説明

搬送装置

【課題】円滑な輸送が行える搬送装置を提供する。
【解決手段】パレット9の移動経路に設置した初速用駆動ベルト29、加速用駆動ベルト30、減速用駆動ベルト31、及び終速用駆動ベルト32を、前側走行ローラ7と無段変速機構16の部材の間に割り込ませて前側走行ローラ7の回転数を増減し、パレット9を無段階的に加減速させるとともに、パレット9の姿勢を変化させて連続した踏面を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動く歩道に利用可能な搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な動く歩道は、乗り口から降り口に至るまで搬送速度が一定であり、搬送速度が低いと、利用者がベルトやパレットなど移動部材上を歩き出してしまい、反対に搬送速度を高くすると、特に高齢者や幼児などの乗り降りが難しくなる。このような問題の解消を図るために、ベルトを用いた可変速方式の動く歩道、またはパレットを用いた可変速方式の動く歩道が提案されている。
【0003】
ベルトを用いた可変速方式の動く歩道としては、3組以上の無端条の搬送ベルトを搬送方向に縦列配置したもがある(例えば、特許文献1参照)。乗り口側の搬送ベルト、中間部分の搬送ベルト、降り口側の搬送ベルトを備えた事例では、乗り口側と降り口側の搬送ベルトの周回速度を、利用者が容易に乗り降りできるように低く設定し、中間部分の搬送ベルトを周回速度を、乗り口側や降り口側の搬送ベルトのよりも高く設定して軽快な移動を利用者に提供する。
【0004】
また、パレットを用いた可変速方式の動く歩道としては、搬送方向に伸縮可能な多数の台板(パレット)を電磁連結し、乗り口から降り口へと移動させるものがある(例えば、特許文献2参照)。台板は、親台板の下側に2枚の伸縮台板を搬送方向へ摺動できるように取り付けた構造を採っている。
【0005】
乗り口付近においては、伸縮台板が親台板の下側に格納された状態の台板を、低速度で移動させる。乗り口の先で台板を伸長させて加速し、伸びきった状態の台板を一高速度で移動させる。降り口の手前で台板を縮小させて減速し、降り口付近においては、伸縮台板が親台板の下側に格納された状態の台板を、低速度で移動させる。
【0006】
そして、降り口からリターン経路に台板を転向させる際、及びリターン経路から乗り口に台板を転向させる際には、台板相互の電磁連結を解除する。
【特許文献1】特開2000−177962号公報
【特許文献2】特開平8−20483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の動く歩道では、搬送経路の途中で利用者が周回速度の異なる搬送ベルトを乗り継がなければならず、円滑な輸送が行えるとは言えない。
【0008】
特許文献2の動く歩道では、隣接する台板を電磁連結し且つ連結を解くための機構を設けなければならず、また、伸縮可能な構造の台板の耐久性が懸念される。
【0009】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、可変速機能を有し、円滑な輸送が行える搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
乗り口から降り口へ延びる往路案内レールと、該往路案内レールの真下に設けた復路案内レールと、往路案内レール及び復路案内レールに導かれて転動する走行ローラを装着した多数のパレットと、往路案内レールの終端から復路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる降り口側スプロケットと、復路案内レールの終端から往路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる乗り口側スプロケットとを備え、乗り口から降り口に向けてパレットを連なった状態で移動させる搬送装置であって、
走行ローラの支持軸をパレット側方へ延長し、走行ローラの端面にローラ外縁からローラ中心に向けてローラ側方へ突出する第1の傾斜面を形造り、走行ローラよりも外径が小さく且つ第1の傾斜面に一体化されて支持軸延長部分を周方向に取り囲む支持筒を設け、走行ローラの第1の傾斜面に対称な第2の傾斜面を有する中空状の無段変速部材の内部に、走行ローラ転動方向への空転を許容しないワンウェイクラッチを介して移動筒を嵌め込み、該移動筒を支持筒に軸線方向にだけ変位可能に外嵌させたうえ、移動筒を走行ローラ側へ付勢するバネを設け、
乗り口付近に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の初速用駆動ベルトを、該初速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて初速用駆動ベルトを周回させるようにし、
乗り口の先に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の加速用駆動ベルトを、該加速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒に次第に近づくように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて加速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口の手前に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の減速用駆動ベルトを、該減速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒から次第に離れるように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて減速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口付近に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の終速用駆動ベルトを、該終速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて終速用駆動ベルトを周回させるようにし、
