説明

携帯機器の状態パラメータ告知装置

【課題】電池残量等の重要な状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることのできる携帯機器の状態パラメータ告知装置を提供する。
【解決手段】携帯機器に設けられ、当該携帯機器の状態に関するパラメータを操作者に告知する携帯機器の状態パラメータ告知装置において、携帯機器が操作者によって振られる動作を検出する振動検出部11aと、振られる動作が検出された時点での状態パラメータを検出する状態パラメータ検出部11cと、音を発生させるスピーカ16と、状態パラメータの値に応じた音を、振られる動作の振られるタイミングに合わせてスピーカ16より発音させる発音制御部11bと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器の状態パラメータ告知装置に関し、詳しくは、カメラ等の携帯機器における電池残量やパラメータ残量等の状態パラメータの状態を告知するための携帯機器の状態パラメータ告知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラやムービー等の携帯機器では、表示部に表示される携帯機器の情報の中で重要な情報、例えば、電池残量等の情報については、分かりやすく告知するために、音で告知することが提案されている。例えば、特許文献1には、電源オン時に基準音(フル充電に相当する音)を発生させ、続いて現在の電池残量に応じた音を発生させ、1回目と2回目の音の差によって、電池残量をユーザに知らせるカメラが提案されている。電池残量に応じた単独の音による告知では、電池残量の大小を認識し難いという問題があったが、特許文献1によれば、この問題を解決することができる。
【0003】
また、カメラ等の携帯機器に情報を入力するにあたっては、操作釦によってなされていたが、近年、携帯機器の小型化に伴って、本体のタップ操作によって情報を入力することが提案されている。例えば、特許文献2には、カメラボディへのタップ操作の方向を検出して、この操作方向に応じて指示を入力するカメラが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−37943号公報
【特許文献2】特開2009−302808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に提示されたカメラでは、電池残量を音で告知することができ確認し易いが、この告知は電源オンのタイミングのみである。このため、電池残量等の重要な状態パラメータの情報を、随時、必要なときに確認することができない。しかし、状態パラメータに関する情報を告知させるために、専用の釦を設けるとすると、携帯機器のサイズが大きくなり、操作性も悪くなる。一方、兼用釦での操作になると、その操作が煩雑になってしまう。特許文献2には、タップ操作で情報を入力することについて記載されているが、状態パラメータの告知については、開示されていない。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、電池残量等の重要な状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることのできる携帯機器の状態パラメータ告知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、携帯機器に設けられ、当該携帯機器の状態に関するパラメータを操作者に告知する携帯機器の状態パラメータ告知装置において、上記携帯機器が操作者によって振られる動作を検出する振動検出部と、上記振られる動作が検出された時点での上記状態パラメータを検出する状態パラメータ検出部と、音を発生させる発音部と、上記状態パラメータの値に応じた音を、上記振られる動作の振られるタイミングに合わせて上記発音部より発音させる発音制御部と、を有する。
【0008】
第2の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第1の発明において、上記発音制御部は、上記状態パラメータの値に応じて音として、上記状態パラメータの値の大小を連想させるような擬声音を発生させる。
第3の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第2の発明において、上記発音制御部は、上記擬声音として、容器に入った内容物が振動時に発生するような音を連想させる音を発生させる。
【0009】
第4の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第1の発明において、上記発音制御部は、上記状態パラメータの種類に応じて、異なる音を発音させる。
第5の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第4の発明において、上記振動検出部は、上記振られる動作の種類として、当該携帯機器が振られる方向、あるいは当該携帯機器が振られる速度のいずれかを検出する。
