説明

搬送パレット及び圧入装置

【課題】圧入対象部品を反転させることがなく、前記圧入対象部品に対して互いに反対方向から圧入部品を圧入することができ、組み立て作業全体を効率的且つ自動的に行うことを可能にする。
【解決手段】搬送パレット10は、貫通孔44が形成されるパレット部材30と、前記貫通孔44を閉塞して前記パレット部材30に移動可能に配置されるとともに、レゾルバ22が保持される圧入パンチプレート46と、前記圧入パンチプレート46に、前記パレット部材30とは反対側に配置され、圧入ステーションに配置されるヨークアセンブリに対向してロータを保持するワーク受け部材54とを備え、前記ロータには、前記レゾルバ22と前記ヨークアセンブリとが互いに反対方向から圧入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧入対象部品を保持して圧入ステーションに搬送するための搬送パレット、及び前記搬送パレットを使用する圧入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド車両や電気車両等に使用されるモータ(電動機)は、種々の部品から構成されており、通常、組み立てラインによって自動的に製造されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、回転磁界を発生するステータと、上記ステータのステータコア内に同軸的に配置されるロータと、上記ロータの出力軸の両端側に取り付けられる一対のベアリングと、一方の上記ベアリングに沿って配置される与圧ばね及び他方の上記ベアリングに沿って配置されるベアリング受けと、上記ステータの両面を絶縁する一対の絶縁シートとを少なくとも含むモータ内装部品と、実質的に上記モータ内装部品を内部に収納する第1ブラケットと、上記第1ブラケットに対して蓋として被せられる第2ブラケットとを備えるモータを、所定の搬送レーン上を移動して所定の組み立てステージに運搬される搬送パレット上で組み立てるモータの組立装置が開示されている。
【0004】
そして、搬送パレットには、第1ブラケットを収納するカップホルダーが設けられており、上記カップホルダーに上記第1ブラケットを取り付け、その第1ブラケット内に一方の絶縁シートとステータとを仮入れした状態で上記ステータを上記第1ブラケット内に圧入するステータ圧入ステージと、与圧ばねをステーターコア内を通して上記第1ブラケット底部に配置する与圧ばね挿入ステージと、上記与圧ばねに一方のベアリングが接触するようにロータを上記ステータコア内に挿入するロータ挿入ステージと、圧入された上記ステータ上に他方の絶縁シートを挿入する絶縁シート挿入ステージと、他方のベアリングに向けてベアリング受けを挿入するベアリング受け挿入ステージと、第2ブラケットをモータ内装部品が挿入された上記第1ブラケットに載置する第2ブラケット載置ステージと、上記第2ブラケットを上記第1ブラケットに一体的に固定するシーミングステージとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−324909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1では、搬送パレット上に圧入対象部品を載置した状態で、各組み立てステーションに順次移送し、モータの組み立て作業を自動的に行うとともに、前記搬送パレット上の前記圧入対象部品に対して、同一の方向から各組み立て作業が行われている。
【0007】
しかしながら、モータの組み立て作業において、例えば、ロータの一方の端面側からヨークアセンブリを圧入するとともに、前記ロータの他方の端面側からレゾルバ(角度センサ)を圧入する場合がある。
【0008】
このため、特許文献1では、圧入対象部品を一旦搬送パレットから取り外してこの圧入対象部品を反転させ、再度、前記搬送パレットに載置する作業が必要である。従って、圧入対象部品の反転作業が相当に煩雑化するとともに、時間がかかってしまう。これにより、モータの組み立て作業全体を効率的且つ自動的に行うことが困難になるという問題がある。
【0009】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、圧入対象部品を反転させることがなく、前記圧入対象部品に対して互いに反対方向から圧入部品を圧入することができ、組み立て作業全体を効率的且つ自動的に行うことが可能な搬送パレット及び圧入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、圧入対象部品を保持して圧入ステーションに搬送するための搬送パレットに関するものである。
【0011】
