説明

搬送バケット及びこれを用いた搬送装置

【課題】 質量増加を抑えつつ捩れに対する剛性を十分に確保できる水受け付きの搬送バケットを提供する。
【解決手段】 パウチ100を一列に並べて収容する収容室13を形成するための壁部20、23、40がそれぞれ設けられるとともに、収容室13が開閉できるように組み合わされた第1及び第2のバケット構成部品11、12を搬送バケット10に設ける。バケット構成部品11、12のそれぞれの側壁20、40には、貫通部25、27aと、それらの貫通部よりも低い位置から突出する水受け28とを設ける。水受け28の裏面側には、側壁20、40と水受け28の先端部21aとを結ぶようにサポート29を設ける。バケット構成部品11、12の両端には端板22、42を設け、それらの端板22、42を介して側壁20、40と水受け28及びサポート29とを互いに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を所定方向に並べて収容して搬送するための搬送バケット、及びそれを利用した殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送バケットとしては、流動食品が充填された複数のパウチを所定方向に一列に並べて収容する搬送バケットが知られている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平10−1118号公報
【特許文献2】特開2004−269081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多数の物品を一列に並べて収容する場合、搬送バケットがそれらの物品の並び方向に長尺化するため、搬送バケットに捩れが生じ易い。捩れに対する剛性を高めるにはバケットの素材の板厚を増加させることが効果的であるものの、板厚の増加に応じて質量も増加する。多数の物品を収容する場合に質量増加は顕著である。多数のバケットをコンベア等の搬送機構によって搬送する場合には、各々の搬送バケットの質量の増加に伴って搬送負荷が顕著に増加し、搬送機構の搬送能力を高める必要が生じて装置の大型化やコスト増を招く。
【0004】
また、流動食品を充填したパウチにおいては、内部充填物の加熱殺菌、その後の冷却を搬送中に実施することが好ましい。そのような冷却の一手法として、搬送バケットの側面から水受けを突出させ、そこで受けた水をバケット内に導入してパウチを冷却することが検討されているが、その場合、バケットの側方に水受けを突出させる関係から捩れに対するバケットの剛性をさらに高める必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、質量増加を抑えつつ捩れに対する剛性を十分に確保できる水受け付きの搬送バケット、及びその搬送バケットの特徴を活かした殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の搬送対象物(100)を所定方向に並べて収容する収容室(13)を形成するための壁部(20、23、40)がそれぞれ設けられるとともに、前記収容室が開閉できるように組み合わされた第1及び第2のバケット構成部品(11、12)を具備し、前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれには、貫通部(25、27a)と、前記貫通部よりも低い位置から前記所定方向に対する側方へ突出する水受け(28)とが設けられ、前記水受けの裏面側には、前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記壁部と前記水受けの先端部(21a)とを結ぶようにサポート(29)が設けられ、前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記所定方向における両端には端板(22、42)が設けられ、前記端板を介して前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記壁部と前記水受け及び前記サポートとが互いに接続されている搬送バケット(10)により、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の搬送バケットによれば、第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれにおいて、収容室を取り囲む壁部と、水受け及びサポートとが所定方向と直交する断面において概略三角柱を描くように組み合わされ、かつそれらが端板を介して相互に接続されることにより、両端が閉じた三角柱形状を呈する部分を各バケット構成部品に設けることができる。これにより、長尺物である壁部、水受け及びサポートの肉厚を比較的薄く抑えても、各バケット構成部品の捩れに対する剛性を高めて搬送バケットを軽量かつ高剛性に構成することができる。
【0008】
本発明の搬送バケットの一態様において、前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれが、前記壁部として、前記収容室を側方から囲む側壁(20、40)を備え、前記サポートは前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの側壁の下端から前記水受けの先端部まで延びていてもよい。この態様によれば、側壁の貫通部よりも下の部分にて側壁と水受けとサポートとを断面略三角形状に組み合わせてバケットの捩れに対する剛性を十分に高めることができる。
