説明

接触感知回路及び接触点検出方法

【課題】安価で反応の良い、タッチスクリーンの接触感知回路及び接触点検出方法を提供する。
【解決手段】接触感知回路は、交流電流(AC)源V1と、電圧分割回路110、及び処理回路を含んでいる。電圧分割回路110は、AC源V1から出力されたAC信号を受け取り、接触感知ガラス上の第1の分岐と第2の分岐とを含み、第1の分岐と第2の分岐とは互いに隣接している。処理回路は、第1の分岐及び第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定するために電圧分割回路110に接続されている。好ましい形態は、第1の分岐は、第1のキャパシタC1と、第1のキャパシタC1に接続された第1の電圧分割レジスタRv1と、を含み、第2の分岐は、第2のキャパシタC2と、第2のキャパシタC2に接続された第2の電圧分割レジスタRv2と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーン(touch screen)に関し、特にタッチスクリーンの接触感知回路(touch sensing circuit)及び接触点検出方法(touch point detecting method)
に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンのための感知回路のタイプとして、アクティブタイプとパッシブタイプの2種類がある。アクティブ感知回路は、高周波数放射及び共鳴原理に基づいて接触点を検出する。一般的なアクティブ感知回路は、多重インダクタンスコイルが感知基板(sensing board)に設けられており、制御基板(controlling board)が当該インダクタンスコイルの一方を選択し、そして当該選択されたインダクタンスコイルに交流電流を供給する。インダクタンスコイルは、磁界を生成するために、交流電流によって動作する。従って、電子ペン(electronic pen)が磁界に近づけられると、電子ペンの共振回路が電気的エネルギを蓄える。その後、電気的エネルギは電子ペンに蓄えられ、制御基板は選択されたインダクタンスコイルへの交流電流の供給を停止する。その合間に、電子ペンの共振回路は自由振動によって電気的エネルギを信号に変換する。感知基板は、接触点を決定するために、当該信号を電気的信号に変換する。
【0003】
他方、パッシブ感知回路は、逐次回路(successive circuit)の要求を満たす電圧を作り出すために、感知基板に電荷を蓄積する。このケースにおいて、接触点は当該電圧に基づいて決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許出願公開第201011620号明細書
【特許文献2】台湾特許出願公開第201019197号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のアクティブ感知回路及びパッシブ感知回路は欠点を有している。アクティブ感知回路に関しては、正確に接触点を決定するために、感知基板は高い精度のインダクタンスコイルを用いる必要がある。また、信号が弱いので、逐次回路が複雑となり、製造コストが嵩む。パッシブ感知回路に関しては、逐次回路が電圧を処理するために長い時間待つ必要があり、それ故にパッシブ感知回路の反応時間を長期化させる。多くの場合、補助回路(supplemental circuit)がパッシブ感知回路の反応時間を短縮するために用いられるが、このような場合、製造コストが嵩む。
本発明の目的は、安価で反応の良い、タッチスクリーンの接触感知回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
接触感知回路は、交流電流(AC)源、電圧分割回路、及び処理回路を含んでいる。電圧分割回路は、AC源から出力されたAC信号を受け取り、接触感知ガラス上の第1の分岐及び第2の分岐を含み、第1の分岐及び第2の分岐は、互いに隣接する。処理回路は、第1の分岐及び第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定するために電圧分割回路に接続されている。
【0007】
好ましい形態において、第1の分岐は、第1のキャパシタ、及び第1のキャパシタに接続された第1の電圧分割レジスタを含み、第2の分岐は、第2のキャパシタ、及び第2のキャパシタに接続された第2の電圧分割レジスタを含む。
【0008】
好ましい形態において、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタの各々は、接触感知ガラスの2つのITOフィルムによってそれぞれ構成されており、各々のキャパシタの当該2つのITOフィルムは交差し、互いに絶縁されている。
【0009】
好ましい形態において、第1のキャパシタの容量は接触点から第1のキャパシタまでの距離に正比例し、第2のキャパシタの容量は接触点から第2のキャパシタまでの距離に正比例する。
【0010】
好ましい形態において、第1の等化レジスタ及び第2の等化レジスタは、AC源の2つの端子にそれぞれ接続されており、第1の等化レジスタの抵抗値は、第2の等化レジスタの抵抗値に等しい。
【0011】
好ましい形態において、電圧分割回路は、第1のキャパシタの2つの端子に接続された第3の等化レジスタ及び第4の等化レジスタを含み、第2のキャパシタの2つの端子に接続された第5の等化レジスタ及び第6の等化レジスタをさらに含む。他の形態において、第3の等化レジスタ、第4の等化レジスタ、第5の等化レジスタ、及び第6の等化レジスタの抵抗値は等しい。
【0012】
好ましい形態において、電圧分割回路は、一方の端子が第1のキャパシタの一方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第1の等化キャパシタ、一方の端子が第1のキャパシタの他方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第2の等化キャパシタ、一方の端子が第2のキャパシタの一方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第3の等化キャパシタ、一方の端子が第2のキャパシタの他方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第4の等化キャパシタをさらに含んでおり、第1の等化キャパシタ、第2の等化キャパシタ、第3の等化キャパシタ及び第4の等化キャパシタの容量は等しい。
