推薦番組情報提供装置、推薦番組情報提供方法及びプログラム
【課題】視聴者個人のニッチな嗜好についてもより効果的な番組推薦を可能にする推薦番組情報提供装置を提供すること。
【解決手段】視聴傾向解析部62は、過去のEPGデータと特定の視聴者の視聴履歴情報から、該特定の視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性の値を含む特徴情報を抽出し、ニッチ嗜好判定部63は、EPGデータを参照して、該特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する。類似出演者抽出部52は、ニッチな嗜好を示す特徴情報に含まれる出演者属性の値(ニッチ出演者)をもとに、出演者ネットワークから、該ニッチ出演者に類似する類似出演者を抽出する。第1推薦番組選択部71は、ニッチな嗜好を示す特徴情報に含まれるニッチ出演者と類似出演者をもとに、推薦対象の番組の情報を含むEPGデータを参照して、該特定の視聴者に推薦すべき番組を選択する。
【解決手段】視聴傾向解析部62は、過去のEPGデータと特定の視聴者の視聴履歴情報から、該特定の視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性の値を含む特徴情報を抽出し、ニッチ嗜好判定部63は、EPGデータを参照して、該特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する。類似出演者抽出部52は、ニッチな嗜好を示す特徴情報に含まれる出演者属性の値(ニッチ出演者)をもとに、出演者ネットワークから、該ニッチ出演者に類似する類似出演者を抽出する。第1推薦番組選択部71は、ニッチな嗜好を示す特徴情報に含まれるニッチ出演者と類似出演者をもとに、推薦対象の番組の情報を含むEPGデータを参照して、該特定の視聴者に推薦すべき番組を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送予定の番組のうちから選択した推薦番組に関する推薦番組情報を提供する推薦番組情報提供装置、推薦番組情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送予定の番組からユーザの嗜好を考慮して番組を選出し推薦する技術が注目されている。
【0003】
従来の番組推薦技術は、協調フィルタリングとコンテンツベースフィルタリングに大きく分けられる。協調フィルタリングは、多数の視聴者について視聴履歴を蓄積しており、それら視聴者のうちから、推薦対象とする視聴者の視聴履歴に類似する視聴履歴を持つ視聴者を選出し、その視聴者の視聴番組を、推薦すべき番組とする方法である。コンテンツベースフィルタリングは、推薦対象とする視聴者の視聴履歴と視聴した番組に関する属性情報とから、視聴者の嗜好を説明する特徴(属性)に関する情報を求めて、これをユーザプロファイルとして蓄積し、このユーザプロファイルに基づいて、推薦すべき番組を選択する方法である。
【0004】
しかし、これら従来の番組推薦技術では、ある視聴者の嗜好する番組のうちに、放送されることの少ないニッチな番組がある場合に、そのようなニッチな番組に係る嗜好については、これに適う番組を推薦することが困難である。ここで、ニッチな番組とは、例えば、ある視聴者が、テレビ番組に出演する頻度の少ないような出演者の出演する番組を好んで視聴する傾向にある場合における、その番組である(そのテレビ番組に出演する頻度の少ないような出演者をニッチな出演者と呼んだり(出演者以外のジャンルなどの他の属性についても同様である)、ニッチな番組を視聴する嗜好を持つ視聴者をニッチな視聴者と呼んだりすることもある)。
【0005】
すなわち、協調フィルタリングでは、ニッチな番組を視聴する傾向にある視聴者のデータ数が少ないので、ニッチな視聴者に類似する視聴履歴を持つ他の視聴者を選出するのが困難であるため、ニッチな視聴者に対する番組推薦が困難である。
【0006】
コンテンツフィルタリングにおいては、番組推薦のもととなる放送予定の番組に関する情報に、推薦対象となる視聴者が嗜好するニッチな属性(例えば、出演者やジャンルやキーワードなど)が含まれていることが少ないので、ニッチな視聴者に対する番組推薦が困難である。例えば、ある視聴者のユーザプロファイルの一つに、「○○○○」という名前のニッチな出演者が登録されている場合に、放送予定の番組に関する情報に、その「○○○○」という名前を出演者属性として持つ番組が含まれていることは少ないので、有効な番組推薦ができない。
【特許文献1】特開2000−115098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、従来の放送番組を推薦するシステムは、視聴者個人のニッチについて番組推薦をすることは困難であった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦を可能にする推薦番組情報提供装置、推薦番組情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る推薦番組情報提供装置は、番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する手段とを備え、前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする。
【0010】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、テレビ放送されるコンテンツ(テレビ番組)を対象として、視聴者の嗜好にかなうコンテンツを選択して推薦する場合を例にとりながら説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、広く放送用のコンテンツ全般(例えば、衛星放送の番組、有線放送の番組、インターネット放送の番組等)を対象にすることが可能である。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る推薦番組情報提供装置の構成例を示す。
【0015】
図1に示されるように、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置10は、視聴履歴情報管理部30、EPGデータ管理部40、出演者情報処理部50、特徴抽出処理部60、推薦番組情報処理部70を備えている。
【0016】
推薦番組情報提供装置は、概略的には、放送端末20が取得した電子番組情報(Electronic Program Guide)(以下、EPGデータ)や(特定の)視聴者の視聴履歴情報をもとにして推薦番組情報を作成し、これを放送端末20が利用し(例えば、推薦番組情報を表示し、あるいは、推薦番組情報に基づく自動録画など他の処理を行い)又は放送端末20が他の機器(例えば、推薦番組情報を表示し、あるいは、推薦番組情報に基づく自動録画など他の処理を行う機器)へ提供するものである。
【0017】
なお、推薦番組情報提供装置は、放送端末20に内蔵されたものであってもよいし、放送端末20とは独立した装置であってもよい。後者の場合には、推薦番組情報提供装置は、放送端末20との通信を行うユーザインタフェースを備えることになる。
【0018】
また、放送端末20は、EPGデータを例えば外部放送機器より受信するなどして取得するとともに、視聴者の視聴履歴情報を例えば視聴者のテレビ操作を監視して取得し或いは例えば他の機器から取得する。
【0019】
また、図1において、推薦番組情報提供装置は、EPGデータ及び又は視聴履歴情報を放送端末20以外の装置から受信する構成や、放送端末20以外の装置へ推薦番組情報を提供する構成も可能である。
【0020】
なお、本実施形態では、放送用コンテンツとしてテレビ番組を例にとっているので、以下の説明で用いるEPGデータ、視聴者の視聴履歴情報、推薦番組情報は、テレビ番組に係るものになるが、それらは、本実施形態において例示する内容に限らず、様々なフォーマットや定義をもつ情報であって構わない。また、キーボード入力、リモートコントロール入力、ネットワークによるオンライン入力、情報伝達の媒体である磁気テープから読み取る等の種々の形態で入力することが可能である。
【0021】
EPGデータ管理部40は、放送端末20からEPGデータを受取って管理し、定期的に更新する。EPGデータ管理部40に入力されたEPGデータは、EPGデータ・データベース(EPGデータDB)41に記録される。
【0022】
視聴履歴情報管理部30は、放送端末20から視聴者の視聴履歴情報を受取って管理し、定期的に更新する。視聴履歴情報管理部30に入力した視聴履歴情報は、視聴履歴情報データベース(視聴履歴情報DB)31に記録される。
【0023】
出演者情報処理部50は、所定のタイミングで過去の一定期間のEPGデータをもとに出演者ネットワークを作成するとともに、後述のように特徴抽出処理部60によりニッチな嗜好を示すと判定される特徴情報(出演者属性を含むもの)が得られた場合に、該特徴情報に含まれる出演者属性と出演者ネットワークとをもとに類似出演者を抽出するものであり、図1に示されるように、出演者ネット管理部51、類似出演者抽出部52、出演者ネットワークデータベース(出演者ネットワークDB)53を含んでいる。
【0024】
特徴抽出処理部60は、過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報の抽出を行うとともに、抽出した特徴情報(出演者属性を含むもの)がニッチな嗜好を示すか否かの判定を行うものであり、図1に示されるように、対象データ取得部61、視聴傾向解析部62、ニッチ嗜好判定部63を含んでいる。
【0025】
推薦番組情報処理部70は、推薦候補となる番組に関するEPGデータと、特徴抽出処理部60で得られた特徴情報と、出演者情報処理部50で抽出された類似出演者情報とに基づいて、視聴者の嗜好にかなう番組を、推薦すべき番組として選択し、選択した推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成するものであり、図1に示されるように、ニッチな嗜好を示す特徴情報(出演者属性を含むもの)及び類似出演者情報をもとに推薦番組を選択する第1推薦番組選択部71、ニッチな嗜好を示さない特徴情報について、所定の方法で推薦番組を選択する第2推薦番組選択部72、第1推薦番組選択部71による推薦番組の選択結果と第2推薦番組選択部72による推薦番組の選択結果とをもとに、推薦番組情報を作成する推薦番組情報作成部73を含んでいる。
【0026】
図2に、EPGデータ(テレビ番組情報)の一例を示す。図2に例示するEPGデータは、1つの番組ごとに、番組ID、放送日付、放送局、開始時間、終了時間、ジャンル、タイトル、出演者の各番組属性の属性値を含んでいる。図2に示す具体例では、例えば、番組ID=“15259”の番組について、放送日付属性=“2005年7月22日”、放送局属性=“放送局a”、開始時間属性=“12:00”、終了時間属性=“13:00”、ジャンル属性=“洋楽”、タイトル属性=“洋楽番組S”、出演者属性=“司会者D,司会者F,音楽家A”であることが示されている。なお、番組のジャンルとしては、例えば、「ニュース」、「洋楽」、「料理」、「情報」、「スポーツ」、「ドラマ」、「音楽」、「バラエティー」、「映画」、「アニメーション」、「ドキュメンタリー」、「趣味」など、どのような属性値が使用されても構わない。
【0027】
なお、図2のフォーマットは一例であり、チャンネルコードや、番組内容に含まれるキーワードや、番組の内容に関するコメント文や、番組に関連するホームページのURLなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図2の情報の一部(例えば、開始時間属性及び終了時間属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0028】
図3に、図2に例示したEPGデータに対する、ある視聴者の視聴履歴情報の一例を示す。図3に例示する視聴履歴情報は、1つの番組ごとに、番組ID、視聴の有無及び録画の有無、並びに放送日付、放送局、開始時間、終了時間、ジャンル、タイトル、出演者の各属性を含んでいる(なお、録画を扱わない場合には、録画の有無の属性は不要である)。視聴や録画の有無は、属性値が「T」(TRUE)の場合には、当該番組に対する視聴や録画が行われたことを示し、「F」(FALSE)の場合は、当該番組に対する視聴や録画が行われなかったことを示している。例えば、図3に示す具体例のうちでは、番組ID=“15259”の番組(放送日付属性=“2005年7月22日”、放送局属性=“放送局a”、開始時間属性=“12:00”、終了時間属性=“13:00”、ジャンル属性=“洋楽”、タイトル属性=“洋楽番組S”、出演者属性=“司会者D,司会者F,音楽家A”)について、当該視聴者が視聴したことが示されている(具体例のうちでは、録画はされていない)。
