搬送装置
【課題】中空領域を有する被搬送物を安定して保持できる簡易な構造の搬送装置を提供すること。
【解決手段】搬送装置1は、被搬送物(巻取りコア608)の中空領域Sを保持する保持領域112を有し、保持領域112を含み、スリット状の切り欠き部114が形成されることにより、先端部111が複数に分割される保持部材10と、保持部材10を挿入して保持領域112を突出させる挿入孔32を有し、保持部材10を移動可能に支持する支持部材30と、を有して構成され、保持部材10は、中空領域Sに挿入した保持領域112が中空領域Sを形成する内側形状6085の部位に当接して撓むことで巻取りコア608を保持し、また、保持部材10は、支持部材30の挿入孔32に保持領域112を移動することにより、保持領域112を更に撓ませることで内側形状6085の部位への当接を解除して巻取りコア608を放す。
【解決手段】搬送装置1は、被搬送物(巻取りコア608)の中空領域Sを保持する保持領域112を有し、保持領域112を含み、スリット状の切り欠き部114が形成されることにより、先端部111が複数に分割される保持部材10と、保持部材10を挿入して保持領域112を突出させる挿入孔32を有し、保持部材10を移動可能に支持する支持部材30と、を有して構成され、保持部材10は、中空領域Sに挿入した保持領域112が中空領域Sを形成する内側形状6085の部位に当接して撓むことで巻取りコア608を保持し、また、保持部材10は、支持部材30の挿入孔32に保持領域112を移動することにより、保持領域112を更に撓ませることで内側形状6085の部位への当接を解除して巻取りコア608を放す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した被搬送物を放す動作を行なう搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファイルやノートなどに貼り付けて見出しや分類用に用いるラベルを作成するテープ印刷装置が、家庭や会社などで盛んに使用されている。このようなテープ印刷装置は、一般的に、内部に着脱可能なテープカートリッジが収容されている。また、テープカートリッジは、内部に、テープ状のラベル用テープと、ラベル用テープに文字などが熱転写されるインクリボンなどが収容されている。そして、ユーザは、所望のテープカートリッジをテープ印刷装置に装着して、所望の文字などを入力し、テープ印刷装置が有する熱転写用のヘッドで印刷(熱転写)してラベルを作成する。
【0003】
なお、上記テープカートリッジは、テープカートリッジの組立てからテープカートリッジの箱詰めまで、自動化された製造ラインにより、一貫した製造が行なわれている。この製造ラインにおいて、繰出しコアに巻回されたインクリボンを、巻取りコアに所定量を巻回する工程が設置されている。なお、この工程には、前段の作業として、巻取りコアを供給する供給装置から、被搬送物としての巻取りコアを保持し、その後、インクリボンを巻回するための所定の位置まで巻取りコアを搬送し、その後、巻取りコアを放すことで、巻取りコアを所定の位置に載置する作業が含まれている。そして、この作業を行なうために、搬送装置が使用されている。
【0004】
図11は、従来の搬送装置の要部を示す概略断面図であり、図11(a)は、従来の保持部材を示す概略断面図であり、図11(b)は、従来の保持部材で巻取りコアを保持した状態を示す概略断面図である。ここで、従来の搬送装置900の要部である保持部材910の構成と動作を簡潔に説明する。
【0005】
図11(a)に示すように、搬送装置900は、保持部材910と支持部材920とを有して構成されている。その他の構成部に関しての説明は、ここでは省略する。この保持部材910は、保持ベース部材911と、2つの爪部材912,913と、コイルバネ915とで概略構成されている。保持ベース部材911は、円柱形状をなし、先端部から軸方向に沿って所定の幅で切り欠いた溝部9111が形成される。
【0006】
また、爪部材912,913は、板状で、互いに略対称形状をなし、一端側に、2つの爪部材912,913を回動自在に重ねて支持する支軸部材916が設置されている。この支軸部材916は、保持ベース部材911の溝部9111の壁面に固定される。また、爪部材912,913の互いに向き合う側には、凹部9121,9131が形成され、その凹部9121,9131には、コイルバネ915が収容される。このコイルバネ915は、圧縮コイルバネとして形成されている。このコイルバネ915により、爪部材912,913は、支軸部材916を中心として相互に開く方向に押圧される。また、爪部材912,913の他端側は、先端部9122,9132が鋭角に形成され、先端部9122,9132から外側に向かって、曲面外形を有して繋がる当接部9123,9133が形成されている。
【0007】
なお、支持部材920は、円柱形状で、中心に保持部材910を移動可能に支持する挿入孔921が形成されている。また、挿入孔921は、先端部922側の第1孔9211と、保持ベース部材911を支持する第2孔9212とで構成され、それぞれ同心円状に形成されている。
【0008】
この保持部材910を支持部材920に組立てる場合は、保持部材910の保持ベース部材911を支持部材920の第1孔9211側から挿入孔921に挿入する。そして、保持ベース部材911に回動自在に固定された爪部材912,913を、支持部材920の第1孔9211の内面に当接させ、コイルバネ915の押圧力に抗して、初期位置(図11(a)で示す位置)まで、保持部材910を挿入する。
【0009】
ここで、被搬送物となる巻取りコア608は、概略円筒状の部材である。この巻取りコア608を保持する場合、巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085に対して、保持部材910を挿入することになる。なお、保持部材910を巻取りコア608に挿入する際、詳細は省略するが、図11(a)に図示する搬送装置900全体は、図面下側に位置する巻取りコア608に向かって図面上側から下側に下降することになる。
【0010】
そして、保持部材910は、巻取りコア608の中空領域Sに対し、爪部材912,913の先端部9122,9132から挿入する。そして、挿入を継続することにより、爪部材912,913の当接部9123,9133が内側形状6085に当接する。そして、内側形状6085により、コイルバネ915が圧縮され、爪部材912,913は支軸部材916を中心に爪部材912,913の隙間を狭める方向に回転する。そして、搬送装置900は、支持部材920の先端部922が巻取りコア608の先端部6088近傍まで下降し、保持部材910の巻取りコア608への挿入を停止する。
【0011】
この動作により、保持部材910は、爪部材912,913の当接部9123,9133が、コイルバネ915の押圧力により、巻取りコア608の内側形状6085の部位を押圧することで、巻取りコア608を保持することができる。図11(b)は、保持部材910が巻取りコア608を保持した状態を示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、従来の搬送装置900を構成する保持部材910で巻取りコア608を保持する場合、板状の2つの爪部材912,913の当接部9123,9133が、巻取りコア608の内側形状6085の部位を押圧することになる。ここで、板状に形成される2つの爪部材912,913であるため、内側形状6085の2方向の部位に当接するだけであることや、巻取りコア608の内側形状6085は、詳細には凹凸形状を有していることなどにより、保持は不安定となっていた。そのため、保持した巻取りコア608を所定の位置まで搬送する場合に、巻取りコア608が傾くこともあった。また、爪部材912,913およびコイルバネ915を用いる従来の保持部材910の構造は複雑であり、不具合が発生した場合のメンテナンスにも時間がかかっていた。従って、中空領域を有する被搬送物を安定して保持できる簡易な構造の搬送装置が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0014】
(適用例1)本適用例に係る搬送装置は、中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した被搬送物を放す動作を行なう搬送装置であって、被搬送物の中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成され、保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、一方の先端部が複数に分割される保持部材と、保持部材を挿入して保持領域を突出させる挿入孔を有し、挿入孔に挿入された保持部材を移動可能に支持する支持部材と、を有して構成され、保持部材は、一方の先端部を被搬送物の中空領域に挿入し、保持領域が中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことで被搬送物を保持し、また、保持部材は、支持部材の挿入孔に保持領域を移動することにより、保持領域を更に撓ませることで内側形状の部位への当接を解除して被搬送物を放すことを特徴とする。
【0015】
上記の搬送装置は、保持部材と支持部材とを有して構成されている。そして、保持部材は、被搬送物の中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成されている。また、保持部材は、保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、一方の先端部が複数に分割されている。そして、支持部材は、保持部材を挿入して保持領域を突出させる挿入孔を有し、挿入孔に挿入された保持部材を移動可能に支持する。そして、保持部材の一方の先端部を被搬送物の中空領域に挿入し、保持領域が中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことにより、保持領域が撓む前の状態に戻ろうとする力が内側形状の部位に押圧力として加わることにより、この力が被搬送物を保持する保持力となり、被搬送物を保持する。なお、撓む場合は、スリット状の切り欠き部の幅を狭めるように撓むことになる。また、被搬送物を保持して、例えば、所定の位置に搬送した後、保持部材は、支持部材の挿入孔に保持領域を移動することにより、保持領域を更に撓ませることにより、内側形状の部位への当接を解除する。この動作により、保持部材は、被搬送物を放すことになり、被搬送物を所定の場所などに設置することができる。
【0016】
このように、保持部材に保持領域と切り欠き部を一体で形成することにより、従来のように、バネ部材や爪部材などを別体で形成して保持部材を構成する必要が無くなり、簡易な構成で保持部材を構成できる。また、保持部材の一方の先端部が複数に分割されることにより、被搬送物の内側形状の部位に安定して当接させることができるため、被搬送物を安定して保持することができ、搬送することができる。また、併せて、所定の位置に搬送した後、内側形状の部位への当接を安定して解除することができ、所定の位置に安定して設置することができる。
【0017】
(適用例2)上記の搬送装置であって、保持部材が被搬送物を保持する場合には、支持部材は、挿入孔から保持領域を突出させる側となる支持部材の先端部を、被搬送物の先端部に当接させることが好ましい。
【0018】
上記の搬送装置では、保持部材が被搬送物を保持する場合には、支持部材は、支持部材の先端部を被搬送物の先端部に当接することにより、保持部材の被搬送物の保持を更に安定させることができる。
【0019】
(適用例3)上記の搬送装置であって、保持部材が被搬送物を放す場合には、支持部材の先端部は、保持部材の保持領域が内側形状の部位への当接を解除するまで、被搬送物の先端部への当接を維持することが好ましい。
【0020】
上記の搬送装置では、保持部材が被搬送物を放す場合、例えば、被搬送物を搬送した後、所定の場所などに被搬送物を放して設置する場合には、保持部材の保持領域が内側形状の部位への当接を解除するまで、支持部材の先端部は、被搬送物の先端部への当接を維持することにより、保持領域が被搬送物を放すまで被搬送物を安定してその場所に固定させておくことができ、所定の場所に被搬送物を安定して設置することができる。
【0021】
(適用例4)上記の搬送装置であって、保持部材は、一方の先端部が被搬送物の内側形状より小さい外側形状に形成され、また、一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されていることが好ましい。
【0022】
上記の搬送装置では、保持部材は、一方の先端部が被搬送物の内側形状より小さい外側形状に形成されるため、被搬送物を保持する場合、被搬送物の内側形状の部位に当たることなく中空領域に挿入することができる。また、挿入した後は、一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されているため、このテーパ部が内側形状の部位を滑り、保持部材の中空領域への挿入の継続を滑らかに行なうことができる。
