携帯端末、携帯端末の文字入力プログラム、および、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】現在のハードウエアを利用しながら、動的に候補文字表を切り替えることで、日本語入力の高速化を図ることができる。
【解決手段】前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との各組合せに対応させて候補文字表を記憶しているとともに、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合の候補文字表を各キーに対応させて記憶している内部メモリ30内の候補文字記憶手段31と、キー入力バッファに記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部103と、打鍵されたキーが強押しされたときに、キー入力バッファに記憶されている今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部107とを備え、候補文字記憶手段31に記憶されている候補文字表は濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音を含んでいる。
【解決手段】前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との各組合せに対応させて候補文字表を記憶しているとともに、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合の候補文字表を各キーに対応させて記憶している内部メモリ30内の候補文字記憶手段31と、キー入力バッファに記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部103と、打鍵されたキーが強押しされたときに、キー入力バッファに記憶されている今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部107とを備え、候補文字記憶手段31に記憶されている候補文字表は濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は携帯端末に関し、特に、日本語入力の高速化を図るための携帯端末、携帯端末の文字入力プログラム、および、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機においては、一般的に、各数字キーに、あ行、か行、さ行、・・・を割り当てているため、例えば、「お」の入力には数字キー「1」を5回連続して打鍵する必要があり、キーストローク回数の多い入力方法が用いられている。
【0003】
また、従来の携帯電話機においては、促音(きっ)、拗音(きゃ、きゅ、きょ、等)および外来音(きぇ、等)は1音節であるにもかかわらず、「き」の文字を選択して入力した後に、異なる音節の文字として、小文字にする文字(あ、い、う、え、お、つ、や、ゆ、よ)を入力し、その後に、[大/小]の変換キーを入力する必要があった。あるいは、「き」の文字を選択して入力した後に、異なる音節の文字として、小文字(ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、っ、ゃ、ゅ、ょ)を少なくとも6回打鍵することによって入力する必要があった。
【0004】
上記の従来の問題点を解決するための方法として、文字入力の高速化を図るための特殊なキー配列にした携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1におけるキー配列では、3列5段で、のべ15個設けられたキーのうち、最右側の1列に配置された5個のキーを、それぞれ、a、i、u、e、oの各母音キーとし、残りの2列に配列された、のべ10個のうちの9個のキーを、それぞれ、k、s、t、n、h、m、y、r、wの各子音キーとして、残りの1個のキーを促音キー(っ)としている。これにより、日本語入力の高速化を図っている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−140149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の携帯電話機においては、上述したように、特殊なキー配置であり、現在用いられている使い慣れたキー配置を利用しながら日本語入力の高速化を図ることが出来ないという問題点があった。
【0008】
そのため、特許文献1の携帯電話機の構成は、この特殊なキー配置には、違和感があり、普及面に問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、現在用いられているキー配列を利用しながら、かつ、日本語入力の高速化を図ることが可能な携帯端末および携帯端末の入力方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段とを備え、前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段とを備え、前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末であるので、現在用いられているキー配列を利用しながら、かつ、日本語入力の高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の外観を示した図である。図1(b)は、図1(a)のキーボード部分を拡大した図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施の形態1に係る携帯電話機においては、3列5段の計15個のキーが配置されており、そのうちの下部の3列4段の計12個のキーで数字や文字を入力する入力キー1〜12を構成している。この入力キー1〜12は、感圧素子を用いて、「キーを普通に押した状態」、「キーを強く押した状態(以降、この状態を「強押し」と言う」、「キーが押されていない状態」の三つの状態を判別できるように構成されている。また、上部の3個のキーは電話機能を行うための電話機能キー13〜15を構成している。図1(b)に示すように、本実施の携帯電話機におけるキー配列は、従来のままである。
【0013】
図2に、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のハードウエア構成を示す。本実施の形態に係る携帯電話機は、無線基地局との間の無線通信を処理する無線処理部21と、マイクロフォン22と、スピーカ23と、無線処理部21を介して着発信接続や通信切断などの着発信処理の制御を行うとともに、無線処理部21を介して通信相手とマイクロフォン22やスピーカ23に入出力する音声の送受処理を行う通信制御部24と、表示器25と、キー操作部26と、表示器25やキー操作部26とを用いたユーザとの間のマンマシンインターフェースを制御するマンマシンインターフェース制御部27と、内部メモリ30と、主制御部29とを有している。なお、内部メモリ30は、ROM(Read Only Memory)30(a)とRAM(Random Access Memory)30(b)とから構成されている。
【0014】
図3は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の内部構成を示した図である。図3において、101は、ユーザが打鍵した前回打鍵キーと今回打鍵キーとの種別を一時的にキー入力バッファ32(図12参照)に記憶するキー入力書き込み部である。103は、キー入力バッファ32に記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部である。104は、キー入力バッファ32に記憶されている今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第1の候補文字表抽出部103によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第1の表示部である。106は、打鍵されたキーが、所定の打鍵方式で打鍵されたときに、強押しフラグ35等に一時的にフラグをたてる打鍵方式書き込み部である。107は、強押しフラグ35にフラグがたった場合に、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部である。108は、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第2の候補文字表抽出部107によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第2の表示部である。109は、第1または第2の表示部104,108が表示した候補文字がユーザによって選択され確定された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示部である。110は、当該確定文字を確定文字記憶部38に記憶させる確定文字書き込み部である。
【0015】
まず、はじめに、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機が備えた各機能について説明する。
【0016】
(1)母音キーと促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)の配置
本実施の形態においては、図1に示す携帯電話機において、キー配列の最下行にある「*」、「0」、「#」の各キーに、母音キーとして「u」、「e」、「o」を割り付ける。「u」、「e」、「o」の割付け方法には、図4(a)〜(f)に示す6通りの組合せがあり、そのいずれでも良いが、母音順に配置した「*にuを(以降「*u」と記述する)」、「0にeを(以降「0e」と記述する)」、「#にoを(以降「#o」と記述する)」」(すなわち、図4(a)の配置)を割り付ける方法が最も操作性に優れている。
【0017】
また、本実施の形態においては、促音キー(又は長音記号「ー」)として、キー配列の最下行の「*」、「0」、「#」の何れか1つのキーに促音「っ」(又は長音記号「ー」)を図5(a)〜(c)に示すように割り付ける。促音キー(又は長音記号「ー」)の割付けは「*」、「0」、「#」のいずれのキーでも構わないが、「0」キーは「わをん等」が割付けられているので、「*」または「#」の何れかのキーが最適である。更に、濁音・半濁音の割付けは「*」または「#」キーとなっているので、促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)の割付けは濁音・半濁音の割り付けとは異なるキーの方が操作性が向上する。
【0018】
なお、以降の説明においては、母音キーについては図4(a)に示す「*u」、「0e」、「#o」の割付け、促音キー(又は長音記号「ー」)については図5(a)に示す濁音半濁音が「*」に割付けられて、かつ、「#」へ促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)を割付けた例を挙げて説明する。図4および図5においては、母音キーおよび促音キー(又は長音記号「ー」)の一方のみの割付けについて図示しているが、その両方を併用するようにしてもよい。併用する場合については後述する。
【0019】
なお、促音「っ」と長音「ー」の出現頻度を比較すると、促音「っ」の方が出現頻度が高いので、以降の説明では、促音「っ」をキーに割り付けた例を挙げて説明する。
【0020】
(2)従来のかな入力方式との併用を可能とする。
本実施の形態においては、現在一般的に用いられている従来のかな入力方式との併用が可能である。
例として「か」行の入力は以下の通りとなる。
・「か」の入力は「2」キーを1回打鍵する。
・「き」の入力は「2」キーを2回連続打鍵する。
・「く」の入力は「2」キーを3回連続打鍵、または、「2」、「*」の順で打鍵する。
・「け」の入力は「2」キーを4回連続打鍵、または、「2」、「0」の順で打鍵する。
・「こ」の入力は「2」キーを5回連続打鍵、または、「2」、「#」の順で打鍵する。
【0021】
このように、本実施の形態においては、上述のように、図4(a)に示す「*u」、「0e」、「#o」の割付けを行っているため、母音が「u」、「e」、「o」の文字も、従来のように何回も連続打鍵することなく、2回の打鍵で容易にかつ高速に入力することができる。
【0022】
(3)従来のマルチタップ入力方式と同一の操作性を実現する。
本実施の形態においては、従来のマルチタップ入力方式を適用している。なお、ここで、従来のマルチタップ入力方式の操作性とは次の通りである。
・同一キーを連続打鍵すると打鍵回数に従って順々に候補文字が出現する。
・異なるキーを打鍵すると文字の反転が終了してカーソルが進み、1文字前に表示されていた候補文字が確定する。
【0023】
本実施の形態では、図4(a)に示すように、母音キーを「*u」、「0e」、「#o」に割付けているが、「*」、「0」、「#」の各キーを連続打鍵することによって順に候補文字を表示させることで、従来のマルチタップ入力方式における候補文字の表示方式における操作と同一のインターフェースを持たせている。すなわち、1回目の打鍵では母音キーとして機能し、2回目以降の連続打鍵を行った場合には、従来の「*」、「0」、「#」の各キーに割当てられた候補文字を順次表示していく。
【0024】
例として「*」キーにおける連続打鍵の候補文字は以下のとおりである(図4(a)および図5(a)参照。)。
・1回目打鍵は母音「u」の選択を意味する。
・2回目打鍵は濁音「゛」の選択を意味する。
・3回目打鍵は半濁音「゜」の選択を意味する(但し、は行の場合のみ。)。
・4回目打鍵は母音「u」と濁音「゛」の選択を意味する。
・5回目打鍵は母音「u」と半濁音「゜」の選択を意味する(但し、は行の場合のみ。)。
【0025】
(例)
「は」行の母音として「u」の入力を行う場合は以下のようになる。
「6」キーの次に「*」キーを連続して打鍵した場合には次の様に候補文字を表示する。
・「*」キーの1回目打鍵後は、候補文字として「ふ」が表示される。
・「*」キーの2回目打鍵後は、候補文字として「ば」が表示される。
・「*」キーの3回目打鍵後は、候補文字として「ぱ」が表示される。
・「*」キーの4回目打鍵後は、候補文字として「ぶ」が表示される。
・「*」キーの5回目打鍵後は、候補文字として「ぷ」が表示される。
・6回目は「ふ」の表示に戻る。
以降は、「ば」→「ぱ」→「ぶ」→「ぷ」→「ふ」の表示を繰り返す。
【0026】
(注)母音キーとして機能するのは「1あ」〜「9ら」の各キーを1回だけ打鍵した場合に限られる。「1あ」〜「9ら」の入力キーを2回以上打鍵した場合は、母音キーとしては機能しない。
例:「2か」キーを2回打鍵すると「き」が表示される。次に「*」キーを打鍵すると「ぎ」が表示される(母音「u」を選択して「く」とは表示しない。)。
【0027】
(4)候補表示文字のカスタマイズ機能
本実施の形態においては、入力キーを連続打鍵した場合における候補文字表示のカスタマイズを可能とし、操作者の好みの順で候補文字を表示させる事で使い易さを実現する。
(例)「0」キーを連続打鍵して表示する「わ」行の場合
候補文字表示順序例1:「わ」,「を」,「ん」,「ー」,「、」・・・「0」
候補文字表示順序例2:「ん」,「わ」,「を」,「ー」,「、」・・・「0」
【0028】
(注)撥音「ん」は、「わ」、「を」よりも出現頻度が高いので「0」キー打鍵後の最初の表示文字とする方が文字入力をより速く行う事ができる。
【0029】
(5)入力キーの強押しでかな入力の拡張モードに切替えを行う。
本実施の形態においては、入力キーの強押しにより、従来の漢字かな入力モードをそのまま維持しながら、その入力モードを拡張した長音・二重母音・拗音・外来音モード(以下、長二拗外入力モードと言う。)へ自動切換えする。
【0030】
なお、以下の説明においては、促音「っ」を入力キーの最下行の1つに割り付けた場合について説明するが、長音「ー」を入力キーの最下行の1つに割り付けた場合には、長音の代わりに促音「っ」を割り当て、促音・二重母音・拗音・外来音モード(以下、促二拗外入力モードと言う。)とする。
【0031】
以下に、長二拗外入力モードおよび促二拗外入力モードの一例をそれぞれ示す。
・長音・二重母音・拗音・外来音モードの場合:き、きー、きゃ、きゅ、きょ
