説明

搬送物移載装置

【課題】搬送物保持機構の目標体に対する移載位置の高さが変化する場合でも、特別な調整を行わずに搬送物保持機構を移載位置に適切に位置させることができながら、構造簡単に得ることができる搬送物移載装置を提供する。
【解決手段】搬送物を脱着自在に保持する搬送物保持機構31と、搬送物保持機構31を索状体を介して吊り下げ支持する支持体34とを備え、搬送物保持機構31が搬送物移載の目標体に対する移載位置になるよう搬送物保持機構31と目標体とを相対昇降操作するよう構成してある。搬送物保持機構31が目標体に対する移載位置になるに伴って目標体と当接して索状体に緩みを発生させるよう搬送物保持機構31に設けた当たり部54aと、索状体の緩み発生を検出する緩み検出手段90とを備えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物を脱着自在に保持する搬送物保持機構と、前記搬送物保持機構を索状体を介して吊り下げ支持する支持体とを備え、前記搬送物保持機構が搬送物移載の目標体に対する移載位置になるよう前記搬送物保持機構と前記目標体とを相対昇降操作するよう構成した搬送物移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した搬送物移載装置として、従来、特許文献1に示されたものがあった。
特許文献1に示された搬送物移載装置は、搬送台枠にモータによって昇降操作されるよう設けたチェーンと、このチェーンに吊り下げ連結された昇降枠と、この昇降枠にガイド軸を介して小範囲で昇降自在に連結された把持機構とを備えている。
把持機構は、把持アームをシリンダによって揺動操作されるようにして備え、この把持アームによって積重ね状態の育苗箱を保持したり、保持した積重ね状態の育苗箱を載置台に移載したりする。
特許文献1に示された搬送物移載装置では、把持機構が保持した育苗箱を載置台に移載する際、チェーンの下降操作によって昇降枠を搬送台枠から下降操作し、把持機構を昇降枠と共に下降させる。把持アームに設けてある支持爪が載置台に当接して把持機構の下降が停止してもさらに昇降枠を下降操作させる。これによって把持機構の支持枠と昇降枠とが近づき、昇降枠に設けてある近接スイッチが支持枠に設けてある検出片を感知すると、把持機構が載置台に対する移載位置になったと検出して昇降枠の下降を停止させる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−246451号公報(段落〔0055〕、〔0056〕、〔0065〕、図15−18、20,21)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送物保持機構と搬送物移載の目標体とを相対昇降させる搬送物移載装置では、搬送物保持機構と目標体との相対昇降に伴って搬送物保持機構が目標体に対する移載位置になると、搬送物保持機構と目標体との間での搬送物の移載を行わせるよう、搬送物保持機構と目標体との相対昇降を停止させる。
【0005】
上記した従来の技術を採用すると、検出手段と検出対象体との相対移動を可能にする融通を備える必要がある。すると、搬送物を保持する機構を有した搬送物保持側のフレームと、索状体に連結した索状体側のフレームとを別フレームに構成するとともに、搬送物保持側のフレームを索状体側のフレームに昇降自在に連結する融通付き連結機構を備える必要があるなどにより、構造が複雑になっていた。また、融通部分と、保持される搬送物とが比較的近くに位置し、搬送物が育苗箱である場合、融通部分に泥水が付着しがちであった。
【0006】
本発明の目的は、搬送物保持機構の目標体に対する移載位置の高さが変化する場合でも、特別な調整を行わずに搬送物保持機構を移載位置に適切に位置させることができながら、構造簡単に得ることができる搬送物移載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、搬送物を脱着自在に保持する搬送物保持機構と、前記搬送物保持機構を索状体を介して吊り下げ支持する支持体とを備え、前記搬送物保持機構が搬送物移載の目標体に対する移載位置になるよう前記搬送物保持機構と前記目標体とを相対昇降操作するよう構成した搬送物移載装置において、
前記搬送物保持機構が前記目標体に対する移載位置になるに伴って前記目標体と当接して前記索状体に緩みを発生させるよう前記搬送物保持機構に設けた当たり部と、前記索状体の緩み発生を検出する緩み検出手段とを備えてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、搬送物保持機構と目標体との相対昇降に伴って搬送物保持機構の当たり部と目標体とが当接すると、搬送物保持機構が移載位置になり、これとともに索状体に緩みが発生して緩み検出手段が検出状態になる。これにより、緩み検出手段による検出情報を基に搬送物保持機構が移載位置になったと検出することができ、上記した融通を不要にしながら、搬送物保持機構を移載位置に停止させることができる。
【0009】
たとえば、搬送物保持機構を待機位置に停止している目標体に下降させる場合、搬送物移載装置の設置箇所によっては、待機位置の配置高さが変化し、搬送物保持機構の目標体に対する移載位置は、高く位置したり低く位置したりすることになる。また、待機位置の配置高さに変化がなくても、目標体の上下方向での大きさに変化があると、搬送物保持機構の目標体に対する移載位置の高さが変化する。このように移載位置の高さが変化しても、搬送物保持機構と目標体とを相対昇降させ、当たり部と目標体とが当接して緩み検出手段が検出状態になることによって相対昇降を停止させると、搬送物保持機構が適切な移載位置になる。
