説明

揮発性液体の収容および散布のためのアンプル

本発明の1つの観点である揮発性液体の収容および散布のためのアンプルは、(a)不透過性材料を含有し少なくとも1つの開口を規定している外郭、(b)外郭の内側に配置され内部リザーバを規定している多孔性散布部、(c)内部リザーバ内に含有される揮発性液体および(d)外郭に付着され当該少なくとも1つの開口を覆うフィルム部を備え、フィルム部は多孔性散布部とフィルム部との間に空間が存在するように配置され、多孔性散布部は揮発性液体の分子が多孔性散布部を通り抜け散布を経た際のみ空間内に入ることが可能であるよう構成されている。当該アンプルは、南京虫誘引物質としての有機化合物、特に、C−C12アルカンのような高い揮発性液体中に処方されるものの収容および散布に向いている。本発明のもう1つの観点は、少なくとも1つの前記アンプルを受容するよう適合された装置であり、南京虫捕獲装置が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、揮発性液体の収容および最終的に制御された散布のために利用される、新規な揮発性液体の収容アンプルに関する。
【背景技術】
【0002】
南京虫は、人間およびその他の恒温のホストの血液を餌とするトコジラミ科の小さな夜行虫である。南京虫は隠れた行動をとっており、探知および抑制することは困難である。一般的な南京虫(Climex lectularious)が、人間の環境に対しよく適合するようになったことは明白な真実である。南京虫のその他の種についても、人々および/または動物に対し、不快なものである。
【0003】
アメリカ合衆国のような多くの領域にて南京虫が抑制されていく一方、近年では、国際旅行の増加によってこれらの害虫が再活動している。一度ある場所に定着してしまったら、南京虫を根絶することを困難にする要素が多数ある。そのため、南京虫が定着する前に、その存在を確かめる効果的なトラップが必要とされる。
【0004】
成虫の南京虫は、約6ミリメーターの長さで、5〜6ミリメーターの幅で、楕円形の平らな赤褐色の体をしている。幼体の若虫は成虫と同様の外見であるが、より小さく、色が薄い。南京虫は飛ばないが、表面を容易に動くことができる。雌の南京虫は隠れた領域において卵を産み、1日に5個をも、生涯の間に500個もの数の卵を産むことが可能である。南京虫の卵はとても小さく、ほぼ埃と同様の大きさである。産み付けられた初期は、卵は粘着性を有しており、表面に付着する。
【0005】
南京虫は、長期間餌無しで生存することが可能である。成虫は餌無しで数ヶ月も生存することができ、若虫は数週間生存することが可能である。結果的に、当該南京虫による汚染は、単純に短期間の時間を置き、放置することによっては取り除くことができない。さらに、そのような食の習性は、南京虫が空腹の場合に餌に誘われて出てきている様子を観察することさえも困難にする。このように、これらに対し有効となるためには、南京虫捕獲装置は、長時間において効果的な濃度における誘引物質を発生し続けることが可能でなければならない。
【0006】
南京虫は夜間に活動する一方で、昼間は小さな隙間や割れ目の中に隠れている傾向がある。そのため、南京虫は、ベッド、ベッドフレーム、家具、床板に沿った所、絨毯およびその他の数えきれない隠れ場所を容易に見つけ出すことができるのだろう。南京虫は集まる傾向はあるが、他の虫のように巣を作ることはない。
【0007】
南京虫は、延びた口の部分を通し、血液を吸うことによって栄養を摂取する。人間の場合、噛まれたことには気付きにくいが、南京虫に3分から10分間において餌とされているのかもしれない。噛まれた後は、時折痒い痕が現れたり、または後になって噛まれた範囲において腫れとなる過敏な反応も現れる。しかし、人によっては南京虫に刺されても何の反応も無かったり、とても小さな反応のみしか起こさない。南京虫は、蚊やダニのような他の害虫と似ている徴候を有している。噛み痕は、南京虫のものか他の害虫のものか判断することは不可能であり、また、蜂もしくは肌の吹き出物における誤診である場合もある。結果的に、南京虫による汚染は、気付かれる前に長い間にわたって頻繁に起こっているのかもしれない。
【0008】
南京虫による汚染は、南京虫が新たな場所へと運ばれることによって起こる。南京虫は定着して離れないことを好み、小さい場所に隠れる。そのため、南京虫は旅行者の荷物の中において運ばれているのだろう。結果として、占有者の回転率が高い建物である、ホテル、モーテル、小ホテル、営所、クルーズ船、シェルター、療養施設、キャンプ所、寮、分譲アパートおよびアパートが南京虫の汚染に対して特に弱い。
【0009】
ここに記載した南京虫の全ての特性のため、南京虫は発見するのも根絶するのも両方困難である。害虫除去の専門家や専門の殺虫剤が必要となり、部屋の全てにおける散らかっているものと不要なものを取り去り、掃除機を通して可能な限りの南京虫と卵とを除去し、隠れていそうな範囲に殺虫剤をまく必要がある。このような根絶のための処置は、ホテル等の営業に対し、破滅的となり得る。結果として、汚染が定着してしまう前に、最も早く可能な間において南京虫を見つけ出すことが望ましい。
【0010】
