説明

搬送容器

【課題】遊技機を簡単に梱包することができると共に、搬送中における破損を防止することができる搬送容器を提供する。
【解決手段】収納補助部材20により遊技機を固定して外箱10の内部に収納する。収納補助部材20は、遊技機の側面を覆う一対の側板部21A,21Bと、遊技機の背面に対向するように一対の側板部21A,21Bに連続して設けられた背板部21Cとを有する支持部材21を備え、固定部材22により、遊技機の前面側および背面側に空間部が形成されるように支持部材21に対して遊技機Mを固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機を搬送する際に用いる搬送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、生産工場で生産されたのち、例えば一台ずつ段ボール箱に梱包してパチンコ店などの遊技場に搬送される。その際、遊技機が破損しないように、緩衝材を用いて段ボール箱に詰めるのが一般的である。また、生産工場からの出荷に限らず、遊技機を店舗間で移動させる際にも、同様にして搬送される。しかし、遊技機は非常に重く、また、液晶パネルや制御回路基板などの精密機器が組み込まれていたり、ガラス板が嵌め込まれているものもあるので、僅かな力が加わっただけで破損してしまうことがあった。そのため、十分な梱包をしなければならず、梱包作業に手間がかかるという問題があった。また、遊技機を搬送した場所で設置する際に、破損していないかを点検しなければならないという問題もあった。
【0003】
そこで、点検作業を軽減することを目的として、遊技機の搬送容器に感圧シートを取り付けて、遊技機に一定以上の力が加わったか否かを検出する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、点検作業を軽減することはできるものの、梱包作業の手間は軽減することができず、また、遊技機の破損を防止することもできない。
【特許文献1】特開2005−308481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、形状が異なる遊技機であっても簡単に梱包することができると共に、搬送中における破損を防止することができる搬送容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の搬送容器は、内部に収納部を有する外箱と、収納部に遊技機を固定して収納する収納補助部材とを備え、遊技機を収納して搬送するためのものであって、収納補助部材は、遊技機の側面を覆う一対の側板部および遊技機の背面と対向するように一対の側板部に連続して設けられた背板部を有する支持部材と、遊技機を収納した際に、遊技機の前面側および背面側に空間部が形成されるように、支持部材に対して遊技機を固定する固定部材とを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の搬送容器によれば、一対の側板部およびこれに連続して設けられた背板部を有する支持部材に対して、遊技機を前面側および背面側に空間部が形成されるように固定し、外箱に収納するようにしたので、遊技機の前面側および背面側に形成される空間部により、遊技機の前面側および背面側に加えられる衝撃を吸収することができる。よって、遊技機の前面側または背面側に配設されている精密機器やガラス板の破損を効果的に防止することができる。また、遊技機の背面側を背板部により補強しているので、特に破損しやすい制御回路基板を保護することができる。更に、支持部材に固定するだけで簡単に外箱に収納することができるので、遊技機の梱包作業にかかる手間を大幅に削減することができる。
【0007】
特に、側板部を外箱の開口部と平行にして支持部材が外箱に収納されるようにすれば、外箱の開口部を上面とし、遊技機の前面および背面を垂直方向に立て一方の側面を下にして、外箱に収納することができる。よって、収納したり取り出したりする際に遊技機を持ちやすく、作業を容易とすることができる。また、遊技機の前面または背面に垂直方向の力が直接的に加わらないので、遊技機の破損をより効果的に防止することができると共に、外箱を積み重ねることもでき、搬送効率を高めることができる。
【0008】