【0010】
これにより、搬送物保持機構の移載位置の高さに変化があっても、かつこの変化に対応する特別な調整を行わなくとも、搬送物保持機構と目標体とを緩み検出手段が検出状態になるまで相対昇降させるだけで搬送物保持機構を移載位置に適切に位置させて搬送物の移載をスムーズに行うことができる。それでありながら、上記した融通を不要にした簡単な構造で済ませて安価に得ることができる。また、融通が不要なことにより、育苗箱を搬送物とする場合でも、泥水の付着による作動不良が発生しにくくなる。
【0011】
本第2発明では、前記緩み検出手段を、前記索状体に接触付勢された感知体と、前記索状体の緩み発生に伴う前記感知体の移動を検出する移動検出センサとを備えて構成してある。
【0012】
本第2発明の構成によると、索状体の緩みが発生した際、感知体が索状体に追従移動し、索状体が感知体によって張力を付与されて緩み状態のままにならないようにできる。
【0013】
これにより、搬送物保持機構が移載位置になって索状体に緩みが発生しても、索状体が緩み状態のままになって輪体から外れるなどのトラブル発生を防止することができる。しかも、緩み検出手段をトラブル回避手段に利用して構造簡単に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る育苗箱移載装置2が装備された育苗箱積重ね装置の平面図である。この図に示すように、育苗箱積重ね装置は、育苗箱搬送装置4を有した育苗箱積重ね部Aを備え、本実施例に係る育苗箱移載装置2とパレット供給装置110とパレット搬送装置3とを有した育苗箱積込み部Bを備えている。
【0015】
図4は、育苗箱積重ね装置における育苗箱WとパレットPとの流れを示した斜視図である。この図に示すように、育苗箱積重ね装置は、前記育苗箱積重ね部Aにおいて、育苗箱Wの複数個を上下に積み重ねて一つの苗箱群W1,W2を準備する積重ね処理を行い、前記育苗箱積込み部Bにおいて、パレット供給装置110によってパレットPをパレット搬送装置3に供給し、パレット搬送装置3が搬送するパレットPに前記育苗箱積重ね部Aからの苗箱群W1,W2を積み込む。一枚のパレットPへの苗箱群W1,W2の積み込みは、一枚のパレットPに十六個の苗箱群W1,W2を積み込む。苗箱群W1,W2の四個ずつがパレット横方向に並んだ一つの苗箱群グループとなり、この苗箱群グループの二つがパレットPのパレット搬送装置3による搬送方向での前側にパレット上下方向に積み重なり、他の二つの苗箱群グループがパレットPの後側にパレット上下方向に積み重なった状態にして積み込む。前記育苗箱Wは、播種プラント10(図1参照)によって稲の種籾の播種処理が行われ、田植機用のマット状苗を育成する育苗箱である。前記パレットPは、育苗箱Wを出芽施設に送り込むパレットである。
尚、苗箱群W1は、パレットPに載せられる下段側の苗箱群であり、苗箱群W2は、パレットPに載せられる上段側の苗箱群である。以下において、育苗箱Wを苗箱Wと略称する。苗箱の長辺方向を前後方向と称する。
【0016】
図5は、前記育苗箱積重ね部Aの平面図である。図6は、前記育苗箱積重ね部Aの側面図である。これらの図に示すように、育苗箱積重ね部Aは、前記育苗箱搬送装置4を備える他、この育苗箱搬送装置4の搬送コンベヤ8の搬送終端部の両横側に設けた持ち上げロータ20を有した育苗箱積重ね機構1を備えている。
【0017】
図5,6に示すように、前記育苗箱搬送装置4は、前記搬送コンベヤ8を備える他、一対のメインフレーム5,5を有した搬送フレームと、この搬送フレームの搬送終端側に前記メインフレーム5に支持させて設けた電動型のコンベヤモータ7とを備えている。搬送フレームは、装置フレーム15に支持されている。
【0018】
前記搬送コンベヤ8は、前記搬送フレームに搬送方向と直交する方向に並べて回転自在に支持させた一対のコンベヤチェーン8a,8aを備えて構成してある。
【0019】
前記コンベヤモータ7は、前記一対のコンベヤチェーン8a,8aの搬送終端側が巻回しているスプロケット6の回転支軸6aを駆動することにより、一対のコンベヤチェーン8a,8aを駆動する。各コンベヤチェーン8aは、コンベヤチェーン8aの搬送側が搬送チェーンガイド9に沿って搬送方向に走行するよう駆動される。
【0020】
図8は、前記搬送コンベヤ8の搬送終端部での側面図である。この図に示すように、搬送コンベヤ8は、これの搬送終端部において前記一対のコンベヤチェーン8a,8aの搬送側によって形成される搬送面8bに設けた搬送目標位置としての積重ね位置Sを備えている。この積重ね位置Sは、前記育苗箱積重ね機構1が前記積重ね位置Sの前後側と左右側とに配置して備えている積重ねガイド杆11,12,13,14の下端部によって形成されている。
【0021】
搬送コンベヤ8は、前記積重ね位置Sの搬送方向での下手側に設けた左右一対のストッパー体11a,11aを備えている。前記左右一対のストッパー体11a,11aは、前記積重ねガイド杆11,12,13,14のうちの前記前側の左右一対の積重ねガイド杆11,11の下端部によって構成してある。
【0022】
