説明

携帯型電子機器

【課題】複数の操作用回転ダイヤルを備える携帯型電子機器において、その各機能の設定作業を効率的に行えるようにする。
【解決手段】携帯型電子機器の設定項目である複数の主項目を一方向に配列して表示すると共に、主項目の下層の設定項目である複数の付随項目を上記一方向に平行な方向に配列して複数の主項目の配列に並べて同時に表示する表示部と、複数の主項目から少なくとも1つの主項目を選択するための第1の回転ダイヤルと、複数の付随項目から少なくとも1つの付随項目を選択するための第2の回転ダイヤルとを具備し、第1の回転ダイヤルと第2の回転ダイヤルとが、第1の回転ダイヤルの回転軸と第2の回転ダイヤルの回転軸とが互いに平行になるように、かつ上記一方向とは直交するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置と複数のダイヤルを有する携帯型電子機器において、表示装置に表示される表示項目をダイヤルで選択する場合の操作性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型電子機器、特にデジタルカメラなどの撮像装置においては、操作部材として複数の回転ダイヤルを用いることが、既によく知られている。
【0003】
そして、これらの回転ダイヤルをユーザーが操作することにより、デジタルカメラの露出の設定、再生画像のページめくり、メニュー項目の選択などの操作を行うことが可能である。
【特許文献1】特開2003−242004号公報
【特許文献2】特開2005−038414号公報
【特許文献3】特開平10−222967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のデジタルカメラなどでは、機能が多様化してきていることから、設定可能なメニュー項目が非常に多くなり、カメラの設定作業が煩雑になってきている。
【0005】
このような状況において、従来のデジタルカメラなどでは、回転ダイヤルが複数あるにもかかわらず、メニュー項目の設定などのためには、複数の回転ダイヤルのうちの1つしか用いられていない。そのため、メニュー項目の設定などを行う場合の操作性には、まだ改善の余地があった。
【0006】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の操作用回転ダイヤルを備える携帯型電子機器において、その各機能の設定作業を効率的に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる携帯型電子機器は、携帯型電子機器において、前記携帯型電子機器の設定項目である複数の主項目を一方向に配列して表示すると共に、該主項目の下層の設定項目である複数の付随項目を前記一方向に平行な方向に配列して前記複数の主項目の配列に並べて同時に表示する表示手段と、前記複数の主項目から少なくとも1つの主項目を選択するための第1の回転ダイヤルと、前記複数の付随項目から少なくとも1つの付随項目を選択するための第2の回転ダイヤルとを具備し、前記第1の回転ダイヤルと前記第2の回転ダイヤルとが、前記第1の回転ダイヤルの回転軸と前記第2の回転ダイヤルの回転軸とが互いに平行になるように、かつ前記一方向とは直交するように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の操作用回転ダイヤルを備える携帯型電子機器において、その各機能の設定作業を効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の携帯型電子機器の一実施形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、デジタルカメラ100は、デジタルカメラの本体部102と、この本体部102に対して着脱自在な交換レンズタイプのレンズユニット1とを備える。本体部102は、レンズユニット1からの被写体光を取り込む画像処理部2と、画像処理部2に電源を供給する電源部3を備える。電源部3は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池やLiイオン電池等の二次電池等で構成される。また、本体部102には、インターフェース(I/F)部4,5を介して画像処理部2に接続されるメモリカードやハードディスク等からなる第1及び第2の記録部6,7が接続される。
【0012】
そして、レンズユニット1と本体部102とは夫々のレンズマウント8,9を介して互いに機械的に接続され、また、コネクタ10,11を介して互いに電気的に接続されている。そして、本体部102側のレンズマウント9又はコネクタ11にはレンズユニット1の装着の有無を検知するレンズ着脱検知センサ(不図示)が内蔵されている。
【0013】
