説明

換気放熱性計測方法

【課題】 人に近い発汗状態を模擬する模擬発汗機構と、該発汗機構を上下および前後に稼動させ人が動いている状態を模擬する稼動機構とを有する装置を用いて、人が動いたときの衣服に用いられる編織物等の試料の換気放熱性を計測する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する装置であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で換気放熱特性を計測する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服を着用した人が、動いて汗をかく状態を装置的に模擬して、装置の動きに伴い衣服に用いられる編織物等がはためき、換気が生じる状態での放熱性を計測することが可能な放熱性計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣服に用いられる編織物等からなる試料の放熱性を計測する方法として、熱板の温度を一定に維持するための消費熱量を計測する方法が一般的に行われている。しかし、かかる方法は、発汗状態を模擬する計測ではなかった。
【0003】
最近、上記装置の考え方を応用して、熱板上に濡れた濾紙をのせ、発汗状態を模擬して消費熱量を計測する方法が行われている。しかし、かかる発汗方法では計測中に発汗を停止させたり発汗させたりすることはできず、また稼動機構も備わっていなかった。
【0004】
さらに、一部では、マイクロシリンジなどを利用して熱板に水分供給する方法が行われているが、一定水分量を供給することは難しく、かつ、稼動機構もなく、換気による放熱性を計測することはできなかった。
【0005】
また、稼動型のマネキンはあるが、発汗が可能なマネキンはない。かつ、その動きも腕および脚を疑似歩行させる運動であり、歩行、走行、またはジャンプ時に生じる、上下および前後の動き、言い換えればひねりを伴う上下運動を模擬しているものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、人に近い発汗状態を模擬する模擬発汗機構と、該発汗機構を上下および前後等に回転稼動させ人が動いている状態を模擬する稼動機構とを有する装置を用いて、人が動いたときの衣服に用いられる編織物等の換気による放熱性を計測する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、次の構成を有する。
1.衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、基体(2)の温度を一定に維持するための消費熱量を計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。
2.衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、基体(2)に一定電力を供給したときの模擬皮膚(1)の温度を温度センサ(5)により計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。
3.衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、模擬皮膚(1)と試料(4)との間の微小空間(E)の温湿度を温湿度センサ(6)により計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明による換気放熱性計測方法は、従来にない、換気を伴う放熱性を計測することを可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における換気放熱性とは、衣服を着用した人が歩行、走行、またはジャンプ等の動きをした時に、衣服がはためき換気が生じるが、その様な状態を模擬した状態での放熱性のことをいう。
【0010】
本発明における産熱発汗機構(A)は、模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)の順で積層されている。また、人間の場合、腕および首部分から主たる換気は生じるので、本産熱機構部分には、腕および首に相当する3箇所の突起部分が存在する。該突起部分は産熱機構と同様の構成をしていても、断熱材を用いても構わない。
【0011】
模擬皮膚(1)は、0.1ccの水を滴下し10秒後の水拡散面積が7cm2以上有する、編物、織物、または濾紙からなる。ただし、この時、模擬皮膚の下には基体(2)を接触させた状態で測定する。特に、ポリエステルフィラメントからなる薄地織物等のように、吸湿性がほとんどなく、水の移行性が速いものが望ましい。
【0012】
本発明の基体(2)は、アルミニウム、ステンレスなどの金属板から構成されてなる。基体の形状は、人が動いた場合の換気性を計測するため、人間の体型およびサイズに近いことが望ましい。しかし、本発明のように装置的に模擬して衣服に用いられる編織物等を評価する上では、人間の上半身の体型が模擬されていればよく、サイズは人間の等身大ほど大きくなくても構わないし、また、人間の下半身を模擬した部分がなくても構わない。ただし、サイズについては、小さすぎると生地重量の影響が計測できなくなるため、各々最大長が、タテ方向に12cm以上、ヨコ方向に9cm以上、奥行き4cm以上は必要である。
【0013】
基体(2)には、模擬皮膚側の表面に、内径0.1mm〜2.0mmの発汗孔を配置する。該発汗孔は1個/10〜20cm2 の密度で配置する。また、発汗孔周辺には、模擬皮膚への水の移行速度を高めるため、長さ5mm〜30mm、深さ0.2〜1mmの溝を付与することが望ましい。発汗孔は、樹脂、ステンレス、アルミニウムなどのチューブに接続され、産熱体(3)を経て、送水機構(B)から送られてくる水を基体(2)の模擬皮膚側の表面に吐出する。
【0014】
産熱体(3)は、基体(2)の裏面に位置する。加熱方法には、シリコンラバー等のエラストマーで成型した面状ヒータを用いたり、被覆した電熱線を伝熱セメントで固定したりする方法がある。ただし、温度制御の容易さや安定性、応答性等を考慮すると、面状ヒータを用いることが望ましい。
