説明

揮散剤収容器、揮散器および揮散器の製造方法

【課題】揮散面に凹凸が発現することのない揮散剤収容器を提供する。
【解決手段】揮散剤収容器は、筒形状に形成され、軸方向のうち少なくとも一方が開口する容器本体11を備える。容器本体11に係合して、開口を封止するキャップ12,13を備える。キャップ12,13は、容器本体11に対して相対的に移動することにより、少なくとも一部が容器本体11から離れるように形成されている。容器本体11は、キャップ12,13が係合する領域を避けた領域に、液状の揮散剤を注入する注入口21を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮散剤収容器、揮散器および揮散器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、居間や自動車の車内などの居住空間に香りを付与したり、居住空間に殺虫成分を放出したりするために、芳香性または防虫性を有する揮散性物質を居住空間に放出する揮散器が知られている。このような揮散剤としては、取り扱いが容易であり、また安全性が高いことから、ゲル状揮散剤が多用されている。ゲル状揮散剤は、例えば、高温の水に、ゲル化剤、揮散性物質などを溶解または分散した揮散剤溶液を冷却したものである。高温の揮散剤溶液は、容器に配置されて冷却される。揮散剤溶液は、冷却と同時に容器に対応した形状に固化して成型される。
【0003】
特開平8−196612号公報においては、薬剤ゲルを容器本体と蓋体とからなる薬剤容器の内部に収容し、薬剤が容器に設けられた開口部から外部に揮散するように形成し、収容装置を反転させた場合に薬剤ゲルが蓋体に落下して、薬剤ゲルの空気接触面積が変化する収容装置が開示されている。
【特許文献1】特開平8−196612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
揮散器には、搬送や販売などの流通時に揮散剤収容器が密閉され、使用時に揮散剤収容器の一部を開放して使用する揮散器がある。このような揮散器においては、使用時まで揮散剤に含まれる揮散性物質が放散することを防止できて、無駄に揮散性物質が放出されることを抑制できる。
【0005】
使用時まで密封される揮散剤収容器は、容器本体を備え、容器本体の開口がアルミニウムシール等で覆われている(たとえば、特開平8−196612号公報参照)。使用時には、アルミニウムシート等が取り外される。この揮散器の製造方法においては、容器本体の開口から揮散剤溶液が注入された後に冷却および固化される。このため、揮散剤溶液とアルミニウムシート等との間には、空間が形成されて気泡が混入していた。この結果、たとえば揮散面に気泡の混入することにより揮散面に凹凸が発現していた。
【0006】
本発明は、揮散面に凹凸が発現することを抑制する揮散剤収容器、揮散器および揮散器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の揮散剤収容器は、筒形状に形成され、軸方向のうち少なくとも一方が開口する容器本体を備える。容器本体に係合して、開口を封止する封止部材を備える。封止部材は、容器本体に対して相対的に移動することにより、少なくとも一部が容器本体から離れるように形成されている。容器本体は、封止部材が係合する領域を避けた領域に、液状の揮散剤を注入する注入口を有する。
【0008】
上記発明において好ましくは、容器本体は、円筒形状に形成されている。
【0009】
上記発明において好ましくは、封止部材は、開口を覆うように形成されている端面部を有する。端面部は、少なくとも一部が曲面状に形成されている。
【0010】
上記発明において好ましくは、封止部材は、容器本体から取り外すことができるように形成されている。
【0011】
本発明の揮散器は、上記の揮散剤収容器と、揮散剤収容器に収容されているゲル状の揮散剤とを備える。
【0012】
本発明の揮散器の製造方法は、上記の揮散器の製造方法であって、容器本体の注入口を上側に向けた状態で、注入口から液状の揮散剤を注入する工程を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、揮散面に凹凸が発現することを抑制する揮散剤収容器、揮散器および揮散器の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1から図8を参照して、実施の形態における揮散剤収容器、揮散器および揮散器の製造方法について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態における揮散器の概略斜視図を示す。矢印51は、水平方向を示す。矢印52は、鉛直方向を示す。本実施の形態における揮散器1は、外ケース2を備える。外ケース2の内部には、揮散剤を収容するための揮散剤収容器3が配置されている。本実施の形態においては、揮散剤収容器3の軸方向の両側から、外ケース2が嵌め込まれている。