第6の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第4の発明において、上記状態パラメータ検出部は、上記状態パラメータとして、当該携帯機器に搭載される電池の残量、または当該携帯機器に搭載されるメモリの残量の少なくともいずれかを検出する。
【0010】
第7の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第1の発明において、上記振動検出部は、さらに上記振られる動作の種類を検出し、上記状態パラメータ検出部は、上記振られる動作の種類に応じて、異なる種類の状態パラメータの値を検出し、上記発音制御部は、上記検出された状態パラメータの種類に応じて、上記発音の内容を異ならせる。
【0011】
第8の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、携帯機器に設けられ、当該携帯機器の状態に関するパラメータを操作者に告知する携帯機器の状態パラメータ告知装置において、上記携帯機器が操作者によって振られる動作を検出する振動検出部と、上記振られる動作が検出された時点での上記状態パラメータを検出する状態パラメータ検出部と、音を発生させる発音部と、上記状態パラメータの値に応じた音として、上記状態パラメータの値の大小を連想させるような擬声音を、上記発音部により発音させる発音制御部と、有する。
【0012】
第9の発明に係わる携帯機器の状態パラメータ告知装置は、上記第8の発明において、上記発音制御部は、上記状態パラメータの値に応じた音を、上記振られる動作の振られるタイミングに合わせて上記発音部より発音させるように制御する。
第10の発明に係わるカメラは、上記第1〜9発明のいずれかの携帯機器の状態パラメータ告知装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、電池残量等の重要な状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることのできる携帯機器の状態パラメータ告知装置を提供することができる。また、振る動作のタイミングに合わせて状態パラメータの音を出すので、操作を覚えやすい。なお、状態パラメータの値は、振られた時点で直接、検出するようにしてもよいが、振られた時点よりも前に検出したデータがあれば、そのデータで代用しても勿論かまわない。
【0014】
また、第2の発明によれば、説明者を見ることなく、音のもつ意味から、残量の多寡を容易に理解することができる。
さらに、第3の発明によれば、音を聞けば、説明なしでも残量を感覚的に把握することができる。
【0015】
さらに、第4の発明によれば、音の種類によって、複数の種類の状態パラメータを確認することができる。
さらに、第5の発明によれば、振れられる方向と振られる速度によって状態パラメータの選択を行うことができ、撮影者の好みに合わせて選択の種類を増やすことができる。
さらに、第6の発明によれば、携帯機器として重要なパラメータについて、簡単な操作でその値を把握することができ、扱いやすい環境を実現できる。
さらに、第7の発明によれば、振り方の選択によって知りたい状態パラメータの選択が簡単にでき、他のボタン操作の併用が不要となり便利である。
【0016】
さらに、第8の発明によれば、電池残量等の重要な状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることのできる携帯機器の状態パラメータ告知装置を提供することができる。
さらに、第9の発明によれば、振る動作のタイミングに合わせて状態パラメータの音を出すので、操作を覚えやすい。
さらに、第10の発明によれば、状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることのできるカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの主として電気回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカメラの外観斜視図であり、(a)はカメラの背面側から見た外観斜視図であり、(b)は振動検出部によって振動検出がなされる方向を示す図ある。