説明

搬送設備

【課題】本発明は、チェーンが切断される恐れを回避するために、チェーンに予め弛みを持たせる必要がある搬送設備において、緊急停止を実現できる搬送設備を提供することを目的とする。
【解決手段】本体フレームの搬送方向上流端および下流端に回転自在に設けた左右一対のスプロケット38,39と、左右一対の上流端のスプロケット38と下流端のスプロケット39と間にそれぞれ、スプロケット39からの復路側に弛みを持たせて張設された左右一対の無端チェーン40と、左右の無端チェーン40間に渡って設けられ物品を支持する複数の物品支持体を備え、設備を停止するとき、制動装置32は上流端のスプロケット38を制動し、サーボアンプ61は、エンコーダ33から出力されるパルスを回転指令値としてサーボモータ34を駆動し、下流端のスプロケット39をスプロケット38に同期して停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば物品の搬送を行うために用いられる搬送設備、特にコンベヤ設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンベヤ設備として、スラット上に物品を支持して搬送するスラットコンベヤ設備や、スラットに案内されて左右方向へ移動するスライドシューの作用によりスラット上の物品を左右に移動あるいは搬出する転換設備(仕分けコンベヤ設備)がある。
【0003】
前記転換設備の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されている転換設備は、次のように構成されている。
物品の搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して配置された本体フレームを備え、前記本体フレームの搬送方向上流端に配置した左右一対の従動用スプロケットと前記本体フレームの搬送方向下流端に配置した左右一対の駆動用スプロケットとの間にそれぞれチェーンを張設し、これら左右のチェーン間に渡って前記物品を支持する複数のガイドバー(スラットに相当する)を複数取り付け、各ガイドバーにガイドバーに案内されて左右方向に往復移動自在な可動体(スライドシューに相当する)を設ける。そして、駆動用モータにより前記駆動用スプロケットを回動し、前記チェーンを駆動することによって、チェーンに連結されたガイドバーを移動させ、ガイドバーに支持された物品を搬送している。
【0004】
このような転換設備において、各チェーンの長さを従動用スプロケットと駆動用スプロケットとの間を往復する長さとして、従動用スプロケットと駆動用スプロケットとの間に弛みなく張った状態としていると、現状、物品を搬送する搬送速度が高速化され、かつ搬送距離が長くなりガイドバーの数が増加し重くなっていることから、1本あるいは数本のガイドバーに何らかの原因で機械的に制動がかかったときにこれらガイドバーを駆動しているチェーンに急激にストレスがかかり、チェーンが損傷を受ける恐れがある。
【0005】
そこで、各チェーンの長さを、従動用スプロケットと駆動用スプロケットとの間を往復する長さに、一定の長さを加えた長さとして、各チェーンに一定の弛み(ゆとり)を持たせている。この弛みにより、ガイドバー(スラット)に何らかの原因で機械的に制動がかかったときに、ガイドバーを駆動しているチェーンは急停止することなく移動することができ、よってチェーンにかかるストレスが緩和され、チェーンが損傷を受ける恐れを回避している。
【0006】
このようなチェーンの弛みは、チェーンの往路側には、回動される下流端の駆動用スプロケットにより引っ張られていることから構造上表れないが、駆動用スプロケットから戻るときに表れ、復路側のチェーンに予め弛みを持たせた構成になる。そして、この復路側のチェーンの弛みを原因として、駆動用スプロケットの下方にチェーンの垂れ下がりが発生する。特許文献1では、このチェーンの垂れ下がりを原因として発生する騒音を防止するため、下垂防止手段を提案している。
【特許文献1】特開2005−225590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように物品を搬送する搬送速度が高速化され、かつ搬送距離が長くなりガイドバーの数が増加したコンベヤ設備ではチェーンに弛みを持たせることは必要であるが、復路側のチェーンに弛みを持たせたことを原因として、上記チェーンの垂れ下がりを原因として発生する騒音以外に、次の問題がある。
【0008】
すなわち、非常に希ではあるが、駆動用モータを急停止すると、上流の従動用スプロケットが慣性によりすぐに停止しないことから、ガイドバー(スラット)を下流側へ押し続け(チェーンを下流側へ押し続け)、このとき下流の駆動用スプロケットが停止しているため、下流側でチェーンがバタツキ(踊って)大きな異音し、ガイドバーの皺寄せができ、最悪の場合、下流の駆動用スプロケットからチェーンが脱線する恐れがある。なお、このときチェーンに損傷が発生する恐れは少ない。
【0009】
