説明

携帯型電子機器

【課題】一対の筐体が全閉状態と全開状態の間で相対移動可能に連結され、一方の筐体に内蔵された電子部品と他方の筐体に内蔵された電子部品とがフレキシブルリードを用いて互いに接続されている携帯型電子機器において、機器本体の内部に大きな空間を設けることなく、両筐体の相対移動に伴うフレキシブルリードの屈曲変位を許容する。
【解決手段】本発明に係る携帯型電子機器は、全閉状態と全開状態の間で第1筐体1と第2筐体2を相対移動可能に連結する連結アーム31を具え、フレキシブルリード7は、連結アーム31の内部を延びる帯状のリード部7bを有し、連結アーム31には、両筐体の開閉に伴うリード部7bの屈曲変形を許容するリード収容部38が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の筐体を互いに連結して構成されている携帯型電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の筐体を互いに連結してなる携帯型電子機器において、両筐体にそれぞれ画像表示面を配備して、両画像表示面によって多くの情報をユーザに提供することが可能な携帯型電子機器が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この様な携帯型電子機器においては、例えば、一対の筐体が互いに重なって下側の筐体(第1筐体)の画像表示面(第1画像表示面)が上側の筐体(第2筐体)により覆われ、第2筐体の画像表示面(第2画像表示面)のみが露出した全閉状態と、第1筐体に対して第2筐体が移動して、両筐体の画像表示面が露出すると共に第2画像表示面が第1画像表示面と同一平面上に揃った全開状態との間で、両筐体が互いに相対移動を行なう。
【0004】
全開状態では、両筐体の画像表示面が同一平面上に揃うため、2つの画像表示面を1つの画面として、大画面による画像の表示が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−71588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、2つの筐体を開閉に可能に連結してなる折り畳み式の携帯型電子機器においては、一方の筐体に内蔵された電子部品と他方の筐体に内蔵された電子部品とを互いに電気的に接続する必要があり、一般にフレキシブルリードを用いた接続が採用されている。
【0007】
しかしながら、上述の如く一対の筐体が互いに重なって1つの画像表示面のみが露出した全閉状態と、両筐体が相対移動して2つの画像表示面が同一平面上に露出した全開状態とを設定することが可能な携帯型電子機器においては、フレキシブルリードによって互いに接続すべき2つの電子部品の距離が全閉状態と全開状態の間で大きく変化するために、両筐体の間を延びるフレキシブルリードの長さに大きな余裕を与える必要があり、この長いフレキシブルリードが両筐体の相対移動に伴って屈曲変位することになるので、機器本体の内部には、フレキシブルリードの屈曲変位を許容する大きな空間を確保する必要があり、これによって機器の大型化を招来する問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、一対の筐体が全閉状態と全開状態の間で相対移動可能に連結され、一方の筐体に内蔵された電子部品と他方の筐体に内蔵された電子部品とがフレキシブルリードを用いて互いに接続されている携帯型電子機器において、機器本体の内部に大きな空間を設けることなく、両筐体の相対移動に伴うフレキシブルリードの屈曲変位を許容することが出来る携帯型電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る携帯型電子機器においては、第1筐体と第2筐体が連結機構を介して互いに連結され、両筐体の表面にはそれぞれ画像表示面が設けられており、第1筐体の画像表示面を第2筐体の裏面によって覆うと共に第2筐体の画像表示面を露出させた全閉状態と、該全閉状態から第2筐体を移動させて両筐体の画像表示面を露出させた全開状態の少なくとも2つの状態を選択的に設定することが可能となっている。
【0010】
前記連結機構は、前記全閉状態と全開状態の間で第1筐体と第2筐体を相対移動可能に連結する連結アームを具え、第1筐体に内蔵された電子部品と第2筐体に内蔵された電子部品とはフレキシブルリードを介して互いに電気的に接続され、該フレキシブルリードは、連結アームの内部を延びる帯状のリード部を有し、連結アームには、両筐体の開閉に伴う前記リード部の屈曲変形を許容するリード収容部が形成されている。
【0011】
具体的態様において、第1筐体と第2筐体は更に、前記全閉状態から第2筐体を移動させて両筐体の画像表示面を露出させ且つ第1筐体の画像表示面に対して第2筐体の画像表示面を90度以上、180度未満の開き角度で傾斜させたチルト状態に設定可能である。
【0012】
上記携帯型電子機器において、フレキシブルリードは、連結アームの内部をリード部が延びているので、両筐体の相対移動に伴って連結アームが回動したとき、この連結アームの回動に伴ってリード部が屈曲変位することになる。
ここで、両筐体の全閉状態から全開状態への移行に伴って、フレキシブルリードの長さには弛みが生じるが、この弛みは、フレキシブルリードのリード部が連結アームのリード収容部内で屈曲変形することによって吸収される。
