説明

携帯移動端末およびコンテンツ配信システム

【課題】ユーザに、楽しみながら商品または広告へアプローチするきっかけを与える。
【解決手段】 商品に使用されている、装飾図形を構成するバーコードがカメラ付き携帯移動端末20で撮影されると、カメラ付き携帯移動端末20においては、アプリケーション部210が、その撮像画像と整合(画像マッチング)するバーコードアイコンに対応付けられたコンテンツデータをデータ記憶部200から読み出し、このコンテンツデータに定義されたアニメーション処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタが、例えば、商品の広告メッセージを伝えるアニメーション動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品等に付されたバーコードを利用してユーザの関心を引き付け、商品等に対する認知度を向上させるコンテンツサービス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に広告コンテンツを配信するシステムとして、例えば特許文献1記載のシステムが知られている。
【0003】
このシステムにおいては、ユーザは、キーワードを携帯電話に音声入力すると、そのキーワードを含む広告コンテンツを提供するサイトの一覧をポータルサーバからダウンロードすることができる。具体的には、携帯電話に入力された音声データの特徴量がサーバに送信され、ポータルサーバが、その特徴量に対するパターンマッチング処理により得られたテキストを検索キーとしてサイト名を検索し、検索結果の一覧を携帯電話に返信する。ユーザは、携帯電話の画面上に表示された一覧のなかから、目的のサイト名を選択することにより、対応するサイトから広告コンテンツをダウンロードすることができる。
【特許文献1】特開2007−13396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の技術は、特定の商品等に興味を持ち、当初から、その商品等の広告コンテンツへのアクセスを目的としているユーザを対象とするものであり、例えば、なんとなく知っている商品の広告コンテンツにアクセスするきっかけをつくることは困難である。上記従来の技術は、例えば、そのような商品を認知するきっかけをユーザに与えるエンタテインメントとしては成立していない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに、楽しみながら商品を認知するきっかけを与えるコンテンツ配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明においては、商品について使用されている、商品コードを表すバーコードシンボル列によって装飾図形を構成し、この装飾図形を、携帯移動端末で実行されるゲームのアイテムに関連付ける。
【0007】
例えば、本発明は、カメラモジュールを有する携帯移動端末であって、
キャラクタを表示する表示手段と、
前記キャラクタのアニメーション動作が定義されたコンテンツデータと商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形とが対応付けて格納される記憶手段と、
商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形が前記カメラモジュールで撮影されると、当該カメラモジュールの撮影画像と整合する装飾図形を前記記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたコンテンツデータを前記記憶手段から読み出して、当該コンテンツデータが表すアニメーション動作を前記キャラクタに行わせるアプリケーション手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品に使用されている装飾的なバーコードをゲームアイテムとして利用できる。このため、ユーザに、楽しみながら、商品を認知するきっかけを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0010】
まず、本実施の形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成の説明に先立ち、このシステムが提供するゲームに利用されるゲームアイテムについて説明しておく。
【0011】