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に、乗り口側から降り口側へ向けてパレットを高速移動させる往路駆動機構を設け、
降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に、降り口側から乗り口側へ向けてパレットを高速移動させる復路駆動機構を設けている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
乗り口から降り口へ延びる第1、第2の往路案内レールと、これら往路案内レールの真下に設けた第1、第2の復路案内レールと、第1の往路案内レール及び第1の復路案内レールに導かれて転動する前側走行ローラを装着し且つ第2の往路案内レール及び第2の復路案内レールに導かれて転動する後側走行ローラを装着した多数のパレットと、第1、第2の往路案内レールの終端から第1、第2に復路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる降り口側スプロケットと、第1、第2の復路案内レールの終端から第1、第2の往路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる乗り口側スプロケットとを備え、乗り口から降り口に向けてパレットを連なった状態で移動させる搬送装置であって、
前側走行ローラの支持軸をパレット側方へ延長し、前側走行ローラの端面にローラ外縁からローラ中心に向けてローラ側方へ突出する第1の傾斜面を形造り、前側走行ローラよりも外径が小さく且つ第1の傾斜面に一体化されて支持軸延長部分を周方向に取り囲む支持筒を設け、前側走行ローラの第1の傾斜面に対称な第2の傾斜面を有する中空状の無段変速部材の内部に、前側走行ローラ転動方向への空転を許容しないワンウェイクラッチを介して移動筒を嵌め込み、該移動筒を支持筒に軸線方向にだけ変位可能に外嵌させたうえ、移動筒を前側走行ローラ側へ付勢するバネを設け、
乗り口付近に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の初速用駆動ベルトを、該初速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて初速用駆動ベルトを周回させるようにし、
乗り口の先に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の加速用駆動ベルトを、該加速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒に次第に近づくように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて加速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口の手前に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の減速用駆動ベルトを、該減速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒から次第に離れるように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて減速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口付近に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の終速用駆動ベルトを、該終速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて終速用駆動ベルトを周回させるようにし、
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に、乗り口側から降り口側へ向けてパレットを高速移動させる往路駆動機構を設け、
降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に、降り口側から乗り口側へ向けてパレットを高速移動させる復路駆動機構を設け、
初速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第1の往路案内レールを第2の往路案内レールの下方に位置させ、
加速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なるように、第1の往路案内レールの上下方向位置を第2の往路案内レールに近づけ、
減速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なるように、第2の往路案内レールの上下方向位置を第1の往路案内レールから離し、
終速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第2の往路案内レールを第1の往路案内レールの下方に位置させている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
