説明

換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット及び車両用空調装置

【課題】車室内空気の強制的な換気、空調、及び車外に排出される排気の熱回収利用という複合的な機能を備えながら、省スペース化に対応した簡素な構造で、製造コストも安価な、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットを提供する。
【解決手段】換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、単一の送風機21と、空調用熱交換器22と、熱回収用熱交換器23とをケース19の空気通路20内に有し、空気通路20は、開口部30を有した通路29と接続されると共に、吸気専用の開口部28、排気専用の開口部32が開口し、空気通路20内に適宜配置されたドア34、37、40の開度を可変することで、空調モード、排熱利用モード、及び換気モードの切り換えが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、強制換気のための排気手段として機能しつつこの排気手段の稼働により室外に排出される空気の一部又は全部を室内に戻して空調に再利用し、更には排気熱を回収利用することも可能としたユニット及びこれを用いた車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の自動車用空調装置は、例えば、特許文献1等に示されるように、冷房運転時で且つ外気導入モード時では、車室外から当該空調装置内に導入された相対的に温度の高い温風に対し、エバポレータのみを通過させて冷却することにより冷風化して、この冷風を吹出口から車室内に適宜吹き出すことを行い、暖房運転時で且つ外気導入モード時では、車室外から当該空調装置内に導入された相対的に温度の低い冷風に対し、ヒータコアを通過させて加熱することにより温風化して、この温風を吹出口から車室内に適宜吹き出すことを行っている。
【0003】
これに対し、急速冷房時における空調関連機器に対する初期負荷の低減や、近年の自動車の態様として電気自動車やハイブリッド型の自動車が開発されていることに伴うヒータコアの熱源の減少による空調装置の暖房能力の不足を解消することが要望されるようになっている。
【0004】
この点、自動車には、強制換気のための排気手段として、例えば、特許文献2等に示されるように、その車両進行方向の後方側にブロワ及び排気ダンパが配置されており、このブロワを稼働させ排気ダンパを開けることで、車室内の空気を車外に強制的に排出することが可能となっているところ、上記した特許文献1の自動車用空調装置の冷房運転時にあっては、この排出される空気も外気に比べれば相対的に冷風化となっており、同じく特許文献1の自動車用空調装置の暖房運転時にあっては、この排出される空気も外気に比べれば相対的に温風となっているもので、この排気熱を利用することが考えられる。
【0005】
これを受けて、特許文献3に記載の車両用空気調和装置の制御方法及び制御装置では、冷房運転時にあって、車室内から排出された空気を大気中から取り込んだ空気と合流させることで、大気温度が車室内温度より高い場合には、温調手段を構成する冷却器に供給する空気の温度を大気温度よりも下げることが可能となるとして、車室内から排出された空気を吸熱手段として利用することが示されている。
【特許文献1】特開2004−203190号公報
【特許文献2】特開平10−58962号公報
【特許文献3】特開2005−238911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、強制排気を行う強制換気ユニットと、車両進行方向の後部において、暖房運転時における排気熱の利用が可能な機能を有する車両後部用の暖房用ユニット、冷房運転時における排気熱の利用が可能な機能を有する車両後部用の冷房用ユニット、若しくは暖冷房兼用の車両後部用の空調ユニットとを、車両内に別個独立に搭載することは、近年におけるコンパクト化された車両の搭載許容スペースとの関係で困難であり、省スペース化を図る必要がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の車両用空気調和装置では、車室内から排出する空気の熱を空調に利用することについて何ら示唆する記述がなされていないので、特許文献2に記載の車両用空気調和装置が本発明に対する動機付け、起因となることはない。
【0008】
これに対し、特許文献3に記載の車両用空気調和装置の制御方法及び制御装置では、車室内から排出する空気の熱を冷房に利用することは記述されているところ、車外圧力、車室内温度及び車室内圧力を車外圧力計測器、車室内温度計測器、及び車室内圧力計測器で個別に計測して、この計測結果を制御装置に集積して、この制御装置から計測結果に基づいて排気手段たる排気ダンパや排気ブロワに制御信号を伝達し、排気ダンパの開度や排気ブロワの回転速度を調節するものであるから、かかる車両用空気調和装置の制御装置は、複雑且つ高価であり、且つ車外圧力計測器や車室内圧力計測器の設置は非常に困難であり、実用性に欠ける。
【0009】
