揺動玩具及び揺動玩具の組立方法
【課題】興趣性に富んだ揺動玩具及び揺動玩具の組立方法を提供すること。
【解決手段】殻体の内部に、永久磁石が設けられた振り子と、前記振り子の永久磁石に磁力を作用させる電磁石と、前記電磁石を制御する電磁石制御手段とを備えた揺動玩具において、接地部分が移動可能に構成され、前記振り子の向きが変更できるように構成されるとともに、前記振り子の向きの変更に応じて、前記電磁石の取付位置を変更できるように構成し、前記殻体の揺動方向が変えられるようにした。
【解決手段】殻体の内部に、永久磁石が設けられた振り子と、前記振り子の永久磁石に磁力を作用させる電磁石と、前記電磁石を制御する電磁石制御手段とを備えた揺動玩具において、接地部分が移動可能に構成され、前記振り子の向きが変更できるように構成されるとともに、前記振り子の向きの変更に応じて、前記電磁石の取付位置を変更できるように構成し、前記殻体の揺動方向が変えられるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動玩具に関するものであり、さらに詳しくは、振り子に磁力を作用させて揺動させる揺動玩具及びその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の揺動玩具として、基台に電磁石を設ける一方で、振り子に永久磁石を設け、振り子の軸を挟んで反対側の端部に揺動体(例えば、花、葉、人形の頭部)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
【特許文献1】特開2004−208913号公報(図1および図2参照)
【特許文献2】特開2004−230196号公報(図1乃至図3参照)
【特許文献3】特開2005−58417号公報(図1および図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された揺動玩具は、基台に対して揺動体を一方向に揺動させるものである。そのため、興趣性に乏しいものであった。
【0004】
本発明は、興趣性に富んだ揺動玩具及び揺動玩具の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備え、
前記殻体の内部には、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とが設けられ、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子が軸支持され、
また、前記殻体の内部には、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とが確保され、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品が設置され、
さらに、前記殻体の底部には、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分が形成され、前記接地部分は、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成され、前記底部は、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成され、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部が前記他の殻体部分に取り付けられている、
ことを特徴とする揺動玩具である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記殻体は、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体の上に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、振り子に前記永久磁石が取り付けられ、前記底部に前記電磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動玩具である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記底部に振り子が取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の揺動玩具である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備える揺動玩具の組立方法であって、
前記殻体の内部に、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とを組立前に設けておいて、組立時に、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子を軸支持させる軸支持工程と、
前記殻体の内部に、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とを組立前に確保しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品を設置する部品設置工程と、
前記殻体の底部に、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分を形成し、前記接地部分を、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成し、前記底部を、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部を前記他の殻体部分に取り付ける工程と、底部取付工程と、
を備えることを特徴とする揺動玩具の組立方法である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記殻体を、組立前に、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成しておくことを特徴とする請求項5に記載の揺動玩具の組立方法である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、組立前に、前記振り子に前記永久磁石を取り付け、前記底部に前記電磁石を取り付けておくことを特徴とする請求項5又は6に記載の揺動玩具の組立方法である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、組立前に、前記底部に振り子を取り付けておくことを特徴とする請求項5から7いずれか一に記載の揺動玩具の組立方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から4に記載の発明によれば、選択によって殻体の揺動方向を変えることができる構成となっているので、その動態(動く様)を簡単に変化させることが可能となり、興趣性に富んだ玩具の実現が図れる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させることによって、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、電磁石の取付位置を自動的に変えることができるので、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、振り子の動作方向を自動的に変えることができるので、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0017】
