推進管方向可変構造
【課題】鋼管による推進管の方向修正を容易に可能とする。
【解決手段】鋼管２による推進管の方向可変構造であって、推進機１と鋼管２との間にヒューム管３を設置する。具体的には、ヒューム管３は、推進機１内にシール材とともに挿入して接続する。また、ヒューム管３と鋼管２は、止水性を具備するアダプタリング４を介して接続する。
【解決手段】鋼管２による推進管の方向可変構造であって、推進機１と鋼管２との間にヒューム管３を設置する。具体的には、ヒューム管３は、推進機１内にシール材とともに挿入して接続する。また、ヒューム管３と鋼管２は、止水性を具備するアダプタリング４を介して接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、鋼管による推進管の方向可変構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
推進工法において、曲線推進のために、推進機と推進管との間にリング状の樹脂製推力伝達材を設けたり、推進管と推進管との間にリング状の樹脂製推力伝達材を設けたりすることが特許文献１に提案される。
ところで、推進工法で鋼管を使用する場合、従来は、推進機に接続する鋼管を溶接接合していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平７−３４７７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来のように推進機に鋼管を溶接接合した場合、推進機の方向修正が難しく、且つ、方向修正ができても鋼管に偏圧が掛り、鋼管自体が変形する危険があった。
【０００５】
本発明の課題は、鋼管による推進管の方向修正を容易に可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、鋼管による推進管の方向可変構造であって、推進機と前記鋼管との間にヒューム管を設置したことを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の推進管方向可変構造であって、前記ヒューム管は、前記推進機内にシール材とともに挿入して接続したことを特徴とする。
【０００８】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の推進管方向可変構造であって、前記ヒューム管と前記鋼管は、止水性を具備するアダプタリングを介して接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、推進機とヒューム管とのクリアランスで、鋼管による推進管の方向修正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明を適用した推進管方向可変構造の一実施形態の構成を示すもので、初期掘進を示した縦断側面図である。
【図２】図１の矢印Ａ部の拡大図である。
【図３】図２のアダプタリングの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図１は本発明を適用した推進管方向可変構造の一実施形態の構成を示すもので、図中、１は推進機、２は推進用鋼管、３はヒューム管、４はアダプタリング、Ｇは地山、Ｈは立坑、Ｊはジャッキである。
【００１２】
図示のように、立坑Ｈから地山Ｇに対しジャッキＪの推進によって発進するセミシールド機による推進機１と推進用鋼管２の間には、ヒューム管３及びアダプタリング４が介設されている。
すなわち、推進機１の後端部に設けたエンドパイプ１１内に、推進用で緩衝材としてのヒューム管３の前端部が図略のシール材とともに挿入して接続される。
【００１３】
そして、図２に拡大して示したように、ヒューム管３の後端部に設けたエンドパイプ３１内に、推進用鋼管２の前端部に設けたアダプタリング４がシール材５とともに挿入して接続される。
図示例において、シール材５は、図３にも示すように、アダプタリング４の外周に設けられている。
また、アダプタリング４の推進用鋼管２側の端部にフランジ４１が形成されている。
【００１４】
以上、実施形態の推進管方向可変構造によれば、推進機１と推進用鋼管２との間に、推進用で緩衝材を兼ねたヒューム管３を設置することにより、推進機１とヒューム管３とのクリアランスで推進中の方向修正を容易に行える。つまり、推進機１のエンドパイプ１１に対するヒューム管３の揺動と、そのヒューム管３自体の緩衝作用とによる遊びによって、推進中の方向修正を容易に行うことができる。
【００１５】
さらに、ヒューム管３のエンドパイプ３１に対する推進用鋼管２の揺動も許容されることによって、方向修正時の推進用鋼管２の変形も防止できる。
【００１６】
また、ヒューム管３は推進機１のエンドパイプ１１内にシール材とともに挿入して接続するので、そのクリアランスからの漏水も発生しない。
【００１７】
そして、ヒューム管３と推進用鋼管２との接続部は、シール材５による止水性を具備したアダプタリング４で接続したので、そのクリアランスからも漏水は発生しない。
【００１８】
なお、以上の実施形態の他、具体的な細部構造等について適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００１９】
１ 推進機
１１ エンドパイプ
２ 推進用鋼管
３ ヒューム管
３１ エンドパイプ
４ アダプタリング
５ シール材
Ｇ 地山
Ｈ 立坑
Ｊ ジャッキ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、鋼管による推進管の方向可変構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
推進工法において、曲線推進のために、推進機と推進管との間にリング状の樹脂製推力伝達材を設けたり、推進管と推進管との間にリング状の樹脂製推力伝達材を設けたりすることが特許文献１に提案される。