【0013】
好ましい形態において、接触感知回路は、等しい抵抗値を有する第1の等化レジスタ及び第2の等化レジスタを含み、等しい抵抗値を有する第3の等化レジスタ、第4の等化レジスタ、第5の等化レジスタ及び第6の等化レジスタを含み、等しい容量を有する第1の等化キャパシタ及び第2の等化キャパシタを含み、等しい容量の第3の等化キャパシタ及び第4の等化キャパシタをさらに含む。他の形態において、第1の等化レジスタの一方の端子は、第3の等化レジスタの一方の端子に接続され、第1の等化レジスタの他方の端子は、AC源の一方の端子に接続され、AC源の他方の端子は、第2の等化レジスタの一方の端子に接続され、第2の等化レジスタの他方の端子は、グランドに接続されている。他の形態において、第3の等化レジスタの他方の端子は、第1のキャパシタの一方の端子に接続され、第1のキャパシタの他方の端子は、第4の等化レジスタの一方の端子に接続されている。第4の等化レジスタの他方の端子は、第1の電圧分割レジスタの一方の端子に接続され、第1の電圧分割レジスタの他方の端子はグランドに接続されている。さらに第1の等化キャパシタの一方の端子は、第3の等化レジスタと第1のキャパシタとの共通の端子に接続され、第1の等化キャパシタの他方の端子は、グランドに接続されている。第2の等化キャパシタの一方の端子は、第4の等化キャパシタと第1のキャパシタとの共通の端子に接続され、第2の等化キャパシタの他方の端子は、グランドに接続されている。第5の等化レジスタの一方の端子は、第1の等化レジスタと第3の等化レジスタとの共通の端子に接続され、第5の等化レジスタの他方の端子は、第2のキャパシタの一方の端子に接続され、第2のキャパシタの他方の端子は、第6の等化レジスタの一方の端子に接続されている。第6の等化レジスタの他方の端子は、第2の電圧分割レジスタの一方の端子に接続され、第2の電圧分割レジスタの他方の端子はグランドに接続されている。さらに第3の等化キャパシタの一方の端子は、第5の等化レジスタと第2のキャパシタとの共通の端子に接続され、第3の等化キャパシタの他方の端子は、グランドに接続されている。第4の等化キャパシタの一方の端子は、第6の等化レジスタと第2のキャパシタとの共通の端子に接続され、第4の等化キャパシタの他方の端子は、グランドに接続されている。
【0014】
好ましい形態において、処理回路は、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧を取得するために、電圧分割回路に接続された差動回路、差動回路に接続されたレベル調整回路、及びレベル調整回路に接続された増幅回路を含む。
【0015】
好ましい形態において、処理回路は、接触感知ガラスへの非接触を決定する。処理回路は、さらに第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧に等しい場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離と等しいと決定する。処理回路は、さらに第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より低い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離より短いと決定する。他の形態において、処理回路は、さらに第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より高い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離より長いと決定する。
【0016】
好ましい形態において、処理回路は、第1の電圧分割レジスタと第2の電圧分割レジスタとの電圧の差に基づいて、接触点の第1のキャパシタ又は第2のキャパシタへのオフセット量を決定する。
【0017】
さらにもう一つは、接触点検出方法を提供するためのものである。
【0018】
接触点検出方法は、i)接触検出ガラス上で互いに隣接する第1の分岐及び第2の分岐を含む電圧分割回路にAC信号を供給し、ii)第1の分岐及び第2の分岐の電圧を取得すし、iii)第1の分岐及び第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定する。
【0019】
好ましい形態において、第1の分岐は、第1のキャパシタ、及び第1のキャパシタに接続された第1の電圧分割レジスタを含み、第2の分岐は、第2のキャパシタ、及び第2のキャパシタに接続された第2の電圧分割レジスタを含む。本形態において、ステップii)は、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧を取得するステップiv)をさらに含み、ステップiii)は、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧に基づいて接触点の位置を決定するステップv)をさらに含む。
【0020】
好ましい形態において、ステップv)は、差動信号を取得するために、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧に基づいて、差動動作を実行するステップvi)と、調整信号を取得するために差動信号を調整するステップvii)と、調整信号を増幅するステップviii)と、をさらに含んでいる。
【0021】
好ましい形態において、ステップv)は、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧に等しい場合、接触感知ガラスに非接触、又は接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離と等しいと決定するステップix)と、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より低い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離より短いと決定するステップx)と、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より高い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離より長いと決定するステップxi)と、をさらに含む。