そこで、本発明は、省スペース化に対応した大きさでありながら、車室内空気の強制的な換気、暖房や冷房等の空調、及び車外に排出される排気の熱回収利用という複合的な機能を備え、その構造も簡素で、製造コストも安価で、且つ近年の熱交換器に対する熱源不足にも対応した、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット並びにこれを用いた車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットは、ケース内に形成された空気通路に、送風機と、空調用熱交換器と、熱回収用熱交換器とを収納して構成され、前記空気通路は、車室内に開口した第1の開口部を有する吸気用通路部が設けられていると共に、車室内に開口した第2の開口部を有する通路と接続され、さらに車室外に開口した第3の開口部を有する排気用通路部が設けられて成り、前記空気通路内にこの空気通路を開閉するドアを適宜配置し、かかるドアの開度を調整することにより、前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記空調用熱交換器及び前記熱回収用熱交換器の双方を通過して前記第2の通路を経て前記第2の開口部から車室内に戻される空調用経路と、前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記熱回収用熱交換器を通過するが前記空調用熱交換器は通過せずに前記第3の開口部から車室外に排出される熱回収用経路と、前記第2の開口部から前記第2の通路を経て前記空気通路内に入り、前記空調用熱交換器及び前記熱回収用熱交換器の双方を通過せずに第3の開口部から車外に排出される換気用経路と、の切り換えが行われることを特徴としている(請求項1)。ここで、空調用熱交換器として、電気式ヒータ等の加熱用熱交換器が用いられ、この場合には、空調とは暖房を示すこととなる。また、空調用熱交換器として、例えばエバポレータ等の冷却用熱交換器が用いられる場合があり、この場合には、空調とは冷房を示すこととなる。そして、熱回収用熱交換器による熱回収とは、空調用熱交換器として加熱用熱交換器が用いられる場合には、車室外に排出される相対的に高温の空気から熱を奪う作用を示すこととなり、空調用熱交換器として冷却用熱交換器が用いられる場合には、車室外に排出される相対的に低温の空気に対し熱を与える作用を示すこととなる。
【0011】
また、本発明に係る換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットは、ケース内に形成された空気通路に、送風機と、空調及び熱回収のための共用型熱交換器とを収納して構成され、前記空気通路は、車室内に開口した第1の開口部を有する吸気用通路部が設けられていると共に、車室内に開口した第2の開口部を有する通路と接続され、さらに車室外に開口した第3の開口部を有する排気用通路部が設けられて成り、前記空気通路内にこの空気通路を開閉するドアを適宜配置し、かかるドアの開度を調整することにより、前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過して前記第2の通路を経て前記第2の開口部から車室内に戻される空調用経路と、前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過して前記第3の開口部から車室外に排出される熱回収用経路と、前記第2の開口部から前記第2の通路を経て前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過せずに第3の開口部から車外に排出される換気用経路と、の切り換えが行われることを特徴としている(請求項3)。ここで、共用型熱交換器として、例えば冷却機能を有する熱交換器が用いられ、この場合には、空調とは冷房を示すこととなると共に、熱回収とは車室外に排出される相対的に低温の空気に対し熱を与える作用を示すこととなる。また、共用型熱交換器として、加熱機能を有する熱交換器が用いられる場合もあり、この場合には、空調とは暖房を示すこととなると共に、熱回収とは車室外に排出される相対的に高温の空気から熱を奪う作用を示すこととなる。
【0012】
かかる換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットによれば、換気、空調及び排気熱回収利用の3つの機能を有しつつ、送風機は単一のものとなり、これら送風機、空調用熱交換器、熱回収用熱交換器又は空調及び排熱利用のための共用型熱交換器を単体のケースに集約したコンパクトな構造とすることが可能である。
【0013】
また、本発明に係る換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットは、前記熱回収経路上において前記送風機の通風方向の上流側に前記熱回収用熱交換器を配置した構成(請求項2)、或いは、前記熱回収経路上において前記送風機の通風方向の上流側に前記共用型熱交換器を配置した構成(請求項4)となっている。かかる換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットの構成によれば、送風機と熱回収用熱交換器又は送風機と共用型熱交換器とを相対的に近接して配置することが可能となる。
【0014】
本発明に係る車両用空調装置は、ケース内に形成された空気流路に、送風機と、空調手段とを収納して構成されていると共に、前記ケースは空気導入口と空気吹出口とが開口され、前記送風機により前記空気流路内に流入した空気を空調用熱交換器により熱交換した後、前記空気吹出口から車室内に送出する車両前方用空調ユニットを有し、この車両前方用空調ユニットの送風機により車室外空気が吸い込まれる外気導入モード時において、前記車両前方用空調ユニットの送風機の回転数と請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送風機の回転数とが、車両前方用空調ユニットの送風機の吸込み風量が変動しても、車室内圧力が0pa以上50pa以下の値に設定されるように、連動することを特徴としている(請求項5)。この空調手段は、例えば、冷却用熱交換器と、加熱用熱交換器と、冷却用熱交換器で冷却された空気について、加熱用熱交換器を通過する空気量と加熱用熱交換器をバイパスする空気量との割合を調節するエアミックスドアとから構成されている。これにより、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットの送風機が過回転して車両室内圧力が車外圧力よりも低くなることで、車両前方用空調ユニットの空気導入口以外の部位から空気が車室内に取り込まれる不具合を防止することができる。
