されている点、及び軸部材52の穴61,62から前方側に突出して放射方向にフランジ状に拡開した部分(拡開部63,64)が、全周にわたり中央部56,57に当接していない点で、バンパーステイ20と相違するが、他の点ではバンパーステイ20とほぼ同一である。
【0022】
前記バンパーステイ50では、フランジ部材51のリブ55が穴61,62の近傍に位置することにより、電磁成形時に軸部材52が瞬間的に拡管して穴61,62の内周面を放射方向に押し広げようとする力が作用したとき、前記リブ55が支えとなって、第1,第2フランジ56,57に歪みが生じにくい。また、フランジ部材51の取付部65,66がリブ55の外側に位置するため、バンパーリインフォース及びサイドメンバーとの取り付けが行いやすい。
前記バンパーステイ50において、軸部材52の拡開部63,64が、第1,第2フランジ52,53の中央部56,57に当接していないことによる作用効果上の不利益はほとんどなく、一方、製造上の観点からは、中央部56,57に当接させない程度の小さい電磁成形力で成形できるという利点がある。これにより電磁成形時に軸部材52が拡管して穴61,62の内周面を放射方向に押し広げようとする力を低減し、第1,第2フランジ52,53の歪みを抑えることができる。また、電磁成形用コイル体に過大な電気エネルギーを投入しなくて済むので、該電磁成形用コイル体や制御装置等の寿命を延ばすこともできる。
【0023】
図8に別の形態のバンパーステイ70を示す。このバンパーステイ70も、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、フランジ部材71と軸部材72からなる。
フランジ部材71は、それぞれアルミニウム合金押出材からなる2つの板状部材73,74(図9,10参照)を組み合わせて構成したものであり、板状の第1フランジ75、第2フランジ76及びこれらを連結するリブ77からなる。第1フランジ75は段差を有し、中央部78がバンパーリインフォースに当接する取付部79より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部78と外側の取付部79が互いに平行で、傾斜部81でつながれ、前記中央部78に軸部材72を取り付けるための穴82が形成されている。第2フランジ76には段差がなく、全体がサイドメンバーに当接する取付部に相当し、そのほぼ中央に軸部材72を取り付けるためのバーリング穴83が形成されている。また、バーリング穴83の周囲には穴フランジ80が形成されている。穴82,83は、いずれも第2フランジ76に対し垂直な方向にみたとき円形をなす(穴82は中央部78に対し垂直な方向にみたとき若干楕円形をなす)。
【0024】
フランジ部材71を構成する一方の部材73は、図9にも示すように、段差のある板状部材であり、外側部84と、傾斜部85を介して後退した位置にある前記中央部78からなり、該中央部78に前記穴82が形成されている。また、中央部78に作業用穴86及び作業用切り欠き87、外側部84にボルト穴88(バンパーリインフォース取付用)が形成されている。フランジ部材72を構成する他方の部材74は、図10にも示すように、一方の端部に形成された外側部89と、傾斜部91及び前記第2フランジ76からなり、該第2フランジ76に前記バーリング穴83が形成されている。また、第2フランジ76にボルト穴92(サイドメンバー取付用)、外側部89にボルト穴93が形成されている。
前記部材73,74を組み合わせてフランジ部材71を構成したとき、外側部84と外側部89が重なって前記取付部79(図8において左側の取付部79)となり、傾斜部85と傾斜部91の上端部が重なって前記傾斜部81(図8において左側の傾斜部81)となり、部材74の傾斜部91は前記リブ77となる。作業用穴86と作業用切り欠き87はちょうどサイドメンバー取付用のボルト穴92に対応する位置にきて、工具を差し入れてボルト締めができるようになっている。また、ボルト穴88とボルト穴93が重なり、図8に示すように、ここにスタッドボルト94が打ち込まれている。
【0025】
軸部材72は、図8に示すように、各端部が穴82,83に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴82,83の内周面に密着し、かつ第1フランジ75側では、穴82から前方側に突出した部分が放射方向にフランジ状に拡開して(拡開部95)、全周的に中央部78に当接し、第2フランジ76側では、軸部材72の端部が前記バーリング穴83の内周面に密着し該バーリング穴83に沿って放射方向に拡開し(拡開部96)、さらに、第1,第2フランジ75,76に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部97)。このように、軸部材72は、両端部が穴82,83の内周面に密着し、同時に拡開部95,96と張出部97が第1フランジ75の中央部78及び第2フランジ76を挟んだかたちで、前記第1,第2フランジ75,76に固定されている。また、第1フランジ75には段差があり、段差のない第2フランジ76側では拡開部96がバーリング穴83から前方に突出していない。従って、軸部材72の先端は第1,第2フランジ75,76の取付部(取付部79と第2フランジ76自体)より後方側(内側)に位置している。
【0026】
フランジ部材71に軸部材72を固定してバンパーステイ70を製造する方法を図11に示す。フランジ部材71の第1,第2フランジ75,76に形成した穴82,バーリング穴83に、軸素材90の各端部を嵌挿し、第1フランジ75側では先端を前方側に突出させる(図11の仮想線参照)。軸素材90は円形断面のアルミニウム合金押出材からなり、一端が軸方向に垂直な面で切断され、他端がその面から傾斜した面に沿って切断され、前記一端の切断面が第2フランジ76に平行、前記他端の切断面が第1フランジ75の中央部78に平行(穴82からの突出長さが周方向に均一)になるように穴82,83内に配置される。
この状態で軸素材90をフランジ部材71に対して位置決めし、軸素材90内に電磁成形用コイル体98を挿入し、フランジ部材71の開口側に変形防止用の治具99を挿入し、電気エネルギーを投入して、電磁成形を行い、軸素材90を放射方向に拡径する。これにより、先に説明したバンパーステイ70を得ることができる。
【0027】
