説明

接続端末選択システム

【課題】端末装置2を簡単にホスト装置1に接続し、端末装置2を用いてホスト装置1に情報を入力することができるシステムを提供する。
【解決手段】情報を入力する入力手段4と、端末識別子を記憶する記憶手段5と、入力された入力情報又は端末識別子を、ネットワークを介して送信する送信手段6と、を備えた端末装置2と、端末装置2との通信環境を測定する測定手段8と、測定した端末装置2との通信環境と、当該端末装置2の端末識別子と、を対応付けた端末装置通信情報をネットワークに接続された自身以外の他のホスト装置1に送信する送信手段9と、を備えた複数のホスト装置1と、を備え、ホスト装置1は、他のホスト装置1との端末装置通信情報を受信すれば、自身の通信環境と当該端末装置接通信情報の通信環境とを比較し、自身の通信環境がより通信に適していれば当該端末装置2とのネットワーク接続を確立するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、所定情報を入力する複数の端末装置と、端末装置において入力された所定情報を受信する複数のホスト装置を備える接続端末選択システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のホスト装置は、ホスト装置に情報を入力する場合は、通常、ホスト装置に備わっている入力装置を用いて情報を入力する必要があった。また所定情報を入力する端末装置をホスト装置とブルートゥース技術による無線接続や独自形式の無線接続により接続し、端末装置を用いてホスト装置に情報を入力する手段も存在した。
【0003】
なお、特開2007−89159号公報(特許文献1)にはセキュリティを維持しつつ、ネットワークシステムにおけるデバイス間の接続を容易に行うことができるネットワークシステムの接続方法が開示されているが、このネットワークシステムの主眼は、セキュリティを維持する点に置かれており、本願発明の目的とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−89159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例であるホスト装置にあっては、ホスト装置に備わっている入力装置は必ずしもホスト装置が提供する機能に適した物とは限らず、また所定情報を入力する端末装置をホスト装置とブルートゥース技術による無線接続や独自形式の無線接続により接続し、端末装置を用いてホスト装置に情報を入力する場合も端末装置とホスト装置を原則的に一対一に対応させなくてはならず、一つの端末装置を複数のホスト装置で利用するためには、都度、登録処理をする必要があった。
【0006】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、端末装置を簡単にホスト装置に接続し、端末装置を用いてホスト装置に情報を入力することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、情報を入力する入力手段と、端末識別子を記憶する記憶手段と、入力された入力情報又は端末識別子を、ネットワークを介して送信する送信手段と、を備えた端末装置と、端末装置を検知する検知手段と、検知した端末装置との通信環境を測定する測定手段と、測定した端末装置との通信環境と、当該端末装置の端末識別子と、を対応付けた端末装置通信情報をネットワークに接続された自身以外の他のホスト装置に送信する送信手段と、他のホスト装置又は、端末装置から端末装置通信情報又は、入力情報又は端末識別子を受信する受信手段と、を備えた複数のホスト装置と、を備え、ホスト装置は、検知手段により端末装置を検知した場合は、受信手段により、当該端末装置の端末識別子を受信し、測定手段を用いて当該端末装置との通信環境を測定し、当該端末装置と他のホスト装置との端末装置通信情報を受信すれば、自身の通信環境と当該端末装置接通信情報の通信環境とを比較し、自身の通信環境がより通信に適していれば当該端末装置とのネットワーク接続を確立し、入力情報を受信するようにしている。
【0008】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の接続端末選択システムにおいて、 測定手段は、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の距離を測定することを特徴としている。
【0009】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の接続端末選択システムにおいて、 測定手段は、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の通信速度を測定することを特徴としている。
【0010】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、端末装置とホスト装置は、無線ネットワークで接続されることを特徴としている。
【0011】
又、本願請求項5記載の発明では、上記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、ホスト装置は、検知した端末装置とのネットワーク接続が確立された場合、当該端末装置と接続確立状況になったことを、送信手段を用いて、当該端末装置の端末識別子と共に、他のホスト装置へ送信し、他のホスト装置は、受信手段を用いて、前記ホスト装置が前記端末装置と接続確立状況になったことを前記端末識別子と共に受信し、他のホスト装置は、前記ホスト装置が接続確立状況となっている前記端末装置とのネットワーク接続を確立しないことを特徴としている。
