説明

携帯端末、該携帯端末の着信音量制御システム及び着信音量制御方法

【課題】携帯端末の着信音を無線による遠隔操作によって瞬時に音量制御することができる機能を備えた携帯端末の着信音量制御システムを提供する。
【解決手段】かばん1に入っている携帯端末1aが、BlueTooth送受信機12から近距離無線通信によって自己の着信情報をリモコン1bへ送信すると、リモコン1bは、BlueTooth送受信機20から近距離無線通信によって着信情報に基づいて生成された着信音量制御情報を携帯端末1aへ送信する。すると、携帯端末1aは、BlueTooth送受信機20から送信された着信音量制御情報を着信制御メモリに格納し、さらに、この着信音量制御情報に基づく着信音量を設定変更するための着信設定情報をデータテーブル16に格納する。そして、携帯端末1aは、データテーブル16で設定変更された着信設定情報に基づいて自己の着信音量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、該携帯端末の着信音量制御システム、及び着信音量制御方法に係り、詳しくは、着信状態に応じて携帯端末の着信音量を制御する携帯端末、該携帯端末の着信音量制御システム及び着信音量制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、携帯電話機等の携帯端末をかばんの中やポケット等に入れているときは、着信音を大きい音量に設定することで着信に気付くことができるが、着信中の携帯端末に手を触れるまでは、その携帯端末の着信音を止めることができない。すなわち、ユーザが携帯端末をかばんやポケット等から取り出して、通話キー等所定のキーを操作しない限り着信音が鳴り続けているので、周囲の人に迷惑がかかることもある。このような不具合を解決するために、次のような各種関連技術が提供されている。
【0003】
第1の関連技術は、ユーザによる着信中の携帯端末への接触を携帯端末が検知することにより、キー操作に頼ることなく、自動的に着信音を消音又は小音量にするか、あるいはバイブレータに切り替える構成である(例えば、特許文献1参照)。この第1の関連技術によれば、ユーザが携帯端末の着信に気付いてからかばんを開けて携帯端末に触れるまでの間は、携帯端末の着信音が鳴り続けている状態であり、やはり、周囲の人に迷惑がかかることになる。第2の関連技術は、折りたたみ可能な携帯端末の本体が開かれたことが検出された場合、任意のキーを押下することにより着信音を停止又は小音量にする構成である(例えば、特許文献2参照)。この第2の関連技術によれば、ユーザが携帯端末の着信に気付いてから、かばんを開けて携帯端末を取り出すまでの間は携帯端末の着信音が鳴り続ける状態であるので、やはり周囲の人に迷惑がかかることになる。第3の関連技術は、携帯端末の入ったかばんやポケット等を軽く叩いて衝撃を与えることにより、着信中の携帯端末の着信音を直ちに停止させたり、バイブレータの動作に切り替える構成である(例えば、特許文献3参照)。この第3の関連技術によれば、例えば、満員電車の中で他人が無意識にかばん等に衝撃を与えた場合でも、携帯端末の着信音が即時に停止したり、あるいはバイブレータ動作に切り替わってしまうこともあるので、その携帯端末を所持するユーザが着信に気付かないこともある。
【0004】
また、携帯端末と無線通信できる通話装置を備えていて、かばんの中にある携帯端末の着信情報をかばんの外に所持している通話装置の画面に表示させたり、その通話装置のスピーカに報知させると共に、その通話装置のマイクから携帯端末を介して相手先と通話ができる第4の関連技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。この第4の技術によれば、着信時の携帯端末をかばんの中から取り出さなくても、ユーザが所持している通話装置を用いて即座に通話を開始することができるので、使い勝手の利便性が一段とよくなる。
【0005】
また、携帯端末とリモコン装置とがワイヤで接続されていて、携帯端末をかばん等に入れた状態でリモコン装置を胸ポケット口に挟み込んでおけば、そのリモコン装置のボタンを押すことによって携帯端末の着信音を停止又は小音量にすることができる第5の関連技術も知られている(例えば、特許文献5参照)。この第5の関連技術によれば、ユーザが着信音に気付けば、携帯端末に触れなくても、リモコン装置から直ちに着信音を停止又は小音量にすることができるので、周囲の人に迷惑がかかる程度がかなり軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−111789号公報