【0015】
そして、前記車両前方用空調ユニットの送風機の回転数と請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送風機の回転数との連動は、制御装置から出力される各送風機のモータへの電圧設定値を個別に調整することのみで行われる(請求項6)。この車両用空調装置の構成によれば、双方の送風機の連動を、圧力センサ等の複雑な構造を用いずに行うことができる。
【0016】
さらに、この発明に係る車両用空調装置は、前記空調手段を構成する熱交換器がこの熱交換器を通過する空気を加熱する熱源として、請求項1若しくは請求項2に記載の前記熱回収用熱交換器又は請求項3又は請求項4の前記共用型熱交換器で回収された熱が利用されるものとなっている(請求項7)。これにより、車両が電気自動車やハイブリッド型自動車であって、エンジンの冷却水を加熱用熱交換器の熱源として利用することができない場合や熱源として不十分でであっても、車両前方用空調ユニットの空調手段として加熱用熱交換器の性能を維持、向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、請求項1から請求項4に記載の発明によれば、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットについて、換気、空調及び排気熱回収利用の3つの機能を有しつつ、送風機は単一のものとなり、コンパクトな構造とすることが可能であるので、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットの省スペース化とコスト削減とを図ることができる。
【0018】
しかも、請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、空調用熱交換器と熱回収用熱交換器とを共用化した共用型熱交換器が用いられるので、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットに対し、車両に搭載するにあたり、さらなる省スペース化とコスト削減とを図ることができる。
【0019】
そして、請求項2又は請求項4に記載の発明によれば、送風機と熱回収用熱交換器又は送風機と共用型熱交換器とを相対的に近接して配置することが可能となるので、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットに対し、より一層の省スペース化を図ることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、従来では車両前方用空調ユニットの送風機のみで行っていたことによる、車室内への吸気抵抗と車室外への排気抵抗とについて、その値が相対的に大きかったという不具合を、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットの送風機による車室外への強制排気を行うことにより相殺することができ、車両前方用空調ユニットの送風機の外気導入モード時における負荷を減少することができると共に、双方の送風機が連動することで、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットの送風機が過回転して車両室内圧力が車外圧力よりも低くなることで、車両前方用空調ユニットの空気導入口以外の部位から空気が車室内に取り込まれる不具合を防止することができる。
【0021】
そして、請求項6に記載の発明によれば、車両前方用空調ユニットの送風機と換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットとの連動を、圧力センサ等の複雑な装置、構造を用いずに防止することができるので、車両用空調装置全体としての製造コストの削減を図ることができる。
【0022】
さらに、請求項7に記載の発明によれば、車両が電気自動車やハイブリッド型自動車であって、エンジンの冷却水を加熱用熱交換器の熱源として利用することができない場合や熱源として不十分、又は急速暖房時であっても、車両前方用空調ユニットの空調手段として加熱用熱交換器の性能を維持、向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を図面により説明する。
【0024】
図1において、この発明が用いられた車両1の一例が示されており、この車両1は、進行方向に沿って座席2が三列に配置されている多列シート型のもので、車両進行方向の最前方側には、車両用空調装置17を構成する車両前方用空調ユニット3が配置されている。
【0025】
この車両前方用空調ユニット3は、ケース4内に形成された空気通路5に、送風機6と、冷却用熱交換器7と、加熱用熱交換器8と、冷却用熱交換器7及び加熱用熱交換器8の間に配置されて加熱用熱交換器8を通過する空気量と加熱用熱交換器8をバイパスする空気量との割合を調節するエアミックスドア9とが収納されていると共に、送風機6より通風方向の上流側には空気導入口(但し、図1では外気導入口10のみ図示した。)が形成され、加熱用熱交換器8より通風方向の下流側には空気吹出口(但し、図1ではベント吹出口11のみ図示した。)が形成されたものとなっている。