このバンパーステイ70では、フランジ部材71を2つの板状の部材73,74により構成したが、これにより、一体型のフランジ部材(例えばフランジ部材21)に比べて、穴開けがしやすいという利点がある。穴開けは第1フランジ側、第2フランジ側とも、各フランジに対して穴の軸線が垂直になるように行われるが、一体型のフランジ部材の場合、両フランジの間に治具を位置決めする必要があるなど、余分な手間が掛かる。特に、中空部材21のように、第1フランジ23の穴29と第2フランジ24の穴34の軸線が異なる場合は、上下の穴開けが一度にできないという問題がある。これに対し、フランジ部材71の場合、各部材73,74が板状断面であるので、穴開けが容易である。また、押出成形も容易であり、板をプレス加工して成形できるという利点もある。
【0028】
図12に別の形態のバンパーステイ100を示す。このバンパーステイ100も、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、フランジ部材101(フランジ部材71と同じく2つの部材103,104からなる)と軸部材102からなる。このバンパーステイ100は、第1,第2フランジ105,106に形成された穴が、いずれも前方側からバーリング加工されたバーリング穴107,108である点で、バンパーステイ70と異なる。各バーリング穴107,108の周囲にはそれぞれ穴フランジ109,110が形成されている。
【0029】
軸部材102は、、各端部がバーリング穴107,108に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴107,108の内周面に密着し、前記バーリング穴107,108に沿って放射方向に拡開し(拡開部111,112)、さらに、第1,第2フランジ105,106に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部113)。第1フランジ105側では、軸部材102の先端はバーリング穴107から前方側(外側)に突出しているが、第1フランジ105は段差を有し、バーリング穴107が形成された中央部114がバンパーリインフォースに当接する取付部115より後退した位置にあるため、前記取付部115より後方側(内側)に位置している。また、段差のない第2フランジ104側では、前記バンパーステイ70における拡開部96と同様に、軸部材102の先端はバーリング穴106から前方(外側)に突出していない。
【0030】
図13(b)に、前記バンパーステイ100における部材103の変形例として、部材116を示す。部材116では、中央部117に形成されたバーリング穴の周囲に穴フランジ118が形成され、該穴フランジ118に複数個の縦方向のスリット119が形成されている。スリット119を有する穴フランジ118は、図13(a)に示すように、部材116の中央部117に形成された下穴120の縁に放射方向にスリット121を形成し、次いでこの下穴120にバーリング加工を施すことにより成形することができる。このスリット119があることにより、バーリング穴に軸素材を嵌挿して電磁成形により拡管したとき、成形された軸部材102(図12参照9)がスリット119内に張り出し、軸部材102とバーリング穴の固定(特に回り止め)がより確実となる。
【0031】
図14は、前記バンパーステイ100における部材103の変形例として、部材123とそのバーリング穴の加工法を示すものである。部材103では、バーリング加工は中央部78の面に対して垂直に行われ、穴フランジ109の軸も中央部78の面に対して垂直に形成されていた。これに対し、部材123の場合、下穴形成後、図14に示すようにダイス124上に傾斜して置き、その上を板押さえ125で押さえ、下穴にポンチ126を圧入する。従って、バーリング加工は中央部127の面に対して傾斜して行われ、バーリング穴の周囲に形成された穴フランジ128の中心軸は中央部127の面に対して傾斜している。この傾斜は軸部材(及び軸素材)に対する第1フランジ(中央部126)の傾斜と一致するように、すなわち、穴フランジ127の中心軸が軸部材(及び軸素材)の中心軸に対して平行になるように設定される。穴フランジ128と軸素材の中心軸の方向が揃うので、電磁成形時に、軸素材をバーリング穴に正確に嵌め込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るバンパーステイの斜視図である。
【図2】そのバンパーステイを構成するフランジ部材の斜視図である。
【図3】そのバンパーステイの製造方法を説明する断面図である。
【図4】図1のI−I断面図である。
【図5】図1のII−II断面図である。
【図6】本発明に係る別のバンパーステイの断面図である。
【図7】図6のIII−III断面図である。
【図8】本発明に係るさらに別のバンパーステイの斜視図である。
【図9】そのバンパーステイのフランジ部材部材を構成する一方の部材の平面図である。
【図10】そのバンパーステイのフランジ部材を構成する他方の部材の平面図である。
【図11】そのバンパーステイの製造方法を説明する断面図である。
【図12】本発明に係るさらに別のバンパーステイの断面図である。
【図13】図12に示すバンパーステイのフランジ部材を構成する部材の別の形態のもののバーリング加工前の平面図(a)、及びバーリング加工後の側面図(b)である。
【図14】図12に示すバンパーステイのフランジ部材を構成する部材の別の形態のものの断面図である。
【図15】種々のタイプ(型)のバンパーステイを説明する図である。
【符号の説明】
【0033】
20,50,70,100 バンパーステイ
21,51,71,101 フランジ部材
22,52,72,102 軸部材
23,53,75,105 第1フランジ
24,54,76,106 第2フランジ
25,55,75 リブ
29,34、61,62,82 穴
37,38,63,64,95,96,111,112 拡開部
39,97,113 張出部
73,74,103,104,116,123 板状部材
80,109,118,128 穴フランジ
83,107 バーリング穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用のバンパーステイのように、軸部材の端部に形成したフランジに他部材を固定する接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば乗用車やトラック等の自動車車体の前端(フロント)及び後端(リア)に設置されるバンパー内部には、補強部材としてバンパーリインフォースが設けられている。バンパーリインフォースは一般に荷重方向に略垂直に向く前壁と後壁、及びそれらを連結する横壁を有する断面中空の部材であり、後方側から一対のバンパーステイにより支持され、各バンパーステイは後端がサイドメンバー(フロント又はリア)の先端に固定されている。