【0013】
具体的態様において、前記連結アームは、両筐体の画像表示面と交叉する面上でL字状に屈曲するL字形状を呈して、該L字形状の角部で交叉する第1アーム部と第2アーム部とを有し、第1アーム部の端部が、第1枢軸により、第1筐体の後方端部に連結されると共に、第2アーム部の端部が、前記第1枢軸と平行な第2枢軸により、第2筐体の前方端部と後方端部の中間部に連結され、前記リード収容部は、第2アーム部の第2筐体側の端部に形成されている。
そして、フレキシブルリードは、第1筐体の後方端部から引き出され、更に連結アームの第1アーム部に沿って延び、第2アーム部の端部から第2筐体の内部へ引き込まれている。
【0014】
該具体的態様によれば、全閉状態から全開状態への移行に伴ってフレキシブルリードのリード部が連結アームのリード収容部内で屈曲変形し、全開状態では、リード収容部内でU字状に屈曲変形して方向転換し、第2アーム部の端部から第2筐体の内部へ引き込まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯型電子機器によれば、両筐体を連結する連結アームにリード収容部を形成するだけで、両筐体にはフレキシブルリードの屈曲変形のための空間を設けることなく、両筐体の相対移動に伴うフレキシブルリードの屈曲変形を許容することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係る携帯型電子機器の全閉状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、該携帯型電子機器を全閉状態で裏返して示す斜視図である。
【図3】図3は、該携帯型電子機器のチルト状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、該携帯型電子機器のチルト状態を背面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、該携帯型電子機器の回動全開状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、該携帯型電子機器を回動全開状態で裏返して示す斜視図である。
【図7】図7は、該携帯型電子機器のスライド全開状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、該携帯型電子機器をスライド全開状態で裏返して示す斜視図である。
【図9】図9は、該携帯型電子機器の分解斜視図である。
【図10】図10は、該携帯型電子機器を裏返した状態の分解斜視図である。
【図11】図11は、図10の状態から更に一部分解した携帯型電子機器の斜視図である。
【図12】図12は、図11の状態から更に一部を分解した携帯型電子機器の斜視図である。
【図13】図13は、第1筐体を構成する前面キャビネットと第2筐体を構成する前面キャビネットの斜視図である。
【図14】図14は、第1筐体を構成する前面キャビネットと第2筐体を構成する前面キャビネットを裏返して示す斜視図である。
【図15】図15は、第2筐体上の磁石を示す斜視図である。
【図16】図16は、第2筐体上のスライド部材を示す斜視図である。
【図17】図17は、該携帯型電子機器の断面図である。
【図18】図18は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図19】図19は、図1のB−B線に沿う断面図である。
【図20】図20は、第2筐体の一部を拡大して示す断面図である。
【図21】図21は、図6の状態から一部を分解した携帯型電子機器の斜視図である。
【図22】図22は、図8の状態から一部を分解した携帯型電子機器の斜視図である。
【図23】図23は、携帯型電子機器の回動全開状態(a)からスライド全開状態(b)への移行を示す断面図である。
【図24】図24は、携帯型電子機器の回動全開状態(a)からスライド全開状態(b)への移行を示す他の断面図である。
【図25】図25は、図24の要部を拡大して示す断面図である。
【図26】図26は、スライド全開状態における両筐体の当接部分を拡大して示す断面図である。
【図27】図27は、本発明に係る携帯型電子機器の全閉状態からチルト状態を経てスライド全開状態に至る過程の前半を示す一連の側面図である。
【図28】図28は、同上の過程の後半を示す一連の側面図である。
【図29】図29は、本発明に係る携帯型電子機器をチルト状態(a)及びスライド全開状態(b)にて机上に置いた状態を示す側面図である。
【図30】図30は、全閉状態におけるフレキシブルリードの収容状態を示す斜視図である。
【図31】図31は、チルト状態におけるフレキシブルリードの収容状態を示す斜視図である。
【図32】図32は、回動全開状態におけるフレキシブルリードの収容状態を示す斜視図である。
【図33】図33は、スライド全開状態におけるフレキシブルリードの収容状態を示す斜視図である。
【図34】図34は、連結アーム内を延びるフレキシブルリードを示す斜視図である。
【図35】図35は、連結アーム内のリード収容部を示す斜視図である。
【図36】図36は、全閉状態からチルト状態を経てスライド全開状態に至る過程の前半におけるフレキシブルリードの屈曲変位の様子を示す一連の側面図である。
