接続構造
【課題】使用者が外観視できる槽体の表面側の意匠性が良い、取付作業が簡単である、円形以外の取付口でも接続することが出来る、槽体に雌ねじを刻設することなく接続することが出来る接続構造。
【解決手段】機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成されることを特徴とする接続構造とした。
【解決手段】機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成されることを特徴とする接続構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体のオーバーフロー用流路や、排水流路に構成される取付口に接続される管体などの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よく知られた接続構造としては、例えば図13に図示した接続構造がある。以下に図13に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図13の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、本体部と、止水パッキンと、目皿部材と、雄ねじと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボであって、取付口側の内部に、雌ねじ受け部を構成する。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
目皿部材は、取付口に取り付けられる格子状の部材であって、槽体内の排水中にゴミや髪の毛が混入している場合に排水流路側へ排出させないためのガード部材であり、中央には貫通孔が構成される。
雄ねじは、槽体側から目皿部材の貫通孔に螺合させ、槽体の裏側の取付口に取り付けられた本体部の雌ねじ受け部に螺合させる。そうすると、雄ねじが目皿部材と、槽体の取付口と、止水パッキンと、本体部を挟持するように締め付けられて、取付口裏面に本体部を取り付けることが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0003】
また、別の従来例として、図14に図示した接続構造がある。以下に図14に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図14の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、本体部と、止水パッキンと、取付ガイドと、雄ねじと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボであって、外側面に、雌ねじ受け部を構成する。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
取付ガイドは、槽体裏面の取付口に取り付けられる部材であって、本従来例では溶接などにて槽体裏面に取付られる。また、取付ガイドは、貫通孔が構成されて成る。
雄ねじは、槽体裏側から取付ガイドの貫通孔に貫通させて、取付ガイドと槽体の取付口間に配置された本体部の雌ねじ受け部に螺合する部材である。また、槽体裏側から取付ガイドの貫通孔に雄ねじを挿入し、本体の雌ねじ受け部に螺合させる。そうすると、本体部に螺合された雄ねじにより、槽体の取付口周縁側へ止水パッキンと本体部が押圧固定されて取り付けられることが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0004】
また、別の従来例として、図15に図示した接続構造がある。以下に図15に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図15の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、オーバーフローフランジと、本体部と、止水パッキンと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、平面視円形であって、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
オーバーフローフランジは、円筒上の部材であって、端部に外側方向に突出して構成されるフランジ部を構成し、他端外周には雄ねじが刻設されている。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボで、取付口に接続される側の端部が円筒状で、内周面に雌ねじを刻設してオーバーフローフランジの雄ねじと接続されて成る。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部、オーバーフローフランジに介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
これらの部材の接続方法としては、オーバーフローフランジのフランジ部を槽体の取付口に挿入させて取付口周縁にフランジ部を係止させて、槽体裏面からオーバーフランジと取付口周縁部に止水パッキンを介在させて、本体部の雌ねじを、オーバーフローフランジの雄ねじに螺合させる。このように、槽体の取付口を介在して、オーバーフローフランジのフランジ部と本体部の雄ねじ・雌ねじで締め付けることで、槽体の取付口周縁部をフランジ部と本体部のそれぞれで挟持するように接続することが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0005】
このような従来例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体内の排水が上昇すると、槽体上端付近に構成された取付口から排水が槽体裏面に取り付けられた本体部内へ流入する。本体部内の排水は、オーバーフロー用流路を介して排水流路へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0006】
また、別の従来例として、図16に図示した接続構造がある。以下に図16に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図16の従来例の接続構造は、台所などの槽体に構成される、排水口と排水管流路に用いられるものである。
この従来例は、流し台としての槽体と、排水口としての取付口と、本体部と、止水パッキンと、ナット部材と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体である。
取付口は、槽体底面に開口された開口であって、槽体内の排水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体の取付口裏側に取り付けられる機器であって、本従来例では、上面視円形状であって、内部に封水を備えた下水からの害虫や異臭を室内側へ逆流させないための排水トラップを備える。また、本体上端部には外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部を備える。そして、本体上端部外周には雄ねじを刻設してなる。また、本体部下端は後述する排水流路により最終的には下水管へ接続される。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
ナット部材は、環状部材であって、上端に外側方向に突出する鍔部を構成し、内周面には雌ねじを刻設してなる。
取付方としては、槽体の表面側の取付口周縁に止水パッキンを載置し、槽体の取付口の上方から、本体を取付口に挿入し、本体のフランジ部を取付口に係止させる。その後、槽体の裏面からナット部材を挿入し、本体部の外周に構成された雄ねじにナット部材の雌ねじを螺合させ、槽体の取付口周縁を挟持するようにして取り付けることが出来る。
排水流路は、取付口に接続された本体から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0007】
また、別の従来例として、図17に図示した接続構造がある。以下に図17に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図17の従来例の接続構造は、台所や洗面台などの槽体に構成される、排水口と排水管流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面台としての槽体と、排水口としての取付口と、本体部と、止水パッキンと、雄ねじと、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体である。
