説明

携帯端末、携帯端末の操作方法、携帯端末の操作プログラム、動画再生システム

【課題】WLANによりホームネットワークと接続して動画番組が共有可能であると共に、多種多様なユーザの用途に応じて使用環境を設定できる携帯端末を提供する。
【解決手段】ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、携帯端末1を縦方向にして操作を行うと、リモコン画面となり、通常のリモコンと同様に操作を行うことができ、携帯端末1を横方向にして操作を行うと、視聴再生モード又はテレビ視聴モードとなり、ジェスチャー入力により、各種の操作を直感的に行うことができる。これにより、多種多様なユーザの用途に応じて使用環境を設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WLAN(Wireless Local Area Network)によりホームネットワークと接続して動画番組が共有可能な携帯端末、携帯端末の操作方法、携帯端末の操作プログラム、動画再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の多機能化が進み、カメラ機能、ワンセグ放送(地上波ディジタルテレビ放送のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)セグメントのうちの1セグメントを使って行うテレビ放送)の受信機能、GPS(Global Positioning System)機能等、様々な操作をすることが可能な携帯端末が登場してきている。
【0003】
また、DLNA(Digital Living Network Alliance)に対応のWLANを搭載した携帯端末も標準的になりつつある。DLNAは、動画や静止画、音楽等のコンテンツデータをやり取りするためのもので、DTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)による著作権保護技術をサポートしている。DLNAに対応のWLANを搭載した携帯端末では、DLNAに対応可能なサーバーやテレビ受信機等の機器と、ホームネットワークを介して接続し、動画番組の共有が可能である。すなわち、DLNAに対応のWLANを搭載した携帯端末では、DLNAに対応可能なサーバーやテレビ受信機等の機器とホームネットワークを介して接続し、サーバーに蓄積されている番組を携帯端末に送って再生したり、テレビ受信機で受信したディジタルテレビ放送の番組をサーバーを介して携帯端末に送って視聴したりすることができる。なお、このように、DLNAによるホームネットワークを介して動画番組を共有することについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
また、近年、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯端末が登場してきている。スマートフォンでは、各種の入力がタッチパネル操作部により行うことができる。タッチパネル操作部では、物理的に操作キーが不要になるため、小型、軽量化が可能である。また、タッチパネル操作部では、アイコンやボタンをディスプレイ上に自在に配置して、より親和性の高いユーザインターフェースを提供できる。更に、近年のタッチパネル操作部では、タッチパネルに指を触れて所定の方向に指を移動させると、その指の動きに応じて入力操作を行うことができる機能をサポートしているものが多い。このような入力操作は、ジェスチャー入力と呼ばれている。ジェスチャー入力では、指の動きに応じて、各種の操作をより直感的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−206077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、DLNAに対応可能な携帯端末では、ホームネットワークと接続し、テレビ放送番組やサーバーに録画した番組を共有することができる。このようなDLNAに対応可能な携帯端末が普及すると、その使用法も多種、多様になると考えられる。
【0007】
例えば、入浴中にテレビ放送を視聴したいという要望は多く、ワンセグ放送の受信機能を有する携帯端末を風呂場に持ち込んで、テレビ放送の視聴を試みたユーザは多い。しかしながら、風呂場は建物内の遮蔽されたところにあり、ワンセグ放送が良好に受信できないことが多い。このような環境下でも、DLNAに対応可能な携帯端末では、ホームネットワークを介してテレビ受信機と接続し、テレビ受信機で受信した放送番組を携帯端末に転送するようにすれば、テレビ放送番組を良好な受信状態で楽しむことができる。
【0008】
このように、多くのユーザが多種多様な用途で、DLNAに対応可能な携帯端末を使用するようになると、その操作方法に対する要望も、多種多様になると考えられる。すなわち、通常、テレビ受信機やビデオ録画/再生機では、リモコンによるボタン操作で、チャンネルの切り替えや、記録、再生、停止等の操作が行われている。このようなリモコン操作に慣れているユーザにとっては、携帯端末をリモコンと同様に操作できることが望まれる。一方、入浴中にテレビ放送番組を楽しむようなユーザにとっては、入浴しながら画面を注視せずに携帯端末を操作できるような、より簡便で、直感的な操作が望まれる。