本実施の形態においては、商品について使用されているバーコード(商品本体、商品パッケージ等の表示媒体に付されているバーコード)を、ゲームアイテムとして利用する。図1(A)および図1(B)に、ゲームアイテムとして利用するバーコードの外観例を示す。図1(A)に示すように、商品コード(数字列等)を表すバーコードシンボル列の外形の輪郭が、例えば、商品自体または商品のコンセプトをイメージさせる形状等といった装飾図形を形成するようにデザイン化されたバーコード90をゲームアイテムとして利用する。バーコードシンボル列には、それとデザイン的に一体をなすように、バーコードシンボル列以外のパターン91が配置されていてもよい。本実施の形態においては、このように個性化されたデザインのバーコードをゲームアイテムとして利用することによって、ユーザの関心をバーコードに惹きつけて、商品に対する認知のきっかけをユーザに与える。
【0012】
なお、本実施の形態に係るゲームアイテムとして利用可能なバーコードは、必ずしも、バーコードシンボル列の外形がデザイン化されていなくてもよい。例えば、図1(B)に示すように、バーコードシンボル列以外のパターン93と矩形のバーコードシンボル列92とが装飾図形を構成するように配置されているものであってもよい。
【0013】
つぎに、本実施の形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成について説明する。ここでは、商品の広告コンテンツを提供するコンテンツサービスサイトへの適用例を挙げる。
【0014】
図2は、本実施の形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成図である。
【0015】
本実施の形態に係るコンテンツ配信システムには、コンテンツサービスを提供する情報処理装置10、およびネットワーク30を介して情報処理装置10に接続可能な1台以上のカメラ付き携帯電話20が含まれる。
【0016】
情報処理装置10は、CPUが、ハードディスク等の外部記憶装置からメモリ上にプログラムをロードし、それを実行するコンピュータとしての通常のハードウエア構成(CPU、メモリ、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、入力装置、出力装置等)を備えている。
【0017】
この情報処理装置10は、カメラ付き携帯電話20にコンテンツサービスを提供するサーバとして機能する。このようなサーバとしての機能を果たすため、情報処理装置(以下、コンテンツ配信サーバ)10は、インストールされた所定のサーバプログラム等の実行によって以下の機能構成を実現する。すなわち、コンテンツ配信サーバ10は、カメラ付き携帯電話20からのリクエストに応じてコンテンツデータを返信するサーバ処理部110、コンテンツサービスの提供に必要なスポンサー情報データベース等が格納されたデータ記憶部100、およびサーバ処理部110からの指示に応じてデータベース処理を実行するアプリケーション部120、を有している。
【0018】
ここで、スポンサー情報データベースには、ゲームアイテムとして利用可能な装飾図形ごとにスポンサー情報が登録されている。図3に、スポンサー情報データベースのデータ構造を概念的に示す。各スポンサー情報1001には、装飾図形の形状を表すバーコードアイコンの画像データ1001A、所定のコード体系(JANCODE等)にしたがって装飾図形に含まれておるバーコードが表す所定桁数の商品コード(例えば、数字列等)1001B、および商品の広告メッセージとキャラクタのアニメーション動作の定義とを含むキャラクタコンテンツデータ(広告コンテンツデータ)1001E、が格納されている。これらの情報は、スポンサー情報1001に含まれる情報の一例である。スポンサー情報1001には、必要に応じて、これらの情報1001A、1001B、1001E以外の情報が含まれていてもよい。例えば、広告対象の識別情報(商品名、サービス名等)1001C、スポンサーの識別情報(企業名等)1001D等が含まれていてもよい。
【0019】
一方、カメラ付き携帯電話20は、操作部、ディスプレイ、マイク、スピーカ、RF部、ベースバンドプロセッサ等の、通常の無線通信機器としての基本機能を果たすためのハードウエアの他、さらに、表示媒体上のバーコードを撮影可能なカメラモジュール、アプリケーションプログラム等の各種データが格納されるメモリ、およびアプリケーションプログラムを実行するアプリケーションプロセッサを有している。
【0020】
このカメラ付き携帯電話20は、コンテンツ配信サーバ10にコンテンツサービスの提供を要求するクライアントとしての機能を実現する。このようなクライアントとしての機能を果たすため、カメラ付き携帯電話20は、メモリから読み出した所定のアプリケーションプログラム(ブラウザ、ゲームプログラム等)の実行により、以下の機能構成を実現する。すなわち、カメラ付き携帯電話20は、コンテンツ配信サーバ10との間のデータ送受信処理を実行する送受信部210、バーコードを利用したゲーム処理を実行するアプリケーション部220、カメラモジュールの撮影画像に含まれるバーコード画像の認識処理を実行するバーコード読取部230、およびゲーム処理の実行に必要なアプリケーションデータ等が格納されるデータ記憶部200、を有している。