請求項5から8に記載の発明によれば、振り子の向きと他方の部品(永久磁石又は電磁石)の設置場所とを組立段階で選択することができるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を簡単に実現することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させることによって、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできることから、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、電磁石の取付位置が自動的に変わり、簡単に殻体の揺動方向を変更することができるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、振り子の動作方向が自動的に変わり、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係る揺動玩具を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る揺動玩具の一実施形態を示した斜視図、図2はその分解斜視図である。
【0022】
(揺動玩具全体の概略構成)
図1に示す揺動玩具1は、全体が球状を呈し例えば机上又はマット80上で揺動するように構成されている。この揺動玩具1は、球状で基台を構成する殻体10と、外部に殻体10の揺動位置を規制するためのマット80とを備えている。
【0023】
(殻体の構成)
殻体10は、図2に示すように、下部殻体11と上部殻体とによって構成されている。そして、上部殻体は上部殻半体12,13によって構成されている。この中で、下部殻体11は、殻体10の底部を構成するもので、浅底かつ丸皿状に構成されている。一方、上部殻半体12,13は、略同一形状を呈し、半球状の枠体の一部(下部)を切り欠いた形状に構成されている。そして、下部殻体11と上部殻半体12,13とは、互いに結合した際に、全体として外面が球状となるように構成されている。
【0024】
(殻体の結合構造)
上部殻半体12,13の内面には、互いに結合した際に対向する部位に、4本のボス14,15がそれぞれ相手側上部殻半体に向けて延在するように設けられている。そして、1本のボス14には1本のボス15が対応している。対応するボス14,15は、上部殻半体12,13を結合する際に、先端部同士が互いに向き合うように構成されている。ボス14には雌ねじ14aが形成され、ボス15にはねじ挿通孔15aが設けられている。ねじ挿通孔15aは上部殻半体13を内外に貫通している。この貫通部分を上部枠半体13の外側から見た場合、そこは座ぐり穴となっている。
また、上部殻半体12,13の下端内周面には半環状凸部16がそれぞれ形成されている。この半環状凸部16は、上部殻半体12,13を互いに結合した際に、互いに合わさって環状凸部を構成する。一方、下部殻体11の外周面には、上記環状凸部に嵌合可能な環状凹部17が形成されている。
そして、この揺動玩具1では、下部殻体11の環状凹部17と半環状凸部16,16とを嵌合させながら上部殻半体12,13を互いに当接させ、その状態で、上部殻半体13の座ぐり穴からねじ挿通孔15aにねじ19を挿入し、そのねじ19を雌ねじ14aに螺合させることによって、下部殻体11と上部殻半体12,13とを互いに結合(組付け)するように構成されている。
【0025】
(電池の取付構造)
上部殻半体12には内面上部に電池ケース18が設けられている。電池ケース18は、角筒状を呈し、相手側上部殻体13に向けて延在している。電池ケース18の先端部の開口部は上部殻半体12の開口近くにまで達している。一方、上部殻半体13には、電池ケース18の開口部に対向する部位に、全体が矩形状で球状に湾曲する孔20が形成されている。この孔20が形成された部分には、孔20を開閉するための電池蓋21が開閉自在又は着脱自在に設けられている。
そして、この揺動玩具1では、電池蓋21を開放又は離脱した状態で、孔20から単三電池又は単二電池等の電池Aを電池収納ケース18に充填したり、電池収納ケース18に充填されている電池Aを取り出すように構成されている。なお、図示はしないが、電池収納ケース18の奥部と電池蓋21の内面には電池Aの端子と電気的接触する接片が形成されている。
【0026】
(電源スイッチ用操作子)
上部殻半体13には、上記孔20の下に、円形状の孔23が形成されている。この孔23には、上部殻半体13の内側に設けた電源スイッチ(図示せず)をON,OFFさせるための摘み又はボタン等の操作子24が配置されている。
なお、この操作子24は、一旦孔23に挿入された際には抜け落ちないような工夫がされていることは言うまでもない。例えば、上部殻半体13の孔23を該上部殻半体13の外側から見た場合座ぐり穴が形成され、一方、上部殻半体13の内側となる部分に抜け落ち防止用のリングが外嵌されるなどの工夫がなされている。このような工夫については種々考案されており一般的なものなので説明を省略する。
また、操作子24がボタンである場合には、操作子24を上部殻半体13の外方に向けて付勢するばねなどが設けられる。
【0027】
(上部殻体の内部)
1.全体概略
上部殻体の内部には、振り子40が図1に示すようにして収容設置されている。
【0028】
2.振り子
振り子40は軸43を中心に揺動(動作)するものである。この振り子40には薄肉円筒形の永久磁石41が設けられている。この永久磁石41は、振り子40の下部の円筒状のホルダ40aによって保持されている。永久磁石41は、両端面が振り子40の揺動方向に向くようにホルダ40aに取り付けられている。この場合の永久磁石41は、一方の端面がN極,他方の端面がS極となっている。
ホルダ40aは、中間部のアーム40bを介して、上部の矩形状の枠体40cに連結されている。この枠体40cによって区画される矩形状の孔42は、両側開口が振り子40の揺動方向に向くように形成されている。
上部殻半体12,13の内面には、各2枚の矩形状の凸片25,26がそれぞれ設けられている。この凸片25,26の先端面には、半円状の切欠き部25a,26aがそれぞれ形成されている。半円状の切欠き部25a,26aは、上部殻半体12,13を互いに結合した際に、互いに合わさって軸受け孔を構成する。この軸受け孔には上記振り子40の軸43が挿入され、これによって振り子40は凸片25,26に揺動可能に軸支持される。すなわち、半円状の切欠き部25a,26aが形成された凸片25,26は軸受け部(第一の軸受け部)を構成する。そして、振り子40を凸片25,26に軸支持した際には、電池A及び電池ケース18が振り子40の矩形孔42に挿入された状態となる。
なお、枠体40cによって区画される矩形状の孔42は、振り子40が軸43を中心に所定範囲で揺動した場合にも、電池A及び電池ケース18にぶつからない形状とされている。
【0029】
(下部殻体及びその付設部品)
1.電磁石アッセンブリ
下部殻体11には電磁石アッセンブリ50が付設されている。
すなわち、電磁石アッセンブリ50は電磁石51,51を備えている。電磁石51,51の各々は、互いに別のブラケット52を介して1つの円板状のベース53に取り付けられている。この場合、電磁石51,51は、振り子40の揺動方向で振り子40の永久磁石41を挟み込み、かつ、軸心がベース53の半径方向に延在するようにベース53に取り付けられている。ベース63は、図3及び図5に示すように、ベース63に設けられたねじ挿通孔53aに挿入されねじ68を、下部殻体11の上面に設けられた雌ねじ11eに螺合させることによって、下部殻体11に取り付けられる。
なお、図2及び図3等で符号54で指示する部材は、電磁石51が電気的に接続される配線パターンが形成された基板である。
【0030】
2.揺動バランス調整手段