南京虫を素早く見つけ処理しない限り、南京虫の小さくて素早く隠れる動きが、汚染を防ぎ抑制することを不可能に近い状態とする。壁、天井および床の中の穴を通り、隣接した部屋の中へ動く様子が南京虫において見つかっている。それ故、南京虫の早期発見のための装置および方法は、特にサービス産業において必要とされている。
【0011】
過去には、南京虫監視および/または捕獲の装置の考案の試みが多く行われてきた。南京虫を罠の構成要素へと誘い出すために、それらの装置のいくつかには、誘引物としてフェロモン、人間の汗の成分、または空気より重い他の有機化学物質が使用されている。
【0012】
例えば、特許文献1には、モノテルペン、飽和アルデヒド、不飽和アルデヒドおよびケトンを含む南京虫フェロモンでの化学物質の混合物から構成される、揮発時に南京虫を誘引することができる化合物が開示されている。
【0013】
同様に、特許文献2には、南京虫の嗅覚の誘引物質として使用することができる、息、汗および髪または肌の油分の構成要素が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0168703号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0044372号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、そのような空気より重い有機化学物質の誘引剤を使用した装置は、一般的に、商業的には効果的ではなかった。本発明者らは南京虫の多くの特徴を研究し、望まれる動きをするための当該装置の失敗の1つの要因は、南京虫を誘引する一定の比率におけるそのような誘引物質の散布であることを思案した。この結果、本発明者らは、南京虫を罠に誘い出すことに関し、化学誘引物質の最適濃度の存在についての観察を行った。濃度が低すぎると十分に南京虫を誘引することができないだろう。一方、濃度が高すぎる場合、そのような“誘引物質”では虫を寄せ付けない効果が見られた。従って、効果的に南京虫を監視するためには、相当な期間、一週間またはそれより長くにわたり、望ましい比率において誘引物質を放出することが必要である。
【0016】
ヘキセナールおよびオクテナール等のフェロモン、ならびにブチル酸等の人間の汗の成分を含む最も効果的な南京虫の誘引物質のいくつかにおいて、とても低い比率における散布が南京虫の誘引にとって最適であることがわかった。特に、南京虫に対して最も誘引性を有するためには、放出されるヘキセナールおよびオクテナールの最適な濃度が約50ng/L/hrから約200ng/L/hrであり、放出されるブチル酸の最適な濃度が約15ng/L/hrと約50ng/L/hrとの間の濃度である。なお、分解の問題を避けるために、そのような誘引物質は典型的にC−C12アルカンのような揮発性の有機溶媒において溶解されている。しかし、そのような溶媒は揮発性であるので、空気中に放出された際に直ちに蒸発してしまう。その結果、誘引物質の最初の放出率がかなり高くなってしまい、実際には南京虫を追い払ってしまうかもしれない。さらに、このような急速な放出では、直ちに監視器具から誘引物質を消耗させてしまう。その結果、前述の最初の高い放出率の後には、効果的に南京虫を誘引するには低すぎる放出率となってしまう。
【0017】
従って、そのような誘引物質を、長期間にわたり所定の比率において放出する手段が必要となる。
【0018】
上述した南京虫の誘引物質に加えて、香料、芳香剤、アロマセラピー成分、殺虫剤、防虫剤および調合薬を含むその他の材料においても、基準量を持続して放出することが同様に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
1つの観点では、本発明は、(a)不透過性材料から構成され、少なくとも1つの開口を規定している外郭と、(b)前記外郭の内側に配置され、内部リザーバを規定している多孔性散布部と、(c)前記内部リザーバ内に含有される揮発性液体と、(d)前記外郭に付着され前記少なくとも1つの開口を覆うフィルム部とを備え、前記フィルム部は、前記多孔性散布部と前記フィルム部との間に空間が存在するように配置され、前記多孔性散布部は、前記揮発性液体の分子が前記多孔性散布部を通り抜け散布を経た際のみ前記空間内に入ることが可能であるよう構成されている、揮発性液体の収容および散布のためのアンプルを示す。当該アンプルは、長期間での一定の比率における揮発性化学物質の放出が可能であり、これは非常に低いゼロの桁割合も含まれる。従って、これらは南京虫の誘引物質として利用される有機化合物の収容および散布に、特に、当該誘引物質がC−C12アルカンのような高い揮発性液体において溶解されている場合には極めて適している。
【0020】
もう1つの観点では、本発明は、1つまたはそれより多くの前記アンプルを受容するよう適合された装置を示す。1つの好ましい実施の形態では、このような装置は南京虫捕獲装置である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のアンプルの第1の実施の形態における断面図を示し、フィルム部が少なくとも1つの開口をわたって広がっている一体化したシートとなっている。