先行するパレットの後端部分と次位のパレットの前端部分が、前後方向へ相対移動可能に嵌合するように構成している。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に周回可能な無端条のチェーンを張り渡し、当該チェーンの乗り口側から降り口側へ進む部分にパレットが係合し得るように構成して往路駆動機構とし、降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に周回可能な無端条のチェーンを張り渡し、当該チェーンの降り口側から乗り口側へ進む部分にパレットが係合し得るに構成して復路駆動機構としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の搬送装置によれば、下記のような優れた効果を奏し得る。
【0015】
(1)パレット移動経路に設置した初速用駆動ベルト、加速用駆動ベルト、減速用駆動ベルト、及び終速用駆動ベルトを、走行ローラと無段変速部材の間に割り込ませて走行ローラの回転数を増減し、パレットを無段階的に加減速するので、高齢者や幼児がパレットに容易に乗り降りできる。
【0016】
(2)複数のパレットを後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように低速で移動させ、更に、複数のパレットを次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なるように加速した後、複数のパレットを次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なるように減速し、複数のパレットを前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように低速で移動させるので、パレットが加減速しても搬送経路の全長にわたって連続した略平坦な踏面が形成され、円滑な輸送が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0018】
図1〜図13は本発明の搬送装置の一例であって、乗り口ステップ1の直下から降り口ステップ2の直下へ延びる第1、第2の往路案内レール3,4と、これら往路案内レール3,4の真下に設けた第1、第2の復路案内レール5,6と、第1の往路案内レール3及び第1の復路案内レール5に導かれて転動する前側走行ローラ7を装着し且つ第2の往路案内レール4及び第2の復路案内レール6に導かれて転動する後側走行ローラ8を装着した多数のパレット9と、第1、第2の往路案内レール3,4の終端から第1、第2の復路案内レール5,6の起端へ順にパレット9を転向させる降り口側スプロケット10と、第1、第2の復路案内レール5,6の終端から第1、第2の往路案内レール3,4の起端へ順にパレット9を転向させる乗り口側スプロケット11とを備え、乗り口ステップ1から降り口ステップ2に向けてパレット9を連なった状態で移動させる(図1等参照)。
【0019】
第2の往路案内レール4、第2の復路案内レール6は、搬送方向に見てパレット9移動経路の左右両側に配置され、また、第1の往路案内レール3、第1の復路案内レール5は、搬送方向に見てパレット移動経路を中心に前記第2の往路案内レール4、第2の復路案内レール6の外側に配置してある。更に、降り口側スプロケット10、乗り口側スプロケット11は、搬送方向に見て左右の第1の往路案内レール3、第1の復路案内レール5の外側に配置してある(図2〜図4参照)。
【0020】
パレット9は、側方から見るとパレット前後方向中心線Pに対して前方F側へより長く突出する偏平した台形状で且つ上方から見ると狭幅の噛合部材12と、側方から見るとパレット前後方向中心線Pに対して後方R側へより長く突出する偏平した台形状で且つ上方から見ると狭幅の噛合部材13とを、幅方向に交互に並べて一体化したものである(図5〜図8等参照)。
【0021】
パレット9の前端部では噛合部材12,12の間に空隙14が形成され、パレット9の後端部では噛合部材13,13の間に空隙15が、前記空隙14と逆位相で形成されている。そして、先行するパレット9の後端部の空隙15に次位のパレット9の噛合部材12の前端部が入り込むとともに、次位のパレット9の前端部の空隙14に先行するパレット9の噛合部材13の後端部が入り込んで、パレット9が前後方向へ相対移動可能に嵌合することになる。
【0022】
乗り口ステップ1はパレット9後端側の空隙15に応じた櫛歯を有し、降り口ステップ2はパレット9前端側の空隙14に応じた櫛歯を有している。
【0023】
前側走行ローラ7及び後側走行ローラ8はパレット9の左右に取り付けられ、前側走行ローラ7には無段変速機構16が付帯している。
【0024】
無段変速機構16は、前側走行ローラ7の支持軸17をパレット9側方へ延長し、前側走行ローラ7の端面にローラ外縁からローラ中心に向けてローラ側方へ突出する第1の傾斜面18を形造り、前側走行ローラ7よりも外径が小さく且つ第1の傾斜面18に一体化されて支持軸17延長部分を周方向に取り囲む支持筒19を設け、前側走行ローラ7の第1の傾斜面18に対称な第2の傾斜面20を有する中空状の無段変速部材21の内部に、前側走行ローラ7転動方向への空転を許容しないワンウェイクラッチ22を介して移動筒23を嵌め込み、該移動筒23をキー24により支持筒19に軸線方向にだけ変位可能に外嵌させたうえ、移動筒23を前側走行ローラ7側へ付勢するバネ25を設け、支持軸17の先端部分に枢支した転向ローラ26でバネ25を受ける構成としてある(図9、図10等参照)。なお、37は前側走行ローラ7のベアリング、38は転向ローラ26のベアリングである。