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、振る動作によって状態パラメータの告知を行う様子を示す図であって、(a)は上下に振る動作であり、(b)は前後に振る動作を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、振る動作によって状態パラメータの告知を行う様子を示す図であって、(a)は速く振る動作の場合であり、(b)は遅く振る動作の場合を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、振る動作によって状態パラメータの告知を行う様子を示す図であって、(a)は上から下に振る動作であり、(b)は下から上に振る動作を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、擬声語で状態パラメータを告知する場合の組合せを示す図であって、(a)は擬声語パラメータと擬声語の組合せ関係を示す図であり、(b)は発音パターンと振る動作の関係を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わるカメラの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係わるカメラの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、大略、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した画像表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが画像記憶部中の記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、画像表示部に再生表示することができる。また、カメラの本体を振ると、電池残量等の状態パラメータのレベルに応じた音のパターンでユーザに告知する。
【0019】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラ10の構成を示すブロック図である。制御部(CPU:Central Processing Unit)11は、プログラム/データ記憶部12に記憶された制御プログラムに従って動作し、カメラ10の全体制御を行う。制御部11内には、振動検出部11a、発音制御部11b、状態パラメータ検出部11cが設けられている。制御部11内の11a〜11cは、制御プログラムにより実行される処理の一部であるので、特徴的な処理について制御部11に含まれる機能部として説明する。
【0020】
振動検出部11aは、携帯機器であるカメラ10が操作者によって振られる動作を検出する検出部であって、後述する加速度センサ14からの検出出力を入力し、カメラ10の本体に加えられている動作の方向や状態、例えば、上下の振り、前後の振り等の振られる方向や、速い振り、遅い振り等の振りの速度等、を検出する。
【0021】
状態パラメータ検出部11cは、撮影者によって振られる動作が振動検出部11aによって検出された時点での上記状態パラメータを検出する。具体的には、電源用の電池28の電池残量のレベルを電源部29を介して、また画像記憶部25のメモリ残量のレベルを記録再生部24を介して、それぞれ検出する。なお、電池残量に関しては定期的に検出され保存された残量データを、撮影者がカメラ10を振ったことを検出した時点で読み出すようにする。もちろん振動検出時にその都度、電源部29より電池残量を読み出すようにしてもよい。
【0022】
発音制御部11bは、状態パラメータの値に応じた擬声語を、振られる動作の振られるタイミングに合わせてスピーカ16より発音させる。具体的には、メニュー画面によって設定された擬声語パターン1〜3および発音パターンA〜Eと、振動検出部11aによって検出された撮影者によるカメラ10の振りの動作と、状態パラメータ検出部11cによって検出された状態パラメータのレベルに基づいて、擬声語の発音を行わせる。この擬声語は、状態パラメータの値の大小を連想させるような擬声語を発生させる。また、擬声語は、容器に入った内容物が振動時に発生するような音を連想させる音を発生させる。さらに、擬声語は、状態パラメータの種類に応じて、異なる音を発音させる。
【0023】
制御部11には、プログラム及びデータ記憶部12、操作部13、加速度センサ14、発音処理部15、電源部29、及びバス30が接続されている。プログラム及びデータ記憶部12には前述したように制御部11において実行するプログラムが記憶されており、また各種データも記憶されている。さらに、プログラム/データ記憶部12には、状態パラメータのレベルを告知する際に使用する擬声語を、発音させるためのデータが記憶されている。操作部13は、ユーザがカメラに指示を与えるための各種操作部材を含み、電源釦、レリーズ釦13a、メニュー釦13b、OK釦13c等(図2(a)参照)を有する。
【0024】
加速度センサ14は、カメラ10に加えられた加速度を検出するセンサであり、カメラ10の上下方向、左右方向、前後方向の3方向(図2(b)参照)に沿っての加速度を検出するため、3つの加速度センサが配置されている。なお、カメラ10に加えられた振る動作を検出できるものであれば、加速度センサに限らず、例えば、角加速度センサやジャイロ等のセンサであってもよい。
【0025】
発音処理部15は、発音制御部11bからの制御命令と、プログラム/データ記憶部12に記憶された擬声語を発音させるためのデータとに基づいて、スピーカ16に対して擬音語を発音するための音声アナログ信号を出力する。スピーカ16は発音処理部15に接続されており、発音処理部15からの音声アナログ信号に基づいて、擬音語等を発音する。また、スピーカ16は、本実施形態においては、図2(a)に示すように、カメラ10の本体の上面に配置しているが、撮影者が音を聞ける位置であれば、他の位置に配置してもかまわない。