【0023】
(適用例5)上記の搬送装置であって、スリット状の切り欠き部は、保持部材を貫通して形成されていることが好ましい。
【0024】
上記の搬送装置では、スリット状の切り欠き部が保持部材を貫通して形成されることにより、貫通させずに加工する場合に比べて、切り欠き部の加工を容易に行なうことができる。
【0025】
(適用例6)上記の搬送装置であって、保持部材の一方の先端部には、スリット状の切り欠き部の他に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されていることが好ましい。
【0026】
上記の搬送装置では、保持部材の一方の先端部に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されることにより、先端部が複数に分割される保持領域を含む保持部材のバネとしての力を容易に調整できるため、保持領域を撓めて被搬送物を保持する場合の、保持力の設定を行ない易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
【0028】
図1は、実施形態に係るテープカートリッジの概略斜視図である。図1を参照して、テープカートリッジ600の構成および動作に関して簡潔に説明する。
【0029】
テープカートリッジ600は、平面視略L字状をなす箱状の外装ケース601で覆われて構成されている。その外装ケース601は、上ケース602および下ケース603により構成されている。また、外装ケース601の内部には、テープ状のラベル用テープ604をロール状に巻回したテープコア605と、インクリボン606をロール状に巻回した繰出しコア607と、繰出したインクリボン606を巻き取る巻取りコア608とを収容している。また、テープカートリッジ600には、図示省略するテープ印刷装置の熱転写用のヘッドユニット(図示省略)を遊挿する貫通開口609が形成されている。また、この貫通開口609に臨むように回転自在のプラテンローラ610が立設されている。
【0030】
テープカートリッジ600をテープ印刷装置(図示省略)のカートリッジ装着部(図示省略)に装着すると、プラテン駆動軸(図示省略)にプラテンローラ610が係合すると共に、リボン巻取り駆動軸(図示省略)に巻取りコア608が係合し、ラベル用テープ604およびインクリボン606の送りが可能となる。ユーザは、このテープ印刷装置に設置されるキー入力部(図示省略)を操作して所望の文字などを入力し、印刷の指示を行なう。それにより、テープ印刷装置は、プラテン駆動軸およびリボン巻取り駆動軸が同期しながら回転を行ない、併せて、ヘッドユニットが、インクリボン606に積層されるインク層(図示省略)をラベル用テープ604に熱転写させることで、文字などが印刷されてラベルを作成する。
【0031】
なお、ラベル用テープ604は、粘着層(図示省略)を有する印刷用テープ(図示省略)に剥離紙(図示省略)を積層して構成され、ラベル作成後に剥離紙を剥がしてラベルとして貼り付けることができるようになっている。また、テープカートリッジ600には、ラベル用テープ604の色や幅などが異なる複数種のものが用意されており、ユーザが、その内容を識別できるように、その内容を記述した識別ラベル611が、ラベル貼付部612に貼り付けられている。また、ラベル用テープ604のテープ残量を確認できる確認用窓613も設置されている。
【0032】
図2は、繰出しコアおよび巻取りコアを示す概略斜視図であり、図2(a)は、インクリボンが巻回された繰出しコアを示す斜視図であり、図2(b)は、インクリボンが巻回される前の巻取りコアを示す斜視図であり、図2(c)は、繰出しコアに巻回されるインクリボンが巻取りコアに巻回された状態を示す斜視図である。図3は、巻取りコアを説明する図であり、図3(a)は、上方から見た平面図であり、図3(b)は、側断面図であり、図3(c)は、下方から見た平面図である。図2、図3を参照して、繰出しコア607および巻取りコア608を説明する。
【0033】
図2(a)に示すように、繰出しコア607は、概略円筒形状をなして形成されている。そして、繰出しコア607は、インクリボン606を巻回する領域となる第1コア部6071と、テープカートリッジ600の下ケース603に形成される図示省略する逆転防止用ばねと係合する溝部6073が所定のピッチで複数形成される第2コア部6072とで構成されている。そして、第1コア部6071の外周面にインクリボン606が幾重にも巻回されている。
【0034】
また、図2(b)、図3に示すように、巻取りコア608は、概略円筒形状をなして形成されている。そして、巻取りコア608は、繰出しコア607と略同様にインクリボン606を巻回する領域となる第1コア部6081と、テープカートリッジ600の下ケース603に形成される図示省略する逆転防止用ばねと係合する溝部6083が所定のピッチで複数形成される第2コア部6082とで構成されている。また、巻取りコア608は、内部に略円柱形状をなす内面6081aと、その内面6081aから、所定のピッチで突出して軸方向に延びる突起部6084が複数形成されている。
【0035】
なお、本実施形態における被搬送物となる巻取りコア608は、内面6081aと突起部6084とにより囲まれて中空領域Sが形成されることになる。また、中空領域Sを形成する形状(内面6081aと突起部6084の外面を合わせた形状)を内側形状6085として、以降の説明において適宜使用する。
【0036】
図2(c)は、インクリボンユニット620としての形態を示している。インクリボンユニット620は、繰出しコア607に巻回されたインクリボン606を巻取りコア608に所定量巻回して一体としたものである。詳細には、図2(a)に示す繰出しコア607に巻回されたインクリボン606の一端部を剥がし、図2(b)、図3に示す巻取りコア608の第1コア部6081の外周面に、剥がした一端部を貼り付け、所定量(所定長さ)を巻回して製造される。
【0037】
なお、上記インクリボンユニット620を製造する工程が製造ラインには設置されている。そして、この工程により製造されたインクリボンユニット620は、次の工程として設置される組込み工程により、図1に示すように、テープカートリッジ600内部の所定の位置に収容(設置)されることになる。
【0038】
なお、インクリボンユニット620を製造する工程では、前段の作業として、巻取りコア608を所定の位置に載置する作業が含まれる。この作業は、巻取りコア608を供給する供給装置(図示省略)から、被搬送物としての巻取りコア608を保持し、その後、巻取りコア608にインクリボン606を巻回するための所定の位置まで巻取りコア608を搬送し、その後、巻取りコア608を放す(開放する)ことで、巻取りコア608を所定の位置に載置する作業となる。なお、この作業を行なう装置が、本実施形態の搬送装置1となる。また、巻取りコア608が所定の位置に載置された後は、上述したように、インクリボンユニット620を製造する工程が順次行なわれる。
【0039】
図4は、搬送装置を示す概略側面図である。図5は、搬送装置の保持部材を示す図であり、図5(a)は、保持部材の断面図であり、図5(b)は、保持部材を下方から見た平面図である。図6は、支持部材の断面図である。なお、図4は、搬送装置1の側面を断面図として図示している。図5に示す保持部材10は、図6に示す支持部材30に対して拡大して図示している。図4〜図6を参照して、搬送装置1の構成および動作を説明する。
【0040】
図4に示すように、搬送装置1は、巻取りコア608を保持するための棒状となる略円柱形状の保持部材10と、保持部材10を挿入して支持する支持部材30とを有して構成される。この保持部材10の上端部には、ネジ孔121が加工されている。そして、このネジ孔121に螺合するネジ部21が形成された円柱形状のシャフト20により、ネジ部21をネジ孔121に螺合させ、保持部材10とシャフト20とが一体の部材(この部材を保持部材ユニット25と呼称する)として構成されている。なお、保持部材10および支持部材30の詳細は後述する。
【0041】
また、搬送装置1は、略矩形状の板状に形成されるベースフレーム60と、保持部材ユニット25を上下方向の2箇所で、回動および上下方向の移動が可能な状態で支持固定する第1案内板61と、第2案内板62とを有して構成されている。第1案内板61には、第1軸受け41が挿入され、側面方向から図示省略するネジにより第1軸受け41を回転防止するように固定される。また、第1軸受け41の両端部が固定リング51により第1案内板61の両端面と固定されて第1軸受け41を上下方向(軸方向)に抜け止め防止するように設置されている。これにより、第1軸受け41は、保持部材ユニット25を挿入した支持部材30を、回動および軸方向の移動を可能として第1案内板61に支持固定される。また、支持部材30のフランジ31と第1軸受け41の上端面との間には、第2軸受け42が設置されている。
【0042】
一方、第2案内板62には、第2案内板62の両端面の内部に第3軸受け43がそれぞれ挿入されて固定される。そして、この2つの第3軸受け43に、第4軸受け44が挿入される。そして、第4軸受け44の両端部が固定リング52により第2案内板62の両端面と固定されて設置されている。第3軸受け43により、第4軸受け44は回動可能に支持固定される。そして、第4軸受け44により、保持部材ユニット25は回動および軸方向の移動を可能に支持固定される。
【0043】
また、支持部材30のフランジ31の上面と、第4軸受け44の下端面との間には、保持部材ユニット25に挿入された一対の座金53を介して、保持部材ユニット25に挿入されたコイルバネ55が設置されている。このコイルバネ55は、圧縮ばねとして形成され、支持部材30を下方向に付勢している。支持部材30は、このコイルバネ55により下方向に付勢(押圧)されて、巻取りコア608の軸方向の高さの違いに対応して、支持部材30が巻取りコア608に当接した場合の圧力を調整している。
【0044】
なお、シャフト20の上端部には、シャフト固定板57がネジ止め固定されている。このシャフト固定板57の外周に形成した溝部571に係合させて、図示省略する昇降部材が保持部材ユニット25を昇降させる。このように、搬送装置1は構成されて動作する。
【0045】
図5に示すように、保持部材10は、巻取りコア608を保持する部材であり、上述したように、棒状で略円柱形状をなして形成されている。詳細には、円柱形状の保持部材10は、巻取りコア608を保持するためのバネ部110と、シャフト20と接続して保持部材10を固定するための固定部120とにより構成されている。
【0046】
保持部材10の外形形状に関し、固定部120における外周の直径は均一に加工される。そして、バネ部110において、固定部120との境界部分は、固定部120の直径に対して小さく加工され、その後、バネ部110の先端方向に向かって除々に直径が拡大するように形成され、先端部111の近傍で直径が最大となるように形成されている。本実施形態では、保持部材10は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。
【0047】
このようなバネ部110において、先端部111近傍の直径が最大となる周辺領域が保持領域112となり、この保持領域112で巻取りコア608を保持することになる。また、保持領域112は、被搬送物である巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085に比べて大きい外形形状(本実施形態では直径)で形成されている。
【0048】
なお、内側形状6085に比べて大きい外形形状とは、仮に、保持領域112が撓むことがないことを前提に、中空領域Sに挿入した場合、内側形状6085に当たり、以降、挿入不可となる保持領域112の外形の大きさを、内側形状6085に比べて大きい外側形状としている。また、保持領域112の外側形状の大きさ(直径)は、内側形状6085の大きさ(保持領域112が保持する内側形状6085の部位の大きさ)や、保持領域112の撓みによる保持力などの兼ね合いで設定される。
【0049】
バネ部110は、先端部111から固定部120方向に外側形状が大きくなるテーパ部115を有して構成されている。詳細には、テーパ部115は、先端部111から保持領域112の直径が最大となる部位にかけて、円錐状に形成される。なお、先端部111の外形形状の大きさは、巻取りコア608の内側形状6085に比べて小さい外側形状となるように形成されている。また、バネ部110には、軸方向(先端部111から固定部120方向)で、軸中心(外形形状と同心円)に円柱形状に切り欠かれた中空領域113が形成されている。
【0050】
また、バネ部110には、軸を通り、軸に垂直に貫通し、軸方向に沿ってスリット状に切り欠いた形態となる切り欠き部114が形成されている。なお、この切り欠き部114は、互いに垂直となる2方向に形成されている。従って、バネ部110は、図5(b)に示すように、先端部111から4つに分割された形態となる。そして、分割された1つずつが、それぞれ切り欠き部114のスリット状の隙間(幅)を狭める方向(軸中心方向)に撓むことができ、撓むことで設定されたバネ特性を有することになる。なお、固定部120には、上述したように、上端面からネジ孔121が形成されており、このネジ孔121とシャフト20のネジ部21とが螺合して保持部材ユニット25が構成される。