【0003】
アルミニウム製のバンパーステイは、大きく分けて縦圧壊型と横圧壊型がある。縦圧壊型のバンパーステイは、図15(a)に例示するように、軸部1を構成する中空の押出形材の前後端に板状のフランジ2,3(バンパーリインフォース4及びサイドメンバ5の取付用)を溶接したもので、押出軸方向が車体前後方向(バンパーリインフォース4の長手方向に対し略垂直)を向いている。図15(b)に例示する縦圧壊型のバンパーステイは、アルミニウム合金押出材(管材)からなり、軸部6の両端部を電磁成形により拡開しフランジ7,8を形成したもので、下記特許文献1に記載されている。
なお、電磁成形とは、電気エネルギーの投入により、電磁成形用コイルがきわめて短時間の強力な磁場を形成し、この磁場内におかれたワーク(被加工物)が磁場の反発力(フレミングの左手の法則に従ったLorentz力)によって強い拡張力や収縮力を受けて、高速で塑性変形することを利用し、ワークを所定形状に成形する技術である。電磁成形自体は、下記特許文献2〜6にも記載されているように、公知技術である。
【0004】
一方、横圧壊型バンパーステイは、図15(c)に示すように、前後端の取付用フランジ11,12及びそれらを連結するリブ13が一体形成された押出形材9からなり、押出軸方向が車体上下方向(バンパーリインフォース4の長手方向に対し垂直)を向いている。横圧壊型バンパーステイの例として、下記特許文献7〜9が挙げられる。また、下記特許文献10には、横圧壊型のバンパーステイ本体の中空内部に中空の軸部材を配置したバンパーステイが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−189062号公報
【特許文献2】特開昭58−4601号公報
【特許文献3】特開平6−312226号公報
【特許文献4】特開平9−166111号公報
【特許文献5】特開2002−160032号公報
【特許文献6】特開2004−237348号公報
【特許文献7】特開平8−91154号公報
【特許文献8】特開2000−318552号公報
【特許文献9】特開2001−294106号公報
【特許文献10】特開2002−12107号公報
【0006】
図15(a)に示す縦圧壊型のバンパーステイは、3つの部品を溶接により一体化している。バンパーステイの溶接部近傍は最も応力が集中する箇所であり、最も高い強度(継ぎ手強度)が必要とされるが、アルミニウム合金の場合、溶接による熱影響により溶接部近傍が軟化し、必然的に継ぎ手強度が低下するという問題がある。この継ぎ手強度の低下を補うため、管状部材及びフランジ部材の肉厚を大きくしたり、熱処理型アルミニウム合金であれば、熱処理(人工時効処理)を行って硬度及び強度を回復させることが考えられるが、前者の場合、アルミニウム合金を使用した軽量化の効果が半減し、後者の場合、溶接後の熱処理による強度の回復には限界があり、また、溶接後に熱処理工程を付加することによるコストアップが避けられない。
【0007】
図15(b)に示す縦圧壊型のバンパーステイの場合、このような問題点は解消されるが、フランジの外周に近いほど周方向への引張の変形量が大きく、肉厚減少を生じ(外周に近いほど薄肉化する)、さらに変形量が大きくなると割れを生じたりし、バンパーリインフォース及びサイドメンバーに連結するに十分な大きさのフランジを成形することがきわめて困難な場合がある。
また、図15(c)に示す横圧壊型のバンパーステイは、製造コストが安く、バンパーリインフォースの端部取付箇所が車幅方向に対し傾斜又は湾曲していても、容易に対応できる利点がある。しかし、小さい衝撃力でリブが座屈変形し、縦圧壊型に比べて重量比エネルギー吸収量が小さく、優位な軽量化効果が得られないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献5では、円筒形の軸部材の両端部を、チャンネル型押出形材の一対のフランジ面に開けた穴に嵌挿して先端を外側に突出させ、軸部材を電磁成形により拡管して、軸部材を穴の内周面に密着させ、両フランジ間の部分を半径方向外側に張り出し成形し、同時に両端の突出部を拡開して、軸部材の両端に前記フランジを固定している。また、前記特許文献6では、円筒形の軸部材の端部をブラケットに開けた穴に嵌挿して先端を外側に突出させ、軸部材を電磁成形により拡管し、軸部材を穴の内周面に密着させ、ブラケットの内側を半径方向外側に張り出し成形し、同時に外側の突出部を拡開して、軸部材の端部を前記フランジに固定している。
【0009】
これらの技術を応用すれば、軸部材の一端又は両端にフランジが固定されたバンパーステイを製造することが可能である。フランジは任意の大きさのものを用いることができ、また、軸部材の先端に形成される拡開部は、軸部材とフランジの固定に必要な最小限の大きさで済むため、前記特許文献1の方法において生じ得るフランジの割れや肉厚の減少といった問題が解消される。
一方、前記特許文献5,6に記載された方法では、前記拡開部がフランジの外側に形成されることから、前記拡開部が前記フランジとバンパーリインフォース又はサイドメンバとの取り付けの妨げになる。
【0010】
本発明は、軸部材の一端又は両端に他部材(パーリインフォースやサイドメンバを含む)の被取付部に当接するフランジを電磁成形により固定する場合において、軸部材の先端に形成された拡開部が前記フランジと他部材との取り付けの妨げにならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る接続構造体は、他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの穴から前方側に突出して放射方向に拡開し、さらに前記フランジの前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側(内側)に位置することを特徴とする。フランジに形成した前記穴は、単純な打ち抜き穴でも、後述するバーリング穴でもよい。なお、前方とは軸部材の先端が向く方向、後方とはその逆方向を指す。
【0012】
また、本発明に係る接続構造体は、他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴の内周面に密着し、かつ前記内周面に沿って放射方向に拡開し、さらに前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする。バーリング加工により形成された穴(バーリング穴)には、穴フランジが形成されるため、フランジの元の厚みに比べて深さがあり、かつ前方側に向かって拡開している。