揺動バランス調整手段60は殻体10を適当な姿態でもって揺動させるためのものである。すなわち、殻体10の重心がずれている場合には次のような問題が生じる。例えば図10(A)を用いて説明すれば、殻体10の表面の模様である目玉部分は殻体10の揺動に伴って上下に揺動するが、重心がずれていると、必要以上に下向きになったり、或いは上向きになってしまうので、それを調整するために揺動バランス調整手段60が設けられる。この場合、揺動バランス調整手段60を設ければ、殻体10の表面の模様である目玉部分は殻体10の揺動に伴って適当な位置で上下に揺動することになる。
この揺動バランス調整手段60は、バランス重り60aと、バランス重り60aを保持する保持プレート61と、下部枠体11の上面に形成されバランス重り60aが挿入されるガイド孔60bと、保持プレート61を移動させるプレート移動手段62と、マット80に接地するとともに保持プレート61の移動を案内するガイドプレート63,63とから構成されている。
この中で、バランス重り61は、特に限定はされないが、水平断面が長円形に構成されている。このバランス重り60aは、下部枠体11の上面の孔11aに挿入される。この場合の孔11aは、水平断面で見ると長円形に構成されている。ただし、孔11aは、孔11aに挿入したバランス重り60aがその中で殻体10の揺動方向に移動できるように、長径方向の長さ寸法がバランス重り60aの長径方向の長さ寸法よりも大きくなるように設定されている。また、バランス重り61の下面は下部殻体11に倣うように球状に形成されている。
保持プレート61は、下部枠体11の上面とベース53との間に設けられる。そして、保持プレート61は、下部殻体11に対して所定の方向に移動可能となっている。
プレート移動手段62は、摘み66と、摘み66によって操作される扇形のカム65と、保持プレート61に形成されカム65が係合する切り欠き64とから構成されている。
【0031】
摘み66は指掛けレバーを備えている。摘み66の軸66aには雌ねじ66bが形成されている。この摘み66は、図4及び図6に示すように、下部枠体11の下面に形成した窪み(凹部)11bに設置される。その際に、摘み66の軸66aは、下部枠体11に形成した孔11cに下部枠体11の下側から挿入される。
カム65は、特に限定はされないが、水平断面が円形に構成されている。このカム65の偏心位置にはねじ挿通孔65aが形成されている。そして、ねじ挿入孔65aにカム65の上側からねじ67が挿入され、ねじ67は摘み66の雌ねじ66bに螺合される。これによって、カム65は摘み66に連結される(図6参照)。
切り欠き64はカム65に係合する。そして、摘み66ひいてはカム65が回転した際に、保持プレート61が切り欠き64の縁を押して、保持プレート61がカム65の回転方向に応じた方向に移動する。
【0032】
ガイドプレート63,63は保持プレート61の両端部に1つずつ垂設されている。各ガイドプレート63は、主面が上記バランス重り60aの長径方向と平行となるように保持プレート61に設けられている。各ガイドプレート63の下縁は円弧状に構成されている。そして、各ガイドプレート63の長さは、下部枠体11に形成された各孔11dに挿入されている。この場合の各孔11dは、各孔11dに挿入したガイドプレート61がその中で移動できるように設定されている。
各ガイドプレート63の下端部は、図6から図8に示すように、下部殻体11の下面から突出している。各ガイドプレート63の下端は、図2及び図7等に示すように、円弧状に形成され、殻体10が載置されるマット80の上面(被載置面)に接地する。すなわち、各ガイドプレート63の下端の縁は接地部分を構成する。この接地部分によって、殻体10は所定の方向に揺動を行うことになる。
この接地部分は、摘み66ひいてはカム65が回転した際に、カム65の回転方向に応じた方向に移動する。その様子が図8に示されている。
【0033】
3.傾動防止手段及び位置決め手段
揺動玩具1は傾動防止手段及び位置決め手段を備えている。この傾動防止手段及び位置決め手段は、殻体10の重心のずれによって、殻体10が揺動方向に直交する方向に傾いたり、揺動に伴って揺動方向に少しずつ移動するのを防止するものである。
この傾動防止手段及び位置決め手段は、、下部殻体11と殻体10を載置させるマット80の双方に亘って構成されている。
すなわち、マット80の中心部上面には円弧状の凸条(リブ)81が形成されている。また、凸条81の中間部には、垂直方向に張り出した凸部(リブ)81aが形成されている。一方、上記バランス重り60aの下面には、下方に開口するスロット31が形成されている。また、下部殻体11において、スロット31を挟む位置には、該スロット31に平行で下部殻体11の下方に突出して殻体10の揺動の際の接地部分となるガイドプレート63が位置している。また、スロット31の中間には、垂直方向に張り出しかつ下方に開口する凹部(スロット)31aが形成されている。なお、スロット31及び凹部31aに変えてスリットを設けても良い。つまり、穴であれば良い。ここに「穴」とは部材を貫通するものと貫通しないものの双方を含む。
そして、殻体10をマット80の上に載置して遊ぶ場合には、下部殻体11のスロット31をマット80の凸条81に合致させるとともに、凹部31aを凸部81aに合致させる。これによって、殻体10は、凸条81によって拘束されて、殻体10が揺動方向に直交する方向に傾くのが防止される。また、殻体10は、凸部81aに拘束されて、揺動に伴って揺動方向に少しずつ移動するのが防止される。
【0034】
(電気的接続構造)
このように構成された揺動玩具1には、電磁石制御手段が構成された制御基板(図示せず)が上部殻半体12,13のいずれかの内面に設置され、該制御基板の回路は電池ボックス18及び電池蓋21に配設した端子にそれぞれ接続され、また、電磁石51の基板54の配線パターンに接続されている。
【0035】
(揺動玩具の動作)
電源ボタン23を操作すると、電磁石51,51は、フリップ・フロップ回路等を含む電磁石制御手段によって磁極が切り換えられ、永久磁石41が電磁石51,51間を往復する。それによって、殻体10は、図10(A)に示すように、凹部31a及び凸部81aを支点として前後に揺動する。
ここで、電磁石制御手段の一例について説明すれば、例えば図11に示すような構造となっている。同図では電磁石51,51はコイルL1,L2として示されている。
この電磁石制御手段の動作を説明すれば、次の通りである。
1)電源を投入した瞬間は、電流はわずかで、どちらのトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間も導通状態にはないのでコイルL1、L2には磁界が発生しない。トランジスタQ1、Q2のコレクタを流れない電流は、それぞれの電界コンデンサC1、C2に充電される。
2)例えば、ここでトランジスタQ2のベース電圧が先に0.7Vを越えたとすると、トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間が導通状態になり、先にL2がオンとなり、磁界が発生して振り子40の永久磁石41を引き付ける。
3)トランジスタQ2に接続しているコンデンサC1は、トランジスタQ2が導通状態になるとアースに接続されたことになり、今までとは逆の方向に電気を充電してゆく。
すると、その先につながったトランジスタQ1のベース電圧も下がり、トランジスタQ1はオフになる。コンデンサC2には容量が一杯になるまで電流が流れる。やがてコンデンサC2が一杯にになるとトランジスタQ2に供給されていたベース電流が止まり、トランジスタQ2は不通になる。
4)今までトランジスタQ2を流れていた電流は行き場を失い、コンデンサC1に流れ始め、コンデンサC1は逆の方向に電気を充電してゆく。するとコンデンサC1を通して、徐々にトランジスタQ1のベースに電流が流れ0.7Vを越えるとトランジスタQ1が導通し、L1に磁界が発生し、振り子40の永久磁石41を引き付ける。
