説明

提供商品確認装置、プログラム、および提供商品確認方法

【課題】顧客から注文を受けた商品を間違えることなく提供する。
【解決手段】実施形態の提供商品確認装置は、登録手段と、画像取込手段と、商品認識手段と、確認手段と、報知手段と、を備える。前記登録手段は、注文商品の売上登録を行う。前記画像取込手段は、撮像画像を取り込む。前記商品認識手段は、前記取り込んだ撮像画像に含まれる商品の画像から当該商品を認識する。前記確認手段は、前記認識された商品が、前記売上登録が行われた注文商品であるか否かを、前記認識された商品毎に確認する。前記報知手段は、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、提供商品確認装置、プログラム、および提供商品確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗では、顧客から注文を受けた際に、顧客に提供する商品を用意し、用意した商品が注文商品であるか否かを店員が目視で確認した上で、用意した商品をトレーに載せてあるいは袋詰めして顧客に提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した商品の提供形態を採用する店舗側には、注文商品を間違えることなく提供することが要求される。しかしながら、店舗側は、顧客から受けた注文に従って商品を用意するが、注文商品のパッケージが他の商品のパッケージに見分け難い場合等、注文商品に類似した商品を用意してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の提供商品確認装置は、登録手段と、画像取込手段と、商品認識手段と、確認手段と、報知手段と、を備える。前記登録手段は、注文商品の売上登録を行う。前記画像取込手段は、撮像画像を取り込む。前記商品認識手段は、前記取り込んだ撮像画像に含まれる商品の画像から当該商品を認識する。前記確認手段は、前記認識された商品が、前記売上登録が行われた注文商品であるか否かを、前記認識された商品毎に確認する。前記報知手段は、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、POS端末を示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルF1のデータ構成を例示する概念図である。
【図4】図4は、本実施形態にかかるPOS端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、本実施形態にかかるPOS端末における提供商品確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、店舗側が用意した提供商品が売上登録された注文商品であるか否かを確認する処理を説明するための図である。
【図7】図7は、店舗側が用意した提供商品が売上登録された注文商品であるか否かを確認する処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、一取引にかかる商品の登録、清算を行うPOS(Point Of Sales)端末を例に本実施形態にかかる提供商品確認装置、プログラム、および提供商品確認方法について、図面を参照して説明する。本実施形態は、顧客からの注文を受けた際に、顧客に提供する提供商品を用意し、用意した提供商品が注文商品であるか否かを確認した上で、提供商品をトレーに載せてあるいは袋詰めして顧客に提供するファーストフード店等の店舗に導入されたPOS端末への適用例である。
【0007】
図1は、POS端末を示す斜視図である。図1に示すように、POS端末11は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うものである。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。チェックアウト台51は、ドロワ21が載置された面と同一面上に荷受面52を有している。荷受面52には、顧客からの注文を受けて店舗側が顧客に提供する提供商品を載置する商品トレー53が載置される。なお、提供商品を載置するものは、トレー状のものに限るものではなく、ドーナツ店等の店舗において用いられる紙箱などであっても良い。
【0008】
POS端末11の上面には、オペレータ(ユーザ)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層配置されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0009】
また、POS端末11の側面には、荷受台52上の商品トレー53に載置された提供商品の商品画像を含む画像を撮像する撮像部28を支持するアーム27が取り付けられている。オペレータによって荷受台52上に置かれた商品トレー53には、顧客に提供する提供商品が載置されている。撮像部28は、商品トレー53上に載置された提供商品の商品画像を含む画像を撮像する。POS端末11は、顧客からの注文を受けて、注文商品の売上登録を行う。次いで、POS端末11は、撮像部28により撮像された撮像画像に含まれる商品画像から提供商品を認識する。そして、POS端末11は、認識された提供商品が、売上登録を行った注文商品であるか否かを確認する。これにより、POS端末11は、売上登録を行った注文商品と、認識した提供商品とに相違がないこと確認する機能を店舗に提供する。
【0010】
