携帯端末およびデータ通信システム
【課題】データ転送の要求なしにタイムリーに記憶データを更新する。
【解決手段】携帯電話20は、ワンセグ放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信した放送信号に基づく第1番組データを記憶部5に録画する番組録画部と、ディスク装置50から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、を有し、記憶部を検索し、第2番組データと同一番組の第1番組データが、録画済みであるか否かを検出する。第2番組データは、フルセグメントのテレビジョン放送信号に基づく番組データである。第2番組データを受信したとき、同一番組の第1番組データが録画されていないと検出したとき、受信した第2番組データを記憶部5に格納する。
【解決手段】携帯電話20は、ワンセグ放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信した放送信号に基づく第1番組データを記憶部5に録画する番組録画部と、ディスク装置50から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、を有し、記憶部を検索し、第2番組データと同一番組の第1番組データが、録画済みであるか否かを検出する。第2番組データは、フルセグメントのテレビジョン放送信号に基づく番組データである。第2番組データを受信したとき、同一番組の第1番組データが録画されていないと検出したとき、受信した第2番組データを記憶部5に格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびデータ転送システムに関し、特に、外部機器からデータを転送することによってデータ供給される携帯端末および携帯端末にデータを転送するデータ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話帳、スケジュールなどのデータに関し、パソコン(パーソナルコンピュータの略)、携帯電話(またはPDA(Personal Digital Assistant)端末など)間で双方が保持するデータを比較し、比較結果に基づき、両方において保持しているデータを最新にするソフトウェアが提供されている。
【0003】
このようなソフトウェアとして、たとえば、特許文献1では、携帯通信端末はコンテンツ提供センタと通信することによりデータのバージョン情報を参照する。参照した結果に基づき、携帯通信端末は受信するべきデータのうち、コンテンツ提供装置側で更新がされたデータを検出し、更新がされたデータのみをコンテンツ提供センタからダウンロードする。
【0004】
特許文献2では、クレードルは携帯電話からの録画予約情報に基づき番組を録画する。クレードルに携帯電話が装着されると、携帯電話はクレードルに転送要求を送信する。クレードルは要求に応じて録画した番組を携帯電話に転送する。
【0005】
特許文献3では、携帯電話装置からテレビ受信レコーダ宛てに放送内容の録画指示をした場合に、携帯電話装置側に指示情報を登録しておく。携帯電話装置がクレードルに装着されると、携帯電話装置は自己に登録した指示情報を元に録画内容の転送を要求し、再生するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−111573号公報
【特許文献2】特開2006−41905号公報
【特許文献3】特開2007−329692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は、携帯電話は、格納するデータを最新状態に更新するためには、コンテンツ提供装置、クレードルなどの外部装置にデータ転送の要求を送信する必要があり、タイムリーに最新の状態に更新することができない。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、データ転送の要求なしにタイムリーに記憶データを更新することが可能な携帯端末およびデータ通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従うと、携帯端末は、記憶部と、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、記憶部を検索し、番組受信部が受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、番組受信部が受信した第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを備え、第2番組データは、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データであり、番組格納部は、番組検索部が録画済みでないと検出したとき、番組受信部が受信した第2番組データを記憶部に格納する。
【0010】
好ましくは、番組格納部は、番組検索部が録画済みと検出した第1番組データを、番組受信部が受信した第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する。
【0011】
好ましくは、表示部と、記憶部から番組データを再生し表示部に表示する番組再生部と、をさらに備え、番組格納部は、番組検索部により録画済みと検出された第1番組データが、番組再生部により未再生であると検出したときは、番組受信部が受信した第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する。
【0012】
この発明の他の局面に従うと、携帯端末と、携帯端末にデータを転送して供給する情報処理装置と、を備えるデータ通信システムにおいては、携帯端末は、記憶部と、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、情報処理装置から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、記憶部を検索し、番組受信部が受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、番組受信部が受信した第2番組データを記憶部に格納する番組格納部とを含み、情報処理装置は、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データを、第2番組データとして格納する格納部と、携帯端末に未送信の第2番組データを、格納部から読出し、携帯端末に送信する番組データ送信部と、を含む。
【0013】
好ましくは、情報処理装置は、第2番組データを携帯端末に送信するタイミングを制御する送信タイミング制御部を、さらに含む。
【0014】
好ましくは、送信タイミング制御部は、格納部に第2番組データが格納される毎に、当該第2番組データを格納部から読出し、携帯端末に送信する。
【0015】
好ましくは、送信タイミング制御部は、所定時間間隔毎に、格納部を検索し、検索結果に基づき、携帯端末に未送信の第2番組データを読出し、携帯端末に送信する。
【0016】
好ましくは、携帯端末は、記憶部における空き容量を検出し、空き容量サイズを送信する容量検出部を、さらに含み、情報処理装置は、空き容量サイズを受信し、受信した空き容量サイズに基づき第2番組データのサイズを縮小するデータ縮小部を、さらに含み、番組データ送信部は、データ縮小部により縮小された第2番組データを、携帯端末に送信する。
【0017】
好ましくは、携帯端末は、情報処理装置に遠隔操作するための操作信号を送信する遠隔操作部を、さらに含む。
【0018】
好ましくは、情報処理装置は、第2番組データを、表示部において再生出力する番組再生出力部を、さらに含み、格納部の第2番組データのうち、遠隔操作部から受信した操作信号により、再生出力の指示がされた第2番組データは、前番組データ送信部による送信対象から外す。
【0019】
好ましくは、情報処理装置は、操作信号を送信する携帯端末と、第2番組データを送信すべき携帯端末が一致するか否かを検出する携帯検出部を、さらに含み、番組データ送信部は、携帯検出部により一致が検出されたとき、格納部の第2番組データのうち、遠隔操作部から受信した操作信号により指定される第2番組データを、携帯端末に送信する。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、記憶部を有する携帯端末におけるデータ処理方法は、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信ステップと、放送受信ステップが受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画ステップと、外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信ステップと、記憶部を検索し、番組受信ステップが受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索ステップと、番組検索ステップが録画済みでないと検出したとき、番組受信ステップが受信した第2番組データを記憶部に格納するステップとを、備え、第2番組データは、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、携帯端末は、何ら要求をしなくとも、外部機器から送信された第2番組データを受信すると、対応の番組は未だ録画していないと検出したとき、受信した第2番組データを記憶部に格納する。これにより、データ転送の要求なしにタイムリーに記憶データを更新することが可能となる。
【0022】
また、受信する第2番組データは、携帯端末が受信する第1番組データのそれよりも広周波数帯域を有したテレビジョン放送信号により放送される解像度の高い映像からなるので、携帯端末ではあっても、同一番組について、移動体向けのテレビジョン放送信号による番組データに代替して、解像度の高い映像による番組データを取得することができる。
【0023】
また、データ通信システムにおいて、情報処理装置の送信タイミング制御部は、格納部に追加された第2番組データを、検出して、携帯端末に送信するので、携帯端末における第2番組データの格納状態を、情報処理装置における第2番組データの格納状態と整合させるができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯電話の機能構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るディスク装置の機能構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯電話の記憶内容の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るディスク装置の記憶内容の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るディスク装置におけるデータの受信および録画の処理フローチャートである。