【0026】
電池28は、カメラ10の電源供給用の電池であり、電源部29に接続されている。電源部29は、制御部11からの制御命令に応じて、電池28の電源電圧をカメラ10内の各部に供給する。また、電源部29は、状態パラメータ検出部11cからの制御命令に従って、電池28の電池残量を検出し、状態パラメータ検出部11cに電池残量のレベルを出力する。
【0027】
バス30には、前述の制御部11の他に、撮像部20、SDRAM21、画像処理部22、圧縮伸張部23、表示処理部26が接続されている。撮像部20は、被写体像を結像させるための撮影レンズ、被写体像を画像データに変換するための撮像素子、及びこれらの処理回路、撮影レンズの光路中に介挿された絞り及びシャッタ等を含む。また、撮影レンズの焦点距離を変化させる焦点距離調整機構を有する。撮像部20によって生成された画像データはバス30に出力される。
【0028】
SDRAM(Dynamic Random Access Memory)21は電気的に書き換え可能な揮発性の一時記憶メモリであり、撮像部20から出力される静止画や動画の画像データ等の一時記憶に用いられる。画像処理部22は、画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、ホワイトバランス、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成、記録用静止画像生成、動画画像生成等の各種の画像処理を行なう。
【0029】
圧縮伸張部23はSDRAM21に一時記憶された静止画や動画の画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸張する回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
【0030】
圧縮伸張部23に接続された記録再生部24は、圧縮伸張部23において圧縮された画像データを画像記憶部25に記憶し、また、画像記憶部25に記憶された撮影画像の画像データを読み出す。この読み出された画像データは、圧縮伸張部23において伸張され、この伸張された画像データに基づいて、表示部27に画像が再生表示される。また、記録再生部24は、状態パラメータ検出部11cからの制御命令に応じて、画像記憶部25のメモリ残量のレベルを検知し、状態パラメータ検出部11cに出力する。画像記憶部25は、記録再生部24に接続されており、デジタルカメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。
【0031】
表示処理部26は、撮影時にはライブビュー表示を、再生時には再生画像を、表示部27に表示させる。また、表示処理部26は、制御部11からの制御命令に基づき、メニュー画面を作成し、表示部27に表示する。メニュー画面は、操作部13のメニュー釦13bが操作されたことを制御部11が検知すると作成され、このメニュー画面では、図6を用いて後述する擬声語パターン1〜3および発音パターンA〜Eの選択を行うことができる。
【0032】
表示部27は、表示処理部26に接続されており、カメラ10の本体の背面等に図2(a)に示すように配置された液晶モニタや有機EL等のディスプレイを有する。表示処理部26の制御によりディスプレイの画面にライブビュー画像、記録済み画像の再生画像、メニュー画面等の所定の画像が表示される。
【0033】
次に、状態パラメータの告知の仕方について、図3ないし図6を用いて説明する。まず、図6(a)を用いて、擬音語パターンについて説明する。撮影者は、予めメニュー画面において、擬音語パターン1〜3のいずれかを選択する。例えば、擬音語パターン1が選択されている場合に、状態パラメータとして電池残量のレベルが大であることを告知する場合には、擬声語として「タプタプ」が、また、電池残量レベルが中である場合には「チャプチャプ」が、また、電池残量レベルが小である場合には「ピチャピチャ」が、それぞれスピーカ16によって発音される。
【0034】
擬音語パターン1が選択され、状態パラメータとしてメモリ残量を告知する場合には、状態パラメータ検出部11cによってメモリ残量のレベルが大であると判定された場合には、擬声語として「ゴロンゴロン」が、また、メモリ残量レベルが中である場合には「ゴロゴロ」が、また、メモリ残量レベルが小である場合には「コロコロ」が、それぞれスピーカ16によって発音される。
【0035】
図6(a)に表示されているように、擬音語パターン1〜3によって、擬声語は変わるが、一般に、電池残量を告知する場合には、液体系の音、すなわち、容器の中に入っている液体が、容器が振動されることによって発するような擬声語が割り当てられており、残量レベルは容器中の液体の量を表わすような擬声語となるようにしている。また、メモリ残量を告知する場合には、固体系の音、すなわち、容器の中に入っている固形物が、容器が振動されることによって発生するような擬声語が割り当てられており、残量のレベルは容器中の固形物の量を表わすような擬声語となるようにしている。