【0025】
無段変速機構16は、転向ローラ26が降り口側スプロケット10に噛み合って、第1の往路案内レール3を経てきた前側走行ローラ7を第1の復路案内レール5へと導く役割と、転向ローラ26が乗り口側スプロケット11に噛み合って、第1の復路案内レール5を経てきた前側走行ローラ7を第1の往路案内レール3へと導く役割を担う(図1、図11、図12等参照)。
【0026】
左右の降り口側スプロケット10の略半周には、前側走行ローラ7をスプロケット周方向に導く転向レール27aが、第1の復路案内レール5に連なるように設けてあり、左右の乗り口側スプロケット11の略半周には、前側走行ローラ7をスプロケット周方向に導く転向レール28aが、第1の往路案内レール3に連なるように設けてある(図1〜図3等参照)。
【0027】
左右の降り口側スプロケット10の間には、後側走行ローラ8をスプロケット周方向に導く転向レール27bが、第2の往路案内レール4、第2の復路案内レール6に連なるように設けてあり、左右の乗り口側スプロケット11の間には、後側走行ローラ8をスプロケット周方向に導く転向レール28bが、第2の復路案内レール6、第2の往路案内レール4に連なるように設けてある(図1〜図3等参照)。
【0028】
乗り口ステップ1付近に第1の往路案内レール3に沿って周回可能な上下一対の無端条の初速用駆動ベルト29を、該初速用駆動ベルト29が前記前側走行ローラ7と無段変速部材21の間に上下双方から割り込んで第1、第2の傾斜面18,20に接するとともに、駆動ベルト29外周面が支持筒19に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ7転動方向に合わせて初速用駆動ベルト29を周回させるようしている(図1左側部分参照)。
【0029】
初速用駆動ベルト29を設けた区間では、複数のパレット9が後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なり得るように(パレット9の後端面が踏面になる)、第1の往路案内レール3を第2の往路案内レール4の下方に位置させている(図2参照)。
【0030】
乗り口ステップ1の先に第1の往路案内レール3に沿って周回可能な上下一対の無端条の加速用駆動ベルト30を、該加速用駆動ベルト30が前記前側走行ローラ7と無段変速部材21の間に上下双方から割り込んで第1、第2の傾斜面18,20に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト30外周面が支持筒19に次第に近づくように張り渡したうえ、前側走行ローラ7転動方向に合わせて加速用駆動ベルト30を周回させるようにしている(図1左側部分参照)。
【0031】
加速用駆動ベルト30を設けた区間では、複数のパレット9が次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なり得るように、第1の往路案内レール3の上下方向位置を次第に第2の往路案内レール4に近づけている(図2参照)。
【0032】
但し、第1の往路案内レール3の上下位置が第2の往路案内レール4に並ぶ個所では、各パレット9の支持軸17が下側から上側へ通り抜け可能な「切り欠き」を第2の往路案内レール4に形成するとともに、支持軸17通過時に持ち上げられ且つ自重によって閉じて後側走行ローラ8が転動可能な蓋部材47を前記開口に設けている(図2参照)。
【0033】
降り口ステップ2の手前に第1の往路案内レール3に沿って周回可能な上下一対の無端条の減速用駆動ベルト31を、該減速用駆動ベルト31が前記前側走行ローラ7と無段変速部材21の間に上下双方から割り込んで第1、第2の傾斜面18,20に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト31外周面が支持筒19から次第に離れるように張り渡したうえ、前側走行ローラ7転動方向に合わせて減速用駆動ベルト31を周回させるようにしている(図1右側部分参照)。
【0034】
減速用駆動ベルト31を設けた区間では、複数のパレット9が次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なり得るように、第2の往路案内レール4の上下方向位置を第1の往路案内レール3から次第に下方へ離している。
【0035】
降り口ステップ2付近に第1の往路案内レール3に沿って周回可能な上下一対の無端条の終速用駆動ベルト32を、該終速用駆動ベルト32が前記前側走行ローラ7と無段変速部材21の間に上下双方から割り込んで第1、第2の傾斜面18,20に接するとともに、駆動ベルト32外周面が支持筒19に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ7転動方向に合わせて終速用駆動ベルト32を周回させるようにしている(図1右側部分参照)。
【0036】
終速用駆動ベルト32を設けた区間では、複数のパレット9が前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なり得るように(パレット9の前端面が踏面になる)、第2の往路案内レール4を第1の往路案内レール3の下方に位置させている。(図3参照)
【0037】
上述した初速用駆動ベルト29、加速用駆動ベルト30、減速用駆動ベルト31、終速用駆動ベルト32は、無段変速機構16を介して前側走行ローラ7を回転させる役割を担う(図1、図9、図10参照)。
【0038】