・促音・二重母音・拗音・外来音モードの場合:き、きっ、きゃ、きゅ、きょ
【0032】
本実施の形態では、促音が入力キーの最下行の1つに割り付けている例を挙げて説明しているので、入力キーの強押しにより切替わるモードについては長二拗外入力モードとして記載する。
【0033】
なお、長音・拗音・外来音の表示順は、下記のどの順序でも構わない。
・しー(長音)、しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)、しぇ(外来音)
・しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)、しぇ(外来音)、しー(長音)
・しー(長音)、しぇ(外来音)、しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)
【0034】
以降、本実施の形態の説明では、長音・拗音・外来音については長音・拗音・外来音の順で候補文字を表示させる場合を例に挙げて説明する。
【0035】
以下に、拗音と長音の入力操作の詳細例を挙げる。
【0036】
・従来と同じ方法で「しょー」と入力する場合(打鍵回数10回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「3」の打鍵1回目 「さ」 通常モード
「3」の打鍵2回目 「し」 通常モード
「8」の打鍵1回目 「しや」 通常モード
「8」の打鍵2回目 「しゆ」 通常モード
「8」の打鍵3回目 「しよ」 通常モード
「大/小」の変換を1回 「しょ」 通常モード
「0」の打鍵1回目 「しょわ」 通常モード
「0」の打鍵2回目 「しょを」 通常モード
「0」の打鍵3回目 「しょん」 通常モード
「0」の打鍵4回目 「しょー」 通常モード
(注)ここで、「大/小」キーとは、図1および図8の符号42で示されたキーであり、文字入力の場合のみ、「大/小」キーに切り替わるキーである。
【0037】
・長音・二重母音・拗音・外来音モードがある場合(打鍵回数5回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「3」の打鍵1回目 「さ」 通常モード
「3」の打鍵2回目 「し」 通常モード
「3」の打鍵2回目が強押し状態 「しー」 長二重拗外モードに自動切換え
「3」の打鍵3回目 「しゃ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵4回目 「しゅ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵5回目 「しょ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵5回目が強押し状態 「しょー」 長二重拗外モード
【0038】
・長二拗外モードで「きょう」と入力する場合
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「2」の打鍵1回目 「か」 通常モード
「2」の打鍵2回目 「き」 通常モード
「2」の打鍵2回目が強押し状態 「きー」 長二重拗外モードに自動切換え
「2」の打鍵3回目 「きゃ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵4回目 「きゅ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵5回目 「きょ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵5回目が強押し状態 「きょー」 長二重拗外モード
「2」の打鍵6回目 「きょう」 長二重拗外モード
【0039】
二重母音は出現頻度の高い、「ai」,「uu」,「ei」,「ou」以外に、「aa」,「ii」,「uu」,「ee」,「oo」などがある。二重母音の候補文字表示についてはどの様な二重母音を選択し、また、複数の二重母音を組合わせて表示しても構わない(例:「ou」と「oo」の組合せ「こう」「こお」)。
【0040】
以下、本実施の形態の説明では、二重母音については、二重母音は、あ段・う段・え段・お段の文字選択時に出現頻度の高い「ai」,「uu」,「ei」,「ou」と一部の「oo(おお、こお、とお、ほお)」の二重母音が次の候補文字として表示される場合を例に挙げて説明する。
【0041】
以下に、二重母音入力操作の詳細例を挙げる。
【0042】
・従来と同じ方法で「ほう」と入力する場合(打鍵回数8回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「6」の打鍵2回目 「ひ」 通常モード
「6」の打鍵3回目 「ふ」 通常モード
「6」の打鍵4回目 「へ」 通常モード
「6」の打鍵5回目 「ほ」 通常モード
「1」の打鍵1回目 「ほあ」 通常モード
「1」の打鍵2回目 「ほい」 通常モード
「1」の打鍵1回目 「ほう」 通常モード
【0043】
・長音・二重母音・拗音・外来音モードがある場合(打鍵回数3回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「#」の打鍵1回目 「ほ」 通常モードで「o」の母音入力
「#」の打鍵が強押し状態 「ほー」 長二重拗外モードに自動切換え
「#」の打鍵2回目 「ほう」 長二重拗外モード(二重母音候補表示)
【0044】
(注)二重母音は漢字入力において「ai」,「uu」,「ei」,「ou」の4つの頻度が高い。以下、それらの例を挙げる。
「ai」の例:愛、開、際、対、内、肺、毎
「uu」の例:空、数、通、風、
「ei」の例:営、計、正、定、寧、平、名
「ou」の例:応、高、層、農、法、毛、労
【0045】
外来音は外来音表記のある特定文字のみについて外来音の候補文字を表示する。
・外来音の入力操作の例
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「*」の打鍵1回目 「ふ」 通常モードで「u」の母音入力
「*」の打鍵1回目が強押し状態 「ふー」 長二重拗外モードに自動切換え
「*」の打鍵2回目 「ふぁ」 長二重拗外モード
「*」の打鍵3回目 「ふぃ」 長二重拗外モード
【0046】
現在表示している文字が記号の場合には同一の記号を自動的に付加して表示して、以降同じキーを連続打鍵すると同じ記号を候補文字として表示する。
【0047】
・現在表示文字が記号の場合の詳細例
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「0」の打鍵1回目 「ん」 通常モード
「0」の打鍵9回目 「!」 通常モード
「0」の打鍵が強押し状態 「!!」 長二重拗外モードに自動切換え
「0」の打鍵が10回目 「!!!」 長二重拗外モードに自動切換え
「0」の打鍵が11回目 「!!!!」 長二重拗外モードに自動切換え
【0048】
(6)確定前の1文字以上の候補文字列を反転表示し、連続打鍵で候補文字列を決定する。
本実施の形態においては、確定前の1文字以上の候補文字列を反転表示し、連続打鍵で候補文字列を決定する。従来の仮名入力モードでは、確定前の候補文字は1文字に限られており、候補となる1文字を反転表示する事で選択中である事を表していた。しかしながら、上述のかな入力の拡張モード(長二拗外モード)では候補となる文字は1文字以上となる。そのため、本実施の形態においては、同一キーを連続打鍵した場合に1文字以上の候補文字列を反転表示させて選択中である事を表す。図6のその例を示す。
【0049】
また、同一キーの連続打鍵で1文字以上の候補文字列を表示する機能を用いて、括弧記号や引用符を2文字同時に候補文字として表示する事も可能とする。図7にその例を示す。
【0050】
括弧記号は、1回のキー打鍵で、左括弧記号と右括弧記号をそれぞれ1つずつ入力するのではなく、左括弧記号と右括弧記号を合わせて同時に入力できるようにすれば、より使い易く入力操作を高速化することが可能になる。
【0051】
(7)確定前の1文字以上の候補文字列一覧をサブウィンドウに表示して選択して決定する。
本実施の形態においては、入力キーを強押しした場合に、長二拗外モードに自動切換えして、長音「ー」を付加された文字と二重母音、拗音、外来音が付加された文字を選択するが、文字の反転表示を行う従来の仮名入力方式に加えて、サブウィンドウに候補文字列の一覧を表示して選択する事ができる。図8にその例を示す。図8に示すように、サブウィンドウ40および41が表示され、ユーザは、図1に示すダイヤルジョグ43の上部または下部を押下することで、候補を選択していき、当該ダイヤルジョグ43の中央部を押下することにより選択した候補を確定させる。
【0052】
(8)入力キーの強押しの調節機能
本実施の形態においては、入力キーの強押しにおいて、ユーザの好みにより、その強さを調節可能にする。例えば、メニュー画面で、強・中・弱のうちから1つを選択するか(通常(デフォルト値)は中)、あるいは、1〜100(通常(デフォルト値)は50)などの数値による段階指定を可能とする。
【0053】
(9)入力キーの最下列の「*」、「0」、「#」キーに、母音キーを割り付けるとともに、促音「っ」キーも割り付ける。
本実施の形態においては、入力キーの最下列の「*」、「0」、「#」キーの何れかに、促音「っ」を割り付ける事で促音の入力を容易にする。以降は「#」に割付けた例で記載する。
【0054】
「#」キーには母音キー「o」を割り付けているが、同時に促音「っ」のキーとしても割り付けを行う。従来のかな入力方式では促音「っ」の入力には4回打鍵(「4」キーを3回打鍵、および、「大/小」選択キーを1回打鍵)が必要であったが、「#」キーの1回だけで入力が可能となる。
【0055】
「#」キーを連続して2回以上打鍵した場合には次の様に動作する。
1回目は母音キー「o」として動作する。2回目は促音「っ」のキーのみとして動作する。3回目は母音キー「o」と促音「っ」のキーを組合わせたキーとして動作する。
【0056】
(例)
「ま」行の子音「7」キーの次に「#」キーを連続して2回以上打鍵した場合には次の様に候補文字を表示する。
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「7」の打鍵1回目 「ま」 通常モード
「#」の打鍵1回目 「も」 通常モード
「#」の打鍵2回目 「まっ」 通常モード
「#」の打鍵3回目 「もっ」 通常モード
「#」の打鍵4回目 「ま」 通常モード
(「ま」の表示に戻る)
以降は「も」→「まっ」→「もっ」→「ま」の表示を繰り返す。
【0057】
(10)母音キー機能の操作ガイドメニュー表示機能
本実施の形態では、母音キーの割付を次のように行っているが、入力操作時の操作ガイドを携帯電話機画面の下部に表示して入力を容易にする。この操作ガイドは、ユーザの好みにより、表示・非表示を選択できるようにする。また、キー操作に従い、自動的に表示・非表示を行う。「1あ」〜「9ら」の1回目打鍵時に自動表示し、2回以上の連続打鍵を行うと非表示になる。
【0058】
「*」キー:母音「u」 う、く、す、つ、ぬ、ふ、む、ゆ、る
「0」キー:母音「e」 え、け、せ、て、ね、へ、め、ゑ、れ
「#」キー:母音「o」 お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ
【0059】
図9に操作ガイドの表示例を示す。図9(a)に示した操作ガイド表示例(その1)では、「*」、「0」、「#」の各キーに割り付けられている、う段・え段・お段の全ての文字を候補として表示し、「2か」が打鍵されて、「か」行が選択された場合に、「く」、「け」、「こ」の文字を強調している。一方、図9(b)に示した操作ガイド表示例(その2)では、「2か」が打鍵されて、「か」行が選択された場合に、「く」、「け」、「こ」の候補文字だけを表示している。
【0060】
(11)カタカナ入力及び英字入力モードへの応用
「1あ」〜「9ら」を1回打鍵後に、「*」、「0」、「#」の各キーを打鍵すると「1あ」〜「9ら」の各キーを連続打鍵した場合に、以下の打鍵と同じ動作にする機能をカタカナ入力及び英字入力のモードにも応用する。
・カタカナ入力モードの場合
操作 文字表示 備考
「1あ」の1回打鍵 「ア」
「1あ」の2回打鍵 「イ」
「1あ」1回、「*」1回 「ウ」 「1あ」の3回打鍵と同じ
「1あ」1回、「0」1回 「エ」 「1あ」の4回打鍵と同じ
「1あ」1回、「#」1回 「オ」 「1あ」の5回打鍵と同じ
【0061】
カタカナ入力モードの文字候補表については漢字かな入力モード時における候補文字表のひらがな表記をカタカナに変更したものとする。
【0062】
・英字入力モードの場合
操作 文字表示 備考
「9ら」の1回打鍵 「W」
「9ら」の2回打鍵 「X」
「9ら」1回、「*」1回 「Y」 「9ら」の3回打鍵と同じ
「9ら」1回、「0」1回 「Z」 「9ら」の4回打鍵と同じ
「9ら」1回、「#」1回 「9」 「9ら」の5回打鍵と同じ
【0063】
英字入力モードの場合における候補文字表の例を図10に示す。
カタカナ入力の場合と英字入力の場合においても、「*」、「0」、「#」の各キーに割り当てられる文字の操作ガイドメニューを表示する。
【0064】
(12)強押しを行わずに、拗音、外来音の入力を容易にする2段入力方式(濁音・半濁音・促音)の拡張機能
本実施の形態においては、強押しを行わずに、拗音、外来音の入力を容易にする2段入力方式(濁音・半濁音・促音)の拡張機能をさらに設けるようにしてもよい。この機能では促音「っ」と長音「ー」を同一のキーに割付ける。濁音/半濁音キーの打鍵後、又は、促音キーの打鍵後に連続打鍵を行った場合にその音に関する拗音・外来音を候補文字として順次表示する。なお、強押しとの併用を行っても構わない。
【0065】
(例)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「2」の打鍵1回目 「か」 通常モード
「2」の打鍵2回目 「き」 通常モード
「*」の打鍵1回目 「ぎ」 通常モード
「*」の打鍵2回目 「ぎゃ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵3回目 「ぎゅ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵4回目 「ぎょ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵5回目 「ぎぇ」 通常モード(外来音)
【0066】
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「4」の打鍵1回目 「た」 通常モード
「0」の打鍵1回目 「て」 通常モード(母音[e]機能)
「#」の打鍵1回目 「てっ」 通常モード(促音)
「#」の打鍵2回目 「てー」 通常モード(長音)
「#」の打鍵3回目 「てぃ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵4回目 「てゅ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵5回目 「てゃ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵6回目 「てょ」 通常モード(外来音)
【0067】
以下に、上述の処理を行うための本実施の形態1における携帯電話機の内部構成および内部動作について説明する。
【0068】
従来のマルチタップ方式における携帯電話機の文字入力には「漢字かな入力」、「カタカナ入力」、「英字入力」、「数字入力」、「記号入力」などのモードがある。このモードの切替えには、一般的に、入力キー1〜12とは異なる他のボタンを押下することにより実現している。ユーザは、異なるモードにおける文字をたった1文字でも入力するためには、その都度、モードの切替えを行わなければならないので、ユーザにとっては煩わしいものであり、手間がかかり、文字入力速度の高速化を図ることができない。
【0069】
上述した機能のうち、本実施の形態におけるメインの機能は、下記の2つの機能であり、これらの機能により、該当するキーに割り付けられた候補文字表を漢字かな入力モード状態のままで、動的に切り替えることを可能にしている。
(1)入力キーの最下行の「*」、「0」、「#」のそれぞれのキーに、母音キーを割り付けて変換させる処理(図11(a)参照)