バーリング加工により形成された穴の内周面に軸部材の端部を密着させると、接触面積が大きく、かつ軸部材の端部が穴の内周面に沿って放射方向に拡開するので、仮に軸部材の端部を穴の前方側に突出させなくても、中空部材に対する軸部材の固定が確実になる。
【0013】
前記接続構造体において、軸部材の一方の端部又は両方の端部にフランジを固定することができる。また、前記接続構造体において、それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材を使用することができる。
前記接続構造体において、軸部材の前記フランジの穴より後方側が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(前記特許文献6参照)ことが望ましい。軸部材の両方の端部にフランジを固定する場合、両フランジに挟まれた部分を全体的に放射方向に張り出させることもできる(前記特許文献5参照)。これによりフランジが放射方向に拡開した先端とこの張出部の間に挟まれることになる。
前記接続構造体において、前記フランジ又はフランジ部材として、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一な金属製形材を用いることができる。この金属製形材には押出材だけでなく例えば金属板をプレス加工して製造した形材が含まれ、材質は軽量化の点でアルミニウム合金が望ましいが、鋼材など他の金属を用いることもできる。前記フランジ部材は複数個の形材を組み合わせたものでもよく、この場合、形材には単なる平らな板材も含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軸部材の一端又は両端に他部材の被取付部に当接するフランジを電磁成形により固定する場合において、軸部材の先端に形成された拡開部が前記フランジと他部材との取り付けの妨げにならないで済む。
なお、本発明は、バンパーステイだけでなく接続構造体一般に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る接続構造体について、バンパーステイを例に、図1〜図14を参照して具体的に説明する。
図1に示すバンパーステイ20は、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、それぞれアルミニウム合金押出材からなるフランジ部材21と軸部材22からなる。
【0016】
フランジ部材21は、図2に明瞭に示すように、互いに傾斜した板状の第1フランジ23、第2フランジ24及びこれらを連結するリブ25からなる。第1フランジ23は段差を有し、中央部26がバンパーリインフォースに当接する取付部27より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部26と取付部27が互いに平行で傾斜部28でつながれ、前記中央部27に軸部材22を取り付けるための穴29が形成されている。第2フランジ24も同じく段差を有し、中央部31がサイドメンバーに当接する取付部32より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部31と取付部32が互いに平行で傾斜部33でつながれ、前記中央部31に軸部材22を取り付けるための穴34が形成されている。穴29,34は、いずれも中央部31に対し垂直な方向にみたとき円形をなし(穴29は中央部26に対し垂直な方向にみたとき若干楕円形をなす)、各中央部26,31の幅いっぱいに形成されている。リブ25は第1,第2フランジ23,24の狭い方の端部をつなぎ、第2フランジ24の中央部31に垂直である。なお、36は固定用のボルト穴である。
【0017】
軸部材22は、図4,5にも示すように、各端部が穴29,34に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴29,34の内周面に密着し、かつ穴29,34から前方側に突出した部分が放射方向にフランジ状に拡開し(拡開部37,38)、さらに第1,第2フランジ23,24に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部39)。拡開部37,38は、周方向の一部が傾斜部28,33に当接し、その他の部分は中央部26,31に当接し、いずれにしても、軸部材22の先端が第1,第2フランジ23,24の取付部27,32より後方側(内側)に位置している。張出部39は電磁成形の加工力に応じて自由変形(張り出し)をする。このように、軸部材22は、両端部が穴29,34の内周面に密着し、同時に拡開部37,38と張出部39が中央部26,31を挟んだかたちで、フランジ部材21の第1,第2フランジ23,24に固定されている。
【0018】
バンパーステイ20の製造方法を図3に示す。フランジ部材21の第1,第2フランジ23,24に形成した穴29,34に、円形断面の軸素材41の各端部を嵌挿し、先端を前方側に突出させる(図3の仮想線参照)。軸素材41は一端が軸方向に垂直な面で切断され、他端がその面から傾斜した面に沿って切断され、前記一端の切断面が第2フランジ24の中央部31に平行、前記他端の切断面が第1フランジ23の中央部26に平行(各穴29,34からの突出長さが周方向に均一)になるように穴29,34内に配置される。
この状態で軸素材41をフランジ部材21に対して位置決めし、軸素材41内に電磁成形用コイル体42を挿入し、フランジ部材21の開口側に変形防止用の治具43を挿入し、電気エネルギーを投入して、電磁成形を行い、軸素材41を放射方向に拡径する。これにより、先に説明したバンパーステイ20を得ることができる。
【0019】
前記バンパーステイ20において、第1,第2フランジ23,24の中央部26,31が、取付部27,32より後退した位置にあることから、軸部材22の先端(拡開部37,38)が穴29,34より前方側に突出しているにも関わらず、当該先端を取付部27,32の前面より後方側(内側)に位置させることができる。従って、穴29,34より前方に突出した軸部材22の先端が、前記取付部27,32と他部材(バンパーリインフォースとサイドメンバー)との取り付けの妨げにならない。
