説明

携帯端末、輝度制御方法及びプログラム

【課題】複数のキーが表示された、タッチパッド付きのディスプレイを含む複数のディスプレイを備える携帯端末において、省電力を図りつつも、各キーの操作性の低下を抑制することが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、画像を表示する第1ディスプレイと、複数のキーを表示する、タッチパッド付きの第2ディスプレイとを備え、両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のディスプレイを備える携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、各ディスプレイの輝度制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末において、バッテリでの駆動時間を延ばすために、ディスプレイによる消費電力量を低減させる技術(例えば、特許文献1)が知られている。
特許文献1の技術は、バックライトが消灯中にキー入力があると、バックライトを点灯させてディスプレイの輝度を上昇させ、バックライトが点灯中にキー入力が一定時間ないと、バックライトを消灯させてディスプレイの輝度をゼロに制御するというものである。
【0003】
ところで、タッチパッド付きのディスプレイを含む複数のディスプレイを備え、タッチパッド付きのディスプレイに表示されている複数のキーへの入力を受け付ける携帯端末が知られている。
このような複数のディスプレイを備える携帯端末にも、特許文献1の輝度制御技術を適用し、タッチパッド付きのディスプレイに表示されているキーへの入力が一定時間ない場合には、両ディスプレイの輝度をゼロに制御し、省電力化を図ることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−237810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のキーが表示されているディスプレイの輝度をゼロに制御してしまうと、各キーが視認できなくなってしまうため、ユーザは、キー操作を行うために、まず、このディスプレイの輝度を上昇させるための操作(例えば、このディスプレイに指を接触させる操作)を行う必要が生じ、キーの操作性を低下させてしまうという新たな問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、複数のキーが表示された、タッチパッド付きのディスプレイを含む複数のディスプレイを備える携帯端末において、省電力を図りつつも、各キーの操作性の低下を抑制できるようにした携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、2つのディスプレイを有する携帯端末であって、画像を表示する第1ディスプレイと、複数のキーを表示する、タッチパッド付きの第2ディスプレイと、両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる制御を行う輝度制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を備える本発明に係る携帯端末によれば、省電力を図りつつも、各キーの操作性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機100の閉状態及び開状態の外観を示す図
【図2】携帯電話機100が開状態かつ横向きである場合における各ディスプレイの表示例及び最後のユーザ操作から第1時間経過後の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【図3】携帯電話機100が開状態かつ横向きである場合において、最後のユーザ操作から更に第2時間及び第3時間経過後の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【図4】携帯電話機100が開状態かつ縦向きである場合における各ディスプレイの表示例及び最後のユーザ操作から第1時間+第2時間経過後の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【図5】携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図
【図6】携帯電話機100の制御処理を示すフローチャート(図7に続く)
【図7】携帯電話機100の制御処理を示すフローチャート(図6へ戻る)
【図8】携帯電話機100の着信時輝度制御処理を示すフローチャート
【図9】光センサ130が検出した周囲の明るさに応じて、視認可能なディスプレイの輝度を決定する方法を説明するための図
【図10】第1変形電話機が開状態かつ縦向きである場合における各ディスプレイの表示例を示す図
【図11】第1変形電話機が開状態かつ縦向きである場合において、最後のユーザ操作から第1時間経過後及び更に第2時間経過後の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【図12】最後のユーザ操作から第1時間+第2時間経過後において、第1変形電話機がキー操作を受け付けた際の各ディスプレイの表示例及び輝度制御例と、第2変形電話機の各ディスプレイの表示例及び輝度制御例とを示す図
【図13】第3変形電話機が開状態かつ横向きである場合において、最後のユーザ操作から第5時間及び第6時間経過時の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【図14】第3変形電話機が開状態かつ横向きである場合において、最後のユーザ操作から第1時間+第2時間経過後の各ディスプレイの輝度制御例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る携帯端末の一実施形態としての携帯電話機について説明する。
≪実施の形態≫
<1.概要>
実施の形態に係る携帯電話機は、タッチパッド付きの2つのディスプレイを備え、ユーザ操作がない場合に、各ディスプレイの輝度をゼロにするよう制御することで、省電力化を図る従来の携帯電話機を改良したものである。
【0011】
この携帯電話機は、いずれかのタッチパッドが最後に入力を検出してから、ソフトウェアキーボード(以下、「SWキーボード」と表記する)が表示されている一方のディスプレイの輝度をゼロにするまでの時間を、他方のディスプレイの輝度をゼロにするまでの時間よりも長くするよう制御する。
従って、他方のディスプレイの輝度がゼロになった時点では、もう一方のディスプレイの輝度はゼロでなくSWキーボードが表示されているので、ユーザは、このディスプレイの輝度を明るくするための操作を行うことなく、すぐに所望のキーボード操作を行うことができる。
【0012】
つまり、この携帯電話機によれば、他方のディスプレイの輝度をゼロにするまでの時間を比較的短く設定することで省電力を図りつつも、SWキーボードの操作性の低下を抑制することができる。
<2.装置構成>
まず、実施の形態に係る携帯電話機100の装置構成について説明する。
【0013】
図1(a)は、携帯電話機100の閉状態の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す斜視図であり、図1(c)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す正面図である。
携帯電話機100は、図1(a)〜(c)に示されるように、第1筐体1と第2筐体2とが相対的に移動可能ないわゆるスライド式の端末であり、第1筐体1、第2筐体2及び第1筐体1と第2筐体2とを接続するアーム3を備えている。
【0014】
第1筐体1には、レシーバ4、マイク5、タッチパッド付きの第1ディスプレイ110及び光センサ130が備えられており、第2筐体2には、タッチパッド付きの第2ディスプレイ120が備えられている。
アーム3は、その基端側が第2筐体2に回転自在に軸支されており、先端側が第1筐体1をスライド移動並びに回転自在に支持している。
【0015】
従って、この携帯電話機100は、第1筐体1と第2筐体2とが単なる相対回動するだけでなく、閉状態と開状態とに変更することが可能である。
携帯電話機100は、図1(a)に示すように、第2筐体2に第1筐体1が重ね合わさり、第2ディスプレイ120が視認できない閉状態から、アーム3により、第1筐体1が第2筐体2の主表面に沿って移動し、図1(b)、(c)に示すように、第1筐体1の主表面と第2筐体2の主表面とが略同一平面上に揃い、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120が視認可能な開状態になる。なお、ここでは、各筐体においてディスプレイが存在する側の表面を主表面と表現している。
【0016】
<3.輝度制御例>
次に、図2〜図4を用いて、携帯電話機100における輝度制御例を説明する。
なお、以下では、各筐体1、2が、図2(a)に示すように、横長になる向きを「横向き」といい、図4(a)に示すように、縦長になる向きを「縦向き」という。
<3−1.「横向き」の場合>
図2(a)は、携帯電話機100が「開状態」で、筺体の向きが「横向き」である場合における各ディスプレイの表示例を示す図である。