さらに、電源部3と本体部102とはコネクタ12a,12bを介して互いに電気的に接続され、第1及び第2の記録部6,7に接続されたI/F部4,5と本体部102とはコネクタ13,14,15,16を介して互いに電気的に接続されている。なお、電源部3は、本実施形態では電池で構成しているが、ACアダプタ等、他の電源供給手段で構成してもよい。
【0014】
レンズユニット1は、具体的には、被写体からの光(被写体像)が入射する撮像レンズ17と、被写体像の光量を調節するための開口面積を変化させる絞り18を備える。また、後述する本体部102の測光部42からの測光情報に基づき後述するシャッター制御部と連携しながら絞り18の開口面積を制御する絞り制御部19を備える。また、撮像レンズ17の焦点制御を行う測距制御部20と、撮像レンズ17のズーミングを制御するズーム制御部21も備える。さらに、レンズユニット1全体の制御を司るレンズシステム制御回路22と、本体部102との間でインターフェース動作を司るI/F部23も備える。
【0015】
そして、レンズシステム制御回路22は動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリやレンズユニット1に固有の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発性メモリを備える。
【0016】
また、コネクタ10は、本体部102とレンズユニット1との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝達すると共に、各種電流が双方向に供給可能とされている。なお、コネクタ10は電気通信のみならず、光通信、音声通信等が可能となるように構成しても良い。
【0017】
また、本体部102内の画像処理部2は、レンズユニット1からの光信号を画像データとして処理する画像処理ブロック24と、デジタルカメラ全体のシステム制御を司るシステム制御ブロック25とを備えている。
【0018】
画像処理ブロック24は、具体的には、クイックリターンミラー26、とペンタプリズム27と、クイックリターンミラー26とペンタプリズム27を経た光学像を結像表示する光学ファインダ28を備える。また、露光時間を制御するシャッター29と、光学像からの電荷を蓄積して光学像を電気信号に変換する撮像素子30と、撮像素子30から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換器31も備える。また、画像処理ブロック24全体を制御するメモリ制御回路32と、メモリ制御回路32を介して画像表示用データが書き込まれる画像表示メモリ33と、撮影された静止画像や動画像が格納されるメインメモリ34も備える。また、適応離散コサイン変換(ADCT)等によりメインメモリ34に格納された画像データに対し圧縮伸長処理を行う圧縮伸長回路35も備える。また、A/D変換器31又はメモリ制御回路32からの画像データに対し所定の画素補間処理や色変換処理その他所定の演算処理を行う画像処理回路36も備える。また、メモリ制御回路32からの出力信号(デジタル電気信号)をアナログ電気信号に変換するD/A変換器37も備える。また、メモリ制御回路32の制御のもとに、撮像素子30、A/D変換器31、D/A変換器37にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路38も備える。また、画像表示メモリ33に書き込まれた画像表示データを表示するTFT・LCD等からなる画像表示部39を備え、撮像画像データを画像表示部39に逐次表示することにより、電子ファインダ機能が実現可能とされている。なお、画像表示部39は、後述するシステム制御回路40からの指示により任意に表示をオン・オフすることが可能とされ、表示をオフにした場合は画像処理部2の消費電力を大幅に低減することができる。
【0019】
また、メインメモリ34は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を有しており、これにより複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、大量の画像書き込みを高速で行うことが可能となる。なお、メインメモリ34は、後述するシステム制御回路40の作業領域としても使用することが可能とされている。
【0020】
また、上述した光学ファインダ28は所定の表示機能を有しており、例えば、合焦表示、撮影準備完了、手振れ警告、シャッタースピード・絞り値、露出補正、記録媒体書き込み動作等の各種情報が表示される。
【0021】
システム制御ブロック25は、画像処理部2の全体のシステム制御を司るシステム制御回路40に多数の構成要素が接続されて構成されている。
【0022】
測距部41は、レンズユニット1からクイックリターンミラー26、更には不図示の測距用サブミラーを介して入射される光学像の合焦状態測定、すなわちAF(オートフォーカス)処理を行う。
【0023】
測光部42は、レンズユニット1からクイックリターンミラー26、更には不図示の測光用レンズを介して入射される光学像の露出状態測定、すなわちAE(自動露出)処理を行う。