図5−8に示すように、搬送コンベヤ8は、前記積重ね位置Sの下部に設けた左右一対のブレーキ体80,80を備えている。前記左右一対のブレーキ体80,80は、前記一対のチェーンガイド9,9に連結された支持部材81から育苗箱搬送方向に延出された丸棒材によって構成してある。前記各ブレーキ体80は、これを構成している丸棒材の延出端側でなる摩擦制動部80aを備えている。各ブレーキ体80の摩擦制動部80aは、搬送コンベヤ8の搬送方向に沿い、かつ、摩擦制動部80aの搬送方向下手側に至るほど前記搬送面8bから上方により高く突出した配置になっている。
【0023】
図8は、前記左右一対のストッパー体11a,11aと前記左右一対のブレーキ体80,80との作用状態を示している。この図に示すように、搬送コンベヤ8によって搬送されて来た苗箱Wが積重ね位置Sに到達するに伴い、苗箱Wが左右一対のブレーキ体80,80の摩擦制動部80aに乗り上がり、各ブレーキ体80の摩擦制動部80aは、苗箱Wに摩擦制動力を付与し、苗箱Wがストッパー体11aに当接した際の衝撃を発生しにくくする。苗箱Wが積重ね位置Sに到達するに伴い、左右一対のストッパー体11a,11aは、苗箱Wの前端部に搬送方向下手側から当接してストップ作用する。これによって左右一対のストッパー体11a,11aは、苗箱Wを積重ね位置Sに位置決めする。このとき、左右一対のブレーキ体80,80は、摩擦制動部80aによって苗箱Wをこれの搬送方向での下手側が前記搬送面8bよりも上方に上がった状態に持ち上げ支持し、苗箱Wの前側でのコンベヤチェーン8aとの接触を回避する。
【0024】
図9は、ブレー体80の支持構造を示す正面図である。この図に示すように、前記支持部材81は、前記一対のチェーンガイド9に調節ネジ82によって連結されている。前記調節ネジ82は、支持部材81をチェーンガイド9に回転調節自在に支持させることにより、左右一対のブレーキ体80,80をチェーンガイド9に調節自在に支持させている。
すなわち、支持部材81をチェーンガイド9に対して回転調節することにより、左右一対のブレーキ体80,80の取り付け姿勢が上向き側や下向き側に変化し、左側のブレーキ体80の摩擦制動部80aの前記搬送面8bから上方への突出高さと、右側のブレーキ体80の摩擦制動部80aの前記搬送面8bから上方への突出高さとを一挙に高くなるように、あるいは一挙に低くなるように調節できる。
【0025】
つまり、育苗箱搬送装置4は、播種プラント10から送り込まれた苗箱Wを、搬送コンベヤ8の一対のコンベヤチェーン8a,8aによって載置搬送し、前記後側の積重ねガイド杆12の下方を通して前記積み込み位置Sまで搬送する。苗箱Wが積み込み位置Sに到達する際、前記左右一対のブレーキ体80,80の摩擦制動部80aによる制動作用と、前記左右一対のストッパー体11a,11aによる位置決め作用とにより、苗箱Wを積み込み位置Sに精度よくかつ停止衝撃が発生しにくように静かに停止させる。積み込み位置Sに位置した苗箱Wを、左右一対のブレーキ体80,80の摩擦制動部80aによる持ち上げ支持により、苗箱Wの前側がコンベヤチェーン8aと接触しない状態にする。苗箱Wが積込み位置Sに到達しても、一対のコンベヤチェーン8a,8aを停止せず、搬送コンベヤ8を駆動したままにする。
【0026】
図5、育苗箱積重ね機構1の平面視での構造を示している。図6は、育苗箱積重ね機構1の側面視での構造を示している。図7は、育苗箱積重ね機構1の正面図である。これらの図に示すように、育苗箱積重ね機構1は、前記一対の持ち上げロータ20,20と、前記積重ねガイド杆11,12,13,14とを備える他、前記各持ち上げロータ20の前後側に設けた育苗箱支持杆23と、一方の持ち上げロータ20の前方側に配置して前記装置フレーム15に支持させた電動型の持ち上げモータ22と、前記積重ね位置Sの下部に設けた到着センサ17とを備えている。
【0027】
前記各積重ねガイド杆11,12,13,14は、前記積重ね位置Sの上方に積重ね経路Lを形成している。この積重ね経路Lは、前記積重ね位置Sに連通している。
【0028】
前記各持ち上げロータ20は、前記搬送コンベヤ8による搬送方向に沿った回転支軸19を介して前記装置フレーム15に回転自在に支持されている。図5に示すように、前記持ち上げモータ22が前記一方の持ち上げロータ20の回転支軸19に連動され、この回転支軸19と他方の持ち上げロータ20の回転支軸19とがベベルギヤ機構と回転軸18とを介して連動されており、持ち上げモータ22は、一対の持ち上げロータ20,20を回転支軸19の軸芯まわりに回転駆動する。
【0029】
図7に示すように、前記各育苗箱支持杆23は、これの上端部に支持片を取り付けて設けた育苗箱受け部24を備えている。各育苗箱支持杆23は、これの長手方向での中間部を装置フレーム15の横向きフレーム部15aに回転自在に連結している連結軸aの軸芯まわりに揺動し、前記育苗箱受け部24が前記積重ね経路Lに入り込むとともに育苗箱支持杆23の下端部がストッパー26に当接した育苗箱支持姿勢と、前記育苗箱受け部24が前記積重ね経路Lの外部に退避した育苗箱積上げ姿勢とに変化する。各育苗箱支持杆23は、これと前記横向きフレーム部15aとにわたって連結されたスプリング25によって前記育苗箱支持姿勢に揺動付勢されている。
【0030】
前記到着センサ17は、前記搬送コンベヤ8によって搬送される苗箱Wが前記積み込み位置Sに到着したことを苗箱Wとの接触によって検出する。図26に示すように、前記到着センサ17は、前記持ち上げモータ22に連係された制御手段85に連係されている。
【0031】