5)トランジスタQ1に接続されたコンデンサC2は、トランジスタQ1の導通により逆方向に電気を充電してゆく。
するとその先に接続されたトランジスタQ2はオフ状態になる。
やがてコンデンサC2がいっぱいになるとトランジスタQ1に供給されていたベース電流が止まり、トランジスタQ1は不通になる。
6)以下、上記の動作を繰り返す。
【0036】
B.第2の実施形態
図9は第2の実施形態の揺動玩具1を示している。この揺動玩具1、殻体10の揺動の向きを変えたものであり、振り子以外は、同じ部品が使用される。
【0037】
この揺動玩具1で使用される振り子40Aは、永久磁石41Aの中心軸に対して軸43Aの中心軸が直角をなしている。そして、上部殻半体12,13の内面に設けられたボス30の軸受け孔に軸43Aを挿入させることによって揺動可能に支持される。すなわち、軸受け孔が設けられたボス30は軸受け部(第二の軸受け部)を構成する。このように、図1に示す揺動玩具1においては、このように振り子40Aにも対応できるように、上部殻半体12,13の内面に予めボス30が設けてある。
【0038】
この揺動玩具1では、下部殻体11を水平面上で90度回転させ、上部殻半体12,13を、それらの半環状凸部16を下部殻体11の環状凹部17に嵌合させながら互いに当接させ、上部殻半体13のねじ挿通孔15aにねじ19を挿通し、そのねじ19を下部殻体11の雌ねじ14aに螺合することによって結合させる。
【0039】
このように構成された揺動玩具1では、電磁石51によって振り子40Aの永久磁石41Aが左右に往復移動し、それによって、殻体10の重心が左右方向に移動するので、殻体10は、図6(B)に示すように左右に揺動する。
【0040】
C.他の実施形態
上記実施形態では、電源として電池Aを備えているが、マット80に太陽電池を設け、マット80と殻体10の接触部分から電気を供給するように構成しても良い。さらには、殻体10の表面に太陽電池を設けても良い。例えば、太陽電池等の電源をマット80に設置し、電力をリブ82を介して殻体10の電源端子等に供給することもできる。
このように構成し、電池Aを設けなければ、下部殻体11に振り子を取り付ければ、揺動方向の変更が簡単に行えることになる。勿論、電池Aを用いる場合でも、電池Aを水平方向に延在するように設けずに、鉛直方向に電池Aを設けるようにすれば、振り子の交換は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態に係る揺動玩具の一態様を示した斜視図である。
【図2】図1に示した揺動玩具の分解斜視図である。
【図3】揺動玩具の下部殻体を示した分解斜視図である。
【図4】図3における下部殻体の底面図である。
【図5】揺動玩具の下部殻体を示した斜視図である。
【図6】図3におけるVI−VI線断面図である。
【図7】図3におけるVII−VII線断面図である。
【図8】図3におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る揺動玩具の他の態様を示した斜視図である。
【図10】実施形態に係る揺動玩具の揺動態様を示した斜視図でり、(A)は前後方向に揺動する第1の実施形態の態様を示し、(B)は左右方向に揺動する第2の実施形態の態様を示している。
【図11】本発明に係る揺動玩具の電磁石制御手段の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 揺動玩具
10 殻体
11 下部殻体
12,13 上部殻半体
41,41A 永久磁石
51 電磁石
63 ガイドプレート(接地部分)
A 電池(電源)
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動玩具に関するものであり、さらに詳しくは、振り子に磁力を作用させて揺動させる揺動玩具及びその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の揺動玩具として、基台に電磁石を設ける一方で、振り子に永久磁石を設け、振り子の軸を挟んで反対側の端部に揺動体(例えば、花、葉、人形の頭部)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
【特許文献1】特開2004−208913号公報(図1および図2参照)
【特許文献2】特開2004−230196号公報(図1乃至図3参照)
【特許文献3】特開2005−58417号公報(図1および図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された揺動玩具は、基台に対して揺動体を一方向に揺動させるものである。そのため、興趣性に乏しいものであった。
【0004】
本発明は、興趣性に富んだ揺動玩具及び揺動玩具の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備え、
前記殻体の内部には、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とが設けられ、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子が軸支持され、
また、前記殻体の内部には、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とが確保され、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品が設置され、
さらに、前記殻体の底部には、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分が形成され、前記接地部分は、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成され、前記底部は、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成され、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部が前記他の殻体部分に取り付けられている、
ことを特徴とする揺動玩具である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記殻体は、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体の上に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、振り子に前記永久磁石が取り付けられ、前記底部に前記電磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動玩具である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記底部に振り子が取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の揺動玩具である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備える揺動玩具の組立方法であって、
前記殻体の内部に、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とを組立前に設けておいて、組立時に、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子を軸支持させる軸支持工程と、
前記殻体の内部に、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とを組立前に確保しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品を設置する部品設置工程と、