取付口は、槽体底面に開口された開口であって、槽体内の排水を槽体外へ排出するための開口である。また、槽体裏面の取付口周縁には、雌ねじが複数箇所開口構成されて成る。
本体部は、槽体の取付口裏側に取り付けられる機器であって、本従来例では、上面視円形状であって、本体部上端部には外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部を備えてなる。また、本体部下端は後述する排水流路により最終的には下水管へ接続される。また、フランジ部には貫通孔を複数箇所構成して成る。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
雄ねじは、槽体裏面から本体部のフランジ部の貫通孔を介して槽体の取付口裏面側の雌ねじと螺合するねじである。
取付方としては、槽体の裏面側の取付口周縁に止水パッキンをセットし、槽体の取付口の裏側から、本体を取付口周縁に当接させ、その後、槽体の裏面から本体部のフランジ部貫通孔に雄ねじを挿入し、槽体の取付口の雌ねじに螺合させて、槽体の取付口に本体部を取り付けることが出来る。
排水流路は、取付口に接続された本体から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0008】
このような従来例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体内に排水が発生すると、槽体底面に開口された取付口から排水が槽体裏面に取り付けられた本体部内へ流入する。本体部内の排水は、排水流路へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0009】
【特許文献1】実開昭63−31175号公報
【特許文献2】実公平6−49651号公報
【特許文献3】特開2001−214489号公報
【特許文献4】登録実用3004762号公報
【特許文献5】特開平10−68158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来例のような接続構造は、以下のような問題点があった。
図13の従来例では、槽体の表面側から向かって雄ねじを目皿部材の貫通孔に挿通させて、本体部の雌ねじ受け部に螺合させるので、槽体の表面側から雄ねじの頭部分が露出してしまい、外観上意匠性が非常に悪かった。
また、図14の従来例では、取付ガイドをわざわざ槽体の裏面に溶着せねばならないので、取付作業が非常に手間であった。
また、図15の従来例では、雄ねじを使用しないことや、取付ガイドのようなものを槽体裏面にわざわざ取り付けないでもよいのでメリットはあるが、オーバーフローフランジと本体部の取付をねじ螺合による接続としているため、オーバーフローフランジ及び本体部を円形状にせねばならないので、槽体の取付口の形状の選択の幅が狭く、使用者によっては意匠性が非常に悪いと感じられる場合もあった。
また、図16の従来例では、取付口と本体部の取付をねじ螺合による接続としているため、取付口及び本体部、ナット部材を円形状にせねばならないので、槽体の取付口の形状の選択の幅が狭く、使用者によっては意匠性が非常に悪いと感じられる場合もあった。
また、図17の従来例では、取付口と本体部の取付を、槽体裏面から雄ねじと雌ねじによるねじ接続としているため、雄ねじを槽体の裏面に直接的に接続せねば成らず、槽体の裏面に雌ねじを刻設することが必要であった。このような作業は非常に手間である上、槽体に直接的に雌ねじを刻設するので、槽体が金属の薄板状の素材であったり、大理石などの脆い素材であった場合には雌ねじが刻設できないので、そういった素材の槽体には取り付けることは出来なかった。
【0011】
従って、本発明の接続構造は、以下の課題を解決するために発明された。
1.使用者が外観視できる槽体の表面側の意匠性が良い接続構造。
2.取付作業が簡単である接続構造。
3.円形以外の取付口でも接続することが出来る接続構造。
4.槽体に雌ねじを刻設することなく接続することが出来る接続構造。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の接続構造は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成されることを特徴とする接続構造である。
【0013】
請求項2に記載の接続構造は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雄ねじと、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雄ねじの両者を接合する雌ねじと、から構成されることを特徴とする接続構造である。
【0014】
請求項3の接続構造は、前記第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする前記段落0012又は段落0013に記載の接続構造である。
【0015】
請求項4の接続構造は、前記第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする前記段落0012乃至段落0014のいずれか一つに記載の接続構造である。
【0016】
請求項5の接続構造は、前記取付口1が、槽体のオーバーフロー用流路15の接続構造であることを特徴とする前記段落0012乃至段落0015のいずれか一つに記載の接続構造である。
【0017】
請求項6に記載の接続構造は、前記取付口1が、槽体の排水流路16の接続構造であることを特徴とする前記段落0012乃至段落0016のいずれか一つに記載の接続構造である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の排水トラップは、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の本発明は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成したことから、雄ねじなどが使用者から目視できる槽体13の外観上に露出しないので、非常に意匠性がよい。また、本体11とカバー体5の接続を、雄ねじ体12による接続とし、本体11外周に雄ねじを刻設してナットなどの雌ねじにより締め付けて槽体13と取り付ける方法としていないので、丸形以外の形状でも接続することが出来る。また、雄ねじ体12を槽体13の裏面から螺合させるだけなので、取付作業も非常に簡単に行うことが出来る。また、雄ねじ体12をカバー体5の雌ねじ部44に螺合させるようにしたから、槽体13に直接的に雌ねじ部44を刻設することなく取り付けることが出来るので、どのような素材の槽体13であっても接続することが出来る。
請求項2に記載の本発明は、雄ねじなどが使用者から目視できる槽体13の外観上に露出しないので、非常に意匠性がよい。また、本体11とカバー体5の接続を、カバー体5の雄ねじと雌ねじによる接続とし、本体11外周に雄ねじを刻設してナットなどの雌ねじにより締め付けて槽体13と取り付ける方法としていないので、丸形以外の形状でも接続することが出来る。また、雌ねじを槽体13の裏面から螺合させるだけなので、取付作業も非常に簡単に行うことが出来る。また、雌ねじをカバー体5の雄雄ねじに螺合させるようにしたから、槽体13に直接的に雌ねじ部44を刻設することなく取り付けることが出来るので、どのような素材の槽体13であっても接続することが出来る。
請求項3に記載の本発明は、第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことから、より止水能力が向上するようになった。
請求項4に記載の本発明は、第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことから、より止水能力が向上するようになった。
請求項5に記載の本発明は、槽体13のオーバーフロー用流路15の接続構造としたから、前記した請求項1及び請求項4における効果を槽体13のオーバーフロー用流路15の接続構造において奏することができる。