【0029】
なお、図3のフォーマットは一例であり、チャンネルコードなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図3の情報の一部(例えば、ジャンル属性や、出演者属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0030】
以下、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置の動作について説明する。
【0031】
まず、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置の出演者情報処理部50における出演者ネットワークの作成処理について説明する。
【0032】
この出演者ネットワークの作成処理は、適当なタイミングで実行して構わない。例えば、推薦番組情報の作成手順(図11)を実行する際に行うようにしてもよいし、また、例えば、推薦番組情報の作成手順(図11)の実行にかかわりなく、一定周期毎、又はEPGデータ管理部40が新たなEPGデータを入手する毎(若しくは入手した新たなEPGデータがEPGデータDB41に一定量蓄積される毎)などに行うようにしてもよい。
【0033】
出演者情報処理部50の出演者ネット管理部51は、EPGデータ管理部40から、過去の一定期間のEPGデータを読み込み、このEPGデータをもとに、出演者ネットワークを作成する。
【0034】
ここで、出演者ネットワークの一例及びその作成方法の一例を示す。
【0035】
出演者ネットワークは、一例として、各出演者をノード、出演者間の相関関係をリンクで表したネットワーク構造で定義されるものとする。
【0036】
出演者ネット管理部51は、まず、円状にn個のノードを置き、各々のノードが左右k個ずつまで(合計2k個まで)の他のノードと繋がるような状態になるように、仮のリンクを張ることによって、出演者ネットワークの初期状態を作成する。このとき、kは偶数とする。図4に、n=6、k=4の場合の初期状態の一例を示す。
【0037】
なお、nやkは、適宜設定して構わない。また、対象とするEPGデータに含まれる出演者の総数がnを超える場合には、適当な基準で(例えば、出演番組の数の多いものから順に)出演者をnだけ選択すればよい。また、対象とするEPGデータに含まれる出演者の総数がnを超えていない場合であっても、例えば、該EPGデータにおいて、出演番組の数が予め定められた基準値に満たない出演者は、対象としないようにしてもよい。
【0038】
次に、出演者ネットワークの各リンクに対して、リンクで接続する出演者間の相関関係度合いに基づいて、繋ぎ変えを実施する。繋ぎ変えとは、対象とするリンクについて、そのリンクの一方の端に接続するノードを固定し、他方の端に接続するノードを選択し直す処理である。
【0039】
ここでは、出演者間の相関関係度合いの一例として、共演頻度を用いるものとする。共演頻度は、例えば、対象とするEPGデータに含まれる全番組のうち、特定の二人の出演者A,Bを出演者属性として同時に持つ番組(すなわち、該特定の二人の出演者A,Bが共演する番組)の数F1、あるいは、例えば、このF1をEPGデータに含まれる全番組の総数Nで除して得た値F2(=F1/N)、あるいは、例えば、各共演者の組に係るF1を全ての共演者の組に係るF1のうちの最大値若しくは平均値で除して得た値F3、あるいは、例えば、EPGデータに含まれる全番組のうち、出演者Aを出演者属性として持つ番組の数s1で、出演者A,Bを出演者属性として持つ番組の数s2を除して得た値(すなわち、出演者Aが出演した番組に、出演者Bも出演する確率)F4など、種々のものが考えられる。
【0040】
例えば、図4の例において、「音楽家A」と「音楽家C」との共演頻度が低く、「音楽家A」と「音楽家B」との共演頻度が高いとした場合に、「音楽家A」と共演頻度が高い「音楽家B」にリンクが作成されていなければ、共演頻度が低い「音楽家A」と「音楽家C」との間のリンクを削除し、「音楽家A」と「音楽家B」との間にリンクを新たに作成する(すなわち、当該リンクについて、そのリンクの一方の端に接続する「音楽家A」ノードを固定し、他方の端に接続するノードを、「音楽家C」から「音楽家B」に選択し直す)。この様子を、図5に示す。このとき、「音楽家A」と他の出演者との間に共演頻度の高い出演者がいない場合や、すでに共演頻度の高い出演者にリンクが張られている場合には、「音楽家A」と「音楽家C」との間のリンクを削除する。
【0041】
このような処理をすべてのリンクに対して順に実施することによって、出演者ネットワークを作成する。図6に、作成された出演者ネットワークの一例を示す。作成された出演者ネットワークは、出演者ネットワークDB53に保存される。
【0042】
なお、図4〜図6は、出演者ネットワークを模式的に表したものであり、実際には、コンピュータで扱うことのできる形式で記述される。
【0043】
なお、上記では、出演者間の相関関係度合いの一例として、共演頻度を用いるものとしたが、他の評価値を用いてもよい。
【0044】
また、上記では、EPGデータをもとに、出演者間の相関関係度合いを求めるものとしてが、例えばテレビ番組出演者データベースなどのような他の情報から、出演者間の相関関係度合いを求めるようにしてもよい。また、外部から、出演者間の相関関係度合いを示す情報を取得するようにしてもよい。
【0045】
なお、上記では、ワッツらが提唱したスモールワールドネットワーク(例えば、文献“D. J. Watts: “NetWorks, dynamics and the small world phenomenon”, American Journal of Sociology, Vol.105, No.2, pp.493−527, (1999)”)にほぼ従った出演者ネットワークを作成する方法を例示したが、例えばバラバシらが提唱したスケールフリー・ネットワーク(例えば、文献“A. L. Barabasi and R. Albert: “Emergence in scaling random networks”, Science, Vol.286, pp.509−512, (1999)”)などの他手法で出演者ネットワークを定義することも可能である。
【0046】
また、ここでは、出演者ネット管理部51が出演者ネットワークを作成するものとしたが、例えば、放送コンテンツ作成側等が作成した出演者ネットワークを、出演者ネット管理部51がネットワーク又は記録媒体を経由して取得し、出演者ネットワークDB53に保存するような形態も可能である。
【0047】
次に、特徴抽出処理部60における処理について説明する。
【0048】
特徴抽出処理部60は、過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を特徴付ける特徴情報の抽出を行うとともに、抽出した特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かの判定を行う。
【0049】
図7に、特徴抽出処理部60における特徴情報の抽出とそのニッチな嗜好を示すか否かの判定の処理手順例を示す。
【0050】
特徴抽出処理部60の対象データ取得部61は、EPGデータ管理部40から、過去の一定期間のEPGデータを読み込む(ステップS11)。また、対象データ取得部61は、視聴履歴情報管理部30から、過去の一定期間の視聴履歴情報を読み込む(ステップS12)。過去の一定期間は、例えば、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、1年間など、適宜設定して構わない。なお、ステップS11,S12は、任意に実行順を入れ替えて構わない。また、並列的に実行しても構わない。
【0051】
次に、視聴傾向解析部62は、取得された視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を解析し、視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出する(ステップS13)。なお、視聴履歴情報に、必要な属性が含まれていない場合には、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得する(例えば、視聴履歴情報にジャンル属性及び又は出演者属性が含まれておらず、EPGデータにジャンル属性及び又は出演者属性が含まれている場合には、番組IDをキーとして、EPGデータから、ジャンル属性及び又は出演者属性を取得すればよい)。
【0052】
ここでは、特徴情報には、少なくとも出演者属性が含まれるものとする。
【0053】
特徴情報の抽出処理としては、例えば、視聴履歴情報に含まれる全番組(ただし、視聴者が視聴又は録画したもの(録画を扱わない場合には、視聴者が視聴したもの))の総数をMとし、特定の出演者属性の値と特定のジャンル属性の値との組(あるいは、特定の出演者属性の値)を持つ番組の総数をmとして、m/Mが予め定められたしきい値以上となるような出演者属性とジャンル属性との組{特定の出演者属性の値,特定のジャンル属性の値}(あるいは、出演者属性{特定の出演者属性の値})を、当該視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性とするようにしてもよい。
【0054】
なお、ベイジアンネットワークで表現される嗜好モデルを使う方法など、他の方法によって、当該視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出してもよい。
【0055】
ここでは、具体例として、ジャンル属性を「洋楽」、出演者属性を「音楽家A」とする特徴情報と、ジャンル属性を「バラエティー」、出演者属性を「司会者D」とする特徴情報とが抽出されたものとする。
【0056】
次に、ニッチ嗜好判定部63は、取得されたEPGデータを参照して、抽出された特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する(ステップS14)。
【0057】
例えば、EPGデータに含まれる全番組の総数をNとし、EPGデータに含まれる各番組の番組属性と、抽出された特徴情報に含まれる番組属性とを比較して、EPGデータ中に、該特徴情報に含まれる番組属性(の組)と同じ番組属性(の組)を持つ番組が出現する頻度nを求め、n/Nが予め定められたしきい値t以下となる場合に、該特徴情報は、ニッチな嗜好を示すものであると判定し、そうでなければ、ニッチな嗜好を示さないものと判定する。
【0058】
例えば、上記具体例の場合、EPGデータを参照して、ジャンル属性が「洋楽」かつ出演者属性が「音楽家A」である番組の数mを調べた結果、n/N=0.01(すなわち、EPGデータにおいて、100件の番組中に1つ存在する割合)であった場合、しきい値t=0.1ならば、n/N≦t2を満たすので、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「洋楽」,出演者属性=「音楽家A」}は、ニッチな嗜好を示すものと判定される(すなわち、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「洋楽」,出演者属性=「音楽家A」}を持つ番組は、ニッチな番組であるものと判定される)。また、ジャンル属性が「バラエティー」かつ出演者属性が「司会者D」である番組の数mを調べた結果、n/N=0.20(すなわち、EPGデータにおいて、100件の番組中に1つ存在する割合)であった場合、しきい値t=0.1ならば、n/N≦t2を満たさないので、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「バラエティー」,出演者属性=「司会者D」}は、ニッチな嗜好を示さないものと判定される(すなわち、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「バラエティー」,出演者属性=「司会者D」}を持つ番組は、ニッチでない番組であるものと判定される)。