【0021】
ここで、アプリケーションデータには、装飾図形ごとにバーコード情報が格納されている。図4(A)に、アプリケーションデータのデータ構造を概念的に示す。各バーコード情報2002には、装飾図形の形状を表すバーコードアイコンの画像データ2002A、装飾図形に含まれているバーコードが表す商品コード2002B、およびキャラクタのアニメーション動作の定義と商品の広告メッセージとを含むキャラクタコンテンツデータ2002C、が格納されている。
【0022】
なお、このような機能構成を実現するアプリケーションプログラムは、カメラ付き携帯電話20にプリインストールされていてもよいし、ネットワーク30を介してコンテンツ配信サーバ10からカメラ付き携帯電話20にダウンロードされてもよい。
【0023】
つぎに、このようなコンテンツ配信システムにおいて実行されるコンテンツサービス提供処理について説明する。ここでは、便宜上、ゲームストーリーの内容およびユーザ操作の例を交えて説明するが、実際には、これと同様なゲームストーリーおよびユーザ操作を採用する必要はない。
【0024】
図5に、コンテンツ配信サーバによるコンテンツサービス提供処理およびカメラ付き携帯電話によるゲーム進行処理のフローチャートを示し、図6に、装飾図形に対応付けられた、キャラクタのアニメーション動作例を示す。
【0025】
ユーザが、カメラ付き携帯電話20上で所定のアプリケーションプリグラムを起動すると、ストーリーにあわせた以下の処理が開始する。まず、アプリケーション部220は、ディスプレイ上にゲーム画面を表示するとともにキャラクタ50をゲーム画面に表示させる(S500)。
【0026】
その後、アプリケーション部220は、ゲームストーリーにしたがってキャラクタ50を適宜動作させながら、定期的にゲームの進行状況を判断し(S510)、ゲームの進行状況が所定の終了条件を満たしていればゲームを終了させる。
【0027】
さて、ゲームの進行状況が終了条件を満たしていなければ、アプリケーション部220は、ゲーム進行処理を実行する(S520)。すなわち、ユーザがつぎにとるべき操作を示唆するアニメーション動作を適当なタイミングでディスプレイ上のキャラクタ50にとらせる等、ゲームストーリーにしたがってキャラクタ50を適宜動作させながら、ユーザからの操作を操作部が受け付けるのを待機する(S521)。
【0028】
ここで、アプリケーション部220は、操作部のキーの押下イベントの発生を検知すると、そのキーを識別する(S522)。その結果、押下されたキーが、処理の割り当てられたキーであれば、アプリケーション部220は、以下の(1)(2)に示すように、そのキーに割り当てられた処理を実行する。
(1)バーコード撮影に割り当てられたキーが押下された場合
ユーザが、例えば、気に入った装飾図形を撮影するために操作部の撮影キーを押し下すと、アプリケーション部220は、それを検知して、バーコードの認識をバーコード読取部230に指示する。バーコード読取部230は、この指示に応じて、カメラモジュールから逐次出力される画像信号が表す画像をディスプレイに表示させながら、ユーザが所定のキー(撮影キー)を押し下したタイミングで、カメラモジュールからの画像信号を取り込み、その画像信号が表す装飾図形に含まれるバーコードが表す商品コードの認識処理を実行する(S525)。
【0029】
その結果、商品コードの取得に失敗した場合には、バーコード読取部230は、再度、カメラモジュールからの画像信号が表す画像をディスプレイに表示させながら撮影キーの押下イベントの発生を待機する。
【0030】
一方、商品コードの取得に成功した場合、バーコード読取部230は、この商品コードを撮影画像と共にアプリケーション部220に渡す。アプリケーション部220は、その商品コードに合致する商品コード2002Bを持ち、且つその撮影画像と整合(画像マッチング)するバーコードアイコン2002Aを持つバーコード情報2002をデータ記憶部200から検索する(S526)。
【0031】
ここで、検索条件に合致するバーコード情報2002が存在していれば(S527でYes)、アプリケーション部220は、このバーコード情報2002のキャラクタコンテンツデータ2002Cにしたがってコンテンツ再生処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタ50が、撮影された装飾図形またはその装飾図形に含まれているバーコードが示す商品コードに対応する商品に関連する動作などの各種アニメーション動作を行い、このアニメーション動作と連係するように商品の広告メッセージが再生される。なお、広告メッセージの内容は、特に限定するものではなく、例えば、商品をユーザに印象付ける内容のものであってもよいし、スポンサーの運営サイトへとユーザを誘導する内容のものであってもよい。
