揚げ物調理装置及び揚げ物調理方法
【課題】オイルを大量に使用することも、揚げ物独特の旨みを失わせることもなく、被調理物を揚げられるようにする。また、更に、オイル独特のギラギラ感、ベトベト感をなくし、より旨みを引き出す。
【解決手段】本発明の揚げ物調理装置9は、被調理物Tを、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置10と、該加熱装置10で加熱した後に、被調理物Tの表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置20と、該揚げ装置20で揚げた後に、被調理物Tの表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置30とを含み構成されている。
【解決手段】本発明の揚げ物調理装置9は、被調理物Tを、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置10と、該加熱装置10で加熱した後に、被調理物Tの表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置20と、該揚げ装置20で揚げた後に、被調理物Tの表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置30とを含み構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天ぷら、唐揚げ等の揚げ物を調理するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大企業から家庭にいたるまで、現時点での揚げ物の調理方法では、油槽に150〜190℃の熱油を貯え、その熱油の中に、粉材を塗した被調理物を浸して揚げるのが通常である。
【0003】
また、油を使用せずに揚げ物に類する食品を調理する、揚げ物類食品の調理方法としては、特許文献1に示すものが開示されている。その特許文献1の調理方法では、粉材を塗した被調理物に過熱水蒸気を噴射して直接加熱し、これにより、揚げ物に類する揚げ物類食品を調理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−149207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通常の揚げ物の調理方法では、熱油によって、被調理物を芯まで加熱するとともに、表面をカラッと揚げて旨みを引き出すが、大量に発生する古い油の廃棄処分等が問題となる。
【0006】
また、特許文献1の揚げ物類食品の製造方法では、油を使用しないため、油の廃棄処分が問題となることはないが、表面がカラッとした揚げ物独特の旨みを引き出すことはできない。
【0007】
そこで、油を大量に使用することも、揚げ物独特の旨みを失わせることもなく、被調理物を揚げられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の揚げ物調理装置は、被調理物を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置と、該加熱装置で加熱した後に、前記被調理物の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置とを含み構成されている。
【0009】
ここで、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、炉内に複数のエリアを備えた調理炉と、前記被調理物を前記調理炉内の第1エリア、第2エリアの順に移送する移送装置とを備え、前記加熱装置は、前記過熱水蒸気を前記第1エリアに送ることによって、前記被調理物を加熱し、前記揚げ装置は、前記オイルミストを前記第2エリアに送ることによって、前記被調理物の表面を揚げることが好ましい。加熱及び揚げを連続的に自動で行うことができるからである。
【0010】
ここで、前記揚げ装置は、特に限定されないが、前記オイルミストを噴射するオイルノズルと、該オイルノズルから噴射されたオイルミストが前記被調理物に直線的に到達するのを防止する邪魔板と、前記オイルミストを対流させる送風機とを含み構成されていることが好ましい。オイルを被調理物の表面に均等に行き渡らせることができるからである。
【0011】
また、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、前記揚げ装置で揚げた後に、前記被調理物の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置を備えていることが好ましい。より旨みを引き出すことができるからである。
【0012】
ここで、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、炉内に複数のエリアを備えた調理炉と、前記被調理物を前記調理炉内の第1エリア、第2エリア、第3エリアの順に移送する移送装置とを備え、前記加熱装置は、前記過熱水蒸気を前記第1エリアに送ることによって、前記被調理物を加熱し、前記揚げ装置は、前記オイルミストを前記第2エリアに送ることによって、前記被調理物の表面を揚げ、前記油きり装置は、前記冷水ミストを前記第3エリアに送ることによって、前記被調理物の表面からオイルを飛ばすことが好ましい。加熱、揚げ及び油きりを連続的に自動で行うことができるからである。
【0013】
ここで、前記油きり装置は、特に限定されないが、前記冷水ミストを噴射する冷水ノズルと、該冷水ノズルから噴射された冷水ミストが前記被調理物に直線的に到達するのを防止する邪魔板と、前記冷水ミストを対流させる送風機とを含み構成されていることが好ましい。冷水を被調理物の表面に均等に行き渡らせることができるからである。
【0014】