図10,11は、育苗箱積重ね機構1の作用状態を示す正面図である。これらの図に示すように、搬送コンベヤ8によって搬送される苗箱Wが積重ね位置Sに到着すると、到着センサ17による検出情報を基に制御手段85が持ち上げモータ22を駆動する。すると、一対の持ち上げロータ22が回転駆動され、各持ち上げロータ22にこれの回転方向に分散配置して設けてある複数の持ち上げアーム21の一つが積重ね位置Sに位置している苗箱Wの底面に支持作用し、この苗箱Wを積重ね位置Sから積重ね経路Lに持ち上げる。すると、苗箱Wは、各育苗箱支持杆23の育苗箱受け部24の傾斜下面S1に押圧作用し、各育苗箱支持杆23をスプリング25に抗して育苗箱積上げ姿勢に揺動させながら積重ね経路Lを上昇する。このように上昇した苗箱Wが各育苗箱支持杆23の育苗箱受け部24を通過してその上方に位置すると、図7に示す如く各育苗箱支持杆23がスプリング25による揺動付勢のために育苗箱支持姿勢に復帰して各育苗箱支持杆23の育苗箱受け部24が苗箱Wの底面に受け止め作用し、四つの育苗箱支持杆23が苗箱Wを積重ね経路Lに保持する。各積み上げロータ20と各育苗箱支持杆23とは、積重ね位置Sに苗箱Wが到着する都度、前記した如く作用し、育苗箱積重ね機構1は、設定数(実施例では10個)の苗箱Wを上下に積重ねた一つの苗箱群W1,W2を積重ね経路Lに準備する。
【0032】
図2は、育苗箱積込み部Bの側面図である。図3は、育苗箱積込み部Bの育苗箱移載装置2が位置する部位での正面図である。これらの図と図1とに示すように、育苗箱積込み部Bは、前記育苗箱移載装置2と前記パレット供給装置110と前記パレット搬送装置3とを備える他、前記装置フレーム15の上端部に設けられた一対のガイドレール33,33を有した移送装置32を備えている。
【0033】
図12,13は、育苗箱移載装置2の正面図である。図(L)は、育苗箱移載装置2の側面図である。図15は、育苗箱移載装置2の平面図である。こられの図に示すように、育苗箱移載装置2は、前記一対のガイドレール33,33にローラ34aを介して支持されている走行式の支持体34と、この支持体34に設けた一対のガイド筒37,37を各別に挿通した一対のガイド軸38,38及びこの一対のガイド軸38,38の下端部が連結された主フレーム39を有した育苗箱保持機構31とを備えている。
【0034】
前記支持体34は、これに設けたモータ台42aに支持された電動型の昇降モータ42と、この昇降モータ42に駆動自在に支持されたスプロケット40と、このスプロケット40に一端側が連結されるとともに巻回されたチェーン41とを備えている。前記チェーン41の前記スプロケット40に連結している側とは反対側は、前記支持体34に設けたチェーン孔43を摺動自在に挿通してこのチェーン孔43から垂下している。前記チェーン41の前記チェーン孔43から垂下している側の端部は、前記主フレーム39に連結されている。
【0035】
これにより、前記支持体34は、前記チェーン41を介して育苗箱保持機構31を吊り下げ支持している。前記昇降モータ42は、前記スプロケット40を駆動してチェーン41を巻き上げあるいは繰り出し操作し、これによって育苗箱保持機構31をガイド軸38とガイド筒37とによって案内させながら昇降操作する。
【0036】
図12,13,14に示すように、前記育苗箱保持機構31は、前記主フレーム39を備える他、この主フレーム39に一対の連結部材44,44を介して連結された保持フレーム51と、この保持フレーム51の両横側に設けた把持アーム53および支持アーム52と、前記保持フレーム51の両横側に保持フレーム51の前後に配置して設けた支持杆62とを備えている。
【0037】
前記各支持アーム52と前記支持杆62とは、前記積重ね経路Lに準備された苗箱群W1の前側あるいは後側あるいは横側に位置し、苗箱Wの積重ね状態を維持するよう苗箱Wに支持作用する。
【0038】
前記各把持アーム53は、これの中間部に連結している連結軸bを介して保持フレーム51に揺動自在に支持されている。保持フレーム51の前後側に位置する一対の把持アーム53,53は、前記連結軸bによって連結されている。保持フレーム51の前側の一方の把持アーム53と後側の一方の把持アーム53の上端部に連動ロッド60と揺動リンク59とを利用したリンク機構を介して連動させたエヤ式の保持シリンダ61を保持フレーム51に支持させてある。各把持アーム53は、前記保持シリンダ61によって前記連結軸bの軸芯のまわりに揺動操作され、把持アーム53の下端部に設けてある保持爪54が前記積重ね経路Lに準備された苗箱群W1,W2の最下段の苗箱Wの角部に係止して苗箱群W1,W2を保持する閉じ姿勢と、前記保持爪54が最下段の苗箱Wから外側に外れて苗箱Wの受け入れや移載を行う開き姿勢とに切り換わる。
【0039】
図14、図19(イ)、(ロ)に示すように、前記各支持アーム52は、これの下端側に設けた延長案内部材56を備えている。この延長案内部材56は、これに設けた長孔形の取り付け孔の作用によってスライド昇降自在に支持されている。前記延長案内部材56は、これと保持アーム52とにわたって連結したスプリング55により、延長案内部材56の下端が前記保持爪54よりも下方に突出した案内状態に下降付勢されている。
【0040】
図12,14に示すように、育苗箱移載装置2は、前記チェーン41の緩み発生を検出するよう前記支持体34に設けた緩み検出手段90を備えている。図26に示すように、前記緩み検出手段90が備えている移動検出センサ91は、前記昇降モータ42に連係された前記制御手段85に連係されている。
