説明

揚液装置

【課題】空気室を高所に設置して其の圧力を負圧にする事によって大気圧の圧力エネルギーを増幅して利用し、非常に少ないエネルギーで揚液出来る揚液装置を提供する。
【解決手段】減圧された空気層を持つ上部密閉タンク1と下部にポンプ10・揚液管11・降液管5・水車発電機6・水槽8を持ち、内部を液体が循環する。揚液ポンプを作動させて液体を断続的に送出すると、上部タンクの減圧された空気層の弾性復元力によって、上部タンク内の液面が引き上げられるのにつれて、揚液菅・ポンプ内の液体が吸い上げられポンプの動力は減少する。空気層の弾性力が減少するので次の瞬間には、降液管内の液柱の自然落下につれてタンク内の液面が低下し、空気層の弾性力は引張して元に戻る。再びポンプが作動すると空気層の弾性力の復元力が働き、次の瞬間には降液管へ流下する。以上のサイクルを繰り返して、ポンプ動力よりも水車発電機の出力を大きくする事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
揚液システム系に於ける揚液装置に関するもの。
【背景技術】
【0002】
空気室の原理により気体の圧縮、膨張性による、弾性力を利用して、水撃ポンプ・ピストンポンプ・油圧機構等に利用されて、エネルギーを吸入したり放出したり、と言う利用法であった。
これ等は、すべて空気室の圧力は、大気圧の圧力よりも高かった。空気室の圧力を大気圧以下の負圧にして、空気室自体を高所に設置して利用する方法は無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の揚液装置に於いては、揚液動力はすべて、モータ動力(電気、化石燃料)であったが。当揚液装置は、空気室を高所に設置して其の圧力を負圧にする事によって、大気圧の圧力エネルギーを増幅して利用する事が出来るので非常に少ないエネルギーで揚液出来る揚液装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
タンク1内に、液体部2と減圧された気体部3とを形成し、一端がタンク1外より液体部2に連通する降液管5を設け、其の降液管5の他方を垂直方向にタンク1内の液面4以下に延設し、その降液管5の延設部の下部に排液バルブ5‘・水車6・排液口7を設け、其の排液口7が浸漬する貯液槽8を設置する、其の液面4は、大気圧中の開放されている。其の貯液槽8より吸液管9・間欠的揚液ポンプ10・揚液管11・逆止弁12等を通じて、タンク1内の液体部2の下部に連通されている。タンク1内の空気体積と液体体積、液体表面積は、間欠的揚液ポンプ10のピストン断面積、流量に対して非常に大きく設定されている。
【発明の作用】
【0005】
以下説明上液体は、水とする。
図面1の如く空間にある″高さ″を持った負圧の水表面積4を持つ空気室に、低位置に設定されてある間欠的揚液ポンプ10にて送水すると、空気室の負圧と大気圧との圧力差と、パスカルの法則(水圧機の原理)により、空気室の大きな水表面積と、小断面積の揚液管11と間欠的揚液ポンプ10の中の水柱は、空気室の水表面積の大きな力比と小さな速比となり、小さな断面積の間欠的揚液ポンプ10のピストン面のピストンの小さな力比と大きな速比の関係となって、間欠的揚液ポンプを作動させると空気室の方へ吸い込まれる。換言すると、大気圧によって空気室の方へ押し込まれるので、ポンプ動力は非常に減少する。
空気室とは、タンク1の事であって其の内部に、気体部分3と液体部分2を持つ装置である。上記の現象は、すべて空気室の原理によるものである。
【実施例1】
【0006】
この実施例は、請求項1の実施例である。
図面1の如く波線の部分に水を充満させる、この時の気体部分の圧力は大気圧と同圧とする。降液管バルブ5‘を開放して水を自然落下させると、タンク1内の気体部分3の圧力は低下して、大気圧以下の一定の負圧になる、と同時に間欠的揚液ポンプ10を作動させて、水をタンク1内に圧入させる。この時、空気室内に応力が起こり強力な吸引力が発生する。ポンプ圧入量と、降液管5内の落下流量を一定にすると、タンク1内の気体部分3の圧力は、一定の範囲内で微小の圧力変動を繰り返す。
落下した水は、貯液槽8に溜り、そこから吸液管9・間欠的揚液ポンプ10・揚液管11等を通って、タンク1内に吸い込まれる。タンク1内に入った水は、降液管5内の水柱の重量によって自然落下して、降液管5の下部に設置して在る水車6を回転させて貯液槽8へと戻って、水は循環する。
