説明

携帯型無線通信装置

【課題】携帯型無線通信装置20の省電力を実施する。
【解決手段】制御部28は、LF受信部21が車載無線通信装置10からLFデータとしての要求信号を受信したときに自己のIDコードを含むRFデータを送信信号としてRF送信部22から送信させるようにRF送信部22を制御する。振動発電デバイス26は、携帯型無線通信装置20に伝わる振動により発電して振動に基づき変化する電圧に出力する。制御部28は、振動発電デバイス26の出力電圧に基づいて、携帯型無線通信装置20に振動が伝わっていると判定したときには、電池24からLF受信部21に電力を供給させて、携帯型無線通信装置20に振動が伝わっていないと判定したときには、電池24からLF受信部21への電力供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載無線通信装置との間で無線通信を行う携帯型無線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスマートエントリーシステムの携帯キーでは、LF受信部、RF送信部、制御部と、および携帯検知センサとを備え、車載無線通信機との間の無線通信を介してドアロックの開錠/施錠、エンジンの始動を実施するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものにおいては、制御部がLF受信部にて車載無線通信機から起動信号が受信された場合にはその制御モードが低消費電力制御モードから通常制御モードに切り替わるとともに、受信した起動信号に対応する応答信号を、RF送信部に無線送信させる。そして、携帯キーがユーザーによる携帯検知センサにより携帯状態が検知された場合に限り、制御部の制御モードを低消費電力制御モードから通常制御モードに切り替え可能とする。これにより、携帯キーがユーザーによる携帯されていない状態では、携帯キーの電力消費を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−053632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1では、上述の如く、携帯キーがユーザーによる携帯されていない状態では、制御部がその制御モードが低消費電力制御モードに設定されて携帯キーの電力消費を抑えることができるものの、LF受信部としては車載無線通信機から起動信号を待ち受けるために待ち受け状態になる場合には、LF受信部で電力が消費される。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、車載無線通信装置との間で無線通信を行う携帯型無線通信装置において、省電力を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、受信回路(21)と、送信回路(22)と、前記受信回路が車載無線通信装置(10)から要求信号を受信したときに自己のIDコードを含む送信信号を前記送信回路から送信させるように前記送信回路を制御する制御手段とを備え、前記受信回路(21)に電池(24)により電力が供給される携帯型無線通信装置であって、
当該携帯型無線通信装置(20)に伝わる振動により発電して前記振動に基づき変化する電圧に出力する振動発電デバイス(26)と、
前記振動発電デバイスの出力電圧に基づいて、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっているか否かを判定する振動判定手段(S300)と、
当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていないと前記振動判定手段が判定したときには、前記電池から前記受信回路への電力供給を停止する第1の電源制御手段(S310)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、携帯型無線通信装置が車室外で車両から離れた場所(例えば、住居内の室内)に置かれているときには、携帯型無線通信装置と車載無線通信装置との間で通信を行う必要がない。
【0009】
そこで、請求項1に記載の発明によれば、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていなく、当該携帯型無線通信装置が静止した状態であるときには、当該携帯型無線通信装置が車載無線通信装置との間で通信を行う必要がない場所に配置しているとして、電池から受信回路への電力供給が停止されるので、電力の消費を抑えることができる。
【0010】
これに加えて、請求項1に記載の発明によれば、振動発電デバイスは、その振動発電デバイス自体に伝わる振動により発電して電圧を出力するので、電池から振動発電デバイスに電力を供給する必要がない。したがって、携帯型無線通信装置において省電力を実施することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていると前記振動判定手段が判定したときには、前記電池から前記受信回路に電力を供給させる第2の電源制御手段(S312)を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、前記振動発電デバイスの出力電圧を整流する整流回路(32)と、
前記整流回路の出力電圧を平滑化する平滑回路(33)とを備え、
前記振動判定手段は、前記平滑回路の出力電圧が零であるときには、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていないと判定し、前記平滑回路の出力電圧が零よりも大きいときには、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていると判定することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明では、前記振動発電デバイス(26)の出力端子とグランドとの間で直列接続されている第1、第2のコンデンサ(30a、30b)によって前記振動発電デバイスの出力電圧を分圧して分圧電圧を出力する分圧回路(30)を備え、