【図2】本発明のアンプルの第2の実施の形態における断面図を示し、フィルム部が可動カバー部分によって覆われており、1つまたはそれより多くの予め形成された孔を備えたものとなっている。
【図3】本発明のアンプルを受容するよう適合された、本発明の南京虫捕獲装置を示す断面図である。
【図4】図3の装置の基盤を示す上面図である。
【図5】本発明のさらなる実施の形態において、多孔性散布部が断面において平面状に存在することを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1つの観点では、本発明は、(a)不透過性材料を含有し少なくとも1つの開口を規定している外郭、(b)前記外郭の内側に配置され、内部リザーバを規定している多孔性散布部、(c)そのような内部リザーバ内に含有される揮発性液体、および(d)前記外郭に付着され前記少なくとも1つの開口を覆うフィルム部を備え、前記フィルム部は前記多孔性散布部と前記フィルム部との間に空間が存在するように配置され、前記多孔性散布部は揮発性液体の分子が前記多孔性散布部を通り抜け散布を経た際のみ前記空間内に入ることが可能であるよう構成されている、揮発性液体の収容および散布のためのアンプルであることを特徴としている。
【0023】
本発明のアンプルの外郭は、(1)多孔性散布部を含むよう合わされており、(2)フィルム部によって覆われるよう合わせている少なくとも1つの開口を規定しておりさえすれば、任意の構成で構わない。そのような外郭は円筒の形状が好ましいが、当該技術分野の者に対し明らかであるような、その他の構成でも使用することができる。
【0024】
外郭は、多孔性散布部内、および/またはその中に規定された内部リザーバ内において収容された液体に対し不透過性を有する任意の材料から構成され得る。また、例えば、そのような液体がC−C12アルカンのような高揮発性溶媒(オクテナール、ヘキセナールおよびブチル酸を含む南京虫誘引物質と併せて使用され得るもの)を含有している場合、そのような外郭は、金属、ガラスまたはポリエチレンテレフタレートのような耐性プラスチックから作られ得る。
【0025】
多孔性散布部は、外郭内に配置した際に内部リザーバを規定するように構成されている。そのような構成によると、多孔性散布部を通り抜ける散布を経ることを除き、リザーバ内に存在している液体が多孔性散布部の隙間を通り抜けてしまう(例えば、散布部とフィルム部との間に規定されている空間の中へ入る)ことを防ぐ。また、このような構成によると、アンプルからの液体の放出比率に影響を与えること無く、アンプルを任意の方向(側方、上方または下方等)で配置することができる。
【0026】
一般的に、多孔性散布部は、変形できない焼結型の多孔性合成樹脂から構成されている。当該多孔性合成樹脂は、制御された孔性を有しており、重合したポリマー粒子の集合体から形成された全方向へ相互連結している孔を有している。多孔性材料の多孔性の程度は、製造の際において制御することが可能である。これは、変化する粘度の液体産物の幅の程度を合わせ、孔性の幅の程度を確保することによる。また、多孔性散布部は、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリビニリデンフルオライド等によって加工してもよい。商業上市販されているものでは、“Porex”多孔性プラスチックおよび“Porous poly”が利用されている。揮発性液体がC−C12アルカンを含有している場合、多孔性散布部は超高分子量ポリエチレンから構成されていると好ましい。
【0027】
通る液体によって、散布部の孔の大きさは幅広く変えてもよい。C−C12アルカンのような高揮発性液体では、約1ミクロンまたはそれ以下の、より小さい孔の大きさが好ましい。しかし、その他の液体においては、約1から200ミクロンの間において、孔の大きさが変わってもよい。
【0028】
フィルム部は外郭に付着し、(a)外郭によって規定された少なくとも1つの開口を覆うように、かつ(b)多孔性散布部とそのようなフィルム部との間に空間が形成されるように配置されている。
【0029】
本発明に係る1つの実施の形態では、フィルム部は、多孔性散布部を通り抜け空間へ散布された内部のリザーバ内に含まれている液体の分子を、アンプルから周囲環境へと通し得る透過性の物質から構成されている。
【0030】
他の実施の形態では、フィルム部は、当該フィルム部に1つまたはそれより多くの孔が作られるまではアンプルを出て分子が散布されることを防ぐ、不透過性のフィルム(例えば、アルミニウムホイルのような金属のフィルム)を含有している。そのような孔は、フィルム部を穿孔することによって、またはそのようなフィルム部において予め形成された孔を覆ったシールを取り去ることによって、作ることができる。
【0031】
また、フィルム部は、アンプルからの揮発性物質の望ましい放出比率を損なわないような任意の封止手段によって、外郭へと付着されていればよい。特に、そのような揮発性物質に溶解および/または浸透されやすい接着剤および封止剤は、使用されるべきではない。
【0032】