【0016】
図2に、本実施の形態における外ケースの概略斜視図を示す。本実施の形態における外ケース2は、正面から見たときに、ほぼ四角形になるように形成されている。外ケース2の端面には、開口部2aが形成されている。開口部2aは、揮散剤が外気と接触するための空間を構成する。本実施の形態における開口部2aは、正面から見たときに、ほぼ四角形になるように形成されている。
【0017】
図3に、本実施の形態における揮散剤収容器の概略斜視図を示す。本実施の形態における揮散剤収容器3は、容器本体11を備える。容器本体11の両側には、容器本体11の開口を封止する封止部材として、キャップ12,13が配置されている。
【0018】
図4に、本実施の形態における揮散剤収容器の概略断面図を示す。図5に、本実施の形態における揮散剤収容器の概略分解斜視図を示す。図4は、揮散剤収容器3の内部に揮散剤10が配置されている状態を示している。図3から図5を参照して、本実施の形態における容器本体11は、筒状に形成されている。容器本体11は、胴部11bを含む。本実施の形態における胴部11bは、円筒状に形成されている。容器本体11は、胴部11bの周りに形成されているリブ16を含む。
【0019】
リブ16は、胴部11bを補強すると共に、外ケース2の断面形状に対応するように形成されている。本実施の形態におけるリブ16は、平面視したときの形状が四角形に形成されている。容器本体11にリブ16が形成されていることにより、外ケース2の内部で容器本体11が回転することを防止できる。
【0020】
揮散器1は、揮散性物質を含む揮散剤10を備える。揮散剤10は、容器本体11の内部に配置されている。本実施の形態における揮散剤10は、ゲル状の芳香剤である。ゲル状の揮散剤は、例えば、水に、ゲル化剤、界面活性剤、揮散性物質、芳香成分などを溶解または分散した水溶液をゲル状としたものである。芳香成分としては、任意のものを採用することができる。たとえば、芳香成分としては、天然香料や合成香料などを使用することができる。
【0021】
容器本体11の胴部11bの端部の外周面には、ねじ部11aが形成されている。ねじ部11aは、キャップ12,13のそれぞれのねじ部が係合するように形成されている。本実施の形態における容器本体11は、揮散剤溶液を容器本体11の内部に注入するための注入口21を有する。注入口21は、容器本体11の胴部11bに形成されている。注入口21は、容器本体11のうちキャップ12,13が係合する領域を避けた領域に形成されている。注入口21は、胴部11bを貫通している。注入口21は、蓋23にて封止される。
【0022】
本実施の形態における容器本体11は、使用時に揮散剤10の形状を保持するための保持部材22を有する。保持部材22は、帯状に形成されている。保持部材22は、容器本体11の内周面に沿って配置されている。保持部材22は、容器本体11に固定されている。容器本体11の内部に保持部材22が配置されていることにより、使用中に揮散剤10の形状が崩れることを抑制できる。
【0023】
本実施の形態における揮散剤収容器3は、一方の封止部材としてのキャップ12を備える。揮散剤収容器3は、他方の封止部材としてのキャップ13を備える。キャップ12,13は、容器本体11の軸方向の両側からねじ込まれて固定される。キャップ12,13は、回すことにより容器本体11の軸方向に沿って移動する。このように、キャップ12,13は、容器本体11に対して相対的に移動するように形成されている。キャップ12,13は、容器本体11から取り外すことができるように形成されている。本実施の形態におけるキャップ12,13は、熱可塑性の樹脂で形成されている。
【0024】
キャップ13は、端面部13aを有する。端面部13aは、容器本体11の開口を覆うように形成されている。本実施の形態における端面部13aは、平面状の部分を有する。キャップ13は、挿入部13cを有する。挿入部13cは、容器本体11の内部に向かって容器本体11の軸方向に延びるように形成されている。挿入部13cは、筒状に形成されている。本実施の形態における挿入部13cは、円筒状に形成されている。挿入部13cの先端には、キャップ12の挿入部12cと嵌合するための嵌合部13dが形成されている。嵌合部13dは、凸形状になるように形成されている。
【0025】
本実施の形態におけるキャップ13の端面部13aは、挿入部13cに連接する曲面部13bを有する。曲面部13bは、挿入部13cに向けて開口が小さくなるように湾曲している。端面部13aが曲面部13bを有することにより、高温の揮散剤溶液が容器本体に注入されたときに、熱によりキャップ13が変形することを抑制できる。特に、端面部13aに曲面部13bが形成されていることにより、注入された揮散剤溶液からキャップ13に加わる圧力を曲面部13b全体に分散することができて、端面部13aの変形を抑制することができる。この結果、揮散剤収容器に規定の量よりも多い揮散剤溶液が注入されたり、外観が悪化したりすることを抑制できる。