【0017】
同図では、第1ディスプレイ110に表示された、ウェブサイト上の情報の検索に用いるキーワード入力用のボックス11aがユーザにより選択された結果、文字入力待ちを示すカーソル12が表示されると共に、キーワードを入力するために、第2ディスプレイ120にSWキーボード10aが表示された様子を示している。なお、「選択する」とは、上述のボックス11aのようなオブジェクトの表示位置へユーザが指等を接触させることをいう。
【0018】
例えば、ユーザがどのようなキーワードを入力するかを考えるために、上記ボックス11aを選択してから第1時間(例えば、「5秒」とする)経過時まで操作を行わなかった場合、つまり、いずれのディスプレイのタッチパッドへも指等を接触させなかった場合、携帯電話機100は、各ディスプレイの輝度を低下させる(図2(b)参照)。
図2(b)では、第1ディスプレイ110の輝度を第1輝度に、第2ディスプレイ120の輝度を第2輝度に低下させた様子を示しており、ここでは、第1輝度及び第2輝度が同輝度である例を示している。なお、この状態では、各ディスプレイの輝度は低下したものの、ゼロではないため、各ディスプレイに表示されている画像は視認可能である。
【0019】
また、例えば、ユーザが依然としてどのようなキーワードを入力するかを考えており、上記第1時間を経過してから更に第2時間(例えば、「5秒」とする)経過時まで操作を行わなかった場合、携帯電話機100は第1ディスプレイ110の輝度をゼロにする(図3(a)参照)。この結果、第1ディスプレイ110に表示されている画像は視認できなくなる。
【0020】
即ち、最後のユーザ操作から第1時間+第2時間(この例では、「10秒」)経過後に、携帯電話機100は、第1ディスプレイ110の輝度をゼロにして省電力を図りつつも、第2ディスプレイ120には、引き続きSWキーボード10aが表示されているので、余計な操作を行うことなく、ユーザはすぐにキーワードの入力を行うことができる。
また、上記第2時間を経過してから更に第3時間(例えば、「20秒」とする)経過時まで操作を行わなかった場合、携帯電話機100は、更なる省電力を図るために、第2ディスプレイ120の輝度もゼロにする(図3(b)参照)。この結果、第2ディスプレイ120に表示されているSWキーボード10aも視認できなくなる。
【0021】
なお、図3(a)に示す状態で、第2ディスプレイ120に表示されているSWキーボード10aにおいて、ユーザが所望のキーを選択した場合、携帯電話機100は、各ディスプレイの輝度を上昇させ、各表示部の視認性を向上させる。
<3−2.「縦向き」の場合>
図4(a)は、携帯電話機100が「開状態」で、筺体の向きが「縦向き」である場合における各ディスプレイの表示例を示す図である。
【0022】
同図では、各ディスプレイ(110、120)に跨って表示された、ウェブサイト上の情報の検索に用いるキーワード入力用のボックス11bがユーザにより選択された結果、文字入力待ちを示すカーソル12が表示されると共に、各ディスプレイに跨って、SWキーボード10bが表示された様子を示している。
例えば、ユーザがどのようなキーワードを入力するかを考えるために、上記ボックス11bを選択してから第1時間(例えば、「5秒」とする)経過時まで操作を行わなかった場合、つまり、いずれのディスプレイのタッチパッドへも指等を接触させなかった場合、図2(b)に示す場合と同様に、携帯電話機100は、各ディスプレイの輝度を所定輝度(例えば、第1輝度又は第2輝度)に低下させる(不図示)。
【0023】
また、例えば、ユーザが依然としてどのようなキーワードを入力するかを考えており、上記第1時間を経過してから更に第2時間(例えば、「5秒」とする)経過時まで操作を行わなかった場合、携帯電話機100は各ディスプレイ(110、120)の輝度をゼロにする(図4(b)参照)。
このように、携帯電話機100が「開状態」かつ「縦向き」の場合には、SWキーボード10bが各ディスプレイに跨って表示されるため、各ディスプレイを、SWキーボードが表示されているディスプレイと、SWキーボードが表示されていないディスプレイとに区別することができない。従って、このような場合には、携帯電話機100が「開状態」かつ「横向き」の場合のように、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度をゼロにするまでの時間を他方のディスプレイよりも長くするような制御は行わない。
【0024】
<4.機能構成>
図5は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、レシーバ4、マイク5、第1ディスプレイ110、コントローラ114、第2ディスプレイ120、コントローラ124、光センサ130、開閉検出センサ131、加速度センサ132、通信部140、音声処理部141、記憶部150、計時部160及び制御部170を備える。
【0025】
なお、携帯電話機100は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、制御部170の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
ここで、第1ディスプレイ110は、LCD(Liquid Crystal Display)111、バックライト112及びタッチパッド113を含み、第2ディスプレイ120は、LCD121、バックライト122及びタッチパッド123を含む。
【0026】
各バックライト(112、122)は、エッジライト方式のLEDバックライトであり、入力された電流量に応じた明るさで発光するものである。
各タッチパッド(113、123)は、静電容量方式のタッチセンサであり、タッチパッド113は、LCD111に重畳して設けられ、タッチパッド123は、LCD121に重畳して設けられている。なお、各タッチパッドは、透明部材を用いて構成されており、各LCDに表示された画像が見えるように構成されている。
【0027】
各コントローラ(114、124)は、対応するディスプレイのタッチパッドに対するユーザの指等の接触を検出し、検出している間、一定時間(例えば、25ms)毎に、そのタッチパッドにおける接触位置の座標値(x,y)を制御部170に出力するIC(Integrated Circuit)である。なお、第1ディスプレイ110とコントローラ114とが対応し、第2ディスプレイ120とコントローラ124とが対応する。
【0028】
また、光センサ130は、周囲の明るさを検出し、検出した明るさに対応する電圧レベルの信号を制御部170へ出力する回路であり、例えば、フォトダイオードにより実現される。
また、開閉検出センサ131は、携帯電話機100の開閉状態を検出する機能を有する。開閉検出センサ131は、例えば、開状態において接触する第1筐体1の1つの側面と第2筐体2の1つの側面とのうちの一方の側面に埋め込まれた磁石と、その磁力を検出する他方の側面に埋め込まれたホールセンサとにより実現される。このホールセンサは、磁力の検出時に所定信号を制御部170に出力する。
【0029】
加速度センサ132は、携帯電話機100に生じる重力加速度を検出し、検出結果を示す信号を制御部170に出力する機能を有し、例えば、3軸加速度センサにより実現される。
通信部140は、アンテナを介して基地局との間で電波の送受信を行う回路であり、受信信号を復調し、制御部170へ伝達する機能と、制御部170から受領した送信信号を変調し送信する機能を有する。
【0030】
音声処理部141は、制御部170を介して通信部140から受領した受話信号をD/A変換し、得られた音声信号をレシーバ4から出力する機能と、マイク5から入力された音声信号をA/D変換し、得られた送話信号を、制御部を介して通信部140に送出する機能を有する。
記憶部150は、携帯電話機100の各種アプリケーション(メニュー表示アプリケーション、メールアプリケーション、ブラウザアプリケーション、通話アプリケーション等)用のプログラム及びそれらのアプリケーションが必要とするデータの他、輝度情報、状態情報及びキー表示情報を記憶するためのメモリ領域である。
【0031】
ここで、輝度情報とは、各ディスプレイの現在の輝度を示す情報であり、状態情報とは、携帯電話機100の現在の使用状態(開閉状態及び筐体の向き)を示す情報であり、キー表示情報とは、いずれかのディスプレイにおいて、現在キーボードが表示中か否かを示す情報である。
計時部160は、制御部170から指定された時間(第1時間、第2時間、第3時間及び第4計時)を計時する機能を有し、例えば、第1時間〜第4時間それぞれが設定された4つのタイマやカウンタにより実現される。計時部160は指定された時間の計時を完了すると、その旨を制御部170に通知する。
【0032】
なお、この例では、上述のように、第1時間及び第2時間は、例えば「5秒」であり、第3時間は、例えば「20秒」である。また、第4時間は、例えば、「1秒」であるものとし、後述するように、SWキーボード10aが表示されていた第2ディスプレイ120の輝度がゼロになったときに、計時が開始される。
また、制御部170は、各機能部を制御する機能を有する他、特に、各センサ(130〜132)の検出結果及びユーザ操作の有無に応じて、各ディスプレイの輝度を制御する機能を有する。なお、制御部170は、通信部140からの受信信号のうち、受話信号を音声処理部141に伝達し、音声処理部141からの送話信号を、通信部140に伝達する機能も有する。