前記整流回路(32)は、前記分圧回路から出力される分圧電圧を整流するものであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、整流回路の出力電圧の幅が第1の電源制御手段の入力電圧範囲よりも大きい場合には、分圧回路を用いることにより、整流回路の出力電圧を第1の電源制御手段で処理可能なレベルに変換することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、前記送信回路(22)は、前記電池(24)から電力が供給されて動作するものであり、
前記平滑回路(33)の出力電圧に基づいて、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであるか否かを判定する判定する振動種別判定手段(S313)と、
当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定したときには、前記電池から前記送信回路への電力供給を停止し、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が当該携帯型無線通信装置を携帯する使用者の歩行によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定したときには、前記電池から前記送信回路に電力を供給させる第3の電源制御手段(S314、S315)と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、使用者が携帯型無線通信装置を携帯して歩行する場合には、電池から送信回路に電力を供給させるので、携帯型無線通信装置と車載無線通信装置との間の通信が行われる。一方、携帯型無線通信装置が車両に搭載されて携帯型無線通信装置に車両の振動に伝わる場合には、電池から送信回路への電力供給を停止するので、送信回路が電力を消費することを停止することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、前記平滑回路(33)の出力電圧が零よりも大きく、閾値未満であるときには、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が当該携帯型無線通信装置を携帯する使用者の歩行によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定し、前記平滑回路の出力電圧が閾値以上であるときには、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明では、前記振動発電デバイスは、互いに対向するように配置されるエレクトレット電極基板(26a)およびメタル電極基板(26b)を備え、前記エレクトレット電極基板および前記メタル電極基板のうち一方の電極が他方の電極に対してスライド移動可能に構成されており、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動によって前記一方の電極が前記他方の電極に対してスライド移動を往復運動として繰り返すことにより、前記エレクトレット電極基板および前記メタル電極基板の間の静電容量が変化して、前記振動の周波数にて周期的に変動する出力電圧を出力するものであることを特徴とする。
【0019】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態におけるスマートエントリーシステムの電気的構成を示す図である。
【図2】上記実施形態の車両においてスマートエントリーシステムを構成する各機器などの配置を示す図である。
【図3】上記実施形態の振動発電デバイスの構成および発電のメカニズムを説明するための図である。
【図4】図1の振動成分判定回路の具体的な回路構成を示す。
【図5】図1の車載無線通信装置の制御処理のおよび携帯型無線通信装置の通信処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の車載無線通信装置の制御処理および携帯型無線通信装置の通信処理を示すフローチャートである。
【図7】図1の車載無線通信装置の制御処理および携帯型無線通信装置の通信処理を示すフローチャートである。
【図8】図1の携帯型無線通信装置の節電処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1、図2に、本発明の携帯型無線通信装置が適用されたスマートエントリーシステム1の一実施形態について図に基づいて説明する。図1はスマートエントリーシステム1の電気的構成を示す図であり、図2は車両2においてスマートエントリーシステム1を構成する各機器など配置を示す図である。スマートエントリーシステム1は、機械的な鍵を使用せずに、車両のドアの施錠/開錠および走行用エンジンの始動等を実行するものである。
【0022】
スマートエントリーシステム1は、図1に示すように、車載無線通信装置10および携帯型無線通信装置20から構成されている。
【0023】
車載無線通信装置10は、電子制御装置11、車室外送信アンテナ12a、12b、12c、車室内送信アンテナ13a、13b、および受信アンテナ14から構成されている。電子制御装置11は、送信部11a、受信部11b、および制御部11cから構成されている。送信部11aは、送信アンテナ12a、12b、12c、13a、13bから送信信号を送信させる制御回路を構成する。
【0024】
車室外送信アンテナ12aは、図2に示すように、車両右側に配置されて右側ドアの外側に応答エリア15aを形成する。車室外送信アンテナ12bは、車両左側に配置されて左側ドアの外側に応答エリア15bを形成する。車室外送信アンテナ12cは、車両後側に配置されて車両後側の外側に応答エリア15cを形成する。
【0025】
応答エリア15a、15b、15cは、それぞれ、車載無線通信装置10が携帯型無線通信装置20との間で通信することが可能であるエリアである。
【0026】