【0026】
このうち、送風機6は、シロッコ型又はプロペラ型のファン12と、このファン12を回転させるモータ13とで構成されており、ファン12の回転数は、運転手側に位置する制御装置14とモータ13とを電気的に接続させて、自動制御又は手動で入力信号を制御装置14からモータ13に伝達することで制御している。
【0027】
また、冷却用熱交換器7は例えばフィンアンドチューブ型のエバポレータで、熱交換媒体として既存冷媒又は新冷媒が用いられ、図示しない冷凍サイクルの一部を構成する。さらに、加熱用熱交換器8は、例えばフィンアンドチューブ型のヒータコアで、後述する熱回収用熱交換器23又は共用型熱交換器44と配管接続されて、熱回収用熱交換器23又は共用型熱交換器44から送られてきた熱交換媒体が加熱用熱交換器8のチューブを流れることで、この加熱用熱交換器8を通過する空気との熱交換が行われる。
【0028】
エアミックスドア9は、この実施形態では、回転軸15とこの回転軸15からその軸方向に沿って延出したドア本体16とで構成されているが、必ずしもこれに限定されず、フィルムドアやスライドドア等であっても良い。
【0029】
また、この車両1は、図1に示されるように、車両進行方向の最後方側に、車両用空調装置17を構成する換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18が配置されている。
【0030】
この換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18の実施形態の一例を示すと、図1から図4に示されるように、車両進行方向前方から3列目の座席2よりも車両進行方向の後方側となる車室内空間に配置されているもので、ケース19内に形成された空気通路20に、送風機21と、空調用熱交換器22と、熱回収用熱交換器23とを収納して基本的に構成されている。尚、熱回収用熱交換器23の風上側に、図2から図4に示されるように、集塵用のフィルタ26を配置しても良い。
【0031】
送風機21は、図2から図4に示されるように、シロッコ型又はプロペラ型のファン24と、このファン24を回転させるモータ25とで構成されており、ファン24の回転数も、図1に示されるように、制御装置14とモータ25とが電気的に接続されて、自動制御又は手動で入力信号を制御装置14からモータ25に伝達することで制御している。
【0032】
空調用熱交換器22は、例えば加熱用の熱交換器で電気式ヒータ等が用いられる。もっとも、車両前方用空調ユニット3が有する図示しない冷凍サイクルと適宜配管接続されること等により冷却用の熱交換器としても良い。更には、例えばヒートポンプ式等の冷暖房兼用の熱交換器であっても良い。熱回収用熱交換器23は、例えばチューブアンドフィン型のもので、チューブ内を流れる熱交換媒体としては、水、冷媒等が用いられるが、この熱交換媒体の種類については特に限定されない。
【0033】
空気通路20は、この実施形態では、車室内に対し車両上下方向の上方に突出した吸気用通路部27が設けられ、この吸気用通路部27の頂部に車両上方に向けて開口した開口部28が形成されていると共に、図1にも示されるように、車室内の車両上下方向の上方から各座席2側に向けて開口した開口部30を有するダクト状の通路29と接続され、さらに、車室外に開口した開口部32を有する排気用通路部31が車両上下方向の下方に向けて突出したものとなっている。熱回収用熱交換器23及びフィルタ27は、吸気用通路部27内に配置されている。
【0034】
そして、空気通路20は、上記した吸気用通路部27及び排気用通路部31以外の部位について、通路部20a、20b、20c、20d及び20eにより構成されており、このうち通路部20aは、吸気用通路部27の下方側に位置し、この通路部20aの下方側には送風機21が収納された通路部20bが続いている。また、通路部20cは、一方が通路部20aとその側方にて連通し、他方が通路29とその下方部位にて連通している。更に、通路部20dは、空調用熱交換器22が収納されており、通路部20cの下方において通路29と連通している。更にまた、通路部20eは、通路部20bと通路部20dとをその側方において連通させるもので、更に通路部20eは排気用通路部31とも連通したものとなっている。そして、この実施形態では、通路部20eと排気用通路部31とは通路部20fを介しても連通したものとなっている。
【0035】
吸気用通路部27、通路部20a、及び通路部20cの境界部位には、回転軸35及びドア本体36より成るドア34が配置され、このドア34は、ドア本体36で吸気用通路部27と通路部20aとの連通を閉じ、又は通路部20aと通路部20cとの連通を閉じることが可能なように回転軸35を軸心として回転可能となっている。また、通路部20c、通路29及び通路部20bの境界部位には、回転軸38及びドア本体39より成るドア37が配置され、このドア37は、ドア本体39で通路部20cと通路29との連通を閉じ、又は通路29と通路部20dとの連通を閉じることが可能なように回転軸38を軸心として回転可能となっている。さらに、通路部20d、通路部20e及び排気用通路部31の境界部位には、回転軸41及びドア本体42より成るドア40が配置され、このドア40は、ドア本体42で通路部20dと通路部20eとの連通を閉じ、又は通路部20eと排気用通路部31との連通を閉じることが可能なように回転軸38を軸心として回転可能となっている。そして、ドア40は排気用通路部31から空気が逆流するのを防止する逆流防止ドアとしても機能する。もっとも、ドア34、37及び40の構造は、上記したものに限定されず、スライドドア、フィルムドア等であっても良く、特に限定されない。
