説明

携帯品およびサーバ

【課題】タバコ等の携帯品を捨てる行為がマナー違反である旨の注意を喚起可能にする。
【解決手段】タバコ1には、ICタグ3が設けられている。ICタグ3は、加速度を検出する加速度センサー36と、少なくとも携帯者10に報知可能な音等の報知信号を出力するスピーカ34と、加速度センサー36で検出された加速度が所定値以上であるか否かを判定し、加速度が所定値以上の場合、スピーカ34から報知信号を出力させる制御部31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面や床に落とした旨を報知する携帯品およびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タバコの投げ捨ては、街の美化や火災の危険性等を考えると、非常に問題となっている。そこで、例えば特許文献1には、ライターのカバー体に灰皿を付けた灰皿付きライターが記載されている。また、特許文献2には、車や電車から投げ捨てされるタバコに対して、山の斜面に雨水等が流入可能な支持部材を設けることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−135647号公報
【特許文献2】特願平8−103512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、灰皿付きライターの場合には、このような灰皿を購入する面倒や金銭的な負担増から、あまり普及されていない。また、山の斜面に雨水等が流入可能な支持部材を設ける構造物の場合には、設置場所に制限があるため、投げ捨て等が行われる可能性のある全ての箇所に設置することは常識的に困難であり、根本的な対策とは言えない。尚、タバコ以外においても、使用済みとなった携帯品を道路等に捨てる行為に対してマナー違反である旨の注意を喚起することが望まれいる。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タバコ等の携帯品を捨てる行為がマナー違反である旨の注意を喚起することができる携帯品およびサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の携帯品は、加速度を検出する加速度検出手段と、少なくとも携帯者に報知可能(直接報知、携帯電話等による間接報知の何れでもよい)な報知信号(音、光、電波等)を出力する信号出力手段と、前記加速度検出手段で検出された加速度が所定値以上であるか否かを判定し、前記加速度が所定値以上の場合、前記信号出力手段から前記報知信号を出力させる制御手段とを有する。
【0007】
上記の構成によれば、携帯者が意識的や無意識的に携帯品を離して落下させると、携帯品が地面や床に衝突して停止する。従って、この場合の携帯品においては、急激な減速により大きな加速度、即ち、衝撃が発生することになる。携帯品の加速度は、加速度検出手段により検出され、制御手段において、加速度が所定値以上の衝撃であるか否かが判定される。所定値以上の加速度である場合には、信号出力手段から報知信号が出力されることによって、携帯品を携帯していた携帯者に報知されることになる。これにより、例えば、携帯品がタバコ等の使用後に不要となる携帯品の場合、使用後に携帯者が投げ捨てる等した行為に対してマナー違反である旨の注意を喚起することができる。また、例えば、携帯品が財布等の紛失しては困るものの場合には、携帯者に対して携帯品を落としたことを気付かせることができる。
【0008】
また、本発明の携帯品は、フィルター付きのタバコであり、前記信号出力手段は、前記報知信号として音声を出力し、前記加速度検出手段、信号出力手段、および制御手段は、前記フィルター部分に設けられていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、タバコを吸い終わった喫煙者がタバコを投げ捨てた場合、タバコから発せられる音声によりマナー違反である旨の注意を喚起することができる。
【0010】
また、本発明の携帯品における前記信号出力手段は、前記報知信号の一種として電波を出力可能であってもよい。
【0011】
上記の構成によれば、電波の報知信号が出力されることによって、音よりも広い範囲において設置された受信機により報知信号を受信させることが可能になる。これにより、受信機の設置場所を中心とした広い範囲にわたって、タバコ等の携帯物の意識的や無意識的な落下を監視することが可能になる。
【0012】
また、本発明のサーバは、上記の携帯品から出力された電波の報知信号を受信する受信部と、前記受信部で受信された報知信号の出力位置を特定する制御部とを備えている。