【0026】
本実施の形態におけるキャップ12は、嵌合部12dの構成を除いてキャップ13と同様の構成を有する。キャップ12は、曲面部12bを有する端面部12aと、挿入部12cとを有する。キャップ12の嵌合部12dは、キャップ13の嵌合部13dの凸形状に対応するように凹形状に形成されている。嵌合部12dは、キャップ13の嵌合部13dが嵌合するように形成されている。
【0027】
挿入部12cの先端の嵌合部12dと挿入部13cの先端の嵌合部13dとが、容器本体11の内部で嵌合することにより、挿入部12c,13cは揮散剤10を貫通する。揮散剤10には、貫通する孔部10aが形成される。本実施の形態における孔部10aは、円柱状である。本実施の形態における揮散剤10は、容器本体11と挿入部12c,13cとの間に充填されている。
【0028】
図1から図5を参照して、本実施の形態における揮散器は、容器本体の軸方向を略水平にして使用される。たとえば、揮散器が水平方向に延びる平坦な面に載置されたときには、揮散面は水平方向に向くように形成されている。
【0029】
本実施の形態における揮散器は、使用する時には、始めに外ケース2を取り外す。次に、容器本体11からキャップ12,13を取り外す。キャップ12,13の挿入部12c,13cが円筒形状に形成されていることにより、揮散剤10を傷つけずに滑らかにキャップ12,13を取り外すことができる。揮散剤10には、孔部10aが形成される。容器本体11の端部から揮散剤の揮散面が露出する。次に、容器本体11に対して、再び外ケース2を嵌め込む。外ケース2の開口部2aから揮散剤10の揮散面が露出する状態で、揮散器を使用する。
【0030】
本実施の形態における揮散器は、揮散剤の揮散面が横方向を向くように形成されている。この構成により、揮散剤と空気とが接触する効率を高めることができて、揮散剤の揮散効果を高めることができる。たとえば、容器が縦長の揮散器において、容器の上端が開口している場合には、揮散剤が減量することにより、揮散面上を流れる空気の流れが悪くなってしまう。しかしながら、本実施の形態における揮散器は、揮散面が横方向を向いているために、横方向の空気の流れを阻害することなく高い揮散効果を持続することができる。
【0031】
本実施の形態における揮散剤10には、孔部10aが形成されている。この構成により、揮散面を大きくすることができる。孔部10aの内面も揮散面とすることができて揮散剤の揮散効果を高めることができる。本実施の形態においては、揮散剤10の一方の端面から他方の端面まで貫通するように孔部10aが形成されているために、揮散面をより大きくすることができる。
【0032】
図6に、本実施の形態における揮散器の製造方法を説明する概略断面図を示す。揮散器の製造方法においては、筒形状の容器本体11を製造する。本実施の形態においては、円筒形状の容器本体11を製造する。容器本体11の胴部11bには、注入口21を形成する。胴部11bの軸方向のほぼ中央部に注入口21を形成する。胴部11bの端部には、ねじ部11aを形成する。
【0033】
次に、別工程で形成したキャップ12,13を容器本体11に取り付ける。キャップ12,13を取り付けることにより、容器本体11の開口を封止する。容器本体11にキャップ12,13が固定されることにより、注入口21の部分を除いて揮散剤収容器の内部が密閉される。
【0034】
次に、矢印54に示すように、液状の揮散剤としての揮散剤溶液15を注入口21から注入する注入工程を行う。揮散剤溶液15は、たとえば70℃の高温の液体である。このときに、注入口21を上側に向けた状態で揮散剤溶液15を注入する。揮散剤溶液15の液面は、矢印53に示すように上昇する。揮散剤収容器の内部の空気は、注入口21を通して排出される。本実施の形態においては、容器本体11とキャップ12,13で囲まれる空間に、空気の混入を回避しながら揮散剤溶液15を充填することができる。揮散剤溶液15が注入された後に蓋23にて施栓を行う。
【0035】
次に、揮散剤溶液15を冷却および固化する冷却工程を行う。揮散剤溶液15が固化することにより、揮散剤10が成型される。本実施の形態においては、冷却工程においても注入口21を上側に向けた状態で行う。この方法により、蓋23を閉じる時に僅かに混入する空気を注入口21の部分に留めておくことができ、揮散剤10の揮散面に凹凸が発現することを抑制することができる。
【0036】
参考例の製造方法としては、たとえば、容器本体に注入口を形成せずに、キャップの一方を取り外した状態で揮散剤溶液を注入する方法が考えられる。この方法においては、揮散剤のいずれかの場所に空気の層または気泡が混入してしまう。本実施の形態においては、容器本体に形成した注入口から揮散剤溶液を注入するために、揮散面に凹凸が発現することを抑制することができる。