図2は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0011】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0012】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、締めキー22f、および商品名や商品画像などが上面に表示され顧客から注文を受けた注文商品の売上登録を指示するための売上登録キー22gを含む。
【0013】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、提供商品確認処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1や閾値ファイルF2である。
【0014】
PLUファイルF1は、商品の各々について、売上登録する注文商品に関わる情報と、その注文商品の商品画像(基準画像)とを対応付けて記憶する商品マスタファイルである。図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、商品ごとに、ユニークに割り当てられた商品ID、提供商品が属する商品分類、商品名、単価などの商品に関わる情報と、その商品を撮像した基準画像と、を記憶するファイルである。このようなPLUファイルF1は、注文対象となる商品群(主食、副食、デザート、ドリンク等)によって分けられている。
【0015】
閾値ファイルF2は、「類似度:0.XX」という閾値を格納するファイルである。詳細は後述するが、この「類似度:0.XX」という閾値は、注文商品とは異なる商品が商品トレー53上に用意された場合などは、撮像部28により撮像された画像に含まれる商品画像と、予めPLUファイルF1に記憶していた商品の基準画像と比較することで、商品トレー53上に用意された商品が注文商品とは異なる商品であると判断することが可能となる。このような閾値ファイルF2も、対象となる商品群(パン、青果、惣菜等)によって分けられている。
【0016】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0017】
さらに、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容をレシートに印字する。また、POS端末11のCPU61には、撮像部28が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部2は、CPU61によって動作が制御される。
【0018】
撮像部28は、カラーCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであり、CPU61の制御の下で商品トレー53上に載置された提供商品の商品画像を含む画像の撮像を行う。例えば、撮像部28は、30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部28が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM63に保存される。
【0019】
次に、CPU61がプログラムを順次実行することで実現されるCPU61の機能部について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態にかかるPOS端末の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、CPU61は、プログラムを順次実行することにより、商品登録部611、撮像画像取込部612、商品検出部613、物体認識部614、確認部615、報知部616としての機能を備える。
【0020】
商品登録部611は、商品マスタファイルF1から、売上登録キー22gにより売上登録が指示された注文商品に関わる情報として、売上登録が指示された注文商品の商品ID、商品分類、商品名、単価、商品画像などを読み出す。そして、商品登録部611は、読み出した商品ID、商品分類、商品名、単価などの商品に関わる情報を売上マスタファイルなどに記録して、注文商品の売上登録を行うものである。
【0021】
撮像画像取込部612は、撮像部28に撮像オン信号を出力して撮像部28に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部612は、撮像動作開始後に撮像部28が撮像してRAM63に保存されたフレーム画像(撮像画像)を順次取り込む。撮像画像取込部612によるフレーム画像の取り込みは、RAM63に保存された順に行われる。
【0022】
商品検出部613は、撮像画像取込部612により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品画像の全部または一部を、パターンマッチング技術などを用いて検出する。具体的には、商品検出部613は、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線などを抽出する。次いで、商品検出部613は、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、商品トレー53に載置された提供商品の商品画像の写り込みを検出する。
【0023】