この搬送パレットは、貫通孔が形成されるパレット部材と、前記貫通孔を閉塞し、前記パレット部材に対して移動可能に配置されるとともに、第1の圧入部品が保持される圧入パンチプレートと、前記圧入パンチプレートに、前記パレット部材とは反対側に配置され、前記圧入ステーションに配置される第2の圧入部品に対向して前記圧入対象部品を保持するワーク受け部材とを備えている。
【0012】
そして、圧入ステーションに設けられたピン部材を貫通孔に挿通し、圧入パンチプレートを圧入対象部品側に押圧することにより、第1の圧入部品を前記圧入対象部品に圧入する一方、第2の圧入部品を、前記第1の圧入部品とは反対方向から前記圧入対象部品に圧入している。
【0013】
また、パレット部材は、圧入パンチプレートを収容するための溝部を有することが好ましい。
【0014】
さらに、圧入パンチプレートは、第1の圧入部品を収容するための溝部を有することが好ましい。
【0015】
さらにまた、圧入パンチプレートのワーク受け部材に向かう面には、複数のばね部材が配設されることが好ましい。
【0016】
また、圧入対象部品は、モータを構成するロータであり、第1の圧入部品は、レゾルバであるとともに、第2の圧入部品は、ヨークアセンブリであることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明は、搬送パレットを使用する圧入装置に関するものである。この圧入装置は、第1の圧入部品を圧入対象部品に圧入する第1圧入機構と、搬送パレットを挟んで前記第1圧入機構に対向して配置され、第2の圧入部品を前記圧入対象部品に圧入する第2圧入機構とを備えている。
【0018】
そして、第1圧入機構は、圧入対象部品とは反対側から貫通孔に挿入され、第1の圧入部品を載置した圧入パンチプレートを前記圧入対象部品側に押圧することにより、前記第1の圧入部品を該圧入対象部品に圧入させるピン部材と、前記ピン部材を進退させる可動部とを備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、搬送パレットが圧入ステーションに配置されると、ワーク受け部材に保持されている圧入対象部品に、一方向から第2の圧入部品が圧入される。また、圧入パンチプレートが、パレット部材に対してワーク受け部材側に移動すると、前記圧入パンチプレートに保持されている第1の圧入部品が、一方向とは反対の他方向から圧入対象部品に圧入される。
【0020】
このため、搬送パレットに保持されている圧入対象部品に対し、第1の圧入部品と第2の圧入部品とを互いに反対方向から圧入することができる。これにより、圧入対象部品を反転させる必要がなく、組み立て作業全体を効率的且つ自動的に行うことが可能になる。
【0021】
また、本発明では、ピン部材が貫通孔に挿入されることにより、圧入パンチプレートが圧入対象部品側に押圧される。従って、ピン部材と貫通孔との案内作用下に、第1の圧入部品は、圧入対象部品に正確且つ円滑に圧入される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る搬送パレットが用いられる圧入装置の概略構成図である。
【図2】前記圧入装置により組み立てられるモータの要部分解斜視説明図である。
【図3】前記搬送パレットの分解斜視説明図である。
【図4】前記圧入装置によりヨークアセンブリを圧入する際の動作説明図である。
【図5】前記圧入装置によりレゾルバを圧入する際の動作説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る搬送パレットが用いられる圧入装置の概略構成図である。
【図7】前記搬送パレットの分解斜視説明図である。
【図8】前記圧入装置によりレゾルバを圧入する際の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る搬送パレット10は、圧入装置12に使用される。この搬送パレット10により圧入ステーションに搬送される圧入対象部品は、モータの構成部品の中、ロータ14である。
【0024】
図2に示すように、ロータ14は、一端14a側に端面板16を有するとともに、前記一端14aよりも軸方向外方に突出して小径なリング部18が設けられる。ロータ14の他端14b側から軸方向に周面部20が設けられる。
【0025】
リング部18には、レゾルバ(角度センサ)(第1の圧入部品)22が圧入される。周面部20には、他端14b側からヨークアセンブリ(第2の圧入品)24が圧入される。ヨークアセンブリ24は、複数の磁石26を設ける。
【0026】
図3に示すように、搬送パレット10は、図示しない搬送手段を介して圧入ステーションに移送されるパレット部材30を備える。パレット部材30は、板体32と、前記板体32の中央側に嵌合配置されるベースプレート34とを有する。板体32には、複数の位置決め座36と、前記ベースプレート34を固定するためのストッパ(ソレノイド等)38とが設けられる。
【0027】