また、同目的を達成するため、本発明の揚げ物調理方法では、被調理物を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱した後、該被調理物の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる。
【0015】
ここで、前記揚げ物調理方法は、特に限定されないが、前記オイルミストで揚げた後、前記被調理物の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばすことが好ましい。より旨みを引き出すことができるからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被調理物を、まず初めに過熱水蒸気で加熱することにより、オイルで加熱する必要性を減らし、オイルの使用量を抑えることができる。また、更に、該過熱水蒸気での加熱後には、被調理物の表面にオイルをオイルミストで効率よく行き渡らせることによって、少量のオイルで、揚げ物独特の旨みを引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例の揚げ物調理装置の全体を示す正面断面図である。
【図2】同実施例の揚げ物調理装置の全体を示す平面断面図である。
【図3】同実施例の加熱装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【図4】同実施例の揚げ装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【図5】同実施例の油きり装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
図1〜図5に示す本実施例の揚げ物調理装置8は、次に示す調理炉9と、加熱装置10,10・・と、揚げ装置20と、油きり装置30と、移送装置40とを含み構成されている。
【0019】
[調理炉9]
調理炉9は、被調理物Tを調理するための炉である。この調理炉9は、正面視で環状に設けられており、右上部分に出入口9oを備え、該出入口9oから近い順に正面視で左回りに、第1エリア9aと、第2エリア9bと、第3エリア9cとの3つのエリアを順に備えている。この調理炉9内の使用時の温度は、被調理物T等の各条件に合わせて適宜設定可能であるが、100〜300℃程度である。
【0020】
[加熱装置10,10・・]
加熱装置10,10・・は、第1エリア9a内に過熱水蒸気を送る装置であって、第1エリア9aの外壁に複数個並設されている。各加熱装置10は、次に示す、水蒸気循環室11と、水蒸気ノズル15,15と、送風機16と、ヒータ19,19・・とを含み構成されている。
【0021】
水蒸気循環室11は、第1エリア9aの外側に設けられており、該水蒸気循環室11と第1エリア9aとの間を仕切る壁部12には、該水蒸気循環室11から第1エリア9aに連通する流入孔13と流出孔14,14とが設けられている。そして、その壁部12は、後述する水蒸気ノズル15,15から噴射された過熱水蒸気が被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該水蒸気循環室11には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0022】
水蒸気ノズル15,15は、水蒸気循環室11に過熱水蒸気を、所定のタイミング又は不特定(ランダム)のタイミングで噴射するためのノズルである。該水蒸気ノズル15,15が噴射する過熱水蒸気の温度は、適宜設定可能であるが、出入口9oよりのいくつかの加熱装置10,10・・で噴射する過熱水蒸気の温度は、100〜130℃程度であり、それ以外の奥の加熱装置10,10・・で噴射する過熱水蒸気の温度は、300〜400℃程度である。
【0023】
送風機16は、水蒸気循環室11内に噴射された過熱水蒸気を、第1エリア9a内に対流させるための装置であって、水蒸気循環室11内に設けられたフィン17と、該フィン17を回転駆動する、水蒸気循環室11の外部に設けられたモータ18とを含み構成されている。該送風機16が送る風の強さは、適宜設定可能であるが、最も出入口9oよりの加熱装置10の送風機16と、最も第2エリア9bよりの加熱装置10の送風機16とは、他の加熱装置10,10・・の送風機16,16・・よりも強くなっており、それによって、第1エリア9a内の過熱水蒸気が外部に出難くなっている。
【0024】
ヒータ19,19・・は、水蒸気循環室11内に設けられており、第1エリア9a内の過熱水蒸気及び空気の温度を調節するために設けられている。
【0025】
[揚げ装置20]
揚げ装置20は、第2エリア9b内にオイルミストを送る装置であって、第2エリア9bの外壁に設けられている。この揚げ装置20は、次に示す、オイルミスト循環室21と、オイルノズル25,25と、送風機26とを含み構成されている。
【0026】
オイルミスト循環室21は、第2エリア9bの外側に設けられており、該オイルミスト循環室21と第2エリア9bとの間を仕切る壁部22には、該オイルミスト循環室21から第2エリア9bに連通する流入孔23と流出孔24,24とが設けられている。そして、その壁部22は、後述するオイルノズル25から噴射されたオイルミストが被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該オイルミスト循環室21には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0027】
オイルノズル25は、オイルミスト循環室21にオイルミストを所定のタイミングで噴射するためのノズルである。このオイルノズル25の基端側は、図示しないタンクとコンプレッサとに接続され、先端部は、オイルミスト循環室21に接続されている。そして、タンクから供給される30〜200℃程度のオイルを、コンプレッサから供給される0.2〜0.5MPa程度のエアーの圧力で、該エアーと混合しつつ吹き飛ばすことによって、オイルミスト循環室21にオイルミストを0.1〜0.2秒間噴射する。該オイルミストを噴射するタイミングは、後述する移送装置40によって移送されている被調理物Tが揚げ装置20に最接近するタイミング又はその直前のタイミングであり、該被調理物Tがきたことは図示しないセンサによって感知する。