【0009】
上述の課題を鑑み、本発明は、WLANによりホームネットワークと接続して動画番組が共有可能であると共に、多種多様なユーザの用途に応じて使用環境を設定できる携帯端末、携帯端末の操作方法、携帯端末の操作プログラム、動画再生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を鑑み、本発明に係る携帯端末は、ホームネットワークを介して動画番組を共有する手段と、表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部と、機器の方向を検出する手段と、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、検出された機器の方向に応じて、タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替える手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る携帯端末の操作方法は、ホームネットワークを介して動画番組を共有する機能を有する携帯端末の操作方法であって、表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部を設けると共に、機器の方向を検出する手段を設け、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、機器の方向を検出し、検出された機器の方向に応じて、タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る携帯端末の操作プログラムは、ホームネットワークを介して動画番組を共有する機能を有する携帯端末の操作プログラムであって、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作をする際に、機器の方向を検出するステップと、検出された機器の方向に応じて、タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替えるステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る動画再生システムは、ホームネットワークを介して接続され、共有している動画番組を携帯端末で視聴可能な動画再生システムであって、携帯端末は、ホームネットワークを介して動画番組を共有する手段と、表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部と、機器の方向を検出する手段と、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、検出された機器の方向に応じて、タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替える手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、携帯端末を縦方向にして操作を行うと、リモコン画面モードとなり、通常のリモコンと同様に操作を行うことができ、携帯端末を横方向にして操作を行うと、視聴再生モード又はテレビ視聴モードとなり、ジェスチャー入力により、各種の操作を直感的に行うことができる。これにより、多種多様なユーザの用途に応じて使用環境を設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯端末の内部構成を示すブロック図である。
【図2】ホームネットワークシステムの一例のブロック図である。
【図3】携帯端末の方向によりタッチパネル操作部の機能を切り替えるための処理を示すフローチャートである。
【図4】DLNAサーバーで蓄積した動画番組を携帯端末で再生する場合の操作の具体例の説明図である。
【図5】テレビ受信機で受信した動画番組を携帯端末で再生する場合の操作の具体例の説明図である。
【図6】テレビ受信機で受信した動画番組を携帯端末で再生する場合の操作の具体例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末1の内部構成を示すブロック図である。この携帯端末1は、スマートフォンと呼ばれる多機能型の携帯端末である。
【0017】
図1において、主制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、携帯端末1の全体の動作の制御を行っている。ROM(Read Only Memory)12には、ブートプログラム、基本プログラムが保存されている。フラッシュメモリ13には、各種のプリセットデータ、写真情報等、各種の保存データ、各種のアプリケーションプログラムが記憶される。RAM(Random Access Memory)14は、データ処理用のメモリである。