更に、加速用駆動ベルト30と減速用駆動ベルト31の間に、一対のスプロケット39,39によって周回可能な無端条のローラチェーン40を、第1、第2の往路案内レール3,4の下方に位置するように張り渡し、該ローラチェーン40にパレット9に係合可能な突起を設けて、乗り口側から降り口側へ向けてパレット9を高速移動させる往路駆動機構としている(図1参照)。
【0039】
また、降り口側スプロケット10と乗り口側スプロケット11の間に、一対のスプロケット41,41によって周回可能な無端条のローラチェーン42を、第1、第2の復路案内レール5,6の上方に位置するように張り渡し、該ローラチェーン42に、パレット9に係合可能な突起を設けて、降り口側から乗り口側へ向けてパレット9を高速移動させる復路駆動機構としている(図1参照)が、前記ローラチェーン40,42を無端条につなぎ、往路及び復路で一体型の駆動機構にしてもよい。
【0040】
各パレット9の支持軸17には、前側リンク43及び後側リンク44のそれぞれの基端部分が揺動可能に取り付けてあり、前側リンク43及び後側リンク44のそれぞれの先端部分は連接部分となって姿勢調整ローラ45が枢支されている。この姿勢調整ローラ45は、パレット9の周回経路の内方に配置した無端条の姿勢調整レール46により案内される(図2〜図5参照)
【0041】
初速用駆動ベルト29を設けた区間では、隣接するパレット9の前側走行ローラ7の間隔が狭まり、複数のパレット9が後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第1の往路案内レール3の下方に姿勢調整レール46を位置させている。
【0042】
加速用駆動ベルト30を設けた区間では、隣接するパレット9の前側走行ローラ7の間隔が徐々に拡がり、複数のパレット9が次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なるように、第1の往路案内レール3に姿勢調整レール46を徐々に近づけている。
【0043】
減速用駆動ベルト31を設けた区間では、隣接するパレット9の前側走行ローラ7の間隔が徐々に狭まり、複数のパレット9が次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なるように、第1の往路案内レール3から姿勢調整レール46を徐々に離している。
【0044】
終速用駆動ベルト32を設けた区間では、隣接するパレット9の前側走行ローラ7の間隔が狭まり、複数のパレット9が前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第1の往路案内レール3の下方に姿勢調整レール46を位置させている。
【0045】
初速用駆動ベルト29、加速用駆動ベルト30、減速用駆動ベルト31、並びに終速用駆動ベルト32を周回させる機構の原理は同じであるので、加速用駆動ベルト30を代表例として説明すると、加速用駆動ベルト30は、一対のプーリ33,33及び加速用駆動ベルト30の側面を無段変速機構16の第1、第2の傾斜面18,20に押し当てるための手段に巻き掛けられ、一方のプーリ33をモータで回転させると等速で周回する。
【0046】
加速用駆動ベルト30の側面を無段変速機構16の第1、第2の傾斜面18,20に押し当てるための手段は、プーリ33よりも無段変速機構16の移動経路側に配置した一対のスプロケット34,34に無端状のローラチェーン35を巻き掛け、スプロケット34,34の間にローラチェーン35の内周面に当接する合成樹脂製等の当て棒36を組み込み、この当て棒36をバネでローラチェーン35側に付勢することにより、無段変速機構16の第1、第2の傾斜面18,20に加速用駆動ベルト30の側面を、上方あるいは下方から押し当てる(図9、図10、図13等参照)。
【0047】
初速用駆動ベルト29は、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト29外周面の支持筒19に相対する部位が、当該支持筒19に一定の間隔を保つように張り渡してあるので、駆動ベルト29側面と第1、第2の傾斜面18,20とが接する位置は変化せず、前側走行ローラ7の回転数は比較的低い一定の値(初速)に保たれる(図9参照)。これにより、パレット9は後端面が上方を向いた姿勢を保ちながら低い速度で移動し、初速用駆動ベルト29が設けられている区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって押し出され、加速用駆動ベルト30が設けられている区間に入る。
【0048】
加速用駆動ベルト30は、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト30外周面の支持筒19に相対する部位が、当該支持筒19に次第に近づくように張り渡してあるので、無段変速機構16が降り口側へ進むのに伴い、加速用駆動ベルト30がバネ25に抗して第1、第2の傾斜面18,20の間隔を少しずつ拡げ、駆動ベルト30側面と第1、第2の傾斜面18,20とが接する位置が、前側走行ローラ7及び無段変速部材21の回転中心に近づき、この位置変化により前側走行ローラ7の回転数が漸次高くなる。これにより、パレット9は次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって加速されながら移動し、駆動ベルト30外周面が支持筒19に最も接近した状態で最速になる(図10参照)。
【0049】
加速用駆動ベルト30が設けられている区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって押し出され、往路駆動機構のローラチェーン40が設けられている区間に入り、該ローラチェーン40に牽引されて高い速度で移動する。ローラチェーン40設置区間に入ったパレット9は、リンク43,44を介してローラチェーン40設置区間に未到達の後続のパレット9を引っ張る。ローラチェーン40設置区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって送り出され、減速用駆動ベルト31が設けられている区間に入る。