【0059】
最後に、抽出された特徴情報は、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71と第2推薦番組選択部72)に出力されるとともに、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報(または、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報に含まれる出演者属性)は、出演者情報処理部50(の類似出演者抽出部52)に出力される(ステップS15)。
【0060】
なお、上記では、番組のジャンル属性と出演者属性との組、あるいは、出演者属性を対象としたが、これらに加えて、番組内容に含まれるキーワードなど、他の属性をも対象としてもよい。
【0061】
また、上記では、特徴情報には、少なくとも出演者属性が含まれるものとしたが、これに限定されるものではない。特徴情報には、必ずしも出演者属性が含まれなくてもよいとする場合には、例えば、出演者属性を含む特徴情報のみを、ニッチ嗜好判定部63による、ニッチな嗜好を示すか否かの判定の対象とし、出演者属性を含まない特徴情報は、ニッチな嗜好を示さないものとして扱えばよい。
【0062】
次に、出演者情報処理部50における類似出演者抽出処理について説明する。
【0063】
この類似出演者抽出処理は、特徴抽出処理部60においてニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報が抽出され、該特徴情報(または、該特徴情報に含まれる出演者属性)が出演者情報処理部50の類似出演者抽出部52へ与えられた場合に実行され、該類似出演者抽出部52は、該特徴情報に出演者属性の値として含まれる出演者(以下、ニッチ出演者と呼ぶ)に類似する出演者(以下、類似出演者と呼ぶ)を、出演者ネットワークから抽出する処理を行う。
【0064】
図8に、類似出演者抽出部52における類似出演者の抽出の処理手順例を示す。
【0065】
図9に、ここでの説明で用いる出演者ネットワークの例を示す。また、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報に、出演者属性の値として「音楽家A」が含まれているものとする。
【0066】
類似出演者抽出部52は、ニッチ出演者を取得すると、出演者ネット管理部51を介して出演者ネットワークDB53から出演者ネットワークを読み込み(ステップS21)、該出演者ネットワークにおいて、当該ニッチ出演者に対して、所定の距離以下の距離のリンクで接続されている(1又は複数の)他の出演者を、類似出演者の候補として抽出する(ステップS22)。ここで、距離とは、例えば、当該出演者間が何本のリンクを経て接続されているかを示すリンクの接続数である。所定の距離は、例えば、1である。
【0067】
例えば、図9の出演者ネットワークにおいて、所定の距離を1とした場合に、「音楽家A」に対して、距離=1のリンクで接続されている(すなわち、1本のみのリンクで直接接続されている)出演者として、「音楽家B」、「音楽家G」、「司会者D」が抽出される。
【0068】
次に、類似出演者抽出部52は、上記のようにして抽出した他の出演者(以下、類似出演者候補と呼ぶ)のうち、当該類似出演者候補からみた更に他の出演者との関連の弱い出演者のみを、類似出演者として選択する(ステップS23)。ここで、関連の強弱は、当該類似出演者候補からみた更に他の出演者への接続リンク数で定義するものとする。例えば、抽出した類似出演者候補の各々について、当該類似出演者候補から更に他の出演者(当該ニッチ出演者も含む)へ直接接続されている直接接続リンク数を調べ、直接接続リンク数が予め定められたしきい値(例えば、2本)以下の場合に、当該類似出演者候補を、類似出演者として選択する。なお、直接接続リンク数のしきい値として、例えば、全出演者の直接接続リンク数の平均値(または、これに基づいて決定した値)を用いてもよい。
【0069】
例えば、図9の出演者ネットワークにおいて、直接接続リンク数のしきい値を2本とした場合に、「音楽家A」に対して抽出された類似出演者候補である「音楽家B」、「音楽家G」、「司会者D」のうち、「音楽家B」及び「音楽家G」が、直接接続リンク数が2本以下であるので、類似出演者として選択される。「司会者D」は、直接接続リンク数がしきい値の2本を越えるので、選択されない。
【0070】
なお、前述の所定の距離が2以上の場合に、この「司会者D」のような類似出演者候補として抽出されながら、最終的に選択されなかった出演者のみを介してリンクされる類似出演者候補については、その直接接続リンク数にかかわらずに、類似出演者として選択しないようにする方法も可能である。
【0071】
類似出演者抽出部52により抽出された類似出演者の情報は、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力される(ステップS24)。
【0072】
上記では、出演者ネットワークの内容及び抽出や選択の基準となる距離やしきい値に応じて、得られる類似出演者の数が相違し得るが、類似出演者の数の下限値を決めておき、この下限値以上の数(あるいは、なるべく下限値に近い数)の類似出演者が得られるように、抽出や選択の基準となる距離やしきい値を適宜調整(基準を緩和)しながら処理を繰り返し行うようにすることも可能である。
【0073】
なお、出演者ネットワークに当該ニッチ出演者が含まれていない場合には、類似出演者は得られないことになる。この場合、例えば、類似出演者の抽出結果を空集合として、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力すればよい。
【0074】
なお、ここでは、特徴抽出処理部60で抽出されたニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報は、特徴抽出処理部60から推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71と第2推薦番組選択部72)に出力されるものとしている、その代わりに、特徴抽出処理部60からニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報を受け取った出演者情報処理部50が、該特徴情報と、類似出演者の抽出結果とを、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力するようにしてもよい。
【0075】
次に、推薦番組情報処理部70における推薦番組情報作成の処理手順について説明する。
【0076】
推薦番組情報処理部70の第1推薦番組選択部71は、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報に含まれる出演者属性(その値としてニッチ出演者を含む)に、出演者情報処理部50から与えられた類似出演者を加えてなる拡張特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する番組を選択する。なお、拡張特徴情報に含まれる出演者属性については、ニッチ出演者と類似出演者とのいずれについても、当該視聴者の視聴傾向を特徴付けるものとして扱うものとする。
【0077】
例えば、ニッチな嗜好を示す特徴情報として、{ジャンル属性=「洋楽」、出演者属性=「音楽家A」}が得られ、ニッチ出演者=「音楽家A」をもとに、類似出演者={「音楽家B」,「音楽家G」}が抽出された場合に、図2に例示したEPGデータを対象として、番組ID=32012、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組X」、出演者属性={「司会者M」,「音楽家A」,「音楽家N」,「音楽家O」,…}の番組と、番組ID=24014、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組U」、出演者属性={「音楽家B」,…}の番組と、番組ID=3746、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組W」、出演者属性={「司会者D」,「音楽家G」,…}の番組とが、選択される。
【0078】
従来であれば、上記具体例において、当該視聴者の嗜好するニッチ出演者=「音楽家A」の出演する番組ID=32012のタイトル属性=「洋楽番組X」の番組しか推薦できなかったが、本実施形態によれば、ニッチ出演者=「音楽家A」に類似する類似出演者={「音楽家B」,「音楽家G」}のいずれかが出演する番組である、番組ID=24014のタイトル属性=「洋楽番組U」の番組と、番組ID=3746のタイトル属性=「洋楽番組W」の番組をも推薦することができる。また、多数の番組に出演しているであろう「司会者D」は、類似出演者から外されることになるので、当該視聴者の嗜好ではない多数の番組を推薦してしまうことを避けることもできる(なお、当該視聴者が「司会者D」をも嗜好している場合には、「司会者D」の出演する番組は、ニッチな嗜好を示さない特徴情報を扱う第2推薦番組選択部72により推薦されることになると考えられる)。
【0079】
推薦番組情報処理部70の第2推薦番組選択部72は、特徴抽出処理部60から与えられたニッチな嗜好を示さない特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する番組を選択する。
【0080】
例えば、ジャンル属性を「バラエティー」、出演者属性を「司会者D」とする特徴情報とが与えられた場合に、ジャンル属性=「バラエティー」且つ出演者属性=「司会者D」を持つ番組が選択される。
【0081】
なお、本実施形態では、第2推薦番組選択部72についても、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報をもとに、推薦番組を選択するものとしたが、これに限定されるものではなく、適宜、公知の番組推薦方法を使用して構わない。この場合、例えば、第2推薦番組選択部72は、当該視聴者の視聴番組を抽出し、それらの視聴番組のジャンル、出演者、番組内容に含まれるキーワードのいずれかひとつもしくは複数の組み合わせを参照して類似番組を選択するようにしてもよい。また、例えば、協調フィルタリングなどの手法を用いて推薦番組を選択しても構わない。
【0082】
推薦番組情報作成部73は、第1推薦番組選択部71による推薦番組の選択結果と、第2推薦番組選択部72による推薦番組の選択結果とをもとに、視聴者への推薦番組提示のために必要な、推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する。なお、推薦番組情報の作成にあたって、EPGデータに含まれていない情報を、推薦番組情報に含める場合には、例えば番組IDなどをキーとして、適宜、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から必要な情報を取得するようにしてもよい。
【0083】
図10に、推薦番組情報作成部73により作成される推薦番組情報の一例を示す。図10の推薦番組情報では、第1推薦番組選択部71で選択された3つの番組を例示している。また、推薦番組情報には、これらの他に、第2推薦番組選択部72で選択された番組が記述される。
【0084】
なお、図10のフォーマットは一例であり、チャンネルコードなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図10の情報の一部(例えば、出演者属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0085】
作成された推薦番組情報は、推薦番組情報処理部70から放送端末20へ与えられる。なお、放送端末20は、例えば、受信した推薦番組情報をユーザに提示する。
【0086】
なお、推薦番組情報を作成する際、ニッチ出演者と類似出演者の情報を含めるようにしてもよい。また、第1推薦番組選択部71で選択された推薦番組について、ニッチ出演者が出演する番組か、類似出演者が出演する番組かを区別する情報を付加してもよい。また、第1推薦番組選択部71で選択された番組か、第2推薦番組選択部72で選択された番組かを区別する情報を付加してもよい。さらに、推薦番組情報を作成する際、推薦番組情報に記述する番組数の上限を設けるようにしてもよい。また、推薦番組を、所定の基準で順位付けして推薦するようにしてもよい。その他、種々のバリエーションが可能である。