【0032】
例えば、清涼飲料水の商品コードを示すバーコードを含む装飾図形である場合、アプリケーション部220は、その装飾図形および商品コードに対応付けられたキャラクタコンテンツデータの再生処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタ50は、例えば図6(A)に示すように、その商品コードに対応する商品「清涼飲料水」51を飲み干すといった、その商品コードに対応する商品「清涼飲料水」51に関連するアニメーション動作を所定の時間だけ行った後、初期状態に復帰する。そして、その商品コードに対応する商品「清涼飲料水」51の広告メッセージが、このアニメーション動作と連係するように再生される。
【0033】
また、靴の商品コードを示すバーコードを含む装飾図形である場合、アプリケーション部220は、その装飾図形および商品コードに対応付けられたキャラクタコンテンツデータの再生処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタ50は、例えば図6(B)に示すように、その商品コードに対応する商品「靴」52を履いた状態で飛び跳ねるといった、その商品コードに対応する商品「靴」52に関連するアニメーション動作を所定の時間だけ行った後、初期状態に復帰する。そして、その商品コードに対応する商品「靴」52の広告メッセージが、このアニメーション動作と連係するように再生される。
【0034】
また、音楽CDの商品コードを示すバーコードを含む装飾図形である場合、アプリケーション部220は、その装飾図形および商品コードに対応付けられたキャラクタコンテンツデータの再生処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタ50は、例えば図6(C)に示すように、キャラクタ50の「頭部」に付加パーツ「ヘッドフォン」52を装着して、その商品コードが示す商品「音楽CD」を視聴している状態をダンスで表現するといった、その商品コードが示す商品「音楽CD」のコンセプトにしたがって定められたアニメーション動作を所定の時間だけ行った後、初期状態に復帰する。この際、その商品コードが示す商品「音楽CD」の触りをカメラ付き携帯電話20のスピーカから流すようにしてもよい。そして、その商品コードが示す商品「音楽CD」の広告メッセージが、このアニメーション動作と連係するように再生される。
【0035】
一方、検索条件に合致するバーコード情報2002が存在していなければ(S527でNo)、アプリケーション部220は、アプリケーションデータ更新リクエストの送信をデータ送受信部210に指示する。この指示に応じて、データ送受信部210は、その商品コードおよび撮影画像を含むアプリケーションデータ更新リクエストをコンテンツ配信サーバ10に送信する。
【0036】
コンテンツ配信サーバ10においては、サーバ処理部110が、このアプリケーションデータ更新リクエストを受け付けると、それに含まれる商品コードおよび撮影画像をアプリケーション部120に渡す。アプリケーション部120は、その商品コードに合致する商品コード1001Bを持ち、且つその撮影画像と整合(画像マッチング)するバーコードアイコン1001Aを持つスポンサー情報1001をデータ記憶部100のスポンサー情報データベースから検索する(S528)。その結果、検索条件に合致するスポンサー情報1001が存在していなければ、アプリケーション部120は、検索失敗をサーバ処理部110に通知し、サーバ処理部110が、検索に失敗した旨のメッセージをカメラ付き携帯電話20に返信する。また、検索条件に合致するスポンサー情報1001が存在していれば(検索成功)、そのスポンサー情報1001に含まれているバーコードアイコン画像データ1001Aおよびキャラクタコンテンツデータ1001Eをサーバ処理部110に渡す。そして、サーバ処理部110は、それらのデータを更新データとしてカメラ付き携帯電話20に返信する。
【0037】
カメラ付き携帯電話20においては、アプリケーション部120が、データ送受信部210を介して、コンテンツ配信サーバ10からの返信データを受け付けると、その返信データの内容に応じた処理を実行する。
【0038】
具体的には、検索に失敗した旨のメッセージを返信データとして受け付けた場合には、アプリケーション部210は、登録スポンサーの装飾図形以外の装飾図形が撮影されたことに対する動作をディスプレイ上のキャラクタ50に行わせる処理を実行する。これにより、ディスプレイ上のキャラクタ50は、例えば、図6(D)に示すように、狼狽、卒倒等の不安定な行動をとる。これにより、ユーザは、撮影した装飾図形が、登録スポンサー以外の第三者の装飾図形、すなわち、正規のゲームアイテムとして使用不可能な装飾図形であることを認識することができる。
【0039】