【図7】(A)と(B)はディスク装置におけるデータの転送タイミングに従う処理フローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る携帯電話の処理フローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態に係る携帯電話におけるディスク装置から受信したデータを格納する動作の処理フローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態に係る携帯電話をリモコンとして用いた場合のデータ転送の処理フローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態に係る携帯電話をリモコンとして用いた場合のデータ再生の処理フローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態に係る表示例を説明する図である。
【図13】(A)〜(C)は、この発明の実施の形態に係る他の表示例を説明する図である。
【図14】(A)〜(D)は、この発明の実施の形態に係る更なる他の表示例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のデータ通信システムの実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一の構成要素には各図において同一の符号を付し、詳細な説明は繰返さない。
【0026】
本発明に係るデータ通信システムは、「データ供給のための情報処理装置」から「端末」へデータを供給するシステムである。「端末」は、外部の機器または外部のネットワークなどとの通信機能を有した、たとえば、携帯型電話機(以下、携帯電話という)や、PDA、ノート型パーソナルコンピュータなどの情報処理端末である。本実施の形態では、「端末」の代表例として、携帯電話を用いて説明する。
【0027】
また、「データ供給のための情報処理装置」は、記憶部を有し、記憶部からデータを読出し、読出したデータを「端末」に転送することによりデータを供給する。
【0028】
ここでは、供給されるデータの一例として、複数セグメントを使用して放送された番組データを挙げる。より具体的には、フルセグメントを利用して放送された番組データである。
【0029】
「データ供給のための情報処理装置」の代表例として、本実施の形態では、ディスク装置を挙げるが、パーソナルコンピュータなど汎用のコンピュータであってもよい。ディスク装置は、内蔵するディスクにデータを記録し、記録したデータをディスクから読出し、読出したデータを、「端末」に送信する。とりわけ、本実施の形態では、ハイビジョン放送信号による番組データを録画可能なように、記録密度が高く且つ大容量のブルーレイディスク装置を例示する。
【0030】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、本実施の形態に係るデータ通信システムは、携帯電話20、ブルーレイディスク装置(以下、単にディスク装置という)50および携帯電話20とディスク装置50との間のデータ通信を中継するクレードル40を備える。クレードル40は、携帯電話20を充電するための機能を有する。
【0031】
携帯電話20は、外部のネットワーク(放送網、電話網などを含む)に接続するために、無線通信するためのアンテナ2を有する無線部3、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されるマイクロコンピュータとしての制御部1、無線部3を介して受信した信号を処理する信号処理部4、各種のデータおよびプログラムなどを記憶するための記憶部5、クレードル40との間で通信路21を介して信号・データの入出力を行なうための信号入出力部6、充電可能な内蔵バッテリ部7、音を出力するためのスピーカ8、音を入力するためのマイク9、情報表示のための液晶ディスプレイなどの表示部10、キー、ボタンなどを含み、外部から操作されることにより操作に従う指示信号を入力するための操作部11、携帯電話20がディスク装置50のリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)として操作された場合においてリモコン信号をディスク装置50との間で通信するための操作信号通信部12、メモリ14および動作状態等を報知するために点灯・点滅するLED(Light Emitting Diode)15を含む。
【0032】
無線部3は、アンテナ2を介して各放送局から送信されるテレビジョン放送信号を受信するためのチューナ13を含む。
【0033】
表示部10は、メイン表示部101とメイン表示部101の画面よりも小さいサイズのサブ表示部102とを含む。これら表示部は、たとえば携帯電話20の筐体の表面と裏面とに設けられる。
【0034】
信号入出力部6は、電源I/F(Interfaceの略)6Aと通信I/F(Interfaceの略)6Bを含む。信号入出力部6は、クレードル40から、通信路21を経由して電力信号およびデータ信号を入力する。電源I/F6Aは、通信路21を介して与えられる電力信号を入力し、内蔵バッテリ部7に供給する。内蔵バッテリ部7は、内蔵する電池を、供給される電力信号に基づき充電する。通信I/F6Bは、通信路21を経由してクレードル40から与えられるデータ信号を入力し、制御部1に与える。制御部1は、与えられたデータ信号を入力して処理し、記憶部5の所定領域にデータを格納する。
【0035】
メモリ14には、当該携帯電話20を一意に識別するための識別子MIDが予め格納されている。
【0036】
ディスク装置50は、書換え可能なブルーレイディスクを含むディスク記憶部54、CPU51、クレードル40との間でデータ、信号などを入出力するための入出力部52、放送局から送信される番組放送信号を受信するためのアンテナ57を接続するチューナ56、チューナ56により受信した放送信号を処理するための放送信号処理部53、携帯電話20との間でリモコン信号を送受信するための操作信号通信部58、ディスク記憶部54から読出した番組データを、テレビジョン受像機など外部の表示部80に出力するための表示I/F59、およびメモリ55を備える。
【0037】
メモリ55には識別子PIDが格納される。ディスク装置50は、操作信号通信部58を介してリモコン信号とともに入力した識別子MIDを、識別子PIDとしてメモリ55に格納する。
【0038】
クレードル40は、CPU31、外部の商用電源35から電力信号を入力するためのAC(Alternating Current)電源I/F33、ディスク装置50との間で通信路41を介してデータおよび信号を入出力するための入出力部34、携帯電話20との間でデータ信号および電力信号を入出力するための信号入出力部32を備える。信号入出力部32は、電力信号を携帯電話20に供給するための電源I/F32Aおよびデータ信号を携帯電話20へ供給するための通信I/F32Bを含む。クレードル40は、携帯電話20が載置される部分を有する。当該部分に携帯電話20が載置されると、携帯電話20の信号入出力部6と、クレードル40の信号入出力部32は通信路21を介して通信可能に接続される。このような接続状態において、クレードル40は携帯電話20に対し、商用電源35から供給される電力信号を送信し、また、ディスク装置50から受信したデータ信号を送信する。
【0039】
ここでは、通信路21と41は、ケーブルを介した有線の通信路であってもよく、また、IrDA(Infrared Data Association)またはBluetooth(登録商標)の無線による通信路であってもよい。通信路21と41では、USB(Universal Serial Bus)のプロトコル(規格)に従い通信が行なわれると想定する。USBのプロトコルは、一般の家電機器に適用されるプロトコルであり汎用性を有する。なお、適用されるプロトコルはUSBに限定されるものではない。
【0040】
クレードル40は通信路21のケーブルを介して携帯電話20と接続される場合には、ケーブルの携帯電話20との接続端は、信号入出力部6に着脱自在に接続される。同様に、クレードル40は通信路41のケーブルを介してディスク装置50と接続される場合には、ケーブルのディスク装置50との接続端は、入出力部52に着脱自在に接続される。
【0041】
本実施の形態では、携帯電話20がクレードル40に載置されない状態では、すなわちデータ通信および充電が行なわれない状態では、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして用いることができる。図1では、携帯電話20がリモコンとして用いられる状態が破線で示されている。
【0042】
<機能構成>
図2には、プログラム・データなどのソフトウェアまたはハードウェアにより実現される携帯電話20の機能構成が示される。図2を参照して、携帯電話20は、記憶部5および制御部1に対応するデータ管理部201、制御部1が有するメモリ容量検出部202、アンテナ2およびチューナ13を含む無線部3に対応する放送信号受信部203、制御部1が有する録画優先制御部204、電源I/F6Aおよび内蔵バッテリ部7が対応する充電制御部205、操作信号通信部12に対応し、且つ携帯電話20をディスク装置50の遠隔操作部であるリモコンとして機能させるためリモコン部206、アンテナ2および無線部3、ならびにスピーカ8およびマイク9に対応する通話部207、アンテナ2および無線部3を介してメールなどのデータを受信または送信するデータ通信部208、操作部11に対応する入力処理部209および通信路21を介して受信したデータをUSBに従い受信するためのUSB通信部210を含む。
【0043】
データ管理部201は、ディスク装置50から、クレードル40を介して供給されたデータについて記憶部5への書込/読出を制御するために、上書き記録部211、選択記録部212、データ削除部213およびデータ読出部214を含む。本実施の形態では、説明を簡単にするために、ディスク装置50から携帯電話20に供給されるデータは、テレビ局などの各放送局から送信される番組のコンテンツのデータであると想定するが、これに限定されるものではない。
【0044】
上書き記録部211は、ディスク装置50から受信した番組データを入力すると、所定の基準に基づき、記憶部5に録画されている番組データを、入力した番組データを上書きすることにより更新する。選択記録部212は、番組データを入力すると、入力した番組データを所定基準に基づき選択的に記憶部5に録画する。データ削除部213は、記憶部5に格納されている番組データを所定基準に従い削除する。データ読出部214は、記憶部5に格納された番組データを読出す。
【0045】
図3には、プログラム・データなどのソフトウェアまたはハードウェアにより実現されるディスク装置50の機能構成が示される。図3を参照してディスク装置50は、ディスク記憶部54に録画される番組データを管理するためのデータ管理部501、ディスク記憶部54から番組データを読出し携帯電話20に送信するタイミングを制御するための送信タイミング制御部502、アンテナ57およびチューナ56を介してテレビジョン放送の番組データを受信するための放送信号受信部503、ディスク記憶部54に録画された番組データの情報を一覧にして示す番組表を携帯電話20に送信するための番組表送信部505を備える。
【0046】
さらに、ディスク記憶部54から番組データを読出し、携帯電話20に送信するための番組データ送信部506、ディスク記憶部54から番組データを読出し、表示I/F59を介して外部の表示部80に出力するための番組データ再生部507、携帯電話20から遠隔操作を受けるためのリモコン信号を送受信するリモコン部508および入出力部52に対応の入出力制御部509を備える。
【0047】