【0036】
以上の構成において、空調モードとする場合には、図2に示されるようなドア34、37、40の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア34は通路部20aと通路部20cとの連通を閉じ、ドア37は通路部20cと通路29との連通を閉じ、ドア40は通路部20eと排気用通路部31との連通を閉じる。これにより、図2の矢印に示されるように、車室内から吸気用通路部27内に送り込まれた空気は、まずフィルタ26で清浄化され、次に、熱回収用熱交換器23を通過して熱回収用熱交換器23を流れる熱交換媒体と熱交換され、さらに、通路部20a、通路部20b、通路部20eを通過して、通路部20dに至り、空調用熱交換器22を通過して空調(加熱又は冷却)された後、通路29を経て図1に示される開口部30から車室内に吹き出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、車両後部用空調ユニット及び排気熱回収ユニットとして同時に機能する。尚、通路部20fを有する場合には、空調用熱交換器22を通過した空気の一部は、通路部20dから通路部20fを介して排気用通路部31から車室外に排出されるので、更に、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、強制換気用ユニットとしても同時に機能する。
【0037】
次に、熱回収モードとする場合には、図3に示されるようなドア34、37、40の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア34は通路部20aと通路部20cとの連通を閉じ、ドア37は通路部20cと通路29との連通を閉じ、ドア40は通路部20dと通路部20eとの連通を閉じる。これにより、図3の矢印に示されるように、車室内から吸気用通路部27内に送り込まれた空気は、まずフィルタ26で清浄化され、次に、熱回収用熱交換器23を通過して熱回収用熱交換器23を流れる熱交換媒体と熱交換され、さらに、通路部20a、通路部20b、通路部20eを通過して、排気用通路部31から車室外に排出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、排気熱回収ユニット及び強制換気用ユニットとして同時に機能する。
【0038】
そして、換気モードとする場合には、図4に示されるようなドア34、37、40の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア34は吸気用通路部27と通路部20aとの連通を閉じ、ドア37は通路部20dと通路29との連通を閉じ、ドア40は通路部20dと通路部20eとの連通を閉じる。これにより、図4の矢印に示されるように、車室内から図1の開口部30より通路29内に取り込まれた空気は、通路20c、通路20a、通路20b、通路20eを経て、排気用通路部31から車室外に排出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、強制換気用ユニットとしてのみ機能する。
【0039】
次に、この発明に係る換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18の実施形態の他の例について、図5から図7に基づいて説明する。但し、送風機21については、先の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略した。
【0040】
換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、図示しないが、先の実施形態と同様に、車両進行方向前方から3列目の座席2よりも車両進行方向の後方側となる車室内空間に配置されているもので、ケース19内に形成された空気通路20に、送風機21と、空調用熱交換機能及び熱回収用熱交換機能の双方を備えた共用型熱交換器44とを収納して基本的に構成されている。尚、後述する吸気用通路部27のケース19の開口部近傍部位に、図5から図7に示されるように、集塵用のフィルタ26を配置しても良い。
【0041】
共用型熱交換器44は、例えばチューブアンドフィン型のもので、チューブ内を流れる熱交換媒体は、水、冷媒等であり、特に限定されない。そして、共用型熱交換器44は、車両前方用空調ユニット3の加熱用熱交換器8と配管接続されて、この共用型熱交換器44から送られてきた熱交換媒体が加熱用熱交換器8のチューブを流れることで、この加熱用熱交換器8を通過する空気を加熱する際の熱源となる。
【0042】
空気通路20は、この実施形態でも、車室内に対し車両上下方向の上方に突出した吸気用通路部27が設けられ、この吸気用通路部27の頂部に車両上方に向けて開口した開口部28が形成されていると共に、図1にも示されるものと同様の、車室内の車両上下方向の上方から各座席2側に向けて開口した開口部30を有するダクト状の通路29と接続され、さらに、車室外に開口した開口部32を有する排気用通路部31が車両上下方向の下方に向けて突出したものとなっている。
【0043】