【特許文献2】特開平08−307488号公報
【特許文献3】特開2004−179961号公報
【特許文献4】特開2002−261886号公報
【特許文献5】特開2001−156890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した第1乃至第3の関連技術(特許文献1、2、3)では、かばん等の中にある携帯端末の着信音を停止又は小音量にするのに比較的長い時間がかかったり、他人によって無意識に着信音が消されてしまう虞もあるので、他人に迷惑がかかる等して使い勝手がよくない。
また、第4の関連技術(特許文献4)は、かばんの中等にある携帯端末から外部の通話装置へ着信を報知したり、外部の通話装置から無線で携帯端末を介して外部へ通話ができる構成であるに留まり、外部の通話装置から携帯端末の着信音を停止又は小音量にすることについては開示も示唆もなされていない。
さらに、第5の関連技術(特許文献5)は、携帯端末とリモコン装置とをワイヤで接続して、リモコン装置からの有線操作によって携帯端末の着信音を停止又は小音量にする技術であるので、ユーザの行動中においてワイヤ配線が邪魔になることもあって携帯端末の着信時の使い勝手がよくない。
【0008】
第4の関連技術(特許文献4)による通話装置から無線で携帯端末を介して外部へ通話する技術と、第5の関連技術(特許文献5)のリモコン装置からの有線操作によって携帯端末の着信音を停止又は小音量にする技術とを組み合わせても、外部からの無線操作によって着信音を停止又は小音量にする技術に展開することはできない。すなわち、無線通信による音声通話の転送技術と無線によって携帯端末の着信音を消音にする技術とは異質であるので、第4の関連技術(特許文献4)と第5の関連技術(特許文献5)をもって、携帯端末の着信音を無線による遠隔操作によって瞬時に消音化できるような機能を実現させることはできない。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、携帯端末の着信音の音量を無線による遠隔操作によって瞬時に制御することができる携帯端末、該携帯端末の着信音量制御システム、及び着信音量制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、携帯端末の着信音量制御システムに係り、携帯端末とリモコンとが、電波を用いる近距離無線通信機能によって相互に通信接続され、前記リモコンが、近距離無線通信機能を用いて携帯端末の着信音量を制御することを特徴としている。
【0011】
この発明の第2の構成は、リモコンからの信号に基づいて着信音量が制御される携帯端末に係り、自己の着信情報を電波を用いて送信すると共に、前記リモコンの近距離通信用の第2の無線送受信機から送電波を用いて信された前記着信情報に基づく着信音量制御情報を受信する、近距離通信用の第1の無線送受信機を備え、前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御することを特徴としている。
【0012】
この発明の第3の構成は、携帯端末の着信音量制御方法に係り、前記携帯端末が、近距離通信用の第1の無線送受信機によって、自己の着信情報をリモコンへ電波を用いて送信する第1のステップと、前記リモコンが、近距離通信用の第2の無線送受信機によって、前記携帯端末から受信した前記着信情報に基づく着信音量制御情報を前記携帯端末へ電波を用いて送信する第2のステップと、前記携帯端末が、前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御する第3のステップとを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の構成によれば、かばんやポケットに入れている携帯端末(携帯電話機)の着信にユーザが気付いた時点で、外部に所持しているリモコンを使用して瞬時に着信音量を消音に切り替えたり小音量にしたりすることができる。
これによって、周囲の人への迷惑をさらに軽減させることができる。また、携帯端末の着信音を、リモコンから無線による遠隔操作によって瞬時に消音又は小音量にすることができるので、リモコンの操作中にワイヤ等がユーザに絡むおそれもないので、携帯端末やリモコンを操作するときの使い勝手が一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態である携帯端末の着信音量制御システムの電気的構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】同着信音量制御システムを構成する携帯端末に実装されるデータテーブルにおける着信設定情報の内容を示す概念図である。