【0036】
なお、擬声語パターンは、本実施形態においては、3通りとしているが、これは撮影者の好みに応じた擬声語を選択できるようにしたものであり、これよりも擬声語パターンは多くても少なくても構わない。また、擬声語は、図6(a)に示したものに限られない。
【0037】
次に、図6(b)を用いて、電池残量とメモリ残量の告知の切換えについて説明する。カメラ10の振りのパターンは発音パターンA〜Eの5通りが設けられている。この発音パターンは、擬声語パターンの場合と同様に、メニュー画面で予め設定しておき、振動検出部11aによって、予め設定されている発音パターンで振りがなされているか否かを判定する。
【0038】
例えば、発音パターンAが設定されている場合に、カメラ10が上下に振られていることを振動検出部11aによって検出されると、スピーカ16を通じて電池残量を告知する。このときの電池残量は状態パラメータ検出部11cが検出し、図6(a)で説明したように残量に応じた擬声語で告知する。つまり、電池残量を告知させるためには、ユーザは設定されている発音パターンに従って、速い振り、上から下のタイミング、被写体から自分への方向等のいずれかの動きを行えばよい。
【0039】
一方、発音パターンAが設定されている場合に、カメラ10が前後に振られた場合には、スピーカ16を通じてメモリ残量を告知する。このときのメモリ残量も状態パラメータ検出部11cが検出し、図6(a)で説明したように残量に応じた擬声語で告知する。つまり、メモリ残量の告知させるためには、ユーザは設定されている発音パターンに従って、遅い振り、下から上のタイミング、自分から被写体への方向等のいずれかの動きを行えばよい。また、方向を問わず、カメラ10を振っている場合には、その間、電池残量の擬声語の音とメモリ残量の擬声語の音が交互に発生されるパターンも用意されている(パターンE)。
【0040】
図6(a)(b)に示される条件に沿って、具体的な事例について説明する。図3は発音パターンAおよび擬声語パターン1が予め選択され、撮影者がカメラ10を振って状態パラメータの確認を行っている様子を示している。図3(a)は、撮影者が電池残量を確認するために、カメラ10を上下に振っている様子を示す。この振り動作は、振動検出部11aによって検出され、発音制御部11bに伝えられ、発音制御部11bは状態パラメータ検出部11cから電池残量のレベルを取得する。図示の例では、電池残量のレベルが大であることから、発音処理部15は電池残量大に対応する「タプタプ」を発音するためのデータを、プログラム/データ記憶部12から取得し、スピーカ16から「タプタプ」という擬声語を発音させる。
【0041】
また、図3(b)は、撮影者がメモリ残量を確認するために、カメラ10を前後に振っている様子を示す。この前後の振り動作がなされると、上下の振り動作の場合と同様の処理がなされる。図示の例では、メモリ残量のレベルが大であることから、発音処理部15はメモリ残量大に対応する「ゴロンゴロン」を発音するためのデータを、プログラム/データ記憶部12から取得し、スピーカ16から「ゴロンゴロン」という擬声語を発音させる。
【0042】
次に、図4に示される例を説明する。この例では、発音パターンBおよび擬声語パターン2がメニュー画面で予め設定されている。この場合、振動検出部11aによって速い振動を検出すると、電池残量の告知を行う。図4(a)の例では、電池残量が中であることから、擬声語として、「トプトプ」が発音される。また、振動検出部11aによって遅い振動を検出すると、メモリ残量の告知を行う。図4(b)の例では、メモリ残量が大であることから、「ゴロゴロ」が発音される。
【0043】
次に図5に示される例を説明する。この例では、発音パターンCおよび擬声語パターン3がメニュー画面で予め設定されている。この場合、振動検出部11aによって上から下への振り動作を検出すると、電池残量の告知を行う。図5(a)の例では、電池残量が小であることから、擬声語として、「ポタポタ」が発音される。また、振動検出部11aによって下から上への振り動作を検出すると、メモリ残量の告知を行う。図5(b)の例では、メモリ残量が小であることから、擬声語として「スカスカ」が発音される。
【0044】
なお、図3ないし図5において説明した例では、発音パターンA〜Eで設定されている振り動作に応じて、電池残量やメモリ残量を擬声語で告知していた。しかし、振り動作のみで状態パラメータの告知を行うとすると、カメラ10の動きに応じて、撮影者の意図しないタイミングでスピーカ16から告知される可能性がある。そこで、OK釦13c等の操作部材を押しながら、振り動作を実行した場合のみ、電池残量やメモリ残量等の状態パラメータを告知するようにしてもよい。
【0045】