【0033】
制御部170は、状態判定部171、輝度制御部172、表示制御部173及び処理実行部174を含んで構成される。
ここで、状態判定部171は、開閉検出センサ131及び加速度センサ132から出力された各信号に基づいて携帯電話機100の使用状態(開閉状態及び筐体の向き)を判定する機能を有する。
【0034】
なお、状態判定部171は、加速度センサ132から出力された信号に基づいて、縦向きと横向きとのうち、より近い向きに、携帯電話機100の筐体の向きに特定する。また、状態判定部171は、判定結果が変化した場合に、変化後の使用状態を示すように、記憶部150の状態情報を更新する。
輝度制御部172は、携帯電話機100の使用状態と、最後のユーザ操作からの経過時間に基づいて、各バックライトへ入力する電流量を制御することで、各ディスプレイの輝度を制御する機能を有する。
【0035】
輝度制御部172は、特に、携帯電話機100の使用状態が、「開状態」かつ「横向き」である場合において、ユーザ操作がないときに、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイよりも、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度を、より早くゼロに制御する。なお、輝度制御部172は、各ディスプレイの輝度を制御した際に、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0036】
表示制御部173は、処理実行部174の処理結果に応じた画面を、各LCD(111、121)に表示させる機能を有する。
処理実行部174は、輝度がゼロでないディスプレイのタッチパッドに対して行われたユーザ操作に応じた処理を実行する機能を有する。つまり、処理実行部174は、そのディスプレイに対応するコントローラから出力された座標値が示す位置に表示されている表示物(アイコンやキー等)に割り当てられた処理を実行する機能を有する。
【0037】
なお、処理実行部174は、携帯電話機100の使用状態が「開状態」かつ「横向き」である場合に、SWキーボードが表示されていたディスプレイの輝度がゼロになってから第4時間を経過するまでに、そのディスプレイに対しユーザ操作が行われたときには、例外的に、そのユーザ操作に応じた処理を実行する。
これにより、SWキーボードの所望のキーをユーザが選択する直前に、そのSWキーボードを表示していたディスプレイの輝度がゼロに制御されたような場合にも、キー入力が受け付けられることになり、利便性を向上させることができる。
【0038】
以下では、処理実行部174によるユーザ操作に応じた処理の一例を説明する。
(1)アプリケーションの起動処理
各種アプリケーションを起動するための複数のアイコンが配置されたメニュー画像が各ディスプレイに表示されている場合に、ユーザがあるアイコンを選択すると、処理実行部174は、そのアイコンに対応するアプリケーションを起動する。つまり、処理実行部174は、記憶部150からそのアイコンに対応するアプリケーションプログラムを読み出して実行する。
【0039】
(2)SWキーボードの表示の開始及び終了処理
起動したアプリケーションの画面が各ディスプレイに表示されている場合に、ユーザが、文字入力用のエリア(例えば、図2(a)のボックス11aや図4(a)のボックス11b)を選択すると、処理実行部174は、SWキーボードの表示を開始させる。
即ち、携帯電話機100が「開状態」で「横向き」であれば、各ディスプレイのうち、下側に配置されるディスプレイ(図2(a)では第2ディスプレイ120)にSWキーボード10aの表示を開始させる。また、携帯電話機100が「開状態」で「縦向き」であれば、図4(a)に示すように、各ディスプレイに跨って、SWキーボード10bの表示を開始させる。なお、特に図示して説明しないが、携帯電話機100が「閉状態」である場合には、第1ディスプレイ110の一部分にSWキーボードの表示を開始させる。
【0040】
また、ユーザが、文字入力を完了した場合(例えば、図2(a)のボックス11aや図4(a)のボックス11bへのキーワード入力後にEnterキーを選択した場合)や、文字入力用のエリアの表示を終了させる操作を行った場合に、処理実行部174は、SWキーボードの表示を終了させる。
なお、処理実行部174は、SWキーボードの表示の開始及び終了の際に、記憶部150のキー表示情報を更新する。
【0041】
(3)文字入力処理
例えば、図2(a)に示すように、第2ディスプレイ120にSWキーボード10aが表示されている場合において、ユーザが所望のキーの表示位置に指等を接触させると、処理実行部174は、そのキーに対応する文字等の入力を受け付け、第1ディスプレイ110のボックス11aにその文字を表示させる。
【0042】
<5.動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図6〜図8を用いて説明する。
図6及び図7は、携帯電話機100の制御処理を示すフローチャートである。
同図に示す制御処理は、携帯電話機100の電源がONになると開始され、特に図示していないが、電源がOFFになると終了される。
【0043】
なお、この制御処理とは独立した処理として、開閉検出センサ131及び加速度センサ132から出力された各信号に基づいて、携帯電話機100の現在の使用状態を示すように、記憶部150の状態情報を更新する処理が、状態判定部171により行われる。
まず、制御部170の輝度制御部172は、記憶部150の状態情報に基づいて、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120のうち、現在視認可能なディスプレイを特定し、特定したディスプレイの輝度を、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度に制御する(図6のステップS1)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0044】
ここで、記憶部150の状態情報が示す携帯電話機100の開閉状態が「閉状態」である場合には、視認可能なディスプレイは、第1ディスプレイ110のみと特定できる(図1(a)参照)。また、記憶部150の状態情報が示す携帯電話機100の開閉状態が「開状態」である場合には、視認可能なディスプレイは、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120と特定できる(図1(c)参照)。
【0045】
また、この例では、図9に示すように、各ディスプレイは、L1〜L5の5段階の輝度レベルで表示可能であるものとする。
輝度制御部172は、同図に示すように、光センサ130からの信号が示す明るさの範囲を5段階に分けるための閾値Th1〜Th4を用いて、視認可能なディスプレイの輝度レベルを決定する。
【0046】
即ち、同図に示すように、視認可能なディスプレイの輝度レベルを、光センサ130からの信号が示す明るさがTh1未満である場合には「L1」に、Th1以上Th2未満である場合には「L2」に、Th2以上Th3未満である場合には「L3」に、Th3以上Th4未満である場合には「L4」に、Th4以上である場合には「L5」に決定する。
輝度制御部172は、決定した輝度レベルと予め対応付けられているその輝度レベルに制御するための電流量を、視認可能なディスプレイのバックライトに入力することで、そのディスプレイの輝度レベルが上記決定した輝度レベルになるように、そのディスプレイのバックライトを点灯させる。
【0047】
続いて、輝度制御部172は、計時部160に第1時間(この例では「5秒」)の計時開始を指示し、この指示を受けて計時部160は、第1時間の計時を開始する(ステップS2)。
また、輝度制御部172は、計時部160から第1時間の計時を完了した旨の通知を受領したか否かに基づいて、第1時間を経過したか否かを判定する(ステップS3)。
【0048】
計時部160からの通知を受領していない場合に、輝度制御部172は、第1時間を経過していないと判定し(ステップS3:NO)、制御部170は、いずれかのディスプレイのタッチパッドに対する入力がなされたか否かを判定する(ステップS4)。
いずれのコントローラ(114及び124)からも座標値を受領していない場合に、制御部170は、いずれのディスプレイのタッチパッドに対しても入力がなされていないと判定し(ステップS4:NO)、再びステップS3から処理を行う。
【0049】
また、いずれかのコントローラ(114又は124)から座標値を受領した場合に、制御部170は、入力がなされたと判定し(ステップS4:YES)、処理実行部174は、その座標値が示す表示位置に対応する処理を実行し(ステップS5)、再びステップS2から処理を行う。
なお、ステップS5の処理を実行した際、表示制御部173により、処理実行部174の処理結果に応じた画面の表示が行われることになる。また、ステップS5の処理の結果、SWキーボードが表示された場合には、処理実行部174は、記憶部150のキー表示情報が、現在キーボードが表示中であることを示すように更新する。