【0087】
次に、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置が推薦番組情報を作成する場合における全体的な処理の流れについて説明する。
【0088】
図11に、本実施形態における推薦番組情報の作成手順例を示す。
【0089】
まず、推薦番組情報処理部70が、EPGデータ管理部40で管理される、以下の処理の対象となる将来的に放送される予定の番組(以下、対象番組と呼ぶ)に関するEPGデータ(例えば図2のようなEPGデータ)を読み込むとともに、特徴抽出処理部60(の対象データ取得部61)が、EPGデータ管理部40及び視聴履歴情報管理部30からそれぞれ過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報を読み込む(ステップS31)。
【0090】
また、出演者情報処理部50の類似出演者抽出部52が、出演者ネット管理部51を介して、出演者ネットワークDB53から出演者ネットワークを読み込む(ステップS32)。
【0091】
なお、ステップS31及びステップS32に含まれる手順は、必ずしもこのタイミングで行わなくてもよい、当該データが必要になるときまでに、行えばよい。
【0092】
次に、特徴抽出処理部60の視聴傾向解析部62が、視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出する(ステップS33)。
【0093】
そして、ニッチ嗜好判定部63が、抽出された特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する(ステップS34)。
【0094】
ニッチ嗜好判定部63においてニッチな嗜好を示すと判定された場合には(ステップS35)、類似出演者抽出部52が、類似出演者候補を抽出し(ステップS36)、抽出した類似出演者候補から、類似出演者を選択する(ステップS37)。そして、推薦番組情報処理部70の第1推薦番組選択部71が、例えば、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報に含まれる出演者属性(その値としてニッチ出演者を含む)に、出演者情報処理部50から与えられた類似出演者を加えてなる拡張特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該拡張特徴情報に適合する推薦番組の選択(第1の推薦番組選択処理)を行う(ステップS38)。
【0095】
一方、ニッチ嗜好判定部63においてニッチな嗜好を示さないと判定された場合には(ステップS35)、推薦番組情報処理部70の第2推薦番組選択部72が、例えば、特徴抽出処理部60から与えられたニッチな嗜好を示さない特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する推薦番組の選択(第2の推薦番組選択処理)を行う(ステップS40)。
【0096】
以上のループ処理は、全ての特徴情報について繰り返し行われる(ステップS39)。
【0097】
さて、全ての特徴情報に対する処理が終了したならば、推薦番組情報処理部70の推薦番組情報作成部73が、全ての推薦番組の選択結果をもとに、視聴者への推薦番組提示のために必要な、推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する(ステップS41)。
【0098】
作成された推薦番組情報は、推薦番組情報処理部70から放送端末20へ与えられる(ステップS41)。なお、放送端末20は、例えば、受信した推薦番組情報をユーザに提示する。
【0099】
以上のように、本実施形態によれば、従来の番組推薦技術では扱うことが難しかった、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦を行うことが可能になる。
【0100】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして記述し適当な機構をもったコンピュータに処理させても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0101】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態に係る推薦番組情報提供装置の概略構成を示す図
【図2】テレビ番組情報の一例を示す図
【図3】図2に示したテレビ番組情報に対するある視聴者の視聴履歴情報の一例を示す図
【図4】同実施形態で用いるある出演者ネットワークの一例を示す図
【図5】同実施形態で用いる出演者ネットワークの繋ぎ変えの一例を示す図
【図6】同実施形態で用いる出演者ネットワークの繋ぎ変えの結果、最終的に得られる出演者ネットワークの一例を示す図
【図7】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置の特徴抽出部における特徴情報の抽出とそのニッチな嗜好を示すか否かの判定の処理手順例を示すフローチャート
【図8】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置の出演者情報処理部における類似出演者の抽出の処理手順例を示すフローチャート
【図9】同実施形態で用いるある出演者ネットワークの一例を示す図
【図10】推薦番組情報の一例を示す図
【図11】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置における推薦番組情報の作成手順の一例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0103】
10…推薦番組情報提供装置、20…放送端末、30…聴履歴情報管理部、31…視聴履歴情報DB、40…EPGデータ管理部、41…EPGデータDB、50…出演者情報処理部、51…出演者ネット管理部、52…類似出演者抽出部、53…出演者ネットワークDB、60…特徴抽出処理部、61…対象データ取得部、62…視聴傾向解析部、63…ニッチ嗜好判定部、70…推薦番組情報処理部、71…第1推薦番組選択部、72…第2推薦番組選択部、73…推薦番組情報作成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送予定の番組のうちから選択した推薦番組に関する推薦番組情報を提供する推薦番組情報提供装置、推薦番組情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送予定の番組からユーザの嗜好を考慮して番組を選出し推薦する技術が注目されている。
【0003】
従来の番組推薦技術は、協調フィルタリングとコンテンツベースフィルタリングに大きく分けられる。協調フィルタリングは、多数の視聴者について視聴履歴を蓄積しており、それら視聴者のうちから、推薦対象とする視聴者の視聴履歴に類似する視聴履歴を持つ視聴者を選出し、その視聴者の視聴番組を、推薦すべき番組とする方法である。コンテンツベースフィルタリングは、推薦対象とする視聴者の視聴履歴と視聴した番組に関する属性情報とから、視聴者の嗜好を説明する特徴(属性)に関する情報を求めて、これをユーザプロファイルとして蓄積し、このユーザプロファイルに基づいて、推薦すべき番組を選択する方法である。
【0004】
しかし、これら従来の番組推薦技術では、ある視聴者の嗜好する番組のうちに、放送されることの少ないニッチな番組がある場合に、そのようなニッチな番組に係る嗜好については、これに適う番組を推薦することが困難である。ここで、ニッチな番組とは、例えば、ある視聴者が、テレビ番組に出演する頻度の少ないような出演者の出演する番組を好んで視聴する傾向にある場合における、その番組である(そのテレビ番組に出演する頻度の少ないような出演者をニッチな出演者と呼んだり(出演者以外のジャンルなどの他の属性についても同様である)、ニッチな番組を視聴する嗜好を持つ視聴者をニッチな視聴者と呼んだりすることもある)。
【0005】
すなわち、協調フィルタリングでは、ニッチな番組を視聴する傾向にある視聴者のデータ数が少ないので、ニッチな視聴者に類似する視聴履歴を持つ他の視聴者を選出するのが困難であるため、ニッチな視聴者に対する番組推薦が困難である。
【0006】
コンテンツフィルタリングにおいては、番組推薦のもととなる放送予定の番組に関する情報に、推薦対象となる視聴者が嗜好するニッチな属性(例えば、出演者やジャンルやキーワードなど)が含まれていることが少ないので、ニッチな視聴者に対する番組推薦が困難である。例えば、ある視聴者のユーザプロファイルの一つに、「○○○○」という名前のニッチな出演者が登録されている場合に、放送予定の番組に関する情報に、その「○○○○」という名前を出演者属性として持つ番組が含まれていることは少ないので、有効な番組推薦ができない。
【特許文献1】特開2000−115098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、従来の放送番組を推薦するシステムは、視聴者個人のニッチについて番組推薦をすることは困難であった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦を可能にする推薦番組情報提供装置、推薦番組情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る推薦番組情報提供装置は、番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する手段とを備え、前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする。
【0010】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、テレビ放送されるコンテンツ(テレビ番組)を対象として、視聴者の嗜好にかなうコンテンツを選択して推薦する場合を例にとりながら説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、広く放送用のコンテンツ全般(例えば、衛星放送の番組、有線放送の番組、インターネット放送の番組等)を対象にすることが可能である。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る推薦番組情報提供装置の構成例を示す。
【0015】
図1に示されるように、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置10は、視聴履歴情報管理部30、EPGデータ管理部40、出演者情報処理部50、特徴抽出処理部60、推薦番組情報処理部70を備えている。
【0016】
推薦番組情報提供装置は、概略的には、放送端末20が取得した電子番組情報(Electronic Program Guide)(以下、EPGデータ)や(特定の)視聴者の視聴履歴情報をもとにして推薦番組情報を作成し、これを放送端末20が利用し(例えば、推薦番組情報を表示し、あるいは、推薦番組情報に基づく自動録画など他の処理を行い)又は放送端末20が他の機器(例えば、推薦番組情報を表示し、あるいは、推薦番組情報に基づく自動録画など他の処理を行う機器)へ提供するものである。
【0017】
なお、推薦番組情報提供装置は、放送端末20に内蔵されたものであってもよいし、放送端末20とは独立した装置であってもよい。後者の場合には、推薦番組情報提供装置は、放送端末20との通信を行うユーザインタフェースを備えることになる。
【0018】
また、放送端末20は、EPGデータを例えば外部放送機器より受信するなどして取得するとともに、視聴者の視聴履歴情報を例えば視聴者のテレビ操作を監視して取得し或いは例えば他の機器から取得する。
【0019】
また、図1において、推薦番組情報提供装置は、EPGデータ及び又は視聴履歴情報を放送端末20以外の装置から受信する構成や、放送端末20以外の装置へ推薦番組情報を提供する構成も可能である。
【0020】
なお、本実施形態では、放送用コンテンツとしてテレビ番組を例にとっているので、以下の説明で用いるEPGデータ、視聴者の視聴履歴情報、推薦番組情報は、テレビ番組に係るものになるが、それらは、本実施形態において例示する内容に限らず、様々なフォーマットや定義をもつ情報であって構わない。また、キーボード入力、リモートコントロール入力、ネットワークによるオンライン入力、情報伝達の媒体である磁気テープから読み取る等の種々の形態で入力することが可能である。