さらに、ディスク装置50は、携帯電話20に送信する番組データのサイズを小さくするデータ縮小部510、上述の番組表を検索する番組表検索部511、携帯電話20の識別子MIDをチェックするための携帯電話チェック部514、およびディスク記憶部54の番組データを検索するための番組データ検索部515を備える。
【0048】
データ管理部501は、ディスク記憶部54に録画された番組データについて、携帯電話20に送信する対象となるデータを管理するための送信データ管理部511、操作信号通信部58を介して受信したリモコン信号に基づき再生された番組データを管理するためのリモコン再生データ管理部512、およびディスク記憶部54に録画された番組データを管理する録画データ管理部513を含む。
【0049】
データ縮小部510は、携帯電話20の記憶部5における、新たなデータを格納可能な容量(サイズ)に基づき、携帯電話20に送信すべき番組データのサイズを小さくする。たとえば、データの圧縮、間引き、コマーシャルの削除などの縮小処理をする。
【0050】
<放送信号について>
ここで、本実施の形態に係るテレビジョン放送信号の受信態様について説明する。
【0051】
各放送局からのテレビジョン放送は、携帯電話20などの移動体端末向けの1セグメント放送(以下、‘ワンセグ’放送と略す)と、フルセグメント放送(以下、‘フルセグ’放送と略す)に分類される。したがって、1つのテレビ番組は、ワンセグ放送とフルセグ放送により放送されていると想定する。
【0052】
地上デジタル放送方式では、1つのチャンネルが、所定サイズの周波数帯域を有した13個の「セグメント」に分割されており、これをいくつか束ねて映像やデータや音声などが送信(放送)されている。13個の「セグメント」のうち、1個のセグメントがワンセグ放送に利用される。したがって、携帯電話20は、残りの12個のセグメントを使用したハイビジョン放送などのフルセグ放送による番組データを受信することはできないが、ワンセグ放送による番組データは受信することができる。
【0053】
利用可能な周波数帯域のサイズが小さいワンセグ放送の解像度は、複数のセグメントを使用した放送や、フルセグ放送による画像の解像度に比べると低い。したがって、ユーザは、同じ番組であれば、ワンセグ放送で視聴するよりも、画質に優れるフルセグ放送などで視聴することを好む。
【0054】
本実施の形態では、携帯電話20は、ディスク装置50からフルセグ放送により録画した番組データを受信することにより、ユーザが好むフルセグ放送による番組データも取得することができる。なお、携帯電話20は、ワンセグ放送による番組データおよびフルセグ放送による番組データのそれぞれを、表示部10で表示(再生)することが可能なデータ処理機能を搭載していると想定する。
【0055】
<記憶内容>
図4を参照して、携帯電話20の記憶部5には、番組データ群70、番組IDテーブル71および管理テーブル72が格納される。
【0056】
番組データ群70には、ワンセグまたはフルセグの番組データAが1つ以上含まれる。番組IDテーブル71は、番組データ群70の各番組データAに関連付けて当該番組データを識別するための番組ID(Identification)データBが格納される。
【0057】
番組IDテーブル71の番組IDデータBは、関連付けられた番組データAを識別するための情報として、番組名のデータ、放送日時のデータ、録画に要した時間を指す録画時間のデータおよび放送局を指すデータを含む。これらデータは、放送局から送信される電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を受信し、受信した電子番組表を検索することにより、取得できる。
【0058】
管理テーブル72は番組IDテーブル71の番組IDデータBに関連付けてレコードCを格納する。レコードCは、関連付けられた番組IDデータBが指示する番組データAが記憶部5に録画済(格納されている)か否かを示すデータC1と、当該番組データAが記憶部5から読出されて表示部10に表示(再生)されたか否かを指示する再生済のデータC2を含む。データC1は、未録画であれば“0”が設定され、録画済であれば“1”または“2”が設定される。データC1は、番組データAが、ワンセグ放送による番組データである場合には‘1’を指示し、フルセグ放送の番組データである場合には“2”を指示する。データC2は、番組データAが再生済であれば“1”が設定され、まだ再生されていなければ“0”が設定される。
【0059】
図5を参照して、ディスク装置50のディスク記憶部54には、アンテナ57を介してフルセグ放送により受信した番組データRが1つ以上含まれる番組データ群60、番組IDテーブル61、サイズテーブル62および管理テーブル63が格納される。
【0060】
番組IDテーブル61は、番組データ群60の番組データRのそれぞれに関連付けて、当該番組を識別するための番組IDデータPを含む。サイズテーブル62は、番組IDテーブル61の各番組IDデータPに関連付けて、対応の番組データのサイズを示すサイズデータSを含む。
【0061】
管理テーブル63は、番組IDテーブル61の番組IDデータPのそれぞれに対応して、レベルコードQを含む。レコードQは、対応の番組IDデータPに関連付けられた番組データRが、ディスク記憶部54から読出されて表示I/F59を介して表示部80に表示(再生)されたか否かを示す再生済のデータQ1と、当該番組データRがクレードル40を経由して携帯電話20に送信されたか否かを示す送信済のデータQ2を含む。データQ1は、再生済を“1”で示し、未再生を“0”で示す。データQ2は送信済を“1”で示し、未送信を“0”で示す。
【0062】
番組IDテーブル61の番組IDデータPは、関連付けられた番組データRを識別するための情報として、番組名のデータP1、放送日時のデータP2、ディスク装置50による録画に要した時間を指す録画時間のデータP3および放送局を指すデータP4を含む。データP1、P2およびP4は、放送信号に重畳された電子番組表を受信し、受信した電子番組表を検索することにより、取得できる。
【0063】
<動作について>
図1のデータ通信システムの動作について図6〜図11のフローチャートに従い説明する。
【0064】
図6を参照して、ディスク装置50におけるフルセグ放送による番組データの受信および録画について説明する。
【0065】
CPU51は、録画指示が入力するまで待機する(ステップS1でNO)が、図示されない操作部から録画指示、または操作信号通信部58を介してリモコン信号が指す録画指、または予め予約された番組録画の指示を入力すると(ステップS1でYES)、放送信号受信部503は、入力した録画指示に基づきチューナ56を制御する。これによりチューナ56は指示信号が指す番組の放送局(チャンネル)を選局するためのチューニング動作を行なう(ステップS3)。
【0066】
チューニング動作が終了すると、放送信号受信部503はアンテナ57およびチューナ56を経由し、指定チャンネルのフルセグ放送のよる番組の放送信号を受信する(ステップS5)。受信したバ番組の放送信号は放送信号処理部53により復調などの処理がされることにより番組データが検出されて、CPU51の制御の下に、ディスク記憶部54の番組データ群60に、番組データRとして録画される(ステップS7)。
【0067】
データ管理部501の録画データ管理部513は、録画した番組データRに関連付けて、電子番組表から検出した当該番組データRの番組IDデータPを格納するとともに、当該番組データRのサイズを検出してサイズデータSをサイズテーブル62に格納する。さらに、番組IDデータPに関連付けて管理テーブル63にレコードQを格納する。このレコードQのデータQ1およびQ2には、値“0”を設定する(ステップS9)。
【0068】
これにより、ディスク装置50におけるフルセグ放送による番組データの録画動作が終了する。
【0069】
次に、図7(A)と(B)の処理フローチャートを参照し、ディスク装置50による番組データRの携帯電話20への転送タイミングに関する処理について説明する。
【0070】
ここでは、携帯電話20は、クレードル40に載置されて通信路21を経由してクレードル40と通信可能な状態にあり、また、クレードル40とディスク装置50とは通信路41を経由してデータ通信が可能な状態(これを、メモリモードと呼ぶ)にあると想定する。
【0071】
メモリモードは、ユーザが操作部11を操作することにより指定できる。または、ディスク装置50から通信路21および41ならびにクレードル40を経由して、メモリーモードへ移行するように指示してもよい。
【0072】
本実施の形態では、データ転送のタイミングは、ディスク装置50により図6の手順に従い番組データが録画されたときに検出する態様(図7(A)参照)と、所定期間毎に、すなわち周期的に検出する態様(図7(B)参照)とがある。
【0073】
送信タイミング制御部502は、図6に従う番組データRの録画の完了を検出すると、図7(A)の処理を開始する。つまり、録画データ管理部513により、録画された番組データRについての関連データの設定処理(ステップS9)が終了したことが通知されると、送信タイミング制御部502は録画の完了を検知する(ステップS11でYES)。
【0074】
送信タイミング制御部502は、録画完了を検知すると、番組データ送信部506を制御する。番組データ送信部506は、録画された番組データRと関連付けされた番組IDデータPとを、ディスク記憶部54から読出す(ステップS13)。そして、読出した番組データRと番組IDデータPを入出力部52を介してUSBプロトコルに従い通信路41に出力する。これにより、番組データはクレードル40に送信される(ステップS15)。クレードル40は、入出力部34を介して通信路41から受信した番組データRを、CPU31の制御の下に、信号入出力部32の通信I/F32Bを介して携帯電話20の信号入出力部6に送信する(ステップS15)。読出した番組データRの携帯電話20への送信が完了したことを番組データ送信部506が検出すると、その検出信号は送信データ管理部511に与えられる。
【0075】
送信データ管理部511は、送信完了の検知信号を入力すると、送信された番組データRに関連付けられた番組IDデータPに関連のレコードQのデータQ2を、送信済を指示するように“1”に設定(更新)する(ステップS17)。
【0076】
上述の図7(A)の処理は番組データRの録画が完了したタイミングで送信を開始しているが、番組データの送信はこのタイミングに限定されず、図7(B)のように周期的に行なわれるようにしてもよい。
【0077】
CPU51は、図示されないタイマから所定間隔を計時する毎に(周期的に)割込を受けると、当該割込に応じて送信タイミング制御部502を起動する。
【0078】
送信タイミング制御部502は、上述の割込に応じて起動されると番組表検索部511を制御する。
【0079】
図7(B)を参照して、番組表検索部511は送信タイミング制御部502から指示されると、ディスク記憶部54の番組IDテーブル61を検索し、番組IDデータPに関連付けられた管理テーブル63のレコードQを検索する(ステップS21)。レコードQの検索結果に基づき、データQ2の値が“0”であるレコードQが有るか否かを検出する。これにより、携帯電話20に未送信の番組データRの有無が検出される(ステップS23)。関連付けられたレコードQのデータQ2が“0”を指す番組データRがないことを検出すると(ステップS23でNO)、一連の処理は終了する。
【0080】