一方、更新データを返信データとして受け付けた場合、受け付けたキャラクタコンテンツデータに定義されたアニメーション処理を実行する。これにより、上述の場合と同様、ディスプレイ上のキャラクタ50が、撮影された装飾図形またはその装飾図形に含まれているバーコードが示す商品コードに対応する商品に関連する動作などの各種アニメーション動作を所定の時間行い、このアニメーション動作に連係するように、商品の広告メッセージが再生される。このように、カメラ付き携帯電話20に未登録であっても、正規のゲームアイテムとして利用可能な装飾図形に対応するキャラクタコンテンツデータは、コンテンツ配信サーバ10から適宜ダウンロードされるため、ユーザは、常に最新の装飾図形をゲームアイテムとして利用することができる。
【0040】
あわせて、アプリケーション部210は、コンテンツメニュー上のアイコンで利用可能とすべく(後述)、アプリケーションデータを更新する。すなわち、受け付けたバーコードアイコン画像データおよびキャラクタコンテンツデータと、装飾図形に含まれているバーコードの認識で得た商品コードとを含む新たなバーコード情報をデータ記憶部200のアプリケーションデータに追加する。
【0041】
このように、ユーザは、店頭等に置かれた商品に付された装飾図形のなかから、気に入ったデザインの装飾図形を見つけたら、それをゲームアイテムとして利用することができる。このため、様々なデザインの装飾図形のなかから、気に入ったデザインの装飾図形を持つ商品を探し出す楽しみがユーザに与えられるため、ユーザ側から積極的にスポンサーの商品にアプローチしてくることが期待できる。さらに、キャラクタコンテンツを、商品の広告メッセージを伝える広告コンテンツとしても利用すれば、ユーザに、楽しみながら広告コンテンツへアクセスするきっかけを与えることもできる。
【0042】
また、キャラクタコンテンツデータを、装飾図形(バーコードアイコン画像データ)およびその装飾図形に含まれているバーコードが示す商品コードに対応付けているため、同じ商品コードであっても、装飾図形を異ならせることで、異なるキャラクタコンテンツデータを提供できる。これにより、同じ商品について、異なるキャラクタコンテンツデータをユーザに楽しんでもらうことができる。
【0043】
ここで、ゲームストーリーを、例えば、適当なタイミングで、つぎに撮影すべき装飾図形を示唆する動作をキャラクタがとるように構成しておけば、ゲームの娯楽性等をさらに向上させることができるとともに、ユーザがスポンサーの商品を認知する機会および広告コンテンツへアクセスする機会を増加させることができる。例えば、退屈を印象付ける緩慢な動作をキャラクタがとった場合、または、正規のゲームアイテムとして利用不可能な装飾図形の撮影によって不安定な行動をキャラクタがとった場合には、あらかじめ定めた時間内に適当な装飾図形が撮影されなければゲームオーバーとなるようにすれば、ユーザは、ゲームを継続させるために、楽しみながらより積極的にスポンサーの商品にアプローチすると考えられる。
【0044】
なお、ここでは、カメラ付き携帯電話20が、撮像画像に含まれているバーコードの認識により得た商品コードをその撮像画像と共にコンテンツ配信サーバ10に送信するようにしているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、カメラ付き携帯電話20が、撮影画像のみをコンテンツ配信サーバ10に送信するようにしてもよい。この場合には、コンテンツ配信サーバがこの撮像画像に含まれているバーコードの認識処理を行うようにしてもよい。
【0045】
また、カメラ付き携帯端末20で新たに撮影された撮像画像およびその撮像画像に含まれているバーコードが示す商品コードに対応するキャラクタコンテンツデータおよびバーコードアイコン画像データのみが更新データとしてカメラ付き携帯端末20に返信されるようにしているが、前回のアプリケーションデータ更新日時以降に更新されたすべてのスポンサー情報に含まれるキャラクタコンテンツデータ、バーコードアイコン画像データおよび商品コードが更新データとしてカメラ付き携帯電話20に返信されるようにしてもよい。
【0046】
また、カメラ付き携帯電話20において、撮像画像に含まれているバーコードが示す商品コードに合致する商品コード2002Bを持ち、且つその撮影画像と整合(画像マッチング)するバーコードアイコン2002Aを持つバーコード情報2002を、データ記憶部200から検索するようにしているが、必ずしもそのようにする必要はない。撮像画像に含まれているバーコードが示す商品コードに合致する商品コード2002Bを持つバーコード情報2002を、データ記憶部200から検索するようにしてもよいし、あるいは、撮影画像と整合するバーコードアイコン2002Aを持つバーコード情報2002を、データ記憶部200から検索するようにしてもよい。
【0047】