【0018】
主制御部11に対して、タッチパネル操作部15を構成する表示パネル16及びタッチパネル17が設けられる。表示パネル16は、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイからなり、主制御部11からの各種の情報を表示する。タッチパネル17は、押圧を受けると、その押圧された部分の座標に対応する検出信号を主制御部11に出力する。タッチパネル17としては、静電容量方式や抵抗膜方式等、各種のものが使用できる。タッチパネル17は表示パネル16上に積層して配置される。
【0019】
タッチパネル操作部15への入力操作では、単に、指が触れたかどうかによりタッチ入力ばかりでなく、ジェスチャー入力を行うことができる。ジェスチャー入力は、指をタッチパネル操作部15に触れ、更に指を所定の動き方で移動させるようにして、所定の入力を行うものである。
【0020】
ジェスチャー入力の代表的なものに、指をタッチパネル操作部15に触れ、直線上にスライドさせる操作や、2本の指をタッチパネル操作部15に触れ、この2本の指を広げるように又は近づけるように動かす操作等がある。
【0021】
また、主制御部11に対して、加速度センサ20及び近接センサ21が設けられる。加速度センサ20は、携帯端末1の重力に対する方向や傾きを検知している。近接センサ21は、携帯端末1に対する物体や人物の接近の検知している。
【0022】
無線通信部22は、基地局との間で、電波の送受信を行うものである。通信方式としては、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(Wideband CDMA)等がある。本発明では、どのような通信方式を用いても良い。
【0023】
マイクロホン23及びスピーカ24は、電話利用時に、送受話を行う場合等に用いられる。音声処理部25は、入力音声信号や出力音声信号の処理を行っている。
【0024】
カメラ部26は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のイメージセンサからなる。カメラ部26は、人物や風景を撮影したりするのに利用される他、QRコード等の入力に利用される。
【0025】
カードドライブ部27は、SDカード(登録商標)等のメモリカードの記録/再生を行うものである。
【0026】
GPS(Global Positioning System)機能部28は、複数の衛星からの電波を受信して、現在地を測位するものである。近距離通信部29は、他の周辺機器との無線で接続してデータの送受信を行うものである。通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)が用いられる。
【0027】
WLAN(Wireless Local Area Network)通信部30は、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能を提供するものであり、DLNA(Digital Living Network Alliance)に対応している。DLNAは、動画や静止画、音楽等のコンテンツデータを共有するためのもので、DTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)による著作権保護技術をサポートしている。赤外線送受信部31は、他の機器を赤外線でデータを送受するためのものである。
【0028】
このように、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末1では、DLNAに対応するWLAN通信部30を備えている。このようなWLANを利用して、ホームネットワークを介して動画番組を共有するホームネットワークシステムを構築することができる。
【0029】
図2は、このようなホームネットワークシステムの一例である。図2において、DLNAサーバー101は、録画機能を有するサーバーである。テレビ受信機102は、地上波ディジタル放送、ディジタルBS(Broadcasting Satellite)放送、ディジタルCS(Communication Satellite)放送を受信するテレビ受信機である。これらDLNAサーバー101及びテレビ受信機102は、DLNAによるホームネットワークにより、互いにデータのやり取りが可能である。本発明の第1の実施形態では、このようなホームネットワークに、更に、携帯端末1がDLNAにより接続される。
【0030】
このように、携帯端末1をホームネットワークに接続すると、DLNAサーバー101、テレビ受信機102、携帯端末1で、互いに、動画番組の共有が可能である。すなわち、このようなホームネットワークシステムでは、携帯端末1は、WLANによりDLNAサーバー101に接続することで、DLNAサーバー101に蓄積されている動画番組を再生したり、テレビ受信機102で受信した動画番組をDLNAサーバー101を介して転送して視聴したりすることができる。