関連付けられたレコードQのデータQ2が“0”を指す番組データRがある、すなわち未送信の番組データRが検出されると(ステップS23でYES)、当該レコードQに関連付けされた番組IDデータPと、これに関連の番組データRを検索して読出し、読出した番組IDデータPと番組データRを通信路41に送信する(ステップS27)。これにより、番組IDデータPと番組データRはクレードル40を経由して携帯電話20に送信される。
【0081】
番組データRと番組IDデータPの送信が完了すると、番組データ送信部506は送信完了の通知を送信データ管理部511に与える。送信データ管理部511は送信完了の通知を受けると、送信済設定の処理を、前述したステップS17と同様の処理を行なう(ステップS29)。
【0082】
次に、図8を参照して、携帯電話20がメモリモードにおいて、ディスク装置50から受信した番組データを録画する動作について説明する。
【0083】
まず、データ通信部208は、信号入出力部6の通信I/F6Bを経由して、ディスク装置50から番組データRと関連の番組IDデータPを、受信するか否かを判定し(ステップS31)、受信したことを検知するまで待機する(ステップS31でNO)。USBプロトコルに従う受信フレームを解析することにより、番組データRおよび番組IDデータPの受信を検出する(ステップS31でYES)。これらデータの受信を検出すると、データ通信部208は、処理を制御する一時的なフラグデータFを‘0’にセットする(S33)。
【0084】
続いて、上書き記録部211は、番組データRに対応の番組データAが既に格納されているか否かを判定する(ステップS35)。
【0085】
具体的には、番組データRとともに受信した番組IDデータPの番組名のデータP1に基づき、IDテーブル71を検索する。検索結果に基づき、IDテーブル71に、当該データP1に一致する番組名を指示する番組IDデータBが格納されているか否かを判定する。格納されていないと判定すると(ステップS35でNO)、受信した番組データRを格納するために、後述の録画処理(ステップS43)に移行する。
【0086】
一方、一致する番組IDデータBが格納されていると判定すると(ステップS35でYES)、フラグデータFを“1”にセットする(ステップS37)。
【0087】
ステップS39において、上書き記録部211は、録画済みと判定した番組データAが、携帯電話20において再生済であるか否かを、当該番組データAに関連付けられたレコードCのデータC2に基づき判定する(ステップS39)。対応のデータC2が“1”を指示すると判定すると(ステップ39でYES)、すなわち当該番組データAは再生済みでありユーザが視聴済みと判定すると、受信した番組データRは格納せずに破棄し(ステップS41)、一連の処理を終了する。
【0088】
一方、データC2が“0”を指示していると判定すると(ステップS39でNO)、すなわち当該番組データAは再生済でなく未だユーザは視聴していないことを検出する。
【0089】
続いて、上書き記録部211は、当該番組データAがフルセグ放送の番組データであるかを対応のデータC1が“2”を指すか否かにより検出する(ステップS42)。“2”を指示すると検出すると(ステップS42でYES)、前述したステップS41の処理に移行する。一方、データC1が“2”を指示しないと検出すると(ステップS42でNO)、後述の録画処理(ステップS43)に移行する。
【0090】
このように、携帯電話20は、ディスク装置50からフルセグ放送の番組データRを受信した場合において、対応のワンセグ放送の番組データAが録画されており且つ当該番組データAが未再生であれば、受信した番組データRを格納するように動作する。したがって、ディスク装置50から転送されたフルセグ放送による画質に優れた番組データRであっても、一致する番組データAが既に携帯電話20において再生済みであれば、録画処理はスキップされる。
【0091】
これにより、ディスク装置50から転送される番組データRのうち、一致するワンセグ放送の番組データが未だ録画されていない、またはワンセグ放送の番組データが録画されているけれども未だ再生されていない場合に限り、受信した番組データRを格納する。したがって、ユーザが番組を一度再生すると、その後は繰返し再生する傾向は低いこと、また、同じ番組ならば、ユーザはワンセグ放送よりも画質に優れるフルセグ放送による番組視聴を好むとの傾向が高いことに鑑みると、図8の録画処理によってユーザの要求も満たすことができる。
【0092】
次に、図9の処理フローチャートを参照して、図8に示した録画処理(ステップS43)の詳細について説明する。
【0093】
上書き記録部211は、フラグデータFが“1”を指示するか否かを判定する(ステップS51)。F=“1”であると判定すると(ステップS51でYES)、番組データRを番組データAの領域に上書き格納する(ステップS53)。そして、番組データAに関連付けされたレコードCのデータC1を“2”に設定する。対応のデータC2は“0”のままである。また、関連付けされた番組IDデータBを、当該番組データRとともに受信した番組IDデータPを上書きすることにより更新する(ステップS55)。これにより、同一番組のワンセグ放送による未再生の番組データAは、フルセグ放送による番組データRに書換えられて、番組データRの格納が完了する。
【0094】
一方、フラグデータFが“1”ではないと判定されると(ステップS51でNO)、受信した番組データRを、番組データ群70に番組データAとして新規に格納する(ステップS57)。そして、番組データRとともに受信した番組IDデータPを、番組IDデータBとして当該新規格納された番組データAに関連付けてテーブル71に追加格納し、さらに、追加格納した番組IDデータBに関連付けて新たなレコードCをテーブル72に格納する。当該レコードCのデータC1は“2”を指示し、データC2は未再生“0”を指示するように設定される(ステップS59)。
【0095】
次に、図10を参照して、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして用いて、番組データの携帯電話20への転送が指示される場合の処理を説明する。
【0096】
携帯電話20のリモコン部206は、リモコンモードにおいて機能する。携帯電話20の操作部11が操作されて、リモコンモードに遷移すると、リモコン部206が起動する。リモコン部206は、ユーザが操作部11を操作して、番組表要求指示が入力されたか否かを入力処理部209の出力信号に基づき判定する(ステップS61)。番組表要求指示が入力されたと判定すると(ステップS61でYES)、番組表要求のリモコン信号を、リモコン信号通信部12を介しディスク装置50に送信する(ステップS63)。リモコン信号は、たとえば赤外線信号に変調されて送信される。
【0097】
ステップS65においては、リモコン部206はディスク装置50から番組表を受信したか否かを判定する(ステップS65)。番組表を受信したと判定すると(ステップS65でYES)、受信した番組表を、表示部10を介して表示する(ステップS67)。
【0098】
ステップS69では、表示部10に表示された番組表を確認したユーザは、操作部11を操作し、所望番組の転送を指示するリモコン操作を行う。図1の破線で示した状態が対応する。リモコン操作の入力を検知すると(ステップS69でYES)、リモコン部206は入力した操作内容に従うリモコン指令信号を生成する。そして、メモリ14から識別データMIDを読みだす。その後、生成した指令信号と読出した識別データMIDとをリモコン信号に変調して送信する(ステップS71)。
【0099】
この指令信号を送信後、ディスク装置50から番組データを受信するために、ユーザは、携帯電話20を、クレードル40に載置する。これにより通信路21および41ならびにクレードル40によるデータ通信経路が確立する。
【0100】
その後、携帯電話20のUSB通信部210は、通信路21を経由してディスク装置50から番組データRを受信する(ステップS73)。上書き記録部211は、受信した番組データRを格納する(ステップS75)。この録画処理は、前述した図8および図9の処理と同じであり、説明は略す。
【0101】
一方、ディスク装置50においては、リモコン部508は、ステップS63から送信された要求信号を受信するまで待機する(ステップS77)。要求信号を受信したと判定すると(ステップS77でYES)、番組表送信部505は、ディスク記憶部54の番組IDテーブル61を読出し、読出した番組IDテーブル61の番組IDデータPに基づき番組表を生成し、生成した番組表をリモコン部508を介して携帯電話20に送信する(ステップS79)。
【0102】
続いて、リモコン部508は、携帯電話20から、番組データの送信要求の指令信号を受信するまで待機する(ステップS81)。前述のステップS71において送信された指令信号を受信するか否かを判定し(ステップS81)、指令信号を受信したと判定すると(ステップS81でYES)、リモコン部508は指令信号を携帯電話チェック部514に出力し、指令信号とともに受信した識別データMIDをメモリ55に識別データPIDとして格納する。
【0103】
携帯電話チェック部514は、指令信号を入力すると携帯電話20のチェック処理を行なう(ステップS83、S85)。
【0104】
携帯電話20のチェック処理において、携帯電話20は、ユーザによってクレードル40に載置された状態にあるので、携帯電話チェック部514は、通信路21および41ならびにクレードル44を経由し、携帯電話20に対し識別データMIDを要求する。この要求に応じて携帯電話20においては、制御部1によりメモリ14から識別データMIDが読出されて、読出された識別データMIDは通信I/F6Bを経由し、通信路21および41ならびクレードル40を経由してディスク装置50に与えられる。
【0105】
携帯電話チェック部514は、入出力部52を介して、携帯電話20から送信された識別データMIDを受信すると、受信した識別データMIDと、メモリ55から読出した識別データPIDとを比較する。比較結果に基づき両データが一致するか否かを判定する(ステップS83、S85)。2つのIDデータが一致している、すなわちステップS81において受信した指令信号の送信元の携帯電話20が、クレードル40に載置された状態の携帯電話20に一致するかを検出する。
【0106】
一致していることを検出すると、番組データ検索部515は、ステップS81において受信した指令信号に含まれる要求された番組データの番組IDデータBに基づき、番組IDテーブル61を検索する。検索結果、受信した番組IDデータBに一致する番組IDデータPを検出すると、検出した番組IDデータPに関連付けられた番組データ群60の番組データRを読出す(ステップS87、S89)。読出した番組データRは、番組データ送信部506に与えられる。
【0107】
番組データ送信部506は、与えられる番組データRを、入出力部52および通信路41を介してクレードル40に送信する。クレードル40は、USBプロトコルに従い番組データRを受信し、受信した番組データRをUSBプロトコルに従い、携帯電話20に送信する(ステップS91)。これにより、携帯電話20においては、ステップS73においてディスク装置50から番組データRを受信し、格納する(ステップS73、S75)。
【0108】
ステップS93においては、送信データ管理部511は、ディスク記憶部54の番組データ群60のうち今回読出されて携帯電話20に送信された番組データRに対応の番組IDデータPに関連付けられた管理テーブル63のレコードQのデータQ2を“1”に更新する。これにより、対応の番組データRは携帯電話20に送信済であることが管理される。