【0050】
減速用駆動ベルト31は、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト31外周面の支持筒19に相対する部位が、当該が支持筒19から次第に離れるように張り渡してあるので、減速用駆動ベルト31が設けられている区間にパレット9が入った直後には、駆動ベルト31側面が高い周速で回転している第1、第2の傾斜面18,20の外縁部分に急激に接し、減速用駆動ベルト31がバネ25に抗して第1、第2の傾斜面18,20の間隔を急激に拡げるとともに、無段変速部材21を一時的に空転させることになる。
【0051】
駆動ベルト31外周面が支持筒19に最も接近した状態(図10参照)になる直前まで、駆動ベルト31側面が第2の傾斜面20に接した無段変速部材21は、該無段変速部材21と移動筒23の間にワンウェイクラッチ22を介在させてあるため、一時的に空転した後、減速用駆動ベルト31に追従して前側走行ローラ7よりも低い周速で回転する。このとき、前側走行ローラ7は僅かずつ周速を低減させながらも第1の往路案内レール3を転動し、駆動ベルト31側面が第1の傾斜面18を摺動する。
【0052】
そして、駆動ベルト31外周面が支持筒19に最も接近した後は、無段変速機構16が降り口側へ進むのに伴い、バネ25が第1、第2の傾斜面18,20の間隔を少しずつ縮めて、駆動ベルト30側面と第1、第2の傾斜面18,20とが接する位置が無段変速部材21の回転中心から離れ、この位置変化により前側走行ローラ7の回転数が漸次低くなり、また、パレット9が次第に前端面が上方を向いた姿勢になる。減速用駆動ベルト31が設けられている区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって送り出され、終速用駆動ベルト32が設けられている区間に入る。
【0053】
終速用駆動ベルト32は、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト32外周面の支持筒19に相対する部位が、当該支持筒19に一定の間隔を保つように張り渡してあるので、駆動ベルト32側面と第1、第2の傾斜面18,20とが接する位置は変化せず、前側走行ローラ7の回転数は比較的低い一定の値(終速)に保たれる(図9参照)。これにより、パレット9は後端面が上方を向いた姿勢を保ちながら低い速度で移動し、初速用駆動ベルト29が設けられている区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって送り出され、降り口ステップ2の下方を経て降り口側スプロケット10へ進む。
【0054】
この後、無段変速機構16の転向ローラ26が降り口側スプロケット10に噛み合い、第1の往路案内レール3を経てきた前側走行ローラ7が転向レール27aにより第1の復路案内レール5へ導かれるとともに、第2の往路案内レール4を経てきた後側走行ローラ8が転向レール27bにより第2の復路案内レール6に導かれて、パレット9は利用者が載る踏面が下向きの姿勢になる。
【0055】
転向ローラ26が降り口側スプロケット10から外れたパレット9は、後続する他のパレット9によって送り出され、復路駆動機構のローラチェーン42が設けられている区間に入り、該ローラチェーン42に牽引されて高い速度で移動する。ローラチェーン42設置区間に入ったパレット9は、リンク43,44によってローラチェーン40設置区間に未到達の後続のパレット9を引っ張る。
【0056】
ローラチェーン42設置区間を通り過ぎたパレット9は、後続する他のパレット9によって送り出され、乗り口側スプロケット11へ進み、この後、無段変速機構16の転向ローラ26が乗り口側スプロケット11に噛み合う。更に、転向ローラ26が乗り口側スプロケット11に噛み合ったパレット9は、リンク43,44によって後続のパレット9を引っ張る。
【0057】
転向ローラ26が乗り口側スプロケット11に噛み合うと、第1の復路案内レール5を経てきた前側走行ローラ7が転向レール28aにより第1の往路案内レール3へ導かれるとともに、第2の復路案内レール6を経てきた後側走行ローラ8が転向レール28bにより第2の往路案内レール4に導かれて、パレット9は前端面が上方を向いた姿勢になる。
【0058】
本発明では、初速用駆動ベルト29、加速用駆動ベルト30、減速用駆動ベルト31、及び終速用駆動ベルト32を、前側走行ローラ7と無段変速部材21の間に割り込ませて、前側走行ローラ7の回転数を増減し、パレット9を無段階的に加減速するので、高齢者や幼児がパレット9に容易に乗り降りできる。
【0059】
また、複数のパレット9を後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように低速で移動させ、更に、複数のパレット9を次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なるように加速した後、複数のパレット9を次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なるように減速し、複数のパレット9を前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように低速で移動させるので、パレット9が加減速しても連続した踏面が形成され円滑な輸送が行える。
【0060】