同様に、コンテンツ配信サーバ10において、撮像画像に含まれているバーコードが示す商品コードに合致する商品コード1001Bを持ち、且つその撮影画像と整合(画像マッチング)するバーコードアイコン1001Aを持つスポンサー情報1001を、データ記憶部100から検索するようにしているが、必ずしもそのようにする必要はない。撮像画像に含まれているバーコードが示す商品コードに合致する商品コード1001Bを持つスポンサー情報1001を、データ記憶部100から検索するようにしてもよいし、あるいは、撮影画像と整合するバーコードアイコン1001Aを持つスポンサー情報1001を、データ記憶部100から検索するようにしてもよい。
(2)コンテンツメニュー表示に割り当てられたメニューキーが押下された場合
ユーザが、コンテンツメニューを表示させるためにメニューキーを押下した場合、アプリケーション部220は、それを検知すると、データ記憶部200のバーコード情報2002からバーコードアイコン画像データ2002Aを読み出し、ディスプレイにコンテンツメニューを表示させる(S523)。このコンテンツメニューには、図4(B)に示すように、ユーザによる選択を受け付けるバーコードアイコン94が表示されている。
【0048】
その後、アプリケーション部220は、このコンテンツメニューのいずれかのバーコードアイコン94の選択を検知すると、選択されたバーコードアイコン94に対応するキャラクタコンテンツデータ2002Cをデータ記憶部200から読み出し、これに定義されたアニメーション処理を実行する(S524)。これにより、上述の場合(1)と同様、ディスプレイ上のキャラクタ50が、例えば、選択されたバーコードアイコン94またはそれに含まれているバーコードが示す商品コードに対応する商品に関連する動作などの各種アニメーション動作を行い、その商品の広告メッセージが、このアニメーション動作に連係するように再生される。
【0049】
このように、カメラ付き携帯電話にバーコード情報2002がすでに格納されている装飾図形(バーコード情報がダウンロード済みの装飾図形等)については、その簡略形状のバーコードアイコンの選択によりゲームアイテムとして再利用することができる。このため、ユーザは、その装飾図形に対応するアニメーションを、ダウンロード時だけでなく、その後、繰り返し楽しむことができる。なお、本実施の形態においては、別途準備されたバーコードアイコンをコンテンツメニューに配置しているが、カメラモジュールの撮影画像から抽出した装飾図形をバーコードアイコンとして利用してもよい。
【0050】
以上述べたように、本実施の形態に係るコンテンツ配信サーバによるコンテンツサービス提供処理およびカメラ付き携帯電話によるゲーム進行処理によれば、スポンサーの商品に用いられるバーコードを、ユーザが他のバーコードから視覚で識別できるようにデザイン的に個性化し、それ(装飾図形)をゲームアイテムとして利用可能にしているため、ユーザは、気に入ったデザインのバーコードをゲームアイテムとして利用しようと、楽しみながらスポンサーの商品に接する機会を自ら増加させると考えられる。このため、スポンサーの商品に対する認知度の向上が期待できる。さらに、キャラクタコンテンツを媒介として広告メッセージを伝えるようにしておけば(キャラクタコンテンツを広告コンテンツとしても活用すれば)、ユーザに、広告メッセージへアクセスするきっかけを与えることができる。このため、ユーザの意図とは関係なくWebページ上に一方的に表示される多くのバナー広告とは異なり、広告対象に対する認識が浅いユーザも、楽しみながら積極的に広告コンテンツへアクセスする可能性が高く、広告対象またはスポンサーに対する認知度および好感度の向上が期待できる。
【0051】
ところで、上述したように、装飾図形を利用するゲームストーリーの内容は特に限定はない。例えば、以上においては、ディスプレイ上のキャラクタ50が、装飾図形ごとに定められたアニメーション動作をとるようにしているが、装飾図形が撮影またはバーコードアイコンが選択されるごとに、ディスプレイ上のキャラクタ50が、装飾図形ごとに定められた状態にいわゆる進化(いわゆる成長、変身等)するようにしてもよい。
【0052】
例えば、図7に示すように、靴の商品コードを示すバーコードを含む装飾図形が撮影またはこの装飾図形に対応するバーコードアイコンが選択された場合には、キャラクタ50のパーツ「足」に、この商品コードに対応する商品を表す付加パーツ「靴」52が付加され、ついで、音楽CDの商品コードを示すバーコードを含む装飾図形が撮影またはこの装飾図形に対応するバーコードアイコンが選択された場合には、さらに、キャラクタ50のパーツ「頭」に、その商品コードが示す商品「音楽CD」を視聴している様子を示すための付加パーツ「ヘッドフォン」53が付加される、というように、初期状態のキャラクタ50につぎつぎと付加パーツが装着され、キャラクタ50が成長してゆくようにしてもよい。また、キャットフードの商品コードを示すバーコードを含む装飾図形が撮影またはこの装飾図形に対応するバーコードアイコンが選択された場合には、ディスプレイ上のキャラクタ50が、それまでに付加された付加パーツ52、53を装着したまま、その商品コードが示す商品「キャットフード」に関連する動物「猫」55に変身するようにしてもよい。また、正規のゲームアイテムとして利用できない装飾図形が撮影されたときには、キャラクタ50が初期状態(それまでに装着された付加パーツ52、53が失われた状態)に戻されるようにしてもよい。