次に、本実施形態の状態パラメータの告知を行うためのフローについて、図7および図8に示すフローチャートを用いて説明する。このフローはプログラム/データ記憶部12に記憶されているプログラムに従って制御部11によって実行される。このパラメータ告知のためのフローに入ると、まず、振動検出されたか否かを判定する(S11)。ここでは、振動検出部11aによって、カメラ10に、上下、左右、または前後のいずれかの方向に動きがあったか否かを判定する。
【0046】
ステップS11における判定の結果、振動が検出された場合には、次に、発音パターンはAか否かの判定を行う(S12)。前述したように発音パターンの設定は、メニュー画面から行うので、このステップでは、メニュー画面によって設定されている発音パターンがパターンAか否かの判定を行う。発音パターンAが設定されている場合には、図6(b)に示すように、上下振りの場合には電池残量の表示を行い、前後振りの場合にはメモリ残量の表示を行う。
【0047】
ステップS12における判定の結果、発音パターンがAであった場合には、次に、振動は上下方向か否かの判定を行う(S13)。ここでは、振動検出部11aによる検出結果に基づいて判定する。この判定の結果、振動は上下方向であった場合には、次に、電池残量の読出しを行う(S14)。ここでは、状態パラメータ検出部11cは電源部29から電池28の残量に関する情報を取得する。
【0048】
電池残量の読出しを行うと、次に、擬声語テーブルから電池残量に応じた音声データの読出しを行う(S15)。ここでは、ステップS14において読み出された電池残量と、予め設定されている擬声語パターンに基づいて、図6(a)に示すテーブルから対応する擬声語の音声データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。
【0049】
音声データの読出しを行うと、次に、振動に合わせて発音を行う(S16)。ここでは、振動検出部11aによって検出されたカメラ10の動きに合わせて、音声データに基づいて擬声語をスピーカ16から発音してもよいし、振動の動きを記憶しておいて、振動終了直後に、振動の動き(タイミング)に合わせたリズムで、擬声語を繰り返し発音させるようにしてもよい。
【0050】
ステップS13における判定の結果、振動は上下方向でなかった場合には、次に、振動は前後方向か否かの判定を行う(S17)。ここでは、振動検出部11aによる検出結果に基づいて判定する。この判定の結果、振動は前後方向であった場合には、次に、メモリ残量の読出しを行う(S18)。ここでは、状態パラメータ検出部11cは記録再生部24から画像記憶部25のメモリの残量に関する情報を取得する。
【0051】
メモリ残量の読出しを行うと、次に、擬声語テーブルからメモリ残量に応じた音声データの読出しを行う(S19)。ここでは、ステップS18において読み出されたメモリ残量と、予め設定されている擬声語パターンに基づいて、図6(a)に示すテーブルから対応する擬声語の音声データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。ステップS19において音声データを読み出すと、前述のステップS16に進み、振動に合わせて擬声語をスピーカ16から発音させる。
【0052】
ステップS12における判定の結果、発音パターンがAでなかった場合には、次に、発音パターンがBであるか否かを判定する(S20)。このステップでは、メニュー画面によって設定されている発音パターンがパターンBか否かの判定を行う。発音パターンBが設定されている場合には、図6(b)に示すように、速い振りの場合には電池残量の表示を行い、遅い振りの場合にはメモリ残量の表示を行う。
【0053】
ステップS20における判定の結果、発音パターンがBであった場合には、次に、振動の速度が速いか否かを判定する(S21)。ここでは、振動検出部11aによる検出結果に基づいて判定する。なお、速い振りか遅い振りかを判定するための速度値を予め設計値として設定しておく。
【0054】
ステップS21における判定の結果、振動が速い振りであった場合には、電池残量の告知を行うために、前述のステップS14に進み、電池残量を読出し、電池残量に応じた擬声語を発音する(S15、S16)。一方、ステップS21における判定の結果、振動が遅かった場合には、メモリ残量の告知を行うために、ステップS18に進み、メモリ残量を読出し、メモリ残量に応じた擬声語を発音する(S19、S16)。
【0055】
ステップS20における判定の結果、発音パターンがBでなかった場合には、発音パターンはC、D、Eのいずれかであるとし、次に、電池残量およびメモリ残量の読出しを行う(S31)。ここでは、状態パラメータ検出部11cは電源部29から電池28の残量に関する情報を取得し、また記録再生部24から画像記憶部25のメモリの残量に関する情報を取得する。
【0056】