そして、空気通路20は、上記した吸気用通路部27及び排気用通路部31以外の部位について、通路部20a、20b、20f、20g、20h、20i、20j及び20kにより構成されており、このうち通路部20aは、吸気用通路部27の下方側に位置し、この通路部20aの下方側には送風機21が収納された通路部20bが続いている。また、通路部20kは、通路29の下方側と連通している。また、通路部20gは、一方が通路部20aの上方側とその側方にて連通し、他方が通路20kと連通している、通路部20hは、この通路部20gの下方側において、一方が通路部20aの中間部位とその側方にて接続し、他方が通路20kと連通している。また、通路部20dは、共用型熱交換器44が収納されたもので、通路部20kの下方においてこの通路部20kと連通している。また、通路部20iは、通路部20hの下方において、一方が通路部20aの下方側とその側方にて連通し、他方が通路部20dの上方側と連通して成る通路部20iを有している。そして、通路部20jは,通路部20bと通路部20dの下方側とを連通させるものであると共に、排気用通路部31とも連通している。
【0044】
通路部20aと通路部20hとの境界部位には、回転軸46及びドア本体47より成るドア45が配置され、このドア45は、ドア本体47で通路部20aの上部側と通路部20aの中間部、通路部20bとの連通を閉じ、又は通路部20aと通路部20hとの連通を閉じることが可能なように回転軸46を軸心として回転可能となっている。また、通路部20aと通路部20iとの境界部位には、回転軸49及びドア本体50より成るドア48が配置され、このドア48は、ドア本体50で通路部20aと通路部20iとの連通を閉じ、又は通路部20aの上部側と通路部20aの中間部との連通を閉じることが可能なように回転軸49を軸心として回転可能となっている。また、通路29、通路部20g、及び通路部20kの境界部位には、回転軸52及びドア本体53より成るドア51が配置され、このドア51は、ドア本体53で通路部20gと通路部20kとの連通を閉じ、又は通路29と通路部20kの連通を閉じることが可能なように回転軸52を軸心として回転可能となっている。また、通路部20h、通路部20k、及び通路部20dの境界部位には、回転軸55及びドア本体56より成るドア54が配置され、このドア54は、ドア本体56で通路部20hと通路部20kとの連通を閉じ、又は通路部20kと通路部20dとの連通を閉じることが可能なように回転軸52を軸心として回転可能となっている。そして、通路部20j、通路部20d及び排気用通路部31の境界部位には、回転軸58及びドア本体59より成るドア57が配置され、このドア57は、ドア本体59で通路部20jと通路部20dとの連通を閉じ、又は通路部20jと排気用通路部31との連通を閉じることが可能なように回転軸58を軸心として回転可能となっている。そして、ドア57は排気用通路部31から空気が逆流するのを防止する逆流防止ドアとしても機能する。更に、この実施形態では、通路部20fと排気用通路部31との境界部位に、回転軸61及びドア本体62より成るドア60が配置され、車室外の空気が排気用通路部31から通路部20fを経て通路部20dまで逆流するのを防止している。そして、ドア45、48、51、54、57及び62の構造についても、先の実施形態と同様に、上記したものに限定されず、スライドドア、フィルムドア等であっても良く、特に限定されない。
【0045】
以上の構成において、空調モードとする場合には、図5に示されるようなドア45、48、51、54、57の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア45は通路部20aと通路部20hとの連通を閉じ、ドア48は通路部20aと通路部20iとの連通を閉じ、ドア51は通路部20gと通路部20kとの連通を閉じ、ドア54は通路部20hと通路部20kとの連通を閉じ、そして、ドア57は通路部20jと排気用通路部31との連通を閉じる。これにより、図5の矢印に示されるように、車室内から吸気用通路部27内に送り込まれた空気は、まずフィルタ26で清浄化され、通路部20a、通路部20b、及び通路部20jを通過して通路部20dに至り、共用型熱交換器44を通過してこの共用型熱交換器44を流れる熱交換媒体と熱交換され、さらに、通路部20kから通路29に至って、図1に示される開口部30から車室内に吹き出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、車両後部用空調ユニットとして機能する。尚、ドア60を開いた場合には、共用型熱交換器44を通過した空気の一部は、通路部20dから通路部20fを介して排気用通路部31より車室外に排出されるので、更に、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、強制換気用ユニットとしても同時に機能する。
【0046】
次に、熱回収モードとする場合には、図6に示されるようなドア45、48、51、54、57の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア45は通路部20aの上部側と通路部20aの中間部との連通を閉じ、ドア48は通路部20aの中間部と通路部20aの下部側との連通を閉じ、ドア51は通路29と通路部20kとの連通を閉じ、ドア54は通路部20kと通路部20hとの連通を閉じ、そして、ドア57は通路部20dと通路部20jとの連通を閉じる。これにより、図6の矢印に示されるように、車室内から吸気用通路部27内に送り込まれた空気は、まずフィルタ26で清浄化され、通路部20aの上部側、通路部20g、及び通路部20kを通過して、通路部20dに至り、共用型熱交換器44を通過してこの共用型熱交換器44を流れる熱交換媒体と熱交換され、更に、通路部20i、通路部20aの下部側、通路部20b、及び通路部20jを通過して、排気用通路部31から車室外に排出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、排気熱回収ユニット及び強制換気用ユニットとして同時に機能する。
【0047】