【0028】
送風機26は、オイルミスト循環室21に噴射したオイルミストを、第2エリア9b内に対流させるための装置であって、オイルミスト循環室21内に設けられたフィン27と、該フィン27を回転駆動する、オイルミスト循環室21の外部に設けられたモータ28とを含み構成されている。
【0029】
[油きり装置30]
油きり装置30は、第3エリア9c内に冷水ミストを送る装置であって、第3エリア9cの外壁に設けられている。この油きり装置30は、次に示す、冷水ミスト循環室31と、冷水ノズル35,35と、送風機36とを含み構成されている。
【0030】
冷水ミスト循環室31は、第3エリア9cの外側に設けられており、該冷水ミスト循環室31と第3エリア9cとの間を仕切る壁部32には、該冷水ミスト循環室31から第3エリア9cに連通する流入孔33と流出孔34,34とが設けられている。そして、その壁部32は、後述する冷水ノズル35から噴射された冷水ミストが被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該冷水ミスト循環室31には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0031】
冷水ノズル35は、冷水ミスト循環室31に冷水ミストを所定のタイミングで噴射するためのノズルである。この冷水ノズル35の基端側は、図示しないタンクとコンプレッサとに接続され、先端部は、冷水ミスト循環室31に接続されている。そして、タンクから供給される15〜30℃程度の冷水を、コンプレッサから供給される0.2〜0.5MPa程度のエアーの圧力で、該エアーと混合しつつ吹き飛ばすことによって、冷水ミスト循環室31に冷水ミストを0.1〜0.2秒間噴射する。該冷水ミストを噴射するタイミングは、後述する移送装置40によって移送されている被調理物Tが油きり装置30に最接近するタイミング又はその直前のタイミングであり、該被調理物Tがきたことは図示しないセンサによって感知する。
【0032】
送風機36は、冷水ミスト循環室31に噴射したオイルミストを、第3エリア9c内に対流させるための装置であって、冷水ミスト循環室31内に設けられたフィン37と、該フィン37を回転駆動する、冷水ミスト循環室31の外部に設けられたモータ38とを含み構成されている。
【0033】
[移送装置40]
移送装置40は、被調理物Tを、出入口9o、第1エリア9a、第2エリア9b、第3エリア9c、再び出入口9oの順に移送する装置である。この移送装置40は、次に示す、4対のスプロケット41,41・・と、2本のチェーン42,42と、8つのトレイ43,43・・と、駆動装置46とを含み構成されている。
【0034】
4対のスプロケット41,41・・は、調理炉9内における正面視での左上、左下、右下、右上の四隅に一対ずつ設けられており、各一対のスプロケット41,41は、前後方向に間隔をおいて設けられている。
【0035】
2本のチェーン42,42は、そのうちの一方は、前側の4つのスプロケット41,41・・に架けられており、他方は、後側の4つのスプロケット41,41・・に架けられている。
【0036】
8つのトレイ43,43・・は、被調理物Tを載せるための網状の部材であって、2本のチェーン42,42に、その長さ方向に略等間隔に並設された8つの被取付部44,44・・に、取外し可能に取り付けられている。各被取付部44は、2本のチェーン42,42に対して前後方向を軸に回動可能に取り付けられており、その下部の前後両端部には、カウンターウェイト45,45が設けられたことによって、トレイ43の上面が常に上を向くようになっている。
【0037】
駆動装置46は、4対のスプロケット41,41・・のうちの一対を回転駆動する装置であって、モータ47と、その動力を該一対のスプロケット41,41のそれぞれに伝える動力伝達機構48とを含み構成されている。この駆動装置46で一対のスプロケット41,41を回転駆動する速さは、適宜設定可能であるが、調理炉9内で各トレイ43を一周させるまでにかかる時間は、2〜5分程度となっている。
【0038】
以上に示した揚げ物調理装置8を用いて実際に被調理物Tを揚げる際のようすを{1}被調理物Tの搬入、{2}過熱水蒸気による加熱、{3}オイルミストによる加熱、{4}冷水ミストによる油きり、{5}被調理物Tの搬出 の順に以下に説明する。
【0039】
{1}被調理物Tの搬入
出入口9oにきたトレイ43の上面に、作業者が、紛材を塗した被調理物Tを載置することによって、被調理物Tを搬入する。
【0040】
{2}過熱水蒸気による加熱
次に、図3に示すように、被調理物Tを載せたトレイ43は、第1エリア9aに移送される。ここで、加熱装置10から送られる過熱水蒸気熱風により、被調理物Tが芯まで加熱される。この第1エリア9aでの滞在時間は、1〜3分程度である。
【0041】
{3}オイルミストによる加熱
次に、図4に示すように、被調理物Tを載せたトレイ43は、第2エリア9bに移送される。ここで、揚げ装置20から送られるオイルミストにより、被調理物Tの表面が揚げられる。この第2エリア9bでの滞在時間は、20秒〜1分程度である。
【0042】
{4}冷水による油きり
次に、図5に示すように、被調理物Tを載せたトレイは、第3エリア9cに移送され、ここでる。ここで、油きり装置30から送られる冷水ミストにより、被調理物Tの表面からオイルが飛ばされる。この第3エリア9cでの滞在時間は、20秒〜1分程度である。
【0043】
{5}被調理物の搬出
次に、被調理物Tを載せたトレイは、再び出入口9oに移送され、ここで、作業者が、被調理物Tを回収することによって被調理物Tが搬出される。