【図3】同データテーブルを構成する電話帳情報の内容を示す概念図である。
【図4】図1の携帯端末に実装される着信制御メモリの内容を示す概念図である。
【図5】同着信音量制御システムを構成するリモコンの構成を概略示す構成概念図である。
【図6】同着信音量制御システムの動作を説明する図で、携帯端末が着信してから着信音量を変更するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同着信音量制御システムの動作を説明する図で、図6のステップS7において秒タイムアウトしたときの携帯端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】同着信音量制御システムの動作を説明する図で、リモコンが着信通知を受けてから着信制御情報を携帯端末へ送信するまでの同リモコンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】同着信音量制御システムの動作を説明する図で、図8のステップS23においてタイムアウトしたときのリモコンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】同着信音量制御システムの動作を説明する図で、携帯端末の着信音量を着信前の設定値に戻すまでの携帯端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の好適な実施形態の概要は、携帯端末とリモコンからなると共に、前記携帯端末は、自己の着信情報をリモコンへ電波を用いて送信する近距離通信用の第1の無線送受信機を備え、前記リモコンは、前記着信情報に基づく着信音量制御情報を前記携帯端末へ電波を用いて送信する近距離通信用の第2の無線送受信機を備え、前記携帯端末は、前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御する構成となっている。
【0016】
前記第1及び第2の無線送受信機は、共にBlueTooth送受信機から構成されるのが好ましい。
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態である携帯端末の着信音量制御システム詳細に説明する。
【実施形態】
【0017】
図1は、この発明の一実施形態である携帯端末の着信音量制御システムの電気的構成を模式的に示すブロック図である。各ユーザは、それぞれ、1台の携帯端末を自分のかばんに入れ、1台のリモコンに紐を付けて首からぶら下げるか、又は手に持つ等して身に付けているものとする。すなわち、図1は、かばん1には携帯端末1aが入れられ、リモコン1bによる遠隔操作が可能であり、また、別のかばん2には携帯端末2aが入れられ、リモコン2bによる遠隔操作が可能である状態を示している。携帯端末1a及びリモコン1bの構成と、携帯端末2a及びリモコン2bの構成とは全く同じである。したがって、以下の説明では、携帯端末1aとモコン1bとの組み合わせにおける携帯端末の着信音量制御システムについて構成及び動作を説明する。
【0018】
ユーザがかばん1の中に所有する携帯端末1aにはBlueTooth送受信機(第1のBlueTooth送受信機)12が搭載され、かつリモコン1bにはBlueTooth送受信機(第2のBlueTooth送受信機)20が搭載されている。携帯端末1aは、BlueTooth機能を使用する際のペアリング設定においてリモコン1bを登録しており、携帯端末1aとリモコン1bの間で近距離無線通信(例えば、数メートルの無線通信)が可能な状態となっている。BlueTooth機能は、例えば、2.45GHz帯の電波を利用して1Mbpsの通信速度で無線通信を行う近距離無線通信を実現することができる。
【0019】
また、携帯端末1aは、画面11、スピーカ13、バイブレータ14、着信制御メモリ15、及びデータテーブル16を搭載している。なお、データテーブル16は、着信設定情報16aと電話帳情報16bを管理している。また、リモコン1bは、携帯端末1aの着信状態を表示するための画面17、LED18、スピーカ19、及び携帯端末1aの着信音量を制御するための消音ボタン21を搭載している。
【0020】
図2は、携帯端末1aのデータテーブル16における着信設定情報16aの内容を示す図であり、図3は携帯端末1aのデータテーブル16における電話帳情報16bの内容を示す図であり、図4は携帯端末1aの着信制御メモリ15の内容を示す図であり、図5は着信通知を受けたリモコン1bの画面17に表示される内容を示す図である。