【0009】
本発明の搬送バケットの一態様においては、板材を前記水受けの先端部に相当する位置で折り曲げることにより、前記水受けと前記サポートとが一体に形成されてもよい。このような態様によれば、水受けの先端部とサポートとが所定方向全長に亘って一体化されるので捩れに対する剛性を容易に高めることができる。また、水受け先端部とサポートとを長距離に亘って溶接する必要がなく、水受けとサポートとを繋ぐ手間が省かれる。
【0010】
本発明の一態様において、前記サポートには貫通孔(29b)が形成されてもよい。貫通孔により水受けの裏側に進入した水等の流体を容易に排出できる。また、貫通孔によりサポートを軽量化することができる。
【0011】
本発明の一態様においては、前記水受けを上方に向けた正立状態において前記所定方向に延びる回転軸線を有するヒンジ(18)を介して前記第1及び第2のバケット構成部品がそれらの上端にて相互に連結され、前記正立状態において、各バケット構成部品の自重により、各バケット構成部品が互いに閉じる方向のモーメントが前記ヒンジの回りに生じるように前記第1及び第2のバケット構成部品の重心位置(G1、G2)が設定されてもよい。この態様によれば、格別の外力を要することなしにバケット構成部品を互いに閉じる方向に回転させてそれらを閉じた状態に保持することができる。
【0012】
さらに、上記の態様において、前記ヒンジの回転軸線は前記所定方向と直交する断面上にて前記収容室を左右に二等分する中心線(CL)上に設定されてもよい。これにより、蓋体及びバケット本体のそれぞれの重心を上記のようなモーメントが生じる位置に容易に設定することができる。さらに、その搬送バケットは搬送体(8)と回転自在に連結される取付軸(50)を有し、前記正立状態において該取付軸が前記中心線上に位置してもよい。このような構成により、収容室に搬送対象物が収容された搬送バケットを取付軸にて支持した場合におけるバケット全体の重心を中心線上又はその近傍に容易に位置させ、それにより搬送バケットを自重(搬送対象物を含む)により正立状態に保持しつつ、取付軸の回りに回転可能な状態で搬送することが可能となる。
【0013】
本発明の一態様においては、前記搬送対象物がスパウト(102)及びキャップ(103)を備えたパウチ(100)であり、前記収容室は前記正立状態において前記パウチを前記キャップが上となるようにして収容するように形成されてもよい。この場合には、パウチを取付軸の回りに回転可能な状態で搬送することができる。従って、パウチ内に流動物が充填され、その流動物を加熱殺菌する場合には搬送バケットを反転させて高温の流動物をスパウトやキャップの内面に接触させてそれらを殺菌し、冷却時には搬送バケットを正立状態に戻すことにより、キャップやスパウトから流動物を後退させることができる。冷却により流動物の流動性が低下する場合には、このような操作を行うことによりスパウト内に流動物が残る可能性を排除することができて好都合である。
【0014】
本発明の搬送バケットにおいては、底側に前記収容室からの排水用の隙間(30、52)が設けられてもよい。これにより水受けから貫通部を介して収容室に導かれた冷却水等を容易に排水することができる。この態様において、いずれか一方のバケット構成部品は、前記壁部として、前記収容室の底部に配置される底板(23)をさらに備え、前記底板は前記所定方向の両端にて前記端板に接合され、前記底板と当該底板を有するバケット構成部品の側壁との間に前記隙間(30)が設けられてもよい。また、前記バケット構成部品を閉じた状態において、他方のバケット構成部品の側壁(40)と前記底板との間に前記隙間(52)が生じるようにしてもよい。
【0015】
本発明の殺菌装置は、上述した排水用の隙間が設けられている複数の搬送バケット(10)が前記所定方向と直交する搬送方向に間隔をおいて並べられた搬送装置(2)と、前記搬送装置の搬送経路上に設けられ、各搬送バケットに収容された搬送対象物を加熱殺菌する殺菌部(4)と、前記搬送経路上の前記殺菌部よりも下流に設けられ、冷却水(CW)を前記搬送バケットに向って供給して前記搬送バケットに収容された搬送対象物を冷却する冷却部(5)と、を有し、前記冷却部における前記搬送バケットの搬送方向が上下に蛇行している殺菌装置により、上述した課題を解決する。
【0016】
この殺菌装置によれば、多数の搬送対象物を各搬送バケットにそれぞれ収容し、それらの搬送対象物を一括して殺菌及び冷却することができる。搬送バケットが軽量かつ捩れに対しても高剛性であるため、搬送装置に要求される搬送能力も比較的小さくて済み、殺菌及び冷却を効率よく行える。さらには、冷却部における搬送経路を上下に蛇行させているので、上段の搬送バケットの排水用の隙間から排出された冷却水を下段の搬送バケットの水受けにて受けることにより冷却水を効率よく各搬送バケットに導くことができる。これにより冷却水の流量を抑えて搬送対象物を効率よく冷却することができる。
【0017】
本発明の殺菌装置の一態様において、前記搬送対象物には冷却によって流動性が低下する流動物が充填され、該搬送対象物の上部には前記流動物を取り出すための取出口(102)と、その取出口を閉じるキャップ(103)とが設けられ、前記冷却部において前記搬送バケットは前記水受け及び前記搬送対象物を上に向けた状態で搬送されてもよい。このような態様によれば、冷却に伴う流動性の低下により流動物が取出口を塞ぐおそれがなくなる。さらに、前記殺菌部において前記搬送バケットが前記水受け及び前記搬送対象物を下に向けた状態で搬送されてもよい。このように搬送バケットを反転させることにより、高温に加熱された流動物を取出口やキャップの内面に接触させてそれらの内面を殺菌することができる。