更に、開口部側の側板部において、遊技機の上面側および底面側の少なくとも一方に、他方の側板部に向かって延長された折り曲げ部を設けるようにすれば、側板部を補強して、側板部が収納部において遊技機の厚み方向に移動することを防止することができる。よって、遊技機の破損をより効果的に防止することができる。
【0009】
加えて、遊技機の厚み方向において側板部の中間部に遊技機を係止する位置決め部材と、一対の側板部の間に掛け渡す長尺部材とにより、遊技機を支持部材に固定するようにすれば、遊技機を簡単に収納部に固定して収納することができる。また、装飾部の形状が異なったり、厚みが異なる遊技機でも、安定して固定することができる。
【0010】
更にまた、側板部に長尺部材を掛け渡すための通過孔または切り欠きを、一部において遊技機の側面が露出するように設けるようにすれば、遊技機の側面から前面にかけて長尺部材を直接掛け渡して遊技機を押さえるので、形状の異なる遊技機であっても強固に固定することができる。
【0011】
加えてまた、外箱の開口部に対向する面を組み底により構成し、本体と蓋とに掛け渡して貼り付けるセキュリティラベルを備えるようにすれば、外箱が開けられたか否かを容易に検出することができ、簡単に遊技機の改造を防止することができる。よって、改造を防止するためのセキュリティ機能を備えた内袋などに収納する必要がなく、梱包作業にかかる手間を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態に係る搬送容器の構成を表すものである。この搬送容器は、パチンコ機またはスロットマシン等の遊技機を収納して搬送するためのものであり、内部に収納部を有する外箱10と、収納部に遊技機を固定して収納する収納補助部材20とを備えている。
【0014】
外箱10は、例えば、紙製の段ボールまたはプラスチック製のプラスチック段ボールにより構成されており、一面に開口部11Aを有する中空直方体状の本体11と、開口部11Aを閉鎖するための蓋12とを有している。なお、外箱10をプラスチック段ボールにより構成するようにすれば、段ボールに比べて繰り返し使用することができるので好ましく、段ボールにより構成するようにすれば、安価とすることができるので好ましい。
【0015】
本体11の内部は収納部となっており、開口部11Aは一面の全体に形成されている。蓋12は、例えば、開口部11Aに隣接する1つの側面から連続して本体11と一体的に形成されている。蓋12の本体11に連続している側の反対側は、例えば、蓋12が設けられている側面と対向する側面に沿って折り曲げられるように構成されている。蓋12と本体11とは、例えば図1に示したように、面状ファスナー13などにより固定するようにしてもよいし、ガムテープなどにより固定するようにしてもよい。また、本体11と蓋12との間には、セキュリティラベルを掛け渡して貼り付けるようにすることが好ましい。蓋12が開けられたか否かを容易に検出することができ、遊技機の改造を容易に防止することができるからである。
【0016】
蓋12が設けられている側面に隣接する一対の側面には、それらの側面から開口部11Aの方に延長された折り曲げ部14が設けられていることが好ましい。外箱10の強度を向上させることができるからである。また、側面のうちの少なくとも1つには、例えば、外箱10を持ち運ぶ際に把持するための把持孔15が形成されていることが好ましい。
【0017】
本体11の開口部11Aと対向する面は、例えば図2(A)に示したように、各側面からそれぞれ延長して設けられた組み合わせ板部材16,17,18,19を組み合わせた組み底により構成されている。組み合わせ板部材16,17は互いに対向するように設けられ、組み合わせ板部材18,19は組み合わせ板部材16,17の間において互いに対向するように設けられている。組み合わせ板部材16の延長端部には、中央部に係止凹部16Aが形成され、両端部に組み合わせ板部材18,19により覆われる延長凸部16Bが形成されている。組み合わせ板部材17の延長端部には、中央部に係止凹部16Aに係止する係止凸部17Aが形成されている。組み合わせ板部材18,19の延長端部には、組み合わせ板部材17により覆われる延長凸部18A,19Aがそれぞれ形成されている。
【0018】