前記バンパーステイ20において、フランジ部材21のリブ25は、軸部材22とともに衝突時に負荷される荷重を支持する作用を有する。軸部材22の補強効果により衝突時にリブ25の座屈(倒れ)が起こりにくく、相応の荷重支持作用が得られ、また軸部材22の蛇腹状変形による高いエネルギー吸収作用が得られる。
【0020】
前記バンパーステイ20において、第1,第2フランジ23,24をリブ25で連結したフランジ部材21を使用したことにより、第1,第2フランジ23,24の互いの位置関係が一義的に規定されているので、電磁成形時に第1,第2フランジ23,24と軸部材22との位置決めが容易になる。また、リブ25が第1,第2フランジ23,24の狭い方の端部を連結している(広い方の端部が解放されている)ことにより、電磁成形時に外部から変形防止用の治具43を挿入しやすいという利点が得られる。
このバンパーステイ20では、軸部材22の両端部が穴29,34の内周面に密着し、拡開部37,38の周方向の一部が傾斜部28,33に当接し、第1フランジ23(特に穴29が形成されている中央部26)が、軸部材22の軸方向に対し垂直な面から傾斜している。従って、軸部材22とフランジ部材21(フランジ23,24)を相対的に回転させようとする力が作用しても、軸部材22が穴29,34内で回転するのが防止される。
【0021】
図6,7に別の形態のバンパーステイ50を示す。このバンパーステイ50は、フランジ部材51の第1,第2フランジ53,54を連結するリブ55が、それぞれの中央部56,57と傾斜部58,59のコーナー近傍を連結している点、第1,第2フランジ53,54の中央部56,57に形成された穴61,62が、前記中央部56,57の幅いっぱいではなく、小さめに形成されている点、及び軸部材52の穴61,62から前方側に突出して放射方向にフランジ状に拡開した部分(拡開部63,64)が、全周にわたり中央部56,57に当接していない点で、バンパーステイ20と相違するが、他の点ではバンパーステイ20とほぼ同一である。
【0022】
前記バンパーステイ50では、フランジ部材51のリブ55が穴61,62の近傍に位置することにより、電磁成形時に軸部材52が瞬間的に拡管して穴61,62の内周面を放射方向に押し広げようとする力が作用したとき、前記リブ55が支えとなって、第1,第2フランジ56,57に歪みが生じにくい。また、フランジ部材51の取付部65,66がリブ55の外側に位置するため、バンパーリインフォース及びサイドメンバーとの取り付けが行いやすい。
前記バンパーステイ50において、軸部材52の拡開部63,64が、第1,第2フランジ52,53の中央部56,57に当接していないことによる作用効果上の不利益はほとんどなく、一方、製造上の観点からは、中央部56,57に当接させない程度の小さい電磁成形力で成形できるという利点がある。これにより電磁成形時に軸部材52が拡管して穴61,62の内周面を放射方向に押し広げようとする力を低減し、第1,第2フランジ52,53の歪みを抑えることができる。また、電磁成形用コイル体に過大な電気エネルギーを投入しなくて済むので、該電磁成形用コイル体や制御装置等の寿命を延ばすこともできる。
【0023】
図8に別の形態のバンパーステイ70を示す。このバンパーステイ70も、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、フランジ部材71と軸部材72からなる。
フランジ部材71は、それぞれアルミニウム合金押出材からなる2つの板状部材73,74(図9,10参照)を組み合わせて構成したものであり、板状の第1フランジ75、第2フランジ76及びこれらを連結するリブ77からなる。第1フランジ75は段差を有し、中央部78がバンパーリインフォースに当接する取付部79より後退した位置にあり、いずれも平板状の中央部78と外側の取付部79が互いに平行で、傾斜部81でつながれ、前記中央部78に軸部材72を取り付けるための穴82が形成されている。第2フランジ76には段差がなく、全体がサイドメンバーに当接する取付部に相当し、そのほぼ中央に軸部材72を取り付けるためのバーリング穴83が形成されている。また、バーリング穴83の周囲には穴フランジ80が形成されている。穴82,83は、いずれも第2フランジ76に対し垂直な方向にみたとき円形をなす(穴82は中央部78に対し垂直な方向にみたとき若干楕円形をなす)。
【0024】
フランジ部材71を構成する一方の部材73は、図9にも示すように、段差のある板状部材であり、外側部84と、傾斜部85を介して後退した位置にある前記中央部78からなり、該中央部78に前記穴82が形成されている。また、中央部78に作業用穴86及び作業用切り欠き87、外側部84にボルト穴88(バンパーリインフォース取付用)が形成されている。フランジ部材72を構成する他方の部材74は、図10にも示すように、一方の端部に形成された外側部89と、傾斜部91及び前記第2フランジ76からなり、該第2フランジ76に前記バーリング穴83が形成されている。また、第2フランジ76にボルト穴92(サイドメンバー取付用)、外側部89にボルト穴93が形成されている。
前記部材73,74を組み合わせてフランジ部材71を構成したとき、外側部84と外側部89が重なって前記取付部79(図8において左側の取付部79)となり、傾斜部85と傾斜部91の上端部が重なって前記傾斜部81(図8において左側の傾斜部81)となり、部材74の傾斜部91は前記リブ77となる。作業用穴86と作業用切り欠き87はちょうどサイドメンバー取付用のボルト穴92に対応する位置にきて、工具を差し入れてボルト締めができるようになっている。また、ボルト穴88とボルト穴93が重なり、図8に示すように、ここにスタッドボルト94が打ち込まれている。
【0025】
軸部材72は、図8に示すように、各端部が穴82,83に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴82,83の内周面に密着し、かつ第1フランジ75側では、穴82から前方側に突出した部分が放射方向にフランジ状に拡開して(拡開部95)、全周的に中央部78に当接し、第2フランジ76側では、軸部材72の端部が前記バーリング穴83の内周面に密着し該バーリング穴83に沿って放射方向に拡開し(拡開部96)、さらに、第1,第2フランジ75,76に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部97)。このように、軸部材72は、両端部が穴82,83の内周面に密着し、同時に拡開部95,96と張出部97が第1フランジ75の中央部78及び第2フランジ76を挟んだかたちで、前記第1,第2フランジ75,76に固定されている。また、第1フランジ75には段差があり、段差のない第2フランジ76側では拡開部96がバーリング穴83から前方に突出していない。従って、軸部材72の先端は第1,第2フランジ75,76の取付部(取付部79と第2フランジ76自体)より後方側(内側)に位置している。