【0031】
携帯端末1で、DLNAサーバー101に蓄積されている動画番組を再生する場合には、携帯端末1からDLNAサーバー101にリクエストが送られ、このリクエストに応じて、DLNAサーバー101から携帯端末1に、再生動画番組のデータが送られる。このとき、DLNAサーバー101により、携帯端末1の表示サイズに応じて、動画の表示サイズが圧縮されて転送される。
【0032】
携帯端末1で、テレビ受信機102で受信している動画番組を再生する場合には、携帯端末1からDLNAサーバー101を介してテレビ受信機102にリクエストが送られ、このリクエストに応じて、テレビ受信機102から携帯端末1にDLNAサーバー101を介して、受信動画番組が転送される。このとき、DLNAサーバー101により、携帯端末1の表示サイズに応じて、動画の表示サイズが圧縮されて転送される。
【0033】
次に、携帯端末1でDLNAサーバー101に蓄積されている動画番組を再生したり、テレビ受信機102で受信した動画番組を視聴したりする場合の操作について説明する。
【0034】
前述したように、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末1では、タッチパネル操作部15が設けられている。DLNAサーバー101に蓄積されている動画番組を再生したり、テレビ受信機102で受信した動画番組を視聴したりする操作は、このタッチパネル操作部15の操作により行うことができる。このとき、タッチパネル操作部15の機能は、携帯端末1の方向により切り替えられる。
【0035】
つまり、リモコンは通常縦長であり、動画の再生画面は通常横長である。このため、携帯端末1を縦方向に向けたときにタッチパネル操作部15がリモコン画面となれば、リモコンと同様なキー配列で操作を行うことができる。また、携帯端末1を横方向に向けたときに、タッチパネル操作部15がジェスチャー入力可能となれば、動画の再生画面を見ながら、各種の操作をジェスチャー入力により、直感的に行うことができる。
【0036】
図3は、上述のように、携帯端末1の方向によりタッチパネル操作部の機能を切り替えるための処理を示すフローチャートである。
【0037】
図3に示すように、テレビ視聴アプリケーションを立ち上げ、携帯端末1がWLANによりDLNAサーバー101に接続されると(ステップS1)、主制御部11は、DLNAサーバー101に保存されている録画番組を再生するか、テレビ受信機102で受信されたテレビ番組を見るかの選択画面をタッチパネル操作部15に表示する(ステップS2)。
【0038】
ステップS2で、録画番組の再生が選択されると、主制御部11は、加速度センサ20の検出出力を取り込み、携帯端末1の方向を判定する(ステップS3)。ステップS3で、携帯端末1の方向が縦方向であると判定された場合には、主制御部11は、タッチパネル操作部15をリモコン画面モードに設定し(ステップS4)、タッチパネル操作部15にリモコン画面を表示する(ステップS5)。リモコン画面モードでは、通常のリモコン操作と同様に、再生、停止、早送り、巻き戻し、別の動画番組への切り替え等の操作をキー入力で行うことができる(ステップS6)。
【0039】
ステップS3で、携帯端末1の方向が横方向であると判定された場合には、主制御部11は、タッチパネル操作部15を視聴再生モードに設定し(ステップS7)、タッチパネル操作部15にサムネイル表示から録音動画番組を再生させる画面を表示する(ステップS8)。視聴再生モードでは、再生、停止、早送り、巻き戻し、別の動画番組への切り替え等の操作を、携帯端末1の傾きやタッチパネル操作部15へのジェスチャー入力で行うことができる(ステップS9)。
【0040】
ステップS2で、テレビ番組の視聴が選択されると、主制御部11は、加速度センサ20の検出出力を取り込み、携帯端末1の方向を判定する(ステップS10)。ステップS10で、携帯端末1の方向が縦方向であると判定された場合には、主制御部11は、タッチパネル操作部15をリモコン画面モードに設定し(ステップS11)、タッチパネル操作部15にリモコン画面を表示する(ステップS12)。リモコン画面モードでは、通常のリモコン操作と同様に、チャンネルの切り替え、2画面表示、視聴動画番組の録画等の操作をキー入力で行うことができる(ステップS13)。
【0041】
ステップS10で、携帯端末1の方向が横方向であると判定された場合には、主制御部11は、タッチパネル操作部15をテレビ視聴モードに設定し(ステップS14)、タッチパネル操作部15にテレビ放送の受信番組を表示する(ステップS15)。テレビ視聴モードでは、チャンネルの切り替え、チューナの切り替え、2画面表示等の操作を、タッチパネル操作部15へのジェスチャー入力で行うことができる(ステップS16)。
【0042】
図4は、DLNAサーバー101で蓄積した動画番組を携帯端末1で再生する場合の操作の具体例を示すものである。
【0043】
ユーザが録画番組の再生を選択し、携帯端末1を縦方向にすると、図4(A)に示すようなリモコン画面モードとなり、横方向にすると、図4(B)に示すような視聴再生モードとなる。