前記殻体の底部に、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分を形成し、前記接地部分を、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成し、前記底部を、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部を前記他の殻体部分に取り付ける工程と、底部取付工程と、
を備えることを特徴とする揺動玩具の組立方法である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記殻体を、組立前に、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成しておくことを特徴とする請求項5に記載の揺動玩具の組立方法である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、組立前に、前記振り子に前記永久磁石を取り付け、前記底部に前記電磁石を取り付けておくことを特徴とする請求項5又は6に記載の揺動玩具の組立方法である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、組立前に、前記底部に振り子を取り付けておくことを特徴とする請求項5から7いずれか一に記載の揺動玩具の組立方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から4に記載の発明によれば、選択によって殻体の揺動方向を変えることができる構成となっているので、その動態(動く様)を簡単に変化させることが可能となり、興趣性に富んだ玩具の実現が図れる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させることによって、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、電磁石の取付位置を自動的に変えることができるので、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、振り子の動作方向を自動的に変えることができるので、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできる。
【0017】
請求項5から8に記載の発明によれば、振り子の向きと他方の部品(永久磁石又は電磁石)の設置場所とを組立段階で選択することができるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を簡単に実現することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させることによって、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできることから、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、電磁石の取付位置が自動的に変わり、簡単に殻体の揺動方向を変更することができるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、下部殻体の向きを上部殻体に対して変更させると、それに伴って、振り子の動作方向が自動的に変わり、簡単に殻体の揺動方向を変更することかできるので、同じ殻体等を用いて動態の異なる揺動玩具を、より簡単に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係る揺動玩具を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る揺動玩具の一実施形態を示した斜視図、図2はその分解斜視図である。
【0022】
(揺動玩具全体の概略構成)
図1に示す揺動玩具1は、全体が球状を呈し例えば机上又はマット80上で揺動するように構成されている。この揺動玩具1は、球状で基台を構成する殻体10と、外部に殻体10の揺動位置を規制するためのマット80とを備えている。
【0023】
(殻体の構成)
殻体10は、図2に示すように、下部殻体11と上部殻体とによって構成されている。そして、上部殻体は上部殻半体12,13によって構成されている。この中で、下部殻体11は、殻体10の底部を構成するもので、浅底かつ丸皿状に構成されている。一方、上部殻半体12,13は、略同一形状を呈し、半球状の枠体の一部(下部)を切り欠いた形状に構成されている。そして、下部殻体11と上部殻半体12,13とは、互いに結合した際に、全体として外面が球状となるように構成されている。
【0024】
(殻体の結合構造)
上部殻半体12,13の内面には、互いに結合した際に対向する部位に、4本のボス14,15がそれぞれ相手側上部殻半体に向けて延在するように設けられている。そして、1本のボス14には1本のボス15が対応している。対応するボス14,15は、上部殻半体12,13を結合する際に、先端部同士が互いに向き合うように構成されている。ボス14には雌ねじ14aが形成され、ボス15にはねじ挿通孔15aが設けられている。ねじ挿通孔15aは上部殻半体13を内外に貫通している。この貫通部分を上部枠半体13の外側から見た場合、そこは座ぐり穴となっている。
また、上部殻半体12,13の下端内周面には半環状凸部16がそれぞれ形成されている。この半環状凸部16は、上部殻半体12,13を互いに結合した際に、互いに合わさって環状凸部を構成する。一方、下部殻体11の外周面には、上記環状凸部に嵌合可能な環状凹部17が形成されている。
そして、この揺動玩具1では、下部殻体11の環状凹部17と半環状凸部16,16とを嵌合させながら上部殻半体12,13を互いに当接させ、その状態で、上部殻半体13の座ぐり穴からねじ挿通孔15aにねじ19を挿入し、そのねじ19を雌ねじ14aに螺合させることによって、下部殻体11と上部殻半体12,13とを互いに結合(組付け)するように構成されている。
【0025】
(電池の取付構造)
上部殻半体12には内面上部に電池ケース18が設けられている。電池ケース18は、角筒状を呈し、相手側上部殻体13に向けて延在している。電池ケース18の先端部の開口部は上部殻半体12の開口近くにまで達している。一方、上部殻半体13には、電池ケース18の開口部に対向する部位に、全体が矩形状で球状に湾曲する孔20が形成されている。この孔20が形成された部分には、孔20を開閉するための電池蓋21が開閉自在又は着脱自在に設けられている。
そして、この揺動玩具1では、電池蓋21を開放又は離脱した状態で、孔20から単三電池又は単二電池等の電池Aを電池収納ケース18に充填したり、電池収納ケース18に充填されている電池Aを取り出すように構成されている。なお、図示はしないが、電池収納ケース18の奥部と電池蓋21の内面には電池Aの端子と電気的接触する接片が形成されている。
【0026】
(電源スイッチ用操作子)
上部殻半体13には、上記孔20の下に、円形状の孔23が形成されている。この孔23には、上部殻半体13の内側に設けた電源スイッチ(図示せず)をON,OFFさせるための摘み又はボタン等の操作子24が配置されている。
なお、この操作子24は、一旦孔23に挿入された際には抜け落ちないような工夫がされていることは言うまでもない。例えば、上部殻半体13の孔23を該上部殻半体13の外側から見た場合座ぐり穴が形成され、一方、上部殻半体13の内側となる部分に抜け落ち防止用のリングが外嵌されるなどの工夫がなされている。このような工夫については種々考案されており一般的なものなので説明を省略する。
また、操作子24がボタンである場合には、操作子24を上部殻半体13の外方に向けて付勢するばねなどが設けられる。
【0027】
(上部殻体の内部)