【図37】図37は、同上の過程の後半におけるフレキシブルリードの屈曲変位の様子を示す一連の側面図である。
【図38】図38は、カバー部材が取り付けられている状態での第1筐体の分解斜視図である。
【図39】図39は、カバー部材を取り外した状態での第1筐体の斜視図である。
【図40】図40は、カバー部材の拡大斜視図である。
【図41】図41は、全閉状態におけるカバー部材の姿勢を示す拡大断面図である。
【図42】図42は、スライド全開状態におけるカバー部材の姿勢を示す拡大断面図である。
【図43】図43は、第1筐体のカバー部材によって開口が閉じられている様子(a)と開口からフレキシブルリードが露出している様子(b)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る携帯型電子機器は、図1〜図8に示す如く、表面に第1画像表示面(11)を有する第1筐体(1)と、表面に第2画像表示面(21)を有する第2筐体(2)とが、連結機構(3)を介して互いに連結されている。
尚、以下の説明で携帯型電子機器の構成要素の各部位を特定する場合、図1に示された携帯型電子機器を、図中の矢印Sで示すユーザの視線に沿って見た場合の「前(手前側)」「後」「左」「右」を、他の図面においても、携帯型電子機器の姿勢に拘わらず「前」「後」「左」「右」と呼ぶ。
【0018】
図1の如く、第2筐体(2)の表面には、その右側部及び後方端部に、カーソルを移動させるためのカーソルキー(24)、オンフック操作のためのENDキー(25a)、オフフック操作のためのTALKキー(25b)、ホーム画面を表示するためのホームキー(25c)、メニュー画面を表示するためのメニューキー(25d)、及び操作を1ステップだけ戻すためのBACKキー(25e)が配備されている。ここで、ENDキー(25a)及びTALKキー(25b)は、メカニカルなスイッチであって、前面キャビネットに形成された凹部に収容されている。これに対し、ホームキー(25c)、メニューキー(25d)及びBACKキー(25e)は、ソフトウエア的なキーであって、前面キャビネットに開設された貫通孔を経てその下のタッチパネルを操作するものである。
又、図2の如く、第1筐体(1)の背面には撮影レンズ(9)が配備されている。
【0019】
図3に示す如く、第1筐体(1)の表面には、その前方端部に、ホームキー(16a)、メニューキー(16b)、BACKキー(16c)、及び第1筐体と第2筐体で表示を切り換える際に操作すべきビューキー(16d)が配備されている。これらの操作キーはソフトウエア的なキーであって、前面キャビネットに開設された貫通孔を経てその下のタッチパネルを操作するものである。
【0020】
図17に示す如く、第1筐体(1)の内部には、第1画像表示面(11)に面して第1タッチパネル(13)と第1ディスプレイ(12)が配備され、撮影レンズ(9)に面してカメラ(91)が配備されている。又、図18及び図19に示す如く、第1筐体(1)の内部には電池(15)が収容され、該電池(15)は、電池蓋(14)を取り外すことによって交換が可能となっている。
一方、第2筐体(2)の内部には、図17の如く第2画像表示面(21)に面して第2タッチパネル(23)と第2ディスプレイ(22)が配備されている。
【0021】
図13及び図14に示す如く、第1筐体(1)を構成する前面キャビネット(1a)の後方端部には、前面キャビネット(1a)の一部となるステンレス鋼製の金属プレート(101)がビス止めされ、第2筐体(2)を構成する前面キャビネット(2a)の前方端部には、前面キャビネット(2a)の一部となるステンレス鋼製の金属プレート(201)がビス止めされている。尚、金属プレート(101)(201)は嵌合構造によって固定してもよい。
図26に示す如く、金属プレート(101)(201)の端部とタッチパネル(13)(23)の端部とは、両面粘着テープ(102)(202)によって互いに貼着固定されている。
【0022】
本発明に係る携帯型電子機器は、図1及び図2に示す如く第1筐体(1)の表面を第2筐体(2)の裏面によって覆うと共に第2筐体(2)の表面を露出させた全閉状態と、図3及び図4に示す如く第2筐体(2)を後方へ移動させることによって両筐体(1)(2)の表面を露出させ且つ第1筐体(1)の表面に対して第2筐体(2)の表面を90度以上、180度未満の開き角度で傾斜させたチルト状態と、図5及び図6に示す如く第2筐体(2)を後方へ回動させることによって両筐体(1)(2)の表面を同一平面上に露出させた回動全開状態と、図7及び図8に示す如く両筐体(1)(2)の表面を同一平面上に露出させた状態で第2筐体(2)を第1筐体(1)側へスライドさせたスライド全開状態の4つの状態を選択的に設定することが出来る。
【0023】
第1筐体(1)と第2筐体(2)とを互いに連結する連結機構(3)は、図9及び図10に示す如く、左右に伸びるアーム連結部(32a)の両端部に、前後方向に伸びる左右一対の連結アーム(31)(31)を突設してなるU字状の連結部材(32)を具えている。
連結アーム(31)は、両筐体の画像表示面に直交する面上でL字形状に屈曲するL字状を呈し、該L字形状の角部にて互いに交叉する第1アーム部(35)と第2アーム部(36)から構成されている。