【0021】
EPGデータ管理部40は、放送端末20からEPGデータを受取って管理し、定期的に更新する。EPGデータ管理部40に入力されたEPGデータは、EPGデータ・データベース(EPGデータDB)41に記録される。
【0022】
視聴履歴情報管理部30は、放送端末20から視聴者の視聴履歴情報を受取って管理し、定期的に更新する。視聴履歴情報管理部30に入力した視聴履歴情報は、視聴履歴情報データベース(視聴履歴情報DB)31に記録される。
【0023】
出演者情報処理部50は、所定のタイミングで過去の一定期間のEPGデータをもとに出演者ネットワークを作成するとともに、後述のように特徴抽出処理部60によりニッチな嗜好を示すと判定される特徴情報(出演者属性を含むもの)が得られた場合に、該特徴情報に含まれる出演者属性と出演者ネットワークとをもとに類似出演者を抽出するものであり、図1に示されるように、出演者ネット管理部51、類似出演者抽出部52、出演者ネットワークデータベース(出演者ネットワークDB)53を含んでいる。
【0024】
特徴抽出処理部60は、過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報の抽出を行うとともに、抽出した特徴情報(出演者属性を含むもの)がニッチな嗜好を示すか否かの判定を行うものであり、図1に示されるように、対象データ取得部61、視聴傾向解析部62、ニッチ嗜好判定部63を含んでいる。
【0025】
推薦番組情報処理部70は、推薦候補となる番組に関するEPGデータと、特徴抽出処理部60で得られた特徴情報と、出演者情報処理部50で抽出された類似出演者情報とに基づいて、視聴者の嗜好にかなう番組を、推薦すべき番組として選択し、選択した推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成するものであり、図1に示されるように、ニッチな嗜好を示す特徴情報(出演者属性を含むもの)及び類似出演者情報をもとに推薦番組を選択する第1推薦番組選択部71、ニッチな嗜好を示さない特徴情報について、所定の方法で推薦番組を選択する第2推薦番組選択部72、第1推薦番組選択部71による推薦番組の選択結果と第2推薦番組選択部72による推薦番組の選択結果とをもとに、推薦番組情報を作成する推薦番組情報作成部73を含んでいる。
【0026】
図2に、EPGデータ(テレビ番組情報)の一例を示す。図2に例示するEPGデータは、1つの番組ごとに、番組ID、放送日付、放送局、開始時間、終了時間、ジャンル、タイトル、出演者の各番組属性の属性値を含んでいる。図2に示す具体例では、例えば、番組ID=“15259”の番組について、放送日付属性=“2005年7月22日”、放送局属性=“放送局a”、開始時間属性=“12:00”、終了時間属性=“13:00”、ジャンル属性=“洋楽”、タイトル属性=“洋楽番組S”、出演者属性=“司会者D,司会者F,音楽家A”であることが示されている。なお、番組のジャンルとしては、例えば、「ニュース」、「洋楽」、「料理」、「情報」、「スポーツ」、「ドラマ」、「音楽」、「バラエティー」、「映画」、「アニメーション」、「ドキュメンタリー」、「趣味」など、どのような属性値が使用されても構わない。
【0027】
なお、図2のフォーマットは一例であり、チャンネルコードや、番組内容に含まれるキーワードや、番組の内容に関するコメント文や、番組に関連するホームページのURLなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図2の情報の一部(例えば、開始時間属性及び終了時間属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0028】
図3に、図2に例示したEPGデータに対する、ある視聴者の視聴履歴情報の一例を示す。図3に例示する視聴履歴情報は、1つの番組ごとに、番組ID、視聴の有無及び録画の有無、並びに放送日付、放送局、開始時間、終了時間、ジャンル、タイトル、出演者の各属性を含んでいる(なお、録画を扱わない場合には、録画の有無の属性は不要である)。視聴や録画の有無は、属性値が「T」(TRUE)の場合には、当該番組に対する視聴や録画が行われたことを示し、「F」(FALSE)の場合は、当該番組に対する視聴や録画が行われなかったことを示している。例えば、図3に示す具体例のうちでは、番組ID=“15259”の番組(放送日付属性=“2005年7月22日”、放送局属性=“放送局a”、開始時間属性=“12:00”、終了時間属性=“13:00”、ジャンル属性=“洋楽”、タイトル属性=“洋楽番組S”、出演者属性=“司会者D,司会者F,音楽家A”)について、当該視聴者が視聴したことが示されている(具体例のうちでは、録画はされていない)。
【0029】
なお、図3のフォーマットは一例であり、チャンネルコードなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図3の情報の一部(例えば、ジャンル属性や、出演者属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0030】
以下、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置の動作について説明する。
【0031】
まず、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置の出演者情報処理部50における出演者ネットワークの作成処理について説明する。
【0032】
この出演者ネットワークの作成処理は、適当なタイミングで実行して構わない。例えば、推薦番組情報の作成手順(図11)を実行する際に行うようにしてもよいし、また、例えば、推薦番組情報の作成手順(図11)の実行にかかわりなく、一定周期毎、又はEPGデータ管理部40が新たなEPGデータを入手する毎(若しくは入手した新たなEPGデータがEPGデータDB41に一定量蓄積される毎)などに行うようにしてもよい。
【0033】
出演者情報処理部50の出演者ネット管理部51は、EPGデータ管理部40から、過去の一定期間のEPGデータを読み込み、このEPGデータをもとに、出演者ネットワークを作成する。
【0034】
ここで、出演者ネットワークの一例及びその作成方法の一例を示す。
【0035】
出演者ネットワークは、一例として、各出演者をノード、出演者間の相関関係をリンクで表したネットワーク構造で定義されるものとする。
【0036】
出演者ネット管理部51は、まず、円状にn個のノードを置き、各々のノードが左右k個ずつまで(合計2k個まで)の他のノードと繋がるような状態になるように、仮のリンクを張ることによって、出演者ネットワークの初期状態を作成する。このとき、kは偶数とする。図4に、n=6、k=4の場合の初期状態の一例を示す。
【0037】
なお、nやkは、適宜設定して構わない。また、対象とするEPGデータに含まれる出演者の総数がnを超える場合には、適当な基準で(例えば、出演番組の数の多いものから順に)出演者をnだけ選択すればよい。また、対象とするEPGデータに含まれる出演者の総数がnを超えていない場合であっても、例えば、該EPGデータにおいて、出演番組の数が予め定められた基準値に満たない出演者は、対象としないようにしてもよい。
【0038】
次に、出演者ネットワークの各リンクに対して、リンクで接続する出演者間の相関関係度合いに基づいて、繋ぎ変えを実施する。繋ぎ変えとは、対象とするリンクについて、そのリンクの一方の端に接続するノードを固定し、他方の端に接続するノードを選択し直す処理である。
【0039】
ここでは、出演者間の相関関係度合いの一例として、共演頻度を用いるものとする。共演頻度は、例えば、対象とするEPGデータに含まれる全番組のうち、特定の二人の出演者A,Bを出演者属性として同時に持つ番組(すなわち、該特定の二人の出演者A,Bが共演する番組)の数F1、あるいは、例えば、このF1をEPGデータに含まれる全番組の総数Nで除して得た値F2(=F1/N)、あるいは、例えば、各共演者の組に係るF1を全ての共演者の組に係るF1のうちの最大値若しくは平均値で除して得た値F3、あるいは、例えば、EPGデータに含まれる全番組のうち、出演者Aを出演者属性として持つ番組の数s1で、出演者A,Bを出演者属性として持つ番組の数s2を除して得た値(すなわち、出演者Aが出演した番組に、出演者Bも出演する確率)F4など、種々のものが考えられる。
【0040】
例えば、図4の例において、「音楽家A」と「音楽家C」との共演頻度が低く、「音楽家A」と「音楽家B」との共演頻度が高いとした場合に、「音楽家A」と共演頻度が高い「音楽家B」にリンクが作成されていなければ、共演頻度が低い「音楽家A」と「音楽家C」との間のリンクを削除し、「音楽家A」と「音楽家B」との間にリンクを新たに作成する(すなわち、当該リンクについて、そのリンクの一方の端に接続する「音楽家A」ノードを固定し、他方の端に接続するノードを、「音楽家C」から「音楽家B」に選択し直す)。この様子を、図5に示す。このとき、「音楽家A」と他の出演者との間に共演頻度の高い出演者がいない場合や、すでに共演頻度の高い出演者にリンクが張られている場合には、「音楽家A」と「音楽家C」との間のリンクを削除する。
【0041】
このような処理をすべてのリンクに対して順に実施することによって、出演者ネットワークを作成する。図6に、作成された出演者ネットワークの一例を示す。作成された出演者ネットワークは、出演者ネットワークDB53に保存される。
【0042】
なお、図4〜図6は、出演者ネットワークを模式的に表したものであり、実際には、コンピュータで扱うことのできる形式で記述される。
【0043】
なお、上記では、出演者間の相関関係度合いの一例として、共演頻度を用いるものとしたが、他の評価値を用いてもよい。
【0044】
また、上記では、EPGデータをもとに、出演者間の相関関係度合いを求めるものとしてが、例えばテレビ番組出演者データベースなどのような他の情報から、出演者間の相関関係度合いを求めるようにしてもよい。また、外部から、出演者間の相関関係度合いを示す情報を取得するようにしてもよい。
【0045】
なお、上記では、ワッツらが提唱したスモールワールドネットワーク(例えば、文献“D. J. Watts: “NetWorks, dynamics and the small world phenomenon”, American Journal of Sociology, Vol.105, No.2, pp.493−527, (1999)”)にほぼ従った出演者ネットワークを作成する方法を例示したが、例えばバラバシらが提唱したスケールフリー・ネットワーク(例えば、文献“A. L. Barabasi and R. Albert: “Emergence in scaling random networks”, Science, Vol.286, pp.509−512, (1999)”)などの他手法で出演者ネットワークを定義することも可能である。
【0046】
また、ここでは、出演者ネット管理部51が出演者ネットワークを作成するものとしたが、例えば、放送コンテンツ作成側等が作成した出演者ネットワークを、出演者ネット管理部51がネットワーク又は記録媒体を経由して取得し、出演者ネットワークDB53に保存するような形態も可能である。
【0047】
次に、特徴抽出処理部60における処理について説明する。
【0048】
特徴抽出処理部60は、過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を特徴付ける特徴情報の抽出を行うとともに、抽出した特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かの判定を行う。
【0049】
図7に、特徴抽出処理部60における特徴情報の抽出とそのニッチな嗜好を示すか否かの判定の処理手順例を示す。
【0050】
特徴抽出処理部60の対象データ取得部61は、EPGデータ管理部40から、過去の一定期間のEPGデータを読み込む(ステップS11)。また、対象データ取得部61は、視聴履歴情報管理部30から、過去の一定期間の視聴履歴情報を読み込む(ステップS12)。過去の一定期間は、例えば、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、1年間など、適宜設定して構わない。なお、ステップS11,S12は、任意に実行順を入れ替えて構わない。また、並列的に実行しても構わない。