【0024】
シャッター制御部43は、測光部42からの測光情報に基づいて、絞り18を制御する絞り制御部19と連携しながらシャッター29を制御する。
【0025】
ミラー制御部44は、システム制御回路40からの信号に応じてクイックリターンミラー26の駆動を制御する。
【0026】
また、システム制御回路40は、画像処理回路36で得られた演算結果に基づき測距部41、測光部42、シャッター制御部43等に対し、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式でAF処理、AE処理、EF処理を行う。更には、AWB(オートホワイトバランス)処理も行う。
【0027】
電源スイッチ45は、本体部102の電源オン、電源オフの各モードを切換え設定することができる。また、本体部102に接続されたレンズユニット1、外部ストロボ、第1及び第2の記録部6,7等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切換えることができる。
【0028】
電源制御部46は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、さらには通電する部位の切換を行なう切換スイッチ回路等からなり、電源部3としての電池の装着有無、電池種類、電池残量の検出を行う。そして、その検出結果やシステム制御回路40からの指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、第1及び第2の記録部6,7を含む各部に供給する。
【0029】
システムメモリ47は、システム制御回路40の動作用定数、変数、プログラム等を記憶する。
【0030】
表示部48は液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)、ランプ、スピーカー等からなり、システム制御回路40でのプログラムの実行に応じ、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。なお、表示部48は、後述する操作部近傍の視認し易い位置に1つ以上配設されている。
【0031】
表示部48のうち、LCDには、例えば、シングルショット/連写撮影、セルフタイマー、圧縮率、記録画素数、記録枚数、残撮影可能枚数、シャッタースピード、絞り値、露出補正、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定等が表示される。また、時計用電池残量、電池残量、エラーメッセージ、複数桁の数字による情報、第1及び第2の記録部6,7の装着状態、レンズユニット1の装着状態、後述する通信回路の動作、日付け・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態等も表示される。
【0032】
また、表示部48のうち、LEDには、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告、記録媒体書き込み動作、マクロ撮影設定通知、二次電池充電状態表示等が表示される。
【0033】
さらに、表示部48の表示内容のうち、ランプには、例えば、セルフタイマー通知ランプ等が表示される。このセルフタイマー通知ランプは、AF補助光と共用してもよい。
【0034】
不揮発性メモリ49は電気的に消去・記録可能なメモリであって、例えばEEPROMで構成されている。
【0035】
通信回路50は、RS232C、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信等の各種通信機能を備えている。
【0036】
コネクタ51は、通信回路50を介して本体部102と他の外部機器とを接続する。尚、通信回路50が無線通信機能を有する場合はコネクタ51に代えてアンテナが通信回路50に接続される。
【0037】
記録部着脱検知センサ52は、コネクタ13,15がコネクタ14,16に装着されているか否かを検知する。
【0038】
また、システム制御回路40には、モードダイヤル53、第1及び第2のシャッタースイッチ54,55、再生スイッチ56、ミラーアップモードスイッチ57、操作部58等の操作部材群が接続され、システム制御回路40に各種の動作を指示する。
【0039】
モードダイヤル53は、撮影モードを選択することができる。撮影モードには、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード、パノラマ撮影モード等がある。さらに、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等もある。モードダイヤル53により、これら各モードの切換設定が可能とされている。
【0040】