請求項6に記載の本発明は、槽体13の排水流路16の接続構造としたから、前記した請求項1及び請求項5における効果を槽体13の排水流路16の接続構造において奏することができる。
【実施例】
【0019】
以下に本発明の第1実施例を、図面を参照しつつ説明する。
本発明の接続構造は、図1乃至図10に図示した接続構造である。以下に接続構造の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図10に図示した本実施例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体13に構成される、槽体13内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路15に用いられるものである。
本実施例は、洗面ボウルである槽体13と、取付口1と、カバー体5と、第1止水パッキン6と、本体11と、第2止水パッキン7と、雄ねじ体12と、から構成される。
槽体13は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体13外へ排出するための排水口14を開口して構成される。
取付口1は、槽体13上端に構成される、槽体13内の溢れ水を槽体13外へ排出するための開口である。尚、本実施例においては取付口1は楕円形状に開口されて成る。
カバー体5は、図8に示すように、開口形状が楕円形状の円筒から成る筒部2と、筒部2の一方の端部に、外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部3と、筒部2に一部肉厚部分を構成し、その肉厚部分に開口・刻設して構成された雌ねじ部4を複数箇所構成して成る。また、カバー体5の筒部2には、後述する第2止水パッキン7の取付時の位置合わせ用の凹部17を構成して成る。
第1止水パッキン6は、図9に示すように、環状であって、外周の上下面の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、ゴムなどの弾性部材から成る止水部材であって、前記カバー体5のフランジ部3裏面にセットされて、槽体13内の排水が取付口1の裏面に漏水することを防止する部材である。
本体11は、図7に示すように、断面視L字状のエルボ体であって、前記カバー体5の筒部2をその内部に受け入れる受け部9と、カバー体5が受け部9内に収納された際にカバー体5の雌ねじ部4と合致する箇所に開口された貫通孔10とを構成して成る。
第2止水パッキン7は、図10に示すように、環状であって、ゴムなどの弾性部材から構成され、外周の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、軸方向上下面には、カバー体5との位置合わせ用のリブ18を備える。また、前記カバー体5の筒部2外周に取り付けられ、カバー体5の位置合わせ用凹部17に第2止水パッキン7のリブ18を合致させて位置あわせをして取り付ける。接続状態の時、本体11の受け部9内周面と水密的に接するように配置され、カバー体5及び本体11内に流入した排水が、槽体13の裏面側であるカバー体5と本体11の間から漏水することを防止する部材である。
雄ねじ体12は、ボルトなどの雄ねじであって、本実施例ではカバー体5に構成された雌ねじ部4に、本体11に構成された貫通孔10を介して螺合する。
オーバーフロー用流路15は、槽体13内の排水が、槽体13外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体13の取付口1から本体11を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路16は、槽体13の排水口14から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0020】
このように構成された接続構造は以下のように接続される。
図4に示すように、カバー体5の筒部2に第1止水パッキン6を配置させ、槽体13の取付口1に、槽体13の表面側からカバー体5の筒部2を挿入し、カバー体5のフランジ部3を、第1止水パッキン6を介して取付口1周縁に係止させる。
そして、図5に示すように、槽体13の裏面からカバー体5の位置合わせ用凹部17の切り溝に合致するように第2止水パッキン7の位置合わせ用リブ18を合致させて位置あわせを行うことでカバー体5の筒部2外周に第2止水パッキン7を配置させる。そして槽体13の裏面から飛び出しているカバー体5の筒部2に、本体11の受け部9を挿入する。
このとき、第2止水パッキン7の凸部8は本体11の受け部9に水密的に当接させるように、また、本体11の貫通孔10はカバー体5の雌ねじ部4に合致するようにそれぞれ挿入する。
そして、図6に示すように、槽体13の裏面から、雄ねじ体12を、本体11の貫通孔10に挿通させ、貫通孔10に合致するように配置されたカバー体5の雌ねじ部4に螺合させる。そうすると、本体11は雄ねじ体12とカバー体5に挟まれるように雄ねじ体12の締め付けによりカバー体5と接続される。また、同時に雄ねじ体12の締め付けにより、槽体13の取付口1はカバー体5のフランジ部3と本体11の受け部9に挟持されるように接続される。そして、槽体13の取付口1にカバー体5・本体11を接続することが出来る。このとき、カバー体5のフランジ部3と槽体13の取付口1周縁は第1止水パッキン6により水密化されているので漏水することがなく、また、カバー体5と本体11の間には第2止水パッキン7が介在して水密化しているので漏水することがない。また、カバー体5に第2止水パッキン7との位置合わせ用の凹部17を構成し、第2止水パッキン7にもカバー体5との位置あわせ用リブ18を構成したことから、カバー体5と第2止水パッキン7のセット(配置)が簡単となる上、誤配置もなくすことができる。
このように接続することで、槽体13に簡単に接続することが出来るし、槽体13の取付口1に直接的に雌ねじを刻設することもなく、槽体13の表面側から雄ねじ体12の頭が露出するようなこともなく、また、取付口1の形状を丸形以外の形状とすることができる。また、第2止水パッキン7の外周に凸部8を構成したからより水密性が向上することとなった。
また、本体11の下流には、排水管を接続し、最終的には排水流路16と接続するように
配管される。
尚、ここでいう槽体13の表面側とは、使用者が通常使用時に外観視できる槽体13の部位であり、槽体13の裏面側は通常使用時に使用者が外観視できない槽体13の部位を指す。
【0021】
このような実施例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体13内の排水が上昇すると、槽体13上端付近に構成された取付口1から排水が、カバー体5を介して槽体13裏面に取り付けられた本体11内へ流入する。本体11内の排水は、オーバーフロー用流路15を介して排水流路16へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0022】
また、第2実施例として、図11乃至図12に図示した接続構造がある。以下に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図11乃至図12に図示した本実施例の接続構造は、台所や洗面ボウルなどの槽体13に構成される、槽体13内の排水を排水管、最終的には下水管へと排水する排水流路16に用いられるものである。
本実施例は、洗面ボウルである槽体13と、排水口14としての取付口1と、カバー体5と、第1止水パッキン6と、本体11と、第2止水パッキン7と、雄ねじ体12と、から構成される。
槽体13は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体13外へ排出するための排水口14を取付口1として開口して構成される。
取付口1は、槽体13底面に構成される、槽体13内の排水を槽体13外へ排出するための開口である。尚、本実施例においては取付口1は円形状に開口されて成る。
カバー体5は、開口形状が楕円形状の円筒から成る筒部2と、筒部2の一方の端部に、外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部3と、筒部2に一部肉厚部分を構成し、その肉厚部分に開口・刻設して構成された雌ねじ部4を複数箇所構成して成る。
第1止水パッキン6は、環状であって、ゴムなどの弾性部材から成る止水部材であって、前記カバー体5のフランジ部3裏面にセットされて、槽体13内の排水が取付口1の裏面に漏水することを防止する部材である。