この対策として、駆動用モータの急速な停止を避け、駆動用モータに10〜15秒の減速時間を持たせてゆっくりチェーンを停止させ、搬送設備をゆっくり停止させている。このように、ゆっくり搬送設備を停止することを余儀なくされており、通常の停止時には問題がないが、緊急停止に対応できず、物品の搬送中に異常が発生したときに異常状態が拡大する恐れがあるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、チェーンを弛みなく張設した際に発生する恐れがあるチェーンの損傷を回避するため、予めチェーンに弛みを持たせた搬送設備において、上記異音やチェーンの脱線等の不具合を発生させることなく、緊急に停止することができる搬送設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品の搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して配置された本体フレームと、前記本体フレームの搬送方向上流端に回転自在に設けた左右一対の第1輪体と、前記本体フレームの搬送方向下流端に回転自在に設けた左右一対の第2輪体と、前記左右一対の第1輪体と第2輪体と間にそれぞれ、前記第2輪体からの復路側に弛みを持たせて張設された左右一対の無端回動体と、前記左右の無端回動体間に渡って設けた前記物品を支持する複数の物品支持体を備え、前記各物品支持体の左右端部をそれぞれ、前記左右一対の無端回動体に連結し、前記無端回動体を駆動することによって、前記物品支持体を前記搬送方向へ移動させ、前記物品支持体に支持された物品を搬送する搬送設備であって、前記第1輪体を制動する制動装置と、前記第1輪体の回転軸に連結され、1回転当たり予め設定された数のパルスを出力するエンコーダと、前記第2輪体の回転軸に連結され、前記第2輪体を駆動するサーボモータと、前記第2輪体の回転指令値に相当する指令パルスと前記サーボモータに付属するエンコーダからフィードバックされるパルスに基づいて前記サーボモータを駆動するサーボアンプを備え、前記物品支持体の移動を停止するとき、前記制動装置は前記第1輪体を制動し、前記サーボアンプは、前記指令パルスに代えて前記第1輪体の回転軸に連結されたエンコーダから出力されるパルスを回転指令値として前記サーボモータを駆動し、前記第2輪体を前記第1輪体に同期して停止することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、物品支持体の移動させて通常運転するときには、下流端の第2輪体がサーボモータによって回転指令値に相当する指令パルスに応じて所定の回転数で回動され、無端回動体は第2輪体に引っ張られ移動し、両無端回動体の移動によって物品支持体群は移動され、始端部の物品支持体群上に供給された物品は搬送される。このとき往路側の無端回動体のテンションは一定に制御される。
【0013】
そして物品支持体の移動を停止するときには、制動装置によりまず上流端の第1輪体が制動されて急停止され、このとき搬送している負荷(物品の重量と速度による負荷)の慣性力に応じて減衰していく第1輪体の回転数はエンコーダにより検出され、この減衰していくパルスを指令パルスとしてサーボモータが駆動され、第2輪体が前記第1輪体に同期して急停止される。よって第1輪体および第2輪体を急停止させたときに往路側の無端回動体のテンションが一定に維持され、よって無端回動体が有する弛みを原因とする上記バタツキや異音の発生が防止され、輪体から脱線することが防止される。その結果、何ら不具合なく第1輪体および第2輪体を急停止することができ、搬送設備の緊急停止を実現できる。またテンションを常に一定にできることにより、無端回動体へのストレスを少なくでき、無端回動体の伸びが抑えられ、長寿命化が図られる。また制動装置を使用することにより、搬送設備を確実に停止できる。
【0014】
なお、負荷(搬送している物品の重量と速度による負荷)により慣性力が異なることから、制動装置により同じ制動をかけても第1輪体が停止するまでの時間は変動する。したがって、第2輪体を前記第1輪体に同期して停止させずに、第1輪体の制動と同時に停止すると、第1輪体が停止するまでに移動する無端回動体が下流側でバタツキ(踊って)大きな異音し、物品支持体の皺寄せができ、最悪の場合、下流の第2輪体から無端回動体が脱線する恐れが生じる。
【0015】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記第1輪体の回転軸に連結されるエンコーダとして、前記サーボモータに付属するエンコーダと1回転当たり同じ数のパルスを出力するエンコーダを選択することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、第1輪体の回転軸に連結されるエンコーダの出力パルスの積算を、サーボモータに付属するエンコーダの出力パルスの積算に合わせて行う必要がなくなる。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各物品支持体にそれぞれ、この物品支持体に外嵌して案内され物品支持体上の物品の側方に作用する物品横押し体を設け、前記各物品横押し体を前記物品支持体に案内することにより、前記物品支持体上の物品の側方に前記物品横押し体を作用させて前記物品を左右方向へ移動させることを可能としたことを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、物品横押し体が物品支持体に案内されると、物品横押し体は、物品支持体上の物品の側方に作用して物品を左右方向へ移動させる。