【0021】
携帯端末1aの着信制御メモリ15は、図4に示すように、リモコン1b側から送信されてくる着信音量の制御情報(着信音量制御情報)を記憶している。また、携帯端末1aのデータテーブル16は、着信設定情報16aと電話帳情報16bを管理している。データテーブル16の着信設定情報16aは、図2に示すように、携帯端末1aにあらかじめデフォルト値として設定されている音量の事前設定値と、携帯端末1aの着信時に実際に適用される音量の適用設定値との2つのデータエリアを持っている。図2における適用設定値のデータエリアは、事前設定値と同じ音量値(音量1)が予め格納されているものとする。データテーブル16の電話帳情報16bは、図3に示すように、電話帳登録されている通信相手の氏名と電話番号とを管理している。
【0022】
次に、図1に示すこの発明の実施形態に係る携帯端末の着信音量制御システムの動作について概略的に説明する。図1に示すように、携帯端末1aのBlueTooth送受信機12とリモコン1bのBlueTooth送受信機20とが近距離無線通信で接続されているので、ユーザがリモコン1bを使用して携帯端末1aの着信音量の制御を無線通信で行うことにより、着信中の携帯端末1aの着信音を瞬時に消音にすることができる。したがって、携帯端末1aの着信時に周囲の人への迷惑を最小限に留めることができる。
【0023】
特に、携帯端末1aをかばんの中に入れているユーザは、自分の携帯端末1aと近距離無線通信で接続されたリモコン1bを紐を付けて首からぶら下げるか、又は手に持つ等により自分の身に付けていれば、着信中の携帯端末1aからの着信通知をリモコン1bが直ちに受信する。そして、リモコン1bは、画面17上に着信中であることを示すメッセージを表示し、かつ、LEDを点滅させる。
【0024】
このとき、リモコン1bのスピーカ19からは着信音が鳴っているが、着信中の携帯端末1aに対してユーザがリモコン1b上で消音ボタン21を押下すれば、リモコン1bのスピーカ19から鳴動している着信音を直ちに停止させ、さらに、リモコン1bの画面17の着信表示とLED18の点滅をOFFにしてから、着信制御情報をリモコン1bが携帯端末1aへ送信すると、携帯端末1aは、その制御情報を受信すると瞬時に着信音を消音に切り替えることができる。
【0025】
次に、図1に示すこの発明の実施形態に係る携帯端末の着信音量制御システムの動作について詳細に説明する。すなわち、図1乃至図5を参照しながら、フローチャートの流れにしたがって携帯端末1aが着信してから着信音量を事前設定値に戻すまでの動作を各ステップに分けて詳細に説明する。
【0026】
<携帯端末1aの着信動作>
図6は、携帯端末1aが着信してから着信音量を変更するまでの処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図6を用いて、携帯端末1aが着信してから着信音量の制御情報を着信音量の適用設定値に設定完了するまでの処理の流れを説明する。まず、かばん1に入っている携帯端末1aは、受信状態の待機中において(ステップS1)、外部からの電話を着信すると(ステップS1でYES)、自己の画面11に着信表示を行うと共に着信音を発生させる(ステップS2)。このとき、携帯端末1aの着信音量は、データテーブル16が持っている適用設定値(図2参照)に従っている。
【0027】
次に、携帯端末1aは、図3の電話帳情報を参照して、発信者の電話番号の有無をデータテーブル16の電話帳情報16bによって確認し(ステップS3)、該当する電話番号が存在するか否かを判定する(ステップS4)。ここで、携帯端末1aへ発信した発信者の電話番号が電話帳情報16bに存在するときは(ステップS4でYES)、着信通知として携帯端末1aへ発信した発信者の氏名をリモコン1bへ送信する(ステップS5)。一方、ステップS4において、携帯端末1aへの発信者の電話番号が電話帳情報16bに存在しないときは(ステップS4でNO)、着信通知として携帯端末1aへ発信した発信者の電話番号をリモコン1bへ送信する(ステップS6)。
【0028】
次に、携帯端末1aは、所定時間のタイマ(例えば、12秒のタイマ)を発行し(ステップS7)、リモコン1bからの着信制御情報を受け取り待ち状態となる。ここで、リモコン1bから12秒以内に着信制御情報が送付されなかったときは、12秒タイムアウトとなる。なお、12秒タイムアウト時の動作については図7を用いて後述する。
【0029】