【0044】
図4(A)に示すように、リモコン画面モードでは、タッチパネル操作部15に、リモコンと同様なキーが表示される。このようなリモコン画面モードでは、通常のリモコンと同様に、キーへのタッチを検出して、所望の操作が行われる
【0045】
図4(B)に示すように、視聴再生モードの場合には、DLNAサーバー101で蓄積した動画番組の一覧のサムネイル画面がタッチパネル操作部15に表示される。ここで、ユーザが所望の動画番組のサムネイル画面をタッチすると、その動画番組の再生が開始される。
【0046】
DLNAサーバー101で蓄積した動画番組を視聴する際には、主に再生、停止、早送り、巻き戻し、別の録画番組を見る等の操作が必要になる。本発明の第1の実施形態では、視聴再生モードに設定されると、ユーザが携帯端末1を傾けることや、ジェスチャー入力を行うことにより、これらの操作を行うことができる。
【0047】
すなわち、動画番組を再生後、早送り、巻き戻しを行う場合は、図4(C)及び図4(D)に示すように、ユーザは携帯端末1を傾ける。また、早送り、巻き戻しのスピードを調節する場合には、ユーザは、スピードに応じて、その傾きの角度を変更する。また、携帯端末1を水平にすると、早送り、巻き戻しを停止させることができる。また、画面をタップすることにより、再生を一時停止させることができる。
【0048】
図4(E)は、視聴再生モードで1つの動画番組を再生中に、別の動画番組に切り替えて再生を行う場合の操作を示している。図4(E)に示すように、ユーザがタッチパネル操作部15を指でスライドするようなジェスチャー入力行うと、現在視聴している動画番組から前後の時間に録画した録画番組に切り替われる。また、一動画番組をいくつか分割しているときは、同様のジェスチャー入力により、次の分割先に切り替えることができる。
【0049】
また、図4(F)に示すように、ユーザが2本の指を近づけるようにスライドさせるようなジェスチャー入力を行うことで、図4(B)に示したようなサムネイル画面に戻すことができる。このようなサムネイル画面では、別の動画番組をタッチして選択して、再生を開始することができる。
【0050】
次にテレビ放送視聴の場合について説明する。図5及び図6は、テレビ受信機102で受信した動画番組を携帯端末1で再生する場合の操作の具体例を示すものである。
【0051】
ユーザがテレビ番組の視聴を選択し、携帯端末1を縦方向にすると、図5(A)に示すようなリモコン画面モードとなり、横方向にすると、図5(B)に示すようなテレビ視聴モードとなる。
【0052】
図5(A)に示すように、リモコン画面モードでは、タッチパネル操作部15に、リモコンと同様なキーが表示される。このようなリモコン画面モードでは、通常のリモコンと同様に、キーへのタッチを検出して、所望の操作が行われる。
【0053】
テレビ放送を視聴するときの主な操作としては、チャンネル変更、チューナ変更(地上波ディジタル放送、ディジタルBS放送、ディジタルCS放送など)、2画面表示、録画開始・停止、動画番組表表示の機能が必要になる。本発明の第1の実施形態では、テレビ視聴モードに設定すると、タッチパネル操作部15へのジェスチャー入力を行うことにより、これらの操作を行うことができる。また、タッチパネル操作部15へのタッチ入力やジェスチャー入力により、データ放送の受信操作を行うことができる。
【0054】
図5(C)に示すように、ユーザがタッチパネル操作部15を指で横にスライドするようにジェスチャー入力を行うと、チャンネルを切り替えることができる。また、図5(D)に示すように、ユーザがタッチパネル操作部15に対して指を縦方向にスライドするようにジェスチャー入力により、地上波ディジタル放送、BS放送、CS放送の順にチューナを切り替えることができる。
【0055】
図5(E)に示すように、ユーザがタッチパネル操作部15の画面をその中心で縦方向に指でスライドするようにジェスチャー入力を行うと、タッチパネル操作部15のテレビ画面は2画面表示となる。このような2画面表示で、片方のチャンネルを変更する場合は、前述したように、ユーザはタッチパネル操作部15を指で横にスライドするようにジェスチャー入力を行う。また、2画面表示で、左側又は右側の画面を拡大又は縮小したい場合は、図5(F)に示すように、ユーザは、タッチパネルの左側又は右側にタッチされた2つの指を広げる又は狭めるようにスライドさせるようにジェスチャー入力を行う。これにより、2画面のうちのスライドされた側の画面を拡大又は縮小させることができる。
【0056】
2画面表示を中止する場合は、図6(A)に示すように、ユーザが必要なくなった方の画面に対して斜線を引くように指でスライドさせるか、又は、その画面に対してX印を描くようにジェスチャー入力を行う。又は、ユーザが必要な動画番組の画面の方を指でつまむようなジェスチャー入力を行って、必要な動画番組の画面を最大化させるようにしても良い。
【0057】