なお、提供商品の商品画像を検出する別の方法としては、商品検出部613は、取り込まれたフレーム画像から商品トレー53の画像を検出する。次いで、商品検出部613は、商品トレー53の画像が検出された場合、上述した輪郭線の検出を行うことで、商品トレー53に載置されていると想定される提供商品の商品画像の輪郭抽出を試みる。そして、商品検出部613は、商品トレー53の輪郭と、それ以外の輪郭とが検出された場合には、商品トレー53に提供商品が載置されていることから、提供商品の商品画像の写り込みを検出する。
【0024】
物体認識部614は、商品検出部613により提供商品の商品画像の写り込みが検出された場合に、PLUファイルF1の商品画像を参照して、撮像画像取込部612により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品画像から提供商品を認識する商品認識部である。具体的には、物体認識部614は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、取り込まれたフレーム画像に含まれる提供商品の全部または一部の商品画像から、特徴量として色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として、商品トレー53に載置された提供商品を認識する。なお、物体認識部614は、処理時間の短縮を図るため、フレーム画像に含まれる商品画像の輪郭や大きさは考慮しないものとする。
【0025】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0026】
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0027】
本実施形態では、物体認識部614は、認識した提供商品について類似度を算出する。次いで、物体認識部614は、類似度が閾値ファイルF2において予め定められた閾値を超えているか否かを判定する。類似度は、PLUファイルF1に記憶されている各提供商品の商品画像を100%=「類似度:1.0」とした場合に、撮像画像取込部612により取り込まれたフレーム画像に含まれる提供商品の全部または一部の商品画像がどの程度類似しているかを示すものである。物体認識部614は、フレーム画像に含まれる商品画像から読み取った、例えば色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態に応じて類似度を算出する。なお、色合いと表面の凹凸状況とには、重み付けを変えるようにしても良い。
【0028】
そして、物体認識部614は、算出した類似度が予め定められた閾値(「類似度:0.XX」)を超えていると判定した場合、PLUファイルF1から、認識した提供商品の商品画像と対応付けられた商品に関わる情報(商品ID、商品分類、商品名、単価など)を読み出し、読み出した情報をRAM63に一時的に記憶させる。
【0029】
確認部615は、物体認識部614に認識された提供商品が、売上マスタファイルに商品に関わる情報を記録した注文商品(売上登録を行った商品)であるか否かを、認識された提供商品毎に確認する。本実施形態では、確認部615は、物体認識部614によりRAM63に記憶された商品に関わる情報と売上マスタファイルに記憶した商品に関わる情報とを比較して、認識された提供商品と売上登録を行った注文商品とが一致するか否かを判断する。そして、確認部615は、売上登録された注文商品のうち少なくとも1つが認識された提供商品の中に含まれていなかった場合、認識された提供商品と売上登録された注文商品とが異なると判断する。
【0030】
報知部616は、認識された商品が売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知するものである。具体的には、報知部616は、売上登録された注文商品のうち少なくとも1つが認識された提供商品の中に含まれていなかった場合、つまり、認識された提供商品が売上登録された注文商品ではないことが確認された場合、認識された提供商品の提供を禁止するメッセージを表示デバイス23に表示して、確認結果を報知する。
【0031】
また、報知部616は、認識された提供商品が売上登録された注文商品ではないことが確認された場合、認識された提供商品のうち売上登録された注文商品でないことが確認された提供商品に関わる情報(RAM63に記憶された商品に関わる情報)を表示デバイス23に表示して、当該認識された提供商品のうち売上登録された注文商品でないことが確認された商品に関わる情報を報知する。これにより、店舗側は、認識された提供商品の中から、売上登録されていない注文商品を容易に特定することができる。
【0032】
また、報知部616は、売上登録された注文商品の全てが認識された提供商品の中に含まれていた場合、つまり、認識された提供商品が売上登録された注文商品であること確認された場合、認識された提供商品の提供を許可するメッセージを表示デバイス23に表示して、確認結果を報知する。
【0033】
なお、本実施形態では、報知部616は、表示デバイス23にメッセージを表示することにより、認識された提供商品が売上登録された注文商品であるか否かの確認結果を報知しているが、これに限定するものではない。例えば、報知部616は、POS端末11が予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどを備える場合には、警告音などの音声により、認識された提供商品が売上登録された注文商品であるか否かの確認結果を報知しても良い。
【0034】