ミラーアップモードスイッチ57は、ミラーアップ撮影モードと通常の撮影モードを切換えるスイッチである。ミラーアップ撮影モードでは、撮影毎にクイックリターンミラー26がダウンするモードと、一度クイックリターンミラー26がアップした後はミラーダウンの指示があるまでクイックリターンミラーがアップのままで連続して撮影が出来るモードを選択できる。
【0041】
第1のシャッタースイッチ(SW1)54は、不図示のシャッターボタンが半押し状態にあるときにオンし、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。
【0042】
第2のシャッタースイッチ(SW2)55は、不図示のシャッターボタンが全押し状態にあるときにオンし、一連の撮影処理動作の開始を指示する。撮影処理動作には、ミラーアップ、シャッター作動、ミラーダウン動作が含まれる。また、撮像素子30からの画像データをメインメモリ34に書き込む書込処理、画像処理回路36やメモリ制御回路32での演算に基づいて現像を行なう現像処理も含まれる。さらに、メインメモリ34から画像データを読み出す読出処理、圧縮・伸長回路35での画像データの圧縮処理、第1又は第2の記録部6,7に画像データを書き込む記録処理等も含まれる。
【0043】
再生スイッチ56は、撮影した画像をメインメモリ34や第1及び第2の記録部6,7から読み出して画像表示部39に表示する再生動作の開始を指示する。
【0044】
操作部58は各種ボタン、回転ダイヤル、タッチパネル等を備え、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切換ボタンを有する。また、メニュー移動プラス(+)ボタン、メニュー移動マイナス(−)ボタン、再生画像移動プラス(+)ボタン、再生画像移動マイナス(−)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタンも有する。また、パノラマモード等の撮影及び再生実行時に各種機能を選択及び切換設定する選択/切換ボタン、パノラマモード等の撮影及び再生実行時に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタンも有する。また、画像表示部39のオン・オフ設定をする画像表示スイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビュースイッチも有する。また、JPEG圧縮の圧縮率を選択したり或いは撮像素子30の信号をそのままデジタル化して記録媒体に記録する撮像素子RAWモードを選択する圧縮モードスイッチも有する。また、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定するモード設定スイッチも有する。また、第1のシャッタースイッチ(SW1)54を押下したときのAFモードとして、ワンショットAFモードとサーボAFモードとを切換設定するAFモード設定スイッチを有する。ワンショットAFモードでは、AF動作を開始し一旦合焦したときはその合焦状態を保持し続ける。また、サーボAFモードでは、第1のシャッタースイッチ(SW1)54を押下している間は連続してAF動作を続ける。また、ミラーアップモードでミラーアップ中にミラーをダウンさせるミラーダウンスイッチも有している。
【0045】
また、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイヤルスイッチを設けることによって、より軽快に数値や機能を選択することができる。
【0046】
なお、I/F部59は、レンズユニット1との間でインターフェース動作を司る。
【0047】
また、本体部102には、I/F部60,61が内蔵されており、I/F部60,61は、コネクタ13〜16を介して、第1及び第2の記録部6,7に接続されたI/F部4,5に接続され、記録部側とのインターフェース動作を司る。
【0048】
図2Aは、図1に示したデジタルカメラを背面から見た外観図である。
【0049】
図2Aにおいて、デジタルカメラ100の本体部102には、第1の回転ダイヤル221と第2の回転ダイヤル222が配置されている。なお、第1及び第2の回転ダイヤル221,222は、図1の操作部58に含まれる。また、第1及び第2の回転ダイヤル221,222の配置位置は、図2Aに示される位置に限定されるものではなく、デジタルカメラを把持したときに片手で両方のダイヤルを操作することが可能であれば配置位置は問わない。また、39は図1に示した画像表示部である。ただし、後述するように、表示する項目との関係から、第1の回転ダイヤル221は、第2の回転ダイヤル222よりも、デジタルカメラ100を背面から見たときに、若干左寄りに配置されている。
なお、デジタルカメラ100の本体部102には回転ダイヤルだけではなく、メニューボタン(MENUボタン)223や、第1の回転ダイヤル221の中央部に位置するセットボタン(SETボタン)224も配置されている。
【0050】
図2Bはデジタルカメラ100の本体部102を上方から見た図である。