【0012】
又、本願請求項6記載の発明では、上記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、ホスト装置は、端末装置の端末識別子に基づいて、当該端末装置が自身に独占設定されているか否かを判断し、独占設定されている場合は当該端末装置に優先的にネットワーク接続を確立することを特徴としている。
【0013】
又、本願請求項7記載の発明では、上記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、ホスト装置は、端末装置の端末識別子と端末装置の端末種類とを対応付けた記憶手段を備え、ホスト装置は、端末装置を検知した際に、記憶手段を参照して当該端末装置の端末識別子から端末種類を取得し、当該端末装置が自身と対応可能であるか否かを判断し、対応している場合は、測定手段を用いて通信環境を測定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願請求項1記載の発明の接続端末選択システムにおいては、ホスト装置と端末装置との通信環境を測定し、当該通信環境に応じて、ホスト装置と端末装置とを接続を確立し、端末装置の入力手段を用いてホスト装置に情報を入力することができるので、ホスト装置に適した端末装置を選択し、ホスト装置に情報を入力することができる。
【0015】
又、本願請求項2記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の距離を測定しているため、ホスト装置に近い端末装置がホスト装置との接続を確立し、簡単に端末装置とホスト装置との接続を確立することができる。
【0016】
又、本願請求項3記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、通信環境として、端末装置とホスト装置との通信速度を測定しているため、ホスト装置との通信速度が速い端末装置がホスト装置との接続を確立し、当該端末装置を用いてホスト装置に情報を入力することができる。
【0017】
又、本願請求項4記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、端末装置とホスト装置が無線ネットワークで接続されるため、より簡易に端末装置とホスト装置との接続を確立することができる。
【0018】
又、本願請求項5記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、ホスト装置は他のホスト装置が端末装置と接続確立状態になっている場合は、当該端末装置と接続を確立しないため、一度接続が確立された端末装置とホスト装置との間の接続状態を維持することができる。
【0019】
又、本願請求項6記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、ホスト装置は独占設定されている端末装置に優先的に接続するため、通信環境にかかわらず端末装置と接続を確立することが可能となる。
【0020】
又、本願請求項7記載の発明の接続端末選択システムにおいては、特に、ホスト装置は端末装置の種類を特定し、種類により端末装置が自身と対応可能か否か判断し、対応可能な場合に通信環境を測定するため、対応不可能な端末装置との通信環境を測定することがなく、無駄な動作処理を行わないですむ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願発明の実施形態におけるシステム構成図。
【図2】本願発明の実施形態における端末装置の構成図。
【図3】本願発明の実施形態におけるホスト装置の構成図。
【図4】本願発明の実施形態における端末装置登録処理のフローチャート。
【図5】本願発明の実施形態における端末装置の使用準備処理のフローチャート。
【図6】本願発明の実施形態における端末装置の接続解除処理のフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
第一の実施形態のシステム構成図を図1に示す。この接続端末選択システムは、図1に示されるように、複数のホスト装置1と端末装置2とを備えている。ホスト装置1は、例えば、テレビ、ホームコントローラであり、ホームコントローラとは、宅内の照明などの機器を制御するものである。端末装置2は例えば、キーボード、携帯端末であり、端末装置2とホスト装置1との接続状態が確立されれば端末装置2により入力された情報がホスト装置1に送信され、ホスト装置1が当該情報を受信することにより端末装置2からホスト装置1に情報を入力することができる。
【0023】
次に、端末装置2の構成を、図2を用いて説明する。端末装置2は、入力手段4、記憶手段5、送信手段6、及び制御手段3を備え、入力手段4は情報を入力する際に使用されるものであり、記憶手段5には、端末装置2を識別するために、個々の端末装置2に付与された端末識別子が記憶されている。送信手段6は記憶手段5に記憶された端末識別子を送信するものであり、また、ホスト装置1との接続時に入力手段4により入力された情報を送信するものである。制御手段3は、上記端末装置2の各手段を制御するものである。