このように物品横押し体が移動している際に、物品が何らかの原因で移動できなくなり物品横押し体が物品支持体に案内されなくなると、物品支持体が浮き上がるという異常が発生するが、このようなときに搬送設備を緊急停止することができることにより、搬送している物品に損傷が拡大すること、物品横押し体や物品支持体に損傷が拡大することが防止される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の搬送設備は、停止させるとき制動によりまず上流端の第1輪体が急停止され、このとき第1輪体のエンコーダから出力され、減衰していくパルスを指令パルスとしてサーボモータが駆動され、第2輪体が前記第1輪体に同期して急停止されることにより、急停止時の際の無端回動体のバタツキや異音の発生を防止でき、輪体からの脱線を防止でき、その結果、何ら不具合なく緊急停止を実現できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、搬送設備の一例として、転換設備について説明する。
図2〜図8において、1は物品Dの搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して配置された本体フレームであり、本体フレーム1は、主搬送経路Aに沿って左右に配置された左右一対の上位フレーム材10と、上位フレーム材10と対向してその下方に配置された左右一対の下位フレーム材20と、下位フレーム材20から下方に連設した脚体3群と、上位フレーム材10と下位フレーム材20との間を上下で連結する複数の縦連結部材4と、左右の上位フレーム材10間を左右で連結し、左右の下位フレーム材20間を左右で連結する複数の横連結部材5などにより構成される。
【0020】
上位フレーム材10には、長さ方向の全長に亘って内側に、後述する物品支持体50を支持案内する往路側案内レール部18が形成され、また下位フレーム材20には、長さ方向の全長に亘って中間内側に、物品支持体50を支持案内する復路側案内レール部21が形成され、この復路側案内レール部21の上方に位置して、物品支持体50の横向き案内面となる上端延長部22が形成されている。
【0021】
また上位フレーム材10と下位フレーム材20との間には、側部外方を覆う、障子落とし込み形式の側カバー(側部カバー)8が設けられ、側カバー8の外面には操作用の把手9が設けられている。
【0022】
上記のように構成された本体フレーム1の搬送方向上流端(始端部)には左右方向に従動軸30が回転自在に配設され、また本体フレーム1の搬送方向下流端(終端部)には左右方向に駆動軸31が回転自在に配設されている。そして、従動軸30に、従動軸30の回転を制動するディスクブレーキやドラムブレーキ等からなる制動装置(ブレーキ装置)32、および従動軸30の1回転当たり予め設定された数のパルスを出力するエンコーダ33が連動連結され、また駆動軸31に、サーボモータ34が連動連結されている。なお、制動装置32の制動トルクは、通常搬送している物品Dの重量と速度による負荷が掛かっている状態で従動軸30を停止できるトルクに設定されている。また前記エンコーダ34として、サーボモータ34に付属するエンコーダ34aと1回転当たり同じ数のパルスを出力するエンコーダを選択している。
【0023】
前記従動軸30の両端には相対向して、左右一対の従動用スプロケット(第1輪体の一例)38が連結され、従動用スプロケット38は、通常運転時はフリーな状態とされ、停止時に従動軸(回転軸)30に連結された制動装置32により制動される。
【0024】
また駆動軸31の両端には相対向して、左右一対の駆動用スプロケット(第2輪体の一例)39が連結され、駆動用スプロケット39は、駆動軸(回転軸)31に連結されたサーボモータ34により駆動される。
【0025】
そして、これら搬送方向上流端に回転自在に設けた左右の従動用スプロケット38と搬送方向下流端に回転自在に設けた左右の駆動用スプロケット39との間にそれぞれ、左右一対の無端チェーン(無端回動体の一例)40が張設されている。これら左右一対の無端チェーン40の長さはそれぞれ、上流端の従動用スプロケット38と下流端の駆動用スプロケット39との間を往復する長さに一定の長さを加えた長さとしており、無端チェーン40に一定の弛み(ゆとり)を持たせている。
【0026】
この無端チェーン40の弛みは、無端チェーン40の往路側には、構造上表れないが、下流端の駆動用スプロケット39から戻るときに表れ、復路側の無端チェーン40に予め弛みを持たせた構成となり、この弛みを原因として下流端の駆動用スプロケット39の下方に位置する復路側の無端チェーン40は下垂しようとする。この復路側のチェーン40の下垂を防止する下垂防止手段が、図4に示すように、下位フレーム材20の搬送方向下流側に設けられている。下垂防止手段は、例えば案内用スプロケット42、支持板43、ベルト体45、バランスウエイト46などから構成されている。
【0027】