【0044】
本実施例によれば、次の[A]〜[G]の効果を得ることができる。
[A]被調理物Tを、まず初めに過熱水蒸気で芯まで加熱することにより、オイルで加熱する必要性を減らし、オイルの使用量を抑えることができる。
[B]過熱水蒸気で過熱することによって、旨みを被調理物T内に閉じ込めることができる。
[C]過熱水蒸気での加熱後には、被調理物Tの表面にオイルをオイルミストで効率よく行き渡らせることによって、必要最小限のオイルで、揚げ物独特の旨みを引き出すことができる。
[D]加熱後の被調理物Tの表面に、オイルミストを送るので、該表面に接触したオイルミストから被調理物Tに熱が奪われて該オイルミストの温度が下がってしまうことがない。そのため、従来からの通常の揚げ物調理方法の場合のように、オイルに被調理物を投入する度に、オイルの温度が下がってしまうことはない。そのため、温度変化によるオイルの劣化が起こり難く、より旨みを引き出すことができる。
[E]冷水ミストをかけて被調理物Tの表面からオイルを飛ばすので、オイル独特のギラギラ感、ベトベト感をなくし、より旨みを引き出すことができる。
[F]移送装置40を備えているので、被調理物Tを自動で、かつ、連続して揚げることができる。
[G]トレイ43,43・・は、チェーン42,42に設けられた被取付部44,44・・から取外し可能なため、掃除し易い。
【0045】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成や形状を任意に変更して実施することもでき、例えば、次の変更例1〜5のように変更してもよい。
【0046】
[変更例1]
移送装置40が被調理物Tを移送する方向を前面視で右回りにするとともに、出入口9o及び3つのエリア9a,9b,9cの配置を左右反転させてもよい。
[変更例2]
トレイ43,43・・の数を、9つ以上又は7つ以下にしてもよい。
[変更例3]
被調理物Tを感知するセンサをなくし、トレイ43を感知するセンサを設けてもよい。
[変更例4]
被調理物Tを感知するセンサをなくし、オイルミスト及び冷水ミストを噴射するタイミングは、駆動装置46でトレイ43を駆動した距離から計算して制御するようにしてもよい。
[変更例5]
ヒータ19,19・・を、第1エリア9a等、水蒸気循環室11以外に設けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
8 揚げ物調理装置
9 調理炉
9a 第1エリア
9b 第2エリア
9c 第3エリア
10 加熱装置
20 揚げ装置
22 壁部(邪魔板)
25 オイルノズル
26 送風機
30 油きり装置
32 壁部(邪魔板)
35 冷水ノズル
36 送風機
40 移送装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、天ぷら、唐揚げ等の揚げ物を調理するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大企業から家庭にいたるまで、現時点での揚げ物の調理方法では、油槽に150〜190℃の熱油を貯え、その熱油の中に、粉材を塗した被調理物を浸して揚げるのが通常である。
【0003】
また、油を使用せずに揚げ物に類する食品を調理する、揚げ物類食品の調理方法としては、特許文献1に示すものが開示されている。その特許文献1の調理方法では、粉材を塗した被調理物に過熱水蒸気を噴射して直接加熱し、これにより、揚げ物に類する揚げ物類食品を調理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−149207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通常の揚げ物の調理方法では、熱油によって、被調理物を芯まで加熱するとともに、表面をカラッと揚げて旨みを引き出すが、大量に発生する古い油の廃棄処分等が問題となる。
【0006】
また、特許文献1の揚げ物類食品の製造方法では、油を使用しないため、油の廃棄処分が問題となることはないが、表面がカラッとした揚げ物独特の旨みを引き出すことはできない。
【0007】
そこで、油を大量に使用することも、揚げ物独特の旨みを失わせることもなく、被調理物を揚げられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の揚げ物調理装置は、被調理物を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置と、該加熱装置で加熱した後に、前記被調理物の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置とを含み構成されている。
【0009】
ここで、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、炉内に複数のエリアを備えた調理炉と、前記被調理物を前記調理炉内の第1エリア、第2エリアの順に移送する移送装置とを備え、前記加熱装置は、前記過熱水蒸気を前記第1エリアに送ることによって、前記被調理物を加熱し、前記揚げ装置は、前記オイルミストを前記第2エリアに送ることによって、前記被調理物の表面を揚げることが好ましい。加熱及び揚げを連続的に自動で行うことができるからである。
【0010】
ここで、前記揚げ装置は、特に限定されないが、前記オイルミストを噴射するオイルノズルと、該オイルノズルから噴射されたオイルミストが前記被調理物に直線的に到達するのを防止する邪魔板と、前記オイルミストを対流させる送風機とを含み構成されていることが好ましい。オイルを被調理物の表面に均等に行き渡らせることができるからである。
【0011】