【0024】
次に、ホスト装置1の構成を、図3を用いて説明する。ホスト装置1は複数存在し、ホスト装置1は互いに宅内ネットワークによって相互接続されており、検知手段7、測定手段8、送信手段9、受信手段10、記憶手段11、及び制御手段12を備えるものである。
【0025】
検知手段7は、検知可能範囲内にある端末装置2が送信する無線信号を検知することにより端末装置2を検知するものであり、受信手段10は当該端末装置2の送信する端末識別子を受信するものである。
【0026】
測定手段8は、端末装置2との通信環境を測定するものであり、通信環境とは、ホスト装置1と端末装置2との間の距離、又は、ホスト装置1と端末装置2との間の通信速度である。
測定手段8は、ホスト装置1と端末装置2との間の距離を、端末装置2から受信した無線信号の信号強度に基づき測定する。すなわち、信号強度が強い場合、距離が短いと判断し、信号強度が弱い場合に距離が長いと判断するものである。ホスト装置1の制御手段12は複数の端末装置2を検知手段7により検知した場合、測定手段8を用いて受信した無線信号の信号強度を測定し、測定手段8は最も強い無線信号の信号強度を送信した端末装置2がホスト装置1と最も近い距離にあると判断する。
また、測定手段8は、ホスト装置1と端末装置2との間の通信速度を端末装置2から受信した無線信号の通信速度に基づき測定するものである。
【0027】
送信手段9は、宅内ネットワークで接続された他のホスト装置1に、測定手段8を用いて測定した端末装置2の通信環境と当該端末装置2の端末識別子とを対応付けた情報である、端末装置通信情報を送信するものであり、また、ホスト装置1と端末装置2との接続状態が確立された場合にホスト装置1が他のホスト装置1に端末装置2と接続確立状態になった旨の情報である端末装置接続確立情報を送信するものである。
【0028】
記憶手段11は、登録済み端末装置2の端末識別子を記憶するものであり、また、端末識別子と端末種類とを対応付けている対応表が記憶されている。更に、ホスト装置1ごとに、端末装置2の種類と当該ホスト装置1が対応可能か否か対応付けている対応表が記憶されており、ホスト装置1と独占設定されている端末装置2の端末識別子が記憶されている。
【0029】
次に、本実施形態においてホスト装置1が端末装置2を登録する処理を図4のフローチャートを用いて説明する。ホスト装置1は、電源が起動され、端末装置2を検知できる状態になれば(ステップ11)、検知手段7を用いて検知可能領域内にある端末装置2を検知する(ステップ12)。
ホスト装置1は、端末装置2を検知すれば当該端末装置2が無線送信する端末識別子を受信し(ステップ13)記憶手段11を参照し、すでに登録済みの端末装置2であるか否か判断する(ステップ14)。記憶手段11には、ホスト装置1が以前に登録した、端末装置2の端末識別子が記憶されており、記憶手段11を検索することにより登録済みの端末装置2か否か判断される。
判断の結果、すでに登録済みの端末装置2であれば、後述する使用準備処理に移行する(ステップ20)。一方、登録されていない端末装置2であれば、ホスト装置1は新しい端末装置2が検知されたことをユーザに通知し(ステップ15)、記憶手段11を参照し、受信した端末識別子から端末装置2の種類を特定する(ステップ16)。記憶手段11には、端末装置2の端末識別子ごとに、端末装置2の種類が記憶されており、ホスト装置1は、記憶手段11において端末識別子を検索キーとして検索し、その検索の結果として端末装置2の種類を特定する。
【0030】
次に、ホスト装置1は、ステップ17において、特定された種類の端末装置2と自身が対応可能であるか否か判断する。ここで、端末装置2と対応可能か否かの判断は、ホスト装置1の記憶手段11における対応表を参照することによりなされる。対応表には、ホスト装置1が対応可能な端末装置2の種類が予め記載されている。
対応可能でなければホスト装置1は、端末装置2と接続を行わず、その処理を終了する。一方、対応可能な端末装置2であれば、ユーザは当該端末装置2を登録するか否か選択する(ステップ18)。端末装置2がユーザにより登録されなければ、ホスト装置1は、端末装置2との接続を行わず処理を修了する。一方、ユーザにより登録が行われれば、ホスト装置1は、当該端末装置2の端末識別子を登録済端末装置2として記憶手段11に登録する(ステップ19)。ホスト装置1は、端末装置2の登録後、端末装置2の使用準備処理に移行する(ステップ20)。
【0031】
次に、本実施形態においてホスト装置1による端末装置2の使用準備処理を図5のフローチャートを用いて説明する。ホスト装置1は、記憶手段11に登録した、端末装置2の端末識別子を基に当該端末装置2が自身に独占設定された端末装置2であるか否かを判断する(ステップ21)。ここで、独占設定されているか否かの判断は、ホスト装置1の記憶手段11において、予め独占設定させる端末装置2を記憶させておき、当該、記憶手段11を参照することによりなされる。当該記憶手段11には、端末装置2とホスト装置1とを所定の組み合わせで定義されたものを登録してもよいし、ユーザがホスト装置1に自身の好む端末装置2を選択して登録してもよい。
当該端末装置2が独占設定されていない端末装置2であれば当該端末装置2の通信環境を、測定手段8を用いて測定する(ステップ22)。ここで通信環境とは、端末装置2とホスト装置1との間の距離又は、端末装置2とホスト装置1との間の通信速度である。