【0050】
また、ステップS3において、計時部160からの通知を受領した場合に、輝度制御部172は、第1時間を経過したと判定し(ステップS3:YES)、現在視認可能なディスプレイの輝度を、低下させるように制御する(ステップS6)。なお、この現在視認可能なディスプレイは、上記ステップS1と同様の方法で特定する。また、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0051】
輝度制御部172は、ステップS6の制御を以下のように行う。
即ち、輝度制御部172は、第1ディスプレイ110のみが現在視認可能なディスプレイである場合には、第1ディスプレイ110を第1輝度に低下させ、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120が現在視認可能なディスプレイである場合には、第1ディスプレイ110を第1輝度に、第2ディスプレイ120を第2輝度に低下させる。なお、この例では、第1輝度及び第2輝度は同輝度であるとしており、輝度制御部172は、例えば、図9に示す輝度レベルL1に制御するための電流量を、視認可能なディスプレイのバックライトに入力することで、このディスプレイの輝度の低下を実現させる。
【0052】
続いて、輝度制御部172は、計時部160に第2時間(この例では「5秒」)の計時開始を指示し、この指示を受けて計時部160は、第2時間の計時を開始する(ステップS7)。
輝度制御部172は、ステップS3の処理と同様に、計時部160から第2時間の計時を完了した旨の通知を受領したか否かに基づいて、第2時間を経過したか否かを判定する(ステップS8)。
【0053】
輝度制御部172が第2時間を経過していないと判定した場合に(ステップS8:NO)、制御部170は、ステップS4の処理と同様に、いずれかのディスプレイのタッチパッドに対する入力がなされたか否かを判定する(ステップS9)。
いずれのディスプレイのタッチパッドに対しても入力がなされていないと判定した場合に(ステップS9:NO)、制御部170は、電話又はメールの着信があるか否かを判定し(ステップS10)、着信がない場合には(ステップS10:NO)、再びステップS8から処理を行う。
【0054】
また、着信があった場合には(ステップS10:YES)、制御部170は、着信時輝度制御処理を行い(ステップS11)、再びステップS7から処理を行う。なお、ステップS11の着信時輝度制御処理の内容については後述する。
また、ステップS9において、制御部170が、入力がなされたと判定した場合に(ステップS9:YES)、処理実行部174は、ステップS5の処理と同様に、その座標値が示す表示位置に対応する処理を実行し(ステップS12)、再びステップS1から処理を行う。
【0055】
なお、ステップS12の処理を実行した際、表示制御部173により、処理実行部174の処理結果に応じた画面の表示が行われることになる。また、ステップS5の処理の結果、SWキーボードが表示された場合には、処理実行部174は、記憶部150のキー表示情報が、現在キーボードが表示中であることを示すように更新する。
また、ステップS8において、第2時間を経過したと判定した場合に(ステップS8:YES)、輝度制御部172は、記憶部150の状態情報及びキー表示情報に基づいて、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中であるか否かを判定する(図7のステップS13)。
【0056】
携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中でない場合に(ステップS13:NO)、輝度制御部172は、現在視認可能なディスプレイの輝度をゼロに制御する(ステップS14)。なお、この現在視認可能なディスプレイは、上記ステップS1と同様の方法で特定する。また、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0057】
輝度制御部172は、ステップS14の制御を以下のように行う。
即ち、輝度制御部172は、第1ディスプレイ110のみが現在視認可能なディスプレイである場合には、第1ディスプレイ110の輝度をゼロにするために、第1ディスプレイ110のバックライトへの電流の入力を停止する。また、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120が現在視認可能なディスプレイである場合には、各ディスプレイの輝度をゼロにするために、第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120のバックライトへの電流の入力を停止する。
【0058】
続いて、制御部170は、ステップS4の処理と同様に、いずれかのディスプレイのタッチパッドに対する入力がなされたか否かを判定する(ステップS15)。
いずれのディスプレイのタッチパッドに対しても入力がなされていないと判定した場合に(ステップS15:NO)、制御部170は、再びステップS15の処理を行い、入力がなされたと判定した場合に(ステップS15:YES)、再びステップS1から処理を行う。
【0059】
また、ステップS13において、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中である場合に(ステップS13:YES)、輝度制御部172は、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度をゼロに制御する(ステップS16)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0060】
続いて、輝度制御部172は、計時部160に第3時間(この例では「20秒」)の計時開始を指示し、この指示を受けて計時部160は、第3時間の計時を開始する(ステップS17)。
輝度制御部172は、ステップS3の処理と同様に、計時部160から第3時間の計時を完了した旨の通知を受領したか否かに基づいて、第3時間を経過したか否かを判定する(ステップS18)。
【0061】
輝度制御部172が第3時間を経過していないと判定した場合に(ステップS18:NO)、制御部170は、ステップS4の処理と同様に、いずれかのディスプレイのタッチパッドに対する入力がなされたか否かを判定する(ステップS19)。
入力がなされたと判定した場合に(ステップS19:YES)、制御部170は、図6のステップS12から処理を行う。
【0062】
また、いずれのディスプレイのタッチパッドに対しても入力がなされていないと判定した場合に(ステップS19:NO)、制御部170は、ステップS10の処理と同様に、電話又はメールの着信があるか否かを判定する(ステップS20)。
制御部170は、着信はないと判定した場合に(ステップS20:NO)、再びステップS18から処理を行い、着信があると判定した場合(ステップS20:YES)、ステップS11と同様に、着信時輝度制御処理を行い(ステップS21)、再びステップS17から処理を行う。
【0063】
また、ステップS18において、第3時間を経過したと判定した場合に(ステップS18:YES)、輝度制御部172は、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度をゼロに制御する(ステップS22)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
続いて、輝度制御部172は、計時部160に第4時間(この例では「1秒」)の計時開始を指示し、この指示を受けて計時部160は、第4時間の計時を開始する(ステップS23)。
【0064】
輝度制御部172は、ステップS3の処理と同様に、計時部160から第4時間の計時を完了した旨の通知を受領したか否かに基づいて、第4時間を経過したか否かを判定する(ステップS24)。
輝度制御部172が第4時間を経過したと判定した場合に(ステップS24:YES)、制御部170は、ステップS15から処理を行う。
【0065】
また、輝度制御部172が第4時間を経過していないと判定した場合に(ステップS24:NO)、制御部170は、ステップS4の処理と同様に、いずれかのディスプレイのタッチパッドに対する入力がなされたか否かを判定する(ステップS25)。
入力がなされたと判定した場合に(ステップS25:YES)、制御部170は、その入力が、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイのタッチパッドに対して行われたものかを判定する(ステップS26)。
【0066】
制御部170は、他方のディスプレイに対する入力であった場合には(ステップS26:YES)、ステップS15から処理を行い、SWキーボードが表示されているディスプレイに対する入力であった場合には(ステップS26:NO)、図6のステップS12から処理を行う。
また、いずれのディスプレイのタッチパッドに対しても入力がなされていないと判定した場合に(ステップS25:NO)、制御部170は、ステップS10の処理と同様に、電話又はメールの着信があるか否かを判定する(ステップS27)。
【0067】