【0109】
次に、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして使用し、ディスク装置50に接続された表示部80に所望の番組データを表示(再生)する場合の処理について、図11を参照し説明する。
【0110】
まず、ユーザは手元の携帯電話20を操作部11を介してリモコンモードに設定する。リモコンモードに設定後、ユーザが操作部11を操作して、所望の番組データRの番組名を指定して再生を指示するリモコン信号を、ディスク装置50に向けて送信する(図1の破線で示した状態を参照)。番組データRを指定するために、番組データ再生部507は番組IDテーブル61を読出し、読出した内容に基づき番組名データP1による番組名一覧表を生成し、表示部80に表示する。ユーザは、表示された番組表から所望の番組名を指定できる。
【0111】
ディスク装置50のリモコン部508は、携帯電話20から送信されたリモコン信号を、操作信号通信部58を介して受信する(ステップS97)。
【0112】
リモコン部508は、受信したリモコン信号を解析し、その解析結果に基づき、番組表検索部511は、リモコン信号が指示する番組名に従い、番組IDテーブル61を検索する。
【0113】
番組表検索部511は、指示された番組名に一致する番組名データP1を有する番組IDデータPを番組IDテーブル61から検索すると、番組データ検索部515は、当該番組IDデータPに関連付けられた番組データRを番組データ群60から検索し、読出す(ステップS99)。
【0114】
読出された番組データRは、番組データ再生部507に与えられる。番組データ再生部507は、与えられる番組データRを外部の表示部80に表示可能なようにデータ処理し、処理されたデータを表示I/F59を介して外部の表示部80へ出力する。これにより、外部の表示部80においては、ユーザが指定した番組データRに従う映像が表示され、また音声が出力される(ステップS101)。
【0115】
データ管理部501のリモコン再生データ管理部512は、表示部80に表示(再生)された番組データRに対応の番組IDデータPに関連付けられたレコードQのデータQ1を“1”に更新する。これにより、当該番組データRは、既に携帯電話20のリモコン操作により、表示部80において再生出力されたことが管理される(ステップS103)。
【0116】
したがって、携帯電話20に番組データRを送信する場合において、当該携帯電話20がリモコンとして用いられて、表示部80に再生表示済みである場合には(データQ1が“1”)は、未送信(データQ2が“0”)であるとしても、送信対象から外し、送信しないようにしてもよい。
【0117】
<データ転送時の表示例>
図12〜図14には、上述した番組データRの転送時における、携帯電話20とディスク装置50の表示画面の一例が示される。
【0118】
図12〜図14では、携帯電話20の表示態様と、ディスク装置50の表示態様とが対応付けて示される。携帯電話20の表示態様としてメイン表示部101、サブ表示部102およびLED15の表示が関連付けて示されて、ディスク装置50の表示態様として表示部80の表示、およびディスク装置50の本体に設けられた液晶表示部81とLED82の表示が関連付けて示される。これら表示部のメッセージ表示およびLEDの点灯は、携帯電話20側はメッセージ出力部215により制御されて、ディスク装置50側はメッセージ出力部516により制御される。
【0119】
図12を参照して、携帯電話20がメモリモードに遷移し番組データRの転送が開始される直前には、メイン表示部101およびサブ表示部102には“メモリモード”のメッセージが表示されて、LED15は点灯状態となる。また、表示部80に所定のメニューが表示されるか、転送するべき番組データRがある場合には、携帯電話20に自動的に番組データRを転送開始する旨のメッセージが表示される。
【0120】
図13(A)を参照して、メモリモードにおいて番組データRの自動転送が行われている場合には、メイン表示部101およびサブ表示部102には、データ転送中であり携帯電話20をクレードル40から取外さないように注意喚起のメッセージが表示される。LED15は、転送中は点滅状態となる。また、表示部80にも、携帯電話20にデータ転送中であるメッセージが表示されるとともに、転送したデータ量をインジケータと%の数値で表示する。液晶表示部81には%数値が表示され、LED82は消灯から点灯の状態となる。
【0121】
図7(A)または(B)の転送タイミングに従い番組データRのデータ転送が行われた結果、転送が完了すると、すなわちUSBプロトコルに従うエンドフレームの受信を検出すると、図13(B)に示すように、データ転送が終了したことのメッセージが、各表示部に表示されて、LED15は元の点灯状態に戻る。液晶表示部81には%数値は‘100’と表示され、またLED82は消灯し、データ転送が終了していることが通知される。
【0122】
図13(B)のメッセージを確認したユーザは、携帯電話20をクレードル40から取外す。信号入出力部6が、この取り外しを検出すると、メイン表示部101は所定の待ちうけ画面が表示される。そして、メイン表示部101およびサブ表示部102には、‘新着の番組データ’がある旨のメッセージが表示される。LED15は点灯から消灯に切換えられる。
【0123】
図14(A)〜(D)には、ステップS67で携帯電話20において表示した番組表を、表示部80に表示して、転送を所望する番組データRをディスク装置50の図示しない操作部を操作して指定し、携帯電話20に転送する場合の表示例が示される。
【0124】
図14(A)において表示部80には、番組データRを指定するために番組名データP1に従う番組名の一覧が表示される。このうち、携帯電話20に未転送のデータの番組名のみ表示態様を変更させてもよく、また、未転送の番組名のみ一覧表示してもよい。図中では、ユーザが転送すべきデータとして選択した番組名が強調表示される。
【0125】
指定された番組名の番組データRが番組データ群60から読出されて、ディスク装置50から携帯電話20に送信される。データ転送の開始、データ転送中、転送完了および携帯電話20をクレードル40から取外した場合の各表示部における表示メッセージ、LEDの点灯/消灯は図13に示したものと同様である。
【0126】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態においては、クレードル40を経由した番組データRの転送を説明したが、クレードル40を介さずに、携帯電話20とディスク装置50とが直接にケーブルなどで接続されて、USBプロトコルに従い番組データ転送のための通信を行なうようにしてもよい。その場合においても、携帯電話20とディスク装置50との間はケーブルを介した有線接続であってもよく、またケーブルを介さない無線接続であってもよい。
【0127】
また、クレードル40を経由したディスク装置50から携帯電話20への番組データの転送は、クレードル40による携帯電話20の内蔵バッテリ部7の電池の充電動作と並行して行なわれてもよい。
【0128】
また、ディスク装置50から番組データRを携帯電話20に転送する際に、記憶部5の空き容量に従い、番組データを転送するようにしてもよい。具体的には、携帯電話20のメモリ容量検出部202は、記憶部5の番組データAを格納可能なメモリサイズ(空き容量サイズ)を検出し、検出した空き容量サイズのデータをディスク装置50に送信する。ディスク装置50のデータ縮小部510は、受信した空き容量サイズのデータに基づき、転送すべき番組データRをサイズデータSに従い空き容量に格納可能なサイズに縮小(圧縮、データの間引き、コマーシャル部分の削除など)する。その後に番組データRは携帯電話20に送信される。
【0129】
記憶部5における空き容量が足りない場合には、データ削除部213は、レコードCのデータC2が“1”(既に再生済)を指示する番組IDデータBに関連付けられた番組データAを、番組データ群70から削除するようにしてもよい。また、記憶部5には図示されないが受信した電子メールのデータが格納されているので、受信したメールデータのうち、既読のデータを削除するようにしてもよい。
【0130】
また、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして使用し、ディスク装置50に対し番組データRの予約録画の指示をした場合には、ディスク装置50の録画データ管理部513は、番組データを予約内容に従い録画をしたときに、録画した番組データRと、当該予約指示をした携帯電話20の識別データMIDとを関連付けて格納することにより、当該番組データRを再生する場合には、関連付けられた識別データに一致する識別データMIDを有する携帯電話20からの指示のみに従い再生するようにしてもよい。
【0131】
また、携帯電話20では、ワンセグ放送の受信よる番組データAの録画動作と、ディスク装置50から転送された番組データRの格納動作とが競合する場合には、録画優先制御部204により、所定の優先順位に従い、一方の録画動作を優先して実行し、一方の録画動作が完了するまで、他方の録画動作は実行待ち状態に置くようにしてもよい。
【0132】
また、番組データ群70の領域を、ワンセグ放送による番組データの録画領域と、ディスク装置50から受信したフルセグ放送の番組データRの録画領域に区分し、選択記録部212は、アンテナ2を介して受信したワンセグ放送の番組データと、信号入出力部6を介して受信したフルセグ放送により番組データRとを、選択的に区分して対応の領域に格納するようにしてもよい。これにより、番組データ群70の各番組データの検索を効率的に行うことができる。
【0133】
また、上述の実施の形態では、転送対象のデータは、テレビジョン放送信号を受信することにより取得した番組データとしているが、これに限定されない。たとえば、パソコンに管理する電話帳データを転送することにより、携帯電話20の電話帳データを最新にしてもよい。また、パソコンで受信したメールデータのうち未読のデータを転送することにより携帯電話20の受信メールを最新内容に更新するようにしてもよい。また、パソコンで管理するスケジュールデータのうち未送信のスケジュール項目のデータを転送することにより携帯電話20のスケジュールデータを最新内容に更新するようにしてもよい。
【0134】
また、クレードル40に代替してインターネットを介在させて、出先においてインターネット経由で、自宅のディスク装置50から番組データRを、または自宅のパソコンから電話帳データ、メールデータおよびスケジュールデータの転送を行なうようにしてもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
20 携帯電話、40 クレードル、50 ディスク装置、21,41 通信路、5 記憶部、54 ディスク記憶部、201,501 データ管理部、A,R 番組データ、P,B 番組IDデータ、S サイズデータ、C,Q レコード。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびデータ転送システムに関し、特に、外部機器からデータを転送することによってデータ供給される携帯端末および携帯端末にデータを転送するデータ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話帳、スケジュールなどのデータに関し、パソコン(パーソナルコンピュータの略)、携帯電話(またはPDA(Personal Digital Assistant)端末など)間で双方が保持するデータを比較し、比較結果に基づき、両方において保持しているデータを最新にするソフトウェアが提供されている。