【0041】
図14,15に示すように、前記移送装置32は、前記一対のガイドレール33,33を備える他、前記一対のガイドレール33,33の一方の前記育苗箱積重ね部Aの上方に位置する側の端部に支持させた電動型の移送モータ35と、この移送モータ35によって回転駆動される移送ベルト36とを備えている。前記移送ベルト36は、搬送フレーム15に前記ガイドレール33の両端側に配置して設けたプーリに巻回されている。図15に示すように、前記移送ベルト36の途中は、前記支持体34に連結されている。
【0042】
移送装置32は、移送モータ35によって移動ベルト36を駆動して前記支持体32を一対のガイドレール33,33に沿わせて往復移動させ、これによって前記育苗箱移載装置2を一対のガイドレール33,33の一端側に設けた積込み位置と、一対のガイドレール33,33の他端側に設けた積降ろし位置との間を往復移送する。
【0043】
図12は、育苗箱移載装置2の積重ね経路Lへの下降状態を示す。図13は、育苗箱移送装置2の育苗箱保持状態での正面図である。これらの図に示すように、育苗箱移載装置2が前記ガイドレール33の一端側の積込み位置に移送されると、検出スイッチ(図示せず)からの情報を基に制御手段85が昇降モータ42を駆動し、チェーン41がスプロケット40から繰り出されて育苗箱保持機構31を下降操作する。前記ガイド軸38に設けた検出片100(図3参照)と、前記支持体34が備える下降検出スイッチ(図示せず)とが当接して下降検出スイッチが検出状態になると、制御手段85が昇降モータ42を停止操作し、育苗箱保持機構31は、育苗箱積重ね機構1が苗箱Wの積重ね処理を行っている間、積込み経路Lに待機している。このとき、制御手段85が前記保持シリンダ61を操作して各把持アーム53を開き姿勢に操作し、積重ね処理された苗箱Wは、育苗箱保持機構31の各把持アーム53と各支持アーム52と各支持杆62との内部に入り込んでいく。
【0044】
育苗箱積重ね機構1による設定数の苗箱Wの積重ね処理が完了すると、制御手段85が前記保持シリンダ61を操作して各把持アーム53を閉じ姿勢に切換え操作し、育苗箱保持機構31が育苗箱積重ね機構1によって準備された苗箱群W1,W2を保持する。すると、制御手段85が昇降モータ42を駆動し、チェーン41がスプロケット40に巻き上げられて育苗箱保持機構31を上昇操作する。
【0045】
育苗箱保持機構31が前記保持フレーム51と、前記支持体34が備える支持アーム45の下端に位置するゴムストッパ46とが当接するまで上昇すると、育苗箱積込み部Aは、育苗箱移載装置2を移送装置32によって前記ガイドレール33の他端側の積降ろし位置に移送し、育苗箱移載装置2が積重ね経路Lから搬送してきた苗箱群W1を、パレット搬送装置3が備える積込み位置Tに位置しているパレットPに移載させる。
【0046】
図16,17,18は、育苗箱移載装置2の苗箱移載の作用を示す正面図である。これらの図に示すように、育苗箱移載装置2が前記積降ろし位置に移送されると、検出スイッチ(図示せず)からの情報を基に制御手段85が昇降モータ42を駆動し、チェーン41がスプロケット40から繰り出されて育苗箱保持機構31を下降操作する。図17に示す如く苗箱群W1をパレットPの苗箱移載がまだ無い部分に移載する場合、育苗箱保持機構31がパレットPに対する移載位置(育苗箱保持機構31が保持している苗箱群W1をパレットPに載せるべく下降した位置)に下降すると、これに伴って前記各保持爪54に設けてある当たり部54aとパレットPの上面とが当接する。このとき、前記延長案内部材56は、パレットPとの当接によって上昇退避する。図18に示す如く苗箱群W2をパレットPに既に移載された苗箱群W1の上に積重ねて移載する場合、育苗箱保持機構31がパレット上の苗箱群W1に対する移載位置(育苗箱保持機構31が保持している苗箱群W2をパレット上の苗箱群W1の最上段の苗箱Wに載せるべく下降した位置)に下降すると、これに伴って前記各保持爪54の前記当たり部54aと、パレット上の苗箱群W2の最上段の苗箱Wの横壁部の上端とが当接する。このとき、前記延長案内部材56の先端側が保持爪54よりも下方に突出した状態にあり、この突出部分は、パレット上の苗箱群W1の最上段の苗箱Wの外側に位置し、育苗箱保持機構31が保持している苗箱群W2と、パレット上に既に位置している苗箱群W1とが積重ねに適切な位置合わせ状態になるよう案内作用する。
【0047】
いずれの場合も、前記当たり部54aの前記した当接のために前記チェーン41に緩みが発生し、前記緩み検出手段90が検出状態になる。すると、前記制御手段85は、前記緩み検出手段90の移動検出センサ91による検出情報を基に育苗箱保持機構31が移載位置になったと判断し、昇降モータ42を停止操作して育苗箱保持機構31を移載位置に停止させる。このとき、制御手段85は、前記保持シリンダ61を操作して各把持アーム53を開き操作し、育苗箱保持機構31による苗箱群W1,W2の保持を解除する。これにより、育苗箱移載装置2は、積重ね経路Lから搬送してきた苗箱群W1,W2をパレットPのまだ苗箱移載が無い部分に新規に移載したり、パレットPに既に移載してある苗箱群W1の上に積重ねて移載したりする。
【0048】