【0026】
フランジ部材71に軸部材72を固定してバンパーステイ70を製造する方法を図11に示す。フランジ部材71の第1,第2フランジ75,76に形成した穴82,バーリング穴83に、軸素材90の各端部を嵌挿し、第1フランジ75側では先端を前方側に突出させる(図11の仮想線参照)。軸素材90は円形断面のアルミニウム合金押出材からなり、一端が軸方向に垂直な面で切断され、他端がその面から傾斜した面に沿って切断され、前記一端の切断面が第2フランジ76に平行、前記他端の切断面が第1フランジ75の中央部78に平行(穴82からの突出長さが周方向に均一)になるように穴82,83内に配置される。
この状態で軸素材90をフランジ部材71に対して位置決めし、軸素材90内に電磁成形用コイル体98を挿入し、フランジ部材71の開口側に変形防止用の治具99を挿入し、電気エネルギーを投入して、電磁成形を行い、軸素材90を放射方向に拡径する。これにより、先に説明したバンパーステイ70を得ることができる。
【0027】
このバンパーステイ70では、フランジ部材71を2つの板状の部材73,74により構成したが、これにより、一体型のフランジ部材(例えばフランジ部材21)に比べて、穴開けがしやすいという利点がある。穴開けは第1フランジ側、第2フランジ側とも、各フランジに対して穴の軸線が垂直になるように行われるが、一体型のフランジ部材の場合、両フランジの間に治具を位置決めする必要があるなど、余分な手間が掛かる。特に、中空部材21のように、第1フランジ23の穴29と第2フランジ24の穴34の軸線が異なる場合は、上下の穴開けが一度にできないという問題がある。これに対し、フランジ部材71の場合、各部材73,74が板状断面であるので、穴開けが容易である。また、押出成形も容易であり、板をプレス加工して成形できるという利点もある。
【0028】
図12に別の形態のバンパーステイ100を示す。このバンパーステイ100も、バンパーリインフォースの傾斜した端部取付箇所(図15参照)に配置されるもので、フランジ部材101(フランジ部材71と同じく2つの部材103,104からなる)と軸部材102からなる。このバンパーステイ100は、第1,第2フランジ105,106に形成された穴が、いずれも前方側からバーリング加工されたバーリング穴107,108である点で、バンパーステイ70と異なる。各バーリング穴107,108の周囲にはそれぞれ穴フランジ109,110が形成されている。
【0029】
軸部材102は、、各端部がバーリング穴107,108に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴107,108の内周面に密着し、前記バーリング穴107,108に沿って放射方向に拡開し(拡開部111,112)、さらに、第1,第2フランジ105,106に挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出している(張出部113)。第1フランジ105側では、軸部材102の先端はバーリング穴107から前方側(外側)に突出しているが、第1フランジ105は段差を有し、バーリング穴107が形成された中央部114がバンパーリインフォースに当接する取付部115より後退した位置にあるため、前記取付部115より後方側(内側)に位置している。また、段差のない第2フランジ104側では、前記バンパーステイ70における拡開部96と同様に、軸部材102の先端はバーリング穴106から前方(外側)に突出していない。
【0030】
図13(b)に、前記バンパーステイ100における部材103の変形例として、部材116を示す。部材116では、中央部117に形成されたバーリング穴の周囲に穴フランジ118が形成され、該穴フランジ118に複数個の縦方向のスリット119が形成されている。スリット119を有する穴フランジ118は、図13(a)に示すように、部材116の中央部117に形成された下穴120の縁に放射方向にスリット121を形成し、次いでこの下穴120にバーリング加工を施すことにより成形することができる。このスリット119があることにより、バーリング穴に軸素材を嵌挿して電磁成形により拡管したとき、成形された軸部材102(図12参照9)がスリット119内に張り出し、軸部材102とバーリング穴の固定(特に回り止め)がより確実となる。
【0031】
図14は、前記バンパーステイ100における部材103の変形例として、部材123とそのバーリング穴の加工法を示すものである。部材103では、バーリング加工は中央部78の面に対して垂直に行われ、穴フランジ109の軸も中央部78の面に対して垂直に形成されていた。これに対し、部材123の場合、下穴形成後、図14に示すようにダイス124上に傾斜して置き、その上を板押さえ125で押さえ、下穴にポンチ126を圧入する。従って、バーリング加工は中央部127の面に対して傾斜して行われ、バーリング穴の周囲に形成された穴フランジ128の中心軸は中央部127の面に対して傾斜している。この傾斜は軸部材(及び軸素材)に対する第1フランジ(中央部126)の傾斜と一致するように、すなわち、穴フランジ127の中心軸が軸部材(及び軸素材)の中心軸に対して平行になるように設定される。穴フランジ128と軸素材の中心軸の方向が揃うので、電磁成形時に、軸素材をバーリング穴に正確に嵌め込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るバンパーステイの斜視図である。
【図2】そのバンパーステイを構成するフランジ部材の斜視図である。
【図3】そのバンパーステイの製造方法を説明する断面図である。
【図4】図1のI−I断面図である。
【図5】図1のII−II断面図である。
【図6】本発明に係る別のバンパーステイの断面図である。
【図7】図6のIII−III断面図である。
【図8】本発明に係るさらに別のバンパーステイの斜視図である。
【図9】そのバンパーステイのフランジ部材部材を構成する一方の部材の平面図である。
【図10】そのバンパーステイのフランジ部材を構成する他方の部材の平面図である。
【図11】そのバンパーステイの製造方法を説明する断面図である。
【図12】本発明に係るさらに別のバンパーステイの断面図である。