【0003】
このようなソフトウェアとして、たとえば、特許文献1では、携帯通信端末はコンテンツ提供センタと通信することによりデータのバージョン情報を参照する。参照した結果に基づき、携帯通信端末は受信するべきデータのうち、コンテンツ提供装置側で更新がされたデータを検出し、更新がされたデータのみをコンテンツ提供センタからダウンロードする。
【0004】
特許文献2では、クレードルは携帯電話からの録画予約情報に基づき番組を録画する。クレードルに携帯電話が装着されると、携帯電話はクレードルに転送要求を送信する。クレードルは要求に応じて録画した番組を携帯電話に転送する。
【0005】
特許文献3では、携帯電話装置からテレビ受信レコーダ宛てに放送内容の録画指示をした場合に、携帯電話装置側に指示情報を登録しておく。携帯電話装置がクレードルに装着されると、携帯電話装置は自己に登録した指示情報を元に録画内容の転送を要求し、再生するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−111573号公報
【特許文献2】特開2006−41905号公報
【特許文献3】特開2007−329692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は、携帯電話は、格納するデータを最新状態に更新するためには、コンテンツ提供装置、クレードルなどの外部装置にデータ転送の要求を送信する必要があり、タイムリーに最新の状態に更新することができない。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、データ転送の要求なしにタイムリーに記憶データを更新することが可能な携帯端末およびデータ通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従うと、携帯端末は、記憶部と、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、記憶部を検索し、番組受信部が受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、番組受信部が受信した第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを備え、第2番組データは、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データであり、番組格納部は、番組検索部が録画済みでないと検出したとき、番組受信部が受信した第2番組データを記憶部に格納する。
【0010】
好ましくは、番組格納部は、番組検索部が録画済みと検出した第1番組データを、番組受信部が受信した第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する。
【0011】
好ましくは、表示部と、記憶部から番組データを再生し表示部に表示する番組再生部と、をさらに備え、番組格納部は、番組検索部により録画済みと検出された第1番組データが、番組再生部により未再生であると検出したときは、番組受信部が受信した第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する。
【0012】
この発明の他の局面に従うと、携帯端末と、携帯端末にデータを転送して供給する情報処理装置と、を備えるデータ通信システムにおいては、携帯端末は、記憶部と、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、放送受信部が受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、情報処理装置から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、記憶部を検索し、番組受信部が受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、番組受信部が受信した第2番組データを記憶部に格納する番組格納部とを含み、情報処理装置は、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データを、第2番組データとして格納する格納部と、携帯端末に未送信の第2番組データを、格納部から読出し、携帯端末に送信する番組データ送信部と、を含む。
【0013】
好ましくは、情報処理装置は、第2番組データを携帯端末に送信するタイミングを制御する送信タイミング制御部を、さらに含む。
【0014】
好ましくは、送信タイミング制御部は、格納部に第2番組データが格納される毎に、当該第2番組データを格納部から読出し、携帯端末に送信する。
【0015】
好ましくは、送信タイミング制御部は、所定時間間隔毎に、格納部を検索し、検索結果に基づき、携帯端末に未送信の第2番組データを読出し、携帯端末に送信する。
【0016】
好ましくは、携帯端末は、記憶部における空き容量を検出し、空き容量サイズを送信する容量検出部を、さらに含み、情報処理装置は、空き容量サイズを受信し、受信した空き容量サイズに基づき第2番組データのサイズを縮小するデータ縮小部を、さらに含み、番組データ送信部は、データ縮小部により縮小された第2番組データを、携帯端末に送信する。
【0017】
好ましくは、携帯端末は、情報処理装置に遠隔操作するための操作信号を送信する遠隔操作部を、さらに含む。
【0018】
好ましくは、情報処理装置は、第2番組データを、表示部において再生出力する番組再生出力部を、さらに含み、格納部の第2番組データのうち、遠隔操作部から受信した操作信号により、再生出力の指示がされた第2番組データは、前番組データ送信部による送信対象から外す。
【0019】
好ましくは、情報処理装置は、操作信号を送信する携帯端末と、第2番組データを送信すべき携帯端末が一致するか否かを検出する携帯検出部を、さらに含み、番組データ送信部は、携帯検出部により一致が検出されたとき、格納部の第2番組データのうち、遠隔操作部から受信した操作信号により指定される第2番組データを、携帯端末に送信する。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、記憶部を有する携帯端末におけるデータ処理方法は、所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信ステップと、放送受信ステップが受信したテレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、記憶部に第1番組データとして録画する番組録画ステップと、外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信ステップと、記憶部を検索し、番組受信ステップが受信した第2番組データと同一番組の第1番組データが、記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索ステップと、番組検索ステップが録画済みでないと検出したとき、番組受信ステップが受信した第2番組データを記憶部に格納するステップとを、備え、第2番組データは、所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、携帯端末は、何ら要求をしなくとも、外部機器から送信された第2番組データを受信すると、対応の番組は未だ録画していないと検出したとき、受信した第2番組データを記憶部に格納する。これにより、データ転送の要求なしにタイムリーに記憶データを更新することが可能となる。
【0022】
また、受信する第2番組データは、携帯端末が受信する第1番組データのそれよりも広周波数帯域を有したテレビジョン放送信号により放送される解像度の高い映像からなるので、携帯端末ではあっても、同一番組について、移動体向けのテレビジョン放送信号による番組データに代替して、解像度の高い映像による番組データを取得することができる。
【0023】
また、データ通信システムにおいて、情報処理装置の送信タイミング制御部は、格納部に追加された第2番組データを、検出して、携帯端末に送信するので、携帯端末における第2番組データの格納状態を、情報処理装置における第2番組データの格納状態と整合させるができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るデータ通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯電話の機能構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るディスク装置の機能構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯電話の記憶内容の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るディスク装置の記憶内容の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るディスク装置におけるデータの受信および録画の処理フローチャートである。
【図7】(A)と(B)はディスク装置におけるデータの転送タイミングに従う処理フローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る携帯電話の処理フローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態に係る携帯電話におけるディスク装置から受信したデータを格納する動作の処理フローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態に係る携帯電話をリモコンとして用いた場合のデータ転送の処理フローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態に係る携帯電話をリモコンとして用いた場合のデータ再生の処理フローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態に係る表示例を説明する図である。
【図13】(A)〜(C)は、この発明の実施の形態に係る他の表示例を説明する図である。
【図14】(A)〜(D)は、この発明の実施の形態に係る更なる他の表示例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のデータ通信システムの実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一の構成要素には各図において同一の符号を付し、詳細な説明は繰返さない。
【0026】
本発明に係るデータ通信システムは、「データ供給のための情報処理装置」から「端末」へデータを供給するシステムである。「端末」は、外部の機器または外部のネットワークなどとの通信機能を有した、たとえば、携帯型電話機(以下、携帯電話という)や、PDA、ノート型パーソナルコンピュータなどの情報処理端末である。本実施の形態では、「端末」の代表例として、携帯電話を用いて説明する。
【0027】
また、「データ供給のための情報処理装置」は、記憶部を有し、記憶部からデータを読出し、読出したデータを「端末」に転送することによりデータを供給する。