また、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、前記揚げ装置で揚げた後に、前記被調理物の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置を備えていることが好ましい。より旨みを引き出すことができるからである。
【0012】
ここで、前記揚げ物調理装置は、特に限定されないが、炉内に複数のエリアを備えた調理炉と、前記被調理物を前記調理炉内の第1エリア、第2エリア、第3エリアの順に移送する移送装置とを備え、前記加熱装置は、前記過熱水蒸気を前記第1エリアに送ることによって、前記被調理物を加熱し、前記揚げ装置は、前記オイルミストを前記第2エリアに送ることによって、前記被調理物の表面を揚げ、前記油きり装置は、前記冷水ミストを前記第3エリアに送ることによって、前記被調理物の表面からオイルを飛ばすことが好ましい。加熱、揚げ及び油きりを連続的に自動で行うことができるからである。
【0013】
ここで、前記油きり装置は、特に限定されないが、前記冷水ミストを噴射する冷水ノズルと、該冷水ノズルから噴射された冷水ミストが前記被調理物に直線的に到達するのを防止する邪魔板と、前記冷水ミストを対流させる送風機とを含み構成されていることが好ましい。冷水を被調理物の表面に均等に行き渡らせることができるからである。
【0014】
また、同目的を達成するため、本発明の揚げ物調理方法では、被調理物を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱した後、該被調理物の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる。
【0015】
ここで、前記揚げ物調理方法は、特に限定されないが、前記オイルミストで揚げた後、前記被調理物の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばすことが好ましい。より旨みを引き出すことができるからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被調理物を、まず初めに過熱水蒸気で加熱することにより、オイルで加熱する必要性を減らし、オイルの使用量を抑えることができる。また、更に、該過熱水蒸気での加熱後には、被調理物の表面にオイルをオイルミストで効率よく行き渡らせることによって、少量のオイルで、揚げ物独特の旨みを引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例の揚げ物調理装置の全体を示す正面断面図である。
【図2】同実施例の揚げ物調理装置の全体を示す平面断面図である。
【図3】同実施例の加熱装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【図4】同実施例の揚げ装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【図5】同実施例の油きり装置及びその周辺を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
図1〜図5に示す本実施例の揚げ物調理装置8は、次に示す調理炉9と、加熱装置10,10・・と、揚げ装置20と、油きり装置30と、移送装置40とを含み構成されている。
【0019】
[調理炉9]
調理炉9は、被調理物Tを調理するための炉である。この調理炉9は、正面視で環状に設けられており、右上部分に出入口9oを備え、該出入口9oから近い順に正面視で左回りに、第1エリア9aと、第2エリア9bと、第3エリア9cとの3つのエリアを順に備えている。この調理炉9内の使用時の温度は、被調理物T等の各条件に合わせて適宜設定可能であるが、100〜300℃程度である。
【0020】
[加熱装置10,10・・]
加熱装置10,10・・は、第1エリア9a内に過熱水蒸気を送る装置であって、第1エリア9aの外壁に複数個並設されている。各加熱装置10は、次に示す、水蒸気循環室11と、水蒸気ノズル15,15と、送風機16と、ヒータ19,19・・とを含み構成されている。
【0021】
水蒸気循環室11は、第1エリア9aの外側に設けられており、該水蒸気循環室11と第1エリア9aとの間を仕切る壁部12には、該水蒸気循環室11から第1エリア9aに連通する流入孔13と流出孔14,14とが設けられている。そして、その壁部12は、後述する水蒸気ノズル15,15から噴射された過熱水蒸気が被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該水蒸気循環室11には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0022】
水蒸気ノズル15,15は、水蒸気循環室11に過熱水蒸気を、所定のタイミング又は不特定(ランダム)のタイミングで噴射するためのノズルである。該水蒸気ノズル15,15が噴射する過熱水蒸気の温度は、適宜設定可能であるが、出入口9oよりのいくつかの加熱装置10,10・・で噴射する過熱水蒸気の温度は、100〜130℃程度であり、それ以外の奥の加熱装置10,10・・で噴射する過熱水蒸気の温度は、300〜400℃程度である。
【0023】
送風機16は、水蒸気循環室11内に噴射された過熱水蒸気を、第1エリア9a内に対流させるための装置であって、水蒸気循環室11内に設けられたフィン17と、該フィン17を回転駆動する、水蒸気循環室11の外部に設けられたモータ18とを含み構成されている。該送風機16が送る風の強さは、適宜設定可能であるが、最も出入口9oよりの加熱装置10の送風機16と、最も第2エリア9bよりの加熱装置10の送風機16とは、他の加熱装置10,10・・の送風機16,16・・よりも強くなっており、それによって、第1エリア9a内の過熱水蒸気が外部に出難くなっている。
【0024】
ヒータ19,19・・は、水蒸気循環室11内に設けられており、第1エリア9a内の過熱水蒸気及び空気の温度を調節するために設けられている。
【0025】
[揚げ装置20]