【0024】
右側の連結アーム(31)の基端部(第1アーム部(35)の基端部)は、バネ及びカム機構を内蔵した周知のヒンジユニット(4)を介して、第1筐体(1)の右側面後方端部に連結され、左側の連結アーム(31)の基端部(第1アーム部(35)の基端部)は、バネやカム機構を内蔵しないダミーのヒンジユニット(41)を介して、第1筐体(1)の左側面後方端部に連結されている。
【0025】
又、右側の連結アーム(31)の先端部(第2アーム部(36)の先端部)は、第1のヒンジ部材(5)を介して、第2筐体(2)の背面右端部に連結され、左側の連結アーム(31)の先端部(第2アーム部(36)の先端部)は、第2のヒンジ部材(51)を介して、第2筐体(2)の背面左端部に連結されている。
両ヒンジ部材(5)(51)は図18に示す如く第2筐体(2)の背部に収容されている。
【0026】
ヒンジユニット(4)(41)は連結アーム(31)の基端部を第1筐体(1)に連結する第1枢軸を構成する一方、ヒンジ部材(5)(51)は連結アーム(31)の先端部を第2筐体(2)に連結する第2枢軸を構成し、第1枢軸と第2枢軸は互いに平行となっている。
又、第1筐体(1)に内蔵されている電子部品(ディスプレイ、タッチパネル等)と第2筐体(2)に内蔵されている電子部品(ディスプレイ、タッチパネル、IC等)とは、フレキシブルリード(7)によって互いに電気的に接続されている。該フレキシブルリード(7)は、第2筐体(2)の内部から連結アーム(31)の内部を経て第1筐体(1)の内部へ伸びており、その長さには、第1筐体(1)と第2筐体(2)の相対移動を許容し得る余裕が設けられている。
【0027】
これによって、第2筐体(2)は第1筐体(1)に対して図27(a)〜(d)及び図28(a)〜(c)に示す一連の相対移動を行なうことが可能となっている。
【0028】
ヒンジユニット(4)は、図3及び図4に示すチルト状態で第1筐体(1)に対して連結部材(32)を軟係止すると共に、連結部材(32)をチルト状態での回転角度を中心とする一定の角度範囲内でチルト状態での回転角度に向けて付勢している。又、ヒンジユニット(4)は、図5及び図6に示す回動全開状態を含む一定の角度範囲内で連結部材(32)を回動全開状態での回転角度に向けて付勢している。
尚、図5及び図6に示す回動全開状態では、連結部材(32)が第1筐体(1)によって受け止められることにより、連結部材(32)は回動全開状態の回転角度に保持される。
【0029】
図9に示す如く、第1のヒンジ部材(5)には、その回転軸(第2枢軸)を中心としてトーションバネ(6)が取り付けられ、該トーションバネ(6)によって第2筐体(2)を、図28(b)に示すチルト状態での開き角度θを縮小する方向に回転付勢している。
【0030】
又、図10に示す如く、第1筐体(1)の両側面後端部には、連結部材(32)の連結アーム(31)(31)の第1アーム部(35)(35)を収容すべき収容部(103)(103)が凹設されている。
一方、第2筐体(2)の背面両側部には、連結部材(32)のアーム連結部(32a)と第2アーム部(36)(36)とを収容すべき収容部(204)(203)(203)が凹設されている。
【0031】
又、図10に示す如く、連結部材(32)の両連結アーム(31)(31)にはそれぞれ、第2筐体(2)と対向部に、第2筐体(2)を受け止めるための受け止め面(33)が形成されると共に、第2筐体(2)の背面両端部にはそれぞれ、受け止め面(33)と摺接すべきスライド面(29)が形成されている。
【0032】
図3及び図4に示すチルト状態や、図5及び図6に示す回動全開状態では、図23(a)に示す如く、第2筐体(2)のスライド面(29)が連結アーム(31)の受け止め面(33)に当接して、連結アーム(31)に対する第2筐体(2)の回動が受け止められ、これによって、チルト状態や回動全開状態における第2筐体(2)の連結アーム(31)に対する相対姿勢が規定されることになる。
【0033】
図12に示す如く、第2筐体(2)を構成する背面パネル(28)上には、前後方向にスライドが可能なU字状のスライド部材(83)が配備されると共に、該スライド部材(83)を覆って、U字状の支持部材(81)が固定されている。スライド部材(83)の左右両端部には支持アーム部(84)(84)が突設され、各支持アーム部(84)には摺動ガイド部(85)が設けられている。又、支持部材(81)の左右両端部には摺動部(82)(82)が突設されている。
【0034】
そして、支持アーム部(84)(84)に取り付けられた摺動ガイド部(85)(85)が、図17に示す様に、支持部材(81)の摺動部(82)(82)と背面パネル(28)との間に挟持されて、背面パネル(28)上のスライド部材(83)の前後方向のスライドが案内されている。
【0035】
これによって、支持アーム部(84)(84)に対して第2筐体(2)を前後方向にスライドさせるスライド機構(8)が構成され、第2筐体(2)は、図5、図6及び図21に示す回動全開状態と、図7、図8及び図22に示すスライド全開状態との間で、前後にスライドすることが可能となっている。
【0036】
又、背面パネル(28)上にはマグネット(88)が設置される一方、スライド部材(83)の中央部には、図15の如くマグネット(88)を包囲する枠部(89)が形成され、該枠部(89)には、マグネット(88)の前方と後方に、図16の如く一対の突片(86)(87)が形成されている。