【0053】
このようにするには、例えば、進化後のキャラクタ50の各パーツの状態をキャラクタコンテンツデータに定義しておき、装飾図形が撮影またはこの装飾図形に対応バーコードアイコンが選択されるごとに、アプリケーション部210が、対応するキャラクタコンテンツデータにしたがって、キャラクタ50のパーツの状態を変化させる処理を実行するようにすればよい。また、キャラクタ50の現在の状態を表す情報をデータ記憶部200に格納しておき、アプリケーション部210が、ゲーム開始時には、この情報が示す状態のキャラクタ50をディスプレイ上に表示し、ゲーム進行中には、キャラクタコンテンツデータにしたがってキャラクタ50のパーツを変更するごとに、この情報の内容を、キャラクタ50の変更後の状態にあわせて更新するようにすれば、ユーザは、一旦ゲームを中断しても現在の状態からゲームを再開することができる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、クライアントの例として、パケット網、ゲートウエイおよびインターネットを介してコンテンツ配信サーバ10に接続可能なカメラ付き携帯電話20を挙げているが、装飾図形を撮像するためのカメラモジュールを備え、かつ、ネットワークを介してコンテンツ配信サーバ10に接続可能であれば、カメラ付き携帯電話に限らず、例えば、PDA、PHS等をクライアントとして利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムで利用される装飾図形の外観例を示した図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るスポンサー情報データベースのデータ構造を概念的に示した図である。
【図4】図4(A)は、本発明の一実施形態に係るバーコード情報のデータ構造を概念的に示した図であり、図4(B)は、そのバーコード情報に含まれるバーコードアイコンの一覧表示画面のレイアウトを示した図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバによるコンテンツサービス提供処理およびカメラ付き携帯電話によるゲーム進行処理のフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係るキャラクタのアプリケーション動作例を示した図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係るキャラクタの進化を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
10:コンテンツ配信サーバ、100:データ記憶部、110:サーバ処理部、120:アプリケーション部、20:カメラ付き携帯電話、200:データ記憶部200、210:データ送受信部、220:アプリケーション部、230:バーコード読取部、30:ネットワーク、90:デザイン化されたバーコード、91,93:バーコードシンボル列以外のパターン、92:矩形バーコードシンボル列、94:バーコードアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールを有する携帯移動端末であって、
キャラクタを表示する表示手段と、
前記キャラクタのアニメーション動作が定義されたコンテンツデータと商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形とが対応付けて格納される記憶手段と、
商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形が前記カメラモジュールで撮影された場合に、当該カメラモジュールの撮影画像と整合する装飾図形に対応付けられたコンテンツデータを前記記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたコンテンツデータを前記記憶手段から読み出し、当該コンテンツデータに定義されたアニメーション動作を前記キャラクタに行わせるアプリケーション手段と、を有する
ことを特徴とする携帯移動端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯移動端末であって、