【0028】
ここでは、供給されるデータの一例として、複数セグメントを使用して放送された番組データを挙げる。より具体的には、フルセグメントを利用して放送された番組データである。
【0029】
「データ供給のための情報処理装置」の代表例として、本実施の形態では、ディスク装置を挙げるが、パーソナルコンピュータなど汎用のコンピュータであってもよい。ディスク装置は、内蔵するディスクにデータを記録し、記録したデータをディスクから読出し、読出したデータを、「端末」に送信する。とりわけ、本実施の形態では、ハイビジョン放送信号による番組データを録画可能なように、記録密度が高く且つ大容量のブルーレイディスク装置を例示する。
【0030】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、本実施の形態に係るデータ通信システムは、携帯電話20、ブルーレイディスク装置(以下、単にディスク装置という)50および携帯電話20とディスク装置50との間のデータ通信を中継するクレードル40を備える。クレードル40は、携帯電話20を充電するための機能を有する。
【0031】
携帯電話20は、外部のネットワーク(放送網、電話網などを含む)に接続するために、無線通信するためのアンテナ2を有する無線部3、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されるマイクロコンピュータとしての制御部1、無線部3を介して受信した信号を処理する信号処理部4、各種のデータおよびプログラムなどを記憶するための記憶部5、クレードル40との間で通信路21を介して信号・データの入出力を行なうための信号入出力部6、充電可能な内蔵バッテリ部7、音を出力するためのスピーカ8、音を入力するためのマイク9、情報表示のための液晶ディスプレイなどの表示部10、キー、ボタンなどを含み、外部から操作されることにより操作に従う指示信号を入力するための操作部11、携帯電話20がディスク装置50のリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)として操作された場合においてリモコン信号をディスク装置50との間で通信するための操作信号通信部12、メモリ14および動作状態等を報知するために点灯・点滅するLED(Light Emitting Diode)15を含む。
【0032】
無線部3は、アンテナ2を介して各放送局から送信されるテレビジョン放送信号を受信するためのチューナ13を含む。
【0033】
表示部10は、メイン表示部101とメイン表示部101の画面よりも小さいサイズのサブ表示部102とを含む。これら表示部は、たとえば携帯電話20の筐体の表面と裏面とに設けられる。
【0034】
信号入出力部6は、電源I/F(Interfaceの略)6Aと通信I/F(Interfaceの略)6Bを含む。信号入出力部6は、クレードル40から、通信路21を経由して電力信号およびデータ信号を入力する。電源I/F6Aは、通信路21を介して与えられる電力信号を入力し、内蔵バッテリ部7に供給する。内蔵バッテリ部7は、内蔵する電池を、供給される電力信号に基づき充電する。通信I/F6Bは、通信路21を経由してクレードル40から与えられるデータ信号を入力し、制御部1に与える。制御部1は、与えられたデータ信号を入力して処理し、記憶部5の所定領域にデータを格納する。
【0035】
メモリ14には、当該携帯電話20を一意に識別するための識別子MIDが予め格納されている。
【0036】
ディスク装置50は、書換え可能なブルーレイディスクを含むディスク記憶部54、CPU51、クレードル40との間でデータ、信号などを入出力するための入出力部52、放送局から送信される番組放送信号を受信するためのアンテナ57を接続するチューナ56、チューナ56により受信した放送信号を処理するための放送信号処理部53、携帯電話20との間でリモコン信号を送受信するための操作信号通信部58、ディスク記憶部54から読出した番組データを、テレビジョン受像機など外部の表示部80に出力するための表示I/F59、およびメモリ55を備える。
【0037】
メモリ55には識別子PIDが格納される。ディスク装置50は、操作信号通信部58を介してリモコン信号とともに入力した識別子MIDを、識別子PIDとしてメモリ55に格納する。
【0038】
クレードル40は、CPU31、外部の商用電源35から電力信号を入力するためのAC(Alternating Current)電源I/F33、ディスク装置50との間で通信路41を介してデータおよび信号を入出力するための入出力部34、携帯電話20との間でデータ信号および電力信号を入出力するための信号入出力部32を備える。信号入出力部32は、電力信号を携帯電話20に供給するための電源I/F32Aおよびデータ信号を携帯電話20へ供給するための通信I/F32Bを含む。クレードル40は、携帯電話20が載置される部分を有する。当該部分に携帯電話20が載置されると、携帯電話20の信号入出力部6と、クレードル40の信号入出力部32は通信路21を介して通信可能に接続される。このような接続状態において、クレードル40は携帯電話20に対し、商用電源35から供給される電力信号を送信し、また、ディスク装置50から受信したデータ信号を送信する。
【0039】
ここでは、通信路21と41は、ケーブルを介した有線の通信路であってもよく、また、IrDA(Infrared Data Association)またはBluetooth(登録商標)の無線による通信路であってもよい。通信路21と41では、USB(Universal Serial Bus)のプロトコル(規格)に従い通信が行なわれると想定する。USBのプロトコルは、一般の家電機器に適用されるプロトコルであり汎用性を有する。なお、適用されるプロトコルはUSBに限定されるものではない。
【0040】
クレードル40は通信路21のケーブルを介して携帯電話20と接続される場合には、ケーブルの携帯電話20との接続端は、信号入出力部6に着脱自在に接続される。同様に、クレードル40は通信路41のケーブルを介してディスク装置50と接続される場合には、ケーブルのディスク装置50との接続端は、入出力部52に着脱自在に接続される。
【0041】
本実施の形態では、携帯電話20がクレードル40に載置されない状態では、すなわちデータ通信および充電が行なわれない状態では、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして用いることができる。図1では、携帯電話20がリモコンとして用いられる状態が破線で示されている。
【0042】
<機能構成>
図2には、プログラム・データなどのソフトウェアまたはハードウェアにより実現される携帯電話20の機能構成が示される。図2を参照して、携帯電話20は、記憶部5および制御部1に対応するデータ管理部201、制御部1が有するメモリ容量検出部202、アンテナ2およびチューナ13を含む無線部3に対応する放送信号受信部203、制御部1が有する録画優先制御部204、電源I/F6Aおよび内蔵バッテリ部7が対応する充電制御部205、操作信号通信部12に対応し、且つ携帯電話20をディスク装置50の遠隔操作部であるリモコンとして機能させるためリモコン部206、アンテナ2および無線部3、ならびにスピーカ8およびマイク9に対応する通話部207、アンテナ2および無線部3を介してメールなどのデータを受信または送信するデータ通信部208、操作部11に対応する入力処理部209および通信路21を介して受信したデータをUSBに従い受信するためのUSB通信部210を含む。
【0043】
データ管理部201は、ディスク装置50から、クレードル40を介して供給されたデータについて記憶部5への書込/読出を制御するために、上書き記録部211、選択記録部212、データ削除部213およびデータ読出部214を含む。本実施の形態では、説明を簡単にするために、ディスク装置50から携帯電話20に供給されるデータは、テレビ局などの各放送局から送信される番組のコンテンツのデータであると想定するが、これに限定されるものではない。
【0044】
上書き記録部211は、ディスク装置50から受信した番組データを入力すると、所定の基準に基づき、記憶部5に録画されている番組データを、入力した番組データを上書きすることにより更新する。選択記録部212は、番組データを入力すると、入力した番組データを所定基準に基づき選択的に記憶部5に録画する。データ削除部213は、記憶部5に格納されている番組データを所定基準に従い削除する。データ読出部214は、記憶部5に格納された番組データを読出す。
【0045】
図3には、プログラム・データなどのソフトウェアまたはハードウェアにより実現されるディスク装置50の機能構成が示される。図3を参照してディスク装置50は、ディスク記憶部54に録画される番組データを管理するためのデータ管理部501、ディスク記憶部54から番組データを読出し携帯電話20に送信するタイミングを制御するための送信タイミング制御部502、アンテナ57およびチューナ56を介してテレビジョン放送の番組データを受信するための放送信号受信部503、ディスク記憶部54に録画された番組データの情報を一覧にして示す番組表を携帯電話20に送信するための番組表送信部505を備える。
【0046】
さらに、ディスク記憶部54から番組データを読出し、携帯電話20に送信するための番組データ送信部506、ディスク記憶部54から番組データを読出し、表示I/F59を介して外部の表示部80に出力するための番組データ再生部507、携帯電話20から遠隔操作を受けるためのリモコン信号を送受信するリモコン部508および入出力部52に対応の入出力制御部509を備える。
【0047】
さらに、ディスク装置50は、携帯電話20に送信する番組データのサイズを小さくするデータ縮小部510、上述の番組表を検索する番組表検索部511、携帯電話20の識別子MIDをチェックするための携帯電話チェック部514、およびディスク記憶部54の番組データを検索するための番組データ検索部515を備える。
【0048】
データ管理部501は、ディスク記憶部54に録画された番組データについて、携帯電話20に送信する対象となるデータを管理するための送信データ管理部511、操作信号通信部58を介して受信したリモコン信号に基づき再生された番組データを管理するためのリモコン再生データ管理部512、およびディスク記憶部54に録画された番組データを管理する録画データ管理部513を含む。
【0049】
データ縮小部510は、携帯電話20の記憶部5における、新たなデータを格納可能な容量(サイズ)に基づき、携帯電話20に送信すべき番組データのサイズを小さくする。たとえば、データの圧縮、間引き、コマーシャルの削除などの縮小処理をする。
【0050】
<放送信号について>
ここで、本実施の形態に係るテレビジョン放送信号の受信態様について説明する。
【0051】
各放送局からのテレビジョン放送は、携帯電話20などの移動体端末向けの1セグメント放送(以下、‘ワンセグ’放送と略す)と、フルセグメント放送(以下、‘フルセグ’放送と略す)に分類される。したがって、1つのテレビ番組は、ワンセグ放送とフルセグ放送により放送されていると想定する。
【0052】
地上デジタル放送方式では、1つのチャンネルが、所定サイズの周波数帯域を有した13個の「セグメント」に分割されており、これをいくつか束ねて映像やデータや音声などが送信(放送)されている。13個の「セグメント」のうち、1個のセグメントがワンセグ放送に利用される。したがって、携帯電話20は、残りの12個のセグメントを使用したハイビジョン放送などのフルセグ放送による番組データを受信することはできないが、ワンセグ放送による番組データは受信することができる。