上述の如くスライド部材(83)が前後方向にスライドすることによって、一対の突片(86)(87)内、何れか一方の突片が図20の如くマグネット(88)と接触することになる。
【0037】
この結果、第2筐体(2)は、図5及び図6に示す回動全開状態と図7及び図8に示すスライド全開状態のそれぞれにおいて、一対の突片(86)(87)の何れか一方がマグネット(88)に吸着されて、磁気吸引力により、回動全開状態若しくはスライド全開状態におけるスライド位置が保持されるのである。
【0038】
回動全開状態にて互いに対向することとなる第1筐体(1)の後方端面と第2筐体(2)の前方端面には、図24(a)(b)に示す如く互いに係脱可能な凸部(10)と凹部(20)とが形成されており、図24(a)及び図25(a)に示す回動全開状態では凸部(10)と凹部(20)とが互いに離脱し、図24(b)及び図25(b)に示すスライド全開状態では凸部(10)と凹部(20)とが互いに係合することになる。
この結果、図24(b)及び図25(b)に示すスライド全開状態では、凸部(10)と凹部(20)の係合によって第1筐体(1)と第2筐体(2)とが互いに連結され、第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)とが同一平面上に揃った状態が維持される。
【0039】
図24(a)及び図25(a)に示す如く回動全開状態では、第1筐体(1)を構成する金属プレート(101)と第2筐体(2)を構成する金属プレート(201)との間には、充分な大きさ(例えば数mm)のギャップTが設けられているが、図24(b)及び図25(b)に示す如くスライド全開状態では、両金属プレート(101)(201)が互いに当接若しくは僅かな距離(例えば0.1mm)をおいて対向することになる。
【0040】
スライド全開状態において、図26に示す各部寸法は、例えば、a:2.55mm、b:0.2mm、c:0.05mm、d:0.15mm、e:1.1mm、f:0.3mm、g:0.2mm、h:0.5mm、i:0.05mmに設定されている。
ここで寸法aは、キャビネットの端面からディスプレイ(12)(22)の画像表示エリアまでの距離、寸法bは、画像表示面(11)(21)の端縁から画像表示エリアまでの距離、寸法hは金属プレート(101)(201)の厚さ、寸法iは、金属プレート(101)(201)のキャビネット表面からの落とし込み量である。
【0041】
上記携帯型電子機器によれば、図1及び図2に示す如く第1筐体(1)と第2筐体(2)とが重なって第2画像表示面(21)のみを露出させた全閉状態と、図3及び図4に示す如く前記全閉状態から第2筐体(2)を後方へ移動させて第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)の両方を露出させ且つ第1画像表示面(11)に対して第2画像表示面(21)を90度以上、180度未満の開き角度で傾斜させたチルト状態と、図5及び図6に示す如く前記チルト状態から第2筐体(2)を後方へ回動させて第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)の両方を同一平面上に露出させた回動全開状態と、図7及び図8に示す如く前記回動全開状態から第2筐体(2)を第1筐体(1)側へスライドさせて第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)を互いに接近させた位置で両画像表示面(11)(21)を同一平面上に露出させたスライド全開状態の4つの状態を選択的に設定することが出来る。
【0042】
図1及び図2に示す全閉状態では、図10に示す第1筐体(1)の収容部(103)(103)に連結アーム(31)(31)の第1アーム部(35)(35)が収容されると共に、第2筐体(2)の収容部(204)(203)(203)には、連結部材(32)のアーム連結部(32a)と第2アーム部(36)(36)とが収容されて、連結機構(3)は両筐体(1)(2)の両側面や後端面から突出することなく、機器全体がコンパクトに収まっている。
【0043】
又、図3に示すチルト状態、図5に示す回動全開状態、及び図7に示すスライド全開状態の何れの状態においても、連結機構(3)は略全体が両筐体(1)(2)の背面側に隠れており、ユーザの通常の視線(図1の矢印S)からは、連結機構(3)の突出部分が見えることはない。
【0044】
図27(a)〜(d)及び図28(a)〜(d)に示す様に、上記携帯型電子機器を全閉状態からチルト状態及び回動全開状態を経てスライド全開状態まで移行させる過程で、図27(a)に示す全閉状態で第2筐体(2)を後方へ押圧して僅かに移動させれば、その後は同図(b)〜(d)に示す様に、前記トーションバネ(6)の付勢によって、第2筐体(2)は破線の矢印の如く反時計方向へ回動し、これに伴って連結アーム(31)は実線の矢印の如く時計方向へ回転する。
これによって、第2筐体(2)は第2画像表示面(21)を上方若しくは斜め上方に向けたまま後方へ移動することになる。
【0045】