【0051】
図6に示すように、支持部材30は、円柱形状に形成され、一端にフランジ31が形成されている。そして、支持部材30には、軸方向に外形形状と同心円で、貫通して切り抜かれた円柱形状の挿入孔32が形成されている。この支持部材30の先端部33から挿入孔32に保持部材ユニット25のシャフト20を挿入し、フランジ31側から突出させることで、支持部材30に対して、保持部材ユニット25を組立てる。なお、挿入孔32の内径は、シャフト20の外形および保持部材10の固定部120の外形に対して隙間がほぼ無く挿入できるように設定されている。本実施形態では、支持部材30は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。
【0052】
なお、保持部材ユニット25は、支持部材30に対して、支持部材30の先端部33から、初期的に設定された突出量となるように挿入される。この状態では、図4に示すように、保持領域112が支持部材30の先端部33から突出した状態となる。また、この状態において、4つに分割されたバネ部110は、それぞれスリット状の切り欠き部114の幅を狭める方向に若干撓んだ状態となっている。
【0053】
図7は、搬送装置が巻取りコアを保持した状態を示す概略側面図である。なお、図7は、図4と同様に、断面図により図示している。図7を参照して、搬送装置1を構成する保持部材10が、巻取りコア608を保持する場合の動作を説明する。なお、図7は、図4と同様の構成であるため、同様の構成には同様の符号を付記している。
【0054】
搬送装置1が巻取りコア608を保持する場合、搬送装置1が搬送装置1の下方に位置する巻取りコア608に向かって、下降を開始する。なお、このような動作の詳細は、後述する。下降を継続した場合、保持部材10の先端部111が、巻取りコア608の先端部6088から中空領域S内への挿入を開始する。本実施形態での保持部材10の先端部111の外形形状(外側形状)は、巻取りコア608の内側形状6085より小さく形成されている。従って、先端部111は、挿入初期において、巻取りコア608の中空領域Sに当接することなく挿入される。
【0055】
そして、保持部材10のテーパ部115が、巻取りコア608の突起部6084に当接して滑り、その後は、突起部6084に押圧されながら挿入が継続される。その後、突起部6084により形成される内側形状6085に保持部材10の保持領域112が当接する。実際には、保持領域112は、突起部6084の軸方向の先端部(突起先端部6084a)に当接する。そして、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接することで、搬送装置1の下降が停止する。
【0056】
これにより、保持部材10の4つに分割されたバネ部110(保持領域112)は、突起部6084の突起先端部6084aに当接することにより、それぞれスリット状の切り欠き部114の幅を、保持する前に比較して、更に狭める方向に撓んだ状態となっている。この状態により、保持部材10のバネ部110(保持領域112)は、所定の押圧力で、突起部6084の突起先端部6084aを押圧する。この押圧力が、巻取りコア608を保持する保持力となり、巻取りコア608を保持する。なお、保持部材10が巻取りコア608を保持した状態において、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088に当接した状態となっているため、巻取りコア608を安定して保持でき、以降で説明するように、保持した状態で、搬送(移動)などが行なえる。
【0057】
なお、巻取りコア608は、図示省略する供給装置から、初期的にステージ800(図8参照)の所定の場所に供給されて載置された形態となっている。そして、搬送装置1は、上述したように、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接した場合に下降を停止することになる。この場合、搬送装置1は、下降距離が設定されており、その下降距離だけ下降することになる。しかし、実際に下降した場合の下降距離には「ばらつき」が伴うため、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接した場合、搬送装置1が有する軸受け部材(第1軸受け41、第2軸受け42、第3軸受け43、第4軸受け44)により、保持部材ユニット25や巻取りコア608への衝撃を吸収している。
【0058】
図8は、搬送装置および搬送機構部を示す概略図であり、図8(a)は、搬送装置および搬送機構部の側面図であり、図8(b)は、搬送装置および搬送機構部の正面図である。図8を参照して、搬送機構部70の構成を説明する。なお、説明を理解し易くするために、座標系を用いて説明を行なう。また、併せて、図示省略する巻取りコア608を供給する供給装置により、ステージ800の所定の位置に供給された巻取りコア608も図示している。
【0059】
最初に、搬送装置1は、図4〜図7を用いて説明したように、ベースフレーム60と第1案内板61と第2案内板62とを有して構成され、また、第1案内板61と第2案内板62とにより、支持部材30や保持部材ユニット25などが回動および上下方向(Z軸方向)への移動が可能に支持固定されている。このような搬送装置1は、図8に示すように、搬送機構部70により支持固定されている。
【0060】
搬送機構部70は、搬送機構ベース部71と、搬送機構ベース部71に対して左右方向(X軸方向)への移動を行なう第1搬送機構部72と、この第1搬送機構部72に対して上下方向(Z軸方向)への移動を行なう第2搬送機構部73とで構成されている。なお、第1搬送機構部72、第2搬送機構部73を動作させる駆動源および動作を統括制御する制御部などは、図示省略している。
【0061】
ここで、搬送装置1のベースフレーム60は、ベースフレーム60と外形サイズが略等しい第2搬送機構部73に固定される。従って、搬送装置1は、第2搬送機構部73の動作(移動動作)に従動して移動することになる。また、第1搬送機構部72は、第2搬送機構部73をZ軸方向に移動可能に支持固定すると共に、搬送機構ベース部71に沿ってX軸方向に移動可能に搬送機構ベース部71に支持固定される。
【0062】
なお、図8に示す図は、搬送装置1の初期位置における図を示している。搬送装置1の初期位置では、図示省略する供給装置から供給された巻取りコア608の軸上でその上方向(+Z軸方向)に位置することになる。また、供給された巻取りコア608は、上述したように、搬送装置1により搬送される所定の位置とは異なる位置(ステージ800の所定の位置)に載置される。
【0063】
図9は、搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略の正面図であり、図9(a)は、搬送装置が巻取りコアを保持する状態を示す図であり、図9(b)は、巻取りコアを保持した状態で初期位置に戻る状態を示す図であり、図9(c)は、巻取りコアを搬送している途中の状態を示す図であり、図9(d)は、巻取りコアを搬送して所定の位置の上方向に位置した状態を示す図である。また、図10は、搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略図であり、図10(a)は、巻取りコアを所定の位置に位置させる状態を示す正面図であり、図10(b)は、巻取りコアを所定の位置で開放する状態を示す側面図であり、図10(c)は、巻取りコアを開放して所定の位置の上方向に位置した状態を示す正面図である。なお、図10(b)は、巻取りコアを開放する状態の図を、拡大した断面図で示している。図9、図10を参照して、搬送機構部70および搬送装置1の動作を説明する。
【0064】
図8に示す状態から、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、−Z軸方向に下降(矢印で示す)を開始する。そして、図7で説明したように、また、図9(a)に示すように、保持部材10の保持領域112が、ステージ800に載置された被搬送物としての巻取りコア608の突起先端部6084aを保持する。このとき、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088に当接する。
【0065】
搬送装置1が巻取りコア608を保持した後、図9(b)に示すように、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、+Z軸方向に上昇(矢印で示す)を開始する。巻取りコア608は、搬送装置1に保持され、ステージ800から放される。そして、第2搬送機構部73は、初期位置まで戻る。
【0066】
その後、図9(c)に示すように、第1搬送機構部72が、搬送機構ベース部71に対して、+X軸方向に移動(矢印で示す)を開始する。従って、第2搬送機構部73および第2搬送機構部73に固定される搬送装置1が、同様に移動を開始する。これにより、搬送装置1に保持された巻取りコア608も移動する。その後、図9(d)に示すように、第1搬送機構部72が、搬送機構ベース部71に対して、巻取りコア608を載置するステージ810の所定の位置の上方向(+Z軸方向)に位置した状態で停止する。
【0067】
その後、図10(a)に示すように、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、−Z軸方向に下降(矢印で示す)を開始する。そして、巻取りコア608がステージ810の所定の位置に当接した場合、第2搬送機構部73(搬送装置1)は下降を停止する。
【0068】
この場合、搬送装置1は、下降距離が設定されており、設定される下降距離だけ下降することになる。しかし、実際に下降した場合の下降距離には「ばらつき」が伴うため、巻取りコア608がステージ810の所定の位置に当接した場合、搬送装置1が有する軸受け部材(第1軸受け41、第2軸受け42、第3軸受け43、第4軸受け44)により、保持部材ユニット25や巻取りコア608への衝撃を吸収している。
【0069】
また、支持部材30は、巻取りコア608のステージ810への当接により、+Z軸方向に若干移動する。この移動をセンサ(図示省略)により検出し、巻取りコア608を開放する動作が開始される。
【0070】
図10(a)に示す状態で、巻取りコア608を開放する動作が開始された場合、シャフト固定板57の溝部571に係合させた図示省略する昇降部材が、図10(b)に示すように、シャフト固定板57を上方向(+Z軸方向)に移動(上昇)させる。この動作により、シャフト固定板57に固定される保持部材ユニット25が、従動して上方向(+Z軸方向)に移動(上昇)する。
【0071】
なお、このとき、保持部材ユニット25(保持部材10)を支持する支持部材30は、保持部材10が+Z軸方向に移動してもその位置を変化させない。すなわち、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088への当接を維持した状態で、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の挿入孔32内部に移動(+Z軸方向に移動)する動作を行なうことになる。なお、この動作により、保持部材10の保持領域112は、巻取りコア608を保持している撓み量に比較して、更に撓み量を増やす(更に撓む)ことになる。
【0072】
従って、支持部材30は、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に押圧した状態で、保持領域112が、+Z軸方向に移動することにより、巻取りコア608を保持していた保持領域112が巻取りコア608の突起先端部6084aへの当接を解除する(放す)。そして、保持部材10は、巻取りコア608の中空領域Sから離れる状態となる。この一連の動作により、巻取りコア608は、ステージ810の所定の位置に安定して載置されることになる。
【0073】
この後、昇降部材は、シャフト固定板57の上方向(+Z軸方向)への移動を停止することにより、シャフト固定板57を初期位置に戻す。この動作により、保持部材ユニット25も初期位置に戻り、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の先端部33から初期的に設定される突出量だけ突出する。そして、上述したように、保持部材10と支持部材30とにより、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に載置した場合、第2搬送機構部73が+Z軸方向の移動を開始し、図10(c)に示すように、搬送装置1を巻取りコア608の所定の位置の上方向(+Z軸方向)の位置(図9(d)に示す位置と同じ位置)に戻す。
【0074】
なお、巻取りコア608を載置した所定の位置の上方向(+Z軸方向)の位置(図9(d)に示す位置と同じ位置)に戻った後、第1搬送機構部72が搬送機構ベース部71に対して、−X軸方向の移動(図9(c)と逆方向の移動)を開始し、搬送装置1を初期位置(図8に示す位置)まで移動して停止する。