【0013】
上記の構成によれば、タバコ等の携帯物が意識的や無意識的に落下した位置を遠方に設置されたサーバにより特定して管理することが可能になることから、例えば、清掃員や警備員等の係員に対して清掃や注意等の指示を効率良く指令することが可能になる。
【0014】
また、本発明における前記サーバは、所定の監視領域に存在する複数の携帯電話の位置情報と連絡先情報とを記憶した記憶部と、前記携帯電話に対して少なくとも注意情報を送信する送信部と、前記報知信号の出力位置と前記携帯電話の位置情報とに基づいて、連絡先となる前記携帯電話を選択し、該携帯電話に対して前記連絡先情報に基づいて前記注意情報を送信する送信制御部とを備えていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、タバコ等の携帯物が意識的や無意識的に落下した位置を遠方に設置されたサーバにより特定して管理することが可能になることから、例えば、清掃員や警備員等の係員に対して清掃や注意等の指示を効率良く出すことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。尚、本実施形態においては、携帯品としてタバコを用いて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、タバコの他、ライターやカメラ、カバン、メガネ、財布等のように、人間が携帯可能な全て種類の物品に適用することができる。
【0017】
(落下監視システム)
本実施形態に係る携帯品は、図1に示すように、落下監視システムにおいて監視されている。落下監視システムは、所定値以上の加速度となる衝撃を受けたときに電波や音波、光等の報知信号を出力するタバコ1と、報知信号を受信して転送する1台以上の中継装置6と、中継装置6から転送された報知信号に基づいてタバコ1の取り扱いを決定するサーバ9と、中継装置6やサーバ9等の各種の機器をデータ通信可能に接続する通信網8とを有している。
【0018】
さらに、落下監視システムは、中継装置6の周辺を撮影する監視カメラ7を有していると共に、警備員や清掃員等の係員5に携帯された携帯電話4を有している。尚、監視カメラ7および携帯電話4は、落下監視システムの規模や、要求される監視仕様に応じて組み合わせされるものである。
【0019】
(中継装置6)
中継装置6は、報知信号や携帯電話4の送受信信号、その他の各種の信号を送受信可能なアンテナ部6aと、アンテナ部6aで受信された報知信号を電気的な信号に変換する変換部と、電気信号とされた報知信号を通信網8を介してサーバ9に送信する送信部とを有している。中継装置6は、例えば、繁華街や道路、工場等の所定の監視領域に分散配置されている。分散の程度は、中継装置6が報知信号を受信可能な受信領域が互いに重なることによって、監視領域内に受信不可能な領域を出現させないように設定されている。尚、監視領域が受信領域よりも狭い場合には、1台の中継装置6であってもよい。
【0020】
また、中継装置6は、設置場所の住所等がアンテナ位置として設定されている。中継装置6は、アンテナ位置を報知信号の出力と同時にサーバ9に送信するようになっている。これにより、中継装置6は、サーバ9においてタバコ1が落下した位置をアンテナ位置に基づいて把握させることを可能にしている。さらに、中継装置6は、アンテナ位置を電波等の無線方式の信号により出力する。これにより、中継装置6は、タバコ1の現在位置となるタバコ位置データをアンテナ位置を用いて取得し、記憶させることを可能にしている。尚、中継装置6は、スピーカを備えることによって、報知信号を受信したときに、注意を喚起する音声を出力するように構成されていてもよい。
【0021】
(監視カメラ7)
中継装置6の周辺には、1台以上の監視カメラ7が配置されている。監視カメラ7は、中継装置6のアンテナ位置と同様に、設置場所の住所等がカメラ位置として設定されている。各監視カメラ7のカメラ位置は、サーバ9に記憶されている。監視カメラ7は、撮影方向および撮影倍率を変更可能となるように構成されており、サーバ9により指定された特定の場所、即ち、通行人等の携帯者10がタバコ1を投げ捨てた位置周辺を撮影可能にされている。これにより、タバコ1の状態やタバコ1を投げ捨てた携帯者10を撮影してサーバ9に記憶させることを可能にしている。
【0022】
(携帯電話4)