【0018】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、本発明によれば、収容室を取り囲む壁部と、水受け及びサポートとを概略三角柱を描くように組み合わせてそれらの両端を端板にて接続することにより、両端が閉じた三角柱形状を呈する部分を各バケット構成部品に設けることができるので、壁部、水受け及びサポートの肉厚を比較的薄く抑えつつ各バケット構成部品の捩れに対する剛性を高め、それにより軽量かつ高剛性の搬送バケットを提供することができる。また、本発明の殺菌装置によれば、本発明の搬送バケットを利用して多数の搬送対象物を効率よく殺菌及び冷却することができ、搬送装置に要求される搬送能力も比較的小さく抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の搬送バケットが適用された殺菌装置の概略を示している。殺菌装置1は搬送装置2と、その搬送装置2の搬送経路に沿って設けられた搬入部3、殺菌部4、冷却部5、アキューム部6及び搬出部7とを備えている。搬送装置2は図2に示した搬送対象物としてのパウチ100を搬送する。パウチ100は、フィルム材を貼り合わせて袋状に形成したパウチ本体101と、そのパウチ本体101に取り付けられたスパウト(取出口)102と、スパウト102を閉じるキャップ103とを備えている。図1に示すように、搬送装置2は搬送経路に沿って張り巡らされた一対(図では片側のみ示す。)のチェーン8を備え、それらのチェーン8間に、図3に示した多数の搬送バケット(以下、バケットと略称する。)10が搬送方向に一定間隔で取り付けられている。殺菌装置1の搬入部3では、内容物(一例としてゲル状の流動食品)が充填されてキャップ103が装着された状態でパウチ100が供給され、そのパウチ100が搬送バケット10に取り込まれる。以下、バケット10の詳細を説明する。
【0021】
図3はバケット10の斜視図、図4はバケット10を反転させた状態を示す斜視図、図5はバケット10を開いた状態を示す斜視図、図6はバケット10の長手方向と直交する断面図である。なお、図3及び図6に示した状態がバケット10の正立状態、図4及び図5に示した状態がバケット10の反転状態にそれぞれ相当する。図6の上方及び下方がそれぞれバケット10の上方及び下方に、図6の左右方向がバケット10の側方に、図6の紙面と直交する方向がバケット10の長手方向にそれぞれ相当する。
【0022】
これらの図に示すように、バケット10は第1のバケット構成部品としての蓋体11と、第2のバケット構成部品としてのバケット本体12とを有している。図5〜図7に示すように、蓋体11にはパウチ100(図6参照)をバケット10の長手方向に一列に並べて収容する収容室13と、その収容室13に対してパウチ100を出し入れするための開口部14とが設けられている。但し、収容室13はバケット本体12の後述する側壁40が開口部14を塞ぐように配されることによって一つの閉じたと部屋として完成する。なお、図7は蓋体11を長手方向の一端から見た状態を示している。図5に示すように収容室13の内部は仕切板15によって長手方向に多数の収容部16に仕切られており、それらの収容部16にパウチ100が一つずつ同一の向きで収容される。なお、各図では3個のパウチ100を収容する大きさでバケット10を描いているが、実際にはより多くの、例えば20個程度のパウチ100が一つのバケット10に収容される。従って、バケット10の全長は図示のものよりも遙かに長い。
【0023】
開口部14は、蓋体11の一側部をバケット10の長手方向のほぼ全長に亘って開放するように設けられている。バケット本体12は蓋体11の上端部11aとヒンジ18(図3参照)を介して連結されている。ヒンジ18の回転軸線はバケット10の長手方向と平行である。バケット本体12がそのヒンジ18の回転軸線を中心として回転することにより開口部14が開閉される。なお、図5から明らかなように、仕切板15はバケット本体12に取り付けられている。
【0024】
図6及び図7に示すように、蓋体11は、側壁20と、その側壁20の外面に取り付けられた外カバー21と、蓋体11の長手方向両端に配置された端板22と、端板22の間に渡された底板23とを備えている。これらの側壁20と外カバー21、端板22及び底板23はいずれもステンレス鋼板等の板材を板金加工品して形成されている。蓋体11においては、側壁20と底板23とが収容室13を形成するための壁部として機能する。
【0025】
図7及び図8に示すように、蓋体11の側壁20は、その上部20aが下部20bに比して収容室13の中心側へ曲げられた形状を有している。その上部20aには図5に示すように円形の貫通孔25及び方形状の抜き窓26が設けられ、各抜き窓26には多数のスリット27aが形成されたパネル27が取り付けられている。これらの貫通孔25及び長孔27aが側壁20を貫く貫通部として機能する。
【0026】
