説明

携帯用スクリーン一体型プロジェクタ

【課題】本発明は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタを使用する、ユーザの利便性を向上する。
【解決手段】プロジェクタ本体と、スクリーンと、が接続部にて折畳み可能に接続される、携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、プロジェクタ本体は、光源と、光源からの光を変調して、画像を表す画像光を生成する変調部と、変調部によって生成された画像光を、スクリーンに投写する投写光学系と、を備え、携帯用スクリーン一体型プロジェクタが開かれた場合に、投写光学系とスクリーンとの距離である投写距離が、スクリーンの縦の長さよりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用のスクリーン一体型プロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量でサイズが小さく、持ち運び可能なプロジェクタが販売されている。例えば、営業職の人が、顧客の所に、プロジェクタを持参して、プレゼンテーションを行なう場合がある。その場合に、顧客のところに、投写に適した壁面や、スクリーンがないことがある。そのため、プロジェクタと共に、スクリーンも持ち込みたいという要望があった。そこで、プロジェクタとスクリーンを一体化して、携帯可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−224300号広報
【特許文献2】特開平10−312024号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタを使用する、ユーザの利便性を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1] プロジェクタ本体と、スクリーンと、が接続部にて折畳み可能に接続される、携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、前記プロジェクタ本体は、光源と、前記光源からの光を変調して、前記画像を表す画像光を生成する変調部と、前記変調部によって生成された画像光を、前記スクリーンに投写する投写光学系と、を備え、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが開かれた場合に、前記投写光学系と前記スクリーンとの距離である投写距離が、前記スクリーンの縦の長さよりも短い、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【0007】
本明細書中において、投写光学系は、投写レンズやミラーを備える。例えば、投写レンズのみを備える場合、投写距離は、投写レンズのスクリーン寄りの端とスクリーンとの距離、投写レンズとミラーとを備える場合、ミラーの中心とスクリーンとの距離をいう。
【0008】
この携帯用スクリーン一体型プロジェクタによれば、投写距離がスクリーンの縦の長さよりも短いため、スクリーンとプロジェクタを一体型にしても、スクリーンに、適度な大きさの画像を投写することができる。
【0009】
[適用例2] 適用例1に記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタにおいて、前記プロジェクタ本体は、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが折畳まれて、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが携帯される場合に、把持される把持部を備える、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【0010】
この携帯用スクリーン一体型プロジェクタによれば、把持部を有するため、ユーザの持ち運びの利便性が向上される。
【0011】
[適用例3] 適用例1または2に記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、前記接続部は、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが開かれた場合に、前記プロジェクタ本体と前記スクリーンとの角度を、略90度に固定可能である、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【0012】
この携帯用スクリーン一体型プロジェクタでは、開かれた場合に、プロジェクタ本体とスクリーンとの角度が略90度に固定される。そのため、例えば、この携帯用スクリーン一体型プロジェクタを、机上に設置して、スクリーンに投写される画像を鑑賞しやすい。また、プロジェクタ本体において、常に、一定の台形歪み補正パラメータを用いて補正を行えば、スクリーンに、適切に補正された画像が表示される。すなわち、この携帯用スクリーン一体型プロジェクタを用いれば、開けたら、ユーザが台形歪み補正の設定を行なわなくても、台形歪み補正処理済みの画像が、スクリーンに表示されるということが可能になる。その結果、ユーザの利便性が向上される。
【0013】
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれか一つに記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタにおいて、前記スクリーンは、透明度が変更可能である、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【0014】
この携帯用スクリーン一体型プロジェクタによれば、スクリーンの透明度が変更可能であるため、携帯用スクリーン一体型プロジェクタの設置場所、用途、使用環境等に応じて、反射型スクリーンとしても、透過型スクリーンとしても用いることができる。したがって、ユーザは、反射型スクリーンと透過型スクリーンの2種類のスクリーンを備えなくても、両方の特性が利用できるため、便利である。
【0015】
[適用例5] 適用例1ないし3のいずれか一つに記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタにおいて、前記スクリーンは、特定の入射角度範囲の光を選択的に反射する、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【0016】
この携帯用スクリーン一体型プロジェクタによれば、スクリーンが特定の入射角度範囲の光を選択的に反射するため、例えば、外光を反射せず、プロジェクタ本体から入射される画像光のみを反射する。そのため、ユーザは、高コントラストの画像を鑑賞することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例としての携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の構成を概略的に示す説明図である。携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000は、プロジェクタ本体100と、スクリーン200と、接続部300と、を備える。
【0018】