次に、図5を用いて、店舗側が用意した商品が売上登録された商品であるか否かを確認する提供商品確認処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態にかかるPOS端末における提供商品確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
売上登録キー22gが押下されると、商品登録部611は、PLUマスタファイルF1から、顧客からの注文を受けて売上登録が指示された注文商品の商品に関わる情報を読み出し、読み出した商品に関わる情報を売上マスタファイルに記録することにより、注文商品の売上登録を行う(ステップS501)。
【0036】
注文商品の売上登録が行われると、撮像画像取込部612は、撮像部28に撮像オン信号を出力して撮像部28に撮像動作を開始させる(ステップS502)。さらに、撮像画像取込部612は、撮像部28が撮像してRAM63に保存されたフレーム画像を取り込む(ステップS503)。
【0037】
次いで、撮像画像取込部612によりフレーム画像が取り込まれ、商品検出部613により提供商品の商品画像の写り込みが検出されると、物体認識部614は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、取り込んだフレーム画像に含まれる提供商品の全部または一部の商品画像から、色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として、商品トレー53に載置された提供商品を認識する(ステップS504)。
【0038】
また、本実施形態では、物体認識部614は、認識した提供商品の類似度を算出し、算出した類似度が予め設定された閾値を超えているか判定する。そして、物体認識部614は、算出した類似度が予め設定された閾値を超えていると判定した場合、PLUファイルF1から、認識した提供商品の商品に関わる情報を読み出し、RAM63に一時記憶させる。
【0039】
商品トレー53に載置された提供商品が認識されると、確認部615は、RAM63に一時記憶された商品に関わる情報と売上マスタファイルに記憶された商品に関わる情報とを比較する。つまり、確認部615は、認識された提供商品と注文商品(売上登録された商品)とを比較して、認識された提供商品が注文商品と一致するかを、認識された提供商品毎に確認する(ステップS505)。
【0040】
そして、注文商品の全てが、認識された提供商品と一致した場合(ステップS506:Yes)、報知部616は、認識された提供商品の提供を許可するメッセージを表示デバイス23に表示して、店舗側が用意した提供商品(認識された提供商品)が注文通りであることを報知する(ステップS507)。例えば、報知部616は、注文商品の全てが、認識された提供商品と一致した場合、商品トレー53に載置された提供商品の袋詰めを許可するメッセージを、認識された提供商品の提供を許可するメッセージとして表示デバイス23に表示しても良い。
【0041】
一方、注文商品の少なくとも一つが認識された提供商品と一致しなかった場合(ステップS506:No)、報知部616は、認識された提供商品の提供を禁止するメッセージを表示デバイス23に表示して、店舗側が用意した商品が注文とは異なることを報知する(ステップS508)。なお、報知部616は、物体認識部614によって認識した提供商品の類似度が予め設定された閾値を超えていないと判定された場合にも、店舗側が用意した商品が注文とは異なることを報知しても良い。
【0042】
次に、図6および図7を用いて、店舗側が用意した提供商品が売上登録された注文商品であるか否かを確認する処理の一例について説明する。図6および図7は、店舗側が用意した提供商品が売上登録された注文商品であるか否かを確認する処理を説明するための図である。
【0043】
例えば、図6に示すように、商品登録部611によって顧客から注文された注文商品A〜Cの売上登録が行われ、かつ撮像画像取込部612によって商品トレー53に載置された提供商品A´〜C´の商品画像601〜603を含むフレーム画像600が取り込まれた場合、物体認識部614は、取り込まれたフレーム画像600に含まれる商品画像601〜603から、提供商品A´〜C´を認識する。そして、確認部615は、物体認識部614により認識された提供商品A´〜C´(用意した商品)と、商品登録部611により売上登録された注文商品A〜Cと、が一致することを確認する。
【0044】
一方、図7に示すように、商品登録部611によって顧客から注文された注文商品A〜Cの売上登録が行われ、かつ撮像画像取込部612によって商品トレー53に載置された提供商品B´,C´,D´の商品画像602,603,701を含むフレーム画像700が取り込まれた場合、物体認識部614は、取り込まれたフレーム画像700に含まれる商品画像602,603,701から、提供商品B´,C´,D´を認識する。そして、確認部615は、物体認識部614により認識された提供商品B´,C´,D´と、商品登録部611により売上登録された注文商品A〜Cと、が異なることを確認する。具体的には、確認部615は、物体認識部614により認識された提供商品D´が、商品登録部611により売上登録された注文商品A〜Cと一致しないことを確認する。
【0045】