【0051】
次に、視聴傾向解析部62は、取得された視聴履歴情報に基づいて、視聴者の視聴傾向を解析し、視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出する(ステップS13)。なお、視聴履歴情報に、必要な属性が含まれていない場合には、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得する(例えば、視聴履歴情報にジャンル属性及び又は出演者属性が含まれておらず、EPGデータにジャンル属性及び又は出演者属性が含まれている場合には、番組IDをキーとして、EPGデータから、ジャンル属性及び又は出演者属性を取得すればよい)。
【0052】
ここでは、特徴情報には、少なくとも出演者属性が含まれるものとする。
【0053】
特徴情報の抽出処理としては、例えば、視聴履歴情報に含まれる全番組(ただし、視聴者が視聴又は録画したもの(録画を扱わない場合には、視聴者が視聴したもの))の総数をMとし、特定の出演者属性の値と特定のジャンル属性の値との組(あるいは、特定の出演者属性の値)を持つ番組の総数をmとして、m/Mが予め定められたしきい値以上となるような出演者属性とジャンル属性との組{特定の出演者属性の値,特定のジャンル属性の値}(あるいは、出演者属性{特定の出演者属性の値})を、当該視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性とするようにしてもよい。
【0054】
なお、ベイジアンネットワークで表現される嗜好モデルを使う方法など、他の方法によって、当該視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出してもよい。
【0055】
ここでは、具体例として、ジャンル属性を「洋楽」、出演者属性を「音楽家A」とする特徴情報と、ジャンル属性を「バラエティー」、出演者属性を「司会者D」とする特徴情報とが抽出されたものとする。
【0056】
次に、ニッチ嗜好判定部63は、取得されたEPGデータを参照して、抽出された特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する(ステップS14)。
【0057】
例えば、EPGデータに含まれる全番組の総数をNとし、EPGデータに含まれる各番組の番組属性と、抽出された特徴情報に含まれる番組属性とを比較して、EPGデータ中に、該特徴情報に含まれる番組属性(の組)と同じ番組属性(の組)を持つ番組が出現する頻度nを求め、n/Nが予め定められたしきい値t以下となる場合に、該特徴情報は、ニッチな嗜好を示すものであると判定し、そうでなければ、ニッチな嗜好を示さないものと判定する。
【0058】
例えば、上記具体例の場合、EPGデータを参照して、ジャンル属性が「洋楽」かつ出演者属性が「音楽家A」である番組の数mを調べた結果、n/N=0.01(すなわち、EPGデータにおいて、100件の番組中に1つ存在する割合)であった場合、しきい値t=0.1ならば、n/N≦t2を満たすので、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「洋楽」,出演者属性=「音楽家A」}は、ニッチな嗜好を示すものと判定される(すなわち、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「洋楽」,出演者属性=「音楽家A」}を持つ番組は、ニッチな番組であるものと判定される)。また、ジャンル属性が「バラエティー」かつ出演者属性が「司会者D」である番組の数mを調べた結果、n/N=0.20(すなわち、EPGデータにおいて、100件の番組中に1つ存在する割合)であった場合、しきい値t=0.1ならば、n/N≦t2を満たさないので、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「バラエティー」,出演者属性=「司会者D」}は、ニッチな嗜好を示さないものと判定される(すなわち、特徴情報に含まれる番組属性{ジャンル属性=「バラエティー」,出演者属性=「司会者D」}を持つ番組は、ニッチでない番組であるものと判定される)。
【0059】
最後に、抽出された特徴情報は、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71と第2推薦番組選択部72)に出力されるとともに、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報(または、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報に含まれる出演者属性)は、出演者情報処理部50(の類似出演者抽出部52)に出力される(ステップS15)。
【0060】
なお、上記では、番組のジャンル属性と出演者属性との組、あるいは、出演者属性を対象としたが、これらに加えて、番組内容に含まれるキーワードなど、他の属性をも対象としてもよい。
【0061】
また、上記では、特徴情報には、少なくとも出演者属性が含まれるものとしたが、これに限定されるものではない。特徴情報には、必ずしも出演者属性が含まれなくてもよいとする場合には、例えば、出演者属性を含む特徴情報のみを、ニッチ嗜好判定部63による、ニッチな嗜好を示すか否かの判定の対象とし、出演者属性を含まない特徴情報は、ニッチな嗜好を示さないものとして扱えばよい。
【0062】
次に、出演者情報処理部50における類似出演者抽出処理について説明する。
【0063】
この類似出演者抽出処理は、特徴抽出処理部60においてニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報が抽出され、該特徴情報(または、該特徴情報に含まれる出演者属性)が出演者情報処理部50の類似出演者抽出部52へ与えられた場合に実行され、該類似出演者抽出部52は、該特徴情報に出演者属性の値として含まれる出演者(以下、ニッチ出演者と呼ぶ)に類似する出演者(以下、類似出演者と呼ぶ)を、出演者ネットワークから抽出する処理を行う。
【0064】
図8に、類似出演者抽出部52における類似出演者の抽出の処理手順例を示す。
【0065】
図9に、ここでの説明で用いる出演者ネットワークの例を示す。また、ニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報に、出演者属性の値として「音楽家A」が含まれているものとする。
【0066】
類似出演者抽出部52は、ニッチ出演者を取得すると、出演者ネット管理部51を介して出演者ネットワークDB53から出演者ネットワークを読み込み(ステップS21)、該出演者ネットワークにおいて、当該ニッチ出演者に対して、所定の距離以下の距離のリンクで接続されている(1又は複数の)他の出演者を、類似出演者の候補として抽出する(ステップS22)。ここで、距離とは、例えば、当該出演者間が何本のリンクを経て接続されているかを示すリンクの接続数である。所定の距離は、例えば、1である。
【0067】
例えば、図9の出演者ネットワークにおいて、所定の距離を1とした場合に、「音楽家A」に対して、距離=1のリンクで接続されている(すなわち、1本のみのリンクで直接接続されている)出演者として、「音楽家B」、「音楽家G」、「司会者D」が抽出される。
【0068】
次に、類似出演者抽出部52は、上記のようにして抽出した他の出演者(以下、類似出演者候補と呼ぶ)のうち、当該類似出演者候補からみた更に他の出演者との関連の弱い出演者のみを、類似出演者として選択する(ステップS23)。ここで、関連の強弱は、当該類似出演者候補からみた更に他の出演者への接続リンク数で定義するものとする。例えば、抽出した類似出演者候補の各々について、当該類似出演者候補から更に他の出演者(当該ニッチ出演者も含む)へ直接接続されている直接接続リンク数を調べ、直接接続リンク数が予め定められたしきい値(例えば、2本)以下の場合に、当該類似出演者候補を、類似出演者として選択する。なお、直接接続リンク数のしきい値として、例えば、全出演者の直接接続リンク数の平均値(または、これに基づいて決定した値)を用いてもよい。
【0069】
例えば、図9の出演者ネットワークにおいて、直接接続リンク数のしきい値を2本とした場合に、「音楽家A」に対して抽出された類似出演者候補である「音楽家B」、「音楽家G」、「司会者D」のうち、「音楽家B」及び「音楽家G」が、直接接続リンク数が2本以下であるので、類似出演者として選択される。「司会者D」は、直接接続リンク数がしきい値の2本を越えるので、選択されない。
【0070】
なお、前述の所定の距離が2以上の場合に、この「司会者D」のような類似出演者候補として抽出されながら、最終的に選択されなかった出演者のみを介してリンクされる類似出演者候補については、その直接接続リンク数にかかわらずに、類似出演者として選択しないようにする方法も可能である。
【0071】
類似出演者抽出部52により抽出された類似出演者の情報は、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力される(ステップS24)。
【0072】
上記では、出演者ネットワークの内容及び抽出や選択の基準となる距離やしきい値に応じて、得られる類似出演者の数が相違し得るが、類似出演者の数の下限値を決めておき、この下限値以上の数(あるいは、なるべく下限値に近い数)の類似出演者が得られるように、抽出や選択の基準となる距離やしきい値を適宜調整(基準を緩和)しながら処理を繰り返し行うようにすることも可能である。
【0073】
なお、出演者ネットワークに当該ニッチ出演者が含まれていない場合には、類似出演者は得られないことになる。この場合、例えば、類似出演者の抽出結果を空集合として、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力すればよい。
【0074】
なお、ここでは、特徴抽出処理部60で抽出されたニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報は、特徴抽出処理部60から推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71と第2推薦番組選択部72)に出力されるものとしている、その代わりに、特徴抽出処理部60からニッチな嗜好を示すと判定された特徴情報を受け取った出演者情報処理部50が、該特徴情報と、類似出演者の抽出結果とを、推薦番組情報処理部70(の第1推薦番組選択部71)に出力するようにしてもよい。
【0075】
次に、推薦番組情報処理部70における推薦番組情報作成の処理手順について説明する。
【0076】
推薦番組情報処理部70の第1推薦番組選択部71は、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報に含まれる出演者属性(その値としてニッチ出演者を含む)に、出演者情報処理部50から与えられた類似出演者を加えてなる拡張特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する番組を選択する。なお、拡張特徴情報に含まれる出演者属性については、ニッチ出演者と類似出演者とのいずれについても、当該視聴者の視聴傾向を特徴付けるものとして扱うものとする。
【0077】
例えば、ニッチな嗜好を示す特徴情報として、{ジャンル属性=「洋楽」、出演者属性=「音楽家A」}が得られ、ニッチ出演者=「音楽家A」をもとに、類似出演者={「音楽家B」,「音楽家G」}が抽出された場合に、図2に例示したEPGデータを対象として、番組ID=32012、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組X」、出演者属性={「司会者M」,「音楽家A」,「音楽家N」,「音楽家O」,…}の番組と、番組ID=24014、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組U」、出演者属性={「音楽家B」,…}の番組と、番組ID=3746、ジャンル属性=「洋楽」、タイトル属性=「洋楽番組W」、出演者属性={「司会者D」,「音楽家G」,…}の番組とが、選択される。
【0078】