【0022】
好ましい形態において、ステップv)は、第1の電圧分割レジスタの電圧と第2の電圧分割レジスタの電圧との差に基づいて、接触点の第1のキャパシタ又は第2のキャパシタへのオフセット量を決定するステップxii)をさらに含む。
【0023】
前述のタッチスクリーンの接触感知回路の接触点検出方法を用いることで、ユーザの指がタッチスクリーンの接触感知回路に接触すると、接触が電荷を誘引し、そしてキャパシタの容量が変化する。キャパシタの容量の変化は、接触点からキャパシタまでの距離に正比例するので、タッチスクリーンの接触感知回路によって検出された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタの容量の変化に基づいて、接触点を決定することができる。当該回路の要素は、シンプルで容量の変化を出力端子に迅速に反映させることができる。さらに製造コストを安くすることができ、また反応速度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、安価で反応の良い、タッチスクリーンの接触感知回路及び接触点検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る接触感知回路に対応する回路ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る異なる接触感知回路に対応する回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る接触点検出方法のフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る接触点検出方法の終端処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、以下の形態及び図面に基づいて述べられる。
【0027】
図1に示すように、タッチスクリーンの接触感知回路は、交流電流(AC)源V1及び電圧分割回路(voltage division circuit)110を含む。電圧分割回路110の2つの端子は、AC源V1に接続されている。AC源V1は、電圧分割回路110にAC信号を供給する。AC信号は、サイン波状のAC波、鋸歯状のAC波、パルス波状のAC波などである。
【0028】
本形態において、電圧分割回路110はAC源V1から出力されたAC信号を処理できる。電圧分割回路110の第1の分岐(first branch)は、第1のキャパシタC1及び第1の電圧分割レジスタ(voltage division resistor)Rv1を含む。電圧分割回路110の第2の分岐(second branch)は、第2のキャパシタC2及び第2の電圧分割レジスタRv2を含む。
【0029】
第1のキャパシタC1は、接触感知ガラスの2つのIndium Tin Oxides(ITO)フィルムによって規定することができ、当該2つのITOフィルムは、互いに交差し、互いに電気的に絶縁されている。指が接触感知ガラスに接触すると、第1のキャパシタC1の電荷の一部が指を通じて移動する。接触点と第1のキャパシタC1との距離が短いと、多くの電荷が移動して第1のキャパシタC1の電荷が減少する。さらに、第1のキャパシタC1の容量は、接触点と第1のキャパシタC1との距離に正比例する。
【0030】
第1の電圧分割レジスタRv1は、1つのレジスタ又は直列若しくは並列に接続された複数のレジスタを含むことができる。
【0031】
第2のキャパシタC2は、第1のキャパシタC1を規定する2つのITOフィルムに隣接する2つのITOフィルムによって規定することができ、第2のキャパシタC2の2つのITOフィルムは、相互に交差し、互いに電気的に絶縁されている。第2のキャパシタC2の容量は、接触点と第2のキャパシタC2との距離に正比例する。
【0032】
第2の電圧分割レジスタRv2は、1つのレジスタ又は直列若しくは並列に接続された複数のレジスタを含むことができる。第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しい。
【0033】
本形態において、第1のキャパシタC1は電圧分割回路110の第1の分岐を形成するために、第1の電圧分割レジスタRv1と直列に接続している。第2のキャパシタC2は、電圧分割回路110の第2の分岐を形成するために第2の電圧分割レジスタRv2と直列に接続している。第1の分岐は、第2のキャパシタC2の1つの端子に接続された第1のキャパシタC1によって、第2の分岐と並列に配置されている。第1のキャパシタC1と第1の電圧分割レジスタRv1との共通の端子は第1の電圧分割点(voltage division point)O1を形成し、第2のキャパシタC2と第2の電圧分割レジスタRv2との共通の端子は第2の電圧分割点O2を形成している。AC源V1の一方の端子は第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との共通の端子に接続され、AC源V1の他方の端子はグランドに接続されている。第1の電圧分割レジスタRv1と第2の電圧分割レジスタRv2との共通の端子は、グランドに接続されている。但し、タッチスクリーンの解像度を向上させるために、複数の分岐を電圧分割回路110に設けることができる。
【0034】
信号を良好に観測するために、タッチスクリーンの接触感知回路は終端処理回路120をさらに含めることができる。終端処理回路120は、電圧分割回路110に接続された差動回路121、差動回路121に接続されたレベル調整回路122、及びレベル調整回路122に接続された増幅回路123を含む。
【0035】
本形態では、差動回路121の第1の入力端子は、第1の電圧分割点O1に接続することができ、第2の入力端子は、第2の電圧分割点O2に接続することができる。そして、差動回路121の出力端子は、レベル調整回路122の入力端子に接続することができる。レベル調整回路122の出力端子は、増幅回路123の入力端子に接続することができる。増幅回路123の出力端子は、増幅された信号を出力するために用いることができる。
【0036】
動作において、AC源V1は電圧分割回路110にAC信号を供給する。AC信号は、第1の電圧分割点O1で第1の分割された電圧を作り出し、そして第2の電圧分割点O2で第2の分割された電圧を作り出す。