一方、携帯端末1aは、12秒以内にリモコン1bから着信音量の制御情報(着信音量制御情報)を受けると(ステップS8)、その着信音量制御情報を図4に示すようなデータとして着信制御メモリ15へ格納する(ステップS9)。そして、着信制御メモリ15に着信音量制御情報が格納されると、携帯端末1aは、その制御情報を図2に示すような着信設定情報の適用設定値にコピーすることで着信音量の設定変更を行い(ステップS10)、着信動作を継続する。このようにして、携帯端末1aの着信音量の設定変更が完了すると、図6のフローチャートの処理は終了となる。
【0030】
<12秒タイムアウト時の携帯端末1aの動作>
図7は、図6のステップS7において12秒タイムアウトしたときの携帯端末1aの処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図7を用いて、携帯端末1aが12秒タイムアウトしたときの動作の流れを説明する。図6のステップS5又はステップS6において、携帯端末1aが、リモコン1bに着信通知を行ってから12秒以内にリモコン1bから着信音量制御情報を受け取らない状態で、携帯端末1aが着信中の状態を続けているか否かを判定し(ステップS11)、着信中の状態を続けているときは(ステップS11でYES)、携帯端末1aは、図2の着信設定情報について適用設定値を音量0に更新する(ステップS12)。そして、適用設定値の更新が完了すると図7のフローチャートの処理は終了となる。
【0031】
<リモコン1bの動作>
図8は、リモコン1bが着信通知を受けてから着信音量制御情報を携帯端末1aへ送信するまでのリモコン1bの処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図8のフローチャートを用いて、リモコン1bが携帯端末1aから着信通知を受けてから着信音量制御情報を携帯端末1aへ送信するまでのリモコン1bの動作を説明する。
【0032】
図8において、携帯端末1aが電話着信すると、リモコン1は、携帯端末1aが発信者の氏名又は電話番号を受信中である旨の情報を着信通知として受信する(ステップS21)。リモコン1bは、着信通知を受信すると、図5に示すようなリモコン1bの画面17上に携帯端末1aが着信中であることを表示する。このとき、リモコン1bのLED18が点滅すると共にスピーカ19から着信音を発生させる(ステップS22)。このとき、リモコン1bは、所定時間(例えば、10秒)のタイマを発行し(ステップS23)、ユーザによる消音ボタン21の押下待ち状態となる。
【0033】
ここで、ユーザが10秒以内にリモコン1bの消音ボタン21を押下しなかったときは10秒タイムアウトとなる。なお、10秒タイムアウト時の動作については図9を用いて後述する。一方、ユーザが10秒以内にリモコン1bの消音ボタン21を押下すると(ステップS24)、リモコン1bのスピーカ19から発生している着信音を停止させる(ステップS25)。このとき、リモコン1bの画面17の着信表示及びLED18の点滅をOFFにする(ステップS26)このようにして、リモコン1bの着信音が停止すると、リモコン1bは、着信音量を消音にする制御情報を携帯端末1aへ送信する(ステップS27)。そして、リモコン1bが携帯端末1aに着信音量を消音にする制御情報の送信が完了すると、図8のフローチャートの処理は終了となる。
【0034】
<10秒タイムアウト時のリモコン1bの動作>
図9は、図8のステップS23において10秒タイムアウトしたときのリモコン1bの処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図9のフローチャートを用いてリモコン1bが10秒タイムアウトしたときの動作の流れを説明する。
【0035】
図8のステップS22、S23において、リモコン1bが着信通知動作(つまり、着信画面表示、LED点滅、及び着信音発生)を開始してから10秒以内に、ユーザがリモコン1bの消音ボタン21を押下しなかったときは、図9のフローチャートにおいて、リモコン1bの画面17上に着信タイムアウトを表示する(ステップS31)。さらに、リモコン1bのスピーカ19から発生している着信音を停止させる(ステップS32)。そして、リモコン1bの画面17の着信表示及びLED18の点滅をOFFにする(ステップS33)。このようにして、リモコン1bの着信音が停止し、画面17の着信表示及びLED18の点滅がOFFになると、図9のーチャートの処理は終了となる。
【0036】
<着信応答又は着信停止時における着信音量設定変更>