ところで、推進工法で鋼管を使用する場合、従来は、推進機に接続する鋼管を溶接接合していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平７−３４７７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来のように推進機に鋼管を溶接接合した場合、推進機の方向修正が難しく、且つ、方向修正ができても鋼管に偏圧が掛り、鋼管自体が変形する危険があった。
【０００５】
本発明の課題は、鋼管による推進管の方向修正を容易に可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、鋼管による推進管の方向可変構造であって、推進機と前記鋼管との間にヒューム管を設置したことを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の推進管方向可変構造であって、前記ヒューム管は、前記推進機内にシール材とともに挿入して接続したことを特徴とする。
【０００８】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の推進管方向可変構造であって、前記ヒューム管と前記鋼管は、止水性を具備するアダプタリングを介して接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、推進機とヒューム管とのクリアランスで、鋼管による推進管の方向修正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明を適用した推進管方向可変構造の一実施形態の構成を示すもので、初期掘進を示した縦断側面図である。
【図２】図１の矢印Ａ部の拡大図である。
【図３】図２のアダプタリングの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図１は本発明を適用した推進管方向可変構造の一実施形態の構成を示すもので、図中、１は推進機、２は推進用鋼管、３はヒューム管、４はアダプタリング、Ｇは地山、Ｈは立坑、Ｊはジャッキである。
【００１２】
図示のように、立坑Ｈから地山Ｇに対しジャッキＪの推進によって発進するセミシールド機による推進機１と推進用鋼管２の間には、ヒューム管３及びアダプタリング４が介設されている。
すなわち、推進機１の後端部に設けたエンドパイプ１１内に、推進用で緩衝材としてのヒューム管３の前端部が図略のシール材とともに挿入して接続される。
【００１３】
そして、図２に拡大して示したように、ヒューム管３の後端部に設けたエンドパイプ３１内に、推進用鋼管２の前端部に設けたアダプタリング４がシール材５とともに挿入して接続される。
図示例において、シール材５は、図３にも示すように、アダプタリング４の外周に設けられている。
また、アダプタリング４の推進用鋼管２側の端部にフランジ４１が形成されている。
【００１４】
以上、実施形態の推進管方向可変構造によれば、推進機１と推進用鋼管２との間に、推進用で緩衝材を兼ねたヒューム管３を設置することにより、推進機１とヒューム管３とのクリアランスで推進中の方向修正を容易に行える。つまり、推進機１のエンドパイプ１１に対するヒューム管３の揺動と、そのヒューム管３自体の緩衝作用とによる遊びによって、推進中の方向修正を容易に行うことができる。
【００１５】
さらに、ヒューム管３のエンドパイプ３１に対する推進用鋼管２の揺動も許容されることによって、方向修正時の推進用鋼管２の変形も防止できる。
【００１６】
また、ヒューム管３は推進機１のエンドパイプ１１内にシール材とともに挿入して接続するので、そのクリアランスからの漏水も発生しない。
【００１７】
そして、ヒューム管３と推進用鋼管２との接続部は、シール材５による止水性を具備したアダプタリング４で接続したので、そのクリアランスからも漏水は発生しない。
【００１８】
なお、以上の実施形態の他、具体的な細部構造等について適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００１９】
１ 推進機
１１ エンドパイプ
２ 推進用鋼管
３ ヒューム管
３１ エンドパイプ
４ アダプタリング
５ シール材
Ｇ 地山
Ｈ 立坑
Ｊ ジャッキ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
鋼管による推進管の方向可変構造であって、
推進機と前記鋼管との間にヒューム管を設置したことを特徴とする推進管方向可変構造。
【請求項２】
前記ヒューム管は、前記推進機内にシール材とともに挿入して接続したことを特徴とする請求項１に記載の推進管方向可変構造。
【請求項３】
前記ヒューム管と前記鋼管は、止水性を具備するアダプタリングを介して接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の推進管方向可変構造。
【請求項１】
鋼管による推進管の方向可変構造であって、
推進機と前記鋼管との間にヒューム管を設置したことを特徴とする推進管方向可変構造。
【請求項２】
前記ヒューム管は、前記推進機内にシール材とともに挿入して接続したことを特徴とする請求項１に記載の推進管方向可変構造。
【請求項３】
前記ヒューム管と前記鋼管は、止水性を具備するアダプタリングを介して接続したことを特徴とする請求項１または２に記載の推進管方向可変構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−３６５９７（Ｐ２０１２−３６５９７Ａ）
【公開日】平成２４年２月２３日（２０１２．２．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１７５８３５（Ｐ２０１０−１７５８３５）
【出願日】平成２２年８月５日（２０１０．８．５）
【出願人】（０００１９５９７１）西松建設株式会社 (329)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月２３日（２０１２．２．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月５日（２０１０．８．５）
【出願人】（０００１９５９７１）西松建設株式会社 (329)
【Ｆターム（参考）】
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