1.全体概略
上部殻体の内部には、振り子40が図1に示すようにして収容設置されている。
【0028】
2.振り子
振り子40は軸43を中心に揺動(動作)するものである。この振り子40には薄肉円筒形の永久磁石41が設けられている。この永久磁石41は、振り子40の下部の円筒状のホルダ40aによって保持されている。永久磁石41は、両端面が振り子40の揺動方向に向くようにホルダ40aに取り付けられている。この場合の永久磁石41は、一方の端面がN極,他方の端面がS極となっている。
ホルダ40aは、中間部のアーム40bを介して、上部の矩形状の枠体40cに連結されている。この枠体40cによって区画される矩形状の孔42は、両側開口が振り子40の揺動方向に向くように形成されている。
上部殻半体12,13の内面には、各2枚の矩形状の凸片25,26がそれぞれ設けられている。この凸片25,26の先端面には、半円状の切欠き部25a,26aがそれぞれ形成されている。半円状の切欠き部25a,26aは、上部殻半体12,13を互いに結合した際に、互いに合わさって軸受け孔を構成する。この軸受け孔には上記振り子40の軸43が挿入され、これによって振り子40は凸片25,26に揺動可能に軸支持される。すなわち、半円状の切欠き部25a,26aが形成された凸片25,26は軸受け部(第一の軸受け部)を構成する。そして、振り子40を凸片25,26に軸支持した際には、電池A及び電池ケース18が振り子40の矩形孔42に挿入された状態となる。
なお、枠体40cによって区画される矩形状の孔42は、振り子40が軸43を中心に所定範囲で揺動した場合にも、電池A及び電池ケース18にぶつからない形状とされている。
【0029】
(下部殻体及びその付設部品)
1.電磁石アッセンブリ
下部殻体11には電磁石アッセンブリ50が付設されている。
すなわち、電磁石アッセンブリ50は電磁石51,51を備えている。電磁石51,51の各々は、互いに別のブラケット52を介して1つの円板状のベース53に取り付けられている。この場合、電磁石51,51は、振り子40の揺動方向で振り子40の永久磁石41を挟み込み、かつ、軸心がベース53の半径方向に延在するようにベース53に取り付けられている。ベース63は、図3及び図5に示すように、ベース63に設けられたねじ挿通孔53aに挿入されねじ68を、下部殻体11の上面に設けられた雌ねじ11eに螺合させることによって、下部殻体11に取り付けられる。
なお、図2及び図3等で符号54で指示する部材は、電磁石51が電気的に接続される配線パターンが形成された基板である。
【0030】
2.揺動バランス調整手段
揺動バランス調整手段60は殻体10を適当な姿態でもって揺動させるためのものである。すなわち、殻体10の重心がずれている場合には次のような問題が生じる。例えば図10(A)を用いて説明すれば、殻体10の表面の模様である目玉部分は殻体10の揺動に伴って上下に揺動するが、重心がずれていると、必要以上に下向きになったり、或いは上向きになってしまうので、それを調整するために揺動バランス調整手段60が設けられる。この場合、揺動バランス調整手段60を設ければ、殻体10の表面の模様である目玉部分は殻体10の揺動に伴って適当な位置で上下に揺動することになる。
この揺動バランス調整手段60は、バランス重り60aと、バランス重り60aを保持する保持プレート61と、下部枠体11の上面に形成されバランス重り60aが挿入されるガイド孔60bと、保持プレート61を移動させるプレート移動手段62と、マット80に接地するとともに保持プレート61の移動を案内するガイドプレート63,63とから構成されている。
この中で、バランス重り61は、特に限定はされないが、水平断面が長円形に構成されている。このバランス重り60aは、下部枠体11の上面の孔11aに挿入される。この場合の孔11aは、水平断面で見ると長円形に構成されている。ただし、孔11aは、孔11aに挿入したバランス重り60aがその中で殻体10の揺動方向に移動できるように、長径方向の長さ寸法がバランス重り60aの長径方向の長さ寸法よりも大きくなるように設定されている。また、バランス重り61の下面は下部殻体11に倣うように球状に形成されている。
保持プレート61は、下部枠体11の上面とベース53との間に設けられる。そして、保持プレート61は、下部殻体11に対して所定の方向に移動可能となっている。
プレート移動手段62は、摘み66と、摘み66によって操作される扇形のカム65と、保持プレート61に形成されカム65が係合する切り欠き64とから構成されている。
【0031】
摘み66は指掛けレバーを備えている。摘み66の軸66aには雌ねじ66bが形成されている。この摘み66は、図4及び図6に示すように、下部枠体11の下面に形成した窪み(凹部)11bに設置される。その際に、摘み66の軸66aは、下部枠体11に形成した孔11cに下部枠体11の下側から挿入される。
カム65は、特に限定はされないが、水平断面が円形に構成されている。このカム65の偏心位置にはねじ挿通孔65aが形成されている。そして、ねじ挿入孔65aにカム65の上側からねじ67が挿入され、ねじ67は摘み66の雌ねじ66bに螺合される。これによって、カム65は摘み66に連結される(図6参照)。
切り欠き64はカム65に係合する。そして、摘み66ひいてはカム65が回転した際に、保持プレート61が切り欠き64の縁を押して、保持プレート61がカム65の回転方向に応じた方向に移動する。
【0032】
ガイドプレート63,63は保持プレート61の両端部に1つずつ垂設されている。各ガイドプレート63は、主面が上記バランス重り60aの長径方向と平行となるように保持プレート61に設けられている。各ガイドプレート63の下縁は円弧状に構成されている。そして、各ガイドプレート63の長さは、下部枠体11に形成された各孔11dに挿入されている。この場合の各孔11dは、各孔11dに挿入したガイドプレート61がその中で移動できるように設定されている。
各ガイドプレート63の下端部は、図6から図8に示すように、下部殻体11の下面から突出している。各ガイドプレート63の下端は、図2及び図7等に示すように、円弧状に形成され、殻体10が載置されるマット80の上面(被載置面)に接地する。すなわち、各ガイドプレート63の下端の縁は接地部分を構成する。この接地部分によって、殻体10は所定の方向に揺動を行うことになる。
この接地部分は、摘み66ひいてはカム65が回転した際に、カム65の回転方向に応じた方向に移動する。その様子が図8に示されている。
【0033】
3.傾動防止手段及び位置決め手段
揺動玩具1は傾動防止手段及び位置決め手段を備えている。この傾動防止手段及び位置決め手段は、殻体10の重心のずれによって、殻体10が揺動方向に直交する方向に傾いたり、揺動に伴って揺動方向に少しずつ移動するのを防止するものである。
この傾動防止手段及び位置決め手段は、、下部殻体11と殻体10を載置させるマット80の双方に亘って構成されている。
すなわち、マット80の中心部上面には円弧状の凸条(リブ)81が形成されている。また、凸条81の中間部には、垂直方向に張り出した凸部(リブ)81aが形成されている。一方、上記バランス重り60aの下面には、下方に開口するスロット31が形成されている。また、下部殻体11において、スロット31を挟む位置には、該スロット31に平行で下部殻体11の下方に突出して殻体10の揺動の際の接地部分となるガイドプレート63が位置している。また、スロット31の中間には、垂直方向に張り出しかつ下方に開口する凹部(スロット)31aが形成されている。なお、スロット31及び凹部31aに変えてスリットを設けても良い。つまり、穴であれば良い。ここに「穴」とは部材を貫通するものと貫通しないものの双方を含む。