図10は、携帯端末1aの着信音量を着信前の設定値に戻すまでの携帯端末1aの処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図10を用いて、携帯端末1aが着信応答(例えば、通話移行や留守番応答等)、又は着信停止(例えば、発信者による発信切断や圏外移行等)を検出して着信が停止した場合に、着信音量を着信前の設定に変更するまでの動作の流れを説明する。
【0037】
すなわち、携帯端末1aの着信が停止したときは、図10のフローチャートにしたがって携帯端末1aが動作を開始する。まず、携帯端末1aが受信中であるか否かを判定して(ステップS41)、携帯端末1aが受信中でなければ(ステップS41でNO)、図2の着信設定情報について、着信音量の事前設定値と適用設定値との比較を行う。ここで、着信音量の事前設定値と適用設定値が異なっているときは、携帯端末1aは事前設定値を適用設定値にコピーして、着信音量の設定を更新する(ステップS42)。携帯端末1aが信音量の設定値のピーを了すると、図10チャートの処理は了となる。
【0038】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、携帯端末やリモコンに搭載される近距離通信用の無線送受信機としては、BlueTooth送受信機に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明による携帯端末の着信音量制御システムによれば、通勤電車の中においてかばんに入っている携帯端末の着信音が鳴ったときに、そのユーザがリモコン操作によって瞬時に着信音を消音に切り替えることができるので、ビジネスマン等が使用する汎用の携帯電話機等に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1、2 かばん
1a、2a 携帯端末
1b、2b リモコン
11、17 画面
12、20 BlueTooth送受信機(第1、第2の無線送受信機)
13 スピーカ
14 バイブレータ
15 着信制御メモリ
16 データテーブル
16a 着信設定情報
16b 電話帳情報
18 LED
19 スピーカ
21 消音ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記携帯端末とリモコンとが、電波を用いる近距離無線通信機能によって相互に通信接続され、
前記リモコンが、前記近距離無線通信機能を用いて前記携帯端末の着信音量を制御することを特徴とする携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項2】
携帯端末とリモコンからなると共に、
前記携帯端末は、自己の着信情報をリモコンへ電波を用いて送信する近距離通信用の第1の無線送受信機を備え、
前記リモコンは、前記着信情報に基づく着信音量制御情報を前記携帯端末へ電波を用いて送信する近距離通信用の第2の無線送受信機を備え、
前記携帯端末は、前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御することを特徴とする携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の無線送受信機は、共にBlueTooth送受信機からなることを特徴とする請求項1記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記第2の無線送受信機から送信された着信音量制御情報を格納する着信制御メモリと、
前記着信制御メモリに格納された着信音量制御情報に基づいて着信音量を設定変更するための着信設定情報を格納するデータテーブルとをさらに備え、
前記データテーブルで設定変更された着信設定情報に基づいて自己の着信音量を制御することを特徴とする請求項3記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、所定の時間が経過しても前記第2の無線送受信機から着信音量制御情報を受信しないときは、前記データテーブルに格納されている着信設定情報の着信音量をゼロにすることを特徴とする請求項4記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、着信応答又は着信停止を検出したときは、前記データテーブルにおける着信設定情報を着信直前の着信音量にすることを特徴とする請求項4又は5記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項7】
前記リモコンは、表示部を備え、前記携帯端末の着信情報の少なくとも一部を前記表示部に画面表示させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項8】