べースプレート34は、中央部に円形状の開口部40を設けるとともに、前記開口部40の外周には溝部42が形成される。溝部42を形成する底面部には、複数、例えば、4つの貫通孔44が軸方向(矢印A方向)に貫通形成される。
【0028】
溝部42には、圧入パンチプレート46が収容される。圧入パンチプレート46は、溝部42に矢印A方向に移動可能に配置されるとともに、複数の貫通孔44を閉塞する。圧入パンチプレート46の中央部には、比較的大径な開口部48が形成されるとともに、前記開口部48の外周には、レゾルバ22を収容するための溝部50が形成される。
【0029】
圧入パンチプレート46の溝部50が設けられる面46aには、複数のばね部材52が配設される。圧入パンチプレート46には、パレット部材30とは反対側にワーク受け部材54が配置される。ワーク受け部材54は、略リング形状を有し、中央部に比較的大径な開口部56を有する。ワーク受け部材54は、圧入ステーションに配置されるヨークアセンブリ24に対向して、ロータ14を収容保持するための溝部58を設ける。
【0030】
図1に示すように、圧入装置12は、レゾルバ22をロータ14に圧入するための第1圧入機構60と、搬送パレット10を挟んで前記第1圧入機構60に対向して配置され、ヨークアセンブリ24を前記ロータ14に圧入するための第2圧入機構62とを備える。
【0031】
第1圧入機構60側には、搬送パレット10を載置するためのパレット載置部64が分割して(又は一体的に)設けられる。パレット載置部64には、パレット部材30の複数の貫通孔44と同軸上に複数の貫通孔66が形成される。貫通孔66は、実質的には下方に拡径する段付孔部を構成することができる。
【0032】
第1圧入機構60は、ガイド筒部68の内周面に沿って、矢印A方向に摺動自在なピストン部70を備える。ピストン部70は、図示しない油圧シリンダ等のアクチュエータに連結された可動部を構成する。ピストン部70には、それぞれ同軸上に配置される各貫通孔44、66に一体に挿入可能な複数本のピン部材72が設けられる。各ピン部材72には、ロータ14側への移動位置を規制するための係止部74が形成され、前記係止部74が貫通孔66に配置されることにより、各先端位置が規制される。
【0033】
第2圧入機構62は、矢印A方向に移動自在な昇降型80を備え、前記昇降型80の先端には、ばね部材82を介して押圧部材84が支持される。昇降型80の外方には、圧入型86が昇降自在に配置されるとともに、前記圧入型86の内周側には、ヨークアセンブリ24を保持するための溝部88が形成される。
【0034】
このように構成される搬送パレット10及び圧入装置12の動作について、以下に説明する。
【0035】
先ず、図3に示すように、搬送パレット10では、パレット部材30を構成するベースプレート34の溝部42に、圧入パンチプレート46が収容される。圧入パンチプレート46は、そのリング状の底面によりベースプレート34に形成されている複数の貫通孔44を閉塞する。
【0036】
一方、圧入パンチプレート46の溝部50には、レゾルバ22が収容されるとともに、面46aには、複数のばね部材52が配置される。圧入パンチプレート46上には、ワーク受け部材54が載置されるとともに、前記ワーク受け部材54の底面側には、複数のばね部材52が当接する。ワーク受け部材54の溝部58には、ロータ14が端面板16を下方にして載置される。
【0037】
上記のように、レゾルバ22及びロータ14が配置された搬送パレット10は、図1に示すように、圧入ステーションに移送され、パレット載置部64上に位置決め保持される。圧入ステーションでは、搬送パレット10がパレット載置部64に保持される一方、ヨークアセンブリ24が第2圧入機構62を構成する圧入型86の溝部88に配置される。
【0038】
次いで、第2圧入機構62を構成する昇降型80が下降し、押圧部材84がばね部材82の弾発力を介してロータ14をワーク受け部材54上に押圧保持する。一方、圧入型86の下降作用下に、ヨークアセンブリ24が下降される。
【0039】
このため、図4に示すように、ヨークアセンブリ24は、搬送パレット10の上方からロータ14に対して所定の速度で周面部20に圧入され、所定の突き当て荷重を超えるまで押圧される。従って、ロータ14の周面部20には、ヨークアセンブリ24が圧入され、この状態のまま、第1圧入機構60が駆動される。その際、ヨークアセンブリ24とロータ14とは、溝部88の作用下に正確に圧入される。
【0040】
第1圧入機構60では、図示しない油圧シリンダ等の作用下に、ピストン部70がガイド筒部68の内周面に沿って上方に摺動する。ピストン部70に設けられている複数のピン部材72は、貫通孔66に沿って上昇し、ベースプレート34に設けられている貫通孔44に挿入される。
【0041】