車室内送信アンテナ13a、13bは、車室内に携帯型無線通信装置20との間で通信可能である応答エリアをそれぞれ形成する。受信部11bは、受信アンテナ14を介して携帯型無線通信装置20からの受信信号を受信する。車室内の応答エリアは、応答エリア15a、15b、15cと同様、車載無線通信装置10が携帯型無線通信装置20との間で通信することが可能であるエリアである。
【0027】
制御部11cは、マイクロコンピュータやメモリ等から構成される周知の制御回路であって、携帯型無線通信装置20との間の通信に応じて、車載LAN32を介してエンジンECU30およびドアロックECU31をそれぞれ制御する。
【0028】
エンジンECU30は、走行用エンジンを制御する電子制御装置である。ドアロックECU31は、車両2のドア毎にその開閉を検出するとともに、車両2のドア毎にドアロックの解錠/施錠の制御を実施する電子制御装置である。
【0029】
また、携帯型無線通信装置20は、図1に示すように、LF受信部21、RF送信部22、操作部23、電池24、リレースイッチ25a、25b、振動発電デバイス26、振動成分判定回路27、および制御部28を備える。
【0030】
LF受信部21は、受信アンテナ21a、21b、21cを介して車載無線通信装置10から受信信号を受信する。受信アンテナ21a、21bは、水平2方向(X軸、Y軸)にそれぞれ配置されるコイルアンテナであり、受信アンテナ21cは、垂直方向(Z軸)に配置されるコイルアンテナである。LF受信部21と送信部11aとの間での通信周波数としては、LF(Low Frequency)帯の周波数が用いられる。
【0031】
RF送信部22は、RFアンテナ22aから送信信号を送信させる送信回路を構成する。RF送信部22と車載無線通信装置10の受信部11bとの間の通信周波数としては、RF(Radio Frequency)帯の周波数が用いられる。
【0032】
また、操作部23は、各種の操作を行うスイッチを有する。電池24は、LF受信部21、RF送信部22、および制御部28に電力を供給するための電池である。
【0033】
リレースイッチ25aは、電池24とLF受信部21との間に配置されて、電池24とLF受信部21との間を接続、或いは開放するスイッチである。リレースイッチ25bは、電池24とRF送信部22との間に配置されて、電池24とRF送信部22との間を接続、或いは開放するスイッチである。
【0034】
振動発電デバイス26は、携帯型無線通信装置20に伝わる振動によりエレクトレット発電して当該振動に基づいて変動する電圧に出力する周知の振動電気変換デバイス(自己発電デバイス)を構成する。
【0035】
図3に、振動発電デバイス26の構成および発電のメカニズムを説明するために、便宜的に振動発電デバイス26に対して抵抗素子26cおよび電圧センサ26dを接続した模式図を示す。
【0036】
振動発電デバイス26は、エレクトレット電極基板26aおよびメタル電極基板26bが間隔を開けて配置されて構成されている。メタル電極基板26bがエレクトレット電極基板26aに対してスライド移動可能に構成されている。
【0037】
振動発電デバイス26では、当該振動発電デバイス26自体に伝わる振動によってメタル電極基板26bが一方向へのスライド移動と他方向へのスライド移動とを交互に繰り返すことになる。
【0038】
すなわち、振動発電デバイス26は、エレクトレット電極基板26aに対してメタル電極基板26bがスライド移動を往復運動として繰り返すことにより、エレクトレット電極基板および前記メタル電極基板の間の静電容量が変化して、当該振動の周波数にて周期的に変動する交流電圧(図3中符号Va参照)を出力する。すなわち、振動発電デバイス26の出力電圧は、当該振動の周波数と同じ周波数にて、変動することになる。
【0039】
振動成分判定回路27は、振動発電デバイス26に伝わる振動状況を判別するために、振動発電デバイス26から出力される交流電圧を直流電圧に変換する回路である。図4に振動成分判定回路27の具体的な回路構成を示す。図4中の符号27は、信号源26aおよび内部抵抗Rからなる振動発電デバイス26の等価回路を示している。
【0040】
振動成分判定回路27は、分圧回路30、コンデンサ31、整流回路32、および平滑コンデンサ33から構成されている。
【0041】
分圧回路30は、振動発電デバイス26のプラス電極とマイナス電極(すなわち、グランド)との間に直列接続されるコンデンサ(第1、第2のコンデンサ)30a、30bから構成されている。分圧回路30は、コンデンサ30a、30bの間の共通接続端子30cから振動発電デバイス26の両電極間の電圧を分圧した分圧電圧を出力する。
【0042】
コンデンサ31は、共通接続端子30cと整流回路32との間に配置されて、共通接続端子30cから出力される分圧電圧のうち直流成分をカットして交流電圧を通過させる。
【0043】
整流回路32は、ダイオードD1、D2、D3、D4から構成される周知のダイオードブリッジからなるもので、共通接続端子30cからコンデンサ31を通して入力される交流電圧を整流する。
【0044】
平滑コンデンサ33は、整流回路32のプラス出力電極とマイナス出力電極との間に配置されて、整流回路32の出力電圧を平滑化する平滑回路を構成する。このことにより、平滑コンデンサ33の両電極間から直流電圧を発生することになる。なお、平滑コンデンサ33の両電極間の出力電圧は、後述するように、振動発電デバイス26に伝わる振動の角周波数ωに応じて変化する。
【0045】
制御部28は、LF受信部21およびRF送信部22を介して車載無線通信装置10との間で通信する通信処理、およびLF受信部21、RF送信部22への電力供給およびその停止を行うための節電処理を実施する。
【0046】
節電処理を実施する際に、制御部28は、振動成分判定回路27からの出力電圧に応じて、当該携帯型無線通信装置20に伝わる振動の有無、および振動が車両の走行による振動か否かを判定して、この判定結果に応じてリレースイッチ25a、25bを制御する。
【0047】