【0037】
特に、本実施の形態においては、揮散剤の揮散面となる領域を避けた領域から揮散剤溶液の注入を行っている。すなわち、キャップに注入口を形成して、この注入口から揮散剤溶液を注入する方法は避けている。このため、揮散面に空気が混入した痕跡が残ることを抑制することができる。揮散面に凹凸が発現することを抑制することができる。本実施の形態においては、キャップ12,13の端面部12a,13aの内面の部分に凹凸が発現することを抑制できる。
【0038】
本実施の形態における揮散器1は、キャップ12,13を透明な部材で形成することにより、流通時にキャップ12,13を通して揮散剤10を目視することができる。キャップの内面に気泡の痕が残存していたり、キャップの内面に形成された空気層によりキャップの内面が結露していたりすると、製品の質が劣っていると誤解される場合がある。または、美観を損ねてしまう。しかし、本実施の形態においては、キャップの内面に空気が混入することを抑制できて、品質劣化の誤認や美観を損なうことを回避できる。
【0039】
従来の技術における揮散器においては、揮散剤の揮散面は美しいものではなく、揮散面の上にカバー等を設けて揮散面が見えないように形成されていた。本実施の形態における揮散器は、揮散剤の揮散面が端面部と接触しているため、開封時の揮散面を綺麗にすることができ、揮散面を露出して外側から目視できるようにすることができる。この結果、揮散面を見えなくするためのカバー等が不要になり、揮散剤の揮散効果を高めることができる。
【0040】
本実施の形態における容器本体11は、円筒形状に形成されている。この構成により、揮散剤溶液15を容器本体11に注入するときに、容器本体11の上部に溜まる空気を注入口21から確実に排出することができる。揮散剤10の揮散面に凹凸が発現することをより確実に抑制することができる。
【0041】
また、容器本体は、断面視したときの形状が略五角形等の多角形の形状に形成されていても構わない。容器本体の断面形状が多角形に形成される場合には、注入口が多角形の角部に形成されることが好ましい。この構成により、揮散剤溶液を揮散剤収容器に注入するときに、残存する空気が角部に集まって、揮散剤収容器の内部の空気をより確実に排出することができる。
【0042】
本実施の形態における容器本体の注入口は、完全に密閉せずに開けておくことにより、製造から使用までの間、揮散性物質の逃し経路として用いることができる。揮散剤収容器は密閉されていても僅かながら漏れが生じる。容器本体の注入口を開けておくことにより、揮散剤の揮散性物質の優先的な逃げ道を形成することができる。揮散性物質の優先的な逃げ道が形成されるために、揮散面から揮散性物質が揮散することを抑制することができる。この結果、揮散面に凹凸が発現することを抑制できる。さらに、容器本体の注入口の位置を通るように揮散剤の周りに溝部を形成しても構わない。この構成により、揮散面よりも優先的に揮散させる部分の面積を大きくすることができて、揮散面からの揮散を抑制することができる。
【0043】
図7に、本実施における他の揮散剤収容器の概略断面図を示す。他の揮散剤収容器においては、容器本体11に、キャップ12,13の挿入部12c,13cを支持するための支持部材14が形成されている。支持部材14は、挿入部12c,13cを内部に支持するための筒状部14aと、筒状部14aを容器本体11の胴部11bに固定するための固定部14bとを有する。筒状部14aは、挿入部12c,13cが嵌合することにより、挿入部12c,13cを支持するように形成されている。
【0044】
他の揮散剤収容器においては、キャップ12,13を緩めることにより端面部12a,13aが容器本体11から離れる一方で、キャップ12,13の挿入部12c,13cが支持部材14に支持された状態で使用される。キャップ12,13と容器本体11との間に隙間が形成される。揮散性物質は、この隙間から放散される。
【0045】
このように、揮散剤収容器は、キャップが容器本体から取り外される形態に限られず、キャップが容器本体に対して相対的に移動することにより、キャップの少なくとも一部が容器本体から離れるように形成されていればよい。
【0046】
図8に、本実施の形態におけるさらに他の揮散剤収容器の概略断面図を示す。さらに他の揮散剤収容器は、封止部材としてのキャップ17,18を備える。キャップ17は、端面部17aを有する。端面部17aは、挿入部を有さずに、全体が曲面状に形成されている。すなわち、端面部17a全体が曲面部を構成する。この構成により、注入された揮散剤溶液からキャップ17に加わる圧力を端面部17a全体に分散することができて、端面部17aの変形を抑制することができる。キャップ18は、端面部18aを有する。端面部18aは、挿入部を有さずに平面状に形成されている。また、揮散剤収容器の内部に配置されている揮散剤19は、孔部を有さずに塊状に形成されている。