携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000は、図示するように、接続部300にて折畳み可能に、プロジェクタ本体100とスクリーン200とが接続されている。携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を使用する場合には、図1に実線で示すように、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を開く。このとき、プロジェクタ本体100とスクリーン200との間の角度θは略90度になる。
【0019】
一方、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を使用しない場合は、図1に破線で示すように、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を折畳む。本実施例において、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の開閉は、ユーザが手動で行なう構成である。なお、例えば、ユーザが、リモコンや、操作ボタンを操作することによって、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の開閉が制御される構成にしてもよい。
【0020】
スクリーン200は、表示部220と、枠部240と、を備える。本実施例におけるスクリーン200の画面サイズは、60インチ(60型)である。表示部220は、透明度を変更可能に構成されている。図2は、表示部220の概略構成を示す説明図である。図2(a)に示すように、表示部220は、液晶シート210を、2枚の透明導電シート212、214で挟み、さらに、板ガラス216、218で挟んで、構成される。図2(b)に示すように、透明導電シート212、214間に電圧を印加すると、液晶が電場と平行して配向する。その結果、液晶シート210を光が透過する。板ガラス218の外面は、例えば拡散層やマイクロレンズアレイなどを配置している。液晶シート210を透過した光は、板ガラス218に配置されている拡散層やマイクロレンズアレイにより光が拡散され、視認性に富む画像が表示できる。
【0021】
一方、図2(c)に示すように、透明導電シート212、214間に電圧を印加しない場合には、液晶が不規則に配列している。その結果、光の大半が反射される(すなわち、表示部220が不透明になる。)。このように、表示部220は、容易に透明度を変更することができる。したがって、スクリーン200は、反射型スクリーンとしても、透過型スクリーンとしても、使用することができる。
【0022】
枠部240は、無線ネットワークのアンテナや、映像や音声を送受信するためのAVトランスミッタ、レシーバの機能を備える。本実施例において、枠部240の材料としては、マグネシウム合金が用いられるが、例えば、カーボンファイバー等の軽量で剛性の高い金属や、樹脂等を用いてもよい。
【0023】
図3は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の構成を概略的に示す側面図である。図3は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を開いた状態を図示している。また、図3では、プロジェクタ本体100の内部構成の一部を、模式的に図示している。プロジェクタ本体100は、光源ランプ102と、液晶パネル104と、投写レンズ部106と、ミラー108と、筐体110と、会議システム部112と、把持部114と、を備える。
【0024】
光源ランプ102は、液晶パネル104に光を照射するものであって、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ類や、その他の発光体を備えて構成される。
【0025】
液晶パネル104は、透過型の液晶パネルと液晶パネル駆動部を備え、画像処理部(図示しない)から与えられる画像データに基づいて、光源ランプ102から射出された光を変調し、画像を表す画像光を射出する。
【0026】
投写レンズ部106は、複数のレンズを備え(図示しない)、その一部に、焦点距離が短い非球面レンズ(いわゆる、超短焦点レンズ)を用いている。ミラー108は、投写レンズ部106を透過した画像光を反射して、スクリーン200上に投写し、この結果、スクリーン200上に画像が表示される。本実施例では、超短焦点レンズと、ミラー108とを組み合わせることにより、投写距離Lを短縮している。
【0027】
携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を開いた場合の、ミラー108の中心と、スクリーンとの距離(以下、「投写距離L」という。)は、スクリーン200の縦方向の長さH(短辺の長さ)よりも短い。本実施例では、例えば、投写距離Lを30cmとしている。
【0028】
筐体110は、内部に空間を有する略直方体形状を成す。筐体110の内部空間には、上記した光源ランプ102、液晶パネル104、投写レンズ部106、ミラー108が配置される。筐体110は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が閉じられた場合に、スクリーン200と当接する面(以下、「当接面」とも称する。)に、開口部116が設けられている。ミラー108によって反射された画像光は、開口部116を通って、スクリーン200上に投写される。
【0029】
会議システム部112は、カメラ(図示しない)、マイク(図示しない)、スピーカ(図示しない)等を備える。上記したように、スクリーン200の枠部240は、無線ネットワークのアンテナの機能を備えるため、会議システム部112を利用して、例えば、ネットワークを介したテレビ会議システムを構築することができる。また、PLC(Power Line Communications:高速電力線通信)を利用する構成としてもよい。
【0030】
把持部114は、筐体110と一体的に形成される。携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を閉じた場合に、スクリーン200との間に隙間ができるように構成され、ユーザは、その隙間に指を出すことによって、好適に把持部114を把持することができる。
【0031】
本実施例において、プロジェクタ本体100の筐体110、把持部114等は、携帯性を考慮して、マグネシウム合金を用いて軽量化されている。その他、例えば、カーボンファイバー等の軽量で剛性の高い金属や、樹脂等を用いてもよい。
【0032】
接続部300は、プロジェクタ本体100とスクリーン200とを、互いの間の角度θが略0度と略90度との間で回動可能に接続する。接続部300は、プロジェクタ本体100とスクリーン200との間の角度θが、略0度(携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が折畳まれた状態)と、略90度(携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が開かれた状態)とに固定され、それ以外の角度には固定されないように構成されている。
【0033】