上記支持板43は、本体フレーム1の下位フレーム材20に固定される位置を固定点Mとし、この固定点Mを支点として上下動自在に設けられ、駆動用スプロケット39の下方に回り込んできた、後述する物品支持体50の左右の回転体57をそれぞれ支持する。また上記案内用スプロケット42は、下流端の駆動用スプロケット39の搬送方向下流側で斜め下方位置に配置されており、各支持板43の湾曲部を、駆動用スプロケット39から下方に回り込んできた左右の回転体57とともに挟み込んでいる。また上記ベルト体45は、一端が固定点Mに固定され、固定点Mから支持板43の下面および案内用スプロケット42の上面に沿って案内用スプロケット42の下方位置まで設けられ、支持板43を下方から支持する。また上記バランスウエイト46は、ベルト体45の他端に連結されている。
【0028】
上記下垂防止手段の構成によれば、無端チェーン40と連結され、支持板43の湾曲部に着地する左右の回転体57は、無端チェーン40の下垂により支持板43を下方へ押圧するため、支持板43とともに支持板43を下方から支持するベルト体45は固定点Mを支点として下降する。このとき、ベルト体45は、ベルト体45の他端に事前に連結されたバランスウエイト46の重さ(重力)により、ベルト体45および支持板43を上方へ移動させようとするため、回転体57による支持板43の湾曲部の斜め下方向への移動に伴う案内用スプロケット42の回転が抑制され、すなわち支持板43の下降が抑制される。このように、復路側の無端チェーン40を支持している支持板43が下降する際、ベルト体45およびバランスウエイト46により支持板43の下降が抑制されるため、復路側の無端チェーン40の下垂が防止されている。
【0029】
また上記左右の無端チェーン40間に渡って物品Dを支持する物品支持体(スラット)50が多数取り付けられている。
前記物品支持体50は、両無端チェーン40の移動方向となる主搬送経路Aに対して直交した方向を長さ方向51として配設されており、各物品支持体50にはそれぞれ、この物品支持体50に外嵌して案内されることで前記長さ方向51に移動自在で、物品支持体50上の物品Dの側方に作用する物品横押し体52が設けられている。
【0030】
各物品横押し体52の下部側には、被案内体として、ローラ軸53が垂設され、このローラ軸53の突出下部に、案内ローラ54が遊転自在に取り付けられ、その際にローラ軸53は、案内ローラ54に対して所定長さ下方に突出するように構成されている。
【0031】
また前記物品支持体50は、型レール状に構成されており、長さ方向51の両端には、それぞれ外方へ突出する筒状体56が取り付けられている。この筒状体56に無端チェーン40をピン等を使用して結合することで、物品支持体50の両端が、それぞれ無端チェーン40に連結されている。また前記各筒状体56には、外周部がウレタンからなる上記回転体57が外嵌され、これら回転体57は、前記上位フレーム材10の往路側案内レール部18と下位フレーム材20の復路側案内レール部21の上向き支持面に支持案内される。また物品支持体50の両端部には外周部がウレタンからなるサイドローラ58が遊転自在に設けられ、これらサイドローラ58は、上位フレーム材10の往路側案内レール部18の横向き案内面と下位フレーム材20の上端延長部22の横向き案内面に案内される。
【0032】
また図1に示すように、下流端の駆動用スプロケット39を回転駆動するサーボモータ34を駆動するサーボアンプ61と、このサーボアンプ61に対して、回転指令値に相当する指令パルスを発振し出力する発振器62と、この発振器62にサーボモータ34の目標の周波数指令値を指令するコントローラ24が設けられている。また上流端の従動軸30(従動用スプロケット38)を制動する制動装置32は、前記コントローラ24により直接駆動される。
【0033】
コントローラ24には、操作員が操作する搬送の起動スイッチ25と停止スイッチ26の操作信号、物品Dの搬送時に発生する異常を検出する各種のセンサ類27の異常検出信号が入力され、コントローラ24は、起動スイッチ25の起動操作信号により、サーボアンプ61に対して起動指令を出力し、発振器62に所定の加速度で増加させて目標の周波数指令値を指令し、停止スイッチ(具体的には、緊急(非常)停止スイッチであり、通常の停止スイッチとは別に設けられたものである)26の停止操作信号またはセンサ類27の異常検出信号により、制動装置32へ駆動指令を出力し、サーボアンプ61に対して停止指令を出力する。
【0034】
前記サーボアンプ61には、前記コントローラ24により入力される起動指令信号によりセットされ、停止指令信号によりリセットされるフリップフロップ64が設けられ、このフリップフロップ64により駆動されるリレイ65が設けられている。このリレイ65のa接点は、起動指令信号により閉動作し、停止指令信号により開動作し、リレイ65のb接点は、起動指令信号により開動作し、停止指令信号により閉動作する。またサーボアンプ61には、リレイ65の接点により切換えられて、発振器62から発振される回転指令値に相当する指令パルスまたはエンコーダ33の出力パルスを積算し、積算値(溜りパルス)を出力し、サーボモータ34に付属するエンコーダ34aからパルスがフィードバックされると、前記積算値からフィードバックされたパルスを減算して積算値を出力する偏差カウンタ66と、偏差カウンタ66の積算値(溜りパルス)を直流アナログ電圧に変換するD/A変換器67と、D/A変換器67から出力された直流アナログ電圧を指令値とする電流によりサーボモータ34を駆動するドライバ68が設けられている。なお、偏差カウンタ66は、上流端の従動用スプロケット38の回転軸に連結されるエンコーダ33として、サーボモータ34に付属するエンコーダ34aと1回転当たり同じ数のパルスを出力するエンコーダを選択していることにより、エンコーダ33の出力パルスの積算を、サーボモータ34に付属するエンコーダ34aの出力パルスの積算に合わせて変更する必要はない。