そのような揮発性物質がC−C12アルカンを含有している場合、外郭(好ましくは、ポリエチレンテレフタレートから作られているもの)に対し、フィルム部(好ましくは、アルミニウムから作られているもの)を熱封止することによって、当該フィルム部を外郭に付着させることが好ましい。安全面に関することでは、そのような熱封止は、窒素ブランケット下または同様の不活性環境下において行われるべきである。そのような実施の形態では、熱封止のために利用できる表面領域を広げるため、当該外郭がその上部のリムの周囲にフランジを有していることが好ましい。
【0033】
本発明のアンプルは、香料、芳香剤、アロマセラピー成分、殺虫剤、防虫剤および調合薬を含むその他の材料を含有する、揮発性化学物質の多くの種類の放出を制限するように使用されてもよい。1つの特に好ましい実施の形態では、当該アンプルは、南京虫誘引物質として使用される有機化合物の収容および散布に特に適している。
【0034】
溶媒が使用されている場合において、アンプルからの揮発性活性材料の相対的な一定の比率の放出を達成するためには、活性材料および溶媒の蒸気圧は可能である限り近づけるべきであり、同程度の大きさが好ましい。
【0035】
使用され得る南京虫の誘引物質は、フェロモン、人間の汗の成分およびその類のものを含む。特に、使用され得る誘引物質は、(+)−リモネンおよび(−)−リモネンのようなモノテルペン、ノナナールおよびデカナールのような飽和アルデヒド、(E)−2−ヘキサナール、(E)−2−オクテナール、(E,E)−2,4−オクタジエナールおよび(E,Z)−2,4−オクタジエナールのような不飽和アルデヒド、ベンズアルデヒドのような芳香族アルデヒド、スルカトンおよびジェラニルアセトンのようなケトン、ベンジルアセテートのようなアセテート、ベンジルアルコールのような芳香族アルコール、メタノール、メタン、フランおよびピリジンのような人間の息の成分、乳酸、ブチル酸、オクテノール、インドール、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、ジェラニルアセトン、1−ドデカノール、3−メチル−1−ブタノール、カルボン酸および尿素を有する人間の汗の成分、ならびに皮脂のような人間の肌の油分を含有する、南京虫のフェロモン成分が含まれる。1つまたはそれより多くの誘引物質を混合したものを使用してもよい。
【0036】
特に好ましい1つの誘引物質の組み合わせは、不飽和アルデヒド構成物質および有機酸構成物質を含有する組成物である。好ましくは、当該不飽和アルデヒド構成物質は、トランス−2−ヘキセン−1−アール(ヘキセナール)およびトランス−2−オクテン−1−アール(オクテナール)から構成される群から選択された、1つまたはそれより多くのアルデヒドを含有する。好ましくは、当該有機酸構成物質は、ブチル酸である。アルデヒド構成物質がヘキセナールおよびオクテナールの両方で構成されている場合、アルデヒドでの、オクテナールに対するヘキセナールの重量比率が1:5から5:1であることが好ましい。より好ましくは、重量比率が1:3と3:1との間である。南京虫を効果的に誘引するためには、放出するヘキセナールおよびオクテナール混合物の最適な濃度は約50ng/L/hrから約200ng/L/hrであり、放出するブチル酸の最適な濃度は約15ng/L/hrと約50ng/L/hrとの間である。ヘキセナールおよびオクテナールとブチル酸との混合物は不安定な組成物を形成する。そのため、酸の構成物質からアルデヒドの構成物質を分離しておく必要がある。適切な比率において放出する誘引物質の組成物における構成物質を分離するためには、それぞれの構成物質を、例えばC−C12アルカンのような有機溶媒に溶解しておいてもよい。アンプルが約20℃と40℃との間の温度変動を受ける場合には、デカンおよびウンデカンの適用が特に好ましい。この理由は、そのような温度変動により揮発率に与える影響が、ノナンよりもこれらの方が小さいからである。
【0037】
他の好ましい実施の形態は、オクテナールおよび/またはヘキセナールを単独に使用する場合に関する。また、これらは共通に誘引物質として、ブチル酸の使用がされていてもいなくてもよい。
【0038】
本発明のアンプルは、他の虫の誘引物質を含むように適用し得ることもできる。例えば、以下の表において、標記した種を誘引する場合での揮発性液体において含有され得る誘引物質を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
当該アンプルは、一般的に、外郭が提供され、揮発性の分子を含む液体が外郭の内部へと注入され、多孔性散布部が外郭の中へ挿入され、フィルム部が外郭によって規定されている少なくとも1つの開口をわたって付着されることによって組み立てられる。
【0041】
なお、もう1つの観点では、提供する発明は、1つまたはそれより多くの本発明のアンプルを受容するよう適合された装置にも向けられる。そのような装置の特定の構成部品および構造は、アンプルから放出される揮発性化学物質だけでなく、大きくその機能にも依って変更し得るものであるということは、当該技術分野の者には容易に理解できるであろう。
【0042】