なお、本発明の搬送装置は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の搬送装置は、人をはじめとして、物品の輸送にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の搬送装置の一例を示す概念図である。
【図2】図1に関連する乗り口付近の拡大図である。
【図3】図1に関連する降り口付近の拡大図である。
【図4】パレットの平面図である。
【図5】パレットの斜視図である。
【図6】図5のA−A矢視図である。
【図7】図5のB−B矢視図である。
【図8】図5のC−C矢視図である。
【図9】無段変速機構の低速時の断面図である。
【図10】無段変速機構の高速時の断面図である。
【図11】乗り口付近でのパレットの姿勢を示す斜視図である。
【図12】降り口付近でのパレットの姿勢を示す斜視図である。
【図13】駆動ベルトの周回機構を示す概念図である。
【符号の説明】
【0063】
1 乗り口ステップ
2 降り口ステップ
3 第1の往路案内レール
4 第2の往路案内レール
5 第1の復路案内レール
6 第2の復路案内レール
7 前側走行ローラ
8 後側走行ローラ
9 パレット
10 降り口側スプロケット
11 乗り口側スプロケット
17 支持軸
18 第1の傾斜面
19 支持筒
20 第2の傾斜面
21 無段変速部材
22 ワンウェイクラッチ
23 移動筒
25 バネ
29 初速用駆動ベルト
30 加速用駆動ベルト
31 減速用駆動ベルト
32 終速用駆動ベルト
40 ローラチェーン
42 ローラチェーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り口から降り口へ延びる往路案内レールと、該往路案内レールの真下に設けた復路案内レールと、往路案内レール及び復路案内レールに導かれて転動する走行ローラを装着した多数のパレットと、往路案内レールの終端から復路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる降り口側スプロケットと、復路案内レールの終端から往路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる乗り口側スプロケットとを備え、乗り口から降り口に向けてパレットを連なった状態で移動させる搬送装置であって、
走行ローラの支持軸をパレット側方へ延長し、走行ローラの端面にローラ外縁からローラ中心に向けてローラ側方へ突出する第1の傾斜面を形造り、走行ローラよりも外径が小さく且つ第1の傾斜面に一体化されて支持軸延長部分を周方向に取り囲む支持筒を設け、走行ローラの第1の傾斜面に対称な第2の傾斜面を有する中空状の無段変速部材の内部に、走行ローラ転動方向への空転を許容しないワンウェイクラッチを介して移動筒を嵌め込み、該移動筒を支持筒に軸線方向にだけ変位可能に外嵌させたうえ、移動筒を走行ローラ側へ付勢するバネを設け、
乗り口付近に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の初速用駆動ベルトを、該初速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて初速用駆動ベルトを周回させるようにし、
乗り口の先に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の加速用駆動ベルトを、該加速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒に次第に近づくように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて加速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口の手前に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の減速用駆動ベルトを、該減速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒から次第に離れるように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて減速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口付近に往路案内レールに沿って周回可能な無端条の終速用駆動ベルトを、該終速用駆動ベルトが前記走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、走行ローラ転動方向に合わせて終速用駆動ベルトを周回させるようにし、
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に、乗り口側から降り口側へ向けてパレットを高速移動させる往路駆動機構を設け、
降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に、降り口側から乗り口側へ向けてパレットを高速移動させる復路駆動機構を設けたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
乗り口から降り口へ延びる第1、第2の往路案内レールと、これら往路案内レールの真下に設けた第1、第2の復路案内レールと、第1の往路案内レール及び第1の復路案内レールに導かれて転動する前側走行ローラを装着し且つ第2の往路案内レール及び第2の復路案内レールに導かれて転動する後側走行ローラを装着した多数のパレットと、第1、第2の往路案内レールの終端から第1、第2の復路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる降り口側スプロケットと、第1、第2の復路案内レールの終端から第1、第2の往路案内レールの起端へ順にパレットを転向させる乗り口側スプロケットとを備え、乗り口から降り口に向けてパレットを連なった状態で移動させる搬送装置であって、