図4は、ユーザが、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を携帯した場合の一例を示す図である。ユーザは、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を携帯する場合、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を折畳む。本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000において、把持部114は、筐体110の接続部300と接続される側と対向する側に配置されている。そして、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を折畳んだ場合に、スクリーン200の短辺の長さの真ん中辺に配置される。そのため、プロジェクタ本体100の把持部114を把持すると、丁度60インチのスクリーン200を脇に抱え込む形となるため、容易に、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を、安定して持ち運びすることができる。
【0034】
図5は、本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の使用状態の例を示す図である。図5(A)は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を机上に設置した場合を例示している。本実施例では、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が開かれると、プロジェクタ本体100とスクリーン200との間の角度θが略90度の位置に固定される。そのため、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を机上に設置して使用する場合には、机の面とスクリーン200との角度が略90度になる。そのため、図5(A)に示すように、ユーザが机の周りに座って、スクリーン200に投写される映像を観る場合に観易い。
【0035】
図5(B)は、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を天吊り設置した場合を例示している。携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を天吊り設置した場合にも、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が開かれると、プロジェクタ本体100とスクリーン200との間の角度θが略90度の位置に固定されるため、ユーザがスクリーン200に投写される映像を観る場合に観易い。
【0036】
以上説明したように、本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000では、投写レンズ部106に超短焦点レンズを用いると共に、ミラー108を備えることによって、投写距離Lをスクリーン200の縦の長Hさよりも短くすることができる。そのため、プロジェクタ本体100を、小型・軽量化することができ、スクリーン200と一体化して、携帯可能にすることができる。
【0037】
超短焦点レンズや、ミラー108を用いて、投写距離Lを短縮している場合には、台形歪み補正を自動的に行なうのが困難である。そのため、ユーザが、補正パラメータを入力し、画像を確認する作業を繰り返し行なって、手動で台形歪み補正を行う場合が多い。例えば、投写距離が短い、スクリーン一体型プロジェクタにおいて、プロジェクタ本体とスクリーンとの角度を自由に変更できる構成にすると、ユーザがスクリーン一体型プロジェクタを用いるたびに、手動で台形歪み補正を行わなければならないため、手間と時間がかかる。
【0038】
これに対して、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000は、開いた場合には、プロジェクタ本体100とスクリーン200との間の角度θが、略90度に固定される。その結果、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を開いて使用する場合には、スクリーン200と光軸の角度が常に一定に保たれる。したがって、プロジェクタ本体100において、台形歪み補正を行う場合には、予め定められた補正パラメータに基づいて、台形歪み補正を行えば、常に、良好に補正された画像が投写される。そのため、ユーザが、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を使用する度に、台形歪み補正のパラメータの設定を行う必要がなくなる。本実施例において、角度θは、台形歪み補正の補正パラメータを変更しなくても、良好に補正された画像が投写される程度の誤差(例えば、90±5度)を含む。
【0039】
例えば、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を用いて、プレゼンテーションを行なう場合には、ユーザは、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を開けば、台形歪み補正の調整を行なうことなく、すぐに、プレゼンテーションを開始することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0040】
また、本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000におけるスクリーン200は、透明/不透明を変更することができる。すなわち、スクリーン200は、透過型スクリーンとしても、反射型スクリーンとしても、機能する。ユーザは、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の設置場所の広さ、視聴人数、使用目的等に応じて、透過型スクリーンと反射型スクリーンとを使い分ける場合がある。通常、ユーザは、透過型スクリーンと反射型スクリーンの2つを所有して、状況に応じて使い分ける必要がある。
【0041】
これに対して、本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を1つ所有すれば、状況に応じて、透過型スクリーン/反射型スクリーンを切り替えればよい。したがって、ユーザの費用負担や、2つのスクリーンを所有する煩わしさを軽減することができる。
【0042】
また、本実施例における携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000では、プロジェクタ本体100が把持部114を備える。そのため、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を、折畳んだ場合に、ユーザは、把持部114を把持して、容易に携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を持ち運ぶことができる。
【0043】
また、本実施例では、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を折畳んだ場合に、プロジェクタ本体100の筐体110とスクリーン200とが当接して、スクリーン200によって、筐体110に設けられた開口部116が塞がれる。したがって、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000が使用されない場合には、スクリーン200が開口部116を封止する蓋の役割を果たす。その結果、投写レンズ部106やミラー108に埃が付着したり、傷が生じる可能性を低減することができる。