図8に示すように、外カバー21は板材を曲げ線21aに沿って鋭角に折り曲げて水受け28及びサポート29を一体に形成した構成を有している。なお、図9は外カバー21を上下に反転した状態で示している。水受け28の長手方向両端、及びサポート29の下端にはそれぞれ溶接用のフランジ28a、29aが設けられている。また、図6及び図7に示したように、水受け28の長手方向に沿った側縁にもフランジ28bが形成されている。これらのフランジ28b、29aは側壁20と突き合わされて溶接される。これにより、水受け28の先端部(曲げ線21a)がサポート29を介して側壁20に支持される。水受け28のフランジ28bの接合位置は図5に示した抜き窓26の下端付近に設定されている。また、水受け28は側壁20への接合位置よりも先端部21aが幾らか上方に位置するように傾きが付されている。
【0027】
さらに、水受け28の長手方向両端のフランジ28aは端板22に突き合わされて溶接されている。なお、サポート29の長手方向両端も必要に応じて端板22に溶接してもよい。図4及び図8に示すように、サポート29には水抜き用に多数の円形の貫通孔29bが形成されている。但し、図8では一部の貫通孔29bの図示を省略している。貫通孔29bは外カバー21の軽量化にも寄与する。
【0028】
図9に示すように、底板23は板材の長手方向の両側縁を同一方向に折り曲げてフランジ23aを形成した構成を有している。図4及び図5から明らかなように、底板23は、その長手方向両端が端板22に突き合わされて溶接されることにより端板22と接続されている。従って、水受け28及びサポート29は、端板22を介して側壁20及び底板23と接続されている。換言すれば、端板22は長手方向から見て側壁20、外カバー21及び底板23を包含する形状に形成されており、その端板22に側壁20、外カバー21及び底板23がいずれも突き合わされて溶接されることにより、側壁20、水受け28、サポート29及び底板23が相互に接続されて一体化されている。このような構成によれば、蓋体11の水受け28よりも下部が両端の閉じた三角柱状に形成されるので、蓋体11の捩れに対する剛性が顕著に向上する。従って、長尺物である側壁20や外カバー21の肉厚を比較的薄く抑え、それにより蓋体11を軽量化することができる。
【0029】
図6及び図7に示したように、底板23のフランジ23aと側壁20の下端との間には排水用の隙間30が設けられている。隙間30は蓋体11の長手方向全長に亘って延び、その隙間量は一定である。側壁20の上端にはヒンジ18の一部を構成するカラー31が溶接されている。図7に示すように、カラー31の取付位置は収容室13を幅方向(図7における左右方向)に二等分する中心線CL上に設定されている。また、図6及び図7に示すように端板22の上端にはアーム部32が設けられ、そのアーム部32の先端にはカムフォロア33が支軸34を介して回転自在に取り付けられている。また、アーム部32には軸状のストッパ35が取り付けられている。図3に示すようにカムフォロア33はアーム部32に対して内側に突出し、ストッパ35はアーム部32に対して外側に突出する。また、図5〜図7に示すように、端板22の下端には外側に向って突出する係止ピン36が取り付けられている。
【0030】
図6及び図10に示すように、バケット本体12は、蓋体11の開口部14を塞ぐような形状を有する側壁(壁部に相当)40と、その側壁40の外面に取り付けられた外カバー21と、側壁40の長手方向両端に溶接された端板42とを備えている。外カバー21は蓋体11の外カバー21と同様の構成であり、その細部には蓋体11側のそれと同一符号を付して説明を省略する。側壁40及び端板42はいずれもステンレス鋼板等の板材を板金加工品して形成されている。バケット本体12においては、側壁40が収容室13を形成するための壁部として機能する。
【0031】
側壁40は蓋体11の側壁20と同様にその上部40aが下部40bに比して収容室13の中心側へ曲げられた形状を有している。図3及び図5に示すように、側壁40の上部40aには円形の貫通孔45及び方形状の抜き窓46が設けられ、各抜き窓46には多数のスリット47aが形成されたパネル47が取り付けられている。これらの貫通孔45及び長孔47aが側壁40を貫く貫通部として機能する。外カバー21はそのフランジ28b、29aが側壁40に突き合わされて溶接されるとともに、水受け28の両端のフランジ28aが端板42と突き合わされて溶接されることにより、側壁40及び端板42と一体化されている。従って、バケット本体12の水受け28及びサポート29は、端板42を介して側壁40と接続されている。換言すれば、端板42は長手方向から見て側壁40及び外カバー21を包含する形状に形成されており、その端板42に側壁40及び外カバー21がいずれも突き合わされて溶接されることにより、側壁40、水受け28及びサポート29が相互に接続されて一体化されている。このような構成により、バケット本体12に関しても捩れに対する剛性を向上させることができる。なお、側壁40に対する水受け28の接合位置は抜き窓46の下端付近に設定される。また、水受け28には蓋体11側と同様の傾斜が付されている。
【0032】