そして、換気モードとする場合には、図7に示されるようなドア45、48、51、54、57の開閉の選択が行われる。すなわち、ドア45は通路部20aの上部側と通路部20aの中間部との連通を閉じ、ドア48は通路部20aと通路部20iとの連通を閉じ、ドア51は通路部20gと通路部20kとの連通を閉じ、そして、ドア57は通路部20dと通路部20jとの連通を閉じる。更に、ドア60は通路部20fと排気用通路部31との連通を閉じる。これにより、図7の矢印に示されるように、車室内から図1の開口部30より通路29内に取り込まれた空気は、通路部20k、通路部20h、通路部20aの中間部から下部側、通路部20b、及び通路部20jを通過して、排気用通路部31から車室外に排出される。しかるに、換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18は、強制換気用ユニットとしてのみ機能する。
【0048】
ところで、先の2つの実施形態において、送風機21は車室内となるようにケース18に収納される構造として説明したが、必ずしもこれに限定されず、図示しないがケース18を車室外の空間に突出し、この突出した部位に送風機21を収納するようにしても良く、これにより低騒音化を図ることができる。また、熱回収用熱交換器23についても、車室内となるようにケース18に収納される構造として説明したが、必ずしもこれに限定されず、図示しないがケース18を車室外の空間に突出し、この突出した部位に熱回収用熱交換器23を収納するようにしても良く、これにより熱回収用熱交換器23のメンテナンス時における熱交換媒体の抜き取り不要化による作業性の向上を図ることができる。
【0049】
更に、図2から図4に示される換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18又は図5から図7に示される換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット18と、図1に示される車両前方用空調ユニット3とを用いた車両用空調装置17では、制御装置14から出力される送風機6のモータ13への電圧設定値と制御装置14から出力される送風機21のモータ25への電圧設定値を個別に調整する制御のみで、送風機6の回転数と送風機21の回転数とを連動させたものとなっている。従って、車室内に吸引される空気量と車室外に排出される空気量とのバランスを保つことができ、車室内への吸気抵抗と車室外への排気抵抗とについて、相殺することができる。
【0050】
これにより、図8の破線に示されるように、車室内への吸気と車室外への排気とを車両前方用空調ユニット3の送風機6のみで行っていた場合には、吸込み風量が増大するに従い車室内圧力も相対的に増大し、例えば吸込み風量が400m3/hの場合の車室内圧力が約200paとなる場合があったのを、例えば吸込み風量が400m3/hの場合の車室内圧力が約50pa以下にまで抑制することが可能となった。また、送風機21の回転数が送風機6の回転数よりも大きくなり、車両室内圧力が車外圧力よりも低くなって、外気導入口10以外から車室内に外気が不用意に侵入するのも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、この発明に係る換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット及び車両用空調装置が用いられた多列シート型車両の概略構造を説明した説明図である。
【図2】図2は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換器と熱回収用熱交換器とを用いた場合の、空調モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図3】図3は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換器と熱回収用熱交換器とを用いた場合の、排熱利用モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図4】図4は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換器と熱回収用熱交換器とを用いた場合の、換気モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図5】図5は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換と熱回収用との双方を行う共用型熱交換器とを用いた場合の、空調モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図6】図6は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換と熱回収用との双方を行う共用型熱交換器とを用いた場合の、排熱利用モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図7】図7は、同上の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニットのうち空調用熱交換と熱回収用との双方を行う共用型熱交換器とを用いた場合の、換気モードにおける空気の経路を示した説明図である。
【図8】図8は、車両前方用空調ユニットが外気導入モードで送風機が外気を吸込む場合に、吸込み風量が相対的に増大しても、でも車室内空間の内圧が外気圧よりも低い状態となっていることを示す特性線図である。
【符号の説明】
【0052】
1 車両
3 車両前方用空調ユニット
4 ケース
5 空気通路
6 送風機
7 冷却用熱交換器(空調手段)
8 加熱用熱交換器(空調手段)