【図13】図12に示すバンパーステイのフランジ部材を構成する部材の別の形態のもののバーリング加工前の平面図(a)、及びバーリング加工後の側面図(b)である。
【図14】図12に示すバンパーステイのフランジ部材を構成する部材の別の形態のものの断面図である。
【図15】種々のタイプ(型)のバンパーステイを説明する図である。
【符号の説明】
【0033】
20,50,70,100 バンパーステイ
21,51,71,101 フランジ部材
22,52,72,102 軸部材
23,53,75,105 第1フランジ
24,54,76,106 第2フランジ
25,55,75 リブ
29,34、61,62,82 穴
37,38,63,64,95,96,111,112 拡開部
39,97,113 張出部
73,74,103,104,116,123 板状部材
80,109,118,128 穴フランジ
83,107 バーリング穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの穴から前方側に突出して放射方向に拡開し、さらに前記フランジの前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項2】
前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項1に記載された接続構造体。
【請求項3】
他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴の内周面に密着し、かつ前記内周面に沿って放射方向に拡開し、さらに前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項4】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、前記軸部材の先端が前記一方のフランジに形成された穴から前方側に突出して電磁成形により放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記一方のフランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項5】
前記一方のフランジに形成された穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項4に記載された接続構造体。
【請求項6】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項7】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材と、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、前記軸部材の先端が前記一方のフランジに形成された穴から前方側に突出して電磁成形により放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記一方のフランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項8】
前記一方のフランジに形成された穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項7に記載された接続構造体。
【請求項9】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材と、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項10】
前記軸部材の前記フランジの穴より後方側が電磁成形による拡管により放射方向に張り出していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項11】
前記軸部材の両フランジに挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出していることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項12】
前記フランジが、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一なアルミニウム合金形材からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項13】
前記フランジが押出材からなることを特徴とする請求項12に記載された接続構造体。
【請求項14】
前記フランジ部材が、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一なアルミニウム合金形材からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項15】
前記フランジ部材が押出材からなることを特徴とする請求項14に記載された接続構造体。
【請求項16】
前記フランジ部材が複数個の部材を組み合わせてなることを特徴とする請求項7〜9,14,15のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項17】
前記フランジの前記穴が形成された箇所が、前記軸部材の軸方向に対し垂直な面から傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項18】
前記両フランジの少なくとも一方において、前記穴が形成された箇所が、前記軸部材の軸方向に対し垂直な面から傾斜していることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項19】
前記接続構造体がバンパーステイであって、前記フランジが車体の上下方向に垂直な面内での断面形状が実質的に同一なアルミニウム合金形材からなり、バンパーリインフォースがいずれか一方のフランジの取付部に固定され、サイドメンバが他方のフランジの取付部に固定されることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項1】
他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの穴から前方側に突出して放射方向に拡開し、さらに前記フランジの前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、かつ前記軸部材の先端が前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項2】