図1,2,3に示すように、前記パレット搬送装置3は、二本ガイドレール72を有した搬送フレームと、この搬送フレームに搬送方向と直交する方向に並べた回転自在に支持させた二本のコンベヤチェーン67aを有した搬送コンベヤ67と、搬送フレームの搬送終端側に前記ガイドレール72に支持させて設けた電動型のコンベヤモータ66とを備えている。
【0049】
前記コンベヤモータ66は、前記二本のコンベヤチェーン67aの搬送終端側が巻回しているスプロケットの回転支軸73(図1参照)を駆動することにより、各コンベヤチェーン67aを駆動する。各コンベヤチェーン67aは、対応する前記ガイドレール72に沿って走行するよう駆動される。
【0050】
前記各コンベヤチェーン67aは、これの長手方向での複数箇所に設けた係止搬送片71を備えている。各係止搬送片71は、パレットPの後端面に当接してコンベヤチェーン67aの搬送力をパレットPに伝達する。
【0051】
パレット搬送装置3は、前記パレット供給装置110によって供給されたパレットPを搬送コンベヤ67のコンベヤチェーン67aによって搬送コンベヤ67の搬送途中に設けた積込み位置Tに載置搬送し、パレットPが積込み位置Tに到達すると、コンベヤモータ66を停止させ、パレットPを前記育苗箱移載装置2よる苗箱Wの移載が行われるよう積込み位置Tに停止させる。パレットPへの設定数の苗箱Wの移載が完了すると、コンベヤモータ66を駆動し、苗箱Wの移載が完了したパレットPをパレット搬送装置の搬送終端部に位置するパレット取り出し位置に載置搬送し、これと共にパレット供給装置110から供給された次のパレットPを前記積込み位置Tに載置搬送する。
【0052】
図22は、前記パレット供給装置110の側面図である。図23は、前記パレット供給装置110の横断正面図である。図24は、前記パレット供給装置110の平面図である。これらの図に示すように、パレット供給装置110は、前記パレット搬送装置3の搬送始端側部分の上方に位置する貯留空間111を有した貯留部Dと、前記パレット搬送装置3の前記搬送コンベヤ67によって構成された取り出し機構と、前記貯留空間111の下方に位置する三個のローラ形の支持部材112,113とを備えている。
【0053】
前記貯留部Dは、前記搬送コンベヤ67の搬送始端部分の前側に配置した前支持枠114と、前記搬送コンベヤ67の搬送始端部分の後側の配置した後支持枠115とを備え、前記前支持枠114と前記後支持枠115と前記搬送コンベヤ67とによって前記貯留空間111を搬送コンベヤ67の上に形成している。貯留部Dは、前記前支持枠114と前記搬送コンベヤ67との間に設けたパレット取出し口116を備えている。前記前支持枠114と前記後支持枠115とは、パレット搬送装置3の搬送フレームに支持されている。
【0054】
前記貯留空間111は、パレットPの複数枚を上下に積重ねて、最下段のパレットPを前記搬送コンベヤ67の搬送始端部に載置して貯留する。このとき、パレットPは、コンベヤチェーン67aの間に配置した搬送レール117に受け止め支持される。貯留されたパレットPは、前記前支持枠114と前記後支持枠115とによって積重ね状態に支持される。
【0055】
前記三個の支持部材112,113のうちの二個の支持部材112,112(以下、前支持部材112と称する。)は、貯留部Dの前記パレット取出し口116が位置する側(パレット取り出し方向での下手側)に配置され、残りの一個の支持部材113(以下、後支持部材113と称する。)は、貯留部Dの前記パレット取出し口116が位置する側とは反対側(パレット取り出し方向での上手側)に配置されている。各前支持部材112と後支持部材113とは、一対のコンベヤチェーン67aの間に配置されている。
【0056】
前記後支持部材113は、この後支持部材113が遊転自在に連結している揺動支持体118と、この揺動支持体118をブラケット120の前端側に連結している連結軸121とを介して前記ブラケット120に支持されている。前記ブラケット120は、搬送フレームの横向きフレーム部119に設けてある。前記揺動支持体118は、エヤ式のシリンダ123(以下、後支持シリンダ123と呼称する。)のシリンダロッドに連結されている。この後支持シリンダ123は、前記ブラケット120の後端側に揺動自在に支持されている。
【0057】
前記二個の前支持部材112,112は、各前支持部材112が遊転自在に連結している揺動支持アーム126と、各揺動支持アーム126の基部が一体回転自在に連結している一本の回転支軸127とを介してブラケット129の後端側に支持されている。ブラケット129は、前記搬送フレームの横向きフレーム部128に設けてある。前記回転支軸127は、これの軸芯方向での中間部に一体回転自在に設けた揺動自在な操作アーム130を備えている。この操作アーム130は、エヤ式のシリンダ131(以下、前支持シリンダ131と呼称する。)のシリンダロッドに連結されている。前支持シリンダ131は、前記ブラケット129の前端側に揺動自在に支持されている。
【0058】
後支持シリンダ123と前支持シリンダ131とは、コンベヤチェーン67aの下方に位置しており、パレットPがフォークリフト車によって貯留空間111に搬入される際、フォーク爪が前支持枠114と後支持枠115との間に入り込むことに対する障害物にならない。
【0059】