ピストン部70の上昇作用下に、各ピン部材72は、各貫通孔44から圧入パンチプレート46の底面に当接し、前記圧入パンチプレート46をロータ14側に押圧する。これにより、圧入パンチプレート46の溝部50に収容されているレゾルバ22は、ロータ14のリング部18に所定の速度及び所定の荷重で圧入処理される(図5参照)。なお、レゾルバ22の圧入速度及び荷重は、ヨークアセンブリ24の圧入速度及び突き当て荷重よりも小さな値に設定される。
【0042】
この場合、第1の実施形態では、搬送パレット10が圧入ステーションに配置されると、先ず、ワーク受け部材54に保持されているロータ14に対し、第2圧入機構62の作用下にヨークアセンブリ24が圧入される。次に、第1圧入機構60の作用下に、圧入パンチプレート46がワーク受け部材54側に移動し、前記圧入パンチプレート46に保持されているレゾルバ22が、ロータ14のリング部18に圧入される。
【0043】
このため、搬送パレット10に保持されているロータ14に対し、ヨークアセンブリ24とレゾルバ22とを互いに反対方向から圧入することができる。これにより、搬送パレット10に保持されているロータ14を反転させる必要がなく、モータの組立作業全体を効率的且つ自動的に行うことが可能になるという効果が得られる。
【0044】
さらに、第1圧入機構60は、可動部であるピストン部70に、複数のピン部材72を設けている。そして、ピン部材72がベースプレート34の複数の貫通孔44に挿入されることにより、圧入パンチプレート46がロータ14側に押圧されている。従って、複数のピン部材72と複数の貫通孔44との案内作用下に、レゾルバ22は、ロータ14に対して正確且つ円滑に圧入されるという利点がある。
【0045】
また、第1の実施形態では、圧入荷重の大きなヨークアセンブリ24をロータ14に圧入した後、圧入荷重の小さなレゾルバ22を前記ロータ14に圧入している。このため、レゾルバ22に係る負担を低減することができ、前記レゾルバ22を有効に保護することが可能になる。
【0046】
さらにまた、第1の実施形態では、ベースプレート34には、圧入パンチプレート46全体が収容される溝部42が設けられている。従って、第2圧入機構62を介してヨークアセンブリ24をロータ14に圧入する際に、比較的大きな圧入荷重は、ワーク受け部材54とベースプレート34とで受けることができる。このため、レゾルバ22が保持されている圧入パンチプレート46には、上記の荷重が作用することはない。これにより、レゾルバ22が圧入荷重によって損傷等を惹起することを良好に抑制することが可能になる。
【0047】
また、圧入パンチプレート46には、レゾルバ22を位置決めするための溝部50が設けられている。従って、溝部50の深さをレゾルバ22が収容される深さに設定することにより、前記レゾルバ22にかかる荷重の低減が容易に図られる。
【0048】
さらに、レゾルバ22は、ロータ14の底面である一端14aからさらに下方へ突出するリング部18に圧入されている。このため、レゾルバ22は、ロータ14の外周部よりも外方に突出することができ、回転検知が一層確実に遂行されるという利点がある。
【0049】
さらにまた、ワーク受け部材54は、レゾルバ22が圧入処理される部分を除いて、すなわち、開口部56を設けて、ロータ14を強固に保持することができる。これにより、レゾルバ22の圧入時に、ロータ14が不要にずれることがなく、前記レゾルバ22の圧入処理が高精度に遂行されるという効果がある。
【0050】
なお、パレット部材30では、板体32とベースプレート34とが個別に構成されているが、前記板体32と前記ベースプレート34とを一体に構成してもよい。
【0051】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る搬送パレット90が用いられる圧入装置92の概略構成図である。
【0052】
なお、第1の実施形態に係る搬送パレット10及び圧入装置12と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0053】
図6及び図7に示すように、搬送パレット90は、パレット部材94を備える。パレット部材94を構成するベースプレート96には、凹部98が設けられるとともに、前記凹部98の中央部には、単一の貫通孔100が連通する。凹部98には、圧入パンチプレート102が収容される。圧入パンチプレート102は、円板状を有し、凹部98に矢印A方向に移動可能に配置されるとともに、貫通孔100を閉塞する。圧入パンチプレート102の中央部には、レゾルバ22を収容するための比較的大径な凹部103が形成される。
【0054】
図6に示すように、圧入装置92は、レゾルバ22をロータ14に圧入するための第1圧入機構104と、搬送パレット90を挟んで前記第1圧入機構104に対向して配置され、ヨークアセンブリ24を前記ロータ14に圧入するための第2圧入機構62とを備える。
【0055】