【0015】
送水機構(B)は、水を基体(2)の表面の発汗孔に送水するものである。チューブポンプを用いて送水する方法が、微量の水を精度良く吐出することが可能であり、かつ、取扱いも容易であり適している。
【0016】
産熱制御機構(C)は、温度制御用の温度センサで産熱体(3)に接した基体(2)の温度を検知し、該温度センサの温度が設定値に一定になるように、産熱体(3)に電力を供給する。あるいは、一定供給電力を産熱体(3)に供給する。
【0017】
駆動機構(D)は、産熱機構(A)部分を0.7〜2.0秒で1サイクルの上下および前後に稼動させる。前後の稼動とは、中心軸に対して左肩相当部が前に稼動する場合右肩相当部は後ろに稼動するという、中心軸に対する部分回転運動のことである。1サイクルとは、繰り返し最小単位である。人間の歩行、ランニングのサイクルに近い、1サイクル0.9〜1.5秒が望ましい。1サイクルの間に上下運動は2回繰り返し、前後運動は1回実施される。前後運動とは、人体を模擬した形状の産熱機構(A)の疑似胴部が、疑似肩幅ラインに対し前後に回転運動をすることをいう。該前後運動の移動角度は、疑似肩幅ラインに対し前後各々3〜6度である。
【0018】
試料(4)は、衣服用の編織物等を縫製または高透湿性のサージカルテープ等で貼り合わせることにより、貫頭衣状またはTシャツ状にして用いる。あるいは衣服がそのまま使用できるようであればそのまま使用してよい。
【0019】
本発明の換気による放熱性計測方法の1つは、基体(2)の温度を一定に維持するための消費熱量を計測することである。消費熱量は、基体(2)の温度を一定に維持するために電力が供給された電力供給時間を計測し、式(1)より求める。
Q=0.86×W×t/T×1/S ・・・ (1)
Q:消費熱量(kcal/m2/hr)
W:供給電力(W)
t:電力供給時間(sec)
T:計測時間(sec)
S:基体面積(cm2
【0020】
換気による放熱性計測方法は、基体(2)への供給電力を一定にし、模擬皮膚(1)の表面温度を計測する方法でもよい。模擬皮膚の表面温度を計測する方法は、熱電対等の温度センサー(5)をサージカルテープ等で模擬皮膚(1)上に固定して計測する。
【0021】
さらに、換気による放熱性計測方法は、模擬皮膚(1)と試料(4)との微少空間(E)の温湿度を温湿度センサ(5)で計測する方法も可能である。
【0022】
本発明による計測手順は、次の通りである。まず、基体(2)上に模擬皮膚(1)を粘着テープ等で密着固定する。このとき粘着テープ部の基体(2)に対する占有面積ができるだけ小さくなるようにする。次に、基体(2)の温度を設定し、産熱制御機構(C)により加熱する。基体(2)の温度が一定になった状態で、試料(4)を発汗装置に取り付け、駆動機構(D)により産熱機構部分(A)を稼動させ、送水機構(B)より所定の水を送り込み、電力供給時間、あるいは微少空間(E)の温湿度を計測する。微少空間の温湿度を計測する温湿度センサ(6)は試料(4)を取り付ける前に固定する。あるいは、送水機構(B)より所定の水を供給させたのち、水の供給を止め、一定電力供給に切り替え、模擬皮膚(1)上の温度を温度センサ(5)で計測する。該温度センサ(5)も試料(4)を取り付ける前に固定する。模擬皮膚(1)の取付は基体(2)の温度が一定になった後でも構わない。駆動機構(D)を用いなければ、静止状態での放熱性を計測することができる。また、送水機構(B)からの送水をしなければ、水分蒸発による放熱性以外の放熱性を計測することができる。さらに、送水機構からの送水を行ったり止めたりする方法で放熱性を計測することもできる。
【0023】
次に実施例及び比較例を示すが、本発明の換気放熱性計測方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。いずれも、試料にはポリエステル100%の鹿子リバーシブルのニットを用いた。
【実施例】
【0024】
実施例1
図1に示す上半身のみを模擬した装置を用いた。基体(2)の面積は250cm2 であり、発汗孔は片面10個の合計20個設置した。駆動機構(D)は1秒で1サイクルの上下および前後運動をする。上下に2cm、前後に各々4度の運動をする。測定環境32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度は37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2の織物を用いた。発汗量は300g/m2 /hr、実験手順は、試料を取り付け上下および前後運動を10分間実施したのち、上下前後運動を行いながら発汗を15分間実施した。この時、5分毎に電力供給時間を計測した。
【0025】
実施例2
実施例1と同様の装置を用いた。駆動機構(D)は1秒で1サイクルの上下および前後運動をする。上下に2cm、前後に各々4度の運動をする。測定環境32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度を37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2 の織物を用いた。発汗量は300g/m2 /hr、実験手順は、試料(4)を取り付け上下および前後運動を10分間実施したのち、上下および前後運動を行いながら発汗を15分間実施した。その後、発汗を停止し、供給電力を6Wにし、駆動機構(D)を1.5秒で1サイクルの上下および前後運動に変更し、10分間計測した。試料(4)を取り付ける前に模擬皮膚(1)上に温度センサ(5)を取り付け、模擬皮膚(1)の温度を計測した。
【0026】
実施例3
実施例1と同様の装置を用いた。駆動機構(D)は1秒で1サイクルの上下および前後運動をする。上下に2cm、前後に各々4度の運動をする。測定環境は32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度を37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2 の織物を用いた。発汗量は300g/m2 /hr、実験手順は、試料(4)を取り付け上下および前後運動を10分間実施したのち、上下および前後運動を行いながら発汗を15分間実施した。この時、模擬皮膚(1)と試料(2)との間の微少空間(E)に温湿度センサ(6)を取り付け、衣服内温湿度を計測した。