1つの好ましい実施の形態では、本発明の装置は南京虫捕獲装置である。そのような南京虫捕獲装置では、アンプル受容手段に加え、放出される誘引物質によって装置の中へと南京虫を誘うことが可能な罠要素を備えているだろう。当該罠要素は、一度南京虫が入ったら、出ることを困難にする、または不可能にするような任意の手段を備えていればよい。このために粘着性の罠を使用してもよいが、一般的にそのような罠の使用は熱要素が欠失している場合には好ましくない。これは、他の害虫の罠として効果的である一定の粘着性では、南京虫が罠にかかることは困難であるということが観察されているからである。
【0043】
好ましくは、当該罠要素は落とし罠である。1つの特に好ましい実施の形態では、当該罠要素は、(i)上方傾斜部、(ii)下方傾斜部および(iii)落とし罠領域を備える少なくとも1つの経路を含有し、当該上方傾斜部および内部へと向かう傾斜部の少なくとも外部の部分が、少なくとも約2.5マイクロメーターの平均表面粗さ、さらに好ましくは少なくとも約3.0マイクロメーターの平均表面粗さを有することを特徴としている。材料の平均表面粗さは、Mahr Federal Inc. のPocket Surf(登録商標)portable surface roughness gageを使用し、測定することが可能である。
【0044】
もし所望するのであれば、罠領域は、南京虫をさらに動けなくするよう、または殺すよう、粘着性または殺虫剤を有する液体を含有してもよい。
【0045】
1つの好ましい実施の形態では、南京虫捕獲装置は、アンプルのフィルム部を穿孔する、所定の大きさおよび位置への穿孔手段をさらに備える。その結果、アンプルからの揮発性誘引物質の流れが所定の比率において起こる。
【0046】
もう1つの好ましい実施の形態では、装置からの空気の流れが約5および50ml/cm/minの間の面速度を有するよう、南京虫捕獲装置は空気の流れを作る手段をさらに備えてもよい。好ましくは、そのような手段では、装置を出る空気の面速度が約10および40ml/cm/minの間となるような空気の流れを作る。
【0047】
圧縮空気、エアポンプ、熱装置、ネブライザー、ファンおよびその類のものを含み、そのような空気の流れを作り出す任意の手段を使用してもよい。好ましくは、空気の流れを作り出す手段はファンである。
【0048】
本発明の南京虫捕獲装置は、南京虫を追い払ってしまわないような任意の適切な材料から作られていればよい。好ましい材料は、耐衝撃ポリエチレンまたはアクリロニトリルブタジエンスチレン等の硬いプラスチックを含む。使用され得る他の材料は、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリビニリデンクロライド、高密度ポリエチレン、ボール紙、パラフィン紙、亜鉛メッキ金属およびアルミニウムを含む。
【0049】
色において、装置は、例えば黒、暗い灰色、紺色、暗い青または深い紫のような暗いものが好ましい。これは、南京虫がより明るい表面よりも、より暗い表面を選ぶ傾向を有するからである。一般的に、写真撮影のグレーカードよりも暗い色が好ましい。
【0050】
本発明は添付された図面を参照することにより、一層理解できるだろう。当該図面は、特定の実施の形態を示すものではあるが、任意の手段における本発明の見解を限定するようなものではない。
【0051】
図1は、本発明のアンプルの第1の実施の形態の断面図であり、フィルム部は少なくとも1つの開口をわたって広がっている一体化したシートとなっている。アンプル1は、少なくとも1つの開口を規定している外郭10を備えている。内部リザーバ30を規定している多孔性散布部20は、外郭10の中へ挿入されている。フィルム部40は、空間50がフィルム部40と多孔性散布部20との間に規定されるよう、外郭10によって規定されている少なくとも1つの開口にわたって配置されている。1つまたはそれより多くの揮発性化学物質を含有する液体60は、内部リザーバ30内に存在している。
【0052】
多孔性散布部20は、液体60の分子が、多孔性散布部20を通り抜け散布を経た際のみ空間50内に入ることが可能であるように構成されている。具体的には、そのような散布部20は、液体60が直接空間50内へと漏れる(例えば、散布部20と外郭10との間を通り抜けることによる)ことができないよう、構成されている。
【0053】
液体60に含まれている揮発性の分子は多孔性散布部20を通り抜け、空間50の中へ散布されるだろう。フィルム部40が透過性膜である実施の形態では、そのような分子が直接フィルム部40を通り抜け、周囲環境の中へ散布されてもよい。透過性のフィルム部40を通り抜ける揮発性の分子の散布率を、フィルム部の厚さおよび/またはその構成物を変更することにより所望する範囲に調整され得ることは、当該分野の技術者によれば認識されるだろう。
【0054】
フィルム部40がそのような分子に対して不透過性である実施の形態では、フィルム部40において、そのような分子が空間50から周囲環境の中へと放出されるよう、1つまたはそれより多くの孔(図示せず)が作られてもよい。当該1つまたはそれより多くの孔の正確な大きさを決めることによって、放出率を所定の比率に合わせることができる。
【0055】