揚げ装置20は、第2エリア9b内にオイルミストを送る装置であって、第2エリア9bの外壁に設けられている。この揚げ装置20は、次に示す、オイルミスト循環室21と、オイルノズル25,25と、送風機26とを含み構成されている。
【0026】
オイルミスト循環室21は、第2エリア9bの外側に設けられており、該オイルミスト循環室21と第2エリア9bとの間を仕切る壁部22には、該オイルミスト循環室21から第2エリア9bに連通する流入孔23と流出孔24,24とが設けられている。そして、その壁部22は、後述するオイルノズル25から噴射されたオイルミストが被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該オイルミスト循環室21には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0027】
オイルノズル25は、オイルミスト循環室21にオイルミストを所定のタイミングで噴射するためのノズルである。このオイルノズル25の基端側は、図示しないタンクとコンプレッサとに接続され、先端部は、オイルミスト循環室21に接続されている。そして、タンクから供給される30〜200℃程度のオイルを、コンプレッサから供給される0.2〜0.5MPa程度のエアーの圧力で、該エアーと混合しつつ吹き飛ばすことによって、オイルミスト循環室21にオイルミストを0.1〜0.2秒間噴射する。該オイルミストを噴射するタイミングは、後述する移送装置40によって移送されている被調理物Tが揚げ装置20に最接近するタイミング又はその直前のタイミングであり、該被調理物Tがきたことは図示しないセンサによって感知する。
【0028】
送風機26は、オイルミスト循環室21に噴射したオイルミストを、第2エリア9b内に対流させるための装置であって、オイルミスト循環室21内に設けられたフィン27と、該フィン27を回転駆動する、オイルミスト循環室21の外部に設けられたモータ28とを含み構成されている。
【0029】
[油きり装置30]
油きり装置30は、第3エリア9c内に冷水ミストを送る装置であって、第3エリア9cの外壁に設けられている。この油きり装置30は、次に示す、冷水ミスト循環室31と、冷水ノズル35,35と、送風機36とを含み構成されている。
【0030】
冷水ミスト循環室31は、第3エリア9cの外側に設けられており、該冷水ミスト循環室31と第3エリア9cとの間を仕切る壁部32には、該冷水ミスト循環室31から第3エリア9cに連通する流入孔33と流出孔34,34とが設けられている。そして、その壁部32は、後述する冷水ノズル35から噴射された冷水ミストが被調理物Tに直線的に到達するのを防止する邪魔板としての役割を果たしている。また、該冷水ミスト循環室31には、図示しない、必要時に外気を吸入するための吸気孔と、内気を排出するための排気孔とが設けられている。
【0031】
冷水ノズル35は、冷水ミスト循環室31に冷水ミストを所定のタイミングで噴射するためのノズルである。この冷水ノズル35の基端側は、図示しないタンクとコンプレッサとに接続され、先端部は、冷水ミスト循環室31に接続されている。そして、タンクから供給される15〜30℃程度の冷水を、コンプレッサから供給される0.2〜0.5MPa程度のエアーの圧力で、該エアーと混合しつつ吹き飛ばすことによって、冷水ミスト循環室31に冷水ミストを0.1〜0.2秒間噴射する。該冷水ミストを噴射するタイミングは、後述する移送装置40によって移送されている被調理物Tが油きり装置30に最接近するタイミング又はその直前のタイミングであり、該被調理物Tがきたことは図示しないセンサによって感知する。
【0032】
送風機36は、冷水ミスト循環室31に噴射したオイルミストを、第3エリア9c内に対流させるための装置であって、冷水ミスト循環室31内に設けられたフィン37と、該フィン37を回転駆動する、冷水ミスト循環室31の外部に設けられたモータ38とを含み構成されている。
【0033】
[移送装置40]
移送装置40は、被調理物Tを、出入口9o、第1エリア9a、第2エリア9b、第3エリア9c、再び出入口9oの順に移送する装置である。この移送装置40は、次に示す、4対のスプロケット41,41・・と、2本のチェーン42,42と、8つのトレイ43,43・・と、駆動装置46とを含み構成されている。
【0034】
4対のスプロケット41,41・・は、調理炉9内における正面視での左上、左下、右下、右上の四隅に一対ずつ設けられており、各一対のスプロケット41,41は、前後方向に間隔をおいて設けられている。
【0035】
2本のチェーン42,42は、そのうちの一方は、前側の4つのスプロケット41,41・・に架けられており、他方は、後側の4つのスプロケット41,41・・に架けられている。
【0036】
8つのトレイ43,43・・は、被調理物Tを載せるための網状の部材であって、2本のチェーン42,42に、その長さ方向に略等間隔に並設された8つの被取付部44,44・・に、取外し可能に取り付けられている。各被取付部44は、2本のチェーン42,42に対して前後方向を軸に回動可能に取り付けられており、その下部の前後両端部には、カウンターウェイト45,45が設けられたことによって、トレイ43の上面が常に上を向くようになっている。
【0037】
駆動装置46は、4対のスプロケット41,41・・のうちの一対を回転駆動する装置であって、モータ47と、その動力を該一対のスプロケット41,41のそれぞれに伝える動力伝達機構48とを含み構成されている。この駆動装置46で一対のスプロケット41,41を回転駆動する速さは、適宜設定可能であるが、調理炉9内で各トレイ43を一周させるまでにかかる時間は、2〜5分程度となっている。
【0038】
以上に示した揚げ物調理装置8を用いて実際に被調理物Tを揚げる際のようすを{1}被調理物Tの搬入、{2}過熱水蒸気による加熱、{3}オイルミストによる加熱、{4}冷水ミストによる油きり、{5}被調理物Tの搬出 の順に以下に説明する。