【0075】
上述したように、搬送装置1および搬送機構部70は、初期位置から移動を開始し、巻取りコア608を保持して、所定の位置に巻取りコア608を載置して、再度、初期位置に戻る搬送動作を1サイクルとして動作する。なお、搬送装置1が初期位置に戻る前に、供給装置からは、次の巻取りコア608がステージ800に載置されるため、搬送装置1および搬送機構部70は、上述したと同様の動作を繰り返すことにより、順次、巻取りコア608を保持、搬送し、ステージ810の所定の位置に載置する。
【0076】
また、ステージ810には、異なる搬送装置により繰出しコア607が載置されており、ステージ810の所定の位置に巻取りコア608が載置された後、繰出しコア607に巻回されたインクリボン606を、巻取りコア608に所定量を巻回する工程(インクリボンユニット620の製造工程)に移行する。その結果、図2(a)に示す繰出しコア607に巻回されたインクリボン606の一端部を剥がし、図2(b)に示す巻取りコア608の第1コア部6081の外周面に、剥がした一端部を貼り付け、所定量(所定長さ)を巻回して、図2(c)に示すインクリボンユニット620が製造される。
【0077】
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10と支持部材30とを有して構成されている。そして、保持部材10は、被搬送物としての巻取りコア608の中空領域Sを保持する保持領域112を有して略棒状に形成され、保持領域112を含み、スリット状の切り欠き部114が形成されることにより、先端部111が4つに分割されている。そして、支持部材30は、保持部材10を挿入して保持領域112を突出させる挿入孔32を有し、挿入孔32に挿入された保持部材10を移動可能に支持する。そして、保持部材10の先端部111を巻取りコア608の中空領域Sに挿入した場合、保持領域112が中空領域Sを形成する内側形状6085の部位(突起先端部6084a)に当接して撓むことになる。保持領域112が撓むことにより、保持領域112が撓む前の状態に戻ろうとする力が突起先端部6084aに押圧力として加わることにより、この力が巻取りコア608を保持する保持力となり、巻取りコア608を保持する。また、巻取りコア608を保持して、ステージ810の所定の位置に搬送した後、保持部材10は、支持部材30の挿入孔32に保持領域112を移動することにより、保持領域112を更に撓ませることにより、突起先端部6084aへの当接を解除する。この動作により、保持部材10は、巻取りコア608を放すことになり、巻取りコア608を所定の位置に載置することができる。
【0078】
このように、保持部材10に、保持領域112と切り欠き部114を一体で形成することにより、従来のように、バネ部材や爪部材などを別体で形成して保持部材を構成する必要が無くなり、簡易な構成で保持部材10を構成できる。また、保持部材10の先端部111が4つに分割されることにより、巻取りコア608の突起先端部6084aに安定して当接させることができるため、巻取りコア608を安定して保持することができ、搬送することができる。また、併せて、所定の位置に搬送した後、突起先端部6084aへの当接を安定して解除することができ、ステージ810の所定の位置に巻取りコア608を安定して載置することができる。
【0079】
(2)本実施形態の搬送装置1は、支持部材30の先端部33からの保持部材10の突出量(保持領域112の突出量)が初期的に設定されており、巻取りコア608を保持部材10の保持領域112が保持する場合、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接する。これにより、搬送装置1は、巻取りコア608を更に安定させて保持することができる。
【0080】
(3)本実施形態の搬送装置1は、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に載置する場合、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の挿入孔32内部に移動(+Z軸方向に移動)して巻取りコア608の突起先端部6084aの当接を解除するまで、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088への当接を維持する。これにより、搬送装置1は、巻取りコア608を、ステージ810の所定の位置に傾きなどが無く、安定して載置することができる。
【0081】
(4)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10の先端部111が、巻取りコア608の内側形状6085より小さい外側形状に形成されるため、保持部材10を巻取りコア608の中空領域Sに挿入する場合、巻取りコア608の内側形状6085の部位に当たることなく中空領域Sに挿入することができる。また、挿入した後は、テーパ部115により、内側形状6085の部位を滑り、保持部材10の中空領域Sへの挿入の継続を滑らかに行なうことができる。
【0082】
(5)本実施形態の搬送装置1は、スリット状の切り欠き部114が保持部材10を貫通して形成されることにより、貫通させずに加工する場合に比べて、切り欠き部114の加工を容易に行なうことができる。
【0083】
(6)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10には、軸方向に円柱形状の中空領域113が形成されることにより、先端部111が複数に分割される保持領域112を含む保持部材10のバネとしての力を容易に調整できるため、保持領域112を撓めて巻取りコア608を保持する場合の、保持力の設定を行ない易くすることができる。
【0084】
(7)本実施形態の搬送装置1において、保持部材10は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成することができるため、加工が容易である。そして、本実施形態のように巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085が軸対称となっているものに対して、安定して保持や搬送や開放が行なえる。
【0085】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0086】
(変形例1)前記実施形態において、切り欠き部114により、保持部材10のバネ部110は4つに分割された形態としている。しかし、これに限られず、4つ以外の複数に分割することでもよく、被搬送物の中空領域の内側形状に合わせて、適宜設定することでよい。
【0087】
(変形例2)前記実施形態において、保持部材10とシャフト20とを合わせて保持部材ユニット25を構成しているが、これに限られず、搬送装置1の大きさに併せて、保持部材10を長く形成することで、シャフト20を使用しないことでもよい。
【0088】
(変形例3)前記実施形態において、保持部材10は、略棒状に形成され、実際には丸棒となる金属部材を加工(切削)して形成されている。しかし、これに限られず、丸棒以外の棒状の部材で形成してもよい。また、金属部材でなく、合成樹脂の部材を用いて、加工(切削)や成形で形成してもよい。
【0089】
(変形例4)前記実施形態において、保持部材10は、略棒状に形成され、実際には丸棒となる金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。しかし、これに限られず、軸対称でなくてもよい。保持する被搬送物の中空領域の内側形状に対応させて、保持部材の外形形状を適宜決めることができる。
【0090】
(変形例5)前記実施形態においては、被搬送物を巻取りコア608として実施しているが、このような被搬送物に限られず、他の中空領域を有する被搬送物に対して実施しても同様の効果が得られる。
【0091】
なお、本発明を実施するための最良の形態を、上記記載で開示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示し、かつ、説明しているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対し、詳細な構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形(変更ならびに改良)を加えることができるものである。従って、詳細な構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形を加えることにより実施する場合も本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施形態に係るテープカートリッジの概略斜視図。
【図2】繰出しコアおよび巻取りコアを示す概略斜視図であり、(a)はインクリボンが巻回された繰出しコアを示す斜視図であり、(b)はインクリボンが巻回される前の巻取りコアを示す斜視図であり、(c)は繰出しコアに巻回されるインクリボンが巻取りコアに巻回された状態を示す斜視図。
【図3】巻取りコアを説明する図であり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は側断面図であり、(c)は下方から見た平面図。
【図4】搬送装置を示す概略側面図。
【図5】搬送装置の保持部材を示す図であり、(a)は保持部材の断面図であり、(b)は保持部材を下方から見た平面図。
【図6】支持部材の断面図。
【図7】搬送装置が巻取りコアを保持した状態を示す概略側面図。
【図8】搬送装置および搬送機構部を示す概略図であり、(a)は搬送装置および搬送機構部の側面図であり、(b)は搬送装置および搬送機構部の正面図。
【図9】搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略の正面図であり、(a)は搬送装置が巻取りコアを保持する状態を示す図であり、(b)は巻取りコアを保持した状態で初期位置に戻る状態を示す図であり、(c)は巻取りコアを搬送している途中の状態を示す図であり、(d)は巻取りコアを搬送して所定の位置の上方向に位置した状態を示す図。
【図10】搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略図であり、(a)は巻取りコアを所定の位置に位置させる状態を示す正面図であり、(b)は巻取りコアを所定の位置で開放する状態を示す側面図であり、(c)は巻取りコアを開放して所定の位置の上方向に位置した状態を示す正面図。
【図11】従来の搬送装置の要部を示す概略断面図であり、(a)は従来の保持部材を示す概略断面図であり、(b)は従来の保持部材で巻取りコアを保持した状態を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0093】
1…搬送装置、10…保持部材、20…シャフト、25…保持部材ユニット、30…支持部材、32…挿入孔、33…先端部、60…ベースフレーム、61…第1案内板、62…第2案内板、70…搬送機構部、71…搬送機構ベース部、72…第1搬送機構部、73…第2搬送機構部、110…バネ部、111…先端部、112…保持領域、113…中空領域、114…切り欠き部、115…テーパ部、120…固定部、600…テープカートリッジ、606…インクリボン、607…繰出しコア、608…巻取りコア、620…インクリボンユニット、6085…内側形状、6088…先端部、S…中空領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した被搬送物を放す動作を行なう搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファイルやノートなどに貼り付けて見出しや分類用に用いるラベルを作成するテープ印刷装置が、家庭や会社などで盛んに使用されている。このようなテープ印刷装置は、一般的に、内部に着脱可能なテープカートリッジが収容されている。また、テープカートリッジは、内部に、テープ状のラベル用テープと、ラベル用テープに文字などが熱転写されるインクリボンなどが収容されている。そして、ユーザは、所望のテープカートリッジをテープ印刷装置に装着して、所望の文字などを入力し、テープ印刷装置が有する熱転写用のヘッドで印刷(熱転写)してラベルを作成する。
【0003】
なお、上記テープカートリッジは、テープカートリッジの組立てからテープカートリッジの箱詰めまで、自動化された製造ラインにより、一貫した製造が行なわれている。この製造ラインにおいて、繰出しコアに巻回されたインクリボンを、巻取りコアに所定量を巻回する工程が設置されている。なお、この工程には、前段の作業として、巻取りコアを供給する供給装置から、被搬送物としての巻取りコアを保持し、その後、インクリボンを巻回するための所定の位置まで巻取りコアを搬送し、その後、巻取りコアを放すことで、巻取りコアを所定の位置に載置する作業が含まれている。そして、この作業を行なうために、搬送装置が使用されている。