本体11は、断面視L字状のエルボ体であって、前記カバー体5の筒部2をその内部に受け入れる受け部9と、カバー体5が受け部9内に収納された際にカバー体5の雌ねじ部4と合致する箇所に開口された貫通孔10とを構成して成る。
第2止水パッキン7は、環状であって、ゴムなどの弾性部材から構成され、外周の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、前記カバー体5の筒部2外周に取り付けられて、接続状態の時、本体11の受け部9内周面と水密的に接するように配置され、カバー体5及び本体11内に流入した排水が、槽体13の裏面側であるカバー体5と本体11の間から漏水することを防止する部材である。
雄ねじ体12は、ボルトなどの雄ねじであって、本実施例ではカバー体5に構成された雌ねじ部4に、本体11に構成された貫通孔10を介して螺合する。
排水流路16は、取付口1に接続された本体11から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体13内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0023】
このように構成された接続構造は以下のように接続される。
カバー体5の筒部2に第1止水パッキン6を配置させ、槽体13の取付口1に、槽体13の表面側からカバー体5の筒部2を挿入し、カバー体5のフランジ部3を、第1止水パッキン6を介して取付口1周縁に係止させる。そして、槽体13の裏面からカバー体5の筒部2外周に第2止水パッキン7を配置させ、槽体13の裏面から飛び出しているカバー体5の筒部2に、本体11の受け部9を挿入する。このとき、第2止水パッキン7の凸部8は本体11の受け部9に水密的に当接させるように、また、本体11の貫通孔10はカバー体5の雌ねじ部4に合致するようにそれぞれ挿入する。そして、槽体13の裏面から、雄ねじ体12を、本体11の貫通孔10に挿通させ、貫通孔10に合致するように配置されたカバー体5の雌ねじ部4に螺合させる。そうすると、本体11は雄ねじ体12とカバー体5に挟まれるように雄ねじ体12の締め付けによりカバー体5と接続される。また、同時に雄ねじ体12の締め付けにより、槽体13の取付口1はカバー体5のフランジ部3と本体11の受け部9に挟持されるように接続される。そして、槽体13の取付口1にカバー体5・本体11を接続することが出来る。このとき、カバー体5のフランジ部3と槽体13の取付口1周縁は第1止水パッキン6により水密化されているので漏水することがなく、また、カバー体5と本体11の間には第2止水パッキン7が介在して水密化しているので漏水することがない。このように接続することで、槽体13に簡単に接続することが出来るし、槽体13の取付口1に直接的に雌ねじを刻設することもなく、槽体13の表面側から雄ねじ体12の頭が露出するようなこともなく、また、取付口1の形状を丸形以外の形状とすることができる。また、第2止水パッキン7の外周に凸部8を構成したからより水密性が向上することとなった。
また、本体11の下流には、排水管及び排水トラップを接続し、最終的には排水流路16と接続するように配管される。
【0024】
このような実施例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体13内に排水が発生すると、槽体13底面に開口された取付口1から排水が槽体13裏面に取り付けられた本体11内へ流入する。本体11内の排水は、排水流路16へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0025】
また、本発明の実施例は上記に記載した実施例のほかにも、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば前記実施例では洗面ボウルのオーバーフロー用流路15や排水流路16に用いる接続構造であるが、例えば台所の流し台やトイレのタンク配管などに用いられてもかまわない。
【0026】
また、本実施例では、カバー体5に雌ねじ部4を刻設し、雄ねじ体12と螺合しているが、カバー体5に雄ねじ、本体11にナットなどの雌ねじを刻設して、両者を螺合させて接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例の施工状態を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図7】(a)本発明の第1実施例の本体を示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図8】(a)本発明の第1実施例のカバー体を示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図9】(a)本発明の第1実施例の第1止水パッキンを示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。(c)第1止水パッキンの部分拡大断面図である。
【図10】(a)本発明の第1実施例の第2止水パッキンを示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図11】本発明の第2実施例の取付状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施例の施工状態を示す断面図である。
【図13】従来例を示す断面図である。
【図14】従来例を示す断面図である。
【図15】従来例を示す断面図である。
【図16】従来例を示す断面図である。
【図17】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 取付口
2 筒部
3 フランジ部
4 雌ねじ部
5 カバー体
6 第1止水パッキン
7 第2止水パッキン
8 凸部
9 受け部
10 貫通孔
11 本体
12 雄ねじ体
13 槽体
14 排水口
15 オーバーフロー用流路
16 排水流路
17 凹部
18 リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体のオーバーフロー用流路や、排水流路に構成される取付口に接続される管体などの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よく知られた接続構造としては、例えば図13に図示した接続構造がある。以下に図13に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図13の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、本体部と、止水パッキンと、目皿部材と、雄ねじと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボであって、取付口側の内部に、雌ねじ受け部を構成する。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
目皿部材は、取付口に取り付けられる格子状の部材であって、槽体内の排水中にゴミや髪の毛が混入している場合に排水流路側へ排出させないためのガード部材であり、中央には貫通孔が構成される。
雄ねじは、槽体側から目皿部材の貫通孔に螺合させ、槽体の裏側の取付口に取り付けられた本体部の雌ねじ受け部に螺合させる。そうすると、雄ねじが目皿部材と、槽体の取付口と、止水パッキンと、本体部を挟持するように締め付けられて、取付口裏面に本体部を取り付けることが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0003】
また、別の従来例として、図14に図示した接続構造がある。以下に図14に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図14の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、本体部と、止水パッキンと、取付ガイドと、雄ねじと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボであって、外側面に、雌ねじ受け部を構成する。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
