説明

接触選択デバイス

本発明は、スクリーン(2)に表示するグラフィカルユーザインターフェース(INT)の複数の要素の一覧における要素の選択デバイス20に関し、上記一覧におけるナビゲーション手段と、上記選択された要素の確認手段(11)とを備え、上記ナビゲーション手段は、中央ニュートラル領域(A)の両側に配置された接触ナビゲーション領域(B,C)を有する接触帯(10)を備え、上記接触ナビゲーション領域上に接触点を保持することによって、いずれかの方向のそれぞれに、上記一覧における連続的なスクロールを可能にし、上記スクロールの速度は、上記接触点の位置の上記中央ニュートラル領域からの距離に応じて増加することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般にユーザインターフェースの技術領域に関し、特に階層化されたメニュータイプ(ある要素がサブメニューへのアクセスを提供するメニューを意味する)のグラフィカルユーザインターフェースに関する。
【0002】
より正確には、本発明はスクリーン表示用のグラフィカルユーザインターフェースにおける要素一覧中の要素の選択デバイスに関し、一覧におけるナビゲーション手段と選択された要素の確認手段とを含んでいる。
【0003】
このタイプのデバイスは従来のデザインから知られており、特に要素一覧におけるナビゲーション、要素の確認、および、選択において戻る移動に用いられる。このようなデバイスのうち、最も広く知られている1つが図1に示されており、携帯電話1を図示している。
【0004】
図2に示されているような階層化されたメニュー(INT)へのグラフィカルインターフェースは、電話のスクリーン2上に表示することが可能であり、ユーザが電話を用いて通信できるようにする。
【0005】
電話に組み込まれている選択デバイスは、従来、確認キー5とリターンキー6とともに、ナビゲーション用の「上」矢印キー3と「下」矢印キー4とによって構成される。それゆえ、キー3の押下はスクリーン上に表示されるメニュー中の要素の選択を上に移動するために用いられる。反対に、キー4の押下はスクリーン上に表示されるメニュー中の要素の選択を下に移動するために用いられる。確認キー5の押下は、選択された要素を確認し、ひいては、状況に応じて、対応するサブメニューの提示、あるいは、選択された要素の機能にアクセスする。リターンキー6は、前のメニューに戻るために用いられる。
【0006】
図2のグラフィカルインターフェースを例にとると、第1の表示メニューMは要素として「ディレクトリ」、「メッセージ」、「ログ」、および、「パラメータ」を含んでいる。ユーザは、キー4を用いて選択を「メッセージ」要素上に移動させ、それから、確認の後、要素として「作成する」、「調べる」、「送る」、および、「パラメータ」を有する対応するサブメニューSMにアクセスする。同様に、ユーザは、上下の矢印キーを用いてサブメニューの要素間をナビゲートし、それらの中の1つを選択し、リターンキーを用いて前のメニューに戻ることができる。
【0007】
このような矢印の使用に基づいた選択デバイスは、メニューの要素間の一要素ごとのナビゲーションを伴う。このようにしてナビゲートすることは、特に、長い要素一覧のメニューにおいてユーザにとって急速に面倒になる可能性がある。
【0008】
また、サムホイールの利用に基づいたナビゲーション手段を備えた選択デバイスが登場して、より速いナビゲートを可能にし、これにより、簡素な矢印キーを用いるときよりもデバイスをより有効なものにした。
【0009】
しかしながら、そのようなナビゲーション手段はメニューを通じての連続的なナビゲーションを可能としない。ユーザによるサムホイール上の往復動作が必要となる。それゆえ、サムホイールの利用もまた、多数の要素を有するメニューにおいて相対的に困難であることがわかる。
【0010】
それゆえ、最新技術の選択デバイスのナビゲーション手段は、階層化されたメニューのグラフィカルユーザインターフェースにおいて、非常に急速に多数の要素の中を移動させることを可能としない。
【0011】
この状況において、本発明の目的は上述した欠点を克服することである。
【0012】
この目的を達成するため、本発明のデバイスは、実際には上記の序文において与えられた一般の定義に従うが、本質的には、ナビゲーション手段が、中央ニュートラル領域の両側に配置された接触ナビゲーション領域を備えた接触帯またはタッチ帯を含んでおり、上記接触ナビゲーション領域上に接触点を保持することによって、一覧において、いずれかの方向のそれぞれに、連続的なスクロールを可能にし、上記スクロールの速度は、上記接触点の位置の上記中央ニュートラル領域からの距離とともに増加することを特徴としている。
【0013】
有利には、上記接触ナビゲーション領域もまた中央ニュートラル領域の近接領域を含み、いずれかの上記近接領域への短時間の接触によって、一覧において、いずれかの方向のそれぞれに、ステップごとのスクロールを可能にする。
【0014】
さらに有利には、上記接触ナビゲーション領域は周辺領域を含み、上記周辺領域への短時間の接触によって、いずれかの方向にそれぞれに、一覧のスクリーンごとのスクロールを可能にする。
【0015】
上記デバイスは、好ましくは、近接領域の位置を示すための触知手段もまた含んでいる。
【0016】
上記デバイスは、好ましくは、上記中央ニュートラル領域の位置を示すための触知手段もまた含んでいる。
【0017】
1つの実施の方法によれば、選択された要素の確認手段は、中央ニュートラル領域において接触確認領域を含んでいる。
【0018】
有利には、上記デバイスは、一度確認が有効になった後、上記一覧に戻るための手段を含んでいる。