これら組み合わせ板部材16,17,18,19は、例えば図2(B)に示したように、組み合わせ板部材16を折り曲げ、その上から組み合わせ板部材18,19を折り曲げて延長凸部16Bを覆い、その上から組み合わせ板部材17を折り曲げて延長凸部18A,19Aを覆うと共に、係止凹部16Aに係止凸部17Aを挿入することにより、面を構成している。このように組み底により構成するようにすれば、簡単に組み合わせて面を形成することができると共に、収納部に遊技機が収納されている時には破壊しないと開けることが難しく、再梱包ができないので、セキュリティを強化することができ好ましい。
【0019】
図3は収納補助部材20に遊技機Mを固定した状態を正面から見たもの、図4は背面から見たものであり、図5は図3に示したI−I線に沿った断面構造を表わすものである。収納補助部材20は、遊技機Mを支持するための支持部材21と、遊技機Mの前面側および背面側に空間部20A,20Bが形成されるように支持部材21に対して遊技機Mを固定する固定部材22とを有している。
【0020】
支持部材21は、遊技機Mの側面を覆う一対の側板部21A,21Bと、遊技機Mの背面に対向するように一対の側板部21A,21Bに連続して設けられた背板部21Cとを有しており、制御回路基板M1が配設されている遊技機Mの背面側を補強して保護することができるようになっている。支持部材21は、外箱10と同様に、例えば段ボールまたはプラスチック材により構成されている。
【0021】
支持部材21は、例えば、側板部21A,21Bを外箱10の開口部11Aに対して平行にして外箱10に収納されるように構成されていることが好ましい。外箱10の開口部11Aを上面とし、遊技機Mの前面および背面を垂直方向に立て一方の側面を下にして、外箱10に収納することができるので、収納したり取り出したりする際に遊技機Mを持ちやすく、作業を容易とすることができるからである。また、遊技機Mの前面または背面に垂直方向の力が直接的に加わらないので、遊技機Mの破損をより効果的に防止することができると共に、外箱10を積み重ねることもでき、搬送効率を高めることができるからである。
【0022】
支持部材21の大きさは外箱10の収納部の大きさよりも若干小さくなっており、外箱10と支持部材21との間には若干のゆとりが形成されている。例えば、外箱10の各側面と支持部材21との間の隙間の大きさは、それぞれ2mmから10mm程度であることが好ましい。ゆとりが小さいと外箱10に支持部材21を出し入れするのが困難となり、ゆとりが大きいと外箱10の中で支持部材21が大きく動いてしまい、搬送し難いからである。
【0023】
側板部21A,21Bには、遊技機Mの上面側および底面側の少なくとも一方に、他方の側板部21Bに向かって延長された折り曲げ部21Dが設けられていることが好ましい。側板部21Aを補強して、側板部21Aが外箱10の収納部において遊技機Mの厚み方向に移動することを防止することができるからである。折り曲げ部21Dは、側板部21Aの上面側端部の一部または底面側端部の一部に設けられていてもよいが、上面側端部の全体または底面側端部の全体に設けられていることが好ましい。遊技機Mの移動を防止する効果が高いからである。側板部21A,21Bの対向方向における折り曲げ部21Dの長さは、例えば、2.5cmから8cm程度であることが好ましい。短いと十分な効果を得ることができず、長いと遊技機Mを収納する際に邪魔になってしまうからである。なお、折り曲げ部21Dは、開口部11Aの側の側板部21A又は反対側の側板部21Bのいずれか一方に設けるようにしてもよい。
【0024】
固定部材22は、例えば、遊技機Mの背面を係止して、遊技機Mの厚み方向において側板部21A,21Bの中間部に遊技機Mを位置させることにより、遊技機Mの前面側および背面側に空間部20A,20Bを形成する位置決め部材22Aを有している。位置決め部材22Aは、例えば、直方体ブロック状であり、側板部21A,21Bに沿って遊技機Mと背板部21Cとの間に介在されている。位置決め部材22Aは、発砲スチロールや発泡性緩衝材などの緩衝部材により構成されていることが好ましいが、他の材料により構成するようにしても良く、例えば、木材、プラスチック、または、鉄,アルミニウムあるいはスチール等の金属により構成するようにしてもよい。位置決め部材22Aは、遊技機Mの高さ方向の全体に設けるようにしてもよいが、部分的に分割して設けるようにしてもよい。また、位置決め部材22Aは、側板部21A,21Bに接触して設けるようにしてもよいが、側板部21A,21Bから間を開けて設けるようにしてもよい。側板部21A,21Bの対向方向における位置決め部材22Aの厚みは例えば1cmから3cm程度、遊技機Mの厚み方向における位置決め部材22Aの長さは例えば10cmから20cm程度であり、遊技機Mの背面側に設けられている制御回路基板M1が背板部21Cに接触しないように構成されている。