【0004】
図11は、従来の搬送装置の要部を示す概略断面図であり、図11(a)は、従来の保持部材を示す概略断面図であり、図11(b)は、従来の保持部材で巻取りコアを保持した状態を示す概略断面図である。ここで、従来の搬送装置900の要部である保持部材910の構成と動作を簡潔に説明する。
【0005】
図11(a)に示すように、搬送装置900は、保持部材910と支持部材920とを有して構成されている。その他の構成部に関しての説明は、ここでは省略する。この保持部材910は、保持ベース部材911と、2つの爪部材912,913と、コイルバネ915とで概略構成されている。保持ベース部材911は、円柱形状をなし、先端部から軸方向に沿って所定の幅で切り欠いた溝部9111が形成される。
【0006】
また、爪部材912,913は、板状で、互いに略対称形状をなし、一端側に、2つの爪部材912,913を回動自在に重ねて支持する支軸部材916が設置されている。この支軸部材916は、保持ベース部材911の溝部9111の壁面に固定される。また、爪部材912,913の互いに向き合う側には、凹部9121,9131が形成され、その凹部9121,9131には、コイルバネ915が収容される。このコイルバネ915は、圧縮コイルバネとして形成されている。このコイルバネ915により、爪部材912,913は、支軸部材916を中心として相互に開く方向に押圧される。また、爪部材912,913の他端側は、先端部9122,9132が鋭角に形成され、先端部9122,9132から外側に向かって、曲面外形を有して繋がる当接部9123,9133が形成されている。
【0007】
なお、支持部材920は、円柱形状で、中心に保持部材910を移動可能に支持する挿入孔921が形成されている。また、挿入孔921は、先端部922側の第1孔9211と、保持ベース部材911を支持する第2孔9212とで構成され、それぞれ同心円状に形成されている。
【0008】
この保持部材910を支持部材920に組立てる場合は、保持部材910の保持ベース部材911を支持部材920の第1孔9211側から挿入孔921に挿入する。そして、保持ベース部材911に回動自在に固定された爪部材912,913を、支持部材920の第1孔9211の内面に当接させ、コイルバネ915の押圧力に抗して、初期位置(図11(a)で示す位置)まで、保持部材910を挿入する。
【0009】
ここで、被搬送物となる巻取りコア608は、概略円筒状の部材である。この巻取りコア608を保持する場合、巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085に対して、保持部材910を挿入することになる。なお、保持部材910を巻取りコア608に挿入する際、詳細は省略するが、図11(a)に図示する搬送装置900全体は、図面下側に位置する巻取りコア608に向かって図面上側から下側に下降することになる。
【0010】
そして、保持部材910は、巻取りコア608の中空領域Sに対し、爪部材912,913の先端部9122,9132から挿入する。そして、挿入を継続することにより、爪部材912,913の当接部9123,9133が内側形状6085に当接する。そして、内側形状6085により、コイルバネ915が圧縮され、爪部材912,913は支軸部材916を中心に爪部材912,913の隙間を狭める方向に回転する。そして、搬送装置900は、支持部材920の先端部922が巻取りコア608の先端部6088近傍まで下降し、保持部材910の巻取りコア608への挿入を停止する。
【0011】
この動作により、保持部材910は、爪部材912,913の当接部9123,9133が、コイルバネ915の押圧力により、巻取りコア608の内側形状6085の部位を押圧することで、巻取りコア608を保持することができる。図11(b)は、保持部材910が巻取りコア608を保持した状態を示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、従来の搬送装置900を構成する保持部材910で巻取りコア608を保持する場合、板状の2つの爪部材912,913の当接部9123,9133が、巻取りコア608の内側形状6085の部位を押圧することになる。ここで、板状に形成される2つの爪部材912,913であるため、内側形状6085の2方向の部位に当接するだけであることや、巻取りコア608の内側形状6085は、詳細には凹凸形状を有していることなどにより、保持は不安定となっていた。そのため、保持した巻取りコア608を所定の位置まで搬送する場合に、巻取りコア608が傾くこともあった。また、爪部材912,913およびコイルバネ915を用いる従来の保持部材910の構造は複雑であり、不具合が発生した場合のメンテナンスにも時間がかかっていた。従って、中空領域を有する被搬送物を安定して保持できる簡易な構造の搬送装置が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0014】
(適用例1)本適用例に係る搬送装置は、中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した被搬送物を放す動作を行なう搬送装置であって、被搬送物の中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成され、保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、一方の先端部が複数に分割される保持部材と、保持部材を挿入して保持領域を突出させる挿入孔を有し、挿入孔に挿入された保持部材を移動可能に支持する支持部材と、を有して構成され、保持部材は、一方の先端部を被搬送物の中空領域に挿入し、保持領域が中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことで被搬送物を保持し、また、保持部材は、支持部材の挿入孔に保持領域を移動することにより、保持領域を更に撓ませることで内側形状の部位への当接を解除して被搬送物を放すことを特徴とする。
【0015】
上記の搬送装置は、保持部材と支持部材とを有して構成されている。そして、保持部材は、被搬送物の中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成されている。また、保持部材は、保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、一方の先端部が複数に分割されている。そして、支持部材は、保持部材を挿入して保持領域を突出させる挿入孔を有し、挿入孔に挿入された保持部材を移動可能に支持する。そして、保持部材の一方の先端部を被搬送物の中空領域に挿入し、保持領域が中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことにより、保持領域が撓む前の状態に戻ろうとする力が内側形状の部位に押圧力として加わることにより、この力が被搬送物を保持する保持力となり、被搬送物を保持する。なお、撓む場合は、スリット状の切り欠き部の幅を狭めるように撓むことになる。また、被搬送物を保持して、例えば、所定の位置に搬送した後、保持部材は、支持部材の挿入孔に保持領域を移動することにより、保持領域を更に撓ませることにより、内側形状の部位への当接を解除する。この動作により、保持部材は、被搬送物を放すことになり、被搬送物を所定の場所などに設置することができる。
【0016】
このように、保持部材に保持領域と切り欠き部を一体で形成することにより、従来のように、バネ部材や爪部材などを別体で形成して保持部材を構成する必要が無くなり、簡易な構成で保持部材を構成できる。また、保持部材の一方の先端部が複数に分割されることにより、被搬送物の内側形状の部位に安定して当接させることができるため、被搬送物を安定して保持することができ、搬送することができる。また、併せて、所定の位置に搬送した後、内側形状の部位への当接を安定して解除することができ、所定の位置に安定して設置することができる。
【0017】
(適用例2)上記の搬送装置であって、保持部材が被搬送物を保持する場合には、支持部材は、挿入孔から保持領域を突出させる側となる支持部材の先端部を、被搬送物の先端部に当接させることが好ましい。
【0018】
上記の搬送装置では、保持部材が被搬送物を保持する場合には、支持部材は、支持部材の先端部を被搬送物の先端部に当接することにより、保持部材の被搬送物の保持を更に安定させることができる。
【0019】
(適用例3)上記の搬送装置であって、保持部材が被搬送物を放す場合には、支持部材の先端部は、保持部材の保持領域が内側形状の部位への当接を解除するまで、被搬送物の先端部への当接を維持することが好ましい。
【0020】
上記の搬送装置では、保持部材が被搬送物を放す場合、例えば、被搬送物を搬送した後、所定の場所などに被搬送物を放して設置する場合には、保持部材の保持領域が内側形状の部位への当接を解除するまで、支持部材の先端部は、被搬送物の先端部への当接を維持することにより、保持領域が被搬送物を放すまで被搬送物を安定してその場所に固定させておくことができ、所定の場所に被搬送物を安定して設置することができる。
【0021】
(適用例4)上記の搬送装置であって、保持部材は、一方の先端部が被搬送物の内側形状より小さい外側形状に形成され、また、一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されていることが好ましい。
【0022】
上記の搬送装置では、保持部材は、一方の先端部が被搬送物の内側形状より小さい外側形状に形成されるため、被搬送物を保持する場合、被搬送物の内側形状の部位に当たることなく中空領域に挿入することができる。また、挿入した後は、一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されているため、このテーパ部が内側形状の部位を滑り、保持部材の中空領域への挿入の継続を滑らかに行なうことができる。
【0023】
(適用例5)上記の搬送装置であって、スリット状の切り欠き部は、保持部材を貫通して形成されていることが好ましい。
【0024】
上記の搬送装置では、スリット状の切り欠き部が保持部材を貫通して形成されることにより、貫通させずに加工する場合に比べて、切り欠き部の加工を容易に行なうことができる。
【0025】
(適用例6)上記の搬送装置であって、保持部材の一方の先端部には、スリット状の切り欠き部の他に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されていることが好ましい。
【0026】
上記の搬送装置では、保持部材の一方の先端部に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されることにより、先端部が複数に分割される保持領域を含む保持部材のバネとしての力を容易に調整できるため、保持領域を撓めて被搬送物を保持する場合の、保持力の設定を行ない易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
【0028】
図1は、実施形態に係るテープカートリッジの概略斜視図である。図1を参照して、テープカートリッジ600の構成および動作に関して簡潔に説明する。
【0029】
テープカートリッジ600は、平面視略L字状をなす箱状の外装ケース601で覆われて構成されている。その外装ケース601は、上ケース602および下ケース603により構成されている。また、外装ケース601の内部には、テープ状のラベル用テープ604をロール状に巻回したテープコア605と、インクリボン606をロール状に巻回した繰出しコア607と、繰出したインクリボン606を巻き取る巻取りコア608とを収容している。また、テープカートリッジ600には、図示省略するテープ印刷装置の熱転写用のヘッドユニット(図示省略)を遊挿する貫通開口609が形成されている。また、この貫通開口609に臨むように回転自在のプラテンローラ610が立設されている。
【0030】
テープカートリッジ600をテープ印刷装置(図示省略)のカートリッジ装着部(図示省略)に装着すると、プラテン駆動軸(図示省略)にプラテンローラ610が係合すると共に、リボン巻取り駆動軸(図示省略)に巻取りコア608が係合し、ラベル用テープ604およびインクリボン606の送りが可能となる。ユーザは、このテープ印刷装置に設置されるキー入力部(図示省略)を操作して所望の文字などを入力し、印刷の指示を行なう。それにより、テープ印刷装置は、プラテン駆動軸およびリボン巻取り駆動軸が同期しながら回転を行ない、併せて、ヘッドユニットが、インクリボン606に積層されるインク層(図示省略)をラベル用テープ604に熱転写させることで、文字などが印刷されてラベルを作成する。
【0031】
なお、ラベル用テープ604は、粘着層(図示省略)を有する印刷用テープ(図示省略)に剥離紙(図示省略)を積層して構成され、ラベル作成後に剥離紙を剥がしてラベルとして貼り付けることができるようになっている。また、テープカートリッジ600には、ラベル用テープ604の色や幅などが異なる複数種のものが用意されており、ユーザが、その内容を識別できるように、その内容を記述した識別ラベル611が、ラベル貼付部612に貼り付けられている。また、ラベル用テープ604のテープ残量を確認できる確認用窓613も設置されている。