前記リモコンのボタンを押下することにより、前記携帯端末の着信音量は消音に切り換えられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の携帯端末の着信音量制御システム。
【請求項9】
リモコンからの信号に基づいて着信音量が制御される携帯端末であって、
自己の着信情報を電波を用いて送信すると共に、前記リモコンの近距離通信用の第2の無線送受信機から送電波を用いて信された前記着信情報に基づく着信音量制御情報を受信する、近距離通信用の第1の無線送受信機を備え、
前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御することを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記第1及び第2の無線送受信機は、共にBlueTooth送受信機からなることを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項11】
前記第2の無線送受信機から送信された着信音量制御情報を格納する着信制御メモリと、
前記着信制御メモリに格納された着信音量制御情報に基づいて着信音量を設定変更するための着信設定情報を格納するデータテーブルとをさらに備え、
前記データテーブルで設定変更された着信設定情報に基づいて自己の着信音量を制御することを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項12】
所定の時間が経過しても前記第2の無線送受信機から着信音量制御情報を受信しないときは、前記データテーブルに格納されている着信設定情報の着信音量をゼロにすることを特徴とする請求項11記載の携帯端末。
【請求項13】
着信応答又は着信停止を検出したときは、前記データテーブルにおける着信設定情報を着信直前の着信音量にすることを特徴とする請求項11又は12記載の携帯端末。
【請求項14】
前記リモコンのボタンを押下することにより、自己の着信音量を消音に切り換えことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一に記載の携帯端末。
【請求項15】
携帯端末の着信音量制御方法であって、
前記携帯端末が、近距離通信用の第1の無線送受信機によって、自己の着信情報をリモコンへ電波を用いて送信する第1のステップと、
前記リモコンが、近距離通信用の第2の無線送受信機によって、前記携帯端末から受信した前記着信情報に基づく着信音量制御情報を前記携帯端末へ電波を用いて送信する第2のステップと、
前記携帯端末が、前記リモコンから受信した着信音量制御情報に基づいて自己の着信音量を制御する第3のステップと
を含むことを特徴とする携帯端末の着信音量制御方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の無線送受信機は、共にBlueTooth送受信機からなることを特徴とする請求項15記載の携帯端末の着信音量制御方法。
【請求項17】
前記第2のステップの後に、
前記携帯端末が、前記第2の無線送受信機から送信された着信音量制御情報を着信制御メモリへ格納する第2Aのステップと、
前記携帯端末が、前記着信制御メモリに格納された着信音量制御情報に基づいて着信音量を設定変更するための着信設定情報をデータテーブルに格納する第2Bのステップと、
前記データテーブルで設定変更された着信設定情報に基づいて前記携帯端末の着信音量を制御する第2Cのステップと
を含むことを特徴とする請求項15記載の携帯端末の着信音量制御方法。
【請求項18】
前記携帯端末は、前記第1のステップの後に、所定の時間が経過しても前記第2の無線送受信機から着信音量制御情報を受信しないときは、前記データテーブルに格納されている着信設定情報の着信音量をゼロにすることを特徴とする請求項15記載の携帯端末の着信音量制御方法。
【請求項19】
前記携帯端末は、前記第2のステップ以降において着信応答又は着信停止を検出したときは、前記データテーブルにおける着信設定情報を着信直前の着信音量にすることを特徴とする請求項17記載の携帯端末の着信音量制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−193018(P2010−193018A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33260(P2009−33260)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】