次に、振動成分判定回路27の出力電圧が振動発電デバイス26に伝わる振動の角周波数に応じて変化するメカニズムについて説明する。
【0048】
分圧回路30のコンデンサ30aの静電容量をC1とし、コンデンサ30bの静電容量をC2とし、振動発電デバイス26に伝わる振動の角周波数をωとし、振動発電デバイス26の出力電圧(すなわち、振動発電デバイス26のプラス電極とマイナス電極との間の電圧)をVinとし、共通接続端子30cの出力電圧(共通接続端子30cとグランドとの間の電圧)をVoutとし、虚数単位をjとする。
【0049】
すると、Vin/Voutは、{C1/(C1+C2)}×j×ωとなる。このため、分圧回路30の出力電圧(共通接続端子30cの出力電圧Vout)の振幅は、振動の角周波数ωが大きくなるほど、大きくなることになり、振動の角周波数ωが小さくなるほど、分圧回路30の出力電圧の振幅は、小さくなることになる。これに伴い、振動の角周波数ωが大きくなるほど、平滑コンデンサ33の両電極間の出力電圧は、大きくなり、振動の角周波数ωが小さくなるほど、平滑コンデンサ33の両電極間の出力電圧は、小さくなる。すなわち、振動の角周波数ωが大きくなるほど、振動成分判定回路27の出力電圧が大きくなる。
【0050】
ここで、車両が走行する際に発生する振動の周波数(角周波数)は、使用者が歩行する際に発生する振動の周波数(角周波数)に比べて高い。このため、車両が走行する際には、使用者が歩行する際に比べて、振動成分判定回路27の出力電圧が大きくなる。
【0051】
そこで、本実施形態では、振動成分判定回路27の出力電圧が閾値よりも大きいか否かを判定することにより、振動が、車両の走行によるものか、或いは、使用者の歩行によるものであるかを判別することになる。
【0052】
次に、本実施形態の作動について説明する。
【0053】
図5(a)、図6(a)、図7(a)は、車載無線通信装置10の制御処理を示すフローチャートである。図5(b)、図6(b)、図7(b)は携帯型無線通信装置20の通信処理を示すフローチャートである。図8は携帯型無線通信装置20の節電処理を示すフローチャートである。携帯型無線通信装置20は節電処理と通信処理とを時分割で交互に繰り返すことになる。
【0054】
(1)まず、使用者3(図2参照)が携帯型無線通信装置20を携帯して車両2に近づいて車両2に乗車して走行後降車するまでの状況において、車載無線通信装置10の制御処理と携帯型無線通信装置20の通信処理とについて説明する。
【0055】
まず、図5(a)のステップS100において、車載無線通信装置10の制御部11cがLFデータを送信部11aに出力する。LFデータにはIDコードが含まれている。
【0056】
すると、ステップS101において、送信部11aは、LFデータを変調して車室外送信アンテナ12a、12b、12cから送信させる。その後、ステップS103において、制御部11が受信部11bを制御して受信部11bを待ち受け状態にする。
【0057】
次のステップS103において、制御部11が受信部11bを通して携帯型無線通信装置20からのRFデータを受信したか否かを判定する。
【0058】
一方、図5(b)のステップS200において、携帯型無線通信装置20の制御部28がLF受信部21を制御してLF受信部21を待ち受け状態にしている。
【0059】
その後、ステップS200において、制御部28がLF受信部21を介して車載無線通信装置10からのLFデータを受信したか否かを判定する。LFデータは、車載無線通信装置10が携帯型無線通信装置20に対して自己のIDコードを含む送信信号を送信させるための要求信号である。
【0060】
ここで、使用者3が携帯型無線通信装置20を携帯して応答エリア15a内に入ると、制御部28がLF受信部21を介して車載無線通信装置10からのLFデータを受信する。このため、制御部28がステップS201において、YESと判定する。これに伴い、ステップS202において、LF受信部21がLFデータを復調してIDコードを求める。そして、ステップS203において、制御部28がLFデータに含まれるIDコードが制御部28のメモリに予め登録されたIDコードと一致するか否かを判定する。
【0061】
ここで、LFデータに含まれるIDコードが予め登録されたIDコードに不一致であるときには、制御部28がステップS203においてNOと判定して図5のステップS200に戻る。
【0062】
一方、LFデータに含まれるIDコードが予め登録されたIDコードに一致するときには、上記ステップS203において制御部28がYESと判定して、次のステップS204(制御手段)において、RFデータをRF送信部22に出力する。RFデータには、制御部28のメモリに予め登録された自己のIDコードが含まれている。このようなRFデータは、ステップS205においてRF送信部22により変調されてRFアンテナ22aから送信される。すなわち、ステップS204では、RF送信部22を制御して送信信号としてのRFデータをRF送信部22から送信させることになる。
【0063】
このとき、車載無線通信装置10の受信部11bが携帯型無線通信装置20からのRFデータを受信すると、ステップS103において制御部11cがYESと判定する。次のステップS104において、受信部11bがRFデータを復調してIDコードを求める。次に、ステップS105において、この求められたIDコードが制御部11cのメモリに予め記憶されたIDコードに一致するか否かを判定する。
【0064】
ここで、RFデータに含まれるIDコードが予め記憶されたIDコードに不一致であるときには、ステップS105においてNOと判定して、車載無線通信装置10の制御処理を終了する。
【0065】
一方、RFデータに含まれるIDコードが予め記憶されたIDコードに一致するときにはステップS105においてYESと判定して、次のステップS106において、ドアロックECU31を制御して、車両2のドア毎にドアロックを解錠する。
【0066】
その後、使用者3が車両1のドアを開けて乗車して、この開けたドアを閉じることになる。このとき、ステップS107において、制御部11cが車両1のドアが開状態から閉状態に移行したか否かを判定する。車両1のドアが開状態から閉状態に移行したとしてステップS107においてYESと判定したときには、図6(a)のステップS110に移行する。