そして、殻体10をマット80の上に載置して遊ぶ場合には、下部殻体11のスロット31をマット80の凸条81に合致させるとともに、凹部31aを凸部81aに合致させる。これによって、殻体10は、凸条81によって拘束されて、殻体10が揺動方向に直交する方向に傾くのが防止される。また、殻体10は、凸部81aに拘束されて、揺動に伴って揺動方向に少しずつ移動するのが防止される。
【0034】
(電気的接続構造)
このように構成された揺動玩具1には、電磁石制御手段が構成された制御基板(図示せず)が上部殻半体12,13のいずれかの内面に設置され、該制御基板の回路は電池ボックス18及び電池蓋21に配設した端子にそれぞれ接続され、また、電磁石51の基板54の配線パターンに接続されている。
【0035】
(揺動玩具の動作)
電源ボタン23を操作すると、電磁石51,51は、フリップ・フロップ回路等を含む電磁石制御手段によって磁極が切り換えられ、永久磁石41が電磁石51,51間を往復する。それによって、殻体10は、図10(A)に示すように、凹部31a及び凸部81aを支点として前後に揺動する。
ここで、電磁石制御手段の一例について説明すれば、例えば図11に示すような構造となっている。同図では電磁石51,51はコイルL1,L2として示されている。
この電磁石制御手段の動作を説明すれば、次の通りである。
1)電源を投入した瞬間は、電流はわずかで、どちらのトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間も導通状態にはないのでコイルL1、L2には磁界が発生しない。トランジスタQ1、Q2のコレクタを流れない電流は、それぞれの電界コンデンサC1、C2に充電される。
2)例えば、ここでトランジスタQ2のベース電圧が先に0.7Vを越えたとすると、トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間が導通状態になり、先にL2がオンとなり、磁界が発生して振り子40の永久磁石41を引き付ける。
3)トランジスタQ2に接続しているコンデンサC1は、トランジスタQ2が導通状態になるとアースに接続されたことになり、今までとは逆の方向に電気を充電してゆく。
すると、その先につながったトランジスタQ1のベース電圧も下がり、トランジスタQ1はオフになる。コンデンサC2には容量が一杯になるまで電流が流れる。やがてコンデンサC2が一杯にになるとトランジスタQ2に供給されていたベース電流が止まり、トランジスタQ2は不通になる。
4)今までトランジスタQ2を流れていた電流は行き場を失い、コンデンサC1に流れ始め、コンデンサC1は逆の方向に電気を充電してゆく。するとコンデンサC1を通して、徐々にトランジスタQ1のベースに電流が流れ0.7Vを越えるとトランジスタQ1が導通し、L1に磁界が発生し、振り子40の永久磁石41を引き付ける。
5)トランジスタQ1に接続されたコンデンサC2は、トランジスタQ1の導通により逆方向に電気を充電してゆく。
するとその先に接続されたトランジスタQ2はオフ状態になる。
やがてコンデンサC2がいっぱいになるとトランジスタQ1に供給されていたベース電流が止まり、トランジスタQ1は不通になる。
6)以下、上記の動作を繰り返す。
【0036】
B.第2の実施形態
図9は第2の実施形態の揺動玩具1を示している。この揺動玩具1、殻体10の揺動の向きを変えたものであり、振り子以外は、同じ部品が使用される。
【0037】
この揺動玩具1で使用される振り子40Aは、永久磁石41Aの中心軸に対して軸43Aの中心軸が直角をなしている。そして、上部殻半体12,13の内面に設けられたボス30の軸受け孔に軸43Aを挿入させることによって揺動可能に支持される。すなわち、軸受け孔が設けられたボス30は軸受け部(第二の軸受け部)を構成する。このように、図1に示す揺動玩具1においては、このように振り子40Aにも対応できるように、上部殻半体12,13の内面に予めボス30が設けてある。
【0038】
この揺動玩具1では、下部殻体11を水平面上で90度回転させ、上部殻半体12,13を、それらの半環状凸部16を下部殻体11の環状凹部17に嵌合させながら互いに当接させ、上部殻半体13のねじ挿通孔15aにねじ19を挿通し、そのねじ19を下部殻体11の雌ねじ14aに螺合することによって結合させる。
【0039】
このように構成された揺動玩具1では、電磁石51によって振り子40Aの永久磁石41Aが左右に往復移動し、それによって、殻体10の重心が左右方向に移動するので、殻体10は、図6(B)に示すように左右に揺動する。
【0040】
C.他の実施形態
上記実施形態では、電源として電池Aを備えているが、マット80に太陽電池を設け、マット80と殻体10の接触部分から電気を供給するように構成しても良い。さらには、殻体10の表面に太陽電池を設けても良い。例えば、太陽電池等の電源をマット80に設置し、電力をリブ82を介して殻体10の電源端子等に供給することもできる。
このように構成し、電池Aを設けなければ、下部殻体11に振り子を取り付ければ、揺動方向の変更が簡単に行えることになる。勿論、電池Aを用いる場合でも、電池Aを水平方向に延在するように設けずに、鉛直方向に電池Aを設けるようにすれば、振り子の交換は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態に係る揺動玩具の一態様を示した斜視図である。
【図2】図1に示した揺動玩具の分解斜視図である。
【図3】揺動玩具の下部殻体を示した分解斜視図である。
【図4】図3における下部殻体の底面図である。
【図5】揺動玩具の下部殻体を示した斜視図である。
【図6】図3におけるVI−VI線断面図である。
【図7】図3におけるVII−VII線断面図である。
【図8】図3におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る揺動玩具の他の態様を示した斜視図である。
【図10】実施形態に係る揺動玩具の揺動態様を示した斜視図でり、(A)は前後方向に揺動する第1の実施形態の態様を示し、(B)は左右方向に揺動する第2の実施形態の態様を示している。
【図11】本発明に係る揺動玩具の電磁石制御手段の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 揺動玩具
10 殻体
11 下部殻体
12,13 上部殻半体
41,41A 永久磁石
51 電磁石
63 ガイドプレート(接地部分)
A 電池(電源)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備え、
前記殻体の内部には、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とが設けられ、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子が軸支持され、
また、前記殻体の内部には、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とが確保され、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品が設置され、
さらに、前記殻体の底部には、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分が形成され、前記接地部分は、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成され、前記底部は、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成され、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部が前記他の殻体部分に取り付けられている、
ことを特徴とする揺動玩具。
【請求項2】