【0025】
固定部材22は、また、例えば、遊技機Mの前面側を通して一対の側板部21A,21Bの間に掛け渡すことにより、遊技機Mを支持部材21に固定する長尺部材22Bを有している。このように長尺部材22Bを用いるようにすれば、装飾部の形状が異なったり、厚みが異なる遊技機Mでも、安定して固定することができるので好ましい。長尺部材22Bは、例えば、面状ファスナー、パレマジック(登録商標)等の面状ファスナーを利用した加工品、または、結束バンドにより構成されている。面状ファスナーおよび面状ファスナーを利用した加工品は繰り返し使用する際に好ましく、結束バンドは安価とする際に好ましい。なお、図1,3〜5では、長尺部材22Bを面状ファスナーにより構成した場合を示している。長尺部材22Bは、背板部21Cから回して一対の側板部21A,21Bの間に掛け渡すか、または、背板部21Cを通して一回りさせるようにすることが好ましい。支持部材21に対して遊技機Mをより強固に固定することができるからである。長尺部材22Bを掛け渡す位置は、位置決め部材22Aが設けられている位置と対応していることが好ましい。支持部材21に対して遊技機Mをより強固に固定することができるからである。長尺部材22Bの幅は、例えば、1cmから10cm程度であり、複数本の長尺部材22Bを用いて固定するようにしてもよい。なお、面状ファスナーを用いる場合には、複数本用いると絡まりやすいので、1本とした方が好ましい。
【0026】
また、側板部21A,21Bには、例えば、長尺部材22Bを掛け渡すための切り欠き21Eまたは通過孔21Fが設けられている。切り欠き21Eおよび通過孔21Fは、切り欠き21Eおよび通過孔21Fの一部に遊技機Mの側面が露出するように設けられていることが好ましい。長尺部材22Bを遊技機Mの側面から前面に直接掛けて押さえることができるので、形状の異なる遊技機Mであっても強固に固定することができるからである。
【0027】
この搬送容器に遊技機Mを収納する際には、例えば、開口部11Aを上にして外箱10を置き、蓋12を開けて収納部に収納補助部材20を設置したのち、開口部11Aの側の側板部21Aを持ち上げて遊技機Mを挿入し、長尺部材22Bを留めて蓋12を閉める。また、取り出す際には、例えば、蓋12を開け、超尺部材22Bをはずして、開口部11Aの側の側板部21Aを持ち上げて遊技機Mを取り出す。これにより、遊技機Mは、搬送容器に簡単に収納され、また、簡単に取り出される。
【0028】
このように、本実施の形態に係る搬送容器によれば、一対の側板部21A,21Bおよびこれに連続して設けられた背板部21Cを有する支持部材21に対して、遊技機Mを前面側および背面側に空間部20A,20Bが形成されるように固定し、外箱10に収納するようにしたので、遊技機Mの前面側および背面側に形成される空間部20A,20Bにより、遊技機Mの前面側および背面側に加えられる衝撃を吸収することができる。よって、遊技機Mの前面側または背面側に配設されている精密機器やガラス板の破損を効果的に防止することができる。また、遊技機Mの背面側を背板部21Cにより補強しているので、特に破損しやすい制御回路基板M1を保護することができる。更に、支持部材21に固定するだけで簡単に外箱10に収納することができるので、遊技機Mの梱包作業にかかる手間を大幅に削減することができる。
【0029】
特に、側板部21A,21Bを外箱10の開口部1Aと平行にして支持部材21が外箱10に収納されるようにすれば、外箱10の開口部11Aを上面とし、遊技機Mの前面および背面を垂直方向に立て一方の側面を下にして、外箱10に収納することができる。よって、収納したり取り出したりする際に遊技機Mを持ちやすく、作業を容易とすることができる。また、遊技機Mの前面または背面に垂直方向の力が直接的に加わらないので、遊技機Mの破損をより効果的に防止することができると共に、外箱10を積み重ねることもでき、搬送効率を高めることができる。
【0030】
更に、開口部11A側の側板部21Aにおいて、遊技機Mの上面側および底面側の少なくとも一方に、他方の側板部21Bに向かって延長された折り曲げ部21Dを設けるようにすれば、側板部21Aを補強して、側板部21Aが収納部において遊技機Mの厚み方向に移動することを防止することができる。よって、遊技機Mの破損をより効果的に防止することができる。