この間に於いて、タンク1内の気体部分3は、空気室の原理によって、間欠的揚液ポンプ10によって送り込まれた水は、タンク1内の気体部分3を圧縮、収縮して水のエネルギーを吸い上げる。と同時に、降液管5内の水柱の重量による自然落下の流量によって、タンク1内の気体部分3を膨張させて、エネルギーを放出する。
この様に、気体の膨張・圧縮による(弾性力による)上下の伸縮運動は、タンク1内の液体部分2の液面4を上下動させる。この力は、連続の理によって、揚液管11・間欠的揚液ポンプ10のピストン面を通じて、ピストンに連なるロット、それに連なるポンプの回転部分、更に動力部分の回転部分にも及ぶので、此処にフライホイールを装着する事によって、上記の大気圧の圧力エネルギーの往復運動を回転運動エネルギーに変換出来る。
此れは又、パスカルの法則(水圧機の原理)によって、間欠的揚液ポンプ10の送水時に作用して、間欠的揚液ポンプ10の動力を減少させる。そして間欠的揚液ポンプ10の休止期(吸い込み期)には、逆止弁12によって、そのエネルギーの逆流を防止する。従って、間欠的揚液ポンプ10の動力を非常に減少させる事が出来る。
タンク1内の気体部分3の圧力は、間欠的揚液ポンプ10の送水によって、水量が増加して収縮して増加するが、次の瞬間、降液管5の水柱の重量による自然落下によって、水量が減少して膨張して減少するので、タンク1内の気体部分3の弾性力は原理的には減失する事はない。
降液管5を自然落下した水は、タンク1内の気体部分3の圧力を低下させた水柱分を差し引いた残りの水柱分は、降液管5の下部に設置した水車6・発電機を回転させて電気エネルギーを外部に取り出す事が出来る。
【実施例2】
【0007】
この実施例は、「請求項3」の実施例である。
長期間の運転中に際して、循環する水の中に含まれる気体がタンク1内の液体表面4から、タンク1内の気体部分3に分離する。又は、タンク1内の気体部分3の気体が液体表面4から水中に溶解する恐れがあるので、タンク1内の気体部分3の気体体積を常に一定にする為に吸排気を行って調節する装置である。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は、クリーンで無料の大気圧エネルギーを、水の高位置エネルギーに変換出来るので、此れを自然落下させて水車6・発電機を回転させる事によって、電気エネルギーに変換して外部に取り出す事が出来る揚液装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の実施例の立体的略図である。
【符号の説明】
【00010】
1 タンク
2 液体部
3 気体部
4 液面
5 降液管
5‘ 排液バルブ
6 水車
7 排液口
8 貯液槽
9 吸液管
10 間欠的揚液ポンプ
10‘ 揚液バルブ
11 揚液管
12 逆止弁
13 抜気バルブ・圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク(1)内に液体部(2)と減圧された気体部(3)とを形成し、一端がタンク(1)外より液体部(2)に連通する降液管(5)を設け、其の降液管(5)の他方を垂直方向にタンク(1)内の液面(4)以下に延設し、其の液面(4)以下の降液管(5)の延設部下部に排液バルブ(5‘)・水車(6)・排液口(7)を設け、其の排液口(7)が浸漬する貯液槽(8)を設置する、其の液面(4)は大気中に開放されている。其の貯液槽(8)より吸液管(9)と間欠的に液体を吸入圧出する揚液ポンプ(10)・揚液管(11)・逆止弁(12)等を通じて、タンク(1)の底面を通じて、タンク(1)内の液体部(2)に連通して液体を循環させて、パスカルの法則。とフックの法則。と重力の相互作用。を利用してエネルギーを発生させる揚液装置。
【請求項2】
「請求項1」記載の間欠的揚液ポンプ(10)の駆動部の回転部分にフライホイールを装着する揚液装置。
【請求項3】
「請求項1」「請求項2」記載の図1の抜気バルブ(13)部分に吸排気ポンプを設置する揚液装置。
【請求項4】
「請求項1」「請求項2」請求項3」記載の図1のタンク(1)内の圧力の急変動に対処する、停止装置を設置した揚液装置。

【図1】
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