制御部170は、着信はないと判定した場合に(ステップS27:NO)、再びステップS24から処理を行い、着信があると判定した場合(ステップS27:YES)、ステップS11と同様に、着信時輝度制御処理を行い(ステップS28)、再びステップS23から処理を行う。
続いて、上述したステップS11、S21、S28の着信時輝度制御処理の詳細について説明する。
【0068】
図8は、携帯電話機100の着信時輝度制御処理を示すフローチャートである。
まず、輝度制御部172は、記憶部150の輝度情報をコピーする(図8のステップS30)。このコピーは、後述するように通信終了時、つまり、電話の着信にユーザが応答することなく相手がオンフックした場合や、電話の着信にユーザが応答し開始された通話が終了した場合や、メールの受信が完了した場合に、各ディスプレイの輝度を着信前の状態に戻すために使用される。
【0069】
続いて、輝度制御部172は、図7のステップS13の処理と同様に、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中であるか否かを判定する(ステップS31)。
携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中でない場合に(ステップS31:NO)、輝度制御部172は、ステップS1と同様に、現在視認可能なディスプレイの輝度を、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度に制御する(ステップS32)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0070】
一方、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中である場合に(ステップS31:YES)、輝度制御部172は、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度を、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度に制御する(ステップS33)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0071】
ステップS33の処理を完了すると、輝度制御部172は、記憶部150の輝度情報に基づいて、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度がゼロか否かを判定する(ステップS34)。
SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度がゼロである場合に(ステップS34:YES)、輝度制御部172は、このディスプレイの輝度を、第2輝度に制御する(ステップS35)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新する。
【0072】
ステップS35若しくはステップS32の処理を完了し、又はSWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度がゼロでない場合(ステップS34:NO)に、制御部170は、通信が終了したか否かを繰り返し判定する(ステップS36)。
通信が終了した場合に(ステップS36:YES)、輝度制御部172は、ステップS32、S33、S35で輝度を変更したディスプレイの輝度を、ステップS30でコピーした輝度情報が示す元の輝度に制御する(ステップS37)。なお、この際、輝度制御部172は、制御後の輝度を示すように、記憶部150の輝度情報を更新すると共に、ステップS30でコピーした輝度情報を破棄する。
【0073】
ステップS37の処理を完了すると、制御部170は、着信時輝度制御処理を終了する。
≪補足≫
以上、本発明に係る携帯端末を、実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの携帯電話機に限られないことは勿論である。
【0074】
(1)実施の形態に係る携帯電話機100は、各ディスプレイ(110、120)が共にタッチパッドを備えるものとして説明したが、一方のディスプレイのみがタッチパッドを備えるようにしてもよい。但し、この場合、実施の形態で説明したように、携帯電話機100の筺体の向き等に応じたディスプレイにSWキーボードを表示するのではなく、携帯電話機100の筺体の向き等によらず、タッチパッドを備える一方のディスプレイにSWキーボードを表示するよう変形する必要がある。
【0075】
また、実施の形態では、ディスプレイに表示される複数のキーの一例として、図2(a)や図4(a)に示すSWキーボードを用いて説明したが、同図に示すような、いわゆるQWERTYキーボードに限らず、例えば、いわゆるテンキーのような他の複数のキーであってもよい。
(2)実施の形態では、図6のステップS10及びS11、図7のステップS20、S21、S27及びS28に示すように、着信があった場合に、着信時輝度制御処理を行うものとして説明したが、この処理を行わないようにしてもよい。
【0076】
具体的には、図6のステップS10及びS11、図7のステップS20、S21、S27及びS28の処理を行わないようにし、以下のように、図6のステップS9、図7のS19及びS25の処理を変形してもよい。
即ち、ステップS9で否定的な判定が行われた場合には(ステップS9:NO)、ステップS8から、ステップS19で否定的な判定が行われた場合には(ステップS19:NO)、ステップS18から、ステップS25で否定的な判定が行われた場合には(ステップS25:NO)、ステップS24から、それぞれ再び処理を行うよう変形してもよい。
【0077】
また、実施の形態では、電話又はメールの着信があるか否かを判定して(ステップS10、S20、S27)、着信時輝度制御処理を行うものとして説明したが、電話の着信があった場合のみ、又はメールの着信があった場合にのみ、着信時輝度制御処理を行うようにしてもよい。
(3)実施の形態では、一例として、第1時間及び第2時間は「5秒」であり、第3時間は「20秒」であり、第4時間は「1秒」であるものとして説明したが、これらの時間は適宜変更可能であり、例えば、ユーザがこれらの時間を設定できるようにしてもよい。
【0078】
また、実施の形態では、携帯電話機100が「開状態」である場合において、最後のユーザ操作から第1時間を経過したときに、視認可能なディスプレイの輝度を低下させるものとして説明した(図6のステップS3:YES、S6参照)。
しかしながら、最後のユーザ操作から第1時間を経過したときに、視認可能なディスプレイの輝度を低下させることは必須ではなく、この輝度の低下を行わないようにしてもよい。また、最後のユーザ操作から第1時間を経過したときに、視認可能なディスプレイのうち、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度のみを低下させるようにしてもよい。
【0079】
また、実施の形態では、第1輝度及び第2輝度は同輝度であるものとして説明したが、第1輝度と第2輝度とは異なってもよい。
この場合、上記図6のステップS6を以下のように変形する必要がある。
即ち、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中である場合には、実施の形態で説明したのと同様に、第1ディスプレイ110の輝度を第1輝度に低下させ、第2ディスプレイ120の輝度を第2輝度に低下させる。一方、携帯電話機100の現在の使用状態が「開状態」かつ「横向き」で、SWキーボードが表示中でない場合には、視認可能なディスプレイの輝度を所定値(例えば、第1輝度又は第2輝度)に低下させるように変形する必要がある。
【0080】
また、実施の形態では、最後のユーザ操作から第1時間を経過後、第2時間を経過するまでにユーザ操作があった場合に、視認可能なディスプレイの輝度を上昇させるものとして説明した(図6のステップS9:YES、ステップS1)。しかしながら、携帯電話機100が「開状態」かつ「横向き」である場合に、視認可能なディスプレイのうち、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度のみを上昇させるようにしてもよい。
【0081】
また、実施の形態では、SWキーボードが表示されていた一方のディスプレイの輝度をゼロに制御してから第4時間を経過するまでに、そのディスプレイに対する操作が行われた場合に、その操作に対応する処理を実行するものとして説明した(図7のステップS24:NO、S25:YES、S26:NO、図6のステップS12)。
しかしながら、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度をゼロに制御した後に、そのディスプレイに対する操作が行われても、その操作に対応する処理は特に行わず、そのディスプレイの輝度を上昇させる制御のみを行うようにしてもよい。具体的には、図7のステップS22の処理を完了した場合に、ステップS23〜S28の処理を行わずに、ステップS15から処理を行うようにしてもよい。
【0082】