図3〜図5に示すように、バケット本体12の端板42は蓋体11の端板22よりもバケット10の長手方向外側にそれぞれ配置されている。つまり、バケット本体12の長手方向の全長は蓋体11よりも幾らか大きい。そして、図6及び図10にも示すように、端板42には、一対のカムフォロア48が支軸49を介して回転自在に取り付けられ、それらカムフォロア48の間には中空円筒状の取付軸50が取り付けられている。これらカムフォロア48及び取付軸50はいずれも端板42からバケット10の長手方向外側に突出するように設けられている。図6に示すように、バケット本体12にて蓋体11の開口部14を閉じた状態において、取付軸50は上述した蓋体11の中心線CL上に位置するように端板42に取り付けられている。また、カムフォロア48はその中心線CLと直交する方向に関して取付軸50と一直線に並ぶように端板42に取り付けられている。このような構成によれば、バケット本体12の水受け28よりも下部が両端の閉じた三角柱状に形成されるので、バケット本体12の捩れに対する剛性が顕著に向上する。従って、長尺物である側壁40や外カバー21の肉厚を比較的薄く抑え、それによりバケット本体12を軽量化することができる。
【0033】
図6及び図10に示すように側壁40の上端には収容室13の天井壁として機能する曲げ部40cが溶接により設けられており、その曲げ部40cにはヒンジ18の一部を構成するカラー51が溶接により取り付けられている。図6から明らかなように、カラー51も中心線CL上に位置している。なお、図6の状態において、曲げ部40cは蓋体11のストッパ35と当接し(図3参照)、それによりバケット本体12の閉位置が規制されている。この状態において側壁40の下端と底板23のフランジ23aとの間には隙間52が生じる。隙間52は、蓋体11の側壁20とフランジ23aとの間の隙間30と同様にバケット本体12の全長に亘って延び(図4参照)、その隙間量は一定である。
【0034】
図3〜図5に示すように、バケット本体12の端板42の外側にはフック55が支軸56を中心として回転自在に取り付けられている。フック55及び端板42にはそれぞればね掛けピン57、58が取り付けられ、それらのピン57、58の間にはコイルばね59が取り付けられている。図4に示すように、バケット本体12が閉位置にある状態でフック55を端板42から突出する方向に回転させると、そのフック55が蓋体11の係止ピン36と係合し、それによりバケット本体12が閉位置に拘束される。上述したコイルばね59はその引張力によりフック55を係止ピン36に押し付けるように付勢する。なお、図5に示すように、支軸56の近傍にはフック55の端板42から側方に突出する方向への回転範囲を規制するストッパ60が設けられている。
【0035】
図3に示すように、蓋体11とバケット本体12とはそれぞれのカラー31、51を一直線に並べ、それらにヒンジ軸61を挿通することにより互いに回転自在に連結される。ヒンジ軸61の外周には捩りコイルばね62が設けられており、その捩りコイルばね62の復元力によりバケット本体12は蓋体11の開口部14を開く方向に付勢されている。これらのカラー31、51、ヒンジ軸61及び捩りコイルばね62によってヒンジ18が構成される。バケット10の正立状態(図6)において、ヒンジ18の回転軸線、すなわちヒンジ軸61の中心線に対して蓋体11の重心G1は中心線CLよりもバケット本体12の反対側に離して設定され、バケット本体12の重心G2は中心線CLよりも蓋体11の反対側に離して設定されている。これにより、正立状態においては蓋体11及びバケット本体12にはそれぞれの自重により互いに閉じる方向へのモーメントが生じる。つまり、バケット10の正立状態においては、ばね力その他の力を加えなくとも蓋体11とバケット本体12とは閉じた状態に保持される。なお、バケット10の反転状態においては、フック55が係止ピン36と係合してバケット本体12の開放が阻止される。
【0036】
以上のように構成されたバケット10は、蓋体11がバケット本体12よりも搬送方向前方に位置するように向けられた状態で搬送装置2のチェーン8間に配置される。そして、バケット本体12の取付軸50が搬送装置2のチェーン8にそれぞれ回転自在に取り付けられて搬送装置2に組み込まれる。バケット10を外部から拘束しない状態、つまり取付軸50の回りにバケット10が自由に回転し得る状態において、バケット10はその自重により正立状態に保たれる。
【0037】
次に、図1及び図11〜図15を参照して、殺菌装置1の各部を説明する。なお、これらの図ではバケット10を簡略化して描いている。図11及び図12は搬入部3を示している。搬入部3には大型のスプロケット70が設けられている。搬送装置2の下部を搬出部7から搬入部3に向って戻されるチェーン8はそのスプロケット70に巻き掛けられて上方に180°折り返される。スプロケット70の外周には板カム71が周方向に一定の間隔をおいて取り付けられている。板カム71の周方向に関する取り付け間隔はバケット10の搬送方向に関する取り付け間隔と一致する。チェーン8とともに搬入部3に戻されるバケット10はスプロケット70の下端まで正立状態で運ばれる。スプロケット70の下端にバケット10が達すると、バケット10の一対のカムフォロア48が同一の板カム71の下面に当接する。これにより、バケット10の取付軸50を中心とした回転が阻止される。従って、スプロケット70の回転に伴ってバケット10が上方に移動することにより、バケット10は反転状態へと徐々に姿勢を変える。
【0038】