【0027】
比較例1
実施例1と同様の装置を用いた。発汗はさせず、模擬皮膚(1)にシリンジで水を供給した。水の供給は経時的に付与できないので、実施例で付与した水と同量の水を一度に模擬皮膚に付与した。測定環境32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度を37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2 の織物を用いた。実験手順は、試料を取り付け10分間放置したのち、水を模擬皮膚にシリンジで一度に付与し15分間実験した。この時、5分毎に電力供給時間を計測した。
【0028】
比較例2
実施例1と同様の装置を用いた。発汗はさせず、模擬皮膚(1)にシリンジで水を供給した。水の供給は経時的に付与できないので、実施例で付与した水と同量の水を一度に模擬皮膚(1)に付与した。測定環境32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度を37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2 の織物を用いた。実験手順は、試料(4)を取り付け10分間放置したのち、水を模擬皮膚(1)にシリンジで一度に付与し15分間放置したのち、さらに10分間放置した。試料(4)を取り付ける前に模擬皮膚(1)上に温度センサ(5)を取り付け、模擬皮膚(1)の温度を計測した。
【0029】
比較例3
実施例1と同様の装置を用い、比較例1と同様の手順で実験を実施した。そして、模擬皮膚(1)と試料(4)との間の微少空間(E)に温湿度センサ(6)を取り付け、衣服内温湿度を計測した。温湿度センサ(6)は試料(4)を取り付ける前に行った。
【0030】
比較例4
実施例1と同様の装置を用いた。測定環境32℃、70%RHの条件で、基体(2)温度を37℃に設定した。模擬皮膚(1)はポリエステルフィラメントからなる目付80g/m2 の織物を用いた。発汗量は300g/m2 /hr、実験手順は、試料(4)を取り付け10分間放置したのち、発汗を15分間実施した。駆動装置を稼働させず、上下および前後運動は行わなかった。5分毎の消費熱量を計測した。
【0031】
実施例1〜3および比較例1〜4の計測データを、各々表1、表2、表3に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
表1、表2、表3の結果から、実施例は、比較例に対し、発汗前の消費熱量は大きく、模擬皮膚温度は低く、衣服内湿度が低くなり、放熱性が高くなる傾向がみられる。本結果より、実施例による方法は、換気による放熱性が計測できていることが確認された。また、発汗中は、比較例4以外の比較例は、水付与後初期段階に放熱性が高くなり後半は小さくなるのに対し、実施例は、発汗初期段階は放熱性が小さく後半大きくなる傾向を示した。本結果より、実施例はより人体の発汗に伴う放熱性に近い挙動の放熱性が計測できることが確認された。さらに、比較例4に対し実施例1は全体的に放熱性が高くなる結果が得られた。したがって、上記と同様に実施例による方法は換気による放熱性が計測できていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によると、衣服を着用した人が、動いて汗をかく状態での放熱性を計測することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】換気放熱性計測を行う発汗装置の模式図
【符号の説明】
【0038】
A:産熱発汗機構 B:送水機構 C:産熱制御機構 D:稼動機構 E:微少空間 1:模擬皮膚 2:基体 3:産熱体 4:試料 5:温度センサ 6:温湿度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、基体(2)の温度を一定に維持するための消費熱量を計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。
【請求項2】
衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、基体(2)に一定電力を供給したときの模擬皮膚(1)の温度を温度センサ(5)により計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。
【請求項3】
衣服に用いられる編織物等からなる試料(4)の換気を伴う放熱性を計測する方法であって、表面側から順に模擬皮膚(1)、発汗孔を有する基体(2)、および産熱体(3)が積層された産熱発汗機構(A)と、上記発汗孔に水分を供給する送水機構(B)と、上記基体(2)の温度を制御する産熱制御機構(C)と、産熱発汗機構(A)を稼動させる稼動機構(D)を備えた換気放熱性計測装置に編織物等からなる試料(4)を模擬皮膚(1)との間に微少空間(E)を設けて取り付け、その後稼動機構(D)により産熱発汗機構(A)を稼動させた状態で、模擬皮膚(1)と試料(4)との間の微小空間(E)の温湿度を温湿度センサ(6)により計測することを特徴とする換気放熱性計測方法。



【図1】
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【公開番号】特開2008−20467(P2008−20467A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240793(P2007−240793)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【分割の表示】特願平9−140310の分割
【原出願日】平成9年5月29日(1997.5.29)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】