【0032】
図2は、繰出しコアおよび巻取りコアを示す概略斜視図であり、図2(a)は、インクリボンが巻回された繰出しコアを示す斜視図であり、図2(b)は、インクリボンが巻回される前の巻取りコアを示す斜視図であり、図2(c)は、繰出しコアに巻回されるインクリボンが巻取りコアに巻回された状態を示す斜視図である。図3は、巻取りコアを説明する図であり、図3(a)は、上方から見た平面図であり、図3(b)は、側断面図であり、図3(c)は、下方から見た平面図である。図2、図3を参照して、繰出しコア607および巻取りコア608を説明する。
【0033】
図2(a)に示すように、繰出しコア607は、概略円筒形状をなして形成されている。そして、繰出しコア607は、インクリボン606を巻回する領域となる第1コア部6071と、テープカートリッジ600の下ケース603に形成される図示省略する逆転防止用ばねと係合する溝部6073が所定のピッチで複数形成される第2コア部6072とで構成されている。そして、第1コア部6071の外周面にインクリボン606が幾重にも巻回されている。
【0034】
また、図2(b)、図3に示すように、巻取りコア608は、概略円筒形状をなして形成されている。そして、巻取りコア608は、繰出しコア607と略同様にインクリボン606を巻回する領域となる第1コア部6081と、テープカートリッジ600の下ケース603に形成される図示省略する逆転防止用ばねと係合する溝部6083が所定のピッチで複数形成される第2コア部6082とで構成されている。また、巻取りコア608は、内部に略円柱形状をなす内面6081aと、その内面6081aから、所定のピッチで突出して軸方向に延びる突起部6084が複数形成されている。
【0035】
なお、本実施形態における被搬送物となる巻取りコア608は、内面6081aと突起部6084とにより囲まれて中空領域Sが形成されることになる。また、中空領域Sを形成する形状(内面6081aと突起部6084の外面を合わせた形状)を内側形状6085として、以降の説明において適宜使用する。
【0036】
図2(c)は、インクリボンユニット620としての形態を示している。インクリボンユニット620は、繰出しコア607に巻回されたインクリボン606を巻取りコア608に所定量巻回して一体としたものである。詳細には、図2(a)に示す繰出しコア607に巻回されたインクリボン606の一端部を剥がし、図2(b)、図3に示す巻取りコア608の第1コア部6081の外周面に、剥がした一端部を貼り付け、所定量(所定長さ)を巻回して製造される。
【0037】
なお、上記インクリボンユニット620を製造する工程が製造ラインには設置されている。そして、この工程により製造されたインクリボンユニット620は、次の工程として設置される組込み工程により、図1に示すように、テープカートリッジ600内部の所定の位置に収容(設置)されることになる。
【0038】
なお、インクリボンユニット620を製造する工程では、前段の作業として、巻取りコア608を所定の位置に載置する作業が含まれる。この作業は、巻取りコア608を供給する供給装置(図示省略)から、被搬送物としての巻取りコア608を保持し、その後、巻取りコア608にインクリボン606を巻回するための所定の位置まで巻取りコア608を搬送し、その後、巻取りコア608を放す(開放する)ことで、巻取りコア608を所定の位置に載置する作業となる。なお、この作業を行なう装置が、本実施形態の搬送装置1となる。また、巻取りコア608が所定の位置に載置された後は、上述したように、インクリボンユニット620を製造する工程が順次行なわれる。
【0039】
図4は、搬送装置を示す概略側面図である。図5は、搬送装置の保持部材を示す図であり、図5(a)は、保持部材の断面図であり、図5(b)は、保持部材を下方から見た平面図である。図6は、支持部材の断面図である。なお、図4は、搬送装置1の側面を断面図として図示している。図5に示す保持部材10は、図6に示す支持部材30に対して拡大して図示している。図4〜図6を参照して、搬送装置1の構成および動作を説明する。
【0040】
図4に示すように、搬送装置1は、巻取りコア608を保持するための棒状となる略円柱形状の保持部材10と、保持部材10を挿入して支持する支持部材30とを有して構成される。この保持部材10の上端部には、ネジ孔121が加工されている。そして、このネジ孔121に螺合するネジ部21が形成された円柱形状のシャフト20により、ネジ部21をネジ孔121に螺合させ、保持部材10とシャフト20とが一体の部材(この部材を保持部材ユニット25と呼称する)として構成されている。なお、保持部材10および支持部材30の詳細は後述する。
【0041】
また、搬送装置1は、略矩形状の板状に形成されるベースフレーム60と、保持部材ユニット25を上下方向の2箇所で、回動および上下方向の移動が可能な状態で支持固定する第1案内板61と、第2案内板62とを有して構成されている。第1案内板61には、第1軸受け41が挿入され、側面方向から図示省略するネジにより第1軸受け41を回転防止するように固定される。また、第1軸受け41の両端部が固定リング51により第1案内板61の両端面と固定されて第1軸受け41を上下方向(軸方向)に抜け止め防止するように設置されている。これにより、第1軸受け41は、保持部材ユニット25を挿入した支持部材30を、回動および軸方向の移動を可能として第1案内板61に支持固定される。また、支持部材30のフランジ31と第1軸受け41の上端面との間には、第2軸受け42が設置されている。
【0042】
一方、第2案内板62には、第2案内板62の両端面の内部に第3軸受け43がそれぞれ挿入されて固定される。そして、この2つの第3軸受け43に、第4軸受け44が挿入される。そして、第4軸受け44の両端部が固定リング52により第2案内板62の両端面と固定されて設置されている。第3軸受け43により、第4軸受け44は回動可能に支持固定される。そして、第4軸受け44により、保持部材ユニット25は回動および軸方向の移動を可能に支持固定される。
【0043】
また、支持部材30のフランジ31の上面と、第4軸受け44の下端面との間には、保持部材ユニット25に挿入された一対の座金53を介して、保持部材ユニット25に挿入されたコイルバネ55が設置されている。このコイルバネ55は、圧縮ばねとして形成され、支持部材30を下方向に付勢している。支持部材30は、このコイルバネ55により下方向に付勢(押圧)されて、巻取りコア608の軸方向の高さの違いに対応して、支持部材30が巻取りコア608に当接した場合の圧力を調整している。
【0044】
なお、シャフト20の上端部には、シャフト固定板57がネジ止め固定されている。このシャフト固定板57の外周に形成した溝部571に係合させて、図示省略する昇降部材が保持部材ユニット25を昇降させる。このように、搬送装置1は構成されて動作する。
【0045】
図5に示すように、保持部材10は、巻取りコア608を保持する部材であり、上述したように、棒状で略円柱形状をなして形成されている。詳細には、円柱形状の保持部材10は、巻取りコア608を保持するためのバネ部110と、シャフト20と接続して保持部材10を固定するための固定部120とにより構成されている。
【0046】
保持部材10の外形形状に関し、固定部120における外周の直径は均一に加工される。そして、バネ部110において、固定部120との境界部分は、固定部120の直径に対して小さく加工され、その後、バネ部110の先端方向に向かって除々に直径が拡大するように形成され、先端部111の近傍で直径が最大となるように形成されている。本実施形態では、保持部材10は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。
【0047】
このようなバネ部110において、先端部111近傍の直径が最大となる周辺領域が保持領域112となり、この保持領域112で巻取りコア608を保持することになる。また、保持領域112は、被搬送物である巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085に比べて大きい外形形状(本実施形態では直径)で形成されている。
【0048】
なお、内側形状6085に比べて大きい外形形状とは、仮に、保持領域112が撓むことがないことを前提に、中空領域Sに挿入した場合、内側形状6085に当たり、以降、挿入不可となる保持領域112の外形の大きさを、内側形状6085に比べて大きい外側形状としている。また、保持領域112の外側形状の大きさ(直径)は、内側形状6085の大きさ(保持領域112が保持する内側形状6085の部位の大きさ)や、保持領域112の撓みによる保持力などの兼ね合いで設定される。
【0049】
バネ部110は、先端部111から固定部120方向に外側形状が大きくなるテーパ部115を有して構成されている。詳細には、テーパ部115は、先端部111から保持領域112の直径が最大となる部位にかけて、円錐状に形成される。なお、先端部111の外形形状の大きさは、巻取りコア608の内側形状6085に比べて小さい外側形状となるように形成されている。また、バネ部110には、軸方向(先端部111から固定部120方向)で、軸中心(外形形状と同心円)に円柱形状に切り欠かれた中空領域113が形成されている。
【0050】
また、バネ部110には、軸を通り、軸に垂直に貫通し、軸方向に沿ってスリット状に切り欠いた形態となる切り欠き部114が形成されている。なお、この切り欠き部114は、互いに垂直となる2方向に形成されている。従って、バネ部110は、図5(b)に示すように、先端部111から4つに分割された形態となる。そして、分割された1つずつが、それぞれ切り欠き部114のスリット状の隙間(幅)を狭める方向(軸中心方向)に撓むことができ、撓むことで設定されたバネ特性を有することになる。なお、固定部120には、上述したように、上端面からネジ孔121が形成されており、このネジ孔121とシャフト20のネジ部21とが螺合して保持部材ユニット25が構成される。
【0051】
図6に示すように、支持部材30は、円柱形状に形成され、一端にフランジ31が形成されている。そして、支持部材30には、軸方向に外形形状と同心円で、貫通して切り抜かれた円柱形状の挿入孔32が形成されている。この支持部材30の先端部33から挿入孔32に保持部材ユニット25のシャフト20を挿入し、フランジ31側から突出させることで、支持部材30に対して、保持部材ユニット25を組立てる。なお、挿入孔32の内径は、シャフト20の外形および保持部材10の固定部120の外形に対して隙間がほぼ無く挿入できるように設定されている。本実施形態では、支持部材30は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。
【0052】
なお、保持部材ユニット25は、支持部材30に対して、支持部材30の先端部33から、初期的に設定された突出量となるように挿入される。この状態では、図4に示すように、保持領域112が支持部材30の先端部33から突出した状態となる。また、この状態において、4つに分割されたバネ部110は、それぞれスリット状の切り欠き部114の幅を狭める方向に若干撓んだ状態となっている。
【0053】
図7は、搬送装置が巻取りコアを保持した状態を示す概略側面図である。なお、図7は、図4と同様に、断面図により図示している。図7を参照して、搬送装置1を構成する保持部材10が、巻取りコア608を保持する場合の動作を説明する。なお、図7は、図4と同様の構成であるため、同様の構成には同様の符号を付記している。
【0054】
搬送装置1が巻取りコア608を保持する場合、搬送装置1が搬送装置1の下方に位置する巻取りコア608に向かって、下降を開始する。なお、このような動作の詳細は、後述する。下降を継続した場合、保持部材10の先端部111が、巻取りコア608の先端部6088から中空領域S内への挿入を開始する。本実施形態での保持部材10の先端部111の外形形状(外側形状)は、巻取りコア608の内側形状6085より小さく形成されている。従って、先端部111は、挿入初期において、巻取りコア608の中空領域Sに当接することなく挿入される。
【0055】
そして、保持部材10のテーパ部115が、巻取りコア608の突起部6084に当接して滑り、その後は、突起部6084に押圧されながら挿入が継続される。その後、突起部6084により形成される内側形状6085に保持部材10の保持領域112が当接する。実際には、保持領域112は、突起部6084の軸方向の先端部(突起先端部6084a)に当接する。そして、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接することで、搬送装置1の下降が停止する。
【0056】