9 エアミックスドア(空調手段)
10 外気導入口(空気導入口)
11 ベント吹出口(空気吹出口)
13 送風機のモータ
17 車両用空調装置
18 換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット
19 ケース
20 空気通路
20a乃至20k 通路部
21 送風機
22 空調用熱交換器
23 熱回収用熱交換器
25 送風機6のモータ
27 吸気用通路部
28 開口部(第1の開口部)
29 通路
30 開口部(第2の開口部)
31 排気用通路部
32 開口部(第3の開口部)
34 ドア
37 ドア
40 ドア
44 共用型熱交換器
45 ドア
48 ドア
51 ドア
54 ドア
57 ドア
60 ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に形成された空気通路に、送風機と、空調用熱交換器と、熱回収用熱交換器とを収納して構成され、
前記空気通路は、車室内に開口した第1の開口部を有する吸気用通路部が設けられていると共に、車室内に開口した第2の開口部を有する通路と接続され、さらに車室外に開口した第3の開口部を有する排気用通路部が設けられて成り、
前記空気通路内にこの空気通路を開閉するドアを適宜配置し、かかるドアの開度を調整することにより、
前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記空調用熱交換器及び前記熱回収用熱交換器の双方を通過して前記第2の通路を経て前記第2の開口部から車室内に戻される空調用経路と、
前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記熱回収用熱交換器を通過するが前記空調用熱交換器は通過せずに前記第3の開口部から車室外に排出される熱回収用経路と、
前記第2の開口部から前記第2の通路を経て前記空気通路内に入り、前記空調用熱交換器及び前記熱回収用熱交換器の双方を通過せずに第3の開口部から車外に排出される換気用経路と、
の切り換えが行われることを特徴とした換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット。
【請求項2】
前記熱回収経路上において前記送風機の通風方向の上流側に前記熱回収用熱交換器を配置したことを特徴とする請求項1に記載の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット。
【請求項3】
ケース内に形成された空気通路に、送風機と、空調及び熱回収のための共用型熱交換器とを収納して構成され、
前記空気通路は、車室内に開口した第1の開口部を有する吸気用通路部が設けられていると共に、車室内に開口した第2の開口部を有する通路と接続され、さらに車室外に開口した第3の開口部を有する排気用通路部が設けられて成り、
前記空気通路内にこの空気通路を開閉するドアを適宜配置し、かかるドアの開度を調整することにより、
前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過して前記第2の通路を経て前記第2の開口部から車室内に戻される空調用経路と、
前記第1の開口部から前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過して前記第3の開口部から車室外に排出される熱回収用経路と、
前記第2の開口部から前記第2の通路を経て前記空気通路内に入り、前記共用型熱交換器を通過せずに第3の開口部から車外に排出される換気用経路と、
の切り換えが行われることを特徴とした換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット。
【請求項4】
前記熱回収経路上において前記送風機の通風方向の上流側に前記共用型熱交換器を配置したことを特徴とする請求項3に記載の換気、空調及び排気熱回収利用兼用型ユニット。
【請求項5】
ケース内に形成された空気通路に送風機と、空調手段とを収納して構成されていると共に、前記ケースは空気導入口と空気吹出口とが開口され、前記送風機により前記空気通路内に流入した空気を前記空調手段で空調した後、前記空気吹出口から車室内に送出する車両前方用空調ユニットを有し、
車室外空気が吸い込まれる外気導入モード時において、前記車両前方用空調ユニットの送風機の回転数と請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送風機の回転数とが、車両前方用空調ユニットの送風機の吸込み風量が変動しても、車室内圧力が0pa以上50pa以下の値に設定されるように、連動することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項6】
前記車両前方用空調ユニットの送風機の回転数と請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送風機の回転数との連動は、制御装置から出力される各送風機のモータへの電圧設定値を個別に調整することのみで行われることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
前記空調手段を構成する加熱用熱交換器がこの加熱用熱交換器を通過する空気を加熱する熱源として、請求項1若しくは請求項2に記載の前記熱回収用熱交換器又は請求項3又は請求項4の前記共用型熱交換器で回収された熱が利用されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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