説明

揮発性および/または熱不安定性物質用の経皮吸収治療システム

本発明は、少なくとも一つの易揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を含む、経皮吸収治療システムに関する。このシステムは、少なくとも三つの成分、すなわちポリマーマトリクス層、活性成分および/または補助成分を高い割合で吸収する同様のポリマー性のアクセプター層、ならびに製造時に揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を含むドナー層を相互に積層することによって製造できる。本発明に従うシステムは、積層処理時またはその直後に、易揮発性および/または熱不安定性物質が移動する結果としてドナー層がアクセプター層と一体化する点で特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
経皮吸収治療システム(TTS)は、皮膚に適用する投与形式であり、経皮吸収後に薬物が全身的に利用可能となるよう設計される。TTSは、長期間にわたる血中への活性成分の継続的送達を確保することによって、薬物投与の治療的価値を高めることができる。この活性成分の継続的送達の利点は、主として、患者のコンプライアンスの改善につながる適用間隔の長さ、および作用期間の長さと副作用の少なさを確保する薬物動態学的に最適化された血漿濃度/時間プロフィールである。経皮適用経路によってもたらされるさらなる利点は胃腸への適合性の改善、および、初回通過効果を回避する結果としての生物学的利用性の改善である。
【背景技術】
【0002】
これらの利点の全てにより、TTSは数年前から公知となっている。この種のシステムは、例えばエストラジオール、酢酸ノルエチステロン、ニコチン、フェンタニル、ツロブテロール、エチニルエストラジオール/ノルエルゲストロミン、ブプレノルフィン、またはニトログリセリンを含む活性成分、およびさらなる一連の活性成分による治療に導入されている。それらの構造は、一般的に、薄く層状であり、それによって皮膚に直接的に接する側(接着層)の助けをかりて、少なくとも一時的な皮膚との接着を形成し、それを通じて活性成分が送達される。先行技術によれば、TTSは典型的には、薬物不浸透性の支持層、薬物を含有する貯蔵層またはマトリクス層、および皮膚へ付着のための感圧粘着層(この層は薬物を含有する貯蔵層またはマトリクス層と同一の場合もある)、ならびに適用前に取り除かれることが意図される薬物不浸透性の保護層(リリースライナー)から構成される。
【0003】
皮膚を通じた活性成分の浸透性を改善するため、ポリマー、樹脂、およびその他の薬学的な補助成分に加えて、室温で液体でありかつ部分的に接着力を調節し、経皮吸収治療システム内での拡散性を改善し、またはそれ以外では皮膚を通じた活性成分の浸透性を改善するよう作用するシステム成分の使用がなされる。
【0004】
活性成分だけでなく、主に液体の補助成分もまた、作業条件下で揮発性および/または熱不安定性の特性を有し、製造時に分解される可能性がある。これの一つの可能性のある帰結は、典型的には適当な有機溶媒中での出発物質の混合、その後のベースフィルムへの薄層コーティング、およびその後の(通常は連続して行われる)高温での乾燥、からなる経皮吸収システムの製造時の大きな損失の発生である。
【0005】
これらの損失、より具体的には製造の最終段階すなわち乾燥段階での損失は、誤投薬および/または製造したTTSの一部における効能的欠陥の事例をもたらし、従って正規の製造が、そしてそれ故に治療適用、より具体的にはヒトへの適用が制限されるかまたは不可能になる。
【0006】
いかなる網羅的列挙に関する主張をすることなく、揮発性および/または熱不安定性物質の例として以下の物質が挙げられる:
2−ピロリドン、ベンジルアルコール、ブタノール、ブタンジオールおよびその他の単鎖アルコール、シネオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アジピン酸ジイソプロピル、ドデカノール、ジメチルデシルホスホキシド、ジメチルイソソルビド、ジメチルラウロイルアミド、ポリジメチルシロキサン、ジメチルスルホキシド、ドデシルスルホキシド、酢酸、酢酸エチルならびにその他の揮発性脂肪族および芳香族エステル(多くの精油の混合物)、エチレングリコール、モノラウリン酸エチレングリコールならびにエチレングリコールまたはプロピレングリコールのその他のエステルおよびエーテル、2−オクチルドデカノール、グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、硬化ヒマシ油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、メントールまたはその他の揮発性テルペン誘導体(多くの天然精油の混合物)、安息香酸メチル、メチルオクチルスルホキシド、モノ−またはジエチルアセトアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド、N−メチルピロリドン、オクタン−1−オールおよびその他の揮発性中鎖アルコール、オクタン酸およびその他の中鎖脂肪族カルボン酸、オレイルアルコール、プロパンジオール、オリーブ油、オレイン酸、オレイン酸オレイル、フェニルエタノール、プロピレングリコール、リシノール酸、トランスクトール(Transcutol)(登録商標)、トリアセチン、ならびにこのような化合物の混合物、例えばオレイン酸/プロピレングリコールまたはリモネン/ジメチルイソソルビド。
【0007】