このように本実施形態にかかるPOS端末11によれば、注文商品の売上登録を行い、撮像画像を取り込み、取り込んだ撮像画像に含まれる提供商品の商品画像から提供商品を認識し、認識された提供商品が、売上登録を行った注文商品であるか否かを、認識された提供商品毎に確認し、認識された商品が売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知することにより、POS端末11のオペレータが提供商品と注文商品とが一致するか否かを目視で確認する必要がなくなるので、売上登録を行った注文商品を間違えることなく提供することができる。また、店舗側が用意した提供商品を認識することができるので、予め設定された複数の商品の組み合わせからなるセット商品の確認だけでなく、単品の組み合わせからなる商品の確認も行うことができる。
【0046】
なお、本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0047】
さらに、本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0048】
本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムは、上述した各部(商品登録部611、撮像画像取込部612、商品検出部613、物体認識部614、確認部615、報知部616)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ商品登録部611、撮像画像取込部612、商品検出部613、物体認識部614、確認部615、報知部616が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0049】
なお、本実施形態においては、POS端末11側に商品登録部611、撮像画像取込部612、商品検出部613、物体認識部614、確認部615、報知部616を備えるようにしたが、これに限るものではなく、ストアコンピュータSCなどの外部機器側に商品登録部611、撮像画像取込部612、商品検出部613、物体認識部614、確認部615、報知部616を備えるようにしても良い。この場合、外部機器が提供商品確認装置となる。
【0050】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
11 POS端末
28 撮像部
611 商品登録部
612 撮像画像取込部
614 物体認識部
615 確認部
616 報知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開平4−156687号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文商品の売上登録を行う登録手段と、
撮像画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込んだ撮像画像に含まれる商品の画像から当該商品を認識する商品認識手段と、
前記認識された商品が、前記売上登録が行われた注文商品であるか否かを、前記認識された商品毎に確認する確認手段と、
前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知する報知手段と、
を備えた提供商品確認装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品ではないことが確認された場合、前記認識された商品の提供を禁止するメッセージを前記表示部に表示して、前記確認結果を報知する請求項1に記載の提供商品確認装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であることが確認された場合、前記認識された商品の提供を許可するメッセージを前記表示部に表示して、前記確認結果を報知する請求項1または2に記載の提供商品確認装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品ではないことが確認された場合、前記認識された商品のうち、前記売上登録が行われた注文商品と異なる商品に関わる情報を報知する請求項1から3のいずれか一に記載の提供商品確認装置。
【請求項5】
コンピュータを、
注文商品の売上登録を行う登録手段と、
撮像画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込んだ撮像画像に含まれる商品の画像から当該商品を認識する商品認識手段と、
前記認識された商品が、前記売上登録が行われた注文商品であるか否かを、前記認識された商品毎に確認する確認手段と、
前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知する報知手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
提供商品確認装置で実行される提供商品確認方法であって、
前記提供商品確認装置は、制御部を備え、
注文商品の売上登録を行う登録手段と、
画像取込手段が、撮像画像を取り込む工程と、
物体認識手段が、前記取り込んだ撮像画像に含まれる商品の画像から当該商品を認識する工程と、
確認手段が、前記認識された商品が、前記売上登録が行われた注文商品であるか否かを、前記認識された商品毎に確認する工程と、
報知手段が、前記認識された商品が前記売上登録が行われた注文商品であるか否かの確認結果を報知する工程と、
を有する提供商品確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−8103(P2013−8103A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138823(P2011−138823)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】