【0037】
接触感知ガラスに非接触、又は接触点と第1のキャパシタC1との距離が接触点と第2のキャパシタC2との距離と等しい場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量と等しく、第1のキャパシタC1のインピーダンスは、第2のキャパシタC2のインピーダンスと等しい。第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しく、第1の分割された電圧は、電圧分割回路110の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧と等しい。
【0038】
接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離よりも短い場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量よりも少なく、第1のキャパシタC1のインピーダンスは、第2のキャパシタC2のインピーダンスより大きい。加えて、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しく、第1の分割された電圧は、電圧分割回路110の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧より小さい。
【0039】
接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離より長い場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量よりも大きく、第1のキャパシタC1のインピーダンスは、第2のキャパシタC2のインピーダンスより小さい。加えて、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2と等しく、第1の分割された電圧は、電圧分割回路110の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧より大きい。
【0040】
本形態では、差動信号を取得するための差動動作を実行するために、第1の分割された電圧を差動回路(differential circuit)121の第1の入力端子に出力することができると共に、第2の分割された電圧を差動回路121の第2の入力端子に出力することができる。調整信号を取得するためのレベル調整を行うために、差動信号をレベル調整回路(level adjusting circuit)122に出力することができる。増幅信号を取得するための増幅動作を実行するために、調整信号を増幅回路(amplifying circuit)123に出力することができる。接触点の位置は、例えば手動による監視やコンピュータによる処理などによる、増幅信号の処理によって決定される。特に、終端処理回路120は、第1の電圧分割レジスタRv1の電圧が第2の電圧分割レジスタRv2の電圧に等しい場合、接触感知ガラスに非接触、又は接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離と等しいと決定する。終端処理回路120は、第1の電圧分割レジスタRv1の電圧が第2の電圧分割レジスタRv2の電圧より低い場合、接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離より短いと決定する。終端処理回路120は、第1の電圧分割レジスタRv1の電圧が第2の電圧分割レジスタRv2の電圧より高い場合、接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離より長いと決定する。
【0041】
しかも、第1のキャパシタC1又は第2のキャパシタC2から接触点へのオフセット量は、第1の分割された電圧と第2の分割された電圧との差によって決定される。
【0042】
実施の形態の1つにおいて、図1に示されたシステムは、図2に詳細に示されている。タッチスクリーンの接触感知回路は、AC源V1及び電圧分割回路210を含んでいる。AC源の2つの端子は、それぞれ第1の等化レジスタ(equalizing resistor)R1及び第2の等化レジスタR2に接続され、結果として電圧分割回路210に接続されている。
【0043】
AC源V1は、電圧分割回路210にAC信号を供給する。AC信号は、サイン波状のAC波、鋸歯状のAC波、パルス波状のAC波などである。AC源V1は、AC源V1の2つの端子にそれぞれ接続された第1の等化レジスタR1及び第2の等化レジスタR2を含み、第1の等化レジスタR1の抵抗値は、第2の等化レジスタR2の抵抗値と等しい。
【0044】
AC源V1の2つの端子の2本の配線の経路の違いによって長さが異なるため、それ故に配線の抵抗値も異なり、AC源V1から出力される信号の差が生じる。AC源V1の2つの端子における等化抵抗値の増加は、AC信号の高い等価性を与えるAC源V1への、配線の抵抗値による影響を低減することができる。例えば、配線の一方の端子の抵抗が0.1Ω、他の端子の抵抗が0.15Ωであれば、許容割合は(1−0.1/0.15)で、約33.3%である。さらに、配線の2つの端子に接続した2つの110Ωのレジスタは、(1−(110+0.1)/(110+0.15))、約0.05%に許容割合を調整できる。
【0045】
電圧分割回路210は、AC源V1から出力されたAC信号を処理する。電圧分割回路210の第1の分岐は、第1のキャパシタC1、第1の電圧分割レジスタRv1、第3の等化レジスタR3、第4の等化レジスタR4、第1の等化キャパシタ(equalizing capacitor)Cv1、及び第2の等化キャパシタCv2を含む。電圧分割回路210の第2の分岐は、第2のキャパシタC2、第2の電圧分割レジスタRv2、第5の等化レジスタR5、第6の等化レジスタR6、第3の等化キャパシタCv3、及び第4の等化キャパシタCv4を含む。
【0046】
第1のキャパシタC1は、接触感知ガラス(図示を省略)の2つのITOフィルムによって規定することができ、当該2つのITOフィルムは互いに交差し、互いに電気的に絶縁されている。指が第1のキャパシタC1に触れると、第1のキャパシタC1の電荷の一部は指を通じて移動する。接触点と第1のキャパシタC1との間の距離が短くなれば、そこでの電荷の移動が増し、それ故に第1のキャパシタC1の電荷が減少する。さらに、第1のキャパシタC1の容量は、接触点と第1のキャパシタC1との距離に正比例する。