【0019】
1つの実施の方法によれば、上記帯は、円弧状に配置されている。
【0020】
他の実施の方法によれば、上記帯は、垂直に配置されている。
【0021】
本発明は、上述した上記タイプの選択デバイスを含んでいることを特徴とする端末機にもまた関する。
【0022】
本発明は、さらに、まさに上記タイプの選択デバイスを含んでいることを特徴とするリモートコントロール装置に関する。
【0023】
本発明の有利な他の特徴、および、利点は、説明のための限定されない例としてのみの目的で示される以下の記載を、添付の図面を参照して読むことによって、より明確になるであろう。
【0024】
図1は、既に開示されている最新技術に係るメニュー中に選択デバイスを備えている携帯電話を示す図である。
【0025】
図2は、既に開示されている階層化されたメニューを用いるグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態に係る階層化されたメニューインターフェースの要素の選択デバイスを示す図である。
【0027】
図4は、本発明に係る選択デバイスの他の実施形態を示す図である。
【0028】
図3は、上に述べたように、図2に記載されているような特に階層化されたタイプのメニューを備えているグラフィカルユーザインターフェースにおいて要素一覧中から要素を選択する選択デバイス20について説明している。ユーザインターフェースは端末のスクリーン上に表示されることを意図されており、選択デバイスはユーザインターフェースを用いて操作するように設計されており、それゆえ、ユーザに、表示されたメニューの要素の間をナビゲートするための手段を提供する。
【0029】
ナビゲーション手段は、中央領域Aの両側に配置された接触ナビゲーション領域BおよびCを含む帯10を備えている。接触ナビゲーション領域BおよびCは、好ましくはユーザの指によってなされた接触点上の動作を解釈する手段を含んでおり、接触領域BおよびC上のユーザの指の動作に従ってスクリーン上に表示された一覧において選択をスクロールすることを可能にする。
【0030】
帯10の中央領域Aは、スクリーンに表示された選択のスクロールに関してニュートラルである。これにより、この領域上の動作はどんな選択のスクロールも制御しない。
【0031】
それゆえ、接触帯10は様々な形をとり得ることに注目すべきである。図3の例によれば、帯は垂直に配置される。それゆえ、ユーザが垂直帯10の下方の接触領域Cに作用したとき、選択は一覧の下方に移動する。反対に、垂直帯10の上方の接触領域Bに作用したとき、選択は一覧の上方に移動する。
【0032】
図4に示される他の実施の方法によれば、接触帯10は円弧状(好ましくは水平)に位置されていてもよい。例えば、ユーザが円弧の右側の接触領域Cに作用したとき、選択は一覧の下方に移動する。反対に、ユーザが円弧の左側の接触領域Bに作用したとき、選択は一覧の上方に移動する。
【0033】
接触帯10は、選択デバイスにおいて、それを収容するために設計されたキャビティ30に組み込まれる。
【0034】
図4に示される帯10中の中央ニュートラル領域Aの位置を示すための触知手段14もまた備えられており、ユーザが感覚によって容易に知覚できる。これらの指示触知手段は、例えば、中心領域Aの位置において、接触帯10を収容しているキャビティ壁30の表面上に形成された隆起した領域の形であってもよい。しかしながら、ユーザが感触によって帯10上の中央ニュートラル領域の位置を認識できるようにするあらゆる適した手段が想定され得る。
【0035】
スクリーン上に表示された要素一覧における選択のスクロールは、以下では、これまで以上に詳細に説明される。
【0036】
本発明の1つの特徴によれば、選択は、接触帯10の接触ナビゲーション領域BおよびC上の接触点(この場合はユーザの指)上の動作に応じて動きが異なる。操作は接触領域Cを参照して説明される。領域Bの操作は完全に対称であり、一覧において発生するスクロールの方向のみが異なる。
【0037】
このように、指が接触領域C上に保持されるとき、解釈手段は、ユーザが指を中央ニュートラル領域の方へ移動するか、または、接触領域との接触を中断するまで、表示された要素一覧中の選択点の連続的なスクロールをもたらすように設計されている。
【0038】
ユーザの指の動作は、中心領域Aから、あるいは、接触領域上のある点と接触することによって開始してもよい。
【0039】
一覧における選択の連続的なスクロールの速度は、帯上に保持されている指の位置が帯の中心領域Aから離れるにつれて増加するように設計されている。それゆえ、帯上に保持される指の位置が帯の中心領域からその周辺領域に離れるにつれて速度は増加する。ユーザは、このようにして、低速度から高速度まで、一覧におけるスクロールの制御において、かなりの柔軟性を有し、長い要素の一覧からなるメニューの場合に特に有利である。
【0040】
接触領域Cは、2つの領域(中央ニュートラル領域の近接領域Dと周辺領域E)に分割できる。ユーザを助ける触知手段13は、帯上の近接領域Dの位置の概略を示すために設けられている。指示手段13は、例えば、領域Dの境界において帯10と接触してキャビティ30のへりに配置された2つの半球によって形成されてもよい。
【0041】
ユーザの指が近接領域Dに短時間だけ接触する場合は、接触領域の解釈のための手段は、一覧において一要素ずつ選択点のスクロールを制御するように構成されている。
【0042】
他方、ユーザの指が周辺領域Eに短時間だけ接触する場合は、接触領域の解釈のための手段は、スクリーンごとの選択点の移動を制御するように構成されている。
【0043】