(2)入力キーを強押しして、長音・二重母音・拗音・外来音モードに移行する処理(図11(b)参照)
【0070】
同じキーを数回連続打鍵後に、他のキーを押すか、確定キー(通常はカーソル移動)で候補文字が確定されると動的に変更された候補文字表は初期状態で割り付けた通常の候補文字表に戻す。
【0071】
図12は、本実施の形態における携帯電話機の内部メモリの構成を示した図である。図12に示すように、内部メモリ30内には、候補文字表記憶手段31と、キー入力バッファ32と、候補文字バッファ33と、キー打鍵カウンタ34と、強押しフラグ35と、打鍵フラグ36と、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37と、確定文字記憶手段38と、プログラム記憶手段39とが設けられている。内部メモリ30は、ROM30(a)とRAM30(b)からなり、ROM30(a)は、候補文字表記憶手段31、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37、プログラム記憶手段39で構成されている。RAM(b)は、キー入力バッファ32、候補文字バッファ33、キー打鍵カウンタ34、強押しフラグ35、打鍵フラグ36、確定文字記憶手段38で構成されている。
【0072】
候補文字表記憶手段31内には、図13〜図14に示す候補文字一覧表が記憶されている。候補文字表は大きく分けて、次の2つがある。1つ目は、下記(1)の図13A〜図13Fに示すもので、2つ目は、下記(2)の図14A〜図14Bに示すものである。
(1)強押し時に動的に入れ替える候補文字表の集合である候補文字一覧表
(2)[1あ]〜[9ら]の各テンキーと[*u]、[0e]、[#o]の母音キーとの組合せ時に動的に入れ替える候補文字表の集合である候補文字一覧表
【0073】
なお、図14A〜図14Bの候補文字一覧表を見てわかるように、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」と「現在表示文字」との種別の組合せに対応させて、「今回打鍵キー」と同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される候補文字から構成される各候補文字表が格納されている。各候補文字表には、候補文字として、「今回打鍵キー」の種別から派生する濁音、半濁音、促音、外来音を含んでいる。「前回打鍵キー」を打鍵した後に、「今回打鍵キー」を1回打鍵すると、「現在表示文字」の次の文字(Y=1)が表示される。次に、「今回打鍵キー」を連続打鍵すると、候補文字表の各候補文字が順次表示される(Y=2、・・・Y=n)。なお、入力を開始したすぐのときには、「前回打鍵キー」がないため、その場合には、「今回打鍵キー」の種別だけで、候補文字表が決定される(図14A〜図14Bの網掛けの候補文字表)。図15は、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」との組合せに付された「組合せの名前」を示した前回キー・今回キー・マトリックス表の一例を示した図である。前回キー・今回キー・マトリックス表は、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37に記憶されている。
【0074】
また、図13A〜図13Fの候補文字一覧表を見てわかるように、強押しされたキーの種別に対応させて、そのキーと同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される候補文字と現在表示文字から構成される各候補文字表が格納されている。各候補文字表は、候補文字として、現在表示文字の種別から派生する促音、長音、二重母音、拗音、外来音を含んでいる。「強押しキーその1」又は「強押しキーその2」又は「強押しキーその3」のキーを1回強押しすると、該当する候補文字表にある「現在表示文字」の次の文字(Y=1)が表示される。次に、同一キーを普通の強さで打鍵すると、候補文字表の各候補文字が順次表示される(Y=2、・・・Y=n)。
【0075】
図12の説明に戻る。キー入力バッファ32は、図16に示すように、入力された文字のうち、最後に入力された2文字分(2セル)の履歴が一時的に格納されるものである。すなわち、上記の「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」の種別が一時的に記憶されて、それらを判定するときに用いるための内部バッファである。初期状態では、「確定」キーが打鍵されているものとなるように、初期値として、各セルに「確定」が設定されている。図16は、「1」キーの次に「7」キーが打鍵され、次に「3」キーが打鍵された場合を例に挙げて図示している。
【0076】
候補文字バッファ33は、図17に示すように、4文字分(4セル)が格納されるようになっており、入力モードと打鍵したキーにより候補文字(または確定後の文字)の種別を識別するための内部バッファである。図17は、「3さ」キーを連続打鍵して「しょうー」の候補文字を表示する場合を例に挙げて図示している。
【0077】
キー打鍵カウンタ34は、同一のキーが打鍵された場合に、その打鍵回数をカウントするために、カウントアップする(回数の計測を開始する)カウンタである。前回打鍵キーと異なるキーが打鍵されると、カウンタは初期値の1に戻る。
【0078】
強押しフラグ35は、同一のキーを強押しされた場合に、フラグが「on(オン)」になるものである。すなわち、いずれかのキーが強押しされたか否かを判別するためのフラグである。なお、ユーザが強押ししたキーから指を離すとフラグは「off(オフ)」に戻る。通常時は「off(オフ)」の状態である。
【0079】
打鍵フラグ36は、入力キー1〜12が打鍵されている間は「on(オン)」になる。ユーザがキーから指を離すと、「off(オフ)」になる。通常時は、「off(オフ)」の状態である。
【0080】
前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37には、図15に示す前回キー・今回キー・マトリックス表が記憶されている。横が「前回打鍵キー」であり、縦が「今回打鍵キー」であり、マトリックスの各セルには、「前回打鍵キー」および「今回打鍵キー」による組合せの名前が格納されている。組合せの名前は、例えば、「1−First」や「2−First」等であり、「○−×××」となっている。「○」は「1」から「9」、「A」、「0」、「S」の各文字が該当する。ここで、Aはアステリスク(*)、Sはシャープ(#)を示す。また、「×××」は、「First」と「Repeat」の2種類がある。「1−Repeat」は前回打鍵キーと今回打鍵キーとがともに同一キーであり、「1あ」キーが繰り返し打鍵されたことを意味する。「1−First」は、「前回打鍵キー」が「1あ」キー以外のもので、「今回打鍵キー」が「1あ」キーであることを意味する。すなわち、キー入力バッファ32における「1あ」キー打鍵検出の初回を意味する。「2か」キー〜「#↓」キーについても、「1あ」キーと同様の意味である。
【0081】
次に、本実施の形態における携帯電話機の動作について図18〜図24のフローチャートに基づいて説明する。なお、図18〜図24の動作は、携帯電話機の内部に設けられた制御装置によって制御されているものとする。
【0082】
図18は、メイン処理のフローチャートである。図18に示すように、まず、はじめに、打鍵フラグ36(図12参照)が「on(オン)」か否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ユーザによる打鍵の有無を検知する。打鍵フラグ36が「on(オン)」だった場合には、キー入力バッファ32の「今回打鍵キー」の内容を確認して、打鍵されたキーが入力キー1〜12または確定キーかを判定する(ステップS2)。打鍵されたキーが入力キー1〜12および確定キーのいずれでもない場合で、例えば、それがカーソル移動キーや各種機能キーなどであった場合には、それに設定されている従来の各処理を行う(ステップS12)。一方、打鍵されたキーが入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、キー入力バッファ32の「前回打鍵キー」および「今回打鍵キー」の種別に基づいて、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表の中から該当する組合せの名前を抽出する(ステップS3)。次に、「前回打鍵キー」も「今回打鍵キー」も「確定」キーか否かを判定する(ステップS4)。「確定」キーであれば、ステップS1に戻り、「確定」キーでなければ、「今回打鍵キー」が「確定キー」で、かつ、「前回打鍵キー」は「確定」キーでなかったかを判定する(ステップS5)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にし、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送し、さらに、候補文字バッファ33をすべてヌル(null)状態にする(ステップS13)。ステップS5の判定で、「確定」キーでなければ、次に、ステップS3で抽出した組合せ名が「First」か否かを判定する(ステップS6)。「First」でなければステップS9に進む。「First」であれば、図14に示す候補文字一覧表の中に、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」と「現在表示文字」との組合せに該当するものがあるか否かを判定する(ステップS7)。該当するものがあれば、該当する候補文字表に変更する(ステップS8)。該当するものがなければ、ステップS14を経由して、ステップS9に進む。ステップS14では、候補文字表を初期状態にするとともに、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送する(ステップS14)。ステップS9では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS9)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」であるかを判定する(ステップS10)。「on(オン)」でない場合には、ステップS1に戻る。「on(オン)」だった場合には、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS11)。
【0083】
図19の文字表示SUB処理について説明する。図19に示すように、まず、はじめに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップする(ステップS21)。図18の処理におけるステップS3で抽出した組合せ名が「S−Repeat」であるかを判定する(ステップS22)。「S−Repeat」であれば、ステップS23を経由してステップS24に進み、「S−Repeat」でなければ、そのままステップS24に進む。ステップS23においては、「前回表示文字」が改行かを判定する(ステップS23)。改行であれば、「改行」を表示する(ステップS26)。改行でなければ、キー打鍵カウンタ34の値を、該当する候補文字表の候補文字数で割り、余り(Y)を算出する(ステップS24)。次に、該当する候補文字表のY番目にある文字を表示する(ステップS25)。これで、SUB処理が終了するので、SUB処理終了後は、図18のステップS10に戻る。
【0084】
図20は、長二拗外モードにおいて候補文字のサブウィンドウを表示する場合のフローチャートを示した図である。まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS31)。「on(オン)」であれば、打鍵されたキーが、入力キー1〜12あるいは確定キーかを判定する(ステップS32)。いずれでもない場合は、打鍵されたカーソル移動キーや各種機能キーに設定されている従来の処理を行う(ステップS43)。入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表を参照して、該当する組合せの名前を抽出する(ステップS33)。次に、前回打鍵キーが「確定」キーかを判定する(ステップS34)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にした(ステップS35)後、ステップS36に進む。「確定」キーでなければ、そのままステップS36に進む。ステップS36では、ステップS33で抽出した組合せ名が「First」かを判定する(ステップS36)。「First」でなければ、ステップS40に進み、「First」であれば、ステップS37に進む。ステップS37では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに該当があるかを判定する(ステップS37)。該当があれば、ステップS38およびステップS39を経由して、ステップS40に進む。該当がなければ、ステップS44を経由して、ステップS40に進む。ステップS38では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに従い、候補文字表を変更する(ステップS38)。次のステップS39では、該当する候補文字表に変更する(ステップS39)。一方、ステップS44では、候補文字表を初期状態にするとともに、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送する(ステップS44)。次に、ステップS40では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS40)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」かを判定する(ステップS41)。「on(オン)」でなければ、ステップS31の処理に戻る。「on(オン)」であれば、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS42)。
【0085】
図21は、母音キーの操作ガイドを表示する場合のフローチャートを示した図である。まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS51)。「on(オン)」でなければ、ステップS51の処理に戻る。「on(オン)」であれば、打鍵されたキーが、入力キー1〜12あるいは確定キーかを判定する(ステップS52)。いずれでもない場合は、打鍵されたカーソル移動キーや各種機能キーに設定されている従来の処理を行う(ステップS64)。入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表を参照して、該当する組合せの名前を抽出する(ステップS53)。次に、前回打鍵キーが「確定」キーかを判定する(ステップS54)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にして(ステップS55)、ステップS56に進む。「確定」キーでなければ、そのままステップS56に進む。ステップS56では、ステップS53で抽出した組合せ名が「First」かを判定する(ステップS56)。「First」でなければ、ステップS61に進み、「First」であれば、ステップS57に進む。ステップS57では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに該当があるかを判定する(ステップS57)。該当があれば、ステップS58、S59、S60を経由して(または、ステップS58、S59、S66を経由して)、ステップS61に進む。該当がなければ、ステップS65を経由して、ステップS61に進む。ステップS58では、該当する候補文字表に変更する(ステップS58)。ステップS59では、今回打鍵キーが、入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかを判定する(ステップS59)。入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかであれば、図22の母音キーの操作ガイド表示SUB処理を呼び出す(ステップS60)。入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかでなければ、母音キーの操作ガイドを非表示にする(ステップS66)。次に、ステップS61では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS61)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」かを判定する(ステップS62)。「on(オン)」でなければ、ステップS51の処理に戻る。「on(オン)」であれば、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS63)。