これにより、保持部材10の4つに分割されたバネ部110(保持領域112)は、突起部6084の突起先端部6084aに当接することにより、それぞれスリット状の切り欠き部114の幅を、保持する前に比較して、更に狭める方向に撓んだ状態となっている。この状態により、保持部材10のバネ部110(保持領域112)は、所定の押圧力で、突起部6084の突起先端部6084aを押圧する。この押圧力が、巻取りコア608を保持する保持力となり、巻取りコア608を保持する。なお、保持部材10が巻取りコア608を保持した状態において、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088に当接した状態となっているため、巻取りコア608を安定して保持でき、以降で説明するように、保持した状態で、搬送(移動)などが行なえる。
【0057】
なお、巻取りコア608は、図示省略する供給装置から、初期的にステージ800(図8参照)の所定の場所に供給されて載置された形態となっている。そして、搬送装置1は、上述したように、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接した場合に下降を停止することになる。この場合、搬送装置1は、下降距離が設定されており、その下降距離だけ下降することになる。しかし、実際に下降した場合の下降距離には「ばらつき」が伴うため、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接した場合、搬送装置1が有する軸受け部材(第1軸受け41、第2軸受け42、第3軸受け43、第4軸受け44)により、保持部材ユニット25や巻取りコア608への衝撃を吸収している。
【0058】
図8は、搬送装置および搬送機構部を示す概略図であり、図8(a)は、搬送装置および搬送機構部の側面図であり、図8(b)は、搬送装置および搬送機構部の正面図である。図8を参照して、搬送機構部70の構成を説明する。なお、説明を理解し易くするために、座標系を用いて説明を行なう。また、併せて、図示省略する巻取りコア608を供給する供給装置により、ステージ800の所定の位置に供給された巻取りコア608も図示している。
【0059】
最初に、搬送装置1は、図4〜図7を用いて説明したように、ベースフレーム60と第1案内板61と第2案内板62とを有して構成され、また、第1案内板61と第2案内板62とにより、支持部材30や保持部材ユニット25などが回動および上下方向(Z軸方向)への移動が可能に支持固定されている。このような搬送装置1は、図8に示すように、搬送機構部70により支持固定されている。
【0060】
搬送機構部70は、搬送機構ベース部71と、搬送機構ベース部71に対して左右方向(X軸方向)への移動を行なう第1搬送機構部72と、この第1搬送機構部72に対して上下方向(Z軸方向)への移動を行なう第2搬送機構部73とで構成されている。なお、第1搬送機構部72、第2搬送機構部73を動作させる駆動源および動作を統括制御する制御部などは、図示省略している。
【0061】
ここで、搬送装置1のベースフレーム60は、ベースフレーム60と外形サイズが略等しい第2搬送機構部73に固定される。従って、搬送装置1は、第2搬送機構部73の動作(移動動作)に従動して移動することになる。また、第1搬送機構部72は、第2搬送機構部73をZ軸方向に移動可能に支持固定すると共に、搬送機構ベース部71に沿ってX軸方向に移動可能に搬送機構ベース部71に支持固定される。
【0062】
なお、図8に示す図は、搬送装置1の初期位置における図を示している。搬送装置1の初期位置では、図示省略する供給装置から供給された巻取りコア608の軸上でその上方向(+Z軸方向)に位置することになる。また、供給された巻取りコア608は、上述したように、搬送装置1により搬送される所定の位置とは異なる位置(ステージ800の所定の位置)に載置される。
【0063】
図9は、搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略の正面図であり、図9(a)は、搬送装置が巻取りコアを保持する状態を示す図であり、図9(b)は、巻取りコアを保持した状態で初期位置に戻る状態を示す図であり、図9(c)は、巻取りコアを搬送している途中の状態を示す図であり、図9(d)は、巻取りコアを搬送して所定の位置の上方向に位置した状態を示す図である。また、図10は、搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略図であり、図10(a)は、巻取りコアを所定の位置に位置させる状態を示す正面図であり、図10(b)は、巻取りコアを所定の位置で開放する状態を示す側面図であり、図10(c)は、巻取りコアを開放して所定の位置の上方向に位置した状態を示す正面図である。なお、図10(b)は、巻取りコアを開放する状態の図を、拡大した断面図で示している。図9、図10を参照して、搬送機構部70および搬送装置1の動作を説明する。
【0064】
図8に示す状態から、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、−Z軸方向に下降(矢印で示す)を開始する。そして、図7で説明したように、また、図9(a)に示すように、保持部材10の保持領域112が、ステージ800に載置された被搬送物としての巻取りコア608の突起先端部6084aを保持する。このとき、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088に当接する。
【0065】
搬送装置1が巻取りコア608を保持した後、図9(b)に示すように、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、+Z軸方向に上昇(矢印で示す)を開始する。巻取りコア608は、搬送装置1に保持され、ステージ800から放される。そして、第2搬送機構部73は、初期位置まで戻る。
【0066】
その後、図9(c)に示すように、第1搬送機構部72が、搬送機構ベース部71に対して、+X軸方向に移動(矢印で示す)を開始する。従って、第2搬送機構部73および第2搬送機構部73に固定される搬送装置1が、同様に移動を開始する。これにより、搬送装置1に保持された巻取りコア608も移動する。その後、図9(d)に示すように、第1搬送機構部72が、搬送機構ベース部71に対して、巻取りコア608を載置するステージ810の所定の位置の上方向(+Z軸方向)に位置した状態で停止する。
【0067】
その後、図10(a)に示すように、第2搬送機構部73が、第1搬送機構部72に対して、−Z軸方向に下降(矢印で示す)を開始する。そして、巻取りコア608がステージ810の所定の位置に当接した場合、第2搬送機構部73(搬送装置1)は下降を停止する。
【0068】
この場合、搬送装置1は、下降距離が設定されており、設定される下降距離だけ下降することになる。しかし、実際に下降した場合の下降距離には「ばらつき」が伴うため、巻取りコア608がステージ810の所定の位置に当接した場合、搬送装置1が有する軸受け部材(第1軸受け41、第2軸受け42、第3軸受け43、第4軸受け44)により、保持部材ユニット25や巻取りコア608への衝撃を吸収している。
【0069】
また、支持部材30は、巻取りコア608のステージ810への当接により、+Z軸方向に若干移動する。この移動をセンサ(図示省略)により検出し、巻取りコア608を開放する動作が開始される。
【0070】
図10(a)に示す状態で、巻取りコア608を開放する動作が開始された場合、シャフト固定板57の溝部571に係合させた図示省略する昇降部材が、図10(b)に示すように、シャフト固定板57を上方向(+Z軸方向)に移動(上昇)させる。この動作により、シャフト固定板57に固定される保持部材ユニット25が、従動して上方向(+Z軸方向)に移動(上昇)する。
【0071】
なお、このとき、保持部材ユニット25(保持部材10)を支持する支持部材30は、保持部材10が+Z軸方向に移動してもその位置を変化させない。すなわち、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088への当接を維持した状態で、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の挿入孔32内部に移動(+Z軸方向に移動)する動作を行なうことになる。なお、この動作により、保持部材10の保持領域112は、巻取りコア608を保持している撓み量に比較して、更に撓み量を増やす(更に撓む)ことになる。
【0072】
従って、支持部材30は、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に押圧した状態で、保持領域112が、+Z軸方向に移動することにより、巻取りコア608を保持していた保持領域112が巻取りコア608の突起先端部6084aへの当接を解除する(放す)。そして、保持部材10は、巻取りコア608の中空領域Sから離れる状態となる。この一連の動作により、巻取りコア608は、ステージ810の所定の位置に安定して載置されることになる。
【0073】
この後、昇降部材は、シャフト固定板57の上方向(+Z軸方向)への移動を停止することにより、シャフト固定板57を初期位置に戻す。この動作により、保持部材ユニット25も初期位置に戻り、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の先端部33から初期的に設定される突出量だけ突出する。そして、上述したように、保持部材10と支持部材30とにより、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に載置した場合、第2搬送機構部73が+Z軸方向の移動を開始し、図10(c)に示すように、搬送装置1を巻取りコア608の所定の位置の上方向(+Z軸方向)の位置(図9(d)に示す位置と同じ位置)に戻す。
【0074】
なお、巻取りコア608を載置した所定の位置の上方向(+Z軸方向)の位置(図9(d)に示す位置と同じ位置)に戻った後、第1搬送機構部72が搬送機構ベース部71に対して、−X軸方向の移動(図9(c)と逆方向の移動)を開始し、搬送装置1を初期位置(図8に示す位置)まで移動して停止する。
【0075】
上述したように、搬送装置1および搬送機構部70は、初期位置から移動を開始し、巻取りコア608を保持して、所定の位置に巻取りコア608を載置して、再度、初期位置に戻る搬送動作を1サイクルとして動作する。なお、搬送装置1が初期位置に戻る前に、供給装置からは、次の巻取りコア608がステージ800に載置されるため、搬送装置1および搬送機構部70は、上述したと同様の動作を繰り返すことにより、順次、巻取りコア608を保持、搬送し、ステージ810の所定の位置に載置する。
【0076】
また、ステージ810には、異なる搬送装置により繰出しコア607が載置されており、ステージ810の所定の位置に巻取りコア608が載置された後、繰出しコア607に巻回されたインクリボン606を、巻取りコア608に所定量を巻回する工程(インクリボンユニット620の製造工程)に移行する。その結果、図2(a)に示す繰出しコア607に巻回されたインクリボン606の一端部を剥がし、図2(b)に示す巻取りコア608の第1コア部6081の外周面に、剥がした一端部を貼り付け、所定量(所定長さ)を巻回して、図2(c)に示すインクリボンユニット620が製造される。
【0077】
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10と支持部材30とを有して構成されている。そして、保持部材10は、被搬送物としての巻取りコア608の中空領域Sを保持する保持領域112を有して略棒状に形成され、保持領域112を含み、スリット状の切り欠き部114が形成されることにより、先端部111が4つに分割されている。そして、支持部材30は、保持部材10を挿入して保持領域112を突出させる挿入孔32を有し、挿入孔32に挿入された保持部材10を移動可能に支持する。そして、保持部材10の先端部111を巻取りコア608の中空領域Sに挿入した場合、保持領域112が中空領域Sを形成する内側形状6085の部位(突起先端部6084a)に当接して撓むことになる。保持領域112が撓むことにより、保持領域112が撓む前の状態に戻ろうとする力が突起先端部6084aに押圧力として加わることにより、この力が巻取りコア608を保持する保持力となり、巻取りコア608を保持する。また、巻取りコア608を保持して、ステージ810の所定の位置に搬送した後、保持部材10は、支持部材30の挿入孔32に保持領域112を移動することにより、保持領域112を更に撓ませることにより、突起先端部6084aへの当接を解除する。この動作により、保持部材10は、巻取りコア608を放すことになり、巻取りコア608を所定の位置に載置することができる。
【0078】
このように、保持部材10に、保持領域112と切り欠き部114を一体で形成することにより、従来のように、バネ部材や爪部材などを別体で形成して保持部材を構成する必要が無くなり、簡易な構成で保持部材10を構成できる。また、保持部材10の先端部111が4つに分割されることにより、巻取りコア608の突起先端部6084aに安定して当接させることができるため、巻取りコア608を安定して保持することができ、搬送することができる。また、併せて、所定の位置に搬送した後、突起先端部6084aへの当接を安定して解除することができ、ステージ810の所定の位置に巻取りコア608を安定して載置することができる。