【0035】
上記構成により、コントローラ24よりサーボアンプ61に起動指令が入力されると、フリップフロップ64がセットされ、リレイ65のa接点により回転指令値に相当する指令パルスが選択され、この指令パルスおよびフィードバックされるサーボモータ34に付属のエンコーダ34aからの出力パルスに基づいてサーボモータ34が回転駆動されて、コントローラ24から出力される回転指令値で駆動用スプロケット39が駆動され、よって駆動用スプロケット39を介して無端チェーン40が所定速度で駆動され、物品支持体50が上流から下流方向へ移動され、物品Dが搬送される。
【0036】
またコントローラ24より停止指令が出力されると、制動装置32が駆動されて従動軸30が制動され急停止され、上流端の従動用スプロケット38に設けられたエンコーダ33より出力されるパルスは減衰する。このとき同時にサーボアンプ61に停止指令が入力され、フリップフロップ64がリセットされ、リレイ65のb接点により前記エンコーダ33より出力されるパルスが選択され、この減衰していくエンコーダ33の出力パルスおよびフィードバックされるサーボモータ34に付属のエンコーダ34aからの出力パルスに基づいてサーボモータ34が回転駆動され、サーボモータ34は急停止し、下流端の駆動用スプロケット39は上流端の従動用スプロケット38に同期して急停止し、往路側の無端チェーン40のテンションが一定に制御されて停止される。
【0037】
なお、負荷(搬送している物品Dの重量と速度による負荷)により慣性力が異なることから、制動装置32により同じ制動をかけても上流端の従動用スプロケット38が停止するまでの時間は変動する。したがって、下流端の駆動用スプロケット39を上流端の従動用スプロケット38に同期して停止させずに、下流端の駆動用スプロケット39の制動と同時に停止すると、停止していない上流端の従動用スプロケット38の作用により下流側で無端チェーン40がバタツキ(踊って)大きな異音し、物品支持体50の皺寄せができ、最悪の場合、下流端の駆動用スプロケット39から無端チェーン40が脱線する恐れが生じる。
【0038】
また図2および図3に示すように、本体フレーム1の片側外方には、主搬送経路Aに対して外方かつ下手側へと傾斜した複数の分岐経路B,Cを形成する分岐コンベヤ85が設けられる。これら分岐コンベヤ85は、コンベヤフレームに多数のローラを支持させることで構成される。
【0039】
そして、複数の分岐経路B,C毎にそれぞれ、図7に示すように、上位フレーム材10に連結される横連結部材5に、前記案内ローラ54の案内を行う往路案内装置90が配設されている。
【0040】
各往路案内装置90は、始端部の片側(分岐経路B,Cとは反対の側)に設けられて物品横押し体52の案内ローラ54を案内する始端案内部91と、この始端案内部91の終端に配置されて物品横押し体52を直進または内側方向へ振り分ける振り分け手段92と、振り分け手段92により振り分けられた物品横押し体52の案内ローラ54を案内し他方の側(分岐経路B,C側)へ到る移動案内部93と、この移動案内部93の終端に配設されて物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内する終端案内部94と、前記振り分け手段92より振り分けされずに直進する物品横押し体52の案内ローラ54を案内する直線状の中間案内部95とから構成されている。
【0041】
前記振り分け手段92は、次のように構成されている。
前記始端案内部91により幅寄せられた案内ローラ54が案内される調心体120が設けられている。この調心体120は、案内ローラ54を案内して幅方向(左右方向)で自動的に調心(センタリング案内)する被案内体案内部分121と、ローラ軸53を案内して幅方向で自動的に調心(センタリング案内)する支持軸案内部分122とから構成されており、支持軸案内部分122は、被案内体案内部分121の中に位置される状態で、その下部に幅狭のガイド溝形状に形成されている。
【0042】
この調心体120により、被案内体案内部分121により案内ローラ54が調心案内されている途中から支持軸案内部分122によりローラ軸53は調心案内され、ローラ軸53を連続的に振り分け案内体124へ案内される。
【0043】
振り分け案内体124は、ローラ軸53を振り分け案内可能であって、後述するブロック体123に対して縦軸心126の回りに揺動自在に連結され、この振り分け案内体124に、シリンダ装置130のピストンロッド132が連動されている。またシリンダ装置130に対する給排油制御のためのソレノイドバルブ装置136が設けられている。また振り分け案内体124の揺動量を規制する揺動量規制手段140として、左右一対のゴム(緩衝材)製ストッパー体143が設けられている。
【0044】