【0067】
その後、ステップS110において、車載無線通信装置10の制御部11cがLFデータを送信部11aに出力する。すると、ステップS111において、送信部11aは、LFデータを変調して車室内送信アンテナ13a、13bから送信させる。その後、ステップS112において、制御部11が受信部11bを制御して受信部11bを待ち受け状態にする。
【0068】
また、図6(b)のステップS200において、携帯型無線通信装置20の制御部28がLF受信部21を制御してLF受信部21を待ち受け状態にしている。その後、LF受信部21が車載無線通信装置10からのLFデータを受信すると、ステップS201においてYESと判定する。これに伴い、ステップS202において、LF受信部21がLFデータを復調してIDコードを求める。このとき、LFデータに含まれるIDコードが制御部28のメモリに予め登録されたIDコードと一致すると、制御部28がステップS203においてYESと判定する。次のステップS204において、RFデータをRF送信部22に出力する。このRFデータは、ステップS205においてRF送信部22により変調されてRFアンテナ22aから送信される。
【0069】
このとき、車載無線通信装置10の受信部11bがRFデータを受信すると、ステップS113において制御部11cがYESと判定する。次のステップS114において、受信部11bがRFデータを復調してIDコードを求める。この求められたIDコードが制御部11cのメモリに予め記憶されたIDコードに一致するときにはステップS115においてYESと判定して、次のステップS116aにおいて、車載LAN32を介してエンジンECU30に対して走行用エンジンの始動を許可する許可信号を送信する。つまり、エンジンECU30に対して走行用エンジンの始動を許可することになる。
【0070】
その後、使用者3が車両1のドアを開けて降車して、この開けたドアを閉じることになる。このとき、車両1のドアが開状態から閉状態に移行したとして、ステップS117において制御部11cがYESと判定したときには、図7(a)のステップS120に移行する。
【0071】
その後、ステップS120において、車載無線通信装置10の制御部11cがLFデータを送信部11aに出力する。すると、ステップS121において、送信部11aは、LFデータを変調して車室外送信アンテナ12a、12b、12cから送信させる。その後、ステップS122において、制御部11が受信部11bを制御して受信部11bを待ち受け状態にする。
【0072】
ここで、携帯型無線通信装置20を携帯した使用者3が応答エリア15a、15b、15cのいずれかに位置するときには、図7(b)のステップS200〜S205において、携帯型無線通信装置20が車載無線通信装置10から送信させるLFデータを受信して、RFコードをRF送信部22に出力する。
【0073】
ここで、車載無線通信装置10の制御部11cは、ステップS123において、受信部11bが一定期間内にて受信部11bが携帯型無線通信装置20からのRFコードを受信したか否かを判定している。受信部11bが一定期間内にて携帯型無線通信装置20からのRFコードを受信すると、制御部11cがステップS123でYESと判定する。その後、受信部11bが一定期間内にて携帯型無線通信装置20からのRFコードを受信する毎に、制御部11cは、ステップS123でYESと判定する。
【0074】
また、携帯型無線通信装置20を携帯した使用者3が応答エリア15a、15b、15cから離れると、受信部11bが一定期間内にて携帯型無線通信装置20からのRFコードを受信しなくなる。このため、制御部11cは、ステップS118において、ドアロックECU31を制御して車両2のドア毎にドアロックを施錠する。
【0075】
次に、携帯型無線通信装置20の制御部11cの節電処理について説明する。
【0076】
図8に制御部11cの節電処理のフローチャートを示す。制御部11cは、図8のフローチャートにしたがって、節電処理を実行する。
【0077】
まず、ステップS300(振動判定手段)において、振動成分判定回路27の出力電圧(平滑コンデンサ33の両電極間の電圧)が零Vであるか否かを判定する。
【0078】
このとき、携帯型無線通信装置20が車室外の場所(例えば自宅等)に置かれている場合には、携帯型無線通信装置20に振動が伝わらず、携帯型無線通信装置20が静止した状態となる。これにより、振動成分判定回路27の出力電圧が零Vになる。このとき、ステップS300において、YESと判定して、スリープモードに移行する。すなわち、携帯型無線通信装置20と車載無線通信装置10との間の無線通信が必要ないと判定することになる。
【0079】
具体的には、ステップ310(第1の電源制御手段)において、リレースイッチ25aをオフする。これにより、電池24とLF受信部21との間が開放される。このため、電池24からLF受信部21への電力供給(すなわち、通電)が停止される。
【0080】
次のステップ311において、リレースイッチ25bをオフする。これにより、電池24とRF送信部22との間が開放される。このため、電池24からRF送信部22への電力供給(すなわち、通電)が停止される。そして、携帯型無線通信装置20の静止状態が維持されると、スリープモードが維持されて、ステップS300のYES判定、およびステップ310、311の通電停止処理を繰り返す。
【0081】
その後、使用者が携帯型無線通信装置20を携帯して歩行し始めると、使用者3の歩行に伴う振動が携帯型無線通信装置20の振動発電デバイス26に伝わる。これに伴い、使用者3の歩行に伴う振動によって振動発電デバイス26が交流電圧を発生する。この交流電圧に応じて振動成分判定回路27から出力される出力電圧が零以上になる。このため、ステップS300において、振動成分判定回路27の出力電圧が零VではないとしてNOと判定する。これに伴い、ステップS312(第2の電源制御手段)において、リレースイッチ25aをオンする。これにより、電池24とLF受信部21との間が接続される。このため、電池24からLF受信部21への電力供給(すなわち、通電)が開始される。このため、LF受信部21が待ち受け状態になる。