(4)実施の形態では、輝度制御部172がディスプレイの輝度をゼロに制御している間の表示制御部173の制御内容については特に言及しなかったが、その間、輝度がゼロであるディスプレイのLCDへの表示の更新を停止させるように制御してもよい。同様に、その間、そのディスプレイに対応するコントローラが、ディスプレイのタッチパッドへの入力を検出する周期を長くするようにしてもよい。このように変形することで、更なる省電力を図ることができる。
【0083】
また、実施の形態では、輝度制御部172が、各ディスプレイのバックライトを制御することで、各ディスプレイの輝度を制御するものとして説明したが、表示させる画像の輝度を制御することで、各ディスプレイの輝度を制御してもよい。
(5)実施の形態では、輝度制御部172が、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じて、ディスプレイの輝度を決定するものとして説明した(図6のステップS1、図8のステップS32及びS33参照)。しかしながら、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じてディスプレイを決定する方法以外の方法で輝度を決定するようにしてもよい。例えば、予め定められた輝度に決定してもよい。
【0084】
また、実施の形態では、SWキーボードが表示されていた一方のディスプレイの輝度をゼロに制御した後に、ユーザ操作が行われた場合には、このディスプレイの輝度を、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度に上昇させるものとして説明した(図7のステップS22、S25:YES、図6のステップS1)。しかしながら、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度に上昇させる場合に限らず、SWキーボードの表示が視認できるように、このディスプレイの輝度を現在の輝度(ゼロ)より高いいずれかの輝度に上昇させてもよい。
【0085】
また、実施の形態では、図9に示すように、各ディスプレイが、L1〜L5の5段階の輝度レベルで表示可能である例を用いて説明したが、この段階数は、1段階(つまり、点灯時の輝度が固定レベル)以上であれば、5段階より多くても少なくてもよく、ユーザが、段階数の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。
また、実施の形態では、既定輝度の一例として、ゼロを用いて説明したが、既定輝度はゼロに限らない。但し、省電力の観点からは、ゼロに近いほうが望ましい。
【0086】
(6)実施の形態では、各ディスプレイの輝度を、各バックライトへの入力電流量により制御するものとして説明したが、各バックライト(LED)の点灯と消灯とを高速に繰り返すことで、輝度を制御するようにしてもよい(いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御)。
また、実施の形態では、各バックライトは、エッジライト方式のLEDバックライトであるものとして説明したが、エッジライト方式によらず、直下型方式のものであってもよいし、LEDバックライトによらず、その他の光源(例えば、冷陰極管、電球、熱陰極管等)を用いたものであってもよい。
【0087】
(7)実施の形態では、図8に示す着信時輝度制御処理においては、ステップS32、S33、S35でディスプレイの輝度を変更した際に、記憶部150の輝度情報を更新するものとして説明した。しかしながら、ステップS32、S33、S35でディスプレイの輝度を変更した際に、記憶部150の輝度情報を更新しないようにしてもよい。その場合、ステップS30の処理は行わないようにし、ステップS37の処理を、記憶部150の輝度情報に基づいて、ステップS32、S33、S35でディスプレイの輝度を変更する前のディスプレイの輝度に戻すように変更する必要がある。
【0088】
(8)実施の形態では、携帯電話機100が「開状態」で、筺体の向きが「縦向き」である場合に、各ディスプレイに跨って、SWキーボードを表示させるものとして説明したが、片方のディスプレイのみにSWキーボードを表示させるようにしてもよい。
図10(a)は、この変形に係る携帯電話機(以下、「第1変形電話機」という)が「開状態」で、筺体の向きが「縦向き」である場合における各ディスプレイの表示例を示す図である。
【0089】
同図では、各ディスプレイ(110、120)に跨ってテキストボックス11cが表示された様子を示している。
この状態から、ユーザがテキストボックス11cを選択すると、第1変形電話機は、テキストボックス11cに代えて、テキスト編集ボックス11dを各ディスプレイ(110、120)に跨って表示させると共に、SWキーボード10cを第1ディスプレイ110に表示させる。
【0090】
このSWキーボード10cを用いてユーザが文字の入力及び変換の操作を行うと、第1変形電話機は、該当の文字をテキスト編集ボックス11dに表示させる(図10(b)参照)。
例えば、ユーザがどのような文章を入力するかを考えるために、上記文字の入力及び変換の最後の操作から第1時間経過時まで操作を行わなかった場合、第1変形電話機は、各ディスプレイの輝度を低下させる(図11(a)参照)。
【0091】
また、例えば、ユーザが依然としてどのような文章を入力するかを考えており、上記第1時間を経過してから更に第2時間経過時まで操作を行わなかった場合、第1変形電話機は、キーボードが表示されていない第2ディスプレイ120の輝度をゼロにする(図11(b)参照)。
この結果、第2ディスプレイ120に表示されている画像は視認できなくなるが、第1ディスプレイ110の輝度はゼロではないため、第1ディスプレイ110に表示されているSWキーボード10cは引き続き視認できる。
【0092】
この状態でユーザが、SWキーボード10cを操作すると、図12(a)に示すように、第1変形電話機は、各ディスプレイの輝度を上昇させると共に、テキスト編集ボックス11dに操作に応じた文字を表示させる。
このように、第1変形電話機は、「開状態」で、筺体の向きが「縦向き」である場合においても、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイの輝度をゼロにした時点において、もう一方のディスプレイには、引き続きSWキーボードを表示させることができる。従って、この第1変形電話機によれば、ユーザは、ディスプレイの輝度を明るくするための操作を行うことなく、すぐに所望のキーボード操作を行うことができる。
【0093】
(9)上記第1変形電話機では、SWキーボード10cが表示されていない第2ディスプレイ120の輝度をゼロにした際に、この第2ディスプレイ120に表示されていたテキスト編集ボックス11d中の文章が視認できなくなっていた(図11(b)参照)。
しかしながら、SWキーボード10cが表示されていない第2ディスプレイ120の輝度をゼロにした際に、テキスト編集ボックス11dに表示されていた文章全体を、SWキーボード10cが表示されている第1ディスプレイ110に表示させるように変形してもよい。
【0094】
図12(b)は、この変形に係る携帯電話機(以下、「第2変形電話機」という)が「開状態」で、筺体の向きが「縦向き」である場合において、最後のユーザ操作から第1時間+第2時間を経過した際の各ディスプレイの様子を示す図である。
この第2変形電話機は、同図に示すように、最後のユーザ操作から第1時間+第2時間を経過した際に、図11(a)に示す状態から、SWキーボード10cが表示されていない第2ディスプレイ120の輝度をゼロにする。また、それと共に、第2変形電話機は、図11(a)に示すテキスト編集ボックス11d中の文章を、第1ディスプレイ110のテキスト編集ボックス11fに表示させる。なお、テキスト編集ボックス11fは、テキスト編集ボックス11dのうちの第1ディスプレイ110のみに表示されている部分に相当する。
【0095】
従って、第2変形電話機によれば、SWキーボード10cが表示されていない第2ディスプレイ120の輝度をゼロにすることで、省電力化を図りつつも、入力した文章の視認性を維持できる。
(10)実施の形態では、携帯電話機100が「開状態」で、筺体の向きが「横向き」である場合において、最後のユーザ操作から第1時間が経過したときに、両ディスプレイの輝度を低下させるものとして説明した(図6のステップS3:YES、S6)。
【0096】
しかしながら、各ディスプレイの輝度を低下させるタイミングは異なってもよいし、SWキーボードが表示されている一方のディスプレイの輝度を、SWキーボードが表示されていない他方のディスプレイよりも先に低下させるようにしてもよい。
この変形に係る携帯電話機(以下、「第3変形電話機」という)は、図13(a)に示すように、最後のユーザ操作から、第5時間(例えば、「3秒」とする)を経過した際に、SWキーボードが表示されている第2ディスプレイ120の輝度を第2輝度に低下させる。
【0097】
また、この第3変形電話機は、図13(b)に示すように、最後のユーザ操作から第1時間(この例では「5秒」)を経過した際に、SWキーボードが表示されていない第1ディスプレイ110の輝度を第1輝度に低下させる。
以降の各ディスプレイの輝度制御は、実施の形態に係る携帯電話機100と同様である。即ち、この第3変形電話機は、最後のユーザ操作から第1時間+第2時間(この例では「10秒」)経過した際に、SWキーボードが表示されていない第1ディスプレイ110の輝度をゼロにし(図14参照)、更に第3時間(この例では「20秒」)を経過した際に、SWキーボードが表示されている第2ディスプレイ120の輝度をゼロにする。