好ましい揮発性および/または熱不安定性補助成分には、以下の物質が含まれる:シネオール、ジエチレングリコール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メンソール、テルペン誘導体、N,N−ジエチル−m−トルアミド、プロパンジオール、およびトランスクトール(登録商標)。
【0008】
高揮発性および/または熱不安定性活性成分には、例えば、ニコチン、ニトログリセリン、ブプロピオン、サリチル酸、メカミルアミン、セレギリン、スコポラミン、ベンラファキシン、オキシブチニン、ベンザトロピン、フェンフルラミン、ツロブテロール、フェンタニール、スフェンタニル、カプサイシン、サリチル酸メチル、シクロペンタミン、エフェドリンが含まれるが、このリストは網羅的なものではない。これらの物質の混合物は、活性成分または補助成分の性質によらずに同じ方法で使用され、それが特に有利であり得る。
【0009】
上記の揮発性の特性によるだけでなく、経皮吸収治療システムの乾燥工程に乾式加熱または湿性加熱が使用される場合は、乾燥媒体(ガス、より具体的には空気)の高レベルの対流と共に熱、酸素、および湿気に曝される結果、活性成分または補助成分が早期に分解する可能性がある。
【0010】
これらの理由から、従来的な経皮吸収治療システムの製造法は、全体として問題があるとみなされており、しばしば直接的に利用することができない(例えば、Dermatological and Transdermal Formulations,New York 2002,Marcel Dekker,319〜399ページの“Dermatological Formulation and Transdermal Systems”,Kenneth A.Walters and Keith R.Brain,より具体的には343ページ下部の内容を参照のこと)。
【0011】
これまで、上記の揮発性および/または熱不安定性による物質の損失を回避する製造プロセスを開発する試みが絶えず行われてきた。従って、本明細書においては、例として、DE3629304、US4,915,950、より具体的にはUS5,902,601において提案された解決策に対する言及をなす。後者においては、ポリメイスコ(Polymeisko)の添加によって作製された活性成分または補助成分の調製物が、基材に正確にコーティングされ、活性成分または補助成分が移動した後に全体として固化したマトリクスを形成するよう、粘着性で活性成分非含有の接着層により積層される。しかし、US5,902,601の実施例2によっても確認されているように、この先行技術のプロセスの欠点は、得られる生成物が全体的なずり抵抗を有するシステムとなるまでに要する「平衡時間」が比較的長いこと(同書では60分とされている)である。従って、工業的生産により得られる積層物における各個別の要素は、行われている製造操作において機械的負荷を受けてはならないので、このような操作は、拡散性の低いポリマー、例えばポリイソブチレン、スチレン−イソプレンコポリマー、および特定のアクリル酸ポリマーを用いる場合、工業的に実施することがほとんど不可能である。
【0012】
DE4332094C2は、典型的な処理温度で揮発性の補助成分または活性成分を実質的に損失なしで含めることができる、溶媒を用いずに製造できる活性物質のパッチを記載する。これは、製造時に、唯一の溶媒である、高揮発性の活性成分または補助成分中のマトリクスベース材料の拡散性の分子分散溶液を構成する第一のマトリクス層を、一つまたはそれ以上のさらなるマトリクス層を含む別々に製造された集合体に積層することによって達成される。高揮発性の活性成分または補助成分がその後に接しているマトリクスへと移動する結果として、第一のマトリクス層の当初の拡散性、高粘性の一貫性が失われ、このシステムは全体として、活性物質パッチを使用するのに必要な形で、柔らかく粘着性でありながら、形状的に安定またはずり安定になる。この手順の時間(「エイジングプロセス」)は、他の物理的パラメータと共に、全ての成分の拡散性および全体の幾何学に依存して数分から数時間になるが、特定の場合においては数日から一週間にもなる場合がある。異なる長い「エイジングプロセス」の一つの可能性のある帰結は、製造後直ちに使用されるTTSが未だ必要な形状的安定性を獲得していないということである。さらに、「エイジング時間」後に活性成分または補助成分を含まなくなった第一のマトリクス層が、完成品のTTSに残存するという事実は、このシステムをさらに厚くする原因である。
【0013】
公知の先行技術はさらに、高揮発性および/または熱不安定性成分を含む経皮吸収治療システムを製造する場合に、マトリクスベースポリマー/成分の組み合わせが少なからず考えられるが、それとは対照的に組み合わせの実現性は非常に限定的であることを明らかにした。従って、例えば、(揮発性の)活性成分としてニコチンを含む経皮吸収治療システムは、ニコチンをマトリクスに適用した場合にニコチンが浮遊液体層の形態で留まるため、ポリイソブチレンマトリクスを基礎にして製造することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、先行技術から公知の対応するシステムの欠点を回避する、より具体的には、マトリクスベースポリマーと揮発性および/または熱不安定性成分の組み合わせの範囲を広げもする、揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を含む、形状安定性のある経皮吸収治療システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1に従う経皮吸収治療システムによって達成される。
【0016】