図2は、本発明のアンプルの第2の実施の形態の断面図であり、フィルム部は、取り外し可能なカバー部分によって被覆されている、1つまたはそれより多くの予め形成された孔を含んでいる。アンプル101は、少なくとも1つの開口を規定している外郭110から構成されている。内部リザーバ130を規定している多孔性散布部120は、外郭110内に挿入されている。フィルム部140は、フィルム部140と多孔性散布部120との間に空間150が規定されるよう、外郭110によって規定される少なくとも1つの開口にわたって配置されている。1つまたはそれより多くの揮発性化学物質を含有している液体160は、内部リザーバ130内に存在している。予め形成された孔145はフィルム部140に規定されているが、取り外し可能なカバー部分170によって最初は封止されている。
【0056】
多孔性散布部120は、液体160の分子が多孔性散布部120を通り抜け散布を経た際のみ、空間150内に入ることが可能であるように構成されている。具体的には、そのような散布部120は、液体160が直接空間150内へと漏れる(例えば、散布部120と外郭110との間を通り抜けることによる)ことができないよう、構成されている。
【0057】
液体160に含まれる揮発性の分子は多孔性散布部120を通り抜け、空間150の中へ散布されるだろう。当該分子はカバー部分170の取り外しまで、空間150の中に閉じ込められており、その後、孔145を通り抜け周囲の環境の中に出る。孔145の領域を調整することにより、散布率を制御することが可能となる。
【0058】
図3は、本発明のアンプルを受容するよう適合された、本発明の装置の断面図である。当該装置は、受容されたアンプルのフィルム部において、所定の大きさの穿孔を作るための手段を備えている南京虫捕獲装置である。南京虫捕獲装置210は、基盤220、上部230および活性化部240を備えている。アンプル受容手段250は装置210内に規定されており、落とし罠領域260内に配置されている。ファンユニット270は、プロペラ275を備えている。さらに、ファンユニット270は、プロペラ275の動きにより作られる空気が経路280の中へ向かい、その後、当該空気が経路280を空間290の中へと繋いでいる穴(図示せず)を通過するよう、配置されている。さらに、一定の空気の流れを作り出すため、隔壁300がプロペラ275の周囲に配置されている。ファン270は、バッテリー310および315の動力によって動かされている。本実施の形態では2つのバッテリーが示されているが、1つのバッテリーでも使用され得る。活性化部240は、ピン235を備えている。ピン235は、活性化部240を圧力により押すと(または、他の実施の形態では回動させると)、その結果、装置内へ挿入されているアンプルのフィルム部をピンが穿孔し、所定の大きさの孔を作るよう配置されている。活性化部240によりそのような穿孔が作られた後は、例えばバネ機構または回動によって、当該部分は穿孔手段として必要とされた低い位置から反対側の方向に上昇させられる。上昇時に、バッテリー310および315との連結を経てファン270を作動させる回路を完成させるように、当該技術分野の者であれば公知の手段により活性化部240が設計されていてもよい。
【0059】
装置の中に配置されたアンプルのフィルム部が穿孔されれば、揮発性の分子(南京虫誘引物質およびそれらのキャリア等)がアンプルから空間290の中へと散布される。ファン270によって作られた空気の流れは経路280(上述したもの)を経て空間290の中へと通り抜け、上部230の縁330の上に位置する経路(図示せず)により、当該分子を罠から出す。当該経路は、さらに、所定の比率における誘引物質の分子の散布によって誘われた南京虫にとって、装置の罠領域260の中への入口手段として機能する。
【0060】
図4は、図3の装置の基盤の上面図である。上述したように、南京虫捕獲装置210は、罠領域260に配置されたアンプル受容手段250を備えている。ファン270は、バッテリー310および315によって動かされている。隔壁300は、空気の一定の流れを確保するためにプロペラ275を包囲している。プロペラ275の回転によって発生した空気は経路280(図3参照)を通り抜け、空気孔255を通り上述した空間の中へと入る。受容手段250の中に挿入されていたアンプルから散布される分子は、その後、そのような空気の流れによって罠から移動する。
【0061】
図3および4において示されている実施の形態では、2つのアンプル受容手段が示されている。好ましい実施の形態では、これらの受容手段の1つはノナン内にブチル酸が含有されているアンプルが詰められており、他方はデカン内に1つまたはそれより多くのアルデヒド(オクテナールまたはデセナールのようなもの)が満たされているものである。
【0062】
図5は、本発明のアンプルのさらなる実施の形態の断面図であり、多孔性散布部が断面において平面状となっている。アンプル401は、少なくとも1つの開口を規定している外郭410から構成されている。断面において平面状である多孔性散布部420は外郭410内に挿入されており、内部リザーバ430を規定している。フィルム部440は、フィルム部440と多孔性散布部420との間に空間450を規定するように、外郭410によって規定されている少なくとも1つの開口をわたって配置されている。外郭410は、外郭410に対し封止するフィルム部440の利用できる表面領域を広げるフランジ470を備えている。1つまたはそれより多くの揮発性化学物質を含む液体460は、内部リザーバ430内に存在している。