また、テレビ受信機102で受信したデータ放送は、DLNAサーバー101を介して、携帯端末1に転送し、携帯端末1で表示させることができる。データ放送は、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる記述言語を使って行われる。BMLは、Webページの記述言語のXHTML(eXtensible HTML)を基本に、動画や音声の制御を中心とする拡張が図られたマークアップ言語である。データ放送受信時には、タッチパネル操作部15の画面上でのタッチ入力やジェスチャー入力で、各種の情報を表示できる。
【0058】
データ放送では、例えばスポーツ選手やタレントが出ている動画番組では、その人物に関する情報がBMLのリンク情報として送られている場合には、図6(B)に示すように、ユーザがその人物をタッチすることにより、その人物の情報が表示される。例えば、以下の処理によって当該処理を実現する。
まず、BMLに顔画像と当該顔画像に関連する関連情報の組み合わせが複数含まれている場合、主制御部11は、当該BMLに含まれる顔画像それぞれの特徴点を算出し、RAM14に記録する。次に、タッチパネル17のタッチ入力を検知したときに、タッチ入力されたときの画像の、タッチされた座標に存在する顔の特徴点を算出する。そして、主制御部11は、RAM14に記憶された特徴点のうち、タッチされた座標における顔の特徴点と類似するものに関連付けられた関連情報を読み出し、当該関連情報を表示パネル16に表示させる。
【0059】
また、ユーザが2つの指を使って拡大したいところをつまんで広げるようなジェスチャー入力を行うことで、人物の表示を拡大させることができる。同様に、ユーザが2つの指を使って縮小したいところをつまんで狭めるようなジェスチャー入力を行うことで、人物の表示を縮小させることができる。情報画面を消す場合は、ユーザが情報画面を斜めになぞるようにジェスチャー入力を行うか、又は角のX部をタッチする。
【0060】
また、視聴している動画番組を録画したい場合、図6(C)に示すように、ユーザがリモコン画面モードに設定し、録画ボタン201をタッチすることで、テレビ受信機102側の録画機又は携帯端末1側に録画が可能である。リモコン画面モードは、前述したように、携帯端末1を縦方向にすることで設定される。
【0061】
ユーザがリモコン画面モードに設定して、録画ボタン201を押すと、画面上に「テレビで録画」「SDカードで録画」「両方で録画」のポップアップ202が表示される。このポップアップで録画先が選択できる。停止する場合には、ユーザはリモコンモードで停止ボタン203を押す。
【0062】
以上説明したように、本発明に係る携帯端末1では、ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、携帯端末1を縦方向にして操作を行うと、リモコン画面モードとなり、通常のリモコンと同様に操作を行うことができ、携帯端末1を横方向にして操作を行うと、視聴再生モード又はテレビ視聴モードとなり、ジェスチャー入力により、各種の操作を直感的に行うことができる。
【0063】
なお、携帯端末1をテレビ受信機102が設置されている部屋で使用した場合、携帯端末1の画面とテレビ受信機102の画面が同一になるため、携帯端末1での操作がテレビ受信機102の画面にも反映される。よって、携帯端末1はテレビ受信機102のリモコンとしても使用可能となる。
【0064】
また、携帯端末1で常にテレビ受信画面を表示していると、携帯端末1のバッテリーの消耗が速くなる。そこで、近接センサ21により例えば携帯端末1が裏返しに置かれている状態を検出し、携帯端末1が裏返しに置かれていれば、画面表示を停止させるように制御しても良い。このようにすれば、不使用時には携帯端末を裏返しに置くようにすることで、バッテリーの消耗を防ぐことができる。
【0065】
また、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末1では、テレビのチャンネル設定を行う際に、携帯端末1のGPS機能部28により地域特定し、自動でチャンネル設定を行うことが可能である。
【0066】
また、上述の多機能型の携帯端末1では、ワンセグ放送の受信機能を有していないが、ワンセグ機能の搭載された携帯端末の場合は、テレビからの画像転送は不要で、ワンセグ画面から同様の機能が実現できる。ただし、このような場合にも、電波の受信状況が悪い場合には、テレビ受信機で受信したデータ放送を、DLNAサーバーを介して、携帯端末に転送することで、良好な受信状態で、テレビ番組を視聴することができる。
【0067】
また、ここでは、多機能型の携帯端末を例にとり、説明したが、本発明は、DLNAに接続でき、加速度センサ及びタッチパネルを搭載した機器であれば、他の機器にも同様に適用できる。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1:携帯端末
11:主制御部
12:ROM
13:フラッシュメモリ
14:RAM
15:タッチパネル操作部
16:表示パネル
17:タッチパネル
20:加速度センサ
21:近接センサ
22:無線通信部