このシステムの要素の相互に対する積層処理は、任意の順序で行うことができる。従って、皮膚側ポリマーマトリクス層(2)、これは多層(2’、2’’)でもよい、を最初にアクセプター層(4)に積層し、その後にドナー層(3)に積層することができる。代替の選択肢は、反対の順で行うことである:例えば、皮膚側層(2)の次に直接的に層(3)を、その次に層(4)を、そして例えば最後に活性成分不浸透性の支持層(1)とすることもできる。本発明による驚くべき成功は、層(3)から迅速に揮発性および/または熱不安定性成分を獲得し、かつ、その間、さらなる移動のための多くの時間の経過後に、揮発性および/または熱不安定性成分の大部分が低拡散性ポリマーを含む層(3)へと拡散する前に、このシステムを最初にずり抵抗性にする、層(4)の特性を持つ製品である。このセンセーションを起こすシステムのさらなる構成およびその改造は、積層処理、巻き取り(winding)、個別化(singularization)、打ち抜き(diecutting)等の、当業者に公知の典型的な成分および技術を用いて達成される。
【0017】
典型的には、少なくとも一つの追加の、一般的には活性成分不浸透性の支持層(支持体1)が追加され、さらにマトリクス(2)がすでに接着性を有していない場合、接着層が皮膚側に適用され、経皮吸収治療システムの維持のために、このシステムを使用する前に取り除かれる、再貼付可能な保護層(リリースライナー5)も追加される。さらに、支持層へのドナー層のより良い接着、または構成によってはアクセプター層のよりよい接着のために、接着性のアンカー層(6)が存在する場合もあり得る。それらの多層的な性質にもかかわらず、本発明に従うシステムは、効能の面で何ら欠点を有さない。なぜならば、層の厚みを適当に選択すれば、このシステムは先行技術のシステムと同じ厚みに、またはより薄くさえなるからである。先行技術と比較して有利な点は、極めて向上した加工可能性であり、この利点はこの成分の温度誘発性の揮発性または不安定性からの保護と共に提供され、かつこのようなシステムを工業的スケールで製造可能にする。
【0018】
さらに、この製剤技術は、その活性成分および補助成分に対する緩慢な浸透特性のためにこれまで製造の面から移動法(migration methods)に不適当とされてきたポリマー、より具体的には接着性ポリマーにも開放される。より具体的には、このようなポリマーには、経皮吸収システムにおいて非常に典型的な以下のポリマー群が含まれる:スチレン−イソプレンコポリマー、ポリイソブチレン、アクリル酸コポリマー、ブチルゴム、ポリブチレン、および多くのその他の有意に低い吸収性を有する同様のポリマー。
【0019】
揮発性および/または熱不安定性の成分ならびに考慮される候補物質の性質はすでに、導入部に記載した。以下は、マトリクス層(2)として可能性のあるベースポリマーである:ポリイソブチレン、ポリブチレン、スチレン−イソプレン、スチレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー。この文脈で、さらなる成分、例えば樹脂、油、増量剤、およびその他の薬学的に典型的な修飾剤(modifiers)を利用することが可能である。
【0020】
マトリクス層に適したベースポリマーとして、ポリイソブチレン、ポリブチレン、およびブチルゴム、より具体的にはポリイソブチレンおよびポリブチレンが好まれる。
【0021】
この層は、揮発性および/または熱不安定性成分を未だ含んでいないので、溶解、混合、コーティング、および温度制御下での乾燥という従来技術によって製造できる。同じことがアクセプター層(4)にも言えるが、アクセプター層は、低拡散性成分ではなく、有意に向上した活性成分および補助成分に対する吸収特性を有するポリマーで構成される。この層は、粘着性または非粘着性の製剤になされ得る。従って、ここでは、典型的なベースポリマーは、水溶性および有機ポリマーに対する溶解性を有するものである。例として、ポリビニルアルコール、酢酸ポリビニル、シリコーン接着剤およびシリコーンゴム、ならびにアクリル酸およびアクリル酸メチルコポリマー等の物質に対する言及をなす。
【0022】
しかし、層(2)に関して、向上した活性成分吸収特性が常に得られるならば、低拡散性ポリマーおよびアジュバントを使用することが全く可能である。一つの具体的な実施態様において、これは、低拡散性ポリマーを含むベースマトリクスの中に大きく膨張する物質(PVP、ポリビニルアルコール)の粒子を組み込むことによっても達成できる。
【実施例】
【0023】
実施例:
実施例1:
a)低分子量および高分子量のポリイソブチレン、ポリブチレン、および脂肪族炭化水素の混合物を含む溶液を、乾燥後のコーティング重量がおよそ110g/m2となるよう、シリコン処理した36μmの中間PETフィルム(アンカー層(6))に適用した。乾燥後、この接着性コーティング物を透明な23μm PETフィルムで裏張りした(1)。
b)第二の作業工程において、(a)と同じポリマー溶液を、乾燥後の接着性コーティング物がおよそ110g/m2となるよう、シリコン処理した100μmのPETフィルム(5)に適用した(2)。この接着性コーティング物を、36μm PETフィルムのシリコン処理した側で裏張りした。
c)その後、ポリ(メタクリル酸ブチル)および酢酸エチルの溶液を、乾燥後のコーティング重量がおよそ90g/m2となるよう、シリコン処理していない36μmの中間PETフィルムにコーティングした(4)。乾燥直後に、ポリ(メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチレン)のフィルムを、(b)の接着性コーティング物の上に積層した(36μm PETフィルムを予め剥がしておいた)。