【0086】
図22は、母音キーの操作ガイド表示SUB処理を示したフローチャートである。まず、はじめに、今回打鍵キーが「1あ」かを判定する(ステップS71)。「1あ」であれば、「うえお」の操作ガイドを表示する(ステップS80)。表示例は、図9を参照する。次に、今回打鍵キーが「2か」かを判定する(ステップS72)。「2か」であれば、「くけこ」の操作ガイドを表示する(ステップS81)。次に、今回打鍵キーが「3さ」かを判定する(ステップS73)。「3さ」であれば、「すせそ」の操作ガイドを表示する(ステップS82)。次に、今回打鍵キーが「4た」かを判定する(ステップS74)。「4た」であれば、「つてと」の操作ガイドを表示する(ステップS83)。次に、今回打鍵キーが「5な」かを判定する(ステップS75)。「5な」であれば、「ぬねの」の操作ガイドを表示する(ステップS84)。次に、今回打鍵キーが「6は」かを判定する(ステップS76)。「6は」であれば、「ふへほ」の操作ガイドを表示する(ステップS85)。次に、今回打鍵キーが「7ま」かを判定する(ステップS77)。「7ま」であれば、「むめも」の操作ガイドを表示する(ステップS86)。次に、今回打鍵キーが「8や」かを判定する(ステップS78)。「8や」であれば、「ゆゑよ」の操作ガイドを表示する(ステップS87)。次に、今回打鍵キーが「9ら」かを判定する(ステップS79)。「9ら」であれば、「るれろ」の操作ガイドを表示する(ステップS88)。
【0087】
図23は、強押しフラグのon/off切替え処理を示したフローチャートである。図23に示すように、まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS91)。「on(オン)」でなければ、そのまま処理を終了する。「on(オン)」であれば、次に、キー押圧の強さにより、現在の電気抵抗値が、予め設定された電気抵抗の値より小さくなったか判定する(ステップS92)。小さい場合は、強押しされていると判定し、強押しフラグ35を「on(オン)」にする(ステップS93)。小さくない場合は、強押しされていないと判定し、強押しフラグ35を「off(オフ)」にする(ステップS96)。強押しフラグ35が「on(オン)」、「off(オフ)」のいずれの場合にも、次に、打鍵されていたキーが元に戻ったか(指が離れたか)を判定する(ステップS94)。この処理をキーが元に戻る(指が離れる)まで繰り返す。元に戻ったら(指が離れたら)、強押しフラグ35を「off(オフ)」にする(ステップS95)。
【0088】
図24は、打鍵フラグのon/off切替え処理を示したフローチャートである。図24に示すように、まず、はじめに、いずれかのキーが打鍵されたかを判定する(ステップS101)。いずれかのキーが打鍵されていなければ、そのまま処理を終了する。いずれかのキーが打鍵されていれば、次に、打鍵フラグ36を「on(オン)」にする(ステップS102)。次に、打鍵されていたキーが元に戻ったか(指が離れたか)を判定する(ステップS103)。この処理をキーが元に戻る(指が離れる)まで繰り返す。元に戻ったら(指が離れたら)、打鍵フラグ36を「off(オフ)」にする(ステップS104)。
【0089】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザが打鍵した今回打鍵キーと今回打鍵キーとの種別を一時的にキー入力バッファ32に記憶するキー入力書き込み部101と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している候補文字表記憶手段31を管理する第1の候補文字管理部102と、キー入力バッファ32に記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部103と、キー入力バッファ32に記憶されている今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第1の候補文字表抽出部103によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第1の表示部104と、各キーが所定の打鍵方式(強押し、長押し)で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶している候補文字記憶手段31を管理する第2の候補文字管理部105と、打鍵されたキーが、所定の打鍵方式で打鍵されたときに、強押しフラグ35等に一時的にフラグをたてる打鍵方式書き込み部106と、強押しフラグ35にフラグがたった場合に、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部107と、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第2の候補文字表抽出部107によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第2の表示部108とを備え、候補文字記憶手段31に記憶されている候補文字表は、候補文字として、今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいるようにしたので、該当するキーに割り付けられた候補文字表を漢字かな入力モード状態のままで動的に入れ替えることで、濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音を容易に且つ迅速に入力することができるので、新たなボタンやスイッチを追加することなく、従来のハードウエアをそのまま用いて、文字入力の高速化を図ることができる。
【0090】
また、所定の打鍵方式として、強押しまたは長押しを用いるようにしたので、ユーザの負荷が少なく、操作性に優れている。
【0091】
また、12個のキーのうちの3個のキーは、母音のう、え、おがそれぞれ1つずつ割り付けられていて、候補文字表記憶手段31は、12個のうちのいずれかのキーが打鍵された後に、それらの3個のキーのいずれかが打鍵されたときに、それらの組合せに対応する候補文字表をさらに記憶しているので、3回、4回、5回の打鍵で従来入力していた、各う段、各え段、各お段の文字入力が2回の打鍵で可能になり、文字入力の高速化を図ることができる。
【0092】
また、図9に示すように、1〜9の各キーを1回打鍵後に、*、0、#のいずれかのキーを打鍵したときの候補となる文字の入力ガイドを画面に表示するようにしたので、ユーザが使いやすく、利便性が向上する。
【0093】
また、1〜9の各キーを1回打鍵後に*、0、#のいずれかのキーを打鍵した場合における入力方式を、カタカナ入力と英字入力のモードにおいても適用するようにしたので、さらに利便性が向上する。
【0094】
なお、上記の実施の形態の説明においては、「強押し」を例に挙げて説明したが、その場合に限らず、例えば、「長押し」により拡張モードへの切替えを行うようにしてもよい。また、操作者の好みにより、長押しする時間を調節可能にする。例えば、長・中・短のうちから選択可能にするか、あるいは、1〜100(通常(デフォルト値)は50)などの数値で指定するようにする。また、長押しの場合には、図12の強押しフラグ35の代わりに、長押しフラグ35を設けるようにする。長押しフラグ35は、同一のキーを長押しされた場合に、フラグが「on(オン)」になるものである。すなわち、いずれかのキーが長押しされたか否かを判別するためのフラグである。なお、ユーザが長押ししたキーから指を離すとフラグは「off(オフ)」に戻る。通常時は「off(オフ)」の状態である。
【0095】
また、上記の実施の形態においては、携帯電話機として説明したが、その場合に限らず、図1(b)に示すような電話型テンキーにより文字入力を行う端末であれば、いずれのものにもこの発明が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の外観を示した平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のハードウエア構成を示したブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の構成を示したブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した説明図である。
【図6】従来のかな入力モードの入力方法を説明した説明図である。
【図7】従来の文字表示の一例を示した説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の画面表示例を示した平面図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の画面表示例を示した平面図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の英字入力モードの場合における候補文字表の一例を示した説明図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した平面図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の内部メモリの構成の一例を示した説明図である。
【図13A】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13B】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13C】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13D】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13E】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13F】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図14A】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図14B】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における前回キー・今回キー・マトリックス表の一例を示した説明図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機におけるキー入力バッファの一例を示した説明図である。
【図17】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字バッファの一例を示した説明図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図19】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図20】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図21】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図22】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図23】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図24】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【符号の説明】
【0097】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12 入力キー、13,14,15 電話機能キー、30 内部メモリ、31 候補文字表記憶手段、32 キー入力バッファ、33 候補文字バッファ、34 キー打鍵カウンタ、35 強押しフラグ、36 打鍵フラグ、37 前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段、43 ジョグダイヤル。
【技術分野】
【0001】
この発明は携帯端末に関し、特に、日本語入力の高速化を図るための携帯端末、携帯端末の文字入力プログラム、および、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機においては、一般的に、各数字キーに、あ行、か行、さ行、・・・を割り当てているため、例えば、「お」の入力には数字キー「1」を5回連続して打鍵する必要があり、キーストローク回数の多い入力方法が用いられている。
【0003】
また、従来の携帯電話機においては、促音(きっ)、拗音(きゃ、きゅ、きょ、等)および外来音(きぇ、等)は1音節であるにもかかわらず、「き」の文字を選択して入力した後に、異なる音節の文字として、小文字にする文字(あ、い、う、え、お、つ、や、ゆ、よ)を入力し、その後に、[大/小]の変換キーを入力する必要があった。あるいは、「き」の文字を選択して入力した後に、異なる音節の文字として、小文字(ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、っ、ゃ、ゅ、ょ)を少なくとも6回打鍵することによって入力する必要があった。
【0004】
上記の従来の問題点を解決するための方法として、文字入力の高速化を図るための特殊なキー配列にした携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1におけるキー配列では、3列5段で、のべ15個設けられたキーのうち、最右側の1列に配置された5個のキーを、それぞれ、a、i、u、e、oの各母音キーとし、残りの2列に配列された、のべ10個のうちの9個のキーを、それぞれ、k、s、t、n、h、m、y、r、wの各子音キーとして、残りの1個のキーを促音キー(っ)としている。これにより、日本語入力の高速化を図っている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−140149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の携帯電話機においては、上述したように、特殊なキー配置であり、現在用いられている使い慣れたキー配置を利用しながら日本語入力の高速化を図ることが出来ないという問題点があった。
【0008】
そのため、特許文献1の携帯電話機の構成は、この特殊なキー配置には、違和感があり、普及面に問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、現在用いられているキー配列を利用しながら、かつ、日本語入力の高速化を図ることが可能な携帯端末および携帯端末の入力方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段とを備え、前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段とを備え、前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末であるので、現在用いられているキー配列を利用しながら、かつ、日本語入力の高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の外観を示した図である。図1(b)は、図1(a)のキーボード部分を拡大した図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施の形態1に係る携帯電話機においては、3列5段の計15個のキーが配置されており、そのうちの下部の3列4段の計12個のキーで数字や文字を入力する入力キー1〜12を構成している。この入力キー1〜12は、感圧素子を用いて、「キーを普通に押した状態」、「キーを強く押した状態(以降、この状態を「強押し」と言う」、「キーが押されていない状態」の三つの状態を判別できるように構成されている。また、上部の3個のキーは電話機能を行うための電話機能キー13〜15を構成している。図1(b)に示すように、本実施の携帯電話機におけるキー配列は、従来のままである。