【0039】
{1}被調理物Tの搬入
出入口9oにきたトレイ43の上面に、作業者が、紛材を塗した被調理物Tを載置することによって、被調理物Tを搬入する。
【0040】
{2}過熱水蒸気による加熱
次に、図3に示すように、被調理物Tを載せたトレイ43は、第1エリア9aに移送される。ここで、加熱装置10から送られる過熱水蒸気熱風により、被調理物Tが芯まで加熱される。この第1エリア9aでの滞在時間は、1〜3分程度である。
【0041】
{3}オイルミストによる加熱
次に、図4に示すように、被調理物Tを載せたトレイ43は、第2エリア9bに移送される。ここで、揚げ装置20から送られるオイルミストにより、被調理物Tの表面が揚げられる。この第2エリア9bでの滞在時間は、20秒〜1分程度である。
【0042】
{4}冷水による油きり
次に、図5に示すように、被調理物Tを載せたトレイは、第3エリア9cに移送され、ここでる。ここで、油きり装置30から送られる冷水ミストにより、被調理物Tの表面からオイルが飛ばされる。この第3エリア9cでの滞在時間は、20秒〜1分程度である。
【0043】
{5}被調理物の搬出
次に、被調理物Tを載せたトレイは、再び出入口9oに移送され、ここで、作業者が、被調理物Tを回収することによって被調理物Tが搬出される。
【0044】
本実施例によれば、次の[A]〜[G]の効果を得ることができる。
[A]被調理物Tを、まず初めに過熱水蒸気で芯まで加熱することにより、オイルで加熱する必要性を減らし、オイルの使用量を抑えることができる。
[B]過熱水蒸気で過熱することによって、旨みを被調理物T内に閉じ込めることができる。
[C]過熱水蒸気での加熱後には、被調理物Tの表面にオイルをオイルミストで効率よく行き渡らせることによって、必要最小限のオイルで、揚げ物独特の旨みを引き出すことができる。
[D]加熱後の被調理物Tの表面に、オイルミストを送るので、該表面に接触したオイルミストから被調理物Tに熱が奪われて該オイルミストの温度が下がってしまうことがない。そのため、従来からの通常の揚げ物調理方法の場合のように、オイルに被調理物を投入する度に、オイルの温度が下がってしまうことはない。そのため、温度変化によるオイルの劣化が起こり難く、より旨みを引き出すことができる。
[E]冷水ミストをかけて被調理物Tの表面からオイルを飛ばすので、オイル独特のギラギラ感、ベトベト感をなくし、より旨みを引き出すことができる。
[F]移送装置40を備えているので、被調理物Tを自動で、かつ、連続して揚げることができる。
[G]トレイ43,43・・は、チェーン42,42に設けられた被取付部44,44・・から取外し可能なため、掃除し易い。
【0045】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成や形状を任意に変更して実施することもでき、例えば、次の変更例1〜5のように変更してもよい。
【0046】
[変更例1]
移送装置40が被調理物Tを移送する方向を前面視で右回りにするとともに、出入口9o及び3つのエリア9a,9b,9cの配置を左右反転させてもよい。
[変更例2]
トレイ43,43・・の数を、9つ以上又は7つ以下にしてもよい。
[変更例3]
被調理物Tを感知するセンサをなくし、トレイ43を感知するセンサを設けてもよい。
[変更例4]
被調理物Tを感知するセンサをなくし、オイルミスト及び冷水ミストを噴射するタイミングは、駆動装置46でトレイ43を駆動した距離から計算して制御するようにしてもよい。
[変更例5]
ヒータ19,19・・を、第1エリア9a等、水蒸気循環室11以外に設けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
8 揚げ物調理装置
9 調理炉
9a 第1エリア
9b 第2エリア
9c 第3エリア
10 加熱装置
20 揚げ装置
22 壁部(邪魔板)
25 オイルノズル
26 送風機
30 油きり装置
32 壁部(邪魔板)
35 冷水ノズル
36 送風機
40 移送装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物(T)を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置(10)と、
該加熱装置で加熱した後に、前記被調理物(T)の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置(20)とを含み構成された揚げ物調理装置。
【請求項2】
炉内に複数のエリアを備えた調理炉(9)と、前記被調理物(T)を前記調理炉(9)内の第1エリア(9a)、第2エリア(9b)の順に移送する移送装置(40)とを備え、
前記加熱装置(10)は、前記過熱水蒸気を前記第1エリア(9a)に送ることによって、前記被調理物(T)を加熱し、
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを前記第2エリア(9b)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面を揚げる請求項1記載の揚げ物調理装置。
【請求項3】
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを噴射するオイルノズル(25)と、該オイルノズルから噴射されたオイルミストが前記被調理物(T)に直線的に到達するのを防止する邪魔板(22)と、前記オイルミストを対流させる送風機(26)とを含み構成された請求項1又は2記載の揚げ物調理装置。
【請求項4】
前記揚げ装置(20)で揚げた後に、前記被調理物(T)の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置(30)を備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の揚げ物調理装置。