【0082】
次に、ステップS313において、振動成分判定回路27の出力電圧が閾値未満であるか否かを判定する。閾値としては、零よりも大きな電圧値(例えば、2V)が用いられる。このとき、使用者3が携帯型無線通信装置20を携帯して歩行することを維持すると、振動成分判定回路27の出力電圧が零V以上、かつ閾値未満になる。このため、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が使用者3の歩行によるものであると判定して、ステップS313においてYESと判定する。
【0083】
そして、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が使用者3の歩行によるものであると判定して、上記ステップS313においてYESと判定すると、ステップS315において、リレースイッチ25bをオンする。これにより、電池24とRF送信部22との間が接続される。
【0084】
このため、電池24からRF送信部22への電力供給(すなわち、通電)が開始される。このことにより、RF送信部22およびLF受信部21によって、車載無線通信装置10との間の無線通信を行うことができる。なお、ステップS314、S315は、第3の電源制御手段を構成する。
【0085】
その後、使用者3の歩行が継続されると、ステップS300のNO判定、ステップS312のLF受信部通電開始処理、ステップS313のYES判定、およびステップS315のRF送信部通電開始処理を繰り返す。
【0086】
次に、携帯型無線通信装置20を携帯した使用者が車両2に乗車してエンジン始動して車両2の走行が開始されると、車両2の走行に伴う振動が携帯型無線通信装置20の振動発電デバイス26に伝わる。これにより、車両2の走行に伴う振動によって振動発電デバイス26が交流電圧を発生する。この交流電圧に応じて振動成分判定回路27から出力される出力電圧が上記閾値以上になる。
【0087】
この場合、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が車両2の走行に伴うものであるとして、ステップS300においてNOと判定する。すなわち、ステップS300では、携帯型無線通信装置20がスマート動作(すなわち、ドアロック解除、エンジン始動)を完了したとして車室内に携帯型無線通信装置20が配置してあると判定することになる。
【0088】
以上により、ステップS300、S313で、携帯型無線通信装置20が静止した状態であるスリープモード、携帯型無線通信装置20に車両2の走行に伴う振動が伝わるRF停止モード、および携帯型無線通信装置20に使用者3の歩行に伴う振動が伝わる通常モード、といった3段階のモードに判別されることになる。
【0089】
そして、車両2の走行に伴う振動が携帯型無線通信装置20に伝わる場合において、上記ステップS300においてNOと判定すると、ステップ312において、リレースイッチ25aをオンする。これにより、電池24とLF受信部21との間が接続される。このため、電池24からLF受信部21への電力供給(すなわち、通電)が開始される。
【0090】
次のステップS313において、振動成分判定回路27の出力電圧が閾値以上であるとして、NOと判定する。これに伴い、RF停止モードに移行して、次のステップS314において、リレースイッチ25bをオフする。これにより、電池24とRF送信部22との間が開放される。このため、電池24からRF送信部22への電力供給が停止される。
【0091】
その後、携帯型無線通信装置20が車両2に搭載される状態が維持されると、振動成分判定回路27の出力電圧が零V以上、かつ閾値未満である状態が維持される。このため、ステップS300のNO判定、ステップS312のLF受信部通電開始処理、ステップS313のNO判定、およびステップS314のLF受信部通電停止処理が繰り返されることになる。このため、LF受信部21への電力供給が維持されてLF受信部21の待ち受け状態が維持されることになる。
【0092】
その後、使用者3が降車する際に携帯型無線通信装置20を携帯して歩行し始めると、上述の如く、振動成分判定回路27の出力電圧が零以上で、かつ閾値未満となり、ステップS300において、NOと判定する。このため、ステップ312においてリレースイッチ25aをオンする。そして、ステップS313において、振動成分判定回路27の出力電圧が閾値未満であるとしてステップS313においてYESと判定する。これに伴い、ステップS315において、リレースイッチ25bをオンする。これにより、電池24からRF送信部22およびLF受信部21にそれぞれ電力が供給されて、RF送信部22およびLF受信部21の作動が開始されることになる。
【0093】
以上説明した本実施形態によれば、携帯型無線通信装置20であって、電池24から電力が供給されて動作するLF受信部21およびRF送信部22を備え、LF受信部21が車載無線通信装置10からLFデータとしての要求信号を受信したとき、制御部28は、自己のIDコードを含むRFデータを送信信号としてRF送信部22から送信させるようにRF送信部22を制御する。振動発電デバイス26は、携帯型無線通信装置20に伝わる振動により発電して振動に基づき変化する電圧に出力する。制御部28は、振動発電デバイス26の出力電圧に基づいて、当該携帯型無線通信装置20に振動が伝わっていると判定したときには、電池24からLF受信部21に電力を供給させて、当該携帯型無線通信装置20に振動が伝わっていないと判定したときには、電池24からLF受信部21への電力供給を停止することを特徴とする。
【0094】
ここで、携帯型無線通信装置20が車室外で車両から離れた場所(例えば、住居内の室内)に置かれているときには、携帯型無線通信装置20と車載無線通信装置10との間で通信を行う必要がない。
【0095】