【0013】
図2に、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のハードウエア構成を示す。本実施の形態に係る携帯電話機は、無線基地局との間の無線通信を処理する無線処理部21と、マイクロフォン22と、スピーカ23と、無線処理部21を介して着発信接続や通信切断などの着発信処理の制御を行うとともに、無線処理部21を介して通信相手とマイクロフォン22やスピーカ23に入出力する音声の送受処理を行う通信制御部24と、表示器25と、キー操作部26と、表示器25やキー操作部26とを用いたユーザとの間のマンマシンインターフェースを制御するマンマシンインターフェース制御部27と、内部メモリ30と、主制御部29とを有している。なお、内部メモリ30は、ROM(Read Only Memory)30(a)とRAM(Random Access Memory)30(b)とから構成されている。
【0014】
図3は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の内部構成を示した図である。図3において、101は、ユーザが打鍵した前回打鍵キーと今回打鍵キーとの種別を一時的にキー入力バッファ32(図12参照)に記憶するキー入力書き込み部である。103は、キー入力バッファ32に記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーと現在表示文字との種別に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部である。104は、キー入力バッファ32に記憶されている今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第1の候補文字表抽出部103によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第1の表示部である。106は、打鍵されたキーが、所定の打鍵方式で打鍵されたときに、強押しフラグ35等に一時的にフラグをたてる打鍵方式書き込み部である。107は、強押しフラグ35にフラグがたった場合に、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部である。108は、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第2の候補文字表抽出部107によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第2の表示部である。109は、第1または第2の表示部104,108が表示した候補文字がユーザによって選択され確定された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示部である。110は、当該確定文字を確定文字記憶部38に記憶させる確定文字書き込み部である。
【0015】
まず、はじめに、この発明の実施の形態1に係る携帯電話機が備えた各機能について説明する。
【0016】
(1)母音キーと促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)の配置
本実施の形態においては、図1に示す携帯電話機において、キー配列の最下行にある「*」、「0」、「#」の各キーに、母音キーとして「u」、「e」、「o」を割り付ける。「u」、「e」、「o」の割付け方法には、図4(a)〜(f)に示す6通りの組合せがあり、そのいずれでも良いが、母音順に配置した「*にuを(以降「*u」と記述する)」、「0にeを(以降「0e」と記述する)」、「#にoを(以降「#o」と記述する)」」(すなわち、図4(a)の配置)を割り付ける方法が最も操作性に優れている。
【0017】
また、本実施の形態においては、促音キー(又は長音記号「ー」)として、キー配列の最下行の「*」、「0」、「#」の何れか1つのキーに促音「っ」(又は長音記号「ー」)を図5(a)〜(c)に示すように割り付ける。促音キー(又は長音記号「ー」)の割付けは「*」、「0」、「#」のいずれのキーでも構わないが、「0」キーは「わをん等」が割付けられているので、「*」または「#」の何れかのキーが最適である。更に、濁音・半濁音の割付けは「*」または「#」キーとなっているので、促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)の割付けは濁音・半濁音の割り付けとは異なるキーの方が操作性が向上する。
【0018】
なお、以降の説明においては、母音キーについては図4(a)に示す「*u」、「0e」、「#o」の割付け、促音キー(又は長音記号「ー」)については図5(a)に示す濁音半濁音が「*」に割付けられて、かつ、「#」へ促音キー「っ」(又は長音記号「ー」)を割付けた例を挙げて説明する。図4および図5においては、母音キーおよび促音キー(又は長音記号「ー」)の一方のみの割付けについて図示しているが、その両方を併用するようにしてもよい。併用する場合については後述する。
【0019】
なお、促音「っ」と長音「ー」の出現頻度を比較すると、促音「っ」の方が出現頻度が高いので、以降の説明では、促音「っ」をキーに割り付けた例を挙げて説明する。
【0020】
(2)従来のかな入力方式との併用を可能とする。
本実施の形態においては、現在一般的に用いられている従来のかな入力方式との併用が可能である。
例として「か」行の入力は以下の通りとなる。
・「か」の入力は「2」キーを1回打鍵する。
・「き」の入力は「2」キーを2回連続打鍵する。
・「く」の入力は「2」キーを3回連続打鍵、または、「2」、「*」の順で打鍵する。
・「け」の入力は「2」キーを4回連続打鍵、または、「2」、「0」の順で打鍵する。
・「こ」の入力は「2」キーを5回連続打鍵、または、「2」、「#」の順で打鍵する。
【0021】
このように、本実施の形態においては、上述のように、図4(a)に示す「*u」、「0e」、「#o」の割付けを行っているため、母音が「u」、「e」、「o」の文字も、従来のように何回も連続打鍵することなく、2回の打鍵で容易にかつ高速に入力することができる。
【0022】
(3)従来のマルチタップ入力方式と同一の操作性を実現する。
本実施の形態においては、従来のマルチタップ入力方式を適用している。なお、ここで、従来のマルチタップ入力方式の操作性とは次の通りである。
・同一キーを連続打鍵すると打鍵回数に従って順々に候補文字が出現する。
・異なるキーを打鍵すると文字の反転が終了してカーソルが進み、1文字前に表示されていた候補文字が確定する。
【0023】
本実施の形態では、図4(a)に示すように、母音キーを「*u」、「0e」、「#o」に割付けているが、「*」、「0」、「#」の各キーを連続打鍵することによって順に候補文字を表示させることで、従来のマルチタップ入力方式における候補文字の表示方式における操作と同一のインターフェースを持たせている。すなわち、1回目の打鍵では母音キーとして機能し、2回目以降の連続打鍵を行った場合には、従来の「*」、「0」、「#」の各キーに割当てられた候補文字を順次表示していく。
【0024】
例として「*」キーにおける連続打鍵の候補文字は以下のとおりである(図4(a)および図5(a)参照。)。
・1回目打鍵は母音「u」の選択を意味する。
・2回目打鍵は濁音「゛」の選択を意味する。
・3回目打鍵は半濁音「゜」の選択を意味する(但し、は行の場合のみ。)。
・4回目打鍵は母音「u」と濁音「゛」の選択を意味する。
・5回目打鍵は母音「u」と半濁音「゜」の選択を意味する(但し、は行の場合のみ。)。
【0025】
(例)
「は」行の母音として「u」の入力を行う場合は以下のようになる。
「6」キーの次に「*」キーを連続して打鍵した場合には次の様に候補文字を表示する。
・「*」キーの1回目打鍵後は、候補文字として「ふ」が表示される。
・「*」キーの2回目打鍵後は、候補文字として「ば」が表示される。
・「*」キーの3回目打鍵後は、候補文字として「ぱ」が表示される。
・「*」キーの4回目打鍵後は、候補文字として「ぶ」が表示される。
・「*」キーの5回目打鍵後は、候補文字として「ぷ」が表示される。
・6回目は「ふ」の表示に戻る。
以降は、「ば」→「ぱ」→「ぶ」→「ぷ」→「ふ」の表示を繰り返す。
【0026】
(注)母音キーとして機能するのは「1あ」〜「9ら」の各キーを1回だけ打鍵した場合に限られる。「1あ」〜「9ら」の入力キーを2回以上打鍵した場合は、母音キーとしては機能しない。
例:「2か」キーを2回打鍵すると「き」が表示される。次に「*」キーを打鍵すると「ぎ」が表示される(母音「u」を選択して「く」とは表示しない。)。
【0027】
(4)候補表示文字のカスタマイズ機能
本実施の形態においては、入力キーを連続打鍵した場合における候補文字表示のカスタマイズを可能とし、操作者の好みの順で候補文字を表示させる事で使い易さを実現する。
(例)「0」キーを連続打鍵して表示する「わ」行の場合
候補文字表示順序例1:「わ」,「を」,「ん」,「ー」,「、」・・・「0」
候補文字表示順序例2:「ん」,「わ」,「を」,「ー」,「、」・・・「0」
【0028】
(注)撥音「ん」は、「わ」、「を」よりも出現頻度が高いので「0」キー打鍵後の最初の表示文字とする方が文字入力をより速く行う事ができる。
【0029】
(5)入力キーの強押しでかな入力の拡張モードに切替えを行う。
本実施の形態においては、入力キーの強押しにより、従来の漢字かな入力モードをそのまま維持しながら、その入力モードを拡張した長音・二重母音・拗音・外来音モード(以下、長二拗外入力モードと言う。)へ自動切換えする。
【0030】
なお、以下の説明においては、促音「っ」を入力キーの最下行の1つに割り付けた場合について説明するが、長音「ー」を入力キーの最下行の1つに割り付けた場合には、長音の代わりに促音「っ」を割り当て、促音・二重母音・拗音・外来音モード(以下、促二拗外入力モードと言う。)とする。
【0031】
以下に、長二拗外入力モードおよび促二拗外入力モードの一例をそれぞれ示す。
・長音・二重母音・拗音・外来音モードの場合:き、きー、きゃ、きゅ、きょ
・促音・二重母音・拗音・外来音モードの場合:き、きっ、きゃ、きゅ、きょ
【0032】
本実施の形態では、促音が入力キーの最下行の1つに割り付けている例を挙げて説明しているので、入力キーの強押しにより切替わるモードについては長二拗外入力モードとして記載する。
【0033】
なお、長音・拗音・外来音の表示順は、下記のどの順序でも構わない。
・しー(長音)、しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)、しぇ(外来音)
・しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)、しぇ(外来音)、しー(長音)
・しー(長音)、しぇ(外来音)、しゃ(拗音)、しゅ(拗音)、しょ(拗音)
【0034】
以降、本実施の形態の説明では、長音・拗音・外来音については長音・拗音・外来音の順で候補文字を表示させる場合を例に挙げて説明する。
【0035】
以下に、拗音と長音の入力操作の詳細例を挙げる。
【0036】
・従来と同じ方法で「しょー」と入力する場合(打鍵回数10回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「3」の打鍵1回目 「さ」 通常モード
「3」の打鍵2回目 「し」 通常モード
「8」の打鍵1回目 「しや」 通常モード
「8」の打鍵2回目 「しゆ」 通常モード
「8」の打鍵3回目 「しよ」 通常モード
「大/小」の変換を1回 「しょ」 通常モード
「0」の打鍵1回目 「しょわ」 通常モード
「0」の打鍵2回目 「しょを」 通常モード
「0」の打鍵3回目 「しょん」 通常モード
「0」の打鍵4回目 「しょー」 通常モード
(注)ここで、「大/小」キーとは、図1および図8の符号42で示されたキーであり、文字入力の場合のみ、「大/小」キーに切り替わるキーである。
【0037】
・長音・二重母音・拗音・外来音モードがある場合(打鍵回数5回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「3」の打鍵1回目 「さ」 通常モード
「3」の打鍵2回目 「し」 通常モード
「3」の打鍵2回目が強押し状態 「しー」 長二重拗外モードに自動切換え
「3」の打鍵3回目 「しゃ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵4回目 「しゅ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵5回目 「しょ」 長二重拗外モード
「3」の打鍵5回目が強押し状態 「しょー」 長二重拗外モード
【0038】
・長二拗外モードで「きょう」と入力する場合
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「2」の打鍵1回目 「か」 通常モード
「2」の打鍵2回目 「き」 通常モード
「2」の打鍵2回目が強押し状態 「きー」 長二重拗外モードに自動切換え
「2」の打鍵3回目 「きゃ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵4回目 「きゅ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵5回目 「きょ」 長二重拗外モード
「2」の打鍵5回目が強押し状態 「きょー」 長二重拗外モード
「2」の打鍵6回目 「きょう」 長二重拗外モード
【0039】
二重母音は出現頻度の高い、「ai」,「uu」,「ei」,「ou」以外に、「aa」,「ii」,「uu」,「ee」,「oo」などがある。二重母音の候補文字表示についてはどの様な二重母音を選択し、また、複数の二重母音を組合わせて表示しても構わない(例:「ou」と「oo」の組合せ「こう」「こお」)。
【0040】
以下、本実施の形態の説明では、二重母音については、二重母音は、あ段・う段・え段・お段の文字選択時に出現頻度の高い「ai」,「uu」,「ei」,「ou」と一部の「oo(おお、こお、とお、ほお)」の二重母音が次の候補文字として表示される場合を例に挙げて説明する。
【0041】
以下に、二重母音入力操作の詳細例を挙げる。
【0042】
・従来と同じ方法で「ほう」と入力する場合(打鍵回数8回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「6」の打鍵2回目 「ひ」 通常モード
「6」の打鍵3回目 「ふ」 通常モード
「6」の打鍵4回目 「へ」 通常モード
「6」の打鍵5回目 「ほ」 通常モード
「1」の打鍵1回目 「ほあ」 通常モード
「1」の打鍵2回目 「ほい」 通常モード
「1」の打鍵1回目 「ほう」 通常モード
【0043】
・長音・二重母音・拗音・外来音モードがある場合(打鍵回数3回)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「#」の打鍵1回目 「ほ」 通常モードで「o」の母音入力
「#」の打鍵が強押し状態 「ほー」 長二重拗外モードに自動切換え
「#」の打鍵2回目 「ほう」 長二重拗外モード(二重母音候補表示)
【0044】
(注)二重母音は漢字入力において「ai」,「uu」,「ei」,「ou」の4つの頻度が高い。以下、それらの例を挙げる。
「ai」の例:愛、開、際、対、内、肺、毎
「uu」の例:空、数、通、風、
「ei」の例:営、計、正、定、寧、平、名
「ou」の例:応、高、層、農、法、毛、労
【0045】
外来音は外来音表記のある特定文字のみについて外来音の候補文字を表示する。
・外来音の入力操作の例
