説明

携帯用無線端末、及ぶ該携帯用無線端末を利用した送受信システム

【課題】本発明は、携帯用無線端末を利用して容易に外部機器での送受信が可能であり、また、内部通信網と公衆回線との切り替えが容易な携帯用無線端末、及び携帯用無線端末を利用した送受信システムを提供することを課題とする。
【解決手段】内部通信網を利用して通話やデータの送受信を行う携帯用無線端末が、通信網を介して通信を行うためのプルトコル処理及び信号変復調処理を行うモデム部とからなる変換制御部と、前記内部通信網又は外部通信網をそれぞれ選択処理し、選択した通信網を有効とする通信モード制御部を備えていることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯用無線端末としての携帯電話又はPHS端末を利用し、該携帯用無線端末の内部通信網(無線回線)、又は外部の公衆回線通信網を利用し、パーソナルコンピュータよりデータを送信、及びパーソナルコンピュータでデータを受信する携帯用無線端末、及ぶ該携帯用無線端末を利用した送受信システムに関する。
【技術の背景】
【0002】
近年携帯電話、PHS端末及びPDC(Personal Digital Cellular)等の携帯用無線端末の普及、及びインターネットに代表される通信システムの進展に伴い、公衆通信網(外部通信網)又は携帯用無線端末の内部通信網を介してデータ等の送受信が行われている。
【0003】
パーソナルコンピュータを利用してデータ等の送受信を行う場合、公衆回線にモデムを介してパーソナルコンピュータを接続し、インターネット上のWWWサーバへのアクセス、電子メールの利用等のデータ通信を行うシステムと、パーソナルコンピュータに携帯用無線端末を接続し、無線で基地局に接続し基地局からパケット制御装置、及びIPアドレスと携帯電話番号の変換を行なうパケット用ゲートウエイ等を経て、インターネット上のWWWサーバへのアクセル、電子メールの利用等のデータ通信を行うシステムがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯用無線端末をパーソナルコンピュータに接続する場合、内部通信網を介して受信した無線信号を受信して復調した後、モデムアダプターやモデムカード等の外部機器によりデータの変復調処理やプロトコル処理を必要とし、その接続作業が煩雑であった。
【0005】
また、公衆回線(外部通信網)を利用する場合に、内部通信網に利用した携帯用無線端末との接続を解除した後、公衆回線を接続したモデムに接続するために、その取り扱いが煩雑である。
【0006】
本発明は上記問題点を解消し、携帯用無線端末を利用して容易にパーソナルコンピュータでの送受信が可能であり、また、内部通信網と公衆回線(外部通信網)との切り替えが容易な携帯用無線端末、及び該携帯用無線端末を利用した送受信システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する構成は、請求項1に記載のように、内部通信網を利用して通話やデータの送受信を行う携帯用無線端末が、通信網を介して通信を行うためのプロトコル処理及び信号変復調処理を行う変換制御部と、前記内部通信網又は外部通信網をそれぞれ選択処理し選択した通信網を有効とする通信モード制御部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決する送受信システムは、請求項2に記載のように、内部通信網を利用して通話やデータの送受信を行う携帯用無線端末に外部機器を接続し、該外部機器より与えられるデータ等を携帯用無線端末に設けられた変換制御部でプロトコル処理及び信号変換処理を行い、通信モード手段で選択した内部通信網又は外部通信網を介して送信、及び選択した内部通信網又は外部通信網を介して受信したデータを携帯用無線端末に設けられた変換制御部で信号復調処理及びプルトコル処理を行いデータを外部機器で受信することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のように、内部通信網又は外部通信網を自動判定することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0010】
次に、本発明の携帯用無線端末、及び携帯用無線端末を利用した送受信システムの作用効果について説明する。
【0011】
先ず、通信モード制御部の選択処理で、対応する通信モードを設定する。即ち、外部端末が接続されていない場合は、携帯用無線端末の内部通信網を選択し、外部端末が接続されている場合は、公衆回線(外部通信網)を、それぞれ接続して通信モードとして設定する。
【0012】
この際、通信モード制御部の選択処理で自動判定とするようにすることで、通信回線の設定のミスを減少することができる。
【0013】
次に、前記携帯用無線端末にパーソナルコンピュータ等の外部機器を接続する。この状態で、外部機器より出力されたデータ等は、携帯用無線端末の変換制御部のプルトコル処理で通信網用の制御用コマンドに変換し、信号変換処理で通信網用に変調した後、選択された通信網でデータ送信を行う。
【0014】
また、選択した通信網を介して受信したデータは、変換制御部の信号変換処理で復調され、プルトコル処理で外部機器用の制御コマンドに変換した後、接続する外部機器に出力する。
【0015】
これにより、選択された通信網により携帯用無線端末を介して外部機器で、データ通信が行える。
【0016】
従って、携帯用無線端末を用いて外部機器としてのパーソナルコンピュータでデータ通信を実現することができ、従来のように別体のアダプター等を必要としないので、その使用効率が向上する。
【0017】
また、携帯用無線端末の内部通信網と、公衆回線等の外部通信網とを選択して接続でき、無線通信のトラブル時には公衆回線に接続して通信を行うことができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の携帯用無線端末の一実施例の構成を示す概略説明図であり、図2は、本発明の携帯用無線端末を利用した送受信システムを示すフローチャートである。
【0020】
本発明の携帯用無線端末10(例えば、携帯電話又はPHS端末)には、既存のアンテナ、無線部、通話部、以外に、外部機器インタフェース2、変換制御部3通信モード制御部4を具備している。
【0021】
外部機器インタフェース2は、外部機器としてのパーソナルコンピュータを接続ケーブルを介して接続するためにコネクタを有する。
【0022】