【0051】
図2A及び図2Bに示されるように、第1の回転ダイヤル221の回転軸221aと第2の回転ダイヤル222の回転軸222aは、共にレンズユニット1の撮影光軸1aと平行である。即ち、第1の回転ダイヤル221の回転軸221aと第2の回転ダイヤル222の回転軸222aは、互いに平行に配置されている。また、これら回転軸221aと回転軸222aは、表示画面39には直交している。言い換えると、表示画面39の表示面は、第1の回転ダイヤルの回転面および第2の回転ダイヤルの回転面に平行である。
【0052】
第1及び第2の回転ダイヤルの使用方法の一例としては、第1の回転ダイヤル221をメニューの主項目選択もしくはシャッタースピード選択に使用し、第2の回転ダイヤル222を付随項目選択もしくは絞り値選択に使用する方法がある。ここで、例えば、メニューの主項目とは、再生したい画像データが収納されているフォルダなどであり、付随項目とは、そのフォルダ内の各画像データなどである。言い換えれば、主項目とは上層の項目であり、付随項目とは、主項目の下層の項目である。
【0053】
図3は、画像表示部39に表示されるメニューの主項目と、選択された主項目に付随する付随項目を示した図である。メニューの主項目331は一方向に並んで配列されており、付随項目332は主項目331の配列方向と平行な方向に配列されている。
【0054】
ここでは、主項目331は縦方向に一列に配列され、付随項目332も同様に縦方向に一列に配列され、これらは表示画面の左側に主項目331の配列を、右側に付随項目332の配列を一画面中に同時に並べて表示している。
【0055】
そして、左側に配列されている主項目331を操作する第1の回転ダイヤル221は、右側に配列されている付随項目332を操作する第2の回転ダイヤル222よりも、デジタルカメラ100において左側に配置されている。つまり、操作対象である主項目および付随項目の表示配列(位置関係)は、これら2つのダイヤルの配置に対応している。
【0056】
このように、2つのダイヤルの配置に対応していれば、主項目および付随項目の表示をアレンジすることが可能である。例えば、第1の回転ダイヤルが、第2の回転ダイヤルよりも、背面から見たときに下方に配置されていることする。この場合は、主項目の配列を横一列に配列し、付随項目の配列も、主項目の配列より上方に横一列に配列すれば、表示の配列とダイヤルの配置が対応することになる。
【0057】
主項目331及び付随項目332を第1及び第2の回転ダイヤル221,222を使用して選択する方法としては、次のようなものが考えられる。即ち、主項目331を第1の回転ダイヤル221で選択し、付随項目332を第2の回転ダイヤル222で選択する方法と、主項目331を第2の回転ダイヤル222で選択し、付随項目332を第1の回転ダイヤル221で選択する方法である。
【0058】
また、回転ダイヤルは3つ以上有していても構わないので、第1及び第2の回転ダイヤル221,222の他に、第3の回転ダイヤルを携帯型電子機器に配置し、主項目331及び付随項目332を選択する構成にしても構わない。
【0059】
図3では、メニューの主項目331はフォルダ名であり、付随項目332は、第1の回転ダイヤルで選択されたフォルダに属する画像データである。
【0060】
図4は、図3に示された表示項目のうち、付随項目332を、画像を撮影したときの露出などの情報である撮影情報に置き代えた状態を示す図である。なお、付随項目332は、主項目331から選択されたフォルダに属する情報であれば何であっても構わない。
【0061】
撮影情報には、露出情報、プロテクト情報、画像サイズ、音声ファイルの付属、DPOF選択の有無、転送履歴、Exif情報等がある。
【0062】
図5は、図3の付随項目332を、第2の回転ダイヤル222の操作が無い場合に、自動的にスクロールさせる動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ステップS501では、ユーザーが操作部58に含まれるメニューボタン223を押した後、画像表示部39に表示されるメニューから所望の項目を第1又は第2の回転ダイヤルで選択することにより、図3のような画面が表示される。
【0064】
次に、ユーザーは、第1の回転ダイヤル221により、メニューの主項目を選択する(ステップS502)。
【0065】
次に、第1の回転ダイヤル221の動作が停止した後、一定時間の間に第2の回転ダイヤル222が操作されるか否か待機する(ステップS503)。
【0066】
第2の回転ダイヤル222が操作された場合は指示通りの回転数だけ付随項目をスクロールさせる(ステップS504)。
【0067】
第2の回転ダイヤル222が操作されなかった場合は自動的にスクロールを開始する(ステップS505)。
【0068】