【0032】
次に、ホスト装置1は、測定した端末装置2との通信環境を当該端末装置2の端末識別子と関連付け、端末装置通信情報として、宅内ネットワークを介して、他のホスト装置1に送信する(ステップ23)。
次にホスト装置1は他のホスト装置1から当該端末装置2に関する端末装置通信情報又は、端末装置接続確立情報を受信していないか判断する(ステップ24)。ここで、端末装置接続確立情報とは、ホスト装置1が端末装置2と接続確立状態になった場合にホスト装置1が他のホスト装置1に端末装置2と接続確立状態になった旨を送信するものである。また、所定時間内とはステップ12において端末装置2を検知した、時刻より一定時間前から、ステップ23の端末装置通信情報を他のホスト装置1に送信を完了した時刻である。
他のホスト装置1から端末装置通信情報又は、端末装置接続確立情報を受信していなければ、予め設定されていた所定時間が経過したか否か判断される(ステップ25)。所定時間が経過していなければステップ24の処理に移行し、端末装置通信情報又は、端末装置接続確立情報を受信していないか判断される。一方、所定時間が経過していればステップ26の処理に移行する。
ステップ26では、ホスト装置1が、端末装置2にホスト装置1と接続確立状況になった旨を通知する(ステップ26)。また、ステップ21において、端末装置2がホスト装置1に独占設定されたものであれば、ステップ22、23、24、25の処理を省略してステップ26の処理に移行する。
【0033】
次にホスト装置1は、ネットワークを介して他のホスト装置1に端末装置2と接続確立状態になった情報として端末装置接続確立情報を送信する(ステップ27)。そして、端末装置2及びホスト装置1は、互いに動作用のソフトウェアを準備し、互いにネットワーク接続を行う(ステップ28)。
【0034】
また、ステップ24においてホスト装置1が他のホスト装置1から端末装置通信情報又は端末装置接続確立情報を受信した場合、ステップ29の処理に移行する。ステップ29では、端末装置2と他のホスト装置1との接続が確立されていないか判断する。この判断は、ホスト装置1が受信した通知が端末装置通信情報か端末装置接続確立情報かによって判断されるものであり、端末装置接続確立情報を受信した場合は、当該端末装置2と他のホスト装置1との接続が確立されているものと判断される。判断の結果他のホスト装置1との接続が確立されている場合は、ホスト装置1は端末装置2と接続を確立せず処理を修了する。
一方、他のホスト装置1と端末装置2との接続が確立されていないと判断された場合は、すなわちホスト装置1が端末装置通信情報を受信した場合は、ステップ30において、自身が測定した通信環境と他のホスト装置1が送信した端末装置通信情報に含まれる通信環境とを比較する。通信環境とはホスト装置1と端末装置2との距離又は、通信速度であり、ホスト装置1は、他のホスト装置1よりも、距離が短い場合、又は端末装置2と通信速度が速い場合は、ステップ25の処理に移行し、ステップ25にて所定時間が経過したか否か判断され。所定時間が経過したと判断された場合はステップ26、27、28の処理を経て端末装置2との接続を確立し、所定時間が経過していないと判断された場合は再びステップ24に移行する。ステップ24の処理は上記述べたとおりなのでここでは省略する。一方、他のホスト装置1よりも距離が長い場合、又は通信速度が遅い場合は端末装置2との接続を確立せず、接続処理を修了する。
【0035】
次に、本実施形態においてホスト装置1の端末装置2の接続解除処理を図6のフローチャートを用いて説明する。ホスト装置1と接続確立状態になった端末装置2との間では、所定の間隔で接続が確立されていることを確認する応答が交わされており、ホスト装置1は、当該応答が途切れたか否か判断する(ステップ31)。応答が途切れればホスト装置1はステップ35の処理に移行し、端末装置2との接続確立状態を解除する。一方、応答が途切れていなければ、次にホスト装置1は測定手段8を用いて端末装置2との通信環境を測定し(ステップ32)、ホスト装置1と端末装置2との間の通信環境であるホスト装置1と端末装置2との間の距離が所定の値以上又は、ホスト装置1と端末装置2との通信速度が所定の値以下になったか判断される。通信環境である距離が所定の値以上又は、通信速度が所定の値以下であれば、ホスト装置1は端末装置2との接続確立状態を解除する。一方、通信環境である距離が所定の値以上又は、通信速度が所定の値以下でなければ、ホスト装置1は、端末装置2から解除要求が届いたか否か判断する(ステップ34)。判断の結果、解除要求が届いた場合は、ホスト装置1は端末装置2との接続確立状態を解除する。一方解除要求が届いていない場合は、ステップ31の処理に移行しステップ31の判断を行う。
【0036】
したがって、この実施形態におけるポーリング通信システムでは、ホスト装置と端末装置との通信環境を測定し、当該通信環境に応じて、ホスト装置と端末装置とを接続を確立し、端末装置の入力手段を用いてホスト装置に情報を入力することができるので、ホスト装置に適した端末装置を選択し、ホスト装置に情報を入力することができる。
【0037】
又、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の距離を測定しているため、ホスト装置に近い端末装置がホスト装置との接続を確立し、簡単に端末装置とホスト装置との接続を確立することができる。