【0047】
第1の電圧分割レジスタRv1は、1つのレジスタ又は直列若しくは並列に接続された複数のレジスタである。
【0048】
第3の等化レジスタR3及び第4の等化レジスタR4は、等しい抵抗値を有し、それぞれ第1のキャパシタC1を共通するように第1のキャパシタC1の2つの端子に接続されている。
【0049】
第1の等化キャパシタCv1及び第2の等化キャパシタCv2は、第1のキャパシタC1の2つの端子の間で寄生キャパシタ(parasitic capacitor)を共通することができる。
【0050】
第2のキャパシタC2は、第1のキャパシタC1を規定する2つのITOフィルムと隣接する他の2つのITOフィルムによって規定することができ、第2のキャパシタC2の2つのITOフィルムは、互いに交差し、互いに電気的に絶縁されている。第2のキャパシタC2の容量は、接触点と第2のキャパシタC2との距離に正比例する。
【0051】
第2の電圧分割レジスタRv2は、1つのレジスタ又は直列若しくは並列に接続された複数のレジスタである。
【0052】
第5の等化レジスタR5及び第6の等化レジスタR6は、等しい抵抗値を有し、それぞれ第2のキャパシタC2を共通するように第2のキャパシタC2の2つの端子に接続されている。
【0053】
第3の等化キャパシタCv3及び第4の等化キャパシタCv4は、第2のキャパシタC2の2つの端子の間で寄生キャパシタを共通することができる。
【0054】
第4の等化レジスタR4は、第1の電圧分割点O1を形成するために第1の電圧分割レジスタRv1に接続されている。第6の等化レジスタR6は、第2の電圧分割点O2を形成するために第2の電圧分割レジスタRv2に接続されている。
【0055】
本形態において、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しい。
【0056】
他の形態において、第3の等化レジスタR3、第4の等化レジスタR4、第5の等化レジスタR5、及び第6の等化レジスタR6は、等しい抵抗値を有する。第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の2つの端子の2つの配線の経路の違いによって長さが異なるため、配線の抵抗値も異なる。電圧分割回路210の電圧分割動作原理に基づき、抵抗値の差は、第1の電圧分割点O1及び第2の電圧分割点O2で生成する出力電圧の差を生じさせ、回路の等化性に影響を及ぼす。そのため、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の2つの端子の間で等しい抵抗値を有する等化レジスタの増加は、電圧分割回路210への配線の抵抗値による影響を低減することができる。
【0057】
他の形態において、第1の等化キャパシタCv1、第2の等化キャパシタCv2、第3の等化キャパシタCv3、及び第4の等化キャパシタCv4は、等しい容量を有する。第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の2つの端子の2つの配線の経路の違いによって長さが異なるため、配線の寄生容量も異なる。電圧分割回路210の電圧分割動作原理に基づき、寄生容量の差は第1の電圧分割点O1及び第2の電圧分割点O2で生成する出力電圧の差を生じさせ、回路の等化性に影響を及ぼす。そのため、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の2つの端子の間で等しい容量を有する等化キャパシタの増加は、電圧分割回路210への配線の容量による影響を低減することができる。
【0058】
本形態において、第1の等化レジスタR1の一方の端子は、第3の等化レジスタR3の一方の端子に接続され、第1の等化レジスタR1の他方の端子は、AC源V1の一方の端子に接続されている。AC源V1の他方の端子は、第2の等化レジスタR2の一方の端子に接続されている。第2の等化レジスタR2の他方の端子はグランドに接続されている。第3の等化レジスタR3の他方の端子は、第1のキャパシタC1の一方の端子に接続され、第1のキャパシタC1の他方の端子は、第4の等化レジスタR4の一方の端子に接続されている。第4の等化レジスタR4の他方の端子は、第1の電圧分割レジスタRv1の一方の端子に接続されている。第1の電圧分割レジスタRv1の他方の端子は、グランドに接続されている。第1の等化キャパシタCv1の一方の端子は、第3の等化レジスタR3と第1のキャパシタC1との共通の端子に接続され、第1の電圧分割レジスタRv1の他方の端子は、グランドに接続されている。第2の等化キャパシタCv2の一方の端子は、第4の等化レジスタR4と第1のキャパシタC1との共通の端子に接続され、第2の等化キャパシタCv2の他方の端子は、グランドに接続されている。第5の等化レジスタR5の一方の端子は、第1の等化レジスタR1と第3の等化レジスタR3との共通の端子に接続され、第5の等化レジスタR5の他方の端子は、第2のキャパシタC2の一方の端子に接続されている。第2のキャパシタC2の他方の端子は、第6の等化レジスタR6の一方の端子に接続され、第6の等化レジスタR6の他方の端子は、第2の電圧分割レジスタRv2の一方の端子に接続されている。第2の電圧分割レジスタRv2の他方の端子は、グランドに接続されている。第3の等化キャパシタCv3の一方の端子は、第5の等化レジスタR5と第2のキャパシタC2との共通の端子に接続され、第3の等化キャパシタCv3の他方の端子は、グランドに接続されている。第4の等化キャパシタCv4の一方の端子は、第6の等化レジスタR6と第2のキャパシタC2との共通の端子に接続され、第4の等化キャパシタCv4の他方の端子は、グランドに接続されている。電圧分割回路210は、タッチスクリーンの解像度を向上させるために複数の分岐を設けることができる。
【0059】
信号を良好に観測するために、タッチスクリーンの接触感知回路も後端処理回路220を含む。後端処理回路220は、電圧分割回路210に接続された差動回路221、差動回路221に接続されたレベル調整回路222、及びレベル調整回路222に接続されて増幅回路223を含む。
【0060】