図6(a)は、図3の付随項目332の表示内容を選択する画面を表した図である。この画面は、操作部58に含まれるメニューボタン223を押した後、画像表示部39に表示されるメニューから、「付随項目の設定」の項目を第1又は第2の回転ダイヤルで選択することにより表示される。
【0069】
図6(a)で示される状態は、画像表示部39の右側の領域(付随項目が表示される領域)に、主項目として選択されたフォルダ内の最初と最後の画像を表示する状態を示している。また、表示されている最初と最後の画像には、画像番号を表示することが設定されている。なお、図6(a)に示される、GPSとは画像を撮影したときの位置情報を表示するか否かを選択する項目である。また、Tv,Avとは、画像を撮影したときのシャッター速度及び絞り値を表示するか否かを選択する項目である。さらに、ISOとは、画像を撮影したときの感度情報を表示するか否かを選択する項目である。
【0070】
図6(a)のような設定状態になっている場合には、図6(b)に示した画面では、画像表示部39の左側に表示されている主項目(フォルダ名)から、ユーザーが第1の回転ダイヤル221でフォルダ名を選択すると、次のようになる。即ち、画像表示部39の付随項目の表示領域に、選択されたフォルダ名(ここでは565CCCC)に含まれる画像のうちの最初の画像と最後の画像が表示され、画像番号も表示される。なお、図6(a)の画面で、GPS、Tv,Av、ISOなどの項目にもチェックを入れれば、それらの情報も表示される。
【0071】
次に、第1及び第2の回転ダイヤルにより主項目と付随項目を選択する全体動作について説明する。
【0072】
図7は図3に示す主項目331と付随項目332を選択する動作を示すフローチャートである。
【0073】
図7において、ステップS501でメニューボタン223が押下されると、撮像装置100は表示画面39にメニュー画面を表示させる(ステップSS502)。メニュー画面表示については、図8を参照して後述する。
【0074】
ステップS503においてフォルダ項目が選択されたならば、フォルダ画面を表示する(ステップS504)。
【0075】
ステップS504でのフォルダ画面とは、図3に示される主項目331と付随項目332を表示した画面のことである。
【0076】
ステップS505においてセットボタン224が押下されて、該当フォルダが選択されたならば、ステップS502のメニューの主項目表示に戻る。
【0077】
ステップS505においてセットボタン224が押下されなかったならば、ステップS506に進む。
【0078】
ステップS506において第1の回転ダイヤル221が回転されたならば、メニューの主項目331で選択されているフォルダが第1のダイヤル221が回転された回数分スクロールされる(ステップS507)。
【0079】
また、付随項目332はステップS507で選択されたフォルダに属する画像データを表示するべく表示を更新する(ステップS508)。ステップS507とステップS508の動作については図9Aを参照して後述する。
【0080】
ステップS506において第1の回転ダイヤル221が回転されなかったならば、ステップS509に進む。
【0081】
ステップS509において第2の回転ダイヤル222が回転されたならば、付随項目332の項目が第2の回転ダイヤル222が回転された回数分スクロールされる(ステップS510)。ステップS510の動作については図9Bを参照して後述する。
【0082】
ステップS509において第2の回転ダイヤル222が回転されなかったならば、ステップS505に戻る。
【0083】
ステップS511においてメニューボタン223が再び押下されたならば、撮像装置100はメニュー画面の表示を終了させる。
【0084】
図8は図7のステップS502において表示されるメニュー画面を示した図である。
【0085】
660はMENUボタン223が押下された際に表示されるメニュー画面の項目全体を示している。
【0086】
例えば、個々の項目として、MWBデータ登録661、色空間662、画像サイズ663、液晶の明るさ664、フォルダ選択665を挙げている。
【0087】
しかし、本発明は上記項目に限定されるものではなく、携帯型電子機器の機能設定に関わる様々な項目が考えられる。
【0088】
例えば、図1に示す撮像装置100にはホワイトバランス設定、ホワイトバランスブラケット設定、撮影モードの選択、JPEG画質の選択、オートパワーオフ設定、カードの初期化、日付設定、バッテリー情報の確認、ストロボ設定等様々な項目がある。
【0089】
660で示すメニュー画面は図3に示されるメニューの主項目331(上層)に相当する。
【0090】
この場合、下層に相当するのは、例えばMWBデータ登録ユーザー1〜5やフォルダ等である。それらの関係については、図9A、図9Bを参照して後述する。
【0091】
図2A及び図2Bに示される第1の回転ダイヤル221と第2の回転ダイヤル222はそれぞれメニューの上層項目の選択、下層項目の選択に用いることができる。そのため、第1の回転ダイヤル221を660で示される項目の選択に使用し、第2の回転ダイヤル222をフォルダ選択に使用することが可能である。