d)その後、ニコチンおよびポリ(メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチレン)の溶液を、コーティング重量がおよそ60g/m2となるよう、ポリ(メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチレン)フィルムの上にコーティングした(3)。最後に、36μm PETフィルムの除去後、(a)のアンカー層を、100μm PETフィルム(5)、マトリクス(2)、ポリ(メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチレン)(4)、およびニコチン/ポリ(メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチレン)(3)を含む集合体に積層した。その結果物が完全なニコチン積層物であった。バージョン1〜4の経皮吸収治療システムを同様に製造した。
【0024】
【表1】

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分および補助成分に対して実質的に不浸透性の支持層、少なくとも一方が活性成分および/または補助成分を含むアクセプター層として機能する少なくとも二つのポリマーマトリクス層、ならびに再貼付可能な保護層で構成される、少なくとも一つの高揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を含む経皮吸収治療システムであって、該経皮吸収治療システムが、再貼付可能な保護層、少なくとも一つの皮膚側ポリマーマトリクス層、高揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分の向上した吸収性という特性により特徴付けられるさらなるポリマーアクセプター層、製造時に高揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を含むかまたはこれらで構成されるドナー層、所望により追加のマトリクス層、ならびに支持層を互いに積層することによって製造でき、積層処理時または積層処理直後に高揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分が移動する結果としてドナー層はアクセプター層と一体化することを特徴とする、経皮吸収治療システム。
【請求項2】
高揮発性および/または熱不安定性の活性成分が薬学的に活性な成分であることを特徴とする、請求項1に記載の経皮吸収治療システム。
【請求項3】
追加のマトリクス層が、支持層に結合した感圧粘着性のアンカー層であることを特徴とする、請求項1または2に記載の経皮吸収治療システム。
【請求項4】
ポリイソブチレン、ポリブチレン、スチレン-イソプレン、スチレンコポリマー、および/またはスチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマーが、マトリクス層のベースポリマーとして使用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の経皮吸収治療システム。
【請求項5】
ポリイソブチレンおよび/またはポリブチレンがベースポリマーとして使用されることを特徴とする、請求項4に記載の経皮吸収治療システム。
【請求項6】
皮膚側マトリクス層が接着性を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の経皮吸収治療システム。
【請求項7】
皮膚側マトリクス層が、感圧粘着性の層と共に提供されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の経皮吸収治療システム。
【請求項8】
高揮発性および/または熱不安定性の活性成分が、ニコチン、ニトログリセリン、ブプロピオン、サリチル酸、メカミルアミン、セレギリン、スコポラミン、オキシブチニン、ベンラファキシン、ベンザトロピン、フェンフルラミン、ツロブテロール、フェンタニール、スフェンタニル、カプサイシン、サリチル酸メチル、シクロペンタミン、およびエフェドリンからなる活性成分群より選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の経皮吸収治療システム。
【請求項9】
最初に、コーティングおよび乾燥によって、揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分に適したアクセプター層を生成し;揮発性および/または熱不安定性の活性成分および/または補助成分を、単独でまたはさらなる補助成分と組み合わせて、ドナー層としてアクセプター層に適用し;このようにしてコーティングしたアクセプター層を支持層で直接的に裏張りするか、またはまずアンカー層と組み合わせた後に支持層で裏張りし、このようにして生成された積層物を、再貼付層(リリースライナー)と反対側に提供される少なくとも一つのマトリクスと結合することを特徴とする、経皮吸収治療システムの製造方法。

【公表番号】特表2009−523138(P2009−523138A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549779(P2008−549779)
【出願日】平成18年12月16日(2006.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012149
【国際公開番号】WO2007/087872
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】