図12に示すように、スプロケット70の周囲には、スプロケット70の回転方向(矢印F方向)に沿ってフック駆動カム72及びバケット開放カム73が設けられている。スプロケット70の回転に伴ってバケット10が上昇する途中でフック駆動カム72とバケット10のフック55の先端とが接触し、それによりフック55が係止ピン36から外れる方向に押し出される。これにより、蓋体11に対するバケット本体12の拘束が解除される。フック55の解除後は蓋体11のカムフォロア33がバケット開放カム73に接触し、それにより蓋体11のアーム部32が回転方向後方に押されて蓋体11がヒンジ18を中心として幾らか回転する。これにより、蓋体11から見てバケット本体12が開位置に相対的に移動して蓋体11の開口部14が開かれる。その開放位置にはパウチ100を搬入部3に案内するコンベア等の案内手段74が配置されており、その案内手段に案内されたパウチ100はキャップ103を先頭にして開口部14から収容室13へ投入される。
【0039】
パウチ100の投入位置よりもスプロケット70の回転方向後方において、バケット開放カム73の輪郭はスプロケット70の半径方向中心側に徐々に後退する。これにより、バケット開放カム73によるカムフォロア33の拘束が徐々に開放され、ヒンジ18の捩りコイルばね62のばね力で蓋体11とバケット本体12とが互いに引き寄せられて開口部14が閉じられる。このとき、係止ピン36はフック55の先端を押し除けるようにしてフック55の内側に入り込み、コイルばね59の力でフック55が係止ピン36と噛み合って蓋体11とバケット本体12とが閉じた状態に拘束される。
【0040】
図11に示すように、スプロケット70の上端から回転方向前方にはバケット10を反転状態で保持するための板カム75が設けられている。開口部14が閉じられた後、バケット10のカムフォロア48はスプロケット70の板カム71から板カム75へと乗り移る。板カム75は搬入部3から殺菌部4の終端まで水平に延びており、バケット10は反転状態に拘束された状態で搬入部3から殺菌部4へ渡されて殺菌部4内を反転状態で水平に移動する。図1に示したように、殺菌部4には高温の蒸気を供給する蒸気供給装置76がバケット10の搬送方向に沿って複数設けられている。パウチ100はそれらの蒸気供給装置76から供給される高温の蒸気により加熱され、それによりパウチ100内の流動食品が殺菌される。殺菌部4においてバケット10を反転させているのは、パウチ100を上下方向に反転させた状態とすることにより、スパウト102及びキャップ103の内面を高温の流動食品と接触させてこれらも同時に殺菌するためである。
【0041】
殺菌部4の終端ではチェーン8がスプロケット77に巻き掛けられて上方にほぼ90°折り返され、それによりバケット10が板カム75から離れる。これにより、バケット10が自重で上下方向に回転して正立状態に戻る。その後、バケット10は冷却部5に移動する。冷却部5ではチェーン8がスプロケット78によって繰り返し上下方向に180°ずつ折り返される。このため、冷却部5にてバケット10の搬送経路は上下に蛇行を繰り返す。
【0042】
図13に示したように、冷却部5では天井面5aからパウチ100を冷却するための冷却水CWが冷却部5のほぼ全長に亘ってシャワー状に供給される。供給された冷却水CWはバケット10の水受け28に受け止められ、側壁20、40の貫通部としてのスリット27a、47aから(場合によっては貫通孔25、45からも)バケット10の収容室13内に流れ込む。流れ込んだ冷却水CWによりパウチ100が両側から冷却される。なお、冷却部5の手前でバケット10を正立状態に戻すのは、スパウト102内で流動食品が冷却されてゲル状に固まることによる見栄えの悪化を防止するためである。
【0043】
バケット10の収容室13内に流れ込んだ冷却水CWはバケット10の底板23の両側に設けられた隙間30、52から排出されて下段のバケット10の水受け28に落ちる。このように冷却水CWが複数のバケット10に対して上から下へ順次落下することにより、冷却水CWを搬送中の各バケット10に効率よく導くことができる。これにより、冷却に必要な冷却水CWの流量を減らしてエネルギーを節約することができる。ちなみに、冷却部5にてバケット10を左右に蛇行させた場合には、上下方向に隣接するバケット10が水平方向互いに逆向きに移動するため、バケット10同士が左右にすれ違う時期に限って上段のバケット10から下段のバケット10の水受け28に冷却水CWが落下するため、本形態の冷却部5と比較して冷却水CWによる冷却効率が劣る。
【0044】
図1に戻って、冷却部5を通過したバケット10は次にアキューム部6へ導かれる。アキューム部6においてもチェーン8がスプロケット80、81によって上下に適宜に折り返されることによりバケット10が上下に蛇行しつつ搬送される。なお、アキューム部6のスプロケット81は上下に位置調整可能である。殺菌装置1が正常に動作している場合にはスプロケット81が上方の通常位置P1に保持されるが、搬送装置2を停止させる必要が生じた場合にはスプロケット81が下方の待機位置P2へ移動する。これにより、アキューム部6に収容可能なバケット10の本数が増加する。その増加量は殺菌部4におけるバケット10の収容数よりも大きく設定されている。従って、搬送装置2の停止時に待機位置P2へとスプロケット81を移動させることにより、殺菌部4に位置している全てのバケット10を冷却部5から下流に移動させ、これに合わせて搬入部3におけるパウチ100の投入を停止させることにより、殺菌部4におけるパウチ100の滞留を防止することができる。このため、パウチ100が必要以上に加熱されるおそれを排除することができる。
【0045】