【0031】
加えて、遊技機Mの厚み方向において側板部21A,21Bの中間部に遊技機Mを係止する位置決め部材22Aと、一対の側板部21A,21Bの間に掛け渡す長尺部材22Bとにより、遊技機Mを支持部材21に固定するようにすれば、遊技機Mを簡単に収納部に固定して収納することができる。また、装飾部の形状が異なったり、厚みが異なる遊技機Mでも、安定して固定することができる。
【0032】
更にまた、側板部21A,21Bに長尺部材22Bを掛け渡すための切り欠き21Eまたは通過孔22Fを、その一部において遊技機Mの側面が露出するように設けるようにすれば、遊技機Mの側面から前面にかけて長尺部材22Bを直接掛け渡して遊技機Mを押さえるので、形状の異なる遊技機Mであっても強固に固定することができる。
【0033】
加えてまた、外箱10の開口部11Aに対向する面を組み底により構成し、本体11と蓋12とに掛け渡して貼り付けるセキュリティラベルを備えるようにすれば、外箱10が開けられたか否かを容易に検出することができ、簡単に遊技機Mの改造を防止することができる。よって、改造を防止するためのセキュリティ機能を備えた内袋などに収納する必要がなく、梱包作業にかかる手間を削減することができる。
【0034】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態において説明した外箱10および収納補助部材20の角部は、切り落とすかまたは丸めるようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施の形態では、位置決め部材22Aをブロック状部材により構成する場合について説明したが、例えば、図6に示したように、支持部材21の一部を遊技機Mの側に突出させて折り曲げることにより構成するようにしてもよい。このように構成すれば、保管する際に、支持部材21を外箱10から取り出して広げたり畳んだりすれば、ほぼ平らな状態となり、場所をとらないので好ましい。なお、強度の点からはブロック状部材により構成することが好ましい。また、位置決め部材22Aを支持部材21の一部を折り曲げて形成する場合には、例えば、図6に示したように、折り曲げ線22Cの一部に開口22Dまたは切り込みを設けるようにすれば、折り曲げを容易とすることができるので好ましい。
【0036】
更に、上記実施の形態では、開口部11A側の側板部21Aに切り欠き21Eを設け、反対側の側板部21Bに通過孔21Fを設ける場合を示したが、どちらを切り欠き21Eまたは通過孔21Fとしてもよく、両方とも切り欠き21Eまたは通過孔21Fとしてもよい。但し、開口部11A側の側板部21Aは切り欠き21Eとした方が長尺部材22Bを容易に掛け渡すことができるので好ましく、反対側の側板部21Bは通過孔21Fとした方が支持部材21の強度を向上させることができるので好ましい。
【0037】
加えて、上記実施の形態では、長尺部材22Bを背板部21Cから回して一対の側板部21A,21Bの間に掛け渡すか、または、背板部21Cを通して一回りさせる場合について説明したが、例えば、図7に示したように、背板部21Cに長尺部材22Bを通すための貫通孔21Gを複数、例えば2つ設け、長尺部材22Bを背板部21Cの一部において遊技機Mの側に通し、背板部21Cの外側から側板部21A,21Bに回して掛け渡すようにしてもよい。このように構成すれば、長尺部材22Bを支持部材21に対して係止させることができ、止め付けなくても、長尺部材22Bを支持部材21と一体的に取り扱うことができ、簡単な構造で取り扱いを簡便とすることができるので好ましい。
【0038】
更にまた、上記実施の形態では、遊技機Mを固定する収納補助部材20と、収納補助部材20を収納する外箱10とを備える場合について説明したが、例えば図8に示したように、外箱10の外側を一回りさせて、蓋12、側面、および蓋12と対向する底面にベルト30を掛け渡すようにしてもよい。このように構成すれば、強度を向上させることができると共に、ベルト30の結合留め具部分にセキュリティラベルを貼り付けることにより底部からの不正な開封を防止することができるので好ましい。また、このように構成すれば、面状ファスナー13またはガムテープなどと合わせて用いることにより、蓋12の封緘を補助することができる。ベルト30は1本でもよいが、2本以上掛け渡すようにしてもよい。ベルト30は、例えば、外箱10の1つの側面に対してビスなどにより一部が止め付けられていることが好ましい。ベルト30と外箱10とを一体的に取り扱うことができ、取り扱いを簡便とすることができるからである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