図25(ロ)、(ハ)は、前記後支持部材113の作用状態を示している。この図に示すように、後支持部材113は、貯留空間111に位置する最下段のパレットPが搬送コンベヤ67によって取り出されるに伴い、前記後支持シリンダ123による揺動支持体118の揺動操作によって連結軸121の軸芯まわりに上昇揺動操作されると、作用位置になる。すると、後支持部材113は、最下段のパレットPの取り出しのために前記貯留空間111の後側下部にできた空き部分に入り込み、貯留空間111に残留するパレットPの後部の下面側に受け止め支持し、貯留空間111に残留するパレットPをこれの下側にパレット一枚分の空間を形成しながら受け止め支持する。
【0060】
図25(ハ)は、各前支持部材112の作用状態を示している。この図に示すように、各前支持部材112は、貯留空間111に位置する最下段のパレットPが搬送コンベヤ67によって取り出されるに伴い、前記前支持シリンダ131による回転支軸127の回転操作によって前記回転支軸127の軸芯まわりに上昇揺動操作されると、作用位置になる。すると、各前支持部材112は、最下段のパレットPの取り出しのために前記貯留空間111の前側下部にできた空き部分に入り込み、貯留空間111に残留するパレットPの前部の下面側に受け止め支持し、貯留空間111に残留するパレットPをこれの下側にパレット一枚分の空間を形成しながら受け止め支持する。
【0061】
図25(イ)は、前記後支持部材113と前記前支持部材112との作用解除状態を示している。この図に示すように、後支持部材113は、後支持シリンダ122による揺動支持体118の揺動操作によって連結軸121の軸芯まわりに下降揺動操作されると、解除位置になる。すると、後支持部材113は、貯留空間111から下方の外部に退避し、貯留空間111に位置する積重ね状態のパレットPを搬送コンベヤ67に載せる。
【0062】
各前支持部材112は、前支持シリンダ131による回転支軸127の回転操作によって回転支軸127の軸芯まわりに下降揺動操作されると、解除位置になる。すると、各前支持部材112は、貯留空間111から下方の外部に退避し、貯留空間111に位置する積重ね状態のパレットPを搬送コンベヤ67に載せる。
【0063】
パレット供給装置110は、前記ガイドレール72の搬送方向に分散した三箇所に設けた通過センサ134,135,136を備えている。前各過センサ134,135,136は、貯留空間111から取り出されるパレットPの後端の通過を検出する。図26に示すように、前記各通過センサ134,135,136は、前記後支持シリンダ123と前記前支持シリンダ131とが連係された前記制御手段85に連係されている。
【0064】
図25は、パレット供給装置110のパレット供給の作用状態を示す。この図に示すように、パレット供給装置110は、貯留部Dの貯留空間111に積重ね状態で貯留された複数枚のパレットPのうちの最下段のパレットPを、前記搬送コンベヤ67のコンベヤチェーン67aによる載置搬送によって貯留部Dの貯留空間111から前方側に取り出す。
【0065】
このようにパレットPを取り出す際、最下段のパレットPの移動に伴って前記三箇所の通過センサ134,135,136のうちの最も取り出し方向での上手側に位置する第一通過センサ134が検出状態になると、図25(ロ)に示すように、貯留部Dに残留するパレットPの後端側が最下段のパレットPによる支持のために下降しないうちに、制御手段85が前記後支持シリンダ123を支持側に操作する。すると、後支持部材113が作用位置に切り換わって残留するパレットPの後端側を最下段のパレットPの移動にかかわらず落下しないように支持し、最下段のパレットPがスムーズに移動していく。
【0066】
この後、最下段のパレットPがさらに移動し、前記三箇所の通過センサ134,135,136のうちの中間に位置する第二通過センサ135が検出状態になると、図25(ハ)に示すように、貯留部Dに残留するパレットPの前端側が最下段のパレットPによる支持のために落下しないうちに、制御手段85が前記前支持シリダ131を支持側に操作する。すると、各前支持部材112が作用位置に切り換わって残留するパレットPの前端側を最下段のパレットPの移動にかかわらず落下しないように支持し、最下段のパレットPがスムーズに移動していく。
【0067】
最下段のパレットPの全体が貯留部Dのパレット取出し口116から出て、前記三箇所の通過センサ134,135,136のうちの最も取り出し方向での下手側に位置する第三通過センサ136が検出状態になると、制御手段85が前支持シリンダ131と後支持シリンダ123とを解除側に操作する。すると、後支持部材113と各前支持部材112とが共に残留しているパレットPを支持しながら解除位置に切り換わり、残留しているパレットPを搬送コンベヤ67に落下衝撃が発生しにくいように載せる。
【0068】
前記緩み検出手段90について詳述する。図20は、前記緩み検出手段90の正面図である。図21は、前記緩み検出手段90の平面図である。これらの図に示すように、前記緩み検出手段90は、前記移動検出センサ91を備える他、前記スプロケット40と前記チェーン孔43との間で前記チェーン41に係合するスプロケットで成る感知体92と、この感知体92を回転自在に支持する支持アーム93と、この支持アーム93に連結されたスプリング94とを備えている。
【0069】
前記支持アーム93は、前記支持体34に設けたブラケット95に支持アーム93の基部を連結している連結ピン96の軸芯まわりに揺動する。前記スプリング94は、前記支持アーム93を揺動付勢することにより、感知体92をチェーン41に接触するよう付勢している。移動検出センサ91は、支持アーム93の姿勢変化を光に利用によって検出する。
【0070】