アキューム部6を通過したバケット10は次に搬出部7へと導かれる。図14に示すように、搬出部7ではチェーン8の走行方向がスプロケット82によって斜め下方へと変更され、さらにスプロケット83によって下方に180°折り返されてチェーン8が斜め上方に走行する。図15にも示したように、チェーン8が斜め上方に走行する区間には板カム85がチェーン8の走行方向に沿って設けられており、バケット10のカムフォロア48はその板カム85の上面と接触する。これにより、バケット10が正立状態から幾らか傾けられた状態に保持される。
【0046】
図15に示したように、板カム85の下方にはフック駆動カム86が設けられており、板カム75に沿って斜め上方に移動するバケット10のフック55はそのフック駆動カム86と接して係止ピン36から離れる方向に駆動される。フック駆動カム86よりもバケット10の搬送方向前方には、板カム85よりも上方に離してバケット開放カム87が設けられている。フック55が外された後、バケット10のカムフォロア33がそのバケット開放カム87と接し、それにより蓋体11がバケット本体12から離れる方向に押されて開口部14が開かれる。これにより、収容室13からパウチ100が落下し、その落下したパウチ100は搬出部7に設けられた搬出用のコンベア等の案内手段87に渡される。そして、案内手段87に沿ってパウチ100が殺菌装置1の外部へ搬出されて後工程へと送られる。
【0047】
本発明は以上の形態に限ることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、水受け28とサポート29とをそれぞれ別部材として構成して水受け28の先端部にて両者を接合してもよい。側壁20、40の下端を外側に折り曲げてサポート29を側壁20、40と一体に形成し、そのサポート29の先端と水受け28の先端とを相互に接合してもよい。バケット10の底部の排水用の隙間は必ずしも底板23の両縁に設ける必要はなく、例えば図16に示すように底板23の一方の縁部にのみ設けてもよい。なお、図16の形態では側壁20の下端を折り曲げて底板23を形成している。収容室13はパウチ100を一列に収容するものに限らず、2列又はそれ以上の列数収容してもよい。上記の形態ではバケット本体12を蓋体11に対して開閉駆動しているが、蓋体11を開閉駆動してもよい。要するに本発明においては、一対のバケット構成部品が互いに開閉可能に組み合わされていればよく、いずれのバケット構成部品が開閉されるかは問わない。収容室13の底板23は蓋体11に代えてバケット本体12に設けられてもよい。
【0048】
本発明の搬送バケットはパウチを搬送するものに限らず、その他の物品を搬送する用途にも適用可能である。水受けにて受ける流体は冷却水に限らず、収容室内に導く必要がある限り各種の流体に置換可能である。本発明の搬送バケットは、搬送途中で搬送対象物を反転させる必要がある場合に限らず、搬送対象物を一定の姿勢で搬送する場合にも適用可能である。ヒンジの位置は必ずしもバケットの上端に限らず、適宜の位置に設けてよい。但し、好ましくはバケット構成部品が互いに閉じる方向のモーメントが働くようにヒンジと各バケット構成部品の重心位置との関係を設定するとよい。バケット構成部品同士の連結はヒンジ結合に限らず、両者を開閉可能に連結できる限りは他の形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る殺菌装置の概略を示す図。
【図2】搬送対象物としてのパウチを示す図。
【図3】搬送バケットの正立状態における斜視図。
【図4】搬送バケットの反転状態における斜視図。
【図5】反転状態のバケットを開いた様子を示す斜視図。
【図6】バケットの長手方向と直交する断面図。
【図7】蓋体を長手方向の一端側から見た様子を示す図。
【図8】蓋体を構成する外カバーの反転状態における斜視図。
【図9】蓋体を構成する底板の斜視図。
【図10】バケット本体を長手方向の一端側から見た様子を示す図。
【図11】殺菌装置の搬入部の概略を示す図。
【図12】搬入部の拡大図。
【図13】冷却部における搬送バケットの動きを示す図。
【図14】殺菌装置の搬出部の概略を示す図。
【図15】搬出部の拡大図。
【図16】搬送バケットの他の形態を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1 殺菌装置
2 搬送装置
3 搬入部
4 殺菌部
5 冷却部
5a 天井面
6 アキューム部
7 搬出部
8 チェーン(搬送体)
10 搬送バケット
11 蓋体(第1のバケット構成部品)
11a 蓋体の上端部
12 バケット本体(第2のバケット構成部品)
13 収容室
14 開口部
15 仕切板
16 収容部
18 ヒンジ
20 蓋体の側壁(壁部)
21 外カバー
21a 曲げ線(水受けの先端部)
22 蓋体の端板
23 蓋体の底板(壁部)
25 貫通孔(貫通部)
27a スリット(貫通部)
28 水受け
29 サポート
29b 貫通孔
30 排水用の隙間
40 バケット本体の側壁
42 バケット本体の端板
45 貫通孔(貫通部)
47a スリット(貫通部)
50 取付軸
52 排水用の隙間
100 パウチ(搬送対象物)
101 パウチ本体
102 スパウト(取出口)
103 キャップ
CL 収容室を二等分する中心線
CW 冷却水
G1 蓋体の重心
G2 バケット本体の重心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搬送対象物を所定方向に並べて収容する収容室を形成するための壁部がそれぞれ設けられるとともに、前記収容室が開閉できるように組み合わされた第1及び第2のバケット構成部品を具備し、