この振り分け案内体124を、シリンダ装置130を動作させて縦軸心126の周りに揺動させることにより、ローラ軸53が振り分け案内され、ブロック体123へ導かれる。
【0045】
ブロック体123は、案内ローラ54を移動案内部93または中間案内部95へ案内する被案内体振り分け部分151,152と、ローラ軸53を移動案内部93または中間案内部95へ案内する支持軸振り分け部分153とから構成されており、支持軸振り分け部分153は、被案内体案内部分151,152の中に位置される状態で、その下部に形成されている。
【0046】
振り分け案内体124により主搬送経路Aの方向へ直進するように案内されたローラ軸53は、支持軸振り分け部分153のローラ軸直進案内面153aに案内され、また案内ローラ54が被案内体振り分け部分151のローラ直進案内面151aおよび被案内体振り分け部分152のローラ直進案内面152aに案内され、ローラ軸53および案内ローラ54は直進案内される。これにより物品横押し体52は物品Dに作用せず、この物品Dは主搬送経路A上を直進状に搬送される。
【0047】
また、振り分け案内体124により分岐経路B,Cの方向へ傾斜するように案内されたローラ軸53は、支持軸振り分け部分153のローラ軸傾斜案内面153bに傾斜案内され、また案内ローラ54が被案内体振り分け部分152のローラ傾斜案内面152bに傾斜案内され、続いて移動案内部93に案内されて内側へ移動される。これにより物品横押し体52は、搬送方向に移動しながら主搬送経路Aを横切ることになり、物品Dに横押し作用して、この物品Dを、その向きを変えながら、主搬送経路Aに対して傾斜状で分岐移動させ、他方の分岐コンベヤ85に渡す。このように、往路案内装置90により、物品横押し体52は主搬送経路Aまたは分岐経路B,Cへ振り分けられる。
【0048】
また図8に示すように、下位フレーム材20の横連結部材5に、復路案内装置96が配設されている。この復路案内装置96は、物品横押し体52の案内ローラ54を前記片側(分岐経路B,Cとは反対の側)へ戻す(案内する)、他方の側(分岐経路B,C側)から下手側ほど内側へと傾斜し片側(分岐経路B,Cとは反対の側)へ到る移動案内部97と、この移動案内部97の終端に配設され、物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内する案内体98とから構成されている。
【0049】
上記搬送装置の構成による、物品Dの搬送および分岐の動作を説明する。
操作員が、起動スイッチ25を操作すると、コントローラ24は、サーボアンプ61へ起動指令を出力し、発振器62へ予め設定された周波数で加速し予め設定された周波数(回転数)となる周波数指令値を出力する。
【0050】
すると発振器62は、この入力した周波数指令値に基づいて一定の加速度で設定された周波数のパルス列をサーボアンプ61へ出力し、サーボアンプ61はこの入力したパルス列に基づいてサーボモータ34を駆動し、駆動軸31を介して駆動用スプロケット39を強制回転させることで、両無端チェーン40を所定速度で移動させ、物品Dの搬送速度を予め設定された搬送速度で制御する。このとき、サーボモータ34に付属のエンコーダ34aよりパルス列がフィードバックされていることにより、正確に予め設定された搬送速度に制御される。また往路側の両無端チェーン40は下流端の駆動用スプロケット39側へ引っ張られることにより、往路側の両無端チェーン40のテンションは一定とされる。
【0051】
そして、両無端チェーン40の移動によって物品支持体50群は、回転体57を介して往路側案内レール部18および復路側案内レール部21の上向き支持面に支持案内されるとともに、サイドローラ58を介して往路側案内レール部18および上端延長部22の横向き案内面に案内されることで、安定した状態で移動される。これにより物品支持体50群が循環移動することから、始端部の物品支持体50群上に供給された物品Dは主搬送経路Aに沿って搬送される。また下流端では、下垂防止手段により上述したように復路側の無端チェーン40の下垂が防止される。
【0052】
このような搬送を行う際に、物品支持体50群と一体的に移動する物品横押し体52は、その案内ローラ54が往路案内装置90群、復路案内装置96に案内されることによって、物品支持体50の長さ方向51に往復移動したり、物品支持体50とともに主搬送経路Aに沿って直線状に移動し、物品支持体50上の物品Dの側方に作用して物品Dを分岐経路B,C側へ搬出する。その際に物品横押し体52の往復移動は、物品支持体50に案内される状態で、すなわち、好適な摺接摩擦が生じた状態で、ガタつきがなく、かつ姿勢(向き)を大きく変化させることなく、常に安定して行える。
【0053】
たとえば往路案内装置90において、一方側の始端案内部91に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段92(振り分け案内体124)が直線状振り分け姿勢のときに直進案内され、そして案内作用を受けない状態で直進されることになる。これにより物品横押し体52は物品Dに作用せず、この物品Dは主搬送経路A上を直進状に搬送される。また、始端案内部91に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段92(振り分け案内体124)が傾斜状振り分け姿勢のときに内側へ傾斜案内され、そして移動案内部93に案内されて内側へ移動され、物品横押し体52は物品Dの側方に作用して物品Dは分岐経路B,C側へ搬出される。