【0092】
図9Aは、図7のステップS507とステップS508の動作を説明するための図である。
【0093】
771,773はメニューの主項目の表示領域であり、772,774は付随項目の表示領域である。
【0094】
表示領域772に表示されている項目は、表示領域771において選択されている主項目「100AAAAA」の付随項目であり、「100−0001」と「100−0002」が表示されている。
【0095】
メニューの主項目を移動させる第1の回転ダイヤル221を回転させると、表示領域771において選択されている主項目「100AAAAA」が移動し(スクロール操作され)、表示領域773に示すように主項目「103DDDDD」が選択されている状態になる。
【0096】
第1の回転ダイヤル221は、回転に伴い、所定角度ごとにクリック感があるように構成されており、ユーザは1回クリック感を感じるまで回転すると、1項目選択を移動させることができる。従って、主項目「100AAAAA」から主項目「103DDDDD」に選択を移動させるには、ユーザは3回クリック感を感じるまで第1の回転ダイヤル221を回転させれば良い。
【0097】
第1の回転ダイヤル221が回転されたことにより、表示領域774には主項目「103DDDDD」の付随項目である「103−0001」と「103−0002」が表示される。
【0098】
図9Bは、図7のステップS510の動作を説明するための図である。
【0099】
781,783はメニューの主項目の表示領域であり、782,784は付随項目の表示領域である。
【0100】
表示領域782に表示されている項目は、表示領域781において選択されている主項目「103DDDDD」の付随項目であり、「103−0001」と「103−0002」が表示されている。
【0101】
付随項目を移動させる第2の回転ダイヤル222を回転させると、表示領域782に表示されている表示項目が移動し(スクロールされ)、表示領域784に示すように「103−0002」と「103−0003」が表示される。
【0102】
第2の回転ダイヤル222も、第1の回転ダイヤル221と同様に、回転に伴い、所定角度ごとにクリック感があるように構成されており、ユーザは1回クリック感を感じるまで回転すると、1項目移動させることができる。従って、付随項目を1つ移動させるには、ユーザは1回クリック感を感じるまで第2の回転ダイヤル222を回転させれば良い。 第1の回転ダイヤル221は回転させていないので、表示領域781,783は同じ表示である。
【0103】
図10はメニューの主項目(図3の331)をMWBデータ登録、色空間、画像サイズ、液晶の明るさ、フォルダ選択といったデジタルカメラ機能の設定項目とし(表示領域881)、付随項目(図3の332)を主項目に属する内容(表示領域882)とした状態を示した図である。
【0104】
図10では、メニューの主項目のうち、フォルダ選択にフォーカスを当てているので、付随項目の表示領域882の内容はフォルダ選択の項目に属する「各フォルダ名」となる。
【0105】
第1の回転ダイヤル221を回転させて、次の項目であるMWBデータ登録にフォーカスを当てた場合は、MWBデータ登録の付随項目である「ユーザー1〜5」が表示領域882に表示される。
【0106】
第1の回転ダイヤル221をさらに回転させて、次の項目である色空間にフォーカスを当てた場合は、色空間の付随項目である「sRGB、adobeRGB」が表示領域882に表示される。
【0107】
画像サイズ・液晶の明るさについても同様である。
【0108】
なお、上記の実施形態では、主項目をフォルダ名、付随項目をフォルダ内のファイル名として説明した。しかし、本発明はこの種別に限定されるものではなく、主項目をカメラの状態を設定する設定項目、付随項目をその設定項目の下層の設定項目に選択可能としてもよい。具体的には、例えば主項目をカメラの撮影モード、付随項目をその撮影モードの下層の設定項目である単写、連写などにしてもよい。
【0109】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、画像表示部39に互いに平行に表示される主項目と付随項目をそれぞれ異なる回転ダイヤルで選択することができるので、項目選択の自由度が向上し、ユーザーの利便性が高まる。また、回転ダイヤルの回転方向と、各項目の配列方向が一致するので、ユーザは項目を直感的に選ぶことができる。
【0110】
また、第1の回転ダイヤルと第2の回転ダイヤルは片手で操作可能なので、項目の選択の煩わしさが軽減される。
【0111】
また、第1の回転ダイヤルと第2の回転ダイヤルの配置を、操作される項目の配列に関連付けたので、さらに直感性に富んだ操作感を提供することができる。
【0112】