このため、携帯型無線通信装置20に振動が伝わっていなく、携帯型無線通信装置20が車室外の場所に置かれて静止状態であるときには、当該携帯型無線通信装置20が車載無線通信装置10との間で通信を行う必要がない場所に配置しているとして、リレースイッチ25aをオフして、電池24からLF受信部21への電力供給が停止されるので、電力の消費を抑えることができる。
【0096】
これに加えて、本実施形態によれば、振動発電デバイス26は、その振動発電デバイス26自体に伝わる振動により発電して交流電圧を出力するので、電池24から振動発電デバイス26に電力を供給する必要がない。以上により、携帯型無線通信装置20にて省電力を実施することができる。
【0097】
本実施形態では、振動発電デバイス26の出力電圧を分圧回路30により分圧してその分圧電圧を整流回路32により整流し、その整流後の電圧を平滑コンデンサ33により平滑化した電圧を制御部28に付与する。
【0098】
一般的に、振動発電デバイス26の内部抵抗は極めて大きいものである。このため、振動発電デバイス26の出力電圧の振幅は極めて大きくなる。よって、分圧回路30を用いずに、振動発電デバイス26の出力電圧を整流して平滑化した電圧は、制御部28の処理可能な電圧範囲から外れてしまう。
【0099】
そこで、分圧回路30により振動発電デバイス26の出力電圧を分圧することにより、平滑コンデンサ33の両電極間の電圧を、電池24を電源として駆動される制御部28で処理可能なレベルに変換することができる。
【0100】
本実施形態では、制御部28は、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が車両2の走行に伴う振動であると判定したときには、リレースイッチ25bをオフする。このため、電池24からRF送信部22への電力供給を停止する。このため、RF送信部22の電力消費を抑えることができる。これに加えて、RF送信部22が誤作動で送信することを防ぐことができる。
【0101】
本実施形態では、制御部28は、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が車両2の走行に伴う振動であると判定したときには、携帯型無線通信装置20と車載無線通信装置10との間の通信を行わないものの、電池24からLF受信部21への電力供給を維持してLF受信部21を待ち受け状態にする。よって、ステップS313でYESと判定してRF停止モードから通常モードに移行する際には、車載無線通信装置10からのLFデータを受信した後に携帯型無線通信装置20から車載無線通信装置10に対してRFデータをスムーズに送信することができる。したがって、ドアロックの施錠処理(ステップS118)をスムーズに実施することができる。
【0102】
本実施形態では、ステップS313にて振動成分判定回路27の出力電圧が閾値以上であるとしてNOと判定した場合には、電池24からRF送信部22への電力供給を停止するものの、その後、使用者3が携帯型無線通信装置20を携帯して降車する際には、携帯型無線通信装置20には車両2の走行に伴う振動が伝わらなくなり、振動成分判定回路27の出力電圧が閾値未満になる。このため、ステップS315でリレースイッチ25bをオンして電池24からRF送信部22への電力供給を開始する。このため、携帯型無線通信装置20と車載無線通信装置10との間の通信が開始されるので、車両2のドアロックの施錠(ステップS118)を実行することができる。したがって、ステップS313にてNOと判定した場合には、電池24からRF送信部22への電力供給を停止しても、ドアロックの制御に支障が生じることがない。
【0103】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、振動発電デバイス26の出力電圧を振動の有無の判定、振動の種別の判定に用いた例を示したが、これに加えて、振動発電デバイス26の出力電圧を電池24の充電に用いてもよい。この場合、電池24として二次電池を用いて、この二次電池に振動成分判定回路27の出力電圧を与えて二次電池を充電することになる。
【0104】
上述の実施形態では、振動成分判定回路27の出力電圧を用いて振動発電デバイス26に伝わる振動が車両の走行による振動か、或いは使用者3の歩行によるものかを判定したが、これに限らず、信号処理装置により振動発電デバイス26の出力電圧の角周波数(周波数)を検出し、この検出される角周波数に応じて振動発電デバイス26に伝わる振動が車両の走行による振動か、或いは使用者3の歩行によるものかを判定してもよい。
【0105】
上述の実施形態では、平滑コンデンサ33の両電極間の電圧を制御部28で処理可能なレベルに合わせるために、振動発電デバイス26の出力電圧を分圧する分圧回路30を用いた例を示したが、これに限らず、振動発電デバイス26の出力電圧が小さく、平滑コンデンサ33の両電極間の電圧が制御部28で処理可能なレベルになっている場合には、分圧回路30を用いなくてもよい。
【0106】
上述の実施形態では、振動成分判定回路27の出力電圧が零V以上であるとしてステップS300でNOと判定したときには、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が使用者3の歩行に伴うものであるか否かに関わらず、ステップS312でリレースイッチ25aをオンして、電池24からLF受信部21への電力供給を開始する例について説明したが、これに限らず、次のようにしてもよい。
【0107】
すなわち、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が使用者3の歩行に伴うものであるときには、リレースイッチ25aをオフして、電池24からLF受信部21への電力供給を停止する一方、携帯型無線通信装置20に伝わる振動が車両2の走行に伴うものであるときには、リレースイッチ25aをオンして、電池24からLF受信部21への電力供給を行うようにする。
【符号の説明】
【0108】
1 スマートエントリーシステム
10 車載無線通信装置
11 電子制御装置