【0038】
又、通信環境として、端末装置とホスト装置との通信速度を測定しているため、ホスト装置との通信速度が速い端末装置がホスト装置との接続を確立し、当該端末装置を用いてホスト装置に情報を入力することができる。
【0039】
又、端末装置とホスト装置が無線ネットワークで接続されるため、より簡易に端末装置とホスト装置との接続を確立することができる。
【0040】
又、ホスト装置は他のホスト装置が端末装置と接続確立状態になっている場合は、当該端末装置と接続を確立しないため、一度接続が確立された端末装置とホスト装置との間の接続状態を維持することができる。
【0041】
又、ホスト装置は独占設定されている端末装置に優先的に接続するため、通信環境にかかわらず端末装置と接続を確立することが可能となる。
【0042】
又、ホスト装置は端末装置の種類を特定し、種類により端末装置が自身と対応可能か否か判断し、対応可能な場合に通信環境を測定するため、対応不可能な端末装置との通信環境を測定することがなく、無駄な動作処理を行わないですむ。
【符号の説明】
【0043】
1 ホスト装置
2 端末装置
3 端末装置における制御手段
4 端末装置における入力手段
5 端末装置における記憶手段
6 端末装置における送信手段
7 ホスト装置における検知手段
8 ホスト装置における測定手段
9 ホスト装置における送信手段
10 ホスト装置における受信手段
11 ホスト装置における記憶手段
12 ホスト装置における制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入力する入力手段と、端末識別子を記憶する記憶手段と、入力手段により入力された入力情報又は端末識別子を、ネットワークを介して送信する送信手段と、を備えた端末装置と、
端末装置を検知する検知手段と、検知した端末装置との通信環境を測定する測定手段と、測定した端末装置との通信環境と、当該端末装置の端末識別子と、を対応付けた端末装置通信情報をネットワークに接続された自身以外の他のホスト装置に送信する送信手段と、他のホスト装置又は、端末装置から端末装置通信情報又は、入力情報又は端末識別子を受信する受信手段と、を備えた複数のホスト装置と、を備え、
ホスト装置は、検知手段により端末装置を検知した場合は、受信手段により、当該端末装置の端末識別子を受信し、測定手段を用いて当該端末装置との通信環境を測定し、当該端末装置と他のホスト装置との端末装置通信情報を受信すれば、自身の通信環境と当該端末装置接通信情報の通信環境とを比較し、自身の通信環境がより通信に適していれば当該端末装置とのネットワーク接続を確立し、入力情報を受信することを特徴とする接続端末選択システム。
【請求項2】
請求項1記載の接続端末選択システムにおいて、
測定手段は、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の距離を測定することを特徴とした接続端末選択システム。
【請求項3】
請求項1記載の接続端末選択システムにおいて、
測定手段は、通信環境として、端末装置とホスト装置との間の通信速度を測定することを特徴とした接続端末選択システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、
端末装置とホスト装置は、無線ネットワークで接続されることを特徴とした接続端末選択システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、
ホスト装置は、検知した端末装置とのネットワーク接続が確立された場合、当該端末装置と接続確立状況になったことを、送信手段を用いて、当該端末装置の端末識別子と共に、他のホスト装置へ送信し、
他のホスト装置は、受信手段を用いて、前記ホスト装置が前記端末装置と接続確立状況になったことを前記端末識別子と共に受信し、他のホスト装置は、前記ホスト装置が接続確立状況となっている前記端末装置とのネットワーク接続を確立しないことを特徴とした接続端末選択システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、
ホスト装置は、端末装置の端末識別子に基づいて、当該端末装置が自身に独占設定されているか否かを判断し、独占設定されている場合は当該端末装置に優先的にネットワーク接続を確立することを特徴とした接続端末選択システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接続端末選択システムにおいて、
ホスト装置は、端末装置の端末識別子と端末装置の端末種類とを対応付けた記憶手段を備え、
ホスト装置は、端末装置を検知した際に、記憶手段を参照して当該端末装置の端末識別子から端末種類を取得し、当該端末装置が自身と対応可能であるか否かを判断し、対応している場合は、測定手段を用いて通信環境を測定することを特徴とした接続端末選択システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−161601(P2010−161601A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2101(P2009−2101)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】