【0047】
このように封止部材は、端面部の一部が曲面状に形成されている形態に限られず、端面部全体が曲面状に形成されていても構わない。または、端面部が平面状に形成されていても構わない。また、封止部材が挿入部を有さずに、揮散剤に孔部が形成されていなくても構わない。
【0048】
本実施の形態においては、容器本体およびキャップにねじ部が形成され、ねじ込みによりキャップが容器本体に固定されていたが、この形態に限られず、キャップは、任意の方法で容器本体に固定することができる。
【0049】
本実施の形態における容器本体は、軸方向の両側の端部が開口しているが、この形態に限られず、軸方向の一方の端部が開口しており、他方の端部が閉塞していても構わない。また、キャップに挿入部が形成されている場合には、挿入部が揮散剤を貫通していなくても構わない。
【0050】
本実施の形態における揮散器は、据え置き型の揮散器であるが、この形態に限られず、任意の揮散器に本発明を適用することができる。たとえば、吊り下げ式の揮散器に本発明を適用することができる。
【0051】
本実施の形態における揮散剤は、芳香剤であるが、この形態に限られず、任意の揮散剤を用いることができる。揮散剤としては、たとえば、消臭剤、防虫剤または防腐剤などを用いることができる。
【0052】
上記に記載の実施の形態は、本発明を限定するものではなく例示である。また、それぞれの図において、同一の部分または相当する部分には同一の符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態における揮散器の概略斜視図である。
【図2】実施の形態における外ケースの概略斜視図である。
【図3】実施の形態における揮散剤収容器の概略斜視図である。
【図4】実施の形態における揮散剤収容器の概略断面図である。
【図5】実施の形態における揮散剤収容器の概略分解斜視図である。
【図6】実施の形態における揮散剤収容器に揮散剤溶液を注入するときの概略断面図である。
【図7】実施の形態における他の揮散剤収容器の概略断面図である。
【図8】実施の形態におけるさらに他の揮散剤収容器の概略断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 揮散器
2 外ケース
2a 開口部
3 揮散剤収容器
10,19 揮散剤
10a 孔部
11 容器本体
11a ねじ部
11b 胴部
12,13,17,18 キャップ
12a,13a,17a,18a 端面部
12b,13b 曲面部
12c,13c 挿入部
12d,13d 嵌合部
14 支持部材
14a 筒状部
14b 固定部
15 揮散剤溶液
16 リブ
21 注入口
22 保持部材
23 蓋
51,52,53,54 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状に形成され、軸方向のうち少なくとも一方が開口する容器本体と、
前記容器本体に係合して、前記開口を封止する封止部材と
を備え、
前記封止部材は、前記容器本体に対して相対的に移動することにより、少なくとも一部が前記容器本体から離れるように形成され、
前記容器本体は、前記封止部材が係合する領域を避けた領域に、液状の揮散剤を注入する注入口を有する、揮散剤収容器。
【請求項2】
前記容器本体は、円筒形状に形成されている、請求項1に記載の揮散剤収容器。
【請求項3】
前記封止部材は、前記開口を覆うように形成されている端面部を有し、
前記端面部は、少なくとも一部が曲面状に形成されている、請求項1または2に記載の揮散剤収容器。
【請求項4】
前記封止部材は、前記容器本体から取り外すことができるように形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の揮散剤収容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の揮散剤収容器と、
前記揮散剤収容器に収容されているゲル状の揮散剤と
を備える、揮散器。
【請求項6】
請求項5に記載の揮散器の製造方法であって、
前記容器本体の前記注入口を上側に向けた状態で、前記注入口から液状の前記揮散剤を注入する工程を含む、揮散器の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−106417(P2009−106417A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279955(P2007−279955)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】