前記殻体は、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体の上に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具。
【請求項3】
振り子には前記永久磁石が取り付けられ、前記底部には前記電磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動玩具。
【請求項4】
前記底部には振り子が取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の揺動玩具。
【請求項5】
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備える揺動玩具の組立方法であって、
前記殻体の内部に、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とを組立前に設けておいて、組立時に、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子を軸支持させる軸支持工程と、
前記殻体の内部に、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とを組立前に確保しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品を設置する部品設置工程と、
前記殻体の底部に、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分を形成し、前記接地部分を、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成し、前記底部を、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部を前記他の殻体部分に取り付ける工程と、底部取付工程と、
を備えることを特徴とする揺動玩具の組立方法。
【請求項6】
前記殻体を、組立前に、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成しておくことを特徴とする請求項5に記載の揺動玩具の組立方法。
【請求項7】
組立前に、前記振り子に前記永久磁石を取り付け、前記底部に前記電磁石を取り付けておくことを特徴とする請求項5又は6に記載の揺動玩具の組立方法。
【請求項8】
組立前に、前記底部に振り子を取り付けておくことを特徴とする請求項5から7いずれか一に記載の揺動玩具の組立方法。
【請求項1】
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備え、
前記殻体の内部には、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とが設けられ、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子が軸支持され、
また、前記殻体の内部には、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とが確保され、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品が設置され、
さらに、前記殻体の底部には、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分が形成され、前記接地部分は、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成され、前記底部は、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成され、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部が前記他の殻体部分に取り付けられている、
ことを特徴とする揺動玩具。
【請求項2】
前記殻体は、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体の上に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具。
【請求項3】
振り子には前記永久磁石が取り付けられ、前記底部には前記電磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動玩具。
【請求項4】
前記底部には振り子が取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の揺動玩具。
【請求項5】
基台である殻体の内部に、該殻体に水平に取り付けられる軸から離間した部分に永久磁石又は電磁石のいずれか一方の部品が付設された振り子と、前記振り子の動作方向に取り付けられる前記永久磁石又は電磁石の他方の部品と、前記電磁石を制御して磁力により前記振り子を前記軸を中心に動作させて前記殻体を前記振り子の動作方向に揺動させるための電磁石制御手段とを備える揺動玩具の組立方法であって、
前記殻体の内部に、第一の方向に延在するように振り子の軸を支持する第一の軸受け部と、前記第一の方向と直交する第二の方向に延在するように振り子の軸を支持する第二の軸受け部とを組立前に設けておいて、組立時に、前記第一の軸受け部又は前記第二の軸受け部のいずれか一方の軸受け部に振り子を軸支持させる軸支持工程と、
前記殻体の内部に、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第一の設置場所と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合に前記他方の部品を設置するための第二の設置場所とを組立前に確保しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じて前記第一の設置場所又は前記第二の設置場所のいずれか一方の設置場所に前記他方の部品を設置する部品設置工程と、
前記殻体の底部に、前記殻体が載置される被載置面に対して該殻体が一の向きに揺動可能となるように該被載置面に接地する接地部分を形成し、前記接地部分を、前記殻体の外部からの人為的操作によって前記被載置面に平行な方向に移動可能に構成し、前記底部を、前記第一の軸受け部に振り子が軸支持される場合と、前記第二の軸受け部に振り子が軸支持される場合とで位置を違えて他の殻体部分に取付可能に構成しておいて、組立時に、振り子の軸支持状態に応じた位置で前記底部を前記他の殻体部分に取り付ける工程と、底部取付工程と、
を備えることを特徴とする揺動玩具の組立方法。
【請求項6】
前記殻体を、組立前に、前記底部を構成する下部殻体と、前記下部殻体に組み付けられる上部殻体とによって全体がほぼ球状を呈するように構成しておくことを特徴とする請求項5に記載の揺動玩具の組立方法。
【請求項7】
組立前に、前記振り子に前記永久磁石を取り付け、前記底部に前記電磁石を取り付けておくことを特徴とする請求項5又は6に記載の揺動玩具の組立方法。
【請求項8】
組立前に、前記底部に振り子を取り付けておくことを特徴とする請求項5から7いずれか一に記載の揺動玩具の組立方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−297265(P2009−297265A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154962(P2008−154962)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
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