【0044】
B.変形例
なお、本発明は上記した実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0045】
(1)上記した実施例において、透明度が変更可能なスクリーン200を用いているが、スクリーンは、上記した実施例に限定されない。例えば、反射型スクリーンを用いてもよいし、透過型スクリーンを用いてもよい。また、特定の入射角度範囲の光を選択的に反射する、いわゆる、高コントラストスクリーンを用いてもよい。例えば、図5(A)に示すように、机上に携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を設置する場合に、プロジェクタ本体100から射出される画像光は、スクリーン200に対して下側から入射し、外光(電灯の光等)は、上側から入射する。このような場合に、例えば、下側から入射する光を選択的に反射する、高コントラストスクリーンを用いれば、高コントラストの画像を得ることができる。
【0046】
(2)また、スクリーン200は、取り外し可能に構成してもよい。このようにすると、補修を行なう際の利便性が向上される。また、スクリーンの透明度を変更できない場合には、反射型スクリーンと透過型スクリーンとを、交換することができる。
【0047】
(3)上記した実施例では、超短焦点レンズとミラーとを組み合わせることによって、投写距離の短縮を図っているが、例えば、超短焦点レンズのみ、球面レンズとミラーとの組合せ等によって、投写距離を短縮する構成にしてもよい。
【0048】
(4)上記した実施例において、プロジェクタ本体100とスクリーン200とは、略90度に固定される構成を例示したが、略90度に限定されず、他の角度に固定される構成にしてもよい。例えば、図5に示すように、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を机上に設置する場合と、天吊り設置する場合とでは、ユーザがスクリーン200に投写される映像を観賞するのに適切な角度θが異なる可能性がある。そのため、例えば、机上に設置する場合には90度、天吊り設置にする場合には100度に固定されるようにしてもよい。
【0049】
また、例えば、80度、90度、100度等、予め定められた複数の角度に固定可能に構成してもよい。プロジェクタ本体100において、それぞれの角度における台形歪み補正パラメータを予め用意すれば、ユーザは、使用する角度に応じて、台形歪み補正のパラメータを選択することにより、容易に、台形歪み補正がなされた画像を得ることができる。さらに、プロジェクタ本体100とスクリーン200との角度を自由に設定できる構成にしてもよい。
【0050】
(5)上記した実施例では、スクリーン200がプロジェクタ本体100の開口部116を封止する蓋の役割を果たす構成を例示したが、例えば、開口部116を封止するためのシャッタを備える構成にしてもよい。また、投写レンズ部106に蓋を被せる構成にしてもよい。
【0051】
(6)上記した実施例では、プロジェクタ本体100がスクリーン200の短辺の長さの真ん中辺に把持部114を備える構成を例示したが、把持部の位置は当該位置以外にあってもよく、また、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000は、把持部114を備えない構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例としての携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】表示部220の概略構成を示す説明図である。
【図3】携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の構成を概略的に示す側面図である。
【図4】ユーザが携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000を携帯した場合の一例を示す図である。
【図5】本実施例の携帯用スクリーン一体型プロジェクタ1000の使用状態の例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
100…プロジェクタ本体、102…光源ランプ、104…液晶パネル、106…投写レンズ部、108…ミラー、110…筐体、112…会議システム部、114…把持部、116…開口部、200…スクリーン、210…液晶シート、212…透明導電シート、216…板ガラス、220…表示部、240…枠部、300…接続部、1000…携帯用スクリーン一体型プロジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタ本体と、スクリーンと、が接続部にて折畳み可能に接続される、携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、
前記プロジェクタ本体は、
光源と、
前記光源からの光を変調して、前記画像を表す画像光を生成する変調部と、
前記変調部によって生成された画像光を、前記スクリーンに投写する投写光学系と、
を備え、
前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが開かれた場合に、前記投写光学系と前記スクリーンとの距離である投写距離が、前記スクリーンの縦の長さよりも短い、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタにおいて、
前記プロジェクタ本体は、
前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが折畳まれて、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが携帯される場合に、把持される把持部を備える、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、
前記接続部は、前記携帯用スクリーン一体型プロジェクタが開かれた場合に、前記プロジェクタ本体と前記スクリーンとの角度を、略90度に固定可能である、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一つに記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、
前記スクリーンは、透明度が変更可能である、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか一つに記載の携帯用スクリーン一体型プロジェクタであって、
前記スクリーンは、特定の入射角度範囲の光を選択的に反射する、携帯用スクリーン一体型プロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−134157(P2010−134157A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309540(P2008−309540)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】