前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項1に記載された接続構造体。
【請求項3】
他部材の被取付部に当接する取付部を有するフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり端部が前記フランジに固定された軸部材により構成され、前記フランジに穴が形成され、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記バーリング穴の内周面に密着し、かつ前記内周面に沿って放射方向に拡開し、さらに前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項4】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、前記軸部材の先端が前記一方のフランジに形成された穴から前方側に突出して電磁成形により放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記一方のフランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項5】
前記一方のフランジに形成された穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項4に記載された接続構造体。
【請求項6】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジと、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項7】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材と、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が形成された箇所が前記取付部より後退した位置にあり、前記軸部材の先端が前記一方のフランジに形成された穴から前方側に突出して電磁成形により放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記一方のフランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項8】
前記一方のフランジに形成された穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であることを特徴とする請求項7に記載された接続構造体。
【請求項9】
それぞれ他部材の被取付部に当接する取付部を有し互いに間隔を開けて配置された一対のフランジ、及び両フランジを連結する1つのリブからなるフランジ部材と、管状のアルミニウム合金押出材からなり各端部が各フランジに固定された軸部材により構成され、各フランジに穴が形成され、前記軸部材の各端部が前記穴に嵌挿され、電磁成形により拡管して前記穴の内周面に密着し、さらに少なくとも一方のフランジにおいて、前記穴が前方側からバーリング加工されたバーリング穴であり、前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って放射方向に拡開し、かつ前記軸部材の先端が前記バーリング穴より前方に突出せず、前記フランジの取付部と同一面上又はそれより後方側に位置することを特徴とする接続構造体。
【請求項10】
前記軸部材の前記フランジの穴より後方側が電磁成形による拡管により放射方向に張り出していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項11】
前記軸部材の両フランジに挟まれた部分が電磁成形による拡管により放射方向に張り出していることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項12】
前記フランジが、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一なアルミニウム合金形材からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項13】
前記フランジが押出材からなることを特徴とする請求項12に記載された接続構造体。
【請求項14】
前記フランジ部材が、長さ方向に垂直な面内での断面形状が同一なアルミニウム合金形材からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項15】
前記フランジ部材が押出材からなることを特徴とする請求項14に記載された接続構造体。
【請求項16】
前記フランジ部材が複数個の部材を組み合わせてなることを特徴とする請求項7〜9,14,15のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項17】
前記フランジの前記穴が形成された箇所が、前記軸部材の軸方向に対し垂直な面から傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項18】
前記両フランジの少なくとも一方において、前記穴が形成された箇所が、前記軸部材の軸方向に対し垂直な面から傾斜していることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【請求項19】
前記接続構造体がバンパーステイであって、前記フランジが車体の上下方向に垂直な面内での断面形状が実質的に同一なアルミニウム合金形材からなり、バンパーリインフォースがいずれか一方のフランジの取付部に固定され、サイドメンバが他方のフランジの取付部に固定されることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載された接続構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−110609(P2006−110609A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302574(P2004−302574)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
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