前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれには、貫通部と、前記貫通部よりも低い位置から前記所定方向に対する側方へ突出する水受けとが設けられ、
前記水受けの裏面側には、前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記壁部と前記水受けの先端部とを結ぶようにサポートが設けられ、
前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記所定方向における両端には端板が設けられ、
前記端板を介して前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの前記壁部と前記水受け及び前記サポートとが互いに接続されている、
ことを特徴とする搬送バケット。
【請求項2】
前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれが、前記壁部として、前記収容室を側方から囲む側壁を備え、前記サポートは前記第1及び第2のバケット構成部品のそれぞれの側壁の下端から前記水受けの先端部まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の搬送バケット。
【請求項3】
板材を前記水受けの先端部に相当する位置で折り曲げることにより、前記水受けと前記サポートとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送バケット。
【請求項4】
前記サポートには貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送バケット。
【請求項5】
前記水受けを上方に向けた正立状態において、前記所定方向に延びる回転軸線を有するヒンジを介して前記第1及び第2のバケット構成部品がそれらの上端にて相互に連結され、前記正立状態において、各バケット構成部品の自重により、各バケット構成部品が互いに閉じる方向のモーメントが前記ヒンジの回りに生じるように前記第1及び第2のバケット構成部品の重心位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送バケット。
【請求項6】
前記ヒンジの回転軸線は前記所定方向と直交する断面上にて前記収容室を左右に二等分する中心線上に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の搬送バケット。
【請求項7】
搬送体と回転自在に連結される取付軸を有し、前記正立状態において該取付軸が前記中心線上に位置していることを特徴とする請求項5又は6に記載の搬送バケット。
【請求項8】
前記搬送対象物がスパウト及びキャップを備えたパウチであり、前記収容室は前記正立状態において前記パウチを前記キャップが上となるようにして収容するように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の搬送バケット。
【請求項9】
底側に前記収容室からの排水用の隙間が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の搬送バケット。
【請求項10】
いずれか一方のバケット構成部品は、前記壁部として、前記収容室の底部に配置される底板をさらに備え、前記底板は前記所定方向の両端にて前記端板に接合され、前記底板と当該底板を有するバケット構成部品の側壁との間に前記隙間が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の搬送バケット。
【請求項11】
前記バケット構成部品を閉じた状態において、他方のバケット構成部品の側壁と前記底板との間に前記隙間が生じることを特徴とする請求項10に記載の搬送バケット。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載にてそれぞれ特定される複数の搬送バケットが前記所定方向と直交する搬送方向に間隔をおいて並べられた搬送装置と、
前記搬送装置の搬送経路上に設けられ、各搬送バケットに収容された搬送対象物を加熱殺菌する殺菌部と、
前記搬送経路上の前記殺菌部よりも下流に設けられ、冷却水を前記搬送バケットに向って供給して前記搬送バケットに収容された搬送対象物を冷却する冷却部と、
を有し、
前記冷却部における前記搬送バケットの搬送方向が上下に蛇行していることを特徴とする殺菌装置。
【請求項13】
前記搬送対象物には冷却によって流動性が低下する流動物が充填され、該搬送対象物の上部には前記流動物を取り出すための取出口と、その取出口を閉じるキャップとが設けられ、前記冷却部において前記搬送バケットは前記水受け及び前記搬送対象物を上に向けた状態で搬送されることを特徴とする請求項12に記載の殺菌装置。
【請求項14】
前記殺菌部において前記搬送バケットが前記水受け及び前記搬送対象物を下に向けた状態で搬送されることを特徴とする請求項13に記載の殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−168856(P2006−168856A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360178(P2004−360178)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】