取付ガイドは、槽体裏面の取付口に取り付けられる部材であって、本従来例では溶接などにて槽体裏面に取付られる。また、取付ガイドは、貫通孔が構成されて成る。
雄ねじは、槽体裏側から取付ガイドの貫通孔に貫通させて、取付ガイドと槽体の取付口間に配置された本体部の雌ねじ受け部に螺合する部材である。また、槽体裏側から取付ガイドの貫通孔に雄ねじを挿入し、本体の雌ねじ受け部に螺合させる。そうすると、本体部に螺合された雄ねじにより、槽体の取付口周縁側へ止水パッキンと本体部が押圧固定されて取り付けられることが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0004】
また、別の従来例として、図15に図示した接続構造がある。以下に図15に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図15の従来例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体に構成される、槽体内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面ボウルである槽体と、取付口と、オーバーフローフランジと、本体部と、止水パッキンと、オーバーフロー用流路と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体外へ排出するための排水口を開口して構成される。
取付口は、平面視円形であって、槽体上端に構成される、槽体内の溢れ水を槽体外へ排出するための開口である。
オーバーフローフランジは、円筒上の部材であって、端部に外側方向に突出して構成されるフランジ部を構成し、他端外周には雄ねじが刻設されている。
本体部は、槽体裏面の取付口に取り付けられる、断面視略L字状のエルボで、取付口に接続される側の端部が円筒状で、内周面に雌ねじを刻設してオーバーフローフランジの雄ねじと接続されて成る。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部、オーバーフローフランジに介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
これらの部材の接続方法としては、オーバーフローフランジのフランジ部を槽体の取付口に挿入させて取付口周縁にフランジ部を係止させて、槽体裏面からオーバーフランジと取付口周縁部に止水パッキンを介在させて、本体部の雌ねじを、オーバーフローフランジの雄ねじに螺合させる。このように、槽体の取付口を介在して、オーバーフローフランジのフランジ部と本体部の雄ねじ・雌ねじで締め付けることで、槽体の取付口周縁部をフランジ部と本体部のそれぞれで挟持するように接続することが出来る。
オーバーフロー用流路は、槽体内の排水が、槽体外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体の取付口から本体部を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路は、槽体の排水口から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0005】
このような従来例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体内の排水が上昇すると、槽体上端付近に構成された取付口から排水が槽体裏面に取り付けられた本体部内へ流入する。本体部内の排水は、オーバーフロー用流路を介して排水流路へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0006】
また、別の従来例として、図16に図示した接続構造がある。以下に図16に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図16の従来例の接続構造は、台所などの槽体に構成される、排水口と排水管流路に用いられるものである。
この従来例は、流し台としての槽体と、排水口としての取付口と、本体部と、止水パッキンと、ナット部材と、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体である。
取付口は、槽体底面に開口された開口であって、槽体内の排水を槽体外へ排出するための開口である。
本体部は、槽体の取付口裏側に取り付けられる機器であって、本従来例では、上面視円形状であって、内部に封水を備えた下水からの害虫や異臭を室内側へ逆流させないための排水トラップを備える。また、本体上端部には外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部を備える。そして、本体上端部外周には雄ねじを刻設してなる。また、本体部下端は後述する排水流路により最終的には下水管へ接続される。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
ナット部材は、環状部材であって、上端に外側方向に突出する鍔部を構成し、内周面には雌ねじを刻設してなる。
取付方としては、槽体の表面側の取付口周縁に止水パッキンを載置し、槽体の取付口の上方から、本体を取付口に挿入し、本体のフランジ部を取付口に係止させる。その後、槽体の裏面からナット部材を挿入し、本体部の外周に構成された雄ねじにナット部材の雌ねじを螺合させ、槽体の取付口周縁を挟持するようにして取り付けることが出来る。
排水流路は、取付口に接続された本体から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0007】
また、別の従来例として、図17に図示した接続構造がある。以下に図17に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図17の従来例の接続構造は、台所や洗面台などの槽体に構成される、排水口と排水管流路に用いられるものである。
この従来例は、洗面台としての槽体と、排水口としての取付口と、本体部と、止水パッキンと、雄ねじと、排水流路と、から構成される。
槽体は、内部に排水を注水/排水する箱体である。
取付口は、槽体底面に開口された開口であって、槽体内の排水を槽体外へ排出するための開口である。また、槽体裏面の取付口周縁には、雌ねじが複数箇所開口構成されて成る。
本体部は、槽体の取付口裏側に取り付けられる機器であって、本従来例では、上面視円形状であって、本体部上端部には外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部を備えてなる。また、本体部下端は後述する排水流路により最終的には下水管へ接続される。また、フランジ部には貫通孔を複数箇所構成して成る。
止水パッキンは、槽体の取付口と本体部に介在される弾性部材であって、槽体内の排水が外部に漏水させないために備えられる部材である。
雄ねじは、槽体裏面から本体部のフランジ部の貫通孔を介して槽体の取付口裏面側の雌ねじと螺合するねじである。
取付方としては、槽体の裏面側の取付口周縁に止水パッキンをセットし、槽体の取付口の裏側から、本体を取付口周縁に当接させ、その後、槽体の裏面から本体部のフランジ部貫通孔に雄ねじを挿入し、槽体の取付口の雌ねじに螺合させて、槽体の取付口に本体部を取り付けることが出来る。
排水流路は、取付口に接続された本体から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0008】
このような従来例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体内に排水が発生すると、槽体底面に開口された取付口から排水が槽体裏面に取り付けられた本体部内へ流入する。本体部内の排水は、排水流路へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0009】
【特許文献1】実開昭63−31175号公報
【特許文献2】実公平6−49651号公報
【特許文献3】特開2001−214489号公報
【特許文献4】登録実用3004762号公報
【特許文献5】特開平10−68158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来例のような接続構造は、以下のような問題点があった。