携帯電話4は、監視領域を歩行したり、監視領域内の詰め所に控えている警備員等の係員5に携帯されている。携帯電話4は、通話機能に加えて、現在位置を取得する機能と、現在位置を送信する機能と、メールを送受信する機能とを有している。携帯電話4は、現在位置を係員5の位置情報である係員位置としてサーバ9に記憶させるようになっている。この結果、サーバ9から携帯電話4に対してタバコ1の落下情報のメールが送信されると、メールを読んだ係員5は、タバコ1を投げ捨てた携帯者10を容易に見つけ出して注意を促したり、タバコ1を即座に清掃することが可能になる。
【0023】
〈サーバ9〉
上記の中継装置6や携帯電話4、監視カメラ7等の通信機能を有した各種機器は、中継装置6および通信網8を介してサーバ9とデータ通信可能にされている。サーバ9は、表示装置やキーボード等の入力装置、ハードディスク装置等の大容量記憶装置を有している。大容量記憶装置には、タバコ位置データや係員位置データ、電話番号データ、映像データ、カメラ位置データ、撮影日時データ等の各種の監視情報が記憶されている。
【0024】
具体的には、サーバ9は、係員連絡先テーブルと映像テーブルとを有している。係員連絡先テーブルは、図4に示すように、係員位置欄と携帯メール番号欄とを有している。係員位置欄は、現時点で係員5が存在する位置を記憶している。即ち、複数の係員5が存在する場合には、各係員5が携帯する携帯電話4から送信された現在位置を「住所A(1)」や「住所A(2)」等の係員位置として定期的に更新可能に記憶する。また、携帯メール番号欄は、各係員5が携帯する携帯電話4の電話番号が記憶されている。これにより、係員連絡先テーブルは、タバコ1の捨てられた位置に最も近い場所に存在する係員5を特定し、この係員5の携帯電話4にメールすることを可能にしている。
【0025】
また、映像テーブルは、図5に示すように、タバコ位置欄とカメラ位置欄と撮影日時欄と映像データ欄とを有している。タバコ位置欄は、タバコ1から送信されたタバコ位置データを「住所B(1)」や「住所B(2)」等のように記憶する。タバコ位置データは、タバコ1が投げ捨てられる等して所定以上の衝撃を受けたときに送信される位置データであり、タバコ1が放置された位置を特定可能にしている。カメラ位置欄は、タバコ位置に最も近い場所であってタバコ1を撮影可能な場所に設置された監視カメラ7のカメラ位置を「住所C(1)」や「住所C(2)」等のように記憶している。撮影日時欄は、監視カメラ7で撮影された撮影日時データを記憶している。映像データ欄は、監視カメラ7から送信された映像データを記憶している。これにより、映像テーブルは、タバコ1が投げ捨てられたときに、このタバコ1と携帯者10を撮影した映像データを撮影の日時と共に所定時間にわたって記憶することによって、タバコ1を捨てた携帯者10を後に確認することを可能にしている。
【0026】
このようにサーバ9は、図1に示すように、各種の監視情報を記憶することによって、監視情報に基づいてタバコ1の落下位置(放棄位置)に最も近い位置の携帯電話4を特定する機能や、携帯電話4にメールで通報する機能、監視カメラ7に対してタバコ1および携帯者10を撮影させる機能、撮影された撮像データを記憶する機能等の各種の監視機能を有している。
【0027】
(タバコ)
以上のように構成された落下監視システムで監視されるタバコ1は、タバコの葉が詰められたタバコ本体1aと、タバコ本体1aに設けられ、煙をろ過するフィルター1bとを有している。フィルター1bには、ICタグ3が設けられている。ICタグ3は、図1および図2にも示すように、音声を出力する薄板上のスピーカ34と、スピーカ34を駆動する駆動部35と、加速度を検出する加速度センサー36と、ICタグ3を制御する制御部31と、アンテナ32と、ICタグ3の各部に電力を供給する電源33とを有している。
【0028】
制御部31は、アンテナ32に接続された変復調回路38と、変復調回路38に接続されたCPU37と、CPU37に接続されたメモリ39と、図示しない電源制御回路とを有している。電源制御回路は、アンテナ32で受信した電波を電磁誘導により電力に変換し、この電力をICタグ3の駆動電力の一部として使用するようになっている。変復調回路38は、データ通信する際に、データを変調及び復調する機能を有している。即ち、変復調回路38は、制御部31に入力されるデータを復調する一方、制御部31から出力されたデータを変調するようになっている。そして、変復調回路38は、変調されたデータを電波によりアンテナ32を用いて送受信するようになっている。
【0029】