【請求項5】
炉内に複数のエリアを備えた調理炉(9)と、前記被調理物(T)を前記調理炉(9)内の第1エリア(9a)、第2エリア(9b)、第3エリア(9c)の順に移送する移送装置(40)とを備え、
前記加熱装置(10)は、前記過熱水蒸気を前記第1エリア(9a)に送ることによって、前記被調理物(T)を加熱し、
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを前記第2エリア(9b)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面を揚げ、
前記油きり装置(30)は、前記冷水ミストを前記第3エリア(9c)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面からオイルを飛ばす請求項4記載の揚げ物調理装置。
【請求項6】
前記油きり装置(30)は、前記冷水ミストを噴射する冷水ノズル(35)と、該冷水ノズルから噴射された冷水ミストが前記被調理物(T)に直線的に到達するのを防止する邪魔板(32)と、前記冷水ミストを対流させる送風機(36)とを含み構成された請求項4又は5記載の揚げ物調理装置。
【請求項7】
被調理物(T)を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱した後、該被調理物(T)の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ物調理方法。
【請求項8】
前記オイルミストで揚げた後、前記被調理物(T)の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす請求項7記載の揚げ物調理方法。
【請求項1】
被調理物(T)を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱する加熱装置(10)と、
該加熱装置で加熱した後に、前記被調理物(T)の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ装置(20)とを含み構成された揚げ物調理装置。
【請求項2】
炉内に複数のエリアを備えた調理炉(9)と、前記被調理物(T)を前記調理炉(9)内の第1エリア(9a)、第2エリア(9b)の順に移送する移送装置(40)とを備え、
前記加熱装置(10)は、前記過熱水蒸気を前記第1エリア(9a)に送ることによって、前記被調理物(T)を加熱し、
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを前記第2エリア(9b)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面を揚げる請求項1記載の揚げ物調理装置。
【請求項3】
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを噴射するオイルノズル(25)と、該オイルノズルから噴射されたオイルミストが前記被調理物(T)に直線的に到達するのを防止する邪魔板(22)と、前記オイルミストを対流させる送風機(26)とを含み構成された請求項1又は2記載の揚げ物調理装置。
【請求項4】
前記揚げ装置(20)で揚げた後に、前記被調理物(T)の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす油きり装置(30)を備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の揚げ物調理装置。
【請求項5】
炉内に複数のエリアを備えた調理炉(9)と、前記被調理物(T)を前記調理炉(9)内の第1エリア(9a)、第2エリア(9b)、第3エリア(9c)の順に移送する移送装置(40)とを備え、
前記加熱装置(10)は、前記過熱水蒸気を前記第1エリア(9a)に送ることによって、前記被調理物(T)を加熱し、
前記揚げ装置(20)は、前記オイルミストを前記第2エリア(9b)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面を揚げ、
前記油きり装置(30)は、前記冷水ミストを前記第3エリア(9c)に送ることによって、前記被調理物(T)の表面からオイルを飛ばす請求項4記載の揚げ物調理装置。
【請求項6】
前記油きり装置(30)は、前記冷水ミストを噴射する冷水ノズル(35)と、該冷水ノズルから噴射された冷水ミストが前記被調理物(T)に直線的に到達するのを防止する邪魔板(32)と、前記冷水ミストを対流させる送風機(36)とを含み構成された請求項4又は5記載の揚げ物調理装置。
【請求項7】
被調理物(T)を、100℃以上の過熱水蒸気で加熱した後、該被調理物(T)の表面に、オイルをミスト状に噴射してなるオイルミストを送り、該表面を揚げる揚げ物調理方法。
【請求項8】
前記オイルミストで揚げた後、前記被調理物(T)の表面に、40℃以下の冷水をミスト状に噴射してなる冷水ミストを送り、該表面からオイルを飛ばす請求項7記載の揚げ物調理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−2196(P2011−2196A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147378(P2009−147378)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(503335227)株式会社オムニバス (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(503335227)株式会社オムニバス (5)
【Fターム(参考)】
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