続いて、擬声語テーブルから電池残量およびメモリ残量に応じた音声データの読出しを行う(S32)。ここでは、ステップS32において読み出された電池残量およびメモリ残量と、予め設定されている擬声語パターンに基づいて、図6(a)に示すテーブルから対応する擬声語の音声データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。
【0057】
音声データの読出しを行うと、次に、発音パターンはCか否かの判定を行う(S33)。このステップでは、メニュー画面によって設定されている発音パターンがパターンCか否かの判定を行う。発音パターンCが設定されている場合には、図6(b)に示すように、上から下のタイミングで電池残量の告知を行い、下から上のタイミングでメモリ残量の告知を行う。
【0058】
ステップS33における判定の結果、発音パターンがCであった場合には、次に、振りが上から下への方向か否かの判定を行う(S34)。ここでは、振動検出部11aによる検出結果に基づいて判定する。この判定の結果、振りが上から下への方向であった場合には、下位置に来た時に、電池残量の擬声語を発音する(S35)。ここでは、ステップS31において読み出された電池残量と、ステップS32において読出された擬声語パターンの音声データに基づいて、擬声語をスピーカ16から発音する。
【0059】
ステップS34における判定の結果、振りは上から下への方向でなかった場合には、次に、振りが上位置に来た時に、メモリ残量の擬声語を発生する(S36)。ここでは、ステップS31において読み出されたメモリ残量と、ステップS32において読出された擬声語パターンの音声データに基づいて、擬声語をスピーカ16から発音する。
【0060】
ステップS33における判定の結果、発音パターンがCでなかった場合には、次に、発音パターンがDであるか否かの判定を行う(S37)。ここでは、メニュー画面によって設定されている発音パターンがパターンDか否かの判定を行う。発音パターンDが設定されている場合には、図6(b)に示すように、被写体から自分の方向である場合に電池残量の告知を行い、自分から被写体への方向でメモリ残量の告知を行う。
【0061】
ステップS37における判定の結果、発音パターンがDであった場合には、次に、振りが手前への方向であるか否かの判定を行う(S38)。ここでは、振動検出部11aによる検出結果に基づいて判定する。この判定の結果、振りが手前の方向であった場合には、次に、前述のステップS35に進み、電池残量に応じた擬声語を発音する。一方、ステップS38における判定の結果、振りが手前への方向でなかった場合には、前述のステップS36に進み、メモリ残量に応じた擬声語を発音する。
【0062】
ステップS37における判定の結果、発音パターンがDでなかった場合には、次に、振りに合わせて電池残量とメモリ残量の擬声語を交互に発音する(S39)。この場合には、発音パターンはEであることから、方向を問わず、カメラ10を振っている間、電池残量とメモリ残量の擬声語が交互に発音される。すなわち、ステップS31において読み出した電池残量とメモリ残量の情報に基づいて、図6(a)に示す擬声語のテーブルから読み出した擬声語を交互にスピーカ16から発音する。
【0063】
ステップS35、S36、S39、S16における発音を行った後、または、ステップS17における判定の結果、振動が前後方向でなかった場合には、次に、電源オフか否かの判定を行う(S22)。ここでは、操作部13の電源釦の操作状態を判定し、電源オフか否かを判定する。この判定の結果、電源オフでなかった場合には、ステップS11に戻る。一方、電源オフであった場合には、このフローを終了する。
【0064】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、カメラ等の携帯装置が操作者によって振られる動作を検出し、この振られる動作に応じて状態パラメータを検出し、検出された状態パラメータに応じた擬声音を発音するようにしている。このため、電池残量等の重要な状態パラメータの情報を簡単な操作で分かりやすく得ることができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、状態パラメータとして、電池残量およびメモリ残量の両方を告知するようにしていたが、いずれか一方でもよく、また他の状態パラメータを告知するようにしても勿論かまわない。また、擬声語の発音タイミングを振動に合わせるように説明したが(ステップS16)、振動とは無関係に一定のリズムで発音させるようにしてもよい。
【0066】
また、本実施形態においては、タプタプ等、擬声語を発音していたが、これに限らず、言葉になっていなくても、パラメータの大小や種類等を識別できるような擬声音であれば、勿論かまわない。また、擬声音の発生時に、擬声音の言葉(図6(a)参照)や対応するアイコンを画面に表示させるようにしてもよい。
【0067】
さらに、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、状態パラメータを表示するような携帯機器であれば、本発明を適用することができる。
【0068】