そして図27(d)の状態を少し過ぎた時点で、前記ヒンジユニット(4)の付勢によって、連結アーム(31)は図28(a)の如く更に時計方向へ回転し、同図(b)の如くチルト状態の回転角度にて軟係止される。又、第2筐体(2)は前記トーションバネ(6)の付勢によって反時計方向に回動し、前記スライド面(29)が連結アーム(31)の受け止め面(33)に当接することによって、図28(b)に示すチルト状態の姿勢に保持される。
【0046】
従って、ユーザは、図27(a)に示す全閉状態で第2筐体(2)を後方へ押圧して僅かに移動させるだけで、その後は図28(b)に示すチルト状態まで自動的に第2筐体(2)が移動することになる。
【0047】
次に、図28(b)に示すチルト状態で第2筐体(2)を後方へ押圧して、連結アーム(31)を僅かに時計方向へ回転させれば、その後は、第2筐体(2)のスライド面(29)が連結アーム(31)の受け止め面(33)に当接したまま、連結アーム(31)が前記ヒンジユニット(4)の付勢によって図28(c)に示す回動全開状態の回転角度まで回転し、この回転角度で第1筐体(1)によって受け止められる。
この連結アーム(31)の回転に伴って第2筐体(2)は後方へ向けて回動し、最終的に第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)とが同一平面上に揃うことになる。
【0048】
更に、図28(c)に示す回動全開状態から第2筐体(2)を第1筐体(1)側へ引き寄せれば、図23(a)(b)に示す様に第2筐体(2)のスライド面(29)が連結アーム(31)の受け止め面(33)上を摺動することによって、第2筐体(2)は図28(d)に示すスライド全開位置まで水平に移動し、最終的に第1筐体(1)と当接する。
この結果、図7に示す如く第1画像表示面(11)と第2画像表示面(21)とが互いに接近して、両画像表示面(11)(21)によって1つの大きな画面が形成されることになる。
【0049】
スライド全開状態では、図24(b)の如く第1筐体(1)の凸部(10)と第2筐体(2)の凹部(20)とが互いに係合して両筐体(1)(2)が連結される。従って、この状態で第2画像表示面(21)を強くタッチ操作したとしても、第2筐体(2)は第1筐体(1)に対して一定の姿勢を維持することになる。
【0050】
図26の如くスライド全開状態では両筐体(1)(2)の金属プレート(101)(201)どうしが互いに対向する構造が採用されているので、金属プレート(101)(201)を採用せずに合成樹脂製のキャビネットどうしを互いに対向させる一般的な構造と比べて、合成樹脂製のキャビネットの厚さ(1.2mm×2)と金属プレートの厚さ(0.5mm×2)の差(1.4mm)だけ、第1ディスプレイ(12)と第2ディスプレイ(22)の間隔を狭めることが出来る。
【0051】
又、上記携帯型電子機器においては、図29(a)の如くチルト状態で机上に置いた場合や、図29(b)の如くスライド全開状態で机上に置いた場合、連結アーム(31)の角部が第1筐体(1)の背面よりも突出して、第1筐体(1)の前方端部と連結アーム(31)の角部とが接地されることになる。
ここで、何れの状態でも図示の如く連結アーム(31)の接地点よりも第1筐体(1)側に重心Gがくる様に、第1筐体(1)と第2筐体(2)に対する部品の配置や連結アーム(31)のL字形状が設計されており、これによって両筐体(1)(2)の姿勢の安定化が図られている。
【0052】
従って、図29(a)の如くチルト状態で机上に置いた場合には、例えば後方の第2筐体(2)のディスプレイ(12)を見ながら前方の第1筐体(1)のタッチパネル(13)を操作することが出来る。
【0053】
又、図29(b)の如くスライド全開状態で机上に置いた場合には、連結アーム(31)の角部の突出量に応じて、両画像表示面(11)(21)が僅かにユーザ側へ向いた姿勢となり、例えば両画像表示面(11)(21)によって1つの画面を形成して、大画面による画像の鑑賞が可能となる。この場合、両画像表示面(11)(21)は互いに充分に接近しているので、両画像表示面(11)(21)には殆ど途切れのない画像を表示することが出来る。
【0054】
フレキシブルリード(7)は、具体的には、図30〜図33に示す様に、第1筐体(1)の内部を延び帯状の第1リード部(7a)と、連結機構(3)の連結部材内を延びる帯状の第2リード部(7b)と、第2筐体(2)の内部を延びる帯状の第3リード部(7c)とから構成され、第1リード部(7a)の端部には、第1筐体(1)内のコネクター(図示省略)と連結されるべき第1連結部(71)が設けられると共に、第3リード部(7c)の端部には、第2筐体(2)内のコネクター(図示省略)と連結されるべき第2連結部(72)が設けられている。
【0055】
図38に示す如く第1筐体(1)を構成する前面キャビネット(1a)と背面キャビネット(1b)の間には、シャーシ(1c)が介在している。フレキシブルリード(7)の第1連結部(71)はシャーシ(1c)の裏面側に配備されているコネクター(図示省略)に連結され、第1連結部(71)から後方へ延びる第1リード部(7a)は、図31の如く第1筐体(1)内にて僅かに立ち上がった後、図38に示すシャーシ(1c)の裏面に沿って延び、第2リード部(7b)へ繋がっている。
【0056】
フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)は、図9に示す連結部材(32)のアーム連結部(32a)に向かって後方へ延びた後に左へ屈曲して、連結部材(32)のアーム連結部(32a)に沿って左方へ延びた後、図34に示す様に、左側の連結アーム(31)内を第2アーム部(36)に沿って延びている。
【0057】
フレキシブルリード(7)の第3リード部(7c)は、図31の如く第2筐体(2)内にて第2連結部(72)から第2筐体(2)の前方端部を左方へ延びた後、第2筐体(2)の後方端部側へ屈曲し、第2筐体(2)と連結アーム(31)との連結部にて第2リード部(7b)へ繋がっている。
【0058】
連結アーム(31)の第2アーム部(36)には、図35に示す様に、第2筐体(2)との連結部側に、第2アーム部(36)に沿って延びるフレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)の屈曲変形を許容するリード収容部(38)が形成されている。
【0059】
又、背面キャビネット(1b)の端部には、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)に対向して、カバー部材(17)が開閉可能に取り付けられている。
図39に示す様に、第1筐体(1)の背面キャビネット(1b)には、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)が露出する開口(18)が形成されており、該開口(18)がカバー部材(17)によって覆われる。
【0060】
カバー部材(17)は、図40に示す如く、カバー部(171)と、該カバー部(171)の端部に突設された枢軸(172)と、該枢軸(172)の一方の端部に取り付けられたトーションバネ(19)とを有し、枢軸(172)の両端が第1筐体(1)の背面キャビネット(1b)に軸支されると共に、トーションバネ(19)の両端がカバー部(171)と背面キャビネット(1b)に係止されている。これによって、カバー部材(17)のカバー部(171)は閉じ方向に回転付勢されている。
【0061】
上記携帯型電子機器において、フレキシブルリード(7)は、第2リード部(7b)が連結アーム(31)の第2アーム部(36)の内部を延びているので、図36(a)〜(d)及び図37(a)〜(d)に示す如く、両筐体(1)(2)が全閉状態からチルト状態及び回動全開状態を経てスライド全開状態まで移行する過程で、フレキシブルリード(7)は、連結アーム(31)の回動に伴って屈曲変位することになる。
【0062】
図36(a)に示す全閉状態では、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)が連結アーム(31)の第2アーム部(36)内を略真っ直ぐに延びて、第2筐体(2)内へ引き込まれている。この状態から図36(b)(c)に示す様に連結アーム(31)が回動して第2筐体(2)が立ち上がり開始すると、フレキシブルリード(7)に弛みが生じ、この弛みは、第2リード部(7b)が連結アーム(31)のリード収容部(38)内で屈曲変形することによって吸収される。
【0063】
その後、図36(d)及び図37(a)〜(c)に示す如く連結アーム(31)が更に回動し、チルト状態を経て回動全開状態へ移行する過程で、フレキシブルリード(7)は大きく屈曲変位し、第2リード部(7b)はリード収容部(38)内で複数の変曲点を有する形状に屈曲変形することになる。
そして、図37(d)に示す如くスライド全体状態に達すると、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)は、1つの変曲点を有するU字形状に変形し、第2筐体(2)へ引き込まれる。
【0064】
上述の如く、両筐体(1)(2)が全閉状態からチルト状態及び回動全開状態を経てスライド全開状態まで移行する過程で、フレキシブルリード(7)は、連結アーム(31)の回動に伴って屈曲変位し、この過程で生じる弛みは、第2リード部(7b)が連結アーム(31)のリード収容部(38)内で屈曲変形することによって吸収される。
従って、第1筐体(1)や第2筐体(2)には、フレキシブルリード(7)の屈曲変形を許容するための空間の形成は不要である。
【0065】
図41に示す様に、第1筐体(1)と第2筐体(2)が全閉状態に設定されているときは、カバー部材(17)のカバー部(171)が前記回転付勢によって第1筐体(1)の開口(18)を閉じている。このとき、連結部材(32)のアーム連結部(32a)は、第1筐体(1)と第2筐体(2)の間に介在している。
【0066】
ここで、カバー部材(17)が装備されていないとすれば、図43(b)の如く開口(18)からフレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)が外部に露出することになるが、カバー部材(17)を装備することによって、図43(a)の如くカバー部材(17)によりフレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)が覆われ、第2リード部(7b)が外部に露出することはない。
【0067】