前記チェーン41が緊張状態にあると、支持アーム93がチェーン41の緊張力によってスプリング94に抗してチェーン41から離れる側に揺動した取り付け姿勢になる。すると、移動検出センサ91は、支持アーム93がその取り付け姿勢にあることを検出し、これによって感知体92が非検出位置にあると検出する。前記チェーン41に緩みが発生すると、支持アーム93がスプリング94による揺動付勢のためにチェーン41に近づいた取り付け姿勢になって感知体92がチェーン41に追従して移動する。すると、移動検出センサ91は、支持アーム93がその取り付け姿勢に変化したことを検出し、これによって、感知体92が検出位置にあると検出する。このとき、感知体92は、チェーン41がスプロケット40に巻き付くようチェーン41に張力を付与し、チェーン41のスプロケット40からの離脱を防止する。
【0071】
つまり、緩み検出手段90は、チェーン41の緩み発生に伴う感知体92の移動を移動検出センサ91によって支持アーム93を介して検出し、この検出結果を基にチェーン41に緩みが発生したと検出する。
【0072】
〔別実施例〕
上記した実施例の育苗箱移載装置2に替え、空の育苗箱を移載するよう構成された育苗箱移載装置や、育苗箱以外の各種品物を移載対象物とする移載装置にも本発明を適用できる。育苗箱群W1,W2を積重ねないでパレットPに移載するよう構成した育苗箱移載装置や、パレットPに替えて各種の部材を移載台とするよう構成した移載装置にも本発明を適用できる。従って、育苗箱Wを搬送物Wと呼称し、育苗箱保持機構31を搬送物保持機構31と呼称し、パレットP,苗箱群W1を搬送物移載の目標体P,W1と呼称する。
【0073】
上記実施例の如く育苗箱保持機構31を停止したパレットPに下降させて移載するに替え、パレットPを停止した育苗箱保持機構31に上昇操作して移載したり、パレットPが上昇し、育苗箱保持機構31が下降するようパレットPと育苗箱保持機構31を昇降操作して移載したりするよう構成しても本発明の目的を達成することができる。つまり、搬送物保持機構と搬送物移載の目標体とを相対昇降させて移載するよう構成しても、本発明の目的を達成することができる。
【0074】
上記実施例のチェーン41に替え、ロープやベルトを採用するよう構成しても、本発明の目的を達成することができる。従って、チェーン41、ロープ、ベルト等を索状体41と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】育苗箱積重ね装置の平面図
【図2】育苗箱積込み部の側面図
【図3】育苗箱積込み部の育苗箱移載装置が位置する部位での正面図
【図4】育苗箱とパレットの流れを示す斜視図
【図5】育苗箱積重ね部の平面図
【図6】育苗箱積重ね部の側面図
【図7】育苗箱積重ね機構の正面図
【図8】搬送コンベヤの搬送終端部での側面図
【図9】ブレーキ体支持構造の正面図
【図10】育苗箱積重ね機構の作用状態を示す正面図
【図11】育苗箱積重ね機構の作用状態を示す正面図
【図12】育苗箱移載装置の下降状態での正面図
【図13】育苗箱移載装置の育苗箱保持状態での正面図
【図14】育苗箱移載装置の正面図
【図15】育苗箱移載装備の平面図
【図16】育苗箱移載装置の苗箱移載の作用を示す正面図
【図17】育苗箱移載装置の苗箱移載の作用を示す正面図
【図18】育苗箱移載装置の苗箱移載の作用を示す正面図
【図19】(イ)は、延長案内部材の下降状態を示す側面図、(ロ)は、延長案内部材の上昇退避状態を示す側面図、
【図20】緩み検出手段の正面図
【図21】緩み検出手段の平面図
【図22】パレット供給装置の側面図
【図23】パレット供給装置の横断正面
【図24】パレット供給装置の平面図
【図25】(イ)は、パレット供給装置のパレット貯留状態を示す側面図、(ロ)は、パレット供給装置のパレット取り出し状態を示す側面図、(ハ)は、パレット供給装置のパレット取り出し状態を示す側面図
【図26】ブロック図
【符号の説明】
【0076】
31 搬送物保持機構
34 支持体
41 索状体
54a 当たり部
90 緩み検出手段
91 移動検出センサ
92 感知体
W 搬送物
P,W1 目標体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を脱着自在に保持する搬送物保持機構と、前記搬送物保持機構を索状体を介して吊り下げ支持する支持体とを備え、
前記搬送物保持機構が搬送物移載の目標体に対する移載位置になるよう前記搬送物保持機構と前記目標体とを相対昇降操作するよう構成した搬送物移載装置であって、
前記搬送物保持機構が前記目標体に対する移載位置になるに伴って前記目標体と当接して前記索状体に緩みを発生させるよう前記搬送物保持機構に設けた当たり部と、前記索状体の緩み発生を検出する緩み検出手段とを備えてある搬送物移載装置。
【請求項2】
前記緩み検出手段を、前記索状体に接触付勢された感知体と、前記索状体の緩み発生に伴う前記感知体の移動を検出する移動検出センサとを備えて構成してある請求項1記載の搬送物移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−230776(P2008−230776A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73512(P2007−73512)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】