ネットワークを介して情報処理装置とデータを送受信するデータ送受信手段を備え、
前記カメラモジュールの撮像画像と整合する装飾図形に対応付けられたコンテンツデータが前記記憶手段に格納されていない場合、前記アプリケーション手段は、前記データ送受信手段を介して、当該撮像画像と整合する装飾図形に対応付けられたコンテンツデータを前記情報処理装置からダウンロードし、当該撮像画像と当該コンテンツデータとを対応付けて前記記憶手段に格納する
ことを特徴とする携帯移動端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯移動端末であって、
前記アプリケーション手段は、商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形を前記表示手段に表示させ、当該装飾図形の選択を受け付けると、当該装飾図形に対応付けられたコンテンツデータを前記記憶手段から読み出して、当該コンテンツデータに定義されたアニメーション動作を前記キャラクタに行わせる
ことを特徴とする携帯移動端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯移動端末であって、
商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形が前記カメラモジュールで撮影された場合に、当該カメラモジュールの撮影画像から、当該撮像画像に含まれているバーコードシンボル列が表す商品コードを読み取るバーコード読取手段をさらに有し、
前記記憶手段には、前記キャラクタのアニメーション動作が定義されたコンテンツデータと商品の商品コードと当該商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形とが対応付けて格納されており、
前記検索手段は、商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形が前記カメラモジュールで撮影された場合に、当該カメラモジュールの撮影画像と整合する装飾図形、および当該撮像画像に含まれているバーコードシンボル列が表す商品コードに対応付けられているコンテンツデータを前記記憶手段から検索する
ことを特徴とする携帯移動端末。
【請求項5】
カメラモジュール、ディスプレイ、演算手段、および記憶手段を有する携帯移動端末において実行されるプログラムであって、
商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形が前記カメラモジュールで撮影された場合に、前記演算手段が、前記キャラクタのアニメーション動作が定義されたコンテンツデータと商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形とが対応付けて格納された記憶手段から、当該カメラモジュールの撮影画像と整合する装飾図形に対応付けられたコンテンツデータを検索する検索処理と、
前記演算手段が、検索したコンテンツデータを前記記憶手段から読み出し、当該コンテンツデータに定義されたアニメーション動作を前記ディスプレイ上のキャラクタに行わせる再生処理と、を、前記携帯移動端末に実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記コンテンツデータには前記商品の広告メッセージが含まれており、
前記再生処理において、前記演算手段は前記広告メッセージを再生する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項2記載の携帯移動端末にコンテンツデータを配信する情報処理装置を有するコンテンツ配信システムであって、
前記情報処理装置は、
商品の商品コードを表すバーコードシンボル列によって構成された装飾図形と、キャラクタのアニメーション動作が定義されたコンテンツデータとが対応付けて格納されたデータ記憶手段と、
前記携帯移動端末からのリクエストに応じて前記コンテンツデータを返信するサーバ処理手段と、
前記リクエストにより指定された撮像画像と整合する装飾図形に対応付けられたコンテンツデータを前記データ記憶手段から読み出し、当該コンテンツデータを、前記携帯移動端末に返信するコンテンツデータとして、前記サーバ処理手段に渡すアプリケーション手段と、を有する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−294617(P2008−294617A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136380(P2007−136380)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(504400230)デザインバーコード株式会社 (3)
【Fターム(参考)】