差動回路221の第1の入力端子は、第1の電圧分割点O1に接続され、第2の入力端子は、第2の電圧分割点O2に接続されている。差動回路221の出力端子は、レベル調整回路222の入力端子に接続されている。レベル調整回路222の出力端子は、増幅回路223の入力端子に接続されている。さらに、増幅回路223の出力端子は、増幅された信号を出力する。
【0061】
動作において、AC源V1は、電圧分割回路210にAC信号を供給する。AC信号は第1の電圧分割点O1で第1の分割された電圧を作り出し、第2の電圧分割点O2で第2の分割された電圧を作り出す。
【0062】
接触感知ガラスに非接触、又は接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離と等しい場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量と等しく、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しい。本形態において、第3の等化レジスタR3、第4の等化レジスタR4、第5の等化レジスタR5、及び第6の等化レジスタR6の抵抗値は等しい。他の形態において、第1の等化キャパシタCv1及び第2の等化キャパシタCv2の容量は等しい。さらに、他の形態において、第3の等化キャパシタCv3及び第4の等化キャパシタCv4の容量は等しい。第1の分割された電圧は、電圧分割回路210の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧と等しい。
【0063】
接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離より短い場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量よりも小さく、第1のキャパシタC1のインピーダンスは、第2のキャパシタC2のインピーダンスより大きい。また、このような場合、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2と等しく、第3の等化レジスタR3、第4の等化レジスタR4、第5の等化レジスタR5、及び第6の等化レジスタR6の抵抗値は等しい。第1の等化キャパシタCv1及び第2の等化キャパシタCv2の容量は等しい。第3の等化キャパシタCv3及び第4の等化キャパシタCv4の容量は等しい。第1の分割された電圧は、電圧分割回路210の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧より小さい。
【0064】
接触点から第1のキャパシタC1までの距離が接触点から第2のキャパシタC2までの距離より長い場合、第1のキャパシタC1の容量は、第2のキャパシタC2の容量より大きく、第1のキャパシタC1のインピーダンスは、第2のキャパシタC2のインピーダンスより小さい。このような場合、第1の電圧分割レジスタRv1の抵抗値は、第2の電圧分割レジスタRv2の抵抗値と等しい。さらに、第3の等化レジスタR3、第4の等化レジスタR4、第5の等化レジスタR5、及び第6の等化レジスタR6の抵抗値は等しい。第1の等化キャパシタCv1及び第2の等化キャパシタCv2の容量は等しい。第3の等化キャパシタCv3及び第4の等化キャパシタCv4の容量は等しい。第1の分割された電圧は、電圧分割回路210の電圧分割動作原理に基づき、第2の分割された電圧より大きい。
【0065】
差動信号を取得するための差動動作を行うために、第1の分割された電圧を差動回路221の第1の入力端子に出力することができると共に、第2の分割された電圧を差動回路221の第2の入力端子に出力することができる。調整信号を取得するための参照調整(reference adjustment)を作り出すために、差動信号をレベル調整回路222に出力することができる。増幅信号を取得するための増幅動作を行うために、調整信号を増幅回路223に出力することができる。接触点の位置は、例えば手動による監視やコンピュータによる処理などによる、増幅信号の処理によって決定される。
【0066】
図3に示すように、接触点を感知する方法は、以下のステップを含む。
【0067】
S310のステップでは、接触感知ガラス上で互いに隣接する第1の分岐及び第2の分岐を含む電圧分割回路にAC信号を供給する。第1の分岐は、第1のキャパシタ、及び第1のキャパシタに接続された第1の電圧分割レジスタを含み、第2の分岐は、第2のキャパシタ、及び第2のキャパシタに接続された第2の電圧分割レジスタを含む。
【0068】
S320のステップでは、第1の分岐及び第2の分岐の電圧を取得する。一方で、S320のステップでは、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧の取得も含む。
【0069】
S330のステップでは、第1の分岐及び第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定する。一方で、S330のステップでは、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧に基づく接触点の位置の決定も含む。
【0070】
S330のステップでは、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧と等しい場合、接触感知ガラスに非接触、又は接触点と第1のキャパシタとの距離が接触点と第2のキャパシタとの距離と等しいと決定することも含む。
【0071】
S330のステップでは、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より低い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタまでの距離より短いと決定することも含む。
【0072】
S330のステップでは、第1の電圧分割レジスタの電圧が第2の電圧分割レジスタの電圧より高い場合、接触点から第1のキャパシタまでの距離が接触点から第2のキャパシタの距離より長いと決定することも含む。
【0073】
本形態において、図3に示す方法は、図4に示す後端処理工程も含んでいる。
【0074】
S410のステップでは、差動信号を取得するために、第1の電圧分割レジスタ及び第2の電圧分割レジスタの電圧に基づいて、差動動作を実行する。
【0075】
S420のステップでは、調整信号を取得するために差動信号を調整する。