このようにして、ユーザの指の動作の種類(すなわち、接触が持続されるか、または、短時間かどうか)と接触領域上のその位置とに応じて、一要素ごと、スクリーンごと、または、連続的に、可変速度で、用いられる接触領域に従って、一覧において、どちらかの方向に、選択点のスクロールが実現され得る。
【0044】
選択された要素の確認手段11、および、選択の確認が有効になった後一覧に戻るために用いられる戻りの移動のための手段12は、選択デバイス上に設けられる。これらの手段は、接触帯10に近接して利用可能な制御ボタンの形をとることができる。しかしながら、変形例によれば、確認手段11は中央ニュートラル領域における確認接触領域からなり、ユーザが接触帯10のニュートラル領域の短時間の押下を行ったとき、一覧中における選択された要素の確認を可能にする。
【0045】
本発明に係るデバイスは、特に、移動がユーザの動作の正確さを低下させるような携帯の用途に適している。例えば、階層化されたメニューを含んでいるグラフィカルユーザインターフェースを有する他携帯電話や他の種類の携帯通信端末に有利に組み込むことが可能である。
【0046】
また、典型的にはテレビを見ているときに、ユーザの注意が制限された状況、あるいは、ユーザの身体の姿勢が非常にリラックスした状況に適している。それゆえ、本発明に係る選択デバイスは、テレビのリモコンユニットや他の同様の種類の器具に有利に組み込むことが可能である。
【0047】
選択デバイスは、コンピュータのような端末と有線または無線(例えばブルートゥース接続を利用して)によって接続することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】既に開示されている最新技術に係るメニュー中に選択デバイスを備えている携帯電話を示す図である。
【図2】既に開示されている階層化されたメニューを用いるグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る階層化されたメニューインターフェースの要素の選択デバイスを示す図である。
【図4】本発明に係る選択デバイスの他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン(2)に表示するグラフィカルユーザインターフェース(INT)の複数の要素の一覧における要素の選択デバイス20であって、
上記一覧におけるナビゲーション手段と、
上記選択された要素の確認手段(11)とを備え、
上記ナビゲーション手段は、中央ニュートラル領域(A)の両側に配置された接触ナビゲーション領域(B,C)を有する接触帯(10)を備え、上記接触ナビゲーション領域に接触点を保持することによって、いずれかの方向のそれぞれに、上記一覧における連続的なスクロールを可能にし、上記スクロールの速度は、上記接触点の位置の上記中央ニュートラル領域からの距離に応じて増加することを特徴とするデバイス。
【請求項2】
上記接触ナビゲーション領域は、それぞれ、中央ニュートラル領域(A)の近接領域(D)を含んでおり、いずれかの上記近接領域への短時間の接触によって、いずれかの方向のそれぞれに、一覧における一要素ずつのスクロールが可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
上記接触ナビゲーション領域は、それぞれ、周辺領域(E)を含んでおり、いずれかの上記周辺領域への短時間の接触によって、一覧において、いずれかの方向にそれぞれ、スクリーンごとのスクロールが可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
オーバーラップ領域の位置を示す触知手段(13)を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
上記中央ニュートラル領域の位置を示す触知手段(14)を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
上記選択された要素の確認手段が、上記中央ニュートラル領域における接触確認領域を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
一旦確認された後、上記一覧に戻る手段(12)を含んでいる請求項1〜6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
上記帯(10)は、円弧状に配されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
上記帯(10)は、垂直に配されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の選択デバイスを含んでいることを特徴とする端末。
【請求項11】
携帯電話であることを特徴とする請求項10に記載の端末。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載の選択デバイスを含んでいることを特徴とするリモートコントロールデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−511887(P2008−511887A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528912(P2007−528912)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001805
【国際公開番号】WO2006/027434
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】