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「6」の打鍵1回目 「は」 通常モード
「*」の打鍵1回目 「ふ」 通常モードで「u」の母音入力
「*」の打鍵1回目が強押し状態 「ふー」 長二重拗外モードに自動切換え
「*」の打鍵2回目 「ふぁ」 長二重拗外モード
「*」の打鍵3回目 「ふぃ」 長二重拗外モード
【0046】
現在表示している文字が記号の場合には同一の記号を自動的に付加して表示して、以降同じキーを連続打鍵すると同じ記号を候補文字として表示する。
【0047】
・現在表示文字が記号の場合の詳細例
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「0」の打鍵1回目 「ん」 通常モード
「0」の打鍵9回目 「!」 通常モード
「0」の打鍵が強押し状態 「!!」 長二重拗外モードに自動切換え
「0」の打鍵が10回目 「!!!」 長二重拗外モードに自動切換え
「0」の打鍵が11回目 「!!!!」 長二重拗外モードに自動切換え
【0048】
(6)確定前の1文字以上の候補文字列を反転表示し、連続打鍵で候補文字列を決定する。
本実施の形態においては、確定前の1文字以上の候補文字列を反転表示し、連続打鍵で候補文字列を決定する。従来の仮名入力モードでは、確定前の候補文字は1文字に限られており、候補となる1文字を反転表示する事で選択中である事を表していた。しかしながら、上述のかな入力の拡張モード(長二拗外モード)では候補となる文字は1文字以上となる。そのため、本実施の形態においては、同一キーを連続打鍵した場合に1文字以上の候補文字列を反転表示させて選択中である事を表す。図6のその例を示す。
【0049】
また、同一キーの連続打鍵で1文字以上の候補文字列を表示する機能を用いて、括弧記号や引用符を2文字同時に候補文字として表示する事も可能とする。図7にその例を示す。
【0050】
括弧記号は、1回のキー打鍵で、左括弧記号と右括弧記号をそれぞれ1つずつ入力するのではなく、左括弧記号と右括弧記号を合わせて同時に入力できるようにすれば、より使い易く入力操作を高速化することが可能になる。
【0051】
(7)確定前の1文字以上の候補文字列一覧をサブウィンドウに表示して選択して決定する。
本実施の形態においては、入力キーを強押しした場合に、長二拗外モードに自動切換えして、長音「ー」を付加された文字と二重母音、拗音、外来音が付加された文字を選択するが、文字の反転表示を行う従来の仮名入力方式に加えて、サブウィンドウに候補文字列の一覧を表示して選択する事ができる。図8にその例を示す。図8に示すように、サブウィンドウ40および41が表示され、ユーザは、図1に示すダイヤルジョグ43の上部または下部を押下することで、候補を選択していき、当該ダイヤルジョグ43の中央部を押下することにより選択した候補を確定させる。
【0052】
(8)入力キーの強押しの調節機能
本実施の形態においては、入力キーの強押しにおいて、ユーザの好みにより、その強さを調節可能にする。例えば、メニュー画面で、強・中・弱のうちから1つを選択するか(通常(デフォルト値)は中)、あるいは、1〜100(通常(デフォルト値)は50)などの数値による段階指定を可能とする。
【0053】
(9)入力キーの最下列の「*」、「0」、「#」キーに、母音キーを割り付けるとともに、促音「っ」キーも割り付ける。
本実施の形態においては、入力キーの最下列の「*」、「0」、「#」キーの何れかに、促音「っ」を割り付ける事で促音の入力を容易にする。以降は「#」に割付けた例で記載する。
【0054】
「#」キーには母音キー「o」を割り付けているが、同時に促音「っ」のキーとしても割り付けを行う。従来のかな入力方式では促音「っ」の入力には4回打鍵(「4」キーを3回打鍵、および、「大/小」選択キーを1回打鍵)が必要であったが、「#」キーの1回だけで入力が可能となる。
【0055】
「#」キーを連続して2回以上打鍵した場合には次の様に動作する。
1回目は母音キー「o」として動作する。2回目は促音「っ」のキーのみとして動作する。3回目は母音キー「o」と促音「っ」のキーを組合わせたキーとして動作する。
【0056】
(例)
「ま」行の子音「7」キーの次に「#」キーを連続して2回以上打鍵した場合には次の様に候補文字を表示する。
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「7」の打鍵1回目 「ま」 通常モード
「#」の打鍵1回目 「も」 通常モード
「#」の打鍵2回目 「まっ」 通常モード
「#」の打鍵3回目 「もっ」 通常モード
「#」の打鍵4回目 「ま」 通常モード
(「ま」の表示に戻る)
以降は「も」→「まっ」→「もっ」→「ま」の表示を繰り返す。
【0057】
(10)母音キー機能の操作ガイドメニュー表示機能
本実施の形態では、母音キーの割付を次のように行っているが、入力操作時の操作ガイドを携帯電話機画面の下部に表示して入力を容易にする。この操作ガイドは、ユーザの好みにより、表示・非表示を選択できるようにする。また、キー操作に従い、自動的に表示・非表示を行う。「1あ」〜「9ら」の1回目打鍵時に自動表示し、2回以上の連続打鍵を行うと非表示になる。
【0058】
「*」キー:母音「u」 う、く、す、つ、ぬ、ふ、む、ゆ、る
「0」キー:母音「e」 え、け、せ、て、ね、へ、め、ゑ、れ
「#」キー:母音「o」 お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ
【0059】
図9に操作ガイドの表示例を示す。図9(a)に示した操作ガイド表示例(その1)では、「*」、「0」、「#」の各キーに割り付けられている、う段・え段・お段の全ての文字を候補として表示し、「2か」が打鍵されて、「か」行が選択された場合に、「く」、「け」、「こ」の文字を強調している。一方、図9(b)に示した操作ガイド表示例(その2)では、「2か」が打鍵されて、「か」行が選択された場合に、「く」、「け」、「こ」の候補文字だけを表示している。
【0060】
(11)カタカナ入力及び英字入力モードへの応用
「1あ」〜「9ら」を1回打鍵後に、「*」、「0」、「#」の各キーを打鍵すると「1あ」〜「9ら」の各キーを連続打鍵した場合に、以下の打鍵と同じ動作にする機能をカタカナ入力及び英字入力のモードにも応用する。
・カタカナ入力モードの場合
操作 文字表示 備考
「1あ」の1回打鍵 「ア」
「1あ」の2回打鍵 「イ」
「1あ」1回、「*」1回 「ウ」 「1あ」の3回打鍵と同じ
「1あ」1回、「0」1回 「エ」 「1あ」の4回打鍵と同じ
「1あ」1回、「#」1回 「オ」 「1あ」の5回打鍵と同じ
【0061】
カタカナ入力モードの文字候補表については漢字かな入力モード時における候補文字表のひらがな表記をカタカナに変更したものとする。
【0062】
・英字入力モードの場合
操作 文字表示 備考
「9ら」の1回打鍵 「W」
「9ら」の2回打鍵 「X」
「9ら」1回、「*」1回 「Y」 「9ら」の3回打鍵と同じ
「9ら」1回、「0」1回 「Z」 「9ら」の4回打鍵と同じ
「9ら」1回、「#」1回 「9」 「9ら」の5回打鍵と同じ
【0063】
英字入力モードの場合における候補文字表の例を図10に示す。
カタカナ入力の場合と英字入力の場合においても、「*」、「0」、「#」の各キーに割り当てられる文字の操作ガイドメニューを表示する。
【0064】
(12)強押しを行わずに、拗音、外来音の入力を容易にする2段入力方式(濁音・半濁音・促音)の拡張機能
本実施の形態においては、強押しを行わずに、拗音、外来音の入力を容易にする2段入力方式(濁音・半濁音・促音)の拡張機能をさらに設けるようにしてもよい。この機能では促音「っ」と長音「ー」を同一のキーに割付ける。濁音/半濁音キーの打鍵後、又は、促音キーの打鍵後に連続打鍵を行った場合にその音に関する拗音・外来音を候補文字として順次表示する。なお、強押しとの併用を行っても構わない。
【0065】
(例)
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「2」の打鍵1回目 「か」 通常モード
「2」の打鍵2回目 「き」 通常モード
「*」の打鍵1回目 「ぎ」 通常モード
「*」の打鍵2回目 「ぎゃ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵3回目 「ぎゅ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵4回目 「ぎょ」 通常モード(拗音)
「*」の打鍵5回目 「ぎぇ」 通常モード(外来音)
【0066】
<操 作> <表示文字> <入力モード>
「4」の打鍵1回目 「た」 通常モード
「0」の打鍵1回目 「て」 通常モード(母音[e]機能)
「#」の打鍵1回目 「てっ」 通常モード(促音)
「#」の打鍵2回目 「てー」 通常モード(長音)
「#」の打鍵3回目 「てぃ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵4回目 「てゅ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵5回目 「てゃ」 通常モード(外来音)
「#」の打鍵6回目 「てょ」 通常モード(外来音)
【0067】
以下に、上述の処理を行うための本実施の形態1における携帯電話機の内部構成および内部動作について説明する。
【0068】
従来のマルチタップ方式における携帯電話機の文字入力には「漢字かな入力」、「カタカナ入力」、「英字入力」、「数字入力」、「記号入力」などのモードがある。このモードの切替えには、一般的に、入力キー1〜12とは異なる他のボタンを押下することにより実現している。ユーザは、異なるモードにおける文字をたった1文字でも入力するためには、その都度、モードの切替えを行わなければならないので、ユーザにとっては煩わしいものであり、手間がかかり、文字入力速度の高速化を図ることができない。
【0069】
上述した機能のうち、本実施の形態におけるメインの機能は、下記の2つの機能であり、これらの機能により、該当するキーに割り付けられた候補文字表を漢字かな入力モード状態のままで、動的に切り替えることを可能にしている。
(1)入力キーの最下行の「*」、「0」、「#」のそれぞれのキーに、母音キーを割り付けて変換させる処理(図11(a)参照)
(2)入力キーを強押しして、長音・二重母音・拗音・外来音モードに移行する処理(図11(b)参照)
【0070】
同じキーを数回連続打鍵後に、他のキーを押すか、確定キー(通常はカーソル移動)で候補文字が確定されると動的に変更された候補文字表は初期状態で割り付けた通常の候補文字表に戻す。
【0071】
図12は、本実施の形態における携帯電話機の内部メモリの構成を示した図である。図12に示すように、内部メモリ30内には、候補文字表記憶手段31と、キー入力バッファ32と、候補文字バッファ33と、キー打鍵カウンタ34と、強押しフラグ35と、打鍵フラグ36と、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37と、確定文字記憶手段38と、プログラム記憶手段39とが設けられている。内部メモリ30は、ROM30(a)とRAM30(b)からなり、ROM30(a)は、候補文字表記憶手段31、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37、プログラム記憶手段39で構成されている。RAM(b)は、キー入力バッファ32、候補文字バッファ33、キー打鍵カウンタ34、強押しフラグ35、打鍵フラグ36、確定文字記憶手段38で構成されている。
【0072】
候補文字表記憶手段31内には、図13〜図14に示す候補文字一覧表が記憶されている。候補文字表は大きく分けて、次の2つがある。1つ目は、下記(1)の図13A〜図13Fに示すもので、2つ目は、下記(2)の図14A〜図14Bに示すものである。
(1)強押し時に動的に入れ替える候補文字表の集合である候補文字一覧表
(2)[1あ]〜[9ら]の各テンキーと[*u]、[0e]、[#o]の母音キーとの組合せ時に動的に入れ替える候補文字表の集合である候補文字一覧表
【0073】
なお、図14A〜図14Bの候補文字一覧表を見てわかるように、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」と「現在表示文字」との種別の組合せに対応させて、「今回打鍵キー」と同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される候補文字から構成される各候補文字表が格納されている。各候補文字表には、候補文字として、「今回打鍵キー」の種別から派生する濁音、半濁音、促音、外来音を含んでいる。「前回打鍵キー」を打鍵した後に、「今回打鍵キー」を1回打鍵すると、「現在表示文字」の次の文字(Y=1)が表示される。次に、「今回打鍵キー」を連続打鍵すると、候補文字表の各候補文字が順次表示される(Y=2、・・・Y=n)。なお、入力を開始したすぐのときには、「前回打鍵キー」がないため、その場合には、「今回打鍵キー」の種別だけで、候補文字表が決定される(図14A〜図14Bの網掛けの候補文字表)。図15は、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」との組合せに付された「組合せの名前」を示した前回キー・今回キー・マトリックス表の一例を示した図である。前回キー・今回キー・マトリックス表は、前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37に記憶されている。
【0074】
また、図13A〜図13Fの候補文字一覧表を見てわかるように、強押しされたキーの種別に対応させて、そのキーと同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される候補文字と現在表示文字から構成される各候補文字表が格納されている。各候補文字表は、候補文字として、現在表示文字の種別から派生する促音、長音、二重母音、拗音、外来音を含んでいる。「強押しキーその1」又は「強押しキーその2」又は「強押しキーその3」のキーを1回強押しすると、該当する候補文字表にある「現在表示文字」の次の文字(Y=1)が表示される。次に、同一キーを普通の強さで打鍵すると、候補文字表の各候補文字が順次表示される(Y=2、・・・Y=n)。
【0075】
図12の説明に戻る。キー入力バッファ32は、図16に示すように、入力された文字のうち、最後に入力された2文字分(2セル)の履歴が一時的に格納されるものである。すなわち、上記の「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」の種別が一時的に記憶されて、それらを判定するときに用いるための内部バッファである。初期状態では、「確定」キーが打鍵されているものとなるように、初期値として、各セルに「確定」が設定されている。図16は、「1」キーの次に「7」キーが打鍵され、次に「3」キーが打鍵された場合を例に挙げて図示している。
【0076】
候補文字バッファ33は、図17に示すように、4文字分(4セル)が格納されるようになっており、入力モードと打鍵したキーにより候補文字(または確定後の文字)の種別を識別するための内部バッファである。図17は、「3さ」キーを連続打鍵して「しょうー」の候補文字を表示する場合を例に挙げて図示している。
【0077】
キー打鍵カウンタ34は、同一のキーが打鍵された場合に、その打鍵回数をカウントするために、カウントアップする(回数の計測を開始する)カウンタである。前回打鍵キーと異なるキーが打鍵されると、カウンタは初期値の1に戻る。
【0078】
強押しフラグ35は、同一のキーを強押しされた場合に、フラグが「on(オン)」になるものである。すなわち、いずれかのキーが強押しされたか否かを判別するためのフラグである。なお、ユーザが強押ししたキーから指を離すとフラグは「off(オフ)」に戻る。通常時は「off(オフ)」の状態である。
【0079】
打鍵フラグ36は、入力キー1〜12が打鍵されている間は「on(オン)」になる。ユーザがキーから指を離すと、「off(オフ)」になる。通常時は、「off(オフ)」の状態である。
【0080】