図13の従来例では、槽体の表面側から向かって雄ねじを目皿部材の貫通孔に挿通させて、本体部の雌ねじ受け部に螺合させるので、槽体の表面側から雄ねじの頭部分が露出してしまい、外観上意匠性が非常に悪かった。
また、図14の従来例では、取付ガイドをわざわざ槽体の裏面に溶着せねばならないので、取付作業が非常に手間であった。
また、図15の従来例では、雄ねじを使用しないことや、取付ガイドのようなものを槽体裏面にわざわざ取り付けないでもよいのでメリットはあるが、オーバーフローフランジと本体部の取付をねじ螺合による接続としているため、オーバーフローフランジ及び本体部を円形状にせねばならないので、槽体の取付口の形状の選択の幅が狭く、使用者によっては意匠性が非常に悪いと感じられる場合もあった。
また、図16の従来例では、取付口と本体部の取付をねじ螺合による接続としているため、取付口及び本体部、ナット部材を円形状にせねばならないので、槽体の取付口の形状の選択の幅が狭く、使用者によっては意匠性が非常に悪いと感じられる場合もあった。
また、図17の従来例では、取付口と本体部の取付を、槽体裏面から雄ねじと雌ねじによるねじ接続としているため、雄ねじを槽体の裏面に直接的に接続せねば成らず、槽体の裏面に雌ねじを刻設することが必要であった。このような作業は非常に手間である上、槽体に直接的に雌ねじを刻設するので、槽体が金属の薄板状の素材であったり、大理石などの脆い素材であった場合には雌ねじが刻設できないので、そういった素材の槽体には取り付けることは出来なかった。
【0011】
従って、本発明の接続構造は、以下の課題を解決するために発明された。
1.使用者が外観視できる槽体の表面側の意匠性が良い接続構造。
2.取付作業が簡単である接続構造。
3.円形以外の取付口でも接続することが出来る接続構造。
4.槽体に雌ねじを刻設することなく接続することが出来る接続構造。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の接続構造は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成されることを特徴とする接続構造である。
【0013】
請求項2に記載の接続構造は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雄ねじと、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雄ねじの両者を接合する雌ねじと、から構成されることを特徴とする接続構造である。
【0014】
請求項3の接続構造は、前記第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする前記段落0012又は段落0013に記載の接続構造である。
【0015】
請求項4の接続構造は、前記第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする前記段落0012乃至段落0014のいずれか一つに記載の接続構造である。
【0016】
請求項5の接続構造は、前記取付口1が、槽体のオーバーフロー用流路15の接続構造であることを特徴とする前記段落0012乃至段落0015のいずれか一つに記載の接続構造である。
【0017】
請求項6に記載の接続構造は、前記取付口1が、槽体の排水流路16の接続構造であることを特徴とする前記段落0012乃至段落0016のいずれか一つに記載の接続構造である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の排水トラップは、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の本発明は、機器に開口された取付口1と、取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、から構成したことから、雄ねじなどが使用者から目視できる槽体13の外観上に露出しないので、非常に意匠性がよい。また、本体11とカバー体5の接続を、雄ねじ体12による接続とし、本体11外周に雄ねじを刻設してナットなどの雌ねじにより締め付けて槽体13と取り付ける方法としていないので、丸形以外の形状でも接続することが出来る。また、雄ねじ体12を槽体13の裏面から螺合させるだけなので、取付作業も非常に簡単に行うことが出来る。また、雄ねじ体12をカバー体5の雌ねじ部44に螺合させるようにしたから、槽体13に直接的に雌ねじ部44を刻設することなく取り付けることが出来るので、どのような素材の槽体13であっても接続することが出来る。
請求項2に記載の本発明は、雄ねじなどが使用者から目視できる槽体13の外観上に露出しないので、非常に意匠性がよい。また、本体11とカバー体5の接続を、カバー体5の雄ねじと雌ねじによる接続とし、本体11外周に雄ねじを刻設してナットなどの雌ねじにより締め付けて槽体13と取り付ける方法としていないので、丸形以外の形状でも接続することが出来る。また、雌ねじを槽体13の裏面から螺合させるだけなので、取付作業も非常に簡単に行うことが出来る。また、雌ねじをカバー体5の雄雄ねじに螺合させるようにしたから、槽体13に直接的に雌ねじ部44を刻設することなく取り付けることが出来るので、どのような素材の槽体13であっても接続することが出来る。
請求項3に記載の本発明は、第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことから、より止水能力が向上するようになった。
請求項4に記載の本発明は、第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことから、より止水能力が向上するようになった。
請求項5に記載の本発明は、槽体13のオーバーフロー用流路15の接続構造としたから、前記した請求項1及び請求項4における効果を槽体13のオーバーフロー用流路15の接続構造において奏することができる。
請求項6に記載の本発明は、槽体13の排水流路16の接続構造としたから、前記した請求項1及び請求項5における効果を槽体13の排水流路16の接続構造において奏することができる。
【実施例】
【0019】
以下に本発明の第1実施例を、図面を参照しつつ説明する。
本発明の接続構造は、図1乃至図10に図示した接続構造である。以下に接続構造の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図10に図示した本実施例の接続構造は、洗面ボウルなどの槽体13に構成される、槽体13内の溢れ水を排水管へ排水するオーバーフロー用流路15に用いられるものである。
本実施例は、洗面ボウルである槽体13と、取付口1と、カバー体5と、第1止水パッキン6と、本体11と、第2止水パッキン7と、雄ねじ体12と、から構成される。
槽体13は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体13外へ排出するための排水口14を開口して構成される。
取付口1は、槽体13上端に構成される、槽体13内の溢れ水を槽体13外へ排出するための開口である。尚、本実施例においては取付口1は楕円形状に開口されて成る。
カバー体5は、図8に示すように、開口形状が楕円形状の円筒から成る筒部2と、筒部2の一方の端部に、外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部3と、筒部2に一部肉厚部分を構成し、その肉厚部分に開口・刻設して構成された雌ねじ部4を複数箇所構成して成る。また、カバー体5の筒部2には、後述する第2止水パッキン7の取付時の位置合わせ用の凹部17を構成して成る。
第1止水パッキン6は、図9に示すように、環状であって、外周の上下面の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、ゴムなどの弾性部材から成る止水部材であって、前記カバー体5のフランジ部3裏面にセットされて、槽体13内の排水が取付口1の裏面に漏水することを防止する部材である。
本体11は、図7に示すように、断面視L字状のエルボ体であって、前記カバー体5の筒部2をその内部に受け入れる受け部9と、カバー体5が受け部9内に収納された際にカバー体5の雌ねじ部4と合致する箇所に開口された貫通孔10とを構成して成る。