メモリ39は、データ通信を可能にする通信プログラムや、タバコ1の投げ捨てを検出して各種の処理を実行する第1注意ルーチン、タバコ1の位置情報等のICタグ情報等の各種のデータを書き換え可能に記憶している。第1注意ルーチンは、衝撃を検知する機能と、投げ捨てに対する注意音を音声により出力する機能と、投げ捨てされたタバコ位置をサーバ9等の外部機器に伝達する機能と、現在のタバコ位置を取得する機能とを有している。
【0030】
上記のタバコ1は、図1に示すように、箱体2に収納されている。箱体2は、タバコ1に設けられたICタグ3と略同一の回路構成の注意基板20を有している。注意基板20は、図3に示すように、箱体2の一面に面状に接合され、音声を出力する薄板上のスピーカ24と、スピーカ24に接続された制御回路部20aとを一つの基板上に一体的に有している。制御回路部20aは、スピーカ24を駆動する駆動部25と、箱体2の現在位置を取得する位置取得部26と、制御回路部20aを制御する制御部21と、アンテナ22と、ICタグ3の各部に電力を供給する電源23とを有している。
【0031】
制御部21は、アンテナ22に接続された変復調回路28と、変復調回路28に接続されたCPU27と、CPU27に接続されたメモリ29と、図示しない電源制御回路とを有している。電源制御回路は、アンテナ22で受信した電波を電磁誘導により電力に変換し、この電力を制御回路部20aの駆動電力の一部として使用するようになっている。変復調回路28は、データ通信する際に、データを変調及び復調する機能を有している。即ち、変復調回路28は、制御部21に入力されるデータを復調する一方、制御部21から出力されたデータを変調するようになっている。そして、変復調回路28は、変調されたデータを電波によりアンテナ22を用いて送受信するようになっている。
【0032】
メモリ29は、データ通信を可能にする通信プログラムや、タバコ1の投げ捨てに対する注意処理を実行する第2注意ルーチン等の各種のプログラムを記憶していると共に、箱体2の位置情報等の各種のデータを書き換え可能に記憶している。第2注意ルーチンは、タバコ1の投げ捨てを検知する機能と、投げ捨て時に音声情報により注意を喚起する機能と、箱体2の現在位置を取得してタバコ1の現在位置にする機能とを有している。
【0033】
(落下監視システム等の動作)
上記の構成において、落下監視システム等の動作を説明する。
携帯者10がタバコ1を持ち歩いているときに、タバコ1のICタグ3が図6の第1注意ルーチンを実行し、箱体2の注意基板20が図7の第2注意ルーチンを実行し、サーバ9が図8の監視ルーチンを実行することによって、タバコ1の取り扱い状態が監視される。
【0034】
(第1注意ルーチン)
タバコ1のICタグ3においては、図7に示すように、先ず、図2の加速度センサー36からの加速度信号が取り込まれる(A1)。そして、加速度が所定値以上であるか否かが判定される(A2)。加速度が所定値以上でない場合には(A2,NO)、箱体2の注意基板20から電波信号の形態で出力される現在位置信号が受信される(A6)。そして、現在位置信号に含まれる現在位置データがタバコ位置データとして記憶される(A7)。これにより、タバコ1が携帯者10により携帯され、各所に移動された場合でも、タバコ位置データが適宜の間隔で更新されることによって、現実のタバコ1の位置に最も近似した位置が記憶されることになる。この後、本ルーチンが終了される。
【0035】
一方、加速度が所定値以上である場合(A2,YES)、即ち、タバコ1に対して所定以上の衝撃が付加された場合には、この衝撃の発生原因が携帯者10によりタバコ1の投げ捨てや落下等の原因により衝撃が発生したと判断される。そして、『ピーピー』等の注意音がスピーカ34から発生される(A3)。これにより、タバコ1のICタグ3は、注意音によりタバコ1を投げ捨てた行為や落とした行為を携帯者10や係員5等の周囲の人物に対して気付かせることが可能になる。
【0036】
この後、定期的に更新されながら記憶されたタバコ位置データが読み出され(A4)、このタバコ位置データを含むタバコ位置信号が形成される。そして、タバコ位置信号が変復調回路38により変調された後、アンテナ32から電波の信号形態で外部に発信される(A5)。タバコ位置信号は、後述のサーバ9において受信され、投げ捨てられたり落下したタバコ1の監視に使用される。そして、本ルーチンが終了される。
【0037】
(第2注意ルーチン)
また、タバコ1を収容した箱体2においては、図3の注意基板20において図8の第2注意ルーチンが実行されている。即ち、タバコ1のICタグ3からのタバコ位置信号を受信したか否かが判定される(B1)。タバコ位置信号を受信しない場合には(B1,NO)、位置取得部26から定期的に出力される現在位置データが取得され(B5)、変調された後、電波の信号形態でアンテナ22から外部に出力される(B6)。これにより、タバコ1のICタグ3に対して最新のタバコ位置データを更新させることが可能になる。そして、本ルーチンが終了される。