従来であれば、上記具体例において、当該視聴者の嗜好するニッチ出演者=「音楽家A」の出演する番組ID=32012のタイトル属性=「洋楽番組X」の番組しか推薦できなかったが、本実施形態によれば、ニッチ出演者=「音楽家A」に類似する類似出演者={「音楽家B」,「音楽家G」}のいずれかが出演する番組である、番組ID=24014のタイトル属性=「洋楽番組U」の番組と、番組ID=3746のタイトル属性=「洋楽番組W」の番組をも推薦することができる。また、多数の番組に出演しているであろう「司会者D」は、類似出演者から外されることになるので、当該視聴者の嗜好ではない多数の番組を推薦してしまうことを避けることもできる(なお、当該視聴者が「司会者D」をも嗜好している場合には、「司会者D」の出演する番組は、ニッチな嗜好を示さない特徴情報を扱う第2推薦番組選択部72により推薦されることになると考えられる)。
【0079】
推薦番組情報処理部70の第2推薦番組選択部72は、特徴抽出処理部60から与えられたニッチな嗜好を示さない特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する番組を選択する。
【0080】
例えば、ジャンル属性を「バラエティー」、出演者属性を「司会者D」とする特徴情報とが与えられた場合に、ジャンル属性=「バラエティー」且つ出演者属性=「司会者D」を持つ番組が選択される。
【0081】
なお、本実施形態では、第2推薦番組選択部72についても、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報をもとに、推薦番組を選択するものとしたが、これに限定されるものではなく、適宜、公知の番組推薦方法を使用して構わない。この場合、例えば、第2推薦番組選択部72は、当該視聴者の視聴番組を抽出し、それらの視聴番組のジャンル、出演者、番組内容に含まれるキーワードのいずれかひとつもしくは複数の組み合わせを参照して類似番組を選択するようにしてもよい。また、例えば、協調フィルタリングなどの手法を用いて推薦番組を選択しても構わない。
【0082】
推薦番組情報作成部73は、第1推薦番組選択部71による推薦番組の選択結果と、第2推薦番組選択部72による推薦番組の選択結果とをもとに、視聴者への推薦番組提示のために必要な、推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する。なお、推薦番組情報の作成にあたって、EPGデータに含まれていない情報を、推薦番組情報に含める場合には、例えば番組IDなどをキーとして、適宜、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から必要な情報を取得するようにしてもよい。
【0083】
図10に、推薦番組情報作成部73により作成される推薦番組情報の一例を示す。図10の推薦番組情報では、第1推薦番組選択部71で選択された3つの番組を例示している。また、推薦番組情報には、これらの他に、第2推薦番組選択部72で選択された番組が記述される。
【0084】
なお、図10のフォーマットは一例であり、チャンネルコードなど、種々の情報が含まれていても構わない。また、図10の情報の一部(例えば、出演者属性)について、例えば番組IDなどをキーとして、推薦番組情報提供装置又は他の装置の備えるデータベース等から取得可能として、省略しても構わない。
【0085】
作成された推薦番組情報は、推薦番組情報処理部70から放送端末20へ与えられる。なお、放送端末20は、例えば、受信した推薦番組情報をユーザに提示する。
【0086】
なお、推薦番組情報を作成する際、ニッチ出演者と類似出演者の情報を含めるようにしてもよい。また、第1推薦番組選択部71で選択された推薦番組について、ニッチ出演者が出演する番組か、類似出演者が出演する番組かを区別する情報を付加してもよい。また、第1推薦番組選択部71で選択された番組か、第2推薦番組選択部72で選択された番組かを区別する情報を付加してもよい。さらに、推薦番組情報を作成する際、推薦番組情報に記述する番組数の上限を設けるようにしてもよい。また、推薦番組を、所定の基準で順位付けして推薦するようにしてもよい。その他、種々のバリエーションが可能である。
【0087】
次に、本実施形態に係る推薦番組情報提供装置が推薦番組情報を作成する場合における全体的な処理の流れについて説明する。
【0088】
図11に、本実施形態における推薦番組情報の作成手順例を示す。
【0089】
まず、推薦番組情報処理部70が、EPGデータ管理部40で管理される、以下の処理の対象となる将来的に放送される予定の番組(以下、対象番組と呼ぶ)に関するEPGデータ(例えば図2のようなEPGデータ)を読み込むとともに、特徴抽出処理部60(の対象データ取得部61)が、EPGデータ管理部40及び視聴履歴情報管理部30からそれぞれ過去の一定期間のEPGデータ及び視聴履歴情報を読み込む(ステップS31)。
【0090】
また、出演者情報処理部50の類似出演者抽出部52が、出演者ネット管理部51を介して、出演者ネットワークDB53から出演者ネットワークを読み込む(ステップS32)。
【0091】
なお、ステップS31及びステップS32に含まれる手順は、必ずしもこのタイミングで行わなくてもよい、当該データが必要になるときまでに、行えばよい。
【0092】
次に、特徴抽出処理部60の視聴傾向解析部62が、視聴者の視聴傾向を特徴付ける番組属性を含む特徴情報を抽出する(ステップS33)。
【0093】
そして、ニッチ嗜好判定部63が、抽出された特徴情報がニッチな嗜好を示すか否かを判定する(ステップS34)。
【0094】
ニッチ嗜好判定部63においてニッチな嗜好を示すと判定された場合には(ステップS35)、類似出演者抽出部52が、類似出演者候補を抽出し(ステップS36)、抽出した類似出演者候補から、類似出演者を選択する(ステップS37)。そして、推薦番組情報処理部70の第1推薦番組選択部71が、例えば、特徴抽出処理部60から与えられた特徴情報に含まれる出演者属性(その値としてニッチ出演者を含む)に、出演者情報処理部50から与えられた類似出演者を加えてなる拡張特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該拡張特徴情報に適合する推薦番組の選択(第1の推薦番組選択処理)を行う(ステップS38)。
【0095】
一方、ニッチ嗜好判定部63においてニッチな嗜好を示さないと判定された場合には(ステップS35)、推薦番組情報処理部70の第2推薦番組選択部72が、例えば、特徴抽出処理部60から与えられたニッチな嗜好を示さない特徴情報をもとに、推薦候補となる番組に関するEPGデータに含まれる番組のうちから、該特徴情報に適合する推薦番組の選択(第2の推薦番組選択処理)を行う(ステップS40)。
【0096】
以上のループ処理は、全ての特徴情報について繰り返し行われる(ステップS39)。
【0097】
さて、全ての特徴情報に対する処理が終了したならば、推薦番組情報処理部70の推薦番組情報作成部73が、全ての推薦番組の選択結果をもとに、視聴者への推薦番組提示のために必要な、推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する(ステップS41)。
【0098】
作成された推薦番組情報は、推薦番組情報処理部70から放送端末20へ与えられる(ステップS41)。なお、放送端末20は、例えば、受信した推薦番組情報をユーザに提示する。
【0099】
以上のように、本実施形態によれば、従来の番組推薦技術では扱うことが難しかった、視聴者個人のニッチな嗜好についても、より効果的な番組推薦を行うことが可能になる。
【0100】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして記述し適当な機構をもったコンピュータに処理させても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0101】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態に係る推薦番組情報提供装置の概略構成を示す図
【図2】テレビ番組情報の一例を示す図
【図3】図2に示したテレビ番組情報に対するある視聴者の視聴履歴情報の一例を示す図
【図4】同実施形態で用いるある出演者ネットワークの一例を示す図
【図5】同実施形態で用いる出演者ネットワークの繋ぎ変えの一例を示す図
【図6】同実施形態で用いる出演者ネットワークの繋ぎ変えの結果、最終的に得られる出演者ネットワークの一例を示す図
【図7】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置の特徴抽出部における特徴情報の抽出とそのニッチな嗜好を示すか否かの判定の処理手順例を示すフローチャート
【図8】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置の出演者情報処理部における類似出演者の抽出の処理手順例を示すフローチャート
【図9】同実施形態で用いるある出演者ネットワークの一例を示す図
【図10】推薦番組情報の一例を示す図
【図11】同実施形態に係る推薦番組情報提供装置における推薦番組情報の作成手順の一例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0103】
10…推薦番組情報提供装置、20…放送端末、30…聴履歴情報管理部、31…視聴履歴情報DB、40…EPGデータ管理部、41…EPGデータDB、50…出演者情報処理部、51…出演者ネット管理部、52…類似出演者抽出部、53…出演者ネットワークDB、60…特徴抽出処理部、61…対象データ取得部、62…視聴傾向解析部、63…ニッチ嗜好判定部、70…推薦番組情報処理部、71…第1推薦番組選択部、72…第2推薦番組選択部、73…推薦番組情報作成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、
前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、
選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する作成手段とを備え、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた上限値の範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする推薦番組情報提供装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記第1の条件及び前記第2の条件を満たすノードであっても、前記第2の条件を満たさないノードを介することによって前記特定の出演者に対応するノードに接続されるノードは、前記選択の対象から除外することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項3】
前記第1の条件における上限値が示すリンク距離を1とすることを特徴とする請求項2に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項4】
前記放送予定番組情報は、前記複数の放送予定の番組の各々について当該番組に関する出演者以外の情報を含むものであり、
前記選択手段は、前記複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択するにあたって、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報に加えて、前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける前記出演者以外の情報をも利用することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項5】
前記出演者以外の情報は、番組のジャンルを示す情報又は番組に関係するキーワードを示す情報の少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項6】
前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける、1又は複数の番組属性に関する情報を含む特徴情報と、過去の一定期間における既放送の番組の各々について当該番組を特徴付ける番組属性に関する情報を記述した既放送番組情報とから、該既放送番組情報に含まれる当該特徴情報に合致する番組の多寡を示す値を求め、該値が予め定められた基準を満たす場合に、当該特徴情報がニッチな嗜好を示すと判定する判定手段を更に備え、