12a 車室外送信アンテナ
12b 車室外送信アンテナ
12c 車室外送信アンテナ
13a 車室内送信アンテナ
13b 車室内送信アンテナ
14 受信アンテナ
11a 送信部
11b 受信部
11c 制御部
20 携帯型無線通信装置
21 LF受信部
22 RF送信部
23 操作部
24 電池
25a リレースイッチ
25b リレースイッチ
26 振動発電デバイス
26a エレクトレット電極基板
26b メタル電極基板
27 振動成分判定回路
28 制御部
30 分圧回路
31 コンデンサ
32 整流回路
33 平滑コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信回路(21)と、送信回路(22)と、前記受信回路が車載無線通信装置(10)から要求信号を受信したときに自己のIDコードを含む送信信号を前記送信回路から送信させるように前記送信回路を制御する制御手段とを備え、前記受信回路(21)に電池(24)により電力が供給される携帯型無線通信装置であって、
当該携帯型無線通信装置(20)に伝わる振動により発電して前記振動に基づき変化する電圧に出力する振動発電デバイス(26)と、
前記振動発電デバイスの出力電圧に基づいて、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっているか否かを判定する振動判定手段(S300)と、
当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていないと前記振動判定手段が判定したときには、前記電池から前記受信回路への電力供給を停止する第1の電源制御手段(S310)と、を備えることを特徴とする携帯型無線通信装置。
【請求項2】
当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていると前記振動判定手段が判定したときには、前記電池から前記受信回路に電力を供給させる第2の電源制御手段(S312)を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型無線通信装置。
【請求項3】
前記振動発電デバイスの出力電圧を整流する整流回路(32)と、
前記整流回路の出力電圧を平滑化する平滑回路(33)とを備え、
前記振動判定手段は、前記平滑回路の出力電圧が零であるときには、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていないと判定し、前記平滑回路の出力電圧が零よりも大きいときには、当該携帯型無線通信装置に振動が伝わっていると判定することを特徴とする請求項2に記載の携帯型無線通信装置。
【請求項4】
前記振動発電デバイス(26)の出力端子とグランドとの間で直列接続されている第1、第2のコンデンサ(30a、30b)によって前記振動発電デバイスの出力電圧を分圧して分圧電圧を出力する分圧回路(30)を備え、
前記整流回路(32)は、前記分圧回路から出力される分圧電圧を整流するものであることを特徴とする請求項3に記載の携帯型無線通信装置。
【請求項5】
前記送信回路(22)は、前記電池(24)から電力が供給されて動作するものであり、
前記平滑回路(33)の出力電圧に基づいて、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであるか否かを判定する判定する振動種別判定手段(S313)と、
当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定したときには、前記電池から前記送信回路への電力供給を停止し、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が当該携帯型無線通信装置を携帯する使用者の歩行によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定したときには、前記電池から前記送信回路に電力を供給させる第3の電源制御手段(S314、S315)と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の携帯型無線通信装置。
【請求項6】
前記平滑回路(33)の出力電圧が零よりも大きく、閾値未満であるときには、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が当該携帯型無線通信装置を携帯する使用者の歩行によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定し、前記平滑回路の出力電圧が閾値以上であるときには、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動が車両の振動によるものであると前記振動種別判定手段(S313)が判定することを特徴とする請求項5に記載の携帯型無線通信装置。
【請求項7】
前記振動発電デバイスは、互いに対向するように配置されるエレクトレット電極基板(26a)およびメタル電極基板(26b)を備え、前記エレクトレット電極基板および前記メタル電極基板のうち一方の電極が他方の電極に対してスライド移動可能に構成されており、当該携帯型無線通信装置に伝わる振動によって前記一方の電極が前記他方の電極に対してスライド移動を往復運動として繰り返すことにより、前記エレクトレット電極基板および前記メタル電極基板の間の静電容量が変化して、前記振動の周波数にて周期的に変動する出力電圧を出力するものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の携帯型無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−227586(P2012−227586A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90832(P2011−90832)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】