【0098】
従って、第3変形電話機によれば、実施の形態に係る携帯電話機100よりも早くSWキーボードが表示されているディスプレイの輝度を低下させるので、更に省電力化を図ることができる。
なお、この第3変形電話機による制御を一定条件下でのみ行うように更に変形してもよい。この一定条件としては、第3変形電話機のユーザにより、この制御を行う旨の設定が予めなされている場合や、第3変形電話機のバッテリ電圧が一定値以下になった場合が、一例として考えられる。
【0099】
(11)実施の形態に係る携帯電話機100は、図1(c)に示すように開状態で、第1ディスプレイ110と第2ディスプレイ120とが略同一平面上に配置されるものとして説明したが、ユーザが、各ディスプレイの画面を見ることができる態様であれば、各ディスプレイが略同一平面上に配置されなくてもよい。
例えば、開状態で、第1筐体1の第1ディスプレイ110を含む主表面と、第2筐体2の第2ディスプレイ120を含む主表面とが略平行になるように配置されてもよいし、第1筐体1の第1ディスプレイ110を含む主表面と、第2筐体2の第2ディスプレイ120を含む主表面との間に、ユーザが各ディスプレイの画面を見ることができる程度の角度が生じるように配置されてもよい。
【0100】
また、実施の形態では、各LCD(111、121)の形状は、略矩形状であるとして説明したが、例えば、円形状、その他多角形状であってもよく、また、各LCDの画素数は同一であっても、異なってもよい。
各ディスプレイ(110及び120)は、各LCD(111、121)を含むものとして説明したが、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むようにしてもよい。
【0101】
また、実施の形態に係る携帯電話機100は、2つのディスプレイを備えるものとして説明したが、3つ以上のディスプレイを備えるようにしてもよい。
即ち、3つ以上のディスプレイを備える携帯電話機においては、最後のユーザ操作から、SWキーボードが表示されている少なくとも1つのディスプレイの輝度を、既定輝度に低下させるまでの時間が、最後のユーザ操作から、SWキーボードが表示されてない他のディスプレイの輝度を、既定輝度に低下させるまでの時間よりも長くなるように各ディスプレイの輝度を制御すればよい。
【0102】
(12)実施の形態に係る携帯電話機100は、スライド式の携帯電話機であるものとして説明したが、折りたたみ式の携帯電話機やストレート型の携帯電話機等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
(13)実施の形態に係る各タッチパッドは、静電容量方式のタッチセンサにより実現されるものとして説明したが、この静電容量方式のタッチセンサとして、多数の電極パターンをプラスチックやガラス等の基板上に形成し、接触点の近傍の複数の電極パターンによる電流量の比率を計測することで判別する投影型や、導電膜と基板とを有して構成され、基板の隅に電極を設け、導電膜による均一な電界を形成し、指等の接触による隅の端子の電流量の比率を計測して接触位置を判別する表面型等、適宜なものを用いることができる。
【0103】
また、各タッチパッドの検出方式は、静電容量方式に限らず、電子ペン等の専用のペンを用いる電磁誘導方式や、2層構造の透明電極からなるマトリクススイッチ方式や、2枚の抵抗膜の1枚に電圧を印加し、他方の抵抗膜において操作した位置に応じた電圧を検知する抵抗膜方式や、振動波の跳ね返りを圧電素子の電圧変化によって検出し、指等の接触を検知する表面弾性波方式や、遮光された赤外線により指等が接触した位置を検出する赤外線方式や、画面に光センサを組み込んで接触位置を検知する光センサ方式等、適宜なものを用いてもよい。
【0104】
(14)実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
また、実施の形態において説明した各構成要素は、携帯電話機100が有するプロセッサと協働することにより、その機能を実現する。
【0105】
(15)実施の形態において説明した携帯電話機100の制御処理(図6〜図8参照)をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるプロセッサで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した携帯電話機100の各機能が実現される。
【0106】
(16)実施の形態に係る携帯電話機100に、上記(1)〜(15)の一部又は全部の変形を組み合わせて適用してもよい。
(17)以下、更に本発明の一実施形態に係る携帯端末の構成及びその変形例と各効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯端末は、2つのディスプレイを有する携帯端末であって、画像を表示する第1ディスプレイと、複数のキーを表示する、タッチパッド付きの第2ディスプレイと、両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる制御を行う輝度制御部とを備える。
【0107】
この携帯端末によれば、キーパッドに対するユーザ操作がない場合に、第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させて省電力を図りつつも、その時点では、より高い輝度で、第2ディスプレイの表示を行うため、第2ディスプレイに表示されている複数のキーの操作性の低下を抑制することができる。
(b)また、前記既定輝度は、ゼロであることとしてもよい。
【0108】
この携帯端末によれば、キーパッドに対するユーザ操作がない場合に、第1ディスプレイの輝度をゼロに低下させて省電力を図りつつも、この時点では、第2ディスプレイの輝度はゼロでなく、ユーザは、第2ディスプレイに表示されている複数のキーを視認でき、すぐに入力を行うことができるので、キーの操作性の低下を抑制することができる。
(c)また、前記携帯端末は、更に前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度がゼロに低下した後一定時間を経過する時までに、前記タッチパッドが入力を検出した場合には、当該入力に応じた処理を実行し、当該一定時間を経過した時より後に、前記タッチパッドが入力を検出した場合には、当該入力に応じた処理を実行しない処理実行部を備え、前記輝度制御部は、更に前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイの輝度がゼロである場合において、前記タッチパッドが入力を検出したときに、各ディスプレイの輝度を上昇させるよう制御することとしてもよい。
【0109】
この携帯端末によれば、第2ディスプレイの輝度がゼロに変化した後一定時間内に行われたユーザ操作に応じた処理が実行されるので、ユーザ操作の直前に、第2ディスプレイの輝度がゼロに変化したような場合にも、そのユーザ操作に応じた処理を行うことができ、利便性を向上できる。
(d)また、前記輝度制御部は、更に前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間よりも短い既定時間を経過した際に、前記第1ディスプレイの輝度を前記既定輝度よりも高い第1輝度に低下させるよう制御することとしてもよい。
【0110】
この携帯端末は、最後のユーザ操作から既定時間を経過した際に、第1ディスプレイの輝度をある輝度Bから第1輝度へ低下させ、最後のユーザ操作から上記既定時間より長い時間Tを経過した際に、第1ディスプレイの輝度を第1輝度から既定輝度へと更に低下させる。
従って、この携帯端末によれば、最後のユーザ操作から上記既定時間より長い時間Tを経過した際に、第1ディスプレイの輝度をある輝度Bから一気に既定輝度に低下させる場合と比較し、省電力を図ることができる。
【0111】
(e)また、前記輝度制御部は、更に前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記既定時間を経過した際に、前記第2ディスプレイの輝度を、前記既定輝度よりも高い第2輝度に低下させるよう制御し、前記第2ディスプレイの輝度を前記第2輝度に低下させた後、かつ前記既定輝度に低下させる前に、前記タッチパッドが入力を検出した場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持するよう制御することとしてもよい。
【0112】
この携帯端末によれば、第1ディスプレイの輝度を第1輝度に低下させる際に、第2ディスプレイの輝度についても第2輝度に低下させるので、省電力を図ることができる。
また、第2ディスプレイの輝度を第2輝度に低下させた後、かつ既定輝度に低下させる前に、ユーザ操作があった場合に、第1ディスプレイの輝度は上昇させて、第2ディスプレイの輝度は維持するため、第1ディスプレイに表示中の画像の視認性を高めると共に、第2ディスプレイにおけるキーの操作性の低下を抑制しつつも、省電力を図ることができる。
【0113】