第2止水パッキン7は、図10に示すように、環状であって、ゴムなどの弾性部材から構成され、外周の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、軸方向上下面には、カバー体5との位置合わせ用のリブ18を備える。また、前記カバー体5の筒部2外周に取り付けられ、カバー体5の位置合わせ用凹部17に第2止水パッキン7のリブ18を合致させて位置あわせをして取り付ける。接続状態の時、本体11の受け部9内周面と水密的に接するように配置され、カバー体5及び本体11内に流入した排水が、槽体13の裏面側であるカバー体5と本体11の間から漏水することを防止する部材である。
雄ねじ体12は、ボルトなどの雄ねじであって、本実施例ではカバー体5に構成された雌ねじ部4に、本体11に構成された貫通孔10を介して螺合する。
オーバーフロー用流路15は、槽体13内の排水が、槽体13外へと溢れてこぼれ落ちることを防ぐために構成された流路であって、槽体13の取付口1から本体11を介して、最終的には排水トラップを介して下水管へと排出する流路である。
排水流路16は、槽体13の排水口14から下水管までの流路であって、途中位置に下水管からの臭気や害虫の室内側への逆流を防ぐ内部に封水を有した排水トラップを構成して成る。
【0020】
このように構成された接続構造は以下のように接続される。
図4に示すように、カバー体5の筒部2に第1止水パッキン6を配置させ、槽体13の取付口1に、槽体13の表面側からカバー体5の筒部2を挿入し、カバー体5のフランジ部3を、第1止水パッキン6を介して取付口1周縁に係止させる。
そして、図5に示すように、槽体13の裏面からカバー体5の位置合わせ用凹部17の切り溝に合致するように第2止水パッキン7の位置合わせ用リブ18を合致させて位置あわせを行うことでカバー体5の筒部2外周に第2止水パッキン7を配置させる。そして槽体13の裏面から飛び出しているカバー体5の筒部2に、本体11の受け部9を挿入する。
このとき、第2止水パッキン7の凸部8は本体11の受け部9に水密的に当接させるように、また、本体11の貫通孔10はカバー体5の雌ねじ部4に合致するようにそれぞれ挿入する。
そして、図6に示すように、槽体13の裏面から、雄ねじ体12を、本体11の貫通孔10に挿通させ、貫通孔10に合致するように配置されたカバー体5の雌ねじ部4に螺合させる。そうすると、本体11は雄ねじ体12とカバー体5に挟まれるように雄ねじ体12の締め付けによりカバー体5と接続される。また、同時に雄ねじ体12の締め付けにより、槽体13の取付口1はカバー体5のフランジ部3と本体11の受け部9に挟持されるように接続される。そして、槽体13の取付口1にカバー体5・本体11を接続することが出来る。このとき、カバー体5のフランジ部3と槽体13の取付口1周縁は第1止水パッキン6により水密化されているので漏水することがなく、また、カバー体5と本体11の間には第2止水パッキン7が介在して水密化しているので漏水することがない。また、カバー体5に第2止水パッキン7との位置合わせ用の凹部17を構成し、第2止水パッキン7にもカバー体5との位置あわせ用リブ18を構成したことから、カバー体5と第2止水パッキン7のセット(配置)が簡単となる上、誤配置もなくすことができる。
このように接続することで、槽体13に簡単に接続することが出来るし、槽体13の取付口1に直接的に雌ねじを刻設することもなく、槽体13の表面側から雄ねじ体12の頭が露出するようなこともなく、また、取付口1の形状を丸形以外の形状とすることができる。また、第2止水パッキン7の外周に凸部8を構成したからより水密性が向上することとなった。
また、本体11の下流には、排水管を接続し、最終的には排水流路16と接続するように
配管される。
尚、ここでいう槽体13の表面側とは、使用者が通常使用時に外観視できる槽体13の部位であり、槽体13の裏面側は通常使用時に使用者が外観視できない槽体13の部位を指す。
【0021】
このような実施例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体13内の排水が上昇すると、槽体13上端付近に構成された取付口1から排水が、カバー体5を介して槽体13裏面に取り付けられた本体11内へ流入する。本体11内の排水は、オーバーフロー用流路15を介して排水流路16へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0022】
また、第2実施例として、図11乃至図12に図示した接続構造がある。以下に図示した接続構造の従来例を、図面を参照しつつ説明する。
図11乃至図12に図示した本実施例の接続構造は、台所や洗面ボウルなどの槽体13に構成される、槽体13内の排水を排水管、最終的には下水管へと排水する排水流路16に用いられるものである。
本実施例は、洗面ボウルである槽体13と、排水口14としての取付口1と、カバー体5と、第1止水パッキン6と、本体11と、第2止水パッキン7と、雄ねじ体12と、から構成される。
槽体13は、内部に排水を注水/排水する箱体であって、底面に排水を槽体13外へ排出するための排水口14を取付口1として開口して構成される。
取付口1は、槽体13底面に構成される、槽体13内の排水を槽体13外へ排出するための開口である。尚、本実施例においては取付口1は円形状に開口されて成る。
カバー体5は、開口形状が楕円形状の円筒から成る筒部2と、筒部2の一方の端部に、外側方向に向かって突出して構成されるフランジ部3と、筒部2に一部肉厚部分を構成し、その肉厚部分に開口・刻設して構成された雌ねじ部4を複数箇所構成して成る。
第1止水パッキン6は、環状であって、ゴムなどの弾性部材から成る止水部材であって、前記カバー体5のフランジ部3裏面にセットされて、槽体13内の排水が取付口1の裏面に漏水することを防止する部材である。
本体11は、断面視L字状のエルボ体であって、前記カバー体5の筒部2をその内部に受け入れる受け部9と、カバー体5が受け部9内に収納された際にカバー体5の雌ねじ部4と合致する箇所に開口された貫通孔10とを構成して成る。
第2止水パッキン7は、環状であって、ゴムなどの弾性部材から構成され、外周の周縁に沿って複数の凸部8を構成して成る。また、前記カバー体5の筒部2外周に取り付けられて、接続状態の時、本体11の受け部9内周面と水密的に接するように配置され、カバー体5及び本体11内に流入した排水が、槽体13の裏面側であるカバー体5と本体11の間から漏水することを防止する部材である。
雄ねじ体12は、ボルトなどの雄ねじであって、本実施例ではカバー体5に構成された雌ねじ部4に、本体11に構成された貫通孔10を介して螺合する。
排水流路16は、取付口1に接続された本体11から接続された流路であって、最終的には下水管へと接続される。また、槽体13内の排水を最終的には下水管へと排出するための管体である。
【0023】
このように構成された接続構造は以下のように接続される。
カバー体5の筒部2に第1止水パッキン6を配置させ、槽体13の取付口1に、槽体13の表面側からカバー体5の筒部2を挿入し、カバー体5のフランジ部3を、第1止水パッキン6を介して取付口1周縁に係止させる。そして、槽体13の裏面からカバー体5の筒部2外周に第2止水パッキン7を配置させ、槽体13の裏面から飛び出しているカバー体5の筒部2に、本体11の受け部9を挿入する。このとき、第2止水パッキン7の凸部8は本体11の受け部9に水密的に当接させるように、また、本体11の貫通孔10はカバー体5の雌ねじ部4に合致するようにそれぞれ挿入する。そして、槽体13の裏面から、雄ねじ体12を、本体11の貫通孔10に挿通させ、貫通孔10に合致するように配置されたカバー体5の雌ねじ部4に螺合させる。そうすると、本体11は雄ねじ体12とカバー体5に挟まれるように雄ねじ体12の締め付けによりカバー体5と接続される。また、同時に雄ねじ体12の締め付けにより、槽体13の取付口1はカバー体5のフランジ部3と本体11の受け部9に挟持されるように接続される。そして、槽体13の取付口1にカバー体5・本体11を接続することが出来る。このとき、カバー体5のフランジ部3と槽体13の取付口1周縁は第1止水パッキン6により水密化されているので漏水することがなく、また、カバー体5と本体11の間には第2止水パッキン7が介在して水密化しているので漏水することがない。このように接続することで、槽体13に簡単に接続することが出来るし、槽体13の取付口1に直接的に雌ねじを刻設することもなく、槽体13の表面側から雄ねじ体12の頭が露出するようなこともなく、また、取付口1の形状を丸形以外の形状とすることができる。また、第2止水パッキン7の外周に凸部8を構成したからより水密性が向上することとなった。