【0076】
S430のステップでは、調整信号を増幅する。
【0077】
さらに、S430のステップでは、第1の電圧分割レジスタの電圧と第2の電圧分割レジスタの電圧との差に基づいて、接触点の第1のキャパシタ又は第2のキャパシタまでのオフセット量を決定する。
【0078】
前述のタッチスクリーンの接触感知回路の検出方法を用いることで、ユーザの指がタッチスクリーンの接触感知ガラスに接触すると、電荷を誘引し、そしてキャパシタの容量を変化させる。そのため、キャパシタの容量はキャパシタから接触点までの距離に正比例し、接触点は、タッチスクリーンの接触感知回路によって検出された第1のキャパシタ及び第2のキャパシタの容量変化に基づいて決定することができる。当該回路の要素は簡単で、そして容量変化は出力端子に迅速に反映される。従って、生産コストを削減でき、そして反応速度を向上させることができる。
【0079】
本発明に関しては、本発明を実現するための形態及びベストモードを参照して述べられた。本発明のスコープから離れることなく導き出せる改変及び変更の多くは当業者にとって明らかであり、請求項の記載に包含されることを意図している。
【符号の説明】
【0080】
110 電圧分割回路
120 終端処理回路
121 差動回路
122 レベル調整回路
123 増幅回路
210 電圧分割回路
220 後端処理回路
221 差動回路
222 レベル調整回路
223 増幅回路
C1 第1のキャパシタ
C2 第1のキャパシタ
Cv1 第1の等化キャパシタ
Cv2 第2の等化キャパシタ
Cv3 第3の等化キャパシタ
Cv4 第4の等化キャパシタ
O1 第1の電圧分割点
O2 第2の電圧分割点
R1 第1の等化レジスタ
R2 第2の等化レジスタ
R3 第3の等化レジスタ
R4 第4の等化レジスタ
R5 第5の等化レジスタ
R6 第6の等化レジスタ
Rv1 第1の電圧分割レジスタ
Rv2 第2の電圧分割レジスタ
V1 交流電流源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC源と、
接触感知ガラス上で互いに隣接する第1の分岐と第2の分岐とを含み、前記AC源から出力されるAC信号を受け取るために構成された電圧分割回路と、
前記電圧分割回路に接続され、前記第1の分岐及び前記第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定する処理回路と、
を含む接触感知回路。
【請求項2】
前記第1の分岐は、第1のキャパシタと、前記第1のキャパシタに接続された第1の電圧分割レジスタと、を含み、
前記第2の分岐は、第2のキャパシタと、前記第2のキャパシタに接続された第2の電圧分割レジスタと、を含む請求項1に記載の接触感知回路。
【請求項3】
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの各々は、前記接触感知ガラスの2つのITOフィルムによって構成されており、
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの各々の2つのITOフィルムは、互いに交差し、互いに電気的に絶縁されている請求項2に記載の接触感知回路。
【請求項4】
前記第1のキャパシタの容量は、接触点から前記第1のキャパシタまでの距離に正比例し、
前記第2のキャパシタの容量は、接触点から前記第2のキャパシタまでの距離に正比例する請求項2又は3に記載の接触感知回路。
【請求項5】
前記AC源の2つの端子にそれぞれ接続された第1の等化レジスタ及び第2の等化レジスタをさらに含み、
前記第1の等化レジスタの抵抗値は、前記第2の等化レジスタの抵抗値と等しい請求項2乃至4のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項6】
前記電圧分割回路は、
前記第1のキャパシタの2つの端子に接続された第3の等化レジスタ並びに第4の等化レジスタ、及び前記第2のキャパシタの2つの端子に接続された第5の等化レジスタ並びに第6の等化レジスタをさらに含み、
前記第3の等化レジスタ、前記第4の等化レジスタ、前記第5の等化レジスタ、及び前記第6の等化レジスタの抵抗値は等しい請求項2乃至5のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項7】
前記電圧分割回路は、
一方の端子が前記第1のキャパシタの一方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第1の等化キャパシタと、
一方の端子が前記第1のキャパシタの他方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第2の等化キャパシタと、
一方の端子が前記第2のキャパシタの一方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第3の等化キャパシタと、
一方の端子が前記第2のキャパシタの他方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続された第4の等化キャパシタと、
をさらに含み、
前記第1の等化キャパシタ、前記第2の等化キャパシタ、前記第3の等化キャパシタ及び前記第4の等化キャパシタの容量は等しい請求項2乃至6のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項8】
第1の等化レジスタ及び第2の等化レジスタは等しい抵抗値を有し、
第3の等化レジスタ、第4の等化レジスタ、第5の等化レジスタ及び第6の等化レジスタは等しい抵抗値を有し、
第1の等化キャパシタ及び第2の等化キャパシタは等しい容量を有し、
第3の等化キャパシタ及び第4の等化キャパシタは等しい容量を有し、