変換制御部3は、接続したパーソナルコンピュータ20が所望の通信網を介して適切にデータ通信を行うべく、メモリ部5、モデム部6及びプルトコル処理部7を有する。
【0023】
メモリ部5は、パーソナルコンピュータ20から出力された送信用データ、通信網を介して受信した受信用データを格納する。
【0024】
モデム部6は、送信用データ及び制御コマンドを通信網用伝送信号に変調し、また、受信用データの伝送信号を復調してデータをメモリ部5に、制御用コマンドをプルトコル処理部7にそれぞれ送る。
【0025】
プルトコル処理部7は、パーソナルコンピュータ20からの送信用データのうち制御データを制御用コマンドに基づいて通信網用コマンドに変換、モデム部6に送り、また、通信網から受信した受信用データのうち制御データの制御用コマンドをパーソナルコンピュータ20用の制御コマンドに変換する。
【0026】
通信モード制御部4は、接続状態認識部8で携帯用無線端末の内部通信網である無線用回線、又は外部通信網の有線の公衆回線(PSTN)及びISDN(Integrated Service DigitaI Network)かの接続状態を確認し、選択処理部9で選択した通信網を有効通信網として判定し、判定結果を変換制御部3に通知する。
【0027】
次に、上記のように構成された携帯用無線端末を利用した送受信システムの動作について説明する。
【0028】
先ず、携帯用無線端末の通信モード制御部4で回線モード(内部通信網又は外部通信網)を選択する。この際、接続端子に外部通信網が接続されているか否か、接続状態認識部8により接続状態を確認した後、接続した通信網を選択処理部9に通知し、選択した通信網を有効と判定することで、自動判定する。
【0029】
次に、上記判定結果を変換制御部3に通知し、通信モードを設定する。
【0030】
そして、外部機器としてのパーソナルコンピュータ20を携帯用無線端末10に接続(接続は携帯用無線端末の外部機器インタフェースのコネクタを介して接続、又は無線接続)する。
【0031】
次に、パーソナルコンピュータ20からの各指示、例えば、生成されたメールの送信用データ、制御コマンドは携帯用無線端末10に出力され、変換制御部3のメモリ部5に格納された後、送信用データはモデム部6で通信用信号に変調され、制御コマンドはプルトコル処理部7で通信用コマンドに変換しモデム部6で通信信号に変調され、通信網を介して送信される。
【0032】
また、選択した通信網よりパーソナルコンピュータ20側に受信するデータ、制御コマンドは、モデム部6で接続したパーソナルコンピュータ20用の信号に変調し、受信データはメモリ部5に格納した後、制御コマンドはプルトコル処理部7でパーソナルコンピュータ20用の制御コマンドに変換した後、それぞれパーソナルコンピュータ20側に出力する。
【0033】
このように、携帯用無線端末10を利用してパーソナルコンピュータ20で生成されたデータ等が通信網を介して送信され、及び通信網よりの受信データがパーソナルコンピュータ20側で受信可能にデータ通信が行える。
【0034】
一方、外部通信網としての公衆回線を利用する場合は、通信モード制御部4の接続状態認識部8により公衆回線を接続し、選択処理部9で選択し、自動判定する。
【0035】
そして、上記と同様に、パーソナルコンピュータ20で生成されたメール等のデータは携帯用無線端末10を介して送信及び、通信網を介して受信したメール等のデータを携帯用無線端末10で受信しパーソナルコンピュータ20側に送信する。
【0036】
以上のように、変換制御部3により、内部通信網と外部通信網との間でデータの仲介を行うことを可能としている。
【0037】
従って、携帯用無線端末10のみで無線回線又は公衆回線を介してデータ通信を即座におこなうことができ、アダプターを必要とすることなく通信できる。
【0038】
また、通信網の変更が容易で、その扱いが容易である。
【0039】
このように、本発明の一実施の形態において、携帯用無線端末10に接続するパーソナルコンピュータ20からみると、回線の切り替えに対する再処理の有無にかかわらず、携帯用無線端末10では指示内容が実行されていることになり、通信網の環境を意識しなくて済み、作業負担を軽減することができる。
【0040】
また、各データはメモリ部5に格納されているために、例え、トラブル等で途中で通信網を切り替えても、該メモリ部5を利用して適切な送受信が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の携帯用無線端末の構成を示す実施例を示す概略説図
【図2】本発明の携帯無線端末を利用した送受信システムを示すフローチャート
【符号の説明】
【0042】
3−変換制御部、4−通信モード制御部、5−メモリ部、6−モデム部、7−プルトコル部、10−携帯用無線端末、20−パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部通信網を利用して通話やデータの送受信を行う携帯用無線端末が、接続した外部機器を介して通信を行うためのプロトコル処理部及び信号変復調処理を行うモデム部とからなる変換制御部と、前記内部通信網又は外部通信網をそれぞれ選択処理し、選択した通信網を有効とする通信モード制御部を備えていることを特徴とする携帯用無線端末。
【請求項2】
内部通信網を利用して通話やデータの送受信を行う携帯用無線端末に外部機器を接続し、該外部機器より与えられるデータ等を携帯用無線端末に設けられた変換制御部でプルトコル処理及び信号変調処理を行い、通信モード手段で選択した内部通信網又は外部通信網を介して送信、及び選択した内部通信網又は外部通信網を介して受信しデータを携帯無線端末に設けられた変換制御部で信号復調処理及びプルトコル処理を行いデータを外部機器で受信することを特徴とする携帯用無線端末を利用した送受信システム。
【請求項3】
前記通信網の選択処理が、内部通信網又は外部通信網かを自動判定することを特徴とする請求項2に記載の携帯用無線端末を利用した送受信システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−38753(P2013−38753A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181989(P2011−181989)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(597176647)フルタ鉄塔建設株式会社 (9)
【Fターム(参考)】