(f)また、前記既定輝度はゼロより高く、前記輝度制御部は、更に前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させた後に、前記タッチパッドが入力を検出した場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持するよう制御することとしてもよい。
この携帯端末によれば、第2ディスプレイの輝度をゼロより高い既定輝度に低下させた後に、ユーザ操作があった場合に、第1ディスプレイの輝度は上昇させて、第2ディスプレイの輝度は維持するため、第1ディスプレイに表示中の画像の視認性を高めると共に、第2ディスプレイにおけるキーの操作性の低下を抑制しつつも、省電力を図ることができる。
【0114】
(g)また、各ディスプレイそれぞれは、LCD(Liquid Crystal Display)及び入力された電流量に応じた明るさで発光するバックライトを含み、前記輝度制御部は、前記制御を、各バックライトに入力されるべき電流量を低減することにより行うこととしてもよい。
この携帯端末によれば、各ディスプレイが液晶ディスプレイを含んで構成される場合に、各ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させる制御を、各バックライトへの入力電流量を低減させるという比較的簡単な方法で実現できる。
【0115】
(h)また、前記携帯端末は、電話機能又はメール機能を有するものであり、前記輝度制御部は、更に前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させた後に、電話又はメールの着信があった場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持又は前記第1ディスプレイの上昇後の輝度よりも低い輝度に上昇させるように制御することとしてもよい。
【0116】
この携帯端末によれば、第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させた後に、電話又はメールの着信があった場合に、第2ディスプレイの輝度を、少なくとも第1ディスプレイの上昇後の輝度よりも低い輝度に抑えるので、省電力を図ることができる。
(18)本発明に係る携帯端末の第1ディスプレイ及び第2ディスプレイは、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の第1ディスプレイ110及び第2ディスプレイ120に相当し、本発明に係る携帯端末の輝度制御部及び処理実行部は、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の輝度制御部172及び処理実行部174に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係る携帯端末は、タッチパッド付きのディスプレイを含む複数のディスプレイに画像を表示させて使用する場合に利用される。
【符号の説明】
【0118】
1、2 筐体
3 アーム
4 レシーバ
5 マイク
100 携帯電話機
110 第1ディスプレイ
111、121 LCD
112、122 バックライト
113、123 タッチパッド
114、124 コントローラ
120 第2ディスプレイ
130 光センサ
131 開閉検出センサ
132 加速度センサ
140 通信部
141 音声処理部
150 記憶部
160 計時部
170 制御部
171 状態判定部
172 輝度制御部
173 表示制御部
174 処理実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのディスプレイを有する携帯端末であって、
画像を表示する第1ディスプレイと、
複数のキーを表示する、タッチパッド付きの第2ディスプレイと、
両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる制御を行う輝度制御部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記既定輝度は、ゼロである
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、更に
前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度がゼロに低下した後一定時間を経過する時までに、前記タッチパッドが入力を検出した場合には、当該入力に応じた処理を実行し、当該一定時間を経過した時より後に、前記タッチパッドが入力を検出した場合には、当該入力に応じた処理を実行しない処理実行部を備え、
前記輝度制御部は、更に
前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイの輝度がゼロである場合において、前記タッチパッドが入力を検出したときに、各ディスプレイの輝度を上昇させるよう制御する
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記輝度制御部は、更に
前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間よりも短い既定時間を経過した際に、前記第1ディスプレイの輝度を前記既定輝度よりも高い第1輝度に低下させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記輝度制御部は、更に
前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記既定時間を経過した際に、前記第2ディスプレイの輝度を、前記既定輝度よりも高い第2輝度に低下させるよう制御し、
前記第2ディスプレイの輝度を前記第2輝度に低下させた後、かつ前記既定輝度に低下させる前に、前記タッチパッドが入力を検出した場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持するよう制御する
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記既定輝度はゼロより高く、
前記輝度制御部は、更に
前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させた後に、前記タッチパッドが入力を検出した場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持するよう制御する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項7】
各ディスプレイそれぞれは、LCD(Liquid Crystal Display)及び入力された電流量に応じた明るさで発光するバックライトを含み、
前記輝度制御部は、
前記制御を、各バックライトに入力されるべき電流量を低減することにより行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
前記携帯端末は、
電話機能又はメール機能を有するものであり、
前記輝度制御部は、更に
前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させた後に、電話又はメールの着信があった場合に、前記第1ディスプレイの輝度を上昇させ、前記第2ディスプレイの輝度を維持又は前記第1ディスプレイの上昇後の輝度よりも低い輝度に上昇させるように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項9】
第1ディスプレイと第2ディスプレイとを有する携帯端末における輝度制御方法であって、
前記第1ディスプレイに画像を表示する第1表示ステップと、
前記第2ディスプレイに複数のキーを表示する第2表示ステップと、
両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる制御を行う輝度制御ステップとを含む
ことを特徴とする輝度制御方法。
【請求項10】
第1ディスプレイと第2ディスプレイとを有する携帯端末におけるプロセッサに、輝度制御処理を行わせるためのプログラムであって、
前記輝度制御処理は、
前記第1ディスプレイに画像を表示する第1表示ステップと、
前記第2ディスプレイに複数のキーを表示する第2表示ステップと、
両ディスプレイによる消費電力量を低下させるために、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第1ディスプレイの輝度を既定輝度に低下させるまでの時間よりも、前記タッチパッドが最後に入力を検出してから、前記第2ディスプレイの輝度を前記既定輝度に低下させるまでの時間のほうが、ユーザが認識可能な一定程度長くなるように、各ディスプレイの輝度を低下させる制御を行う輝度制御ステップとを含む
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−11931(P2013−11931A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142612(P2011−142612)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】