【0079】
(2)本実施形態の搬送装置1は、支持部材30の先端部33からの保持部材10の突出量(保持領域112の突出量)が初期的に設定されており、巻取りコア608を保持部材10の保持領域112が保持する場合、支持部材30の先端部33が、巻取りコア608の先端部6088に当接する。これにより、搬送装置1は、巻取りコア608を更に安定させて保持することができる。
【0080】
(3)本実施形態の搬送装置1は、巻取りコア608をステージ810の所定の位置に載置する場合、保持部材10の保持領域112が、支持部材30の挿入孔32内部に移動(+Z軸方向に移動)して巻取りコア608の突起先端部6084aの当接を解除するまで、支持部材30の先端部33は、巻取りコア608の先端部6088への当接を維持する。これにより、搬送装置1は、巻取りコア608を、ステージ810の所定の位置に傾きなどが無く、安定して載置することができる。
【0081】
(4)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10の先端部111が、巻取りコア608の内側形状6085より小さい外側形状に形成されるため、保持部材10を巻取りコア608の中空領域Sに挿入する場合、巻取りコア608の内側形状6085の部位に当たることなく中空領域Sに挿入することができる。また、挿入した後は、テーパ部115により、内側形状6085の部位を滑り、保持部材10の中空領域Sへの挿入の継続を滑らかに行なうことができる。
【0082】
(5)本実施形態の搬送装置1は、スリット状の切り欠き部114が保持部材10を貫通して形成されることにより、貫通させずに加工する場合に比べて、切り欠き部114の加工を容易に行なうことができる。
【0083】
(6)本実施形態の搬送装置1は、保持部材10には、軸方向に円柱形状の中空領域113が形成されることにより、先端部111が複数に分割される保持領域112を含む保持部材10のバネとしての力を容易に調整できるため、保持領域112を撓めて巻取りコア608を保持する場合の、保持力の設定を行ない易くすることができる。
【0084】
(7)本実施形態の搬送装置1において、保持部材10は、棒状となる丸棒の金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成することができるため、加工が容易である。そして、本実施形態のように巻取りコア608の中空領域Sを形成する内側形状6085が軸対称となっているものに対して、安定して保持や搬送や開放が行なえる。
【0085】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0086】
(変形例1)前記実施形態において、切り欠き部114により、保持部材10のバネ部110は4つに分割された形態としている。しかし、これに限られず、4つ以外の複数に分割することでもよく、被搬送物の中空領域の内側形状に合わせて、適宜設定することでよい。
【0087】
(変形例2)前記実施形態において、保持部材10とシャフト20とを合わせて保持部材ユニット25を構成しているが、これに限られず、搬送装置1の大きさに併せて、保持部材10を長く形成することで、シャフト20を使用しないことでもよい。
【0088】
(変形例3)前記実施形態において、保持部材10は、略棒状に形成され、実際には丸棒となる金属部材を加工(切削)して形成されている。しかし、これに限られず、丸棒以外の棒状の部材で形成してもよい。また、金属部材でなく、合成樹脂の部材を用いて、加工(切削)や成形で形成してもよい。
【0089】
(変形例4)前記実施形態において、保持部材10は、略棒状に形成され、実際には丸棒となる金属部材を軸対称に加工して外形形状を形成している。しかし、これに限られず、軸対称でなくてもよい。保持する被搬送物の中空領域の内側形状に対応させて、保持部材の外形形状を適宜決めることができる。
【0090】
(変形例5)前記実施形態においては、被搬送物を巻取りコア608として実施しているが、このような被搬送物に限られず、他の中空領域を有する被搬送物に対して実施しても同様の効果が得られる。
【0091】
なお、本発明を実施するための最良の形態を、上記記載で開示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示し、かつ、説明しているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対し、詳細な構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形(変更ならびに改良)を加えることができるものである。従って、詳細な構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形を加えることにより実施する場合も本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施形態に係るテープカートリッジの概略斜視図。
【図2】繰出しコアおよび巻取りコアを示す概略斜視図であり、(a)はインクリボンが巻回された繰出しコアを示す斜視図であり、(b)はインクリボンが巻回される前の巻取りコアを示す斜視図であり、(c)は繰出しコアに巻回されるインクリボンが巻取りコアに巻回された状態を示す斜視図。
【図3】巻取りコアを説明する図であり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は側断面図であり、(c)は下方から見た平面図。
【図4】搬送装置を示す概略側面図。
【図5】搬送装置の保持部材を示す図であり、(a)は保持部材の断面図であり、(b)は保持部材を下方から見た平面図。
【図6】支持部材の断面図。
【図7】搬送装置が巻取りコアを保持した状態を示す概略側面図。
【図8】搬送装置および搬送機構部を示す概略図であり、(a)は搬送装置および搬送機構部の側面図であり、(b)は搬送装置および搬送機構部の正面図。
【図9】搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略の正面図であり、(a)は搬送装置が巻取りコアを保持する状態を示す図であり、(b)は巻取りコアを保持した状態で初期位置に戻る状態を示す図であり、(c)は巻取りコアを搬送している途中の状態を示す図であり、(d)は巻取りコアを搬送して所定の位置の上方向に位置した状態を示す図。
【図10】搬送機構部および搬送装置の動作を示す概略図であり、(a)は巻取りコアを所定の位置に位置させる状態を示す正面図であり、(b)は巻取りコアを所定の位置で開放する状態を示す側面図であり、(c)は巻取りコアを開放して所定の位置の上方向に位置した状態を示す正面図。
【図11】従来の搬送装置の要部を示す概略断面図であり、(a)は従来の保持部材を示す概略断面図であり、(b)は従来の保持部材で巻取りコアを保持した状態を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0093】
1…搬送装置、10…保持部材、20…シャフト、25…保持部材ユニット、30…支持部材、32…挿入孔、33…先端部、60…ベースフレーム、61…第1案内板、62…第2案内板、70…搬送機構部、71…搬送機構ベース部、72…第1搬送機構部、73…第2搬送機構部、110…バネ部、111…先端部、112…保持領域、113…中空領域、114…切り欠き部、115…テーパ部、120…固定部、600…テープカートリッジ、606…インクリボン、607…繰出しコア、608…巻取りコア、620…インクリボンユニット、6085…内側形状、6088…先端部、S…中空領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した前記被搬送物を放す動作を行なう搬送装置であって、
前記被搬送物の前記中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成され、前記保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、前記一方の先端部が複数に分割される保持部材と、
前記保持部材を挿入して前記保持領域を突出させる挿入孔を有し、当該挿入孔に挿入された前記保持部材を移動可能に支持する支持部材と、を有して構成され、
前記保持部材は、前記一方の先端部を前記被搬送物の前記中空領域に挿入し、前記保持領域が前記中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことで前記被搬送物を保持し、また、前記保持部材は、前記支持部材の前記挿入孔に前記保持領域を移動することにより、前記保持領域を更に撓ませることで前記内側形状の前記部位への当接を解除して前記被搬送物を放すことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記保持部材が前記被搬送物を保持する場合には、前記支持部材は、前記挿入孔から前記保持領域を突出させる側となる前記支持部材の先端部を、前記被搬送物の先端部に当接させることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の搬送装置であって、
前記保持部材が前記被搬送物を放す場合には、前記支持部材の前記先端部は、前記保持部材の前記保持領域が前記内側形状の前記部位への当接を解除するまで、前記被搬送物の前記先端部への当接を維持することを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記保持部材は、前記一方の先端部が前記被搬送物の前記内側形状より小さい外側形状に形成され、また、前記一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記スリット状の切り欠き部は、前記保持部材を貫通して形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記保持部材の前記一方の先端部には、前記スリット状の切り欠き部の他に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項1】
中空領域を有する被搬送物を保持し、また、保持した前記被搬送物を放す動作を行なう搬送装置であって、
前記被搬送物の前記中空領域を保持する保持領域を有して略棒状に形成され、前記保持領域を含み、一方の先端部から他方の端部に向かってスリット状の切り欠き部が形成されることにより、前記一方の先端部が複数に分割される保持部材と、
前記保持部材を挿入して前記保持領域を突出させる挿入孔を有し、当該挿入孔に挿入された前記保持部材を移動可能に支持する支持部材と、を有して構成され、
前記保持部材は、前記一方の先端部を前記被搬送物の前記中空領域に挿入し、前記保持領域が前記中空領域を形成する内側形状の部位に当接して撓むことで前記被搬送物を保持し、また、前記保持部材は、前記支持部材の前記挿入孔に前記保持領域を移動することにより、前記保持領域を更に撓ませることで前記内側形状の前記部位への当接を解除して前記被搬送物を放すことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記保持部材が前記被搬送物を保持する場合には、前記支持部材は、前記挿入孔から前記保持領域を突出させる側となる前記支持部材の先端部を、前記被搬送物の先端部に当接させることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の搬送装置であって、
前記保持部材が前記被搬送物を放す場合には、前記支持部材の前記先端部は、前記保持部材の前記保持領域が前記内側形状の前記部位への当接を解除するまで、前記被搬送物の前記先端部への当接を維持することを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記保持部材は、前記一方の先端部が前記被搬送物の前記内側形状より小さい外側形状に形成され、また、前記一方の先端部から他端方向に外側形状が大きくなるテーパ部を有して形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記スリット状の切り欠き部は、前記保持部材を貫通して形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記保持部材の前記一方の先端部には、前記スリット状の切り欠き部の他に、軸方向に円柱形状の中空領域が形成されていることを特徴とする搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−262263(P2009−262263A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113472(P2008−113472)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]