【0038】
一方、タバコ位置信号を受信した場合には(B1,YES)、注意音声が出力される(B2)。即ち、『ポイ捨てはダメ!』等のタバコ1の投げ捨てや落下を注意する具体的な内容の音声信号が出力される(B2)。そして、所定時間が待機された後(B3)、注意音声を停止させる(B4)。これにより、数秒の注意音声が繰り返されることによって、タバコ1を投げ捨てたり落下させた携帯者10に対して、投げ捨てた行為や落下を高い信頼性で気付かせることが可能になる。そして、本ルーチンが終了される。
【0039】
(監視ルーチン)
サーバ9においては、図8の監視ルーチンを実行している。即ち、タバコ位置信号を受信したか否かを判定し(C1)、受信しない場合には(C1,NO)、携帯電話4から発信される信号を受信した中継装置6の位置情報に基づいて係員位置が取得され(C7)、図4の係員連絡先テーブルの係員位置欄における対応する係員位置データが更新される(C8)。これにより、係員5が存在する最新の位置が中継装置6の位置に基づいて更新される。そして、本ルーチンが終了される。
【0040】
一方、タバコ位置信号を受信した場合には(C1,YES)、タバコ位置に最短の係員位置が検索される(C2)。そして、最短の係員5が所持する携帯電話4のメール番号が読み出され、このメール番号の携帯電話4に対してタバコ1の投げ捨て行為や落下を知らせるメールが送信される(C3)。これにより、係員5が携帯者10に対して注意したり、タバコ1を回収することができる。
【0041】
次に、図5の映像テーブルが参照され、タバコ位置に最短のカメラ位置が検索される(C4)。そして、検索された監視カメラ7に対して作動指令信号が出力されることによって、監視カメラ7による撮影が所定時間にわたって行われる(C5)。これにより、タバコ1およびタバコ1の投げ捨て行為等を行った携帯者10を撮影することができる。この後、監視カメラ7から送信された映像信号に含まれる映像データが撮影日時と共に映像テーブルに格納される(C6)。そして、本ルーチンが終了される。
【0042】
(本実施形態の概要)
以上のように、本実施形態の携帯品(タバコ1)は、図1に示すように、加速度を検出する加速度検出手段(加速度センサー36)と、少なくとも携帯者10に報知可能(直接報知、携帯電話等による間接報知の何れでもよい)な報知信号(音、光、電波等)を出力する信号出力手段(スピーカ34、駆動部35、アンテナ32等)と、前記加速度検出手段で検出された加速度が所定値以上であるか否かを判定し、前記加速度が所定値以上の場合、前記信号出力手段から前記報知信号を出力させる制御手段(制御部31等)とを有する。
【0043】
上記の構成によれば、携帯者10が意識的や無意識的に携帯品を離して落下させると、携帯品が地面や床に衝突して停止する。従って、この場合の携帯品においては、急激な減速により大きな加速度、即ち、衝撃が発生することになる。携帯品の加速度は、加速度検出手段により検出され、制御手段において、加速度が所定値以上の衝撃であるか否かが判定される。所定値以上の加速度である場合には、信号出力手段から報知信号が出力されることによって、携帯品を携帯していた携帯者10に報知されることになる。これにより、例えば、携帯品がタバコ1等の使用後に不要となる携帯品の場合、使用後に携帯者10が投げ捨てる等した行為に対してマナー違反である旨の注意を喚起することができる。また、例えば、携帯品が財布等の紛失しては困るものの場合には、携帯者10に対して携帯品を落としたことを気付かせることができる。
【0044】
また、携帯品は、フィルター1b付きのタバコ1であり、前記信号出力手段は、前記報知信号として音声を出力し、前記加速度検出手段、信号出力手段、および制御手段は、フィルター1b部分に設けられている。
【0045】
上記の構成によれば、タバコ1を吸い終わった喫煙者がタバコ1を投げ捨てた場合、タバコ1から発せられる音声によりマナー違反である旨の注意を喚起することができる。
【0046】
また、携帯品における前記信号出力手段は、前記報知信号の一種として電波を出力可能な変復調回路38およびアンテナ32を含む。
【0047】
上記の構成によれば、電波の報知信号が出力されることによって、音よりも広い範囲において設置された受信機(中継装置6)により報知信号を受信させることが可能になる。これにより、受信機の設置場所を中心とした広い範囲にわたって、タバコ1等の携帯物の意識的や無意識的な落下を監視することが可能になる。