前記第1の等化レジスタの一方の端子は第3の等化レジスタの一方の端子に接続され、前記第1の等化レジスタの他方の端子は前記AC源の一方の端子に接続され、前記AC源の他方の端子は前記第2の等化レジスタの一方の端子に接続され、前記第2の等化レジスタの他方の端子はグランドに接続され、前記第3の等化レジスタの一方の端子は前記第1のキャパシタの一方の端子に接続され、前記第1のキャパシタの他方の端子は前記第4の等化レジスタの一方の端子に接続され、前記第4の等化レジスタの他方の端子は前記第1の電圧分割レジスタの一方の端子に接続され、前記第1の電圧分割レジスタの他方の端子はグランドに接続され、前記第1の等化キャパシタの一方の端子は前記第3の等化レジスタと前記第1のキャパシタとの共通の端子に接続され、前記第1の等化キャパシタの他方の端子はグランドに接続され、前記第2の等化キャパシタの一方の端子は前記第4の等化レジスタと前記第1のキャパシタとの共通の端子に接続され、前記第2の等化キャパシタの他方の端子はグランドに接続され、前記第5の等化レジスタの一方の端子は前記第1の等化レジスタと前記第3の等化レジスタとの共通の端子に接続され、前記第5の等化レジスタの他方の端子は前記第2のキャパシタの一方の端子に接続され、前記第2のキャパシタの他方の端子は前記第6の等化レジスタの一方の端子に接続され、前記第6の等化レジスタの他方の端子は前記第2の電圧分割レジスタの一方の端子に接続され、前記第2の電圧分割レジスタの他方の端子はグランドに接続され、前記第3の等化キャパシタの一方の端子は前記第5の等化レジスタと前記第2のキャパシタとの共通の端子に接続され、前記第3の等化キャパシタの他方の端子はグランドに接続され、前記第4の等化キャパシタの一方の端子は前記第6の等化レジスタと前記第2のキャパシタとの共通の端子に接続され、前記第4の等化キャパシタの他方の端子はグランドに接続されている請求項2に記載の接触感知回路。
【請求項9】
前記処理回路は、前記第1の電圧分割レジスタ及び前記第2の電圧分割レジスタの電圧を取得するために前記電圧分割回路に接続された差動回路と、前記差動回路に接続されたレベル調整回路と、前記レベル調整回路に接続された増幅回路と、を含む請求項2乃至8のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項10】
前記処理回路は、前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧に等しい場合、前記接触感知ガラスに非接触、又は接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離と等しいと決定し、
また前記処理回路は、前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧より低い場合、接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離より短いと決定し、
さらに前記処理回路は、前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧より高い場合、接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離より長いと決定する請求項2乃至9のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項11】
前記処理回路は、前記第1の電圧分割レジスタの電圧と前記第2の電圧分割レジスタの電圧との差に基づいて、接触点の前記第1のキャパシタ又は前記第2のキャパシタへのオフセット量を決定する請求項2乃至10のいずれか1項に記載の接触感知回路。
【請求項12】
a)接触感知ガラス上に第1の分岐及び第2の分岐を有する電圧分割回路にAC信号を供給し、
b)前記第1の分岐及び前記第2の分岐の電圧を取得し、
c)前記第1の分岐及び前記第2の分岐の電圧に基づいて接触点の位置を決定する、接触点検出方法。
【請求項13】
前記第1の分岐は、第1のキャパシタと、前記第1のキャパシタに接続された第1の電圧分割レジスタと、を含み、
前記第2の分岐は、第2のキャパシタと、前記第2のキャパシタに接続された第2の電圧分割レジスタと、を含み、
ステップb)は、前記第1の電圧分割レジスタ及び前記第2の電圧分割レジスタの電圧を取得するステップd)をさらに含み、
ステップc)は、前記第1の電圧分割レジスタ及び前記第2の電圧分割レジスタの電圧に基づいて接触点の位置を決定するステップe)をさらに含む請求項12に記載の接触点検出方法。
【請求項14】
ステップe)は、
差動信号を取得するために、前記第1の電圧分割レジスタ及び前記第2の電圧分割レジスタの電圧に基づいて、差動動作を実行するステップf)と、
調整信号を取得するために、前記差動信号を調整するステップg)と、
前記調整信号を増幅するステップh)と、
をさらに含む請求項13に記載の接触点検出方法。
【請求項15】
ステップe)は、
前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧と等しい場合、接触感知ガラスに非接触、又は接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離と等しいと決定するステップi)と、
前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧より低い場合、接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離より短いと決定するステップj)と、
前記第1の電圧分割レジスタの電圧が前記第2の電圧分割レジスタの電圧より高い場合、接触点から前記第1のキャパシタまでの距離が接触点から前記第2のキャパシタまでの距離より長いと決定するステップk)と、
をさらに含む請求項13又は14に記載の接触点検出方法。
【請求項16】
ステップe)は、
前記第1の電圧分割レジスタの電圧と前記第2の電圧分割レジスタの電圧との差に基づいて、前記接触点の前記第1のキャパシタ又は前記第2のキャパシタへのオフセット量を決定するステップl)をさらに含む請求項13乃至15のいずれか1項に記載の接触点検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20611(P2013−20611A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112443(P2012−112443)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(504272327)宸鴻光電科技股▲分▼有限公司 (30)
【氏名又は名称原語表記】TPK TOUCH SOLUTIONS INC.
【住所又は居所原語表記】6F,NO.13−18,Sec.6, Min Quan E.Rd.,Neihu Dist.,Taipei,Taiwan.
【Fターム(参考)】