図42に示す様に、第1筐体(1)と第2筐体(2)が全開状態に移行すると、連結部材(32)が回動し、アーム連結部(32a)は、第1筐体(1)の背面側へ移動する。このアーム連結部(32a)の移動に伴って、カバー部材(17)のカバー部(171)が前記回転付勢に抗して開き方向へ駆動され、開かれることになる。
この状態では、連結部材(32)のアーム連結部(32a)が第1筐体(1)の開口(18)を覆うこととなり、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)はアーム連結部(32a)の内側を延びているので、外部に露出することはない。
【0068】
尚、第1筐体(1)には開口(18)が形成されているので、全閉状態から回動全開状態への移行に伴って連結部材(32)が図41に示す位置から図42に示す位置へ移動する過程で、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)が連結部材(32)のアーム連結部(32a)の移動に伴って第1筐体(1)の外側へ変位することが可能となる。これによって、フレキシブルリード(7)の第2リード部(7b)を連結部材(32)のアーム連結部(32a)に常に沿わせることが出来る。
【0069】
本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば本発明は、チルト状態を省略して、全閉状態、回動全開状態及びスライド全開状態の3つの状態を選択的に設定することが出来る携帯型電子機器に実施することも可能である。
【符号の説明】
【0070】
(1) 第1筐体
(11) 第1画像表示面
(17) カバー部材
(18) 開口
(2) 第2筐体
(21) 第2画像表示面
(29) スライド面
(3) 連結機構
(32) 連結部材
(31) 連結アーム
(35) 第1アーム部
(36) 第2アーム部
(33) 受け止め面
(4) ヒンジユニット
(5) ヒンジ部材
(6) トーションバネ
(7) フレキシブルリード
(8) スライド機構
(83) スライド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と第2筐体が連結機構を介して互いに連結され、両筐体の表面にはそれぞれ画像表示面が設けられており、第1筐体の画像表示面を第2筐体の裏面によって覆うと共に第2筐体の画像表示面を露出させた全閉状態と、該全閉状態から第2筐体を移動させて両筐体の画像表示面を露出させた全開状態の少なくとも2つの状態を選択的に設定することが可能な携帯型電子機器において、
前記連結機構は、前記全閉状態と全開状態の間で第1筐体と第2筐体を相対移動可能に連結する連結部材を具え、第1筐体に内蔵された電子部品と第2筐体に内蔵された電子部品とはリード手段を介して互いに電気的に接続され、該リード手段は、前記連結部材の内側を延び、両筐体の開閉に伴う前記連結部材の往復移動に応じて前記連結部材の内側で変形することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
第1筐体と第2筐体が連結機構を介して互いに連結され、両筐体の表面にはそれぞれ画像表示面が設けられており、第1筐体の画像表示面を第2筐体の裏面によって覆うと共に第2筐体の画像表示面を露出させた全閉状態と、該全閉状態から第2筐体を移動させて両筐体の画像表示面を露出させた全開状態の少なくとも2つの状態を選択的に設定することが可能な携帯型電子機器において、
前記連結機構は、前記全閉状態と全開状態の間で第1筐体と第2筐体を相対移動可能に連結する連結アームを具え、第1筐体に内蔵された電子部品と第2筐体に内蔵された電子部品とはフレキシブルリードを介して互いに電気的に接続され、該フレキシブルリードは、連結アームの内部を延びる帯状のリード部を有し、連結アームには、両筐体の開閉に伴う前記リード部の屈曲変形を許容するリード収容部が形成されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
第1筐体と第2筐体は更に、前記全閉状態から第2筐体を移動させて両筐体の画像表示面を露出させ且つ第1筐体の画像表示面に対して第2筐体の画像表示面を90度以上、180度未満の開き角度で傾斜させたチルト状態に設定可能である請求項2に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
前記連結アームは、両筐体の画像表示面と交叉する面上でL字状に屈曲するL字形状を呈して、該L字形状の角部で交叉する第1アーム部と第2アーム部とを有し、第1アーム部の端部が、第1枢軸により、第1筐体の後方端部に連結されると共に、第2アーム部の端部が、前記第1枢軸と平行な第2枢軸により、第2筐体の前方端部と後方端部の中間部に連結され、前記リード収容部は、第2アーム部の第2筐体側の端部に形成されている請求項2又は請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
フレキシブルリードは、第1筐体の後方端部から引き出され、更に連結アームの第1アーム部に沿って延び、第2アーム部の端部から第2筐体の内部へ引き込まれている請求項4に記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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