第1圧入機構104側には、搬送パレット90を載置するためのパレット載置部106が分割して(又は一体的に)設けられる。パレット載置部106には、パレット部材94の貫通孔100と同軸上に貫通孔108が形成される。貫通孔108は、実質的には下方に拡径する段付孔部を構成することができる。
【0056】
第1圧入機構104を構成するピストン部70には、互いに同軸上に配置される貫通孔100、108に一体に挿入可能な1本のピン部材110が設けられる。ピン部材110には、ロータ14側への移動位置を規制するための係止部112が形成され、前記係止部112が貫通孔108に配置されることにより、先端位置が規制される。
【0057】
このように構成される第2の実施形態では、上記の第1の実施形態に係る搬送パレット10及び圧入装置12と同様に動作する。特に、第2の実施形態では、図8に示すように、第1圧入機構104が駆動されてピストン部70が上昇される際、単一のピン部材110は、貫通孔100から圧入パンチプレート102の底面に当接し、前記圧入パンチプレート102をロータ14側に押圧する。
【0058】
これにより、圧入パンチプレート102の凹部103に収容されているレゾルバ22は、ロータ14のリング部18に所定の速度及び所定の荷重で圧入処理される。従って、第2の実施形態は、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0059】
10、90…搬送パレット 12、92…圧入装置
14…ロータ 18…リング部
22…レゾルバ 24…ヨークアセンブリ
30、94…パレット部材 32…板体
34、96…ベースプレート 42、50、58、88…溝部
44、66、100、108…貫通孔 46、102…圧入パンチプレート
52…ばね部材 54…ワーク受け部材
60、62、104…圧入機構 64、106…パレット載置部
70…ピストン部 72、110…ピン部材
74、112…係止部 80…昇降型
86…圧入型 98、103…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧入対象部品を保持して圧入ステーションに搬送するための搬送パレットであって、
貫通孔が形成されるパレット部材と、
前記貫通孔を閉塞し、前記パレット部材に対して移動可能に配置されるとともに、第1の圧入部品が保持される圧入パンチプレートと、
前記圧入パンチプレートに、前記パレット部材とは反対側に配置され、前記圧入ステーションに配置される第2の圧入部品に対向して前記圧入対象部品を保持するワーク受け部材と、
を備え、
前記圧入ステーションに設けられたピン部材を前記貫通孔に挿通し、前記圧入パンチプレートを前記圧入対象部品側に押圧することにより、前記第1の圧入部品を前記圧入対象部品に圧入する一方、
前記第2の圧入部品を、前記第1の圧入部品とは反対方向から前記圧入対象部品に圧入することを特徴とする搬送パレット。
【請求項2】
請求項1記載の搬送パレットにおいて、前記パレット部材は、前記圧入パンチプレートを収容するための溝部を有することを特徴とする搬送パレット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の搬送パレットにおいて、前記圧入パンチプレートは、前記第1の圧入部品を収容するための溝部を有することを特徴とする搬送パレット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送パレットにおいて、前記圧入パンチプレートの前記ワーク受け部材に向かう面には、複数のばね部材が配設されることを特徴とする搬送パレット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送パレットにおいて、前記圧入対象部品は、モータを構成するロータであり、
前記第1の圧入部品は、レゾルバであるとともに、前記第2の圧入部品は、ヨークアセンブリであることを特徴とする搬送パレット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送パレットを使用する圧入装置であって、
前記第1の圧入部品を前記圧入対象部品に圧入する第1圧入機構と、
前記搬送パレットを挟んで前記第1圧入機構に対向して配置され、前記第2の圧入部品を前記圧入対象部品に圧入する第2圧入機構と、
を備え、
前記第1圧入機構は、前記圧入対象部品とは反対側から前記貫通孔に挿入され、前記第1の圧入部品を載置した前記圧入パンチプレートを前記圧入対象部品側に押圧することにより、該第1の圧入部品を該圧入対象部品に圧入させる前記ピン部材と、
前記ピン部材を進退させる可動部と、
を備えることを特徴とする圧入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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