前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段37には、図15に示す前回キー・今回キー・マトリックス表が記憶されている。横が「前回打鍵キー」であり、縦が「今回打鍵キー」であり、マトリックスの各セルには、「前回打鍵キー」および「今回打鍵キー」による組合せの名前が格納されている。組合せの名前は、例えば、「1−First」や「2−First」等であり、「○−×××」となっている。「○」は「1」から「9」、「A」、「0」、「S」の各文字が該当する。ここで、Aはアステリスク(*)、Sはシャープ(#)を示す。また、「×××」は、「First」と「Repeat」の2種類がある。「1−Repeat」は前回打鍵キーと今回打鍵キーとがともに同一キーであり、「1あ」キーが繰り返し打鍵されたことを意味する。「1−First」は、「前回打鍵キー」が「1あ」キー以外のもので、「今回打鍵キー」が「1あ」キーであることを意味する。すなわち、キー入力バッファ32における「1あ」キー打鍵検出の初回を意味する。「2か」キー〜「#↓」キーについても、「1あ」キーと同様の意味である。
【0081】
次に、本実施の形態における携帯電話機の動作について図18〜図24のフローチャートに基づいて説明する。なお、図18〜図24の動作は、携帯電話機の内部に設けられた制御装置によって制御されているものとする。
【0082】
図18は、メイン処理のフローチャートである。図18に示すように、まず、はじめに、打鍵フラグ36(図12参照)が「on(オン)」か否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ユーザによる打鍵の有無を検知する。打鍵フラグ36が「on(オン)」だった場合には、キー入力バッファ32の「今回打鍵キー」の内容を確認して、打鍵されたキーが入力キー1〜12または確定キーかを判定する(ステップS2)。打鍵されたキーが入力キー1〜12および確定キーのいずれでもない場合で、例えば、それがカーソル移動キーや各種機能キーなどであった場合には、それに設定されている従来の各処理を行う(ステップS12)。一方、打鍵されたキーが入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、キー入力バッファ32の「前回打鍵キー」および「今回打鍵キー」の種別に基づいて、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表の中から該当する組合せの名前を抽出する(ステップS3)。次に、「前回打鍵キー」も「今回打鍵キー」も「確定」キーか否かを判定する(ステップS4)。「確定」キーであれば、ステップS1に戻り、「確定」キーでなければ、「今回打鍵キー」が「確定キー」で、かつ、「前回打鍵キー」は「確定」キーでなかったかを判定する(ステップS5)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にし、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送し、さらに、候補文字バッファ33をすべてヌル(null)状態にする(ステップS13)。ステップS5の判定で、「確定」キーでなければ、次に、ステップS3で抽出した組合せ名が「First」か否かを判定する(ステップS6)。「First」でなければステップS9に進む。「First」であれば、図14に示す候補文字一覧表の中に、「前回打鍵キー」と「今回打鍵キー」と「現在表示文字」との組合せに該当するものがあるか否かを判定する(ステップS7)。該当するものがあれば、該当する候補文字表に変更する(ステップS8)。該当するものがなければ、ステップS14を経由して、ステップS9に進む。ステップS14では、候補文字表を初期状態にするとともに、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送する(ステップS14)。ステップS9では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS9)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」であるかを判定する(ステップS10)。「on(オン)」でない場合には、ステップS1に戻る。「on(オン)」だった場合には、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS11)。
【0083】
図19の文字表示SUB処理について説明する。図19に示すように、まず、はじめに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップする(ステップS21)。図18の処理におけるステップS3で抽出した組合せ名が「S−Repeat」であるかを判定する(ステップS22)。「S−Repeat」であれば、ステップS23を経由してステップS24に進み、「S−Repeat」でなければ、そのままステップS24に進む。ステップS23においては、「前回表示文字」が改行かを判定する(ステップS23)。改行であれば、「改行」を表示する(ステップS26)。改行でなければ、キー打鍵カウンタ34の値を、該当する候補文字表の候補文字数で割り、余り(Y)を算出する(ステップS24)。次に、該当する候補文字表のY番目にある文字を表示する(ステップS25)。これで、SUB処理が終了するので、SUB処理終了後は、図18のステップS10に戻る。
【0084】
図20は、長二拗外モードにおいて候補文字のサブウィンドウを表示する場合のフローチャートを示した図である。まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS31)。「on(オン)」であれば、打鍵されたキーが、入力キー1〜12あるいは確定キーかを判定する(ステップS32)。いずれでもない場合は、打鍵されたカーソル移動キーや各種機能キーに設定されている従来の処理を行う(ステップS43)。入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表を参照して、該当する組合せの名前を抽出する(ステップS33)。次に、前回打鍵キーが「確定」キーかを判定する(ステップS34)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にした(ステップS35)後、ステップS36に進む。「確定」キーでなければ、そのままステップS36に進む。ステップS36では、ステップS33で抽出した組合せ名が「First」かを判定する(ステップS36)。「First」でなければ、ステップS40に進み、「First」であれば、ステップS37に進む。ステップS37では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに該当があるかを判定する(ステップS37)。該当があれば、ステップS38およびステップS39を経由して、ステップS40に進む。該当がなければ、ステップS44を経由して、ステップS40に進む。ステップS38では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに従い、候補文字表を変更する(ステップS38)。次のステップS39では、該当する候補文字表に変更する(ステップS39)。一方、ステップS44では、候補文字表を初期状態にするとともに、候補文字バッファ33から確定文字記憶手段38へ転送する(ステップS44)。次に、ステップS40では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS40)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」かを判定する(ステップS41)。「on(オン)」でなければ、ステップS31の処理に戻る。「on(オン)」であれば、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS42)。
【0085】
図21は、母音キーの操作ガイドを表示する場合のフローチャートを示した図である。まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS51)。「on(オン)」でなければ、ステップS51の処理に戻る。「on(オン)」であれば、打鍵されたキーが、入力キー1〜12あるいは確定キーかを判定する(ステップS52)。いずれでもない場合は、打鍵されたカーソル移動キーや各種機能キーに設定されている従来の処理を行う(ステップS64)。入力キー1〜12および確定キーのいずれかであった場合には、図15の前回キー・今回キー・マトリックス表を参照して、該当する組合せの名前を抽出する(ステップS53)。次に、前回打鍵キーが「確定」キーかを判定する(ステップS54)。「確定」キーであれば、候補文字表を初期状態にして(ステップS55)、ステップS56に進む。「確定」キーでなければ、そのままステップS56に進む。ステップS56では、ステップS53で抽出した組合せ名が「First」かを判定する(ステップS56)。「First」でなければ、ステップS61に進み、「First」であれば、ステップS57に進む。ステップS57では、候補文字一覧表にある前回打鍵キー・今回打鍵キーと現在表示文字との組合せに該当があるかを判定する(ステップS57)。該当があれば、ステップS58、S59、S60を経由して(または、ステップS58、S59、S66を経由して)、ステップS61に進む。該当がなければ、ステップS65を経由して、ステップS61に進む。ステップS58では、該当する候補文字表に変更する(ステップS58)。ステップS59では、今回打鍵キーが、入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかを判定する(ステップS59)。入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかであれば、図22の母音キーの操作ガイド表示SUB処理を呼び出す(ステップS60)。入力キーの中の「1」〜「9」のいずれかでなければ、母音キーの操作ガイドを非表示にする(ステップS66)。次に、ステップS61では、図19の文字表示SUB処理を呼び出す(ステップS61)。次に、強押しフラグ35が「on(オン)」かを判定する(ステップS62)。「on(オン)」でなければ、ステップS51の処理に戻る。「on(オン)」であれば、図13に示す候補文字一覧表にある「強押しキー」と「現在表示文字」の組合せに従い、強押ししたキーに割り当てられた候補文字表を変更するとともに、キー打鍵カウンタ34をカウントアップし、候補文字表の該当する位置の文字を表示する(ステップS63)。
【0086】
図22は、母音キーの操作ガイド表示SUB処理を示したフローチャートである。まず、はじめに、今回打鍵キーが「1あ」かを判定する(ステップS71)。「1あ」であれば、「うえお」の操作ガイドを表示する(ステップS80)。表示例は、図9を参照する。次に、今回打鍵キーが「2か」かを判定する(ステップS72)。「2か」であれば、「くけこ」の操作ガイドを表示する(ステップS81)。次に、今回打鍵キーが「3さ」かを判定する(ステップS73)。「3さ」であれば、「すせそ」の操作ガイドを表示する(ステップS82)。次に、今回打鍵キーが「4た」かを判定する(ステップS74)。「4た」であれば、「つてと」の操作ガイドを表示する(ステップS83)。次に、今回打鍵キーが「5な」かを判定する(ステップS75)。「5な」であれば、「ぬねの」の操作ガイドを表示する(ステップS84)。次に、今回打鍵キーが「6は」かを判定する(ステップS76)。「6は」であれば、「ふへほ」の操作ガイドを表示する(ステップS85)。次に、今回打鍵キーが「7ま」かを判定する(ステップS77)。「7ま」であれば、「むめも」の操作ガイドを表示する(ステップS86)。次に、今回打鍵キーが「8や」かを判定する(ステップS78)。「8や」であれば、「ゆゑよ」の操作ガイドを表示する(ステップS87)。次に、今回打鍵キーが「9ら」かを判定する(ステップS79)。「9ら」であれば、「るれろ」の操作ガイドを表示する(ステップS88)。
【0087】
図23は、強押しフラグのon/off切替え処理を示したフローチャートである。図23に示すように、まず、はじめに、打鍵フラグ36が「on(オン)」かを判定する(ステップS91)。「on(オン)」でなければ、そのまま処理を終了する。「on(オン)」であれば、次に、キー押圧の強さにより、現在の電気抵抗値が、予め設定された電気抵抗の値より小さくなったか判定する(ステップS92)。小さい場合は、強押しされていると判定し、強押しフラグ35を「on(オン)」にする(ステップS93)。小さくない場合は、強押しされていないと判定し、強押しフラグ35を「off(オフ)」にする(ステップS96)。強押しフラグ35が「on(オン)」、「off(オフ)」のいずれの場合にも、次に、打鍵されていたキーが元に戻ったか(指が離れたか)を判定する(ステップS94)。この処理をキーが元に戻る(指が離れる)まで繰り返す。元に戻ったら(指が離れたら)、強押しフラグ35を「off(オフ)」にする(ステップS95)。
【0088】
図24は、打鍵フラグのon/off切替え処理を示したフローチャートである。図24に示すように、まず、はじめに、いずれかのキーが打鍵されたかを判定する(ステップS101)。いずれかのキーが打鍵されていなければ、そのまま処理を終了する。いずれかのキーが打鍵されていれば、次に、打鍵フラグ36を「on(オン)」にする(ステップS102)。次に、打鍵されていたキーが元に戻ったか(指が離れたか)を判定する(ステップS103)。この処理をキーが元に戻る(指が離れる)まで繰り返す。元に戻ったら(指が離れたら)、打鍵フラグ36を「off(オフ)」にする(ステップS104)。
【0089】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザが打鍵した今回打鍵キーと今回打鍵キーとの種別を一時的にキー入力バッファ32に記憶するキー入力書き込み部101と、前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に順次表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している候補文字表記憶手段31を管理する第1の候補文字管理部102と、キー入力バッファ32に記憶されている前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出部103と、キー入力バッファ32に記憶されている今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第1の候補文字表抽出部103によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第1の表示部104と、各キーが所定の打鍵方式(強押し、長押し)で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶している候補文字記憶手段31を管理する第2の候補文字管理部105と、打鍵されたキーが、所定の打鍵方式で打鍵されたときに、強押しフラグ35等に一時的にフラグをたてる打鍵方式書き込み部106と、強押しフラグ35にフラグがたった場合に、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、候補文字表記憶手段31から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出部107と、キー入力バッファ32に記憶されている所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、第2の候補文字表抽出部107によって抽出された候補文字表の候補文字を順次画面表示する第2の表示部108とを備え、候補文字記憶手段31に記憶されている候補文字表は、候補文字として、今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいるようにしたので、該当するキーに割り付けられた候補文字表を漢字かな入力モード状態のままで動的に入れ替えることで、濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音を容易に且つ迅速に入力することができるので、新たなボタンやスイッチを追加することなく、従来のハードウエアをそのまま用いて、文字入力の高速化を図ることができる。