さらに、本実施形態では、携帯機器としてカメラを用いて説明した、これに限らず、携帯電話、ノートパソコン、携帯音楽機器、ビデオカメラ、ICレコーダ等の携帯機器であれば、本発明を適用することができる。さらに、電池残量を表示するのであれば、充電式湯たんぽ、懐中電灯、ラジオ、ラジカセ、電卓、家庭内無線電話機、トランシーバ等にも適用することができる。
【0069】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10・・・カメラ、11・・・制御部(CPU)、11a・・・振動検出部、11b・・・発音制御部、11c・・・状態パラメータ検出部、12・・・プログラム/データ記憶部、13・・・操作部、13a・・・レリーズ釦、13b・・・メニュー釦、13c・・・OK釦、14・・・加速度センサ、15・・・発音処理部、16・・・スピーカ、20・・・撮像部、21・・・SDRAM、22・・・画像処理部、23・・・圧縮伸張部、24・・・記録再生部、25・・・画像記憶部、26・・・表示処理部、27・・・表示部、30・・・バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器に設けられ、当該携帯機器の状態に関するパラメータを操作者に告知する携帯機器の状態パラメータ告知装置において、
上記携帯機器が操作者によって振られる動作を検出する振動検出部と、
上記振られる動作が検出された時点での上記状態パラメータを検出する状態パラメータ検出部と、
音を発生させる発音部と、
上記状態パラメータの値に応じた音を、上記振られる動作の振られるタイミングに合わせて上記発音部より発音させる発音制御部と、
を有することを特徴とする携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項2】
上記発音制御部は、上記状態パラメータの値に応じて音として、上記状態パラメータの値の大小を連想させるような擬声音を発生させることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項3】
上記発音制御部は、上記擬声音として、容器に入った内容物が振動時に発生するような音を連想させる音を発生させることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項4】
上記発音制御部は、上記状態パラメータの種類に応じて、異なる音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項5】
上記振動検出部は、上記振られる動作の種類として、当該携帯機器が振られる方向、あるいは当該携帯機器が振られる速度のいずれかを検出することを特徴とする請求項4に記載の状態パラメータ告知装置。
【請求項6】
上記状態パラメータ検出部は、上記状態パラメータとして、当該携帯機器に搭載される電池の残量、または当該携帯機器に搭載されるメモリの残量の少なくともいずれかを検出することを特徴とする請求項4に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項7】
上記振動検出部は、さらに上記振られる動作の種類を検出し、
上記状態パラメータ検出部は、上記振られる動作の種類に応じて、異なる種類の状態パラメータの値を検出し、
上記発音制御部は、上記検出された状態パラメータの種類に応じて、上記発音の内容を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項8】
携帯機器に設けられ、当該携帯機器の状態に関するパラメータを操作者に告知する携帯機器の状態パラメータ告知装置において、
上記携帯機器が操作者によって振られる動作を検出する振動検出部と、
上記振られる動作が検出された時点での上記状態パラメータを検出する状態パラメータ検出部と、
音を発生させる発音部と、
上記状態パラメータの値に応じた音として、上記状態パラメータの値の大小を連想させるような擬声音を、上記発音部により発音させる発音制御部と、
有することを特徴とする携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項9】
上記発音制御部は、上記状態パラメータの値に応じた音を、上記振られる動作の振られるタイミングに合わせて上記発音部より発音させるように制御することを特徴とする請求項8に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置。
【請求項10】
上記請求項1〜9のいずれか1項に記載の携帯機器の状態パラメータ告知装置を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−172033(P2011−172033A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34238(P2010−34238)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】