また、第1の回転ダイヤルと第2の回転ダイヤルは、露出選択のダイヤルと兼用することができるので、デジタルカメラに配置されるダイヤルの数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の携帯型電子機器の一実施形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2A】図1に示したデジタルカメラを背面から見た外観図である。
【図2B】デジタルカメラの本体部を上方から見た図である。
【図3】画像表示部に表示されるメニューの主項目と、選択された主項目に付随する付随項目を示した図である。
【図4】図3に示された表示項目のうち、付随項目を、画像を撮影したときの露出などの情報である撮影情報に置き代えた状態を示す図である。
【図5】図3の付随項目を、第2の回転ダイヤルの操作が無い場合に、自動的にスクロールさせる動作を示すフローチャートである。
【図6】付随項目の選択方法を示した図である。
【図7】図3に示す主項目と付随項目を選択する動作を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS502において表示されるメニュー画面を示した図である。
【図9A】図7のステップS507とステップS508の動作を説明するための図である。
【図9B】図7のステップS510の動作を説明するための図である。
【図10】メニューの主項目をデジタルカメラ機能の設定項目とし、付随項目を主項目に属する内容とした状態を示した図である。
【符号の説明】
【0114】
1 レンズユニット
29 シャッター
30 撮像素子
33 画像表示メモリ
39 画像表示部
40 システム制御回路
47 システムメモリ
48 表示部
49 不揮発性メモリ
54 シャッタースイッチSW1
55 シャッタースイッチSW2
58 操作部
60,61 インターフェース
100 デジタルカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子機器において、
前記携帯型電子機器の設定項目である複数の主項目を一方向に配列して表示すると共に、該主項目の下層の設定項目である複数の付随項目を前記一方向に平行な方向に配列して前記複数の主項目の配列に並べて同時に表示する表示手段と、
前記複数の主項目から少なくとも1つの主項目を選択するための第1の回転ダイヤルと、
前記複数の付随項目から少なくとも1つの付随項目を選択するための第2の回転ダイヤルとを具備し、
前記第1の回転ダイヤルと前記第2の回転ダイヤルとが、前記第1の回転ダイヤルの回転軸と前記第2の回転ダイヤルの回転軸とが互いに平行になるように、かつ前記一方向とは直交するように配置されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
前記第1の回転ダイヤルと前記第2の回転ダイヤルは、前記携帯型電子機器を把持したときに、片手で操作可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
前記複数の主項目の配列と、前記複数の付随項目の配列が同時に表示されるときの位置関係は、前記第1の回転ダイヤルと前記第2の回転ダイヤルの配置の位置関係に対応することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
前記携帯型電子機器は撮像装置であって、
前記第1の回転ダイヤルと前記第2の回転ダイヤルは、前記撮像装置の露出を設定するための操作部材として使用されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記携帯型電子機器は撮像装置であって、
前記複数の主項目は複数のフォルダ名であって、前記複数の付随項目は前記第1の回転ダイヤルによって選択されたフォルダに属する複数の画像であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
前記携帯型電子機器は撮像装置であって、
前記複数の主項目は複数のフォルダ名であって、前記複数の付随項目は前記第1の回転ダイヤルによって選択されたフォルダに属する複数の画像に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
前記複数の付随項目は、前記第2の回転ダイヤルによるスクロール操作が行われないときには、自動的にスクロールされることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項8】
前記複数の付随項目は、その種別をユーザーによって選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−234628(P2008−234628A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−809(P2008−809)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】