【0090】
また、所定の打鍵方式として、強押しまたは長押しを用いるようにしたので、ユーザの負荷が少なく、操作性に優れている。
【0091】
また、12個のキーのうちの3個のキーは、母音のう、え、おがそれぞれ1つずつ割り付けられていて、候補文字表記憶手段31は、12個のうちのいずれかのキーが打鍵された後に、それらの3個のキーのいずれかが打鍵されたときに、それらの組合せに対応する候補文字表をさらに記憶しているので、3回、4回、5回の打鍵で従来入力していた、各う段、各え段、各お段の文字入力が2回の打鍵で可能になり、文字入力の高速化を図ることができる。
【0092】
また、図9に示すように、1〜9の各キーを1回打鍵後に、*、0、#のいずれかのキーを打鍵したときの候補となる文字の入力ガイドを画面に表示するようにしたので、ユーザが使いやすく、利便性が向上する。
【0093】
また、1〜9の各キーを1回打鍵後に*、0、#のいずれかのキーを打鍵した場合における入力方式を、カタカナ入力と英字入力のモードにおいても適用するようにしたので、さらに利便性が向上する。
【0094】
なお、上記の実施の形態の説明においては、「強押し」を例に挙げて説明したが、その場合に限らず、例えば、「長押し」により拡張モードへの切替えを行うようにしてもよい。また、操作者の好みにより、長押しする時間を調節可能にする。例えば、長・中・短のうちから選択可能にするか、あるいは、1〜100(通常(デフォルト値)は50)などの数値で指定するようにする。また、長押しの場合には、図12の強押しフラグ35の代わりに、長押しフラグ35を設けるようにする。長押しフラグ35は、同一のキーを長押しされた場合に、フラグが「on(オン)」になるものである。すなわち、いずれかのキーが長押しされたか否かを判別するためのフラグである。なお、ユーザが長押ししたキーから指を離すとフラグは「off(オフ)」に戻る。通常時は「off(オフ)」の状態である。
【0095】
また、上記の実施の形態においては、携帯電話機として説明したが、その場合に限らず、図1(b)に示すような電話型テンキーにより文字入力を行う端末であれば、いずれのものにもこの発明が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の外観を示した平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のハードウエア構成を示したブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の構成を示したブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した説明図である。
【図6】従来のかな入力モードの入力方法を説明した説明図である。
【図7】従来の文字表示の一例を示した説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の画面表示例を示した平面図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の画面表示例を示した平面図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の英字入力モードの場合における候補文字表の一例を示した説明図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機のキー配列の一例を示した平面図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の内部メモリの構成の一例を示した説明図である。
【図13A】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13B】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13C】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13D】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13E】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図13F】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図14A】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図14B】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字一覧表の一例を示した説明図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における前回キー・今回キー・マトリックス表の一例を示した説明図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機におけるキー入力バッファの一例を示した説明図である。
【図17】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機における候補文字バッファの一例を示した説明図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図19】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図20】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図21】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図22】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図23】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【図24】この発明の実施の形態1に係る携帯電話機の動作を示した流れ図である。
【符号の説明】
【0097】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12 入力キー、13,14,15 電話機能キー、30 内部メモリ、31 候補文字表記憶手段、32 キー入力バッファ、33 候補文字バッファ、34 キー打鍵カウンタ、35 強押しフラグ、36 打鍵フラグ、37 前回キー・今回キー・マトリックス表記憶手段、43 ジョグダイヤル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段と
を備え、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記所定の打鍵方式が、キーの強押しであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定の打鍵方式が、キーの長押しであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記12個のキーのうちの3個のキーは、母音のう、え、お、が1つずつ割り付けられていて、
前記第1の候補文字表記憶手段は、前記12個のうちのいずれかのキーが打鍵された後に、前記3個のキーのいずれかが打鍵されたときに、それらの組合せに対応する候補文字表をさらに記憶している
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記12個のキーは3列4段に配置されており、3列4段のうちの最下段の3個のキーには、*、0、#がそれぞれ1つずつ割り付けられているものであって、
前記3個のキーは当該最下段の3個のキーであることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記12個のキーのうちの1個のキーに、促音を割り付けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
順次
前記12個のキーのうちの1個のキーに、長音を割り付けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
12個の配置されたキーを用いて携帯端末に文字入力を行うためにコンピュータを、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を予め記憶しておく第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーと現在表示文字に対応させて予め記憶しておく第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段
として機能させるための携帯端末の文字入力プログラムであって、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末の文字入力プログラム。
【請求項9】
12個の配置されたキーを用いて携帯端末に文字入力を行うためにコンピュータを、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を予め記憶しておく第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーと現在表示文字に対応させて予め記憶しておく第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段
として機能させるための携帯端末の文字入力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末の文字入力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
12個のキーが配置されて、前記12個のキーを用いて文字入力を行う、携帯端末であって、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を記憶している第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字とに基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、所定の打鍵方式で打鍵された各キーの種別と現在表示文字に対応させて記憶する第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段と
を備え、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記所定の打鍵方式が、キーの強押しであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定の打鍵方式が、キーの長押しであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記12個のキーのうちの3個のキーは、母音のう、え、お、が1つずつ割り付けられていて、
前記第1の候補文字表記憶手段は、前記12個のうちのいずれかのキーが打鍵された後に、前記3個のキーのいずれかが打鍵されたときに、それらの組合せに対応する候補文字表をさらに記憶している
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記12個のキーは3列4段に配置されており、3列4段のうちの最下段の3個のキーには、*、0、#がそれぞれ1つずつ割り付けられているものであって、
前記3個のキーは当該最下段の3個のキーであることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記12個のキーのうちの1個のキーに、促音を割り付けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
順次
前記12個のキーのうちの1個のキーに、長音を割り付けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
12個の配置されたキーを用いて携帯端末に文字入力を行うためにコンピュータを、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を予め記憶しておく第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーと現在表示文字に対応させて予め記憶しておく第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段
として機能させるための携帯端末の文字入力プログラムであって、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末の文字入力プログラム。
【請求項9】
12個の配置されたキーを用いて携帯端末に文字入力を行うためにコンピュータを、
前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別を記憶するキー入力記憶手段と、
前回打鍵キーの種別と今回打鍵キーの種別と現在表示文字との各組合せに対応させて、当該今回打鍵キーと同一のキーが連続打鍵された場合に表示される複数の候補文字からなる候補文字表を予め記憶しておく第1の候補文字表記憶手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した前回打鍵キーと今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第1の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第1の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶した今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第1の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第1の表示手段と、
各キーが所定の打鍵方式で打鍵された場合に表示される候補文字を含む候補文字表を、各キーと現在表示文字に対応させて予め記憶しておく第2の候補文字記憶手段と、
打鍵されたキーが、前記所定の打鍵方式で打鍵されたことを示す打鍵方式記憶手段と、
前記打鍵方式記憶手段に前記所定の打鍵方式で打鍵されたことが示された場合に、前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーの種別と現在表示文字に基づいて、前記第2の候補文字表記憶手段から該当する候補文字表を抽出する第2の候補文字表抽出手段と、
前記キー入力記憶手段に記憶されている前記所定の打鍵方式で打鍵された今回打鍵キーと同一のキーが打鍵されるごとに、前記第2の候補文字表抽出手段によって抽出された候補文字表の候補文字を画面表示する第2の表示手段と、
前記第1または第2の表示手段が表示した候補文字が選択された場合に、それを確定文字として画面表示する確定文字表示手段と、
前記確定文字を記憶する確定文字記憶手段
として機能させるための携帯端末の文字入力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記第1および第2の候補文字記憶手段に記憶されている前記候補文字表は、候補文字として、前記今回打鍵キーの種別から派生する濁音、半濁音、促音、長音、二重母音、拗音、外来音のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする携帯端末の文字入力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−108228(P2008−108228A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79361(P2007−79361)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]