【0054】
そして、操作員により停止スイッチ26が操作されると、あるいはセンサ類27により異常が検出されると、コントローラ24は、上流側の制動装置32を駆動し、同時にサイドアンプ61へ停止指令を出力する。
【0055】
すると、制動装置32により、通常運転時はフリー状態の上流側の従動軸30は制動され確実に急停止し(従来の減速時間を設けることなく停止し)、下流側のサーボモータ34は、従動軸30に連結され減衰していくエンコーダ33の出力パルスに同期して急停止し、駆動軸31は急停止する(従来の減速時間を設けることなく停止する)。なお、停止する時間は、上記負荷により異なるが、略3秒以内とされ、従来の10〜15秒として大幅に短縮される。この停止の際、上流端の従動用スプロケット38と下流端の駆動用スプロケット39は、同期して停止することから、往路側の無端チェーン40は一定のテンションに維持され、よって停止時の際の無端チェーン40の弛みに基づく上記無端チェーン40のバタツキと異音の発生が防止され、無端チェーン40の駆動用スプロケット39からの脱線が防止されることにより、何ら不具合なく搬送設備の緊急停止を実現できる。よって、センサ類27により異常が検出された場合に、異常が拡大することが防止される。
【0056】
以上のように本実施の形態によれば、制動装置32を駆動して上流端の従動用スプロケット38を急停止させたときに下流端の駆動用スプロケット39が同期して急停止されることにより、往路側の無端チェーン40のテンションが一定に維持され、よって無端チェーン40が有する弛みを原因とする上記異音やバタツキが防止され、無端チェーン40が下流側の駆動用スプロケット39から脱線することが防止される。その結果、無端チェーン40を弛みなく張設した際に発生する恐れがある無端チェーン40の損傷を回避するため、予め無端チェーン40に弛みを持たせた搬送設備において、上記異音や無端チェーン40の脱線等の不具合を発生させることなく、搬送設備の緊急停止を実現することができる。また経年変化により無端チェーン40の長さが伸びても何らかかわりなく、緊急停止できる。
【0057】
また本実施の形態によれば、無端チェーン40のテンションを常に一定にできることにより、無端チェーン40へのストレスを少なくでき、無端チェーン40の伸びが抑えられ、長寿命化を図ることができる。
【0058】
また本実施の形態によれば、物品横押し体52が移動している際に、物品Dが何らかの原因で移動できなくなり物品横押し体52が物品支持体50に案内されなくなると、物品横押し体52の案内ローラ54が往路案内装置90に案内されなくなり、物品支持体50が浮き上がるという異常が発生するが、これをセンサ類27により検出して、搬送設備(無端チェーン40)を緊急停止することができることにより、物品Dに損傷が拡大すること、物品横押し体52の案内ローラ54や往路案内装置90、物品支持体50に損傷が拡大することを防止でき、またこのとき無端チェーン40のテンションが一定に制御されていることから、無端チェーン40にストレスを与えることを防止することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、搬送設備の一例として、転換設備について説明しているが、本発明は、物品横押し体(スライドシュー)52を備えず、単に物品支持体(スラット)50に物品Dを支持し下流端まで搬送するコンベヤ設備において、無端チェーン40に予め弛みを持たせる必要があるコンベヤ設備に適用できる。このようなコンベヤ設備においても、上記異音や無端チェーン40の脱線等の不具合を発生させることなく、搬送設備の緊急停止を実現することができる。
【0060】
また本実施の形態では、駆動用スプロケット39の駆動軸31を、サーボモータ34により直接駆動しているが、途中に伝達機構を介して駆動してもよい。
また本実施の形態では、物品支持体50を、型レール状に構成したスラットとしているが、型レール状に限ることはなく、筒状や棒状等でもよく、前後の物品支持体50により物品Dを支持できるものであればよい。また物品横押し体52の形状は、物品支持体50に案内され、物品Dの側方に作用できる形状であればその形状は問わない。また実施の形態では、図2および図3に示すように、物品横押し体52の作用により主搬送経路Aより搬送方向右側の分岐経路B,Cへ物品Dを搬出しているが、図9(a)に示すように、物品Dを搬送の流れに従って右側の分岐経路Bまたは左側の分岐経路Eへ搬出するようにすることもでき、図9(b)に示すように、同じ位置に配置した右側の分岐経路Bと左側の分岐経路Eの一方を選択して搬出するようにすることもできる。また図9(c)に示すように、物品横押し体52の作用により、主搬送経路Aの上流端に並列に配置された複数(図では2本)の搬入経路Fから搬入された物品Dを、下流端に配置された1本の搬出経路Gへ搬出するとき、物品Dを搬送中に物品Dの位置を搬出経路Gの位置に合わせて移動させるようにすることができ、あるいは図9(d)に示すように、主搬送経路Aの上流端に配置された1本の搬入経路Fから搬入された物品Dを、下流端に並列に配置された複数(図では2本)の搬出経路Gへ選択して搬出するとき、物品Dを搬送中に物品Dの位置を選択した一方の搬出経路Gに合わせて移動させるようにすることもできる。また図9(e)に示すように、物品横押し体52の作用により、主搬送経路Aを搬送中の物品Dの位置を単に左右方向へ移動させることもできる。なお、図9(c)〜(e)では、複数の物品横押し体52を同時に左右方向へ移動させて物品Dを並行に移動させているが、図9(a),(b)に示すように、複数の物品横押し体52を順に斜めに移動させて物品Dを斜めに移動させて、目的の左右位置まで移動させるようにすることもできる。