前側走行ローラの支持軸をパレット側方へ延長し、前側走行ローラの端面にローラ外縁からローラ中心に向けてローラ側方へ突出する第1の傾斜面を形造り、前側走行ローラよりも外径が小さく且つ第1の傾斜面に一体化されて支持軸延長部分を周方向に取り囲む支持筒を設け、前側走行ローラの第1の傾斜面に対称な第2の傾斜面を有する中空状の無段変速部材の内部に、前側走行ローラ転動方向への空転を許容しないワンウェイクラッチを介して移動筒を嵌め込み、該移動筒を支持筒に軸線方向にだけ変位可能に外嵌させたうえ、移動筒を前側走行ローラ側へ付勢するバネを設け、
乗り口付近に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の初速用駆動ベルトを、該初速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて初速用駆動ベルトを周回させるようにし、
乗り口の先に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の加速用駆動ベルトを、該加速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒に次第に近づくように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて加速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口の手前に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の減速用駆動ベルトを、該減速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、乗り口側から降り口側に向けて駆動ベルト外周面が支持筒から次第に離れるように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて減速用駆動ベルトを周回させるようにし、
降り口付近に第1の往路案内レールに沿って周回可能な無端条の終速用駆動ベルトを、該終速用駆動ベルトが前記前側走行ローラと無段変速部材の間に割り込んで第1、第2の傾斜面に接するとともに、駆動ベルト外周面が支持筒に一定の間隔を保つように張り渡したうえ、前側走行ローラ転動方向に合わせて終速用駆動ベルトを周回させるようにし、
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に、乗り口側から降り口側へ向けてパレットを高速移動させる往路駆動機構を設け、
降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に、降り口側から乗り口側へ向けてパレットを高速移動させる復路駆動機構を設け、
初速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが後端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第1の往路案内レールを第2の往路案内レールの下方に位置させ、
加速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが次第に前端面が降り口側を向いた姿勢になって連なるように、第1の往路案内レールの上下方向位置を第2の往路案内レールに近づけ、
減速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが次第に前端面が上方を向いた姿勢になって移動方向に重なるように、第2の往路案内レールの上下方向位置を第1の往路案内レールから離し、
終速用駆動ベルトを設けた区間において、複数のパレットが前端面が上方を向いた姿勢で移動方向に重なるように、第2の往路案内レールを第1の往路案内レールの下方に位置させたことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
先行するパレットの後端部分と次位のパレットの前端部分が、前後方向へ相対移動可能に嵌合するように構成した請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項4】
加速用駆動ベルトと減速用駆動ベルトの間に周回可能な無端条のチェーンを張り渡し、当該チェーンの乗り口側から降り口側へ進む部分にパレットが係合し得るように構成して往路駆動機構とし、降り口側スプロケットと乗り口側スプロケットの間に周回可能な無端条のチェーンを張り渡し、当該チェーンの降り口側から乗り口側へ進む部分にパレットが係合し得るに構成して復路駆動機構とした請求項1〜請求項3のいずれかに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−13200(P2010−13200A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172092(P2008−172092)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【特許番号】特許第4369982号(P4369982)
【特許公報発行日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(508198498)
【Fターム(参考)】