パチンコ機あるいはスロットマシンなどの遊技機を搬送する際に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態に係る搬送容器の構成を表す分解斜視図である。
【図2】図1に示した外箱の構成を表す斜視図である。
【図3】図1に示した収納補助部材の構成を表す平面図である。
【図4】図1に示した収納補助部材の構成を表す背面図である。
【図5】図3に示したI−I線に沿った断面図である。
【図6】支持部材の変形例を表す斜視図である。
【図7】収納補助部材の他の変形例を表す断面図である。
【図8】搬送容器の他の変形例を表す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10…外箱、11…本体、11A…開口部、12…蓋、13…面状ファスナー、14…折り曲げ部、15…把持孔、16,17,18,19…組み合わせ板部材、16A…係止凹部、16B…延長凸部、17A…係止凸部、18A,19A…延長凸部、20…収納補助部材、20A,20B…空間部、21…支持部材、21A,21B…側板部、21C…背板部、21D…折り曲げ部、21E…切り欠き、21F…通過孔、21G…貫通孔、22A…位置決め部材、22B…長尺部材、22C…折り曲げ線、22D…開口、30…ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納部を有する外箱と、前記収納部に遊技機を固定して収納する収納補助部材とを備え、遊技機を収納して搬送するための搬送容器であって、
前記収納補助部材は、
遊技機の側面を覆う一対の側板部および遊技機の背面と対向するように前記一対の側板部に連続して設けられた背板部を有する支持部材と、
遊技機を収納した際に、遊技機の前面側および背面側に空間部が形成されるように、前記支持部材に対して遊技機を固定する固定部材と
を備えたことを特徴とする搬送容器。
【請求項2】
前記外箱は、一面に開口部を有し、
前記収納補助部材は、前記側板部を前記開口部と平行にして前記収納部に収納される
ことを特徴とする請求項1記載の搬送容器。
【請求項3】
前記一対の側板部のうち前記開口部の側に位置する方には、遊技機の上面側および底面側の少なくとも一方に、前記一対の側板部の他方側に向かって延長された折り曲げ部が設けられた
ことを特徴とする請求項2記載の搬送容器。
【請求項4】
前記固定部材は、
遊技機の背面を係止することにより、遊技機の厚み方向において、前記側板部の中間部に遊技機を位置させ、遊技機の前面側および背面側に空間部を形成する位置決め部材と、
遊技機の前面側を通して前記一対の側板部の間に掛け渡すことにより、遊技機を前記支持部材に固定する長尺部材と
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の搬送容器。
【請求項5】
前記一対の側板部には、前記長尺部材を掛け渡すための通過孔または切り欠きが、その一部において遊技機の側面が露出するように設けられた
ことを特徴とする請求項4記載の搬送容器。
【請求項6】
前記外箱は、一面に開口部を有し、この開口部に対向する面が組み底により構成された中空状の本体と、前記開口部を閉鎖する蓋と、前記本体と前記蓋とに掛け渡して貼り付けるセキュリティラベルとを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の搬送容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−132352(P2010−132352A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247156(P2009−247156)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(308034431)
【Fターム(参考)】