また、本体11の下流には、排水管及び排水トラップを接続し、最終的には排水流路16と接続するように配管される。
【0024】
このような実施例の接続構造においては、以下のような排水の流れとなる。
槽体13内に排水が発生すると、槽体13底面に開口された取付口1から排水が槽体13裏面に取り付けられた本体11内へ流入する。本体11内の排水は、排水流路16へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排出される。
【0025】
また、本発明の実施例は上記に記載した実施例のほかにも、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば前記実施例では洗面ボウルのオーバーフロー用流路15や排水流路16に用いる接続構造であるが、例えば台所の流し台やトイレのタンク配管などに用いられてもかまわない。
【0026】
また、本実施例では、カバー体5に雌ねじ部4を刻設し、雄ねじ体12と螺合しているが、カバー体5に雄ねじ、本体11にナットなどの雌ねじを刻設して、両者を螺合させて接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例の施工状態を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施例の取付状態を示す断面図である。
【図7】(a)本発明の第1実施例の本体を示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図8】(a)本発明の第1実施例のカバー体を示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図9】(a)本発明の第1実施例の第1止水パッキンを示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。(c)第1止水パッキンの部分拡大断面図である。
【図10】(a)本発明の第1実施例の第2止水パッキンを示す断面図である。(b)(a)図におけるA−A’断面図である。
【図11】本発明の第2実施例の取付状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施例の施工状態を示す断面図である。
【図13】従来例を示す断面図である。
【図14】従来例を示す断面図である。
【図15】従来例を示す断面図である。
【図16】従来例を示す断面図である。
【図17】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 取付口
2 筒部
3 フランジ部
4 雌ねじ部
5 カバー体
6 第1止水パッキン
7 第2止水パッキン
8 凸部
9 受け部
10 貫通孔
11 本体
12 雄ねじ体
13 槽体
14 排水口
15 オーバーフロー用流路
16 排水流路
17 凹部
18 リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に開口された取付口1と、
取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、
フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、
前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、
前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、
前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、
から構成されることを特徴とする接続構造。
【請求項2】
機器に開口された取付口1と、
取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雄ねじと、から構成されるカバー体5と、
フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、
前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、
前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、
前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雄ねじの両者を接合する雌ねじと、
から構成されることを特徴とする接続構造。
【請求項3】
前記第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項4】
前記第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項5】
前記取付口1が、槽体のオーバーフロー用流路15の接続構造であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項6】
前記取付口1が、槽体の排水流路16の接続構造であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項1】
機器に開口された取付口1と、
取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雌ねじ部4と、から構成されるカバー体5と、
フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、
前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、
前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、
前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雌ねじ部4の両者を接合する雄ねじ体12と、
から構成されることを特徴とする接続構造。
【請求項2】
機器に開口された取付口1と、
取付口1内に挿入される筒部2と、端部に外側方向に突出して構成され、前記取付口1周縁に係止されるフランジ部3と、筒部2に構成された雄ねじと、から構成されるカバー体5と、
フランジ部3と取付口1周縁の間に配置される、弾性部材から構成された第1止水パッキン6と、
前記カバー体5を受け入れる受け部9と、貫通して構成される貫通孔10と、を構成した本体11と、
前記カバー体5と本体11に介在して備えられる第2止水パッキン7と、
前記本体11の貫通孔10とカバー体5の雄ねじの両者を接合する雌ねじと、
から構成されることを特徴とする接続構造。
【請求項3】
前記第1止水パッキン6の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項4】
前記第2止水パッキン7の外周面に、凸部8を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項5】
前記取付口1が、槽体のオーバーフロー用流路15の接続構造であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の接続構造。
【請求項6】
前記取付口1が、槽体の排水流路16の接続構造であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−177477(P2012−177477A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100715(P2012−100715)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2007−248223(P2007−248223)の分割
【原出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2007−248223(P2007−248223)の分割
【原出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
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