【0048】
また、サーバ9は、上記の携帯品から出力された電波の報知信号を受信する受信部と、前記受信部で受信された報知信号の出力位置を特定する制御部とを備えている。
【0049】
上記の構成によれば、タバコ1等の携帯物が意識的や無意識的に落下した位置を遠方に設置されたサーバ9により特定して管理することが可能になることから、例えば、清掃員や警備員等の係員5に対して清掃や注意等の指示を効率良く指令することが可能になる。
【0050】
また、サーバ9は、所定の監視領域に存在する複数の携帯電話4の位置情報と連絡先情報(メール番号等)とを記憶した記憶部と、前記携帯電話4に対して少なくとも注意情報を送信する送信部と、前記報知信号の出力位置と前記携帯電話4の位置情報とに基づいて、連絡先となる前記携帯電話4を選択し、該携帯電話4に対して前記連絡先情報に基づいて前記注意情報を送信する送信制御部とを備えている。
【0051】
上記の構成によれば、タバコ1等の携帯物が意識的や無意識的に落下した位置を遠方に設置されたサーバ9により特定して管理することが可能になることから、例えば、清掃員や警備員等の係員5に対して清掃や注意等の指示を効率良く出すことが可能になる。
【0052】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。尚、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施の形態の落下監視システムの説明図。
【図2】ICタグのブロック図。
【図3】注意基板のブロック図。
【図4】係員連絡先テーブルの説明図。
【図5】映像テーブルの説明図。
【図6】第1注意ルーチンのフローチャート。
【図7】第2注意ルーチンのフローチャート。
【図8】監視ルーチンのフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
1 タバコ
2 箱体
3 ICタグ
4 携帯電話
5 係員
6 中継装置
7 監視カメラ
8 通信網
9 サーバ
10 携帯者
31 制御部
32 アンテナ
34 スピーカ
35 駆動部
36 加速度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度を検出する加速度検出手段と、
少なくとも携帯者に報知可能な報知信号を出力する信号出力手段と、
前記加速度検出手段で検出された加速度が所定値以上であるか否かを判定し、前記加速度が所定値以上の場合、前記信号出力手段から前記報知信号を出力させる制御手段と
を有することを特徴とする携帯品。
【請求項2】
前記携帯品は、フィルター付きのタバコであり、
前記信号出力手段は、前記報知信号として音声を出力し、
前記加速度検出手段、信号出力手段、および制御手段は、前記フィルター部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯品。
【請求項3】
前記信号出力手段は、前記報知信号の一種として電波を出力可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯品。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯品から出力された電波の報知信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信された報知信号の出力位置を特定する制御部と
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記サーバは、
所定の監視領域に存在する複数の携帯電話の位置情報と連絡先情報とを記憶した記憶部と、
前記携帯電話に対して少なくとも注意情報を送信する送信部と、
前記報知信号の出力位置と前記携帯電話の位置情報とに基づいて、連絡先となる前記携帯電話を選択し、該携帯電話に対して前記連絡先情報に基づいて前記注意情報を送信する送信制御部と
を備えることを特徴とする請求項4に記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−187437(P2009−187437A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28728(P2008−28728)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】