【0061】
また本実施の形態では、案内ローラ54を、往路案内装置90の振り分け案内体124を駆動することにより機械的に振り分けているが、磁力を使用して振り分けるようにすることもできる。すなわち、案内ローラ54の少なくともその最外層を磁性体により構成し、この案内ローラ54の磁性体に作用して案内ローラ54を始端案内部91から移動案内部93へ吸引する、永久磁石と電磁石からなる吸引装置と、移動案内部93側へ吸引された案内ローラ54のローラ軸53の下端部を案内する始端部ガイドを設け、吸引装置により案内ローラ54を吸引しないときに直進させ、吸引装置により案内ローラ54を吸引するときに、分岐させるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態における搬送設備の制御構成図である。
【図2】同搬送設備における一部斜視図である。
【図3】同搬送設備の概略平面図である。
【図4】同搬送設備の概略側面図である。
【図5】同搬送設備の一部切り欠き正面図である。
【図6】同搬送設備の要部の一部切り欠き正面図である。
【図7】同搬送設備の往路案内装置を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は要部拡大図である。
【図8】同搬送設備の復路案内装置を示す概略平面図である。
【図9】同搬送設備において、物品横押し体により物品へ作用する他の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0063】
A 主搬送経路
B,C,E 分岐経路
D 物品
1 本体フレーム
10 上位フレーム材
20 下位フレーム材
24 コントローラ
25 起動スイッチ
26 停止スイッチ
30 従動軸
31 駆動軸
32 制動装置
33 エンコーダ
34 サーボモータ
38 従動用スプロケット(第1輪体)
39 駆動用スプロケット(第2輪体)
40 無端チェーン(無端回動体)
50 物品支持体
52 物品横押し体
53 ローラ軸
54 案内ローラ
61 サーボアンプ
62 発振器
64 フリップフロップ
65 リレイ
66 偏差カウンタ
67 D/A変換器
68 ドライバ
90 往路案内装置
96 復路案内装置
124 振り分け案内体
130 シリンダ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して配置された本体フレームと、
前記本体フレームの搬送方向上流端に回転自在に設けた左右一対の第1輪体と、
前記本体フレームの搬送方向下流端に回転自在に設けた左右一対の第2輪体と、
前記左右一対の第1輪体と第2輪体と間にそれぞれ、前記第2輪体からの復路側に弛みを持たせて張設された左右一対の無端回動体と、
前記左右の無端回動体間に渡って設けた前記物品を支持する複数の物品支持体を備え、
前記各物品支持体の左右端部をそれぞれ、前記左右一対の無端回動体に連結し、前記無端回動体を駆動することによって、前記物品支持体を前記搬送方向へ移動させ、前記物品支持体に支持された物品を搬送する搬送設備であって、
前記第1輪体を制動する制動装置と、
前記第1輪体の回転軸に連結され、1回転当たり予め設定された数のパルスを出力するエンコーダと、
前記第2輪体の回転軸に連結され、前記第2輪体を駆動するサーボモータと、
前記第2輪体の回転指令値に相当する指令パルスと前記サーボモータに付属するエンコーダからフィードバックされるパルスに基づいて前記サーボモータを駆動するサーボアンプ
を備え、
前記物品支持体の移動を停止するとき、前記制動装置は前記第1輪体を制動し、前記サーボアンプは、前記指令パルスに代えて前記第1輪体の回転軸に連結されたエンコーダから出力されるパルスを回転指令値として前記サーボモータを駆動し、前記第2輪体を前記第1輪体に同期して停止すること
を特徴とする搬送設備。
【請求項2】
前記第1輪体の回転軸に連結されるエンコーダとして、前記サーボモータに付属するエンコーダと1回転当たり同じ数のパルスを出力するエンコーダを選択すること
を特徴とする請求項1に記載の搬送設備。
【請求項3】
前記各物品支持体にそれぞれ、この物品支持体に外嵌して案内され物品支持体上の物品の側方に作用する物品横押し体を設け、
前記各物品横押し体を前記物品支持体に案内することにより、前記物品支持体上の物品の側方に前記物品横押し体を作用させて前記物品を左右方向へ移動させることを可能としたこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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