【0063】
多孔性散布部420は、液体460の分子が多孔性散布部420を通り抜け散布を経た際のみ、空間450内に入ることが可能であるように構成されている。具体的には、当該散布部420は、液体460が直接空間450内へと漏れる(例えば、散布部420と外郭410との間を通り抜けることによる)ことができないよう、構成されている。
【0064】
液体460に含まれている揮発性の分子は多孔性散布部420を通り抜け、空間450の中へ散布される。フィルム部440が透過性膜である実施の形態では、そのような分子が直接フィルム部440を通り抜け、周囲環境に散布され得る。
【0065】
フィルム部440がそのような分子に対して不透過性である実施の形態では、フィルム部440において、空間450から周囲環境へとそのような分子が放出される1つまたはそれより多くの孔(図示せず)が作られればよい。そのような1つまたはそれより多くの孔の正確な寸法を定めておくことによって、所定の比率に放出率を合わせられ得る。
【0066】
次の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するものではあるが、任意の手段における本発明の見解を制限するものではない。
【実施例】
【0067】
(実施例1)
誘引分析:分析装置は、3M Super 77(登録商標)multipurpose spray adhesiveを使用して底部に付着させた125mm片の定性濾紙(VWR#28320−100)を含んでいる、150×15mmのプラスチックペトリ皿(VWR#25384−326)から作られた。蓋に80mmの穴を切り込み、開口を覆うように瞬間エポキシ剤を使用し、500μmのメッシュNytex(登録商標)screen(Bioquip,#7293B)を付着させた。それぞれについて、底部を加工したばかりの皿を使用した。これらの実験には、2.4cmのフィルター紙が覆いを作るために折り重ねられた。フィルター紙は、コントロール溶液(シリコンオイル10マイクロリッター)、または、実験例となる化学物質をシリコンオイルで希釈させた溶液10マイクロリッターのいずれかにおいて、取り扱われた。1回の試験において10匹の南京虫が使用された。南京虫(Cimex lectularius)の一日のサイクルである、明12時間および暗12時間(午前7時オン、午後7時オフ)の光サイクルは、通常の室内光状態および室内温度状態の元で、インキュベートおよび評価した。観察は、南京虫を放出してから4時間の間、1時間毎に行った。コントロールフィルターのペーパー皿の元での南京虫の数、および、実験例のフィルターのペーパー皿の元での南京虫の数が計測された。実験例のフィルター皿の元での南京虫の数が、コントロールフィルター皿の元での数より大きければ、当該実験した化学物質は誘引物質であるとみなした。以下のテーブルは実験データの概要であり、誘引物質として考えられる実験は太字にて記載されている。
【0068】
【表2】

【0069】
上述のデータが指し示すように、ヘキセナールおよびオクテナールのような南京虫誘引物質は、100から1000ppmの濃度において最も効果的なのであろう。また、そのような“誘引物質”をより高い濃度で使用した場合は、寄せ付けないような効果が現れてしまったのであろう。
【0070】
(実施例2)
実験装置は、60×40×22cm(L:W:H)のポリスチレンの容器から構成されている。60×40cm片のフィルター紙は、底部に付着され、南京虫が歩く表面をもたらした。実験装置の1つの端には、プラスチックの三角片(16cm高さ×25cm長さ)を、容器の側面・底面の中央に付着させた。これは、仕切りを作るためであって、仕切りの両方の側における領域は等しくした。害虫の落とし罠の基盤は、コントロールおよび実験例の両方の領域に配置した。
【0071】
コントロールの罠は何の誘引要素も備えていないが、実験例の罠は2つの100マイクロリッターピペットを使用した。それぞれのピペット(Drummond Wiretrol 100μL)の一方の端はパラフィルムにて封止され、他方の端は開けたままにした。第1のピペットは、デカンにアルデヒドを溶解させて準備しておいたもので、ヘキセナールとオクテナールとが75:25の比率である300ppmの溶液を含んでいる。第2のピペットは、ブチル酸の200ppmノナン溶液を含ませた。
【0072】
50匹の南京虫(Cimex lectularius)をコントロールおよび実験例の領域から離れた位置において、逆にした90mmのペトリ皿内にて南京虫が静かになるまで捕らえておいた。その後、ペトリ皿を除き実験を始めた。2時間後、20〜30匹の南京虫が実験例の罠の5〜15cm以内において位置していることが観察された。しかし、実験例の罠と5cmより近くに位置する南京虫は観察されなかった。この観察において、これらの誘引物質は、与えられた濃度において南京虫を効果的に誘引するのだが、もし高すぎる濃度で存在する場合には追い払ってしまっているのだろう、という結論が示される。