25:音声処理部
26:カメラ部
27:カードドライブ部
28:GPS機能部
29:近距離通信部
30:WLAN通信部
31:赤外線送受信部
101:DLNAサーバー
102:テレビ受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームネットワークを介して動画番組を共有する手段と、
表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部と、
機器の方向を検出する手段と、
前記ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、前記検出された機器の方向に応じて、前記タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替える手段と
を具備することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記動画番組に関する操作は、前記ホームネットワークを介して接続されたサーバーに蓄積されている動画番組を再生する操作であり、
前記タッチパネルをタッチしてスライドさせることにより、再生番組を切り替える操作を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記動画番組に関する操作は、前記ホームネットワークを介して接続されたテレビ受信機で受信された番組を視聴する操作であり、
前記タッチパネルをタッチしてスライドさせることにより、視聴チャンネルを切り替える操作を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記動画番組に関する操作は、前記ホームネットワークを介して接続されたテレビ受信機で受信された番組を視聴する操作であり、
前記タッチパネルの中心を上下にスライドさせて2画面表示を行い、前記タッチパネルの左側又は右側にタッチされた2つの指を広げる又は狭めるようにスライドさせることにより、前記2画面のうちの左側又は右側の画面を拡大又は縮小させる操作を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記動画番組に関する操作は、前記ホームネットワークを介して接続されたテレビ受信機で受信されたデータ放送を視聴する操作であり、
前記タッチパネル操作部に表示された人物をタッチすると、前記人物の情報を表示する操作を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
ホームネットワークを介して動画番組を共有する機能を有する携帯端末の操作方法であって、
表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部を設けると共に、機器の方向を検出する手段を設け、
前記ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、機器の方向を検出し、
前記検出された機器の方向に応じて、前記タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替える
ことを特徴とする携帯端末の操作方法。
【請求項7】
ホームネットワークを介して動画番組を共有する機能を有する電子機器の操作プログラムであって、
前記ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作をする際に、機器の方向を検出するステップと、
前記検出された機器の方向に応じて、前記タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替えるステップと
を含むことを特徴とするコンピュータにより実行可能な携帯端末の操作プログラム。
【請求項8】
ホームネットワークを介して接続され、共有している動画番組を携帯端末で視聴可能な動画再生システムであって、
前記携帯端末は、
ホームネットワークを介して動画番組を共有する手段と、
表示パネルにタッチパネルを積層してなるタッチパネル操作部と、
前記機器の方向を検出する手段と、
前記ホームネットワークを介して共有している動画番組に関する操作を行う際に、前記検出された機器の方向に応じて、前記タッチパネル操作部を、キーを表示し当該キーへのタッチを検出して所望の動作に設定するモードと、タッチした動きを検出して所望の動作に設定するモードとに切り替える手段とを具備する
ことを特徴とする動画再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253716(P2012−253716A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127139(P2011−127139)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.QRコード
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】