前記抽出手段は、前記判定手段によりニッチな嗜好を示すと判定された前記特徴情報の中に、前記番組属性に関する情報の一つとして含まれる、前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける出演者を示す情報を、前記第1の出演者情報として利用することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項7】
前記多寡を示す値は、前記既放送番組情報に含まれる全番組のうちで前記特徴情報に合致する番組の数を示す出現頻度、又は前記特徴情報に合致する番組の数の前記既放送番組情報に含まれる全番組の数に対する割合を示す出現割合であり、
前記判定手段は、前記出現頻度又は前記出現割合が予め定められたしきい値以下である場合に、前記特徴情報がニッチな嗜好を示すと判定することを特徴とする請求項6に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項8】
前記判定手段により前記特徴情報がニッチな嗜好を示すとの判定がなされなかった場合に、前記放送予定番組情報に基づいて、前記推薦候補となる複数の放送予定の番組のうちから、該視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する手段を更に備え、
前記作成手段は、この手段により選択された推薦番組に関する情報をも含む前記推薦番組情報を作成することを特徴とする請求項6または7に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項9】
過去の一定期間における既放送の番組の番組属性に関する情報を含む既放送番組情報と、それら既放送の番組を対象とした前記視聴者による視聴結果を示す履歴情報とに基づいて、前記特徴情報を抽出する手段を更に備えたことを特徴とする請求項6ないしの8いずれか1項に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項10】
前記ネットワークとして記述される前記出演者関係情報を生成する生成手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項11】
前記生成手段は、出演者の間の関連の度合いを示す情報に基づいて、前記ネットワークにおける各出演者に対応するノードの間をリンクで接続するか否かを決定するものであることを特徴とする請求項10に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項12】
前記作成手段により作成された前記推薦番組情報を、前記視聴者に係る端末装置へ送信する送信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項13】
推薦番組情報提供装置における推薦番組情報提供方法であって、
前記推薦番組情報提供装置が備える抽出手段が、番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出するステップと、
前記推薦番組情報提供装置が備える選択手段が、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択するステップと、
前記推薦番組情報提供装置が備える作成手段が、選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成するステップとを有し、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする推薦番組情報提供方法。
【請求項14】
推薦番組情報提供装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、
前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、
選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する手段とをコンピュータに実現させるためのものであるとともに、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、
前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、
選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する作成手段とを備え、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた上限値の範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする推薦番組情報提供装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記第1の条件及び前記第2の条件を満たすノードであっても、前記第2の条件を満たさないノードを介することによって前記特定の出演者に対応するノードに接続されるノードは、前記選択の対象から除外することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項3】
前記第1の条件における上限値が示すリンク距離を1とすることを特徴とする請求項2に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項4】
前記放送予定番組情報は、前記複数の放送予定の番組の各々について当該番組に関する出演者以外の情報を含むものであり、
前記選択手段は、前記複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択するにあたって、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報に加えて、前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける前記出演者以外の情報をも利用することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項5】
前記出演者以外の情報は、番組のジャンルを示す情報又は番組に関係するキーワードを示す情報の少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項6】
前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける、1又は複数の番組属性に関する情報を含む特徴情報と、過去の一定期間における既放送の番組の各々について当該番組を特徴付ける番組属性に関する情報を記述した既放送番組情報とから、該既放送番組情報に含まれる当該特徴情報に合致する番組の多寡を示す値を求め、該値が予め定められた基準を満たす場合に、当該特徴情報がニッチな嗜好を示すと判定する判定手段を更に備え、
前記抽出手段は、前記判定手段によりニッチな嗜好を示すと判定された前記特徴情報の中に、前記番組属性に関する情報の一つとして含まれる、前記視聴者の視聴傾向を特徴付ける出演者を示す情報を、前記第1の出演者情報として利用することを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項7】
前記多寡を示す値は、前記既放送番組情報に含まれる全番組のうちで前記特徴情報に合致する番組の数を示す出現頻度、又は前記特徴情報に合致する番組の数の前記既放送番組情報に含まれる全番組の数に対する割合を示す出現割合であり、
前記判定手段は、前記出現頻度又は前記出現割合が予め定められたしきい値以下である場合に、前記特徴情報がニッチな嗜好を示すと判定することを特徴とする請求項6に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項8】
前記判定手段により前記特徴情報がニッチな嗜好を示すとの判定がなされなかった場合に、前記放送予定番組情報に基づいて、前記推薦候補となる複数の放送予定の番組のうちから、該視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する手段を更に備え、
前記作成手段は、この手段により選択された推薦番組に関する情報をも含む前記推薦番組情報を作成することを特徴とする請求項6または7に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項9】
過去の一定期間における既放送の番組の番組属性に関する情報を含む既放送番組情報と、それら既放送の番組を対象とした前記視聴者による視聴結果を示す履歴情報とに基づいて、前記特徴情報を抽出する手段を更に備えたことを特徴とする請求項6ないしの8いずれか1項に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項10】
前記ネットワークとして記述される前記出演者関係情報を生成する生成手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項11】
前記生成手段は、出演者の間の関連の度合いを示す情報に基づいて、前記ネットワークにおける各出演者に対応するノードの間をリンクで接続するか否かを決定するものであることを特徴とする請求項10に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項12】
前記作成手段により作成された前記推薦番組情報を、前記視聴者に係る端末装置へ送信する送信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の推薦番組情報提供装置。
【請求項13】
推薦番組情報提供装置における推薦番組情報提供方法であって、
前記推薦番組情報提供装置が備える抽出手段が、番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出するステップと、
前記推薦番組情報提供装置が備える選択手段が、前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択するステップと、
前記推薦番組情報提供装置が備える作成手段が、選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成するステップとを有し、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とする推薦番組情報提供方法。
【請求項14】
推薦番組情報提供装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
番組推薦対象とする視聴者が視聴した番組に出演した特定の出演者を示す第1の出演者情報に基づき、複数の出演者間の関連を示す出演者関連情報を利用して、該特定の出演者に類似する1又は複数の類似出演者を示す第2の出演者情報を抽出する抽出手段と、
前記第1の出演者情報及び前記第2の出演者情報、並びに複数の放送予定の番組の各々について少なくとも当該番組に出演する出演者を示す第3の出演者情報を記述した放送予定番組情報に基づいて、該複数の放送予定の番組のうちから、前記視聴者に対して推薦する推薦番組を選択する選択手段と、
選択された前記推薦番組に関する情報を含む推薦番組情報を作成する手段とをコンピュータに実現させるためのものであるとともに、
前記出演者関連情報は、個々の出演者をそれぞれ一つのノードとし、関連を有する出演者に対応するノード同士をリンクで接続した構造を有するネットワークとして記述されるものであり、
前記抽出手段は、前記ネットワークに含まれる前記特定の出演者に対応するノード以外のノードのうちから、前記特定の出演者に対応するノードに対するリンク距離が予め定められた範囲内にある第1の条件と、他のノードとの間に有するリンク数がしきい値以下である第2の条件とを満たすノードを選択し、選択したノードに対応する出演者を、前記第2の出演者情報が示す類似出演者とするものであることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−199406(P2008−199406A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33933(P2007−33933)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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