【0073】
(実施例3)
長期間にわたり所定の比率において水溶液を放出する本発明のアンプルの効果を示すため、次の実験を示す。アンプルは、ポリエチレンから作られた円筒形状の外郭のものを使用し、高さ14.5mmで直径11mmのものを構成した。これらの外郭には300マイクロリッターのノナンを注入した。超高分子量ポリエチレンで作られた円筒形状の多孔性散布部は、揮発性液体が当該散布部によって形成された内部リザーバの中に含まれるよう、外郭の内部に対置する位置に配置された。その後、外郭の開口は、フィルム部と散布部の上面との間に約2〜2.5mmの空間を残し、熱によってアルミニウムのフィルム部で封止された。それから、針での穿孔によって、アルミニウムのフィルムには直径約0.23mmの孔が作られた。対照的に、多孔性散布部の無い同様のアンプルも準備され、それには450マイクロリッター(323ミリグラム)のノナンが加えられた。アンプルは周囲環境下に置かれ、揮発性液体の放出については、以下のリストでの時間間隔における重量の測定において決定した。当該実験の結果を以下に記す。
【0074】
【表3】

【0075】
上述のデータは、本発明のアンプルの使用が、C−C12アルカンのような高揮発性化合物での直線的な放出率を得ることが可能であることを示している。さらに、当該データでは、多孔性散布部を使用していないものとは相対的に、本発明のアンプルを使用すると、より長い放出時間を達成し得るということも示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)不透過性材料から構成され、少なくとも1つの開口を規定している外郭と、
b)前記外郭の内側に配置され、内部リザーバを規定している多孔性散布部と、
c)前記内部リザーバ内に含有される揮発性液体と、
d)前記外郭に付着され前記少なくとも1つの開口を覆うフィルム部とを備え、
前記フィルム部は、前記多孔性散布部と前記フィルム部との間に空間が存在するように配置され、
前記多孔性散布部は、前記揮発性液体の分子が前記多孔性散布部を通り抜け散布を経た際のみ前記空間内に入ることが可能であるよう構成されていることを特徴とする、揮発性液体の収容および散布のためのアンプル。
【請求項2】
前記揮発性液体は、香料、芳香剤、アロマセラピー成分、殺虫剤、防虫剤および調合薬から成る群から選択された少なくとも1つの要素を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項3】
前記揮発性液体は、南京虫の誘引物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項4】
前記誘引物質は、C−C12アルカンに溶解されていることを特徴とする、請求項3に記載のアンプル。
【請求項5】
前記誘引物質は、ヘキセナール、オクテナールおよびブチル酸から成る群から選択された少なくとも1つの要素を含むことを特徴とする、請求項3に記載のアンプル。
【請求項6】
前記外郭は、ポリエチレンテレフタレートから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項7】
前記フィルム部は、アルミニウムから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項8】
前記多孔性散布部は、超高分子量ポリエチレンから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項9】
前記外郭は、その上部のリムの周囲にフランジを有していることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項10】
前記フィルム部は、前記揮発性液体が揮発した際に、前記揮発性液体に対して透過性を有することを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項11】
前記フィルム部は、取り外し可能なカバー部分によって覆われている、1つまたはそれより多くの予め形成された孔を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項12】
前記多孔性散布部は、断面において平面状であることを特徴とする、請求項1に記載のアンプル。
【請求項13】
少なくとも1つの請求項1に記載のアンプルを受容するよう適合された装置。
【請求項14】
前記装置は、南京虫捕獲装置であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505721(P2013−505721A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530906(P2012−530906)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047257
【国際公開番号】WO2011/037728
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】