【0053】
利用可能な周波数帯域のサイズが小さいワンセグ放送の解像度は、複数のセグメントを使用した放送や、フルセグ放送による画像の解像度に比べると低い。したがって、ユーザは、同じ番組であれば、ワンセグ放送で視聴するよりも、画質に優れるフルセグ放送などで視聴することを好む。
【0054】
本実施の形態では、携帯電話20は、ディスク装置50からフルセグ放送により録画した番組データを受信することにより、ユーザが好むフルセグ放送による番組データも取得することができる。なお、携帯電話20は、ワンセグ放送による番組データおよびフルセグ放送による番組データのそれぞれを、表示部10で表示(再生)することが可能なデータ処理機能を搭載していると想定する。
【0055】
<記憶内容>
図4を参照して、携帯電話20の記憶部5には、番組データ群70、番組IDテーブル71および管理テーブル72が格納される。
【0056】
番組データ群70には、ワンセグまたはフルセグの番組データAが1つ以上含まれる。番組IDテーブル71は、番組データ群70の各番組データAに関連付けて当該番組データを識別するための番組ID(Identification)データBが格納される。
【0057】
番組IDテーブル71の番組IDデータBは、関連付けられた番組データAを識別するための情報として、番組名のデータ、放送日時のデータ、録画に要した時間を指す録画時間のデータおよび放送局を指すデータを含む。これらデータは、放送局から送信される電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を受信し、受信した電子番組表を検索することにより、取得できる。
【0058】
管理テーブル72は番組IDテーブル71の番組IDデータBに関連付けてレコードCを格納する。レコードCは、関連付けられた番組IDデータBが指示する番組データAが記憶部5に録画済(格納されている)か否かを示すデータC1と、当該番組データAが記憶部5から読出されて表示部10に表示(再生)されたか否かを指示する再生済のデータC2を含む。データC1は、未録画であれば“0”が設定され、録画済であれば“1”または“2”が設定される。データC1は、番組データAが、ワンセグ放送による番組データである場合には‘1’を指示し、フルセグ放送の番組データである場合には“2”を指示する。データC2は、番組データAが再生済であれば“1”が設定され、まだ再生されていなければ“0”が設定される。
【0059】
図5を参照して、ディスク装置50のディスク記憶部54には、アンテナ57を介してフルセグ放送により受信した番組データRが1つ以上含まれる番組データ群60、番組IDテーブル61、サイズテーブル62および管理テーブル63が格納される。
【0060】
番組IDテーブル61は、番組データ群60の番組データRのそれぞれに関連付けて、当該番組を識別するための番組IDデータPを含む。サイズテーブル62は、番組IDテーブル61の各番組IDデータPに関連付けて、対応の番組データのサイズを示すサイズデータSを含む。
【0061】
管理テーブル63は、番組IDテーブル61の番組IDデータPのそれぞれに対応して、レベルコードQを含む。レコードQは、対応の番組IDデータPに関連付けられた番組データRが、ディスク記憶部54から読出されて表示I/F59を介して表示部80に表示(再生)されたか否かを示す再生済のデータQ1と、当該番組データRがクレードル40を経由して携帯電話20に送信されたか否かを示す送信済のデータQ2を含む。データQ1は、再生済を“1”で示し、未再生を“0”で示す。データQ2は送信済を“1”で示し、未送信を“0”で示す。
【0062】
番組IDテーブル61の番組IDデータPは、関連付けられた番組データRを識別するための情報として、番組名のデータP1、放送日時のデータP2、ディスク装置50による録画に要した時間を指す録画時間のデータP3および放送局を指すデータP4を含む。データP1、P2およびP4は、放送信号に重畳された電子番組表を受信し、受信した電子番組表を検索することにより、取得できる。
【0063】
<動作について>
図1のデータ通信システムの動作について図6〜図11のフローチャートに従い説明する。
【0064】
図6を参照して、ディスク装置50におけるフルセグ放送による番組データの受信および録画について説明する。
【0065】
CPU51は、録画指示が入力するまで待機する(ステップS1でNO)が、図示されない操作部から録画指示、または操作信号通信部58を介してリモコン信号が指す録画指、または予め予約された番組録画の指示を入力すると(ステップS1でYES)、放送信号受信部503は、入力した録画指示に基づきチューナ56を制御する。これによりチューナ56は指示信号が指す番組の放送局(チャンネル)を選局するためのチューニング動作を行なう(ステップS3)。
【0066】
チューニング動作が終了すると、放送信号受信部503はアンテナ57およびチューナ56を経由し、指定チャンネルのフルセグ放送のよる番組の放送信号を受信する(ステップS5)。受信したバ番組の放送信号は放送信号処理部53により復調などの処理がされることにより番組データが検出されて、CPU51の制御の下に、ディスク記憶部54の番組データ群60に、番組データRとして録画される(ステップS7)。
【0067】
データ管理部501の録画データ管理部513は、録画した番組データRに関連付けて、電子番組表から検出した当該番組データRの番組IDデータPを格納するとともに、当該番組データRのサイズを検出してサイズデータSをサイズテーブル62に格納する。さらに、番組IDデータPに関連付けて管理テーブル63にレコードQを格納する。このレコードQのデータQ1およびQ2には、値“0”を設定する(ステップS9)。
【0068】
これにより、ディスク装置50におけるフルセグ放送による番組データの録画動作が終了する。
【0069】
次に、図7(A)と(B)の処理フローチャートを参照し、ディスク装置50による番組データRの携帯電話20への転送タイミングに関する処理について説明する。
【0070】
ここでは、携帯電話20は、クレードル40に載置されて通信路21を経由してクレードル40と通信可能な状態にあり、また、クレードル40とディスク装置50とは通信路41を経由してデータ通信が可能な状態(これを、メモリモードと呼ぶ)にあると想定する。
【0071】
メモリモードは、ユーザが操作部11を操作することにより指定できる。または、ディスク装置50から通信路21および41ならびにクレードル40を経由して、メモリーモードへ移行するように指示してもよい。
【0072】
本実施の形態では、データ転送のタイミングは、ディスク装置50により図6の手順に従い番組データが録画されたときに検出する態様(図7(A)参照)と、所定期間毎に、すなわち周期的に検出する態様(図7(B)参照)とがある。
【0073】
送信タイミング制御部502は、図6に従う番組データRの録画の完了を検出すると、図7(A)の処理を開始する。つまり、録画データ管理部513により、録画された番組データRについての関連データの設定処理(ステップS9)が終了したことが通知されると、送信タイミング制御部502は録画の完了を検知する(ステップS11でYES)。
【0074】
送信タイミング制御部502は、録画完了を検知すると、番組データ送信部506を制御する。番組データ送信部506は、録画された番組データRと関連付けされた番組IDデータPとを、ディスク記憶部54から読出す(ステップS13)。そして、読出した番組データRと番組IDデータPを入出力部52を介してUSBプロトコルに従い通信路41に出力する。これにより、番組データはクレードル40に送信される(ステップS15)。クレードル40は、入出力部34を介して通信路41から受信した番組データRを、CPU31の制御の下に、信号入出力部32の通信I/F32Bを介して携帯電話20の信号入出力部6に送信する(ステップS15)。読出した番組データRの携帯電話20への送信が完了したことを番組データ送信部506が検出すると、その検出信号は送信データ管理部511に与えられる。
【0075】
送信データ管理部511は、送信完了の検知信号を入力すると、送信された番組データRに関連付けられた番組IDデータPに関連のレコードQのデータQ2を、送信済を指示するように“1”に設定(更新)する(ステップS17)。
【0076】
上述の図7(A)の処理は番組データRの録画が完了したタイミングで送信を開始しているが、番組データの送信はこのタイミングに限定されず、図7(B)のように周期的に行なわれるようにしてもよい。
【0077】
CPU51は、図示されないタイマから所定間隔を計時する毎に(周期的に)割込を受けると、当該割込に応じて送信タイミング制御部502を起動する。
【0078】
送信タイミング制御部502は、上述の割込に応じて起動されると番組表検索部511を制御する。
【0079】
図7(B)を参照して、番組表検索部511は送信タイミング制御部502から指示されると、ディスク記憶部54の番組IDテーブル61を検索し、番組IDデータPに関連付けられた管理テーブル63のレコードQを検索する(ステップS21)。レコードQの検索結果に基づき、データQ2の値が“0”であるレコードQが有るか否かを検出する。これにより、携帯電話20に未送信の番組データRの有無が検出される(ステップS23)。関連付けられたレコードQのデータQ2が“0”を指す番組データRがないことを検出すると(ステップS23でNO)、一連の処理は終了する。
【0080】
関連付けられたレコードQのデータQ2が“0”を指す番組データRがある、すなわち未送信の番組データRが検出されると(ステップS23でYES)、当該レコードQに関連付けされた番組IDデータPと、これに関連の番組データRを検索して読出し、読出した番組IDデータPと番組データRを通信路41に送信する(ステップS27)。これにより、番組IDデータPと番組データRはクレードル40を経由して携帯電話20に送信される。
【0081】
番組データRと番組IDデータPの送信が完了すると、番組データ送信部506は送信完了の通知を送信データ管理部511に与える。送信データ管理部511は送信完了の通知を受けると、送信済設定の処理を、前述したステップS17と同様の処理を行なう(ステップS29)。
【0082】
次に、図8を参照して、携帯電話20がメモリモードにおいて、ディスク装置50から受信した番組データを録画する動作について説明する。
【0083】
まず、データ通信部208は、信号入出力部6の通信I/F6Bを経由して、ディスク装置50から番組データRと関連の番組IDデータPを、受信するか否かを判定し(ステップS31)、受信したことを検知するまで待機する(ステップS31でNO)。USBプロトコルに従う受信フレームを解析することにより、番組データRおよび番組IDデータPの受信を検出する(ステップS31でYES)。これらデータの受信を検出すると、データ通信部208は、処理を制御する一時的なフラグデータFを‘0’にセットする(S33)。
【0084】
続いて、上書き記録部211は、番組データRに対応の番組データAが既に格納されているか否かを判定する(ステップS35)。
【0085】
具体的には、番組データRとともに受信した番組IDデータPの番組名のデータP1に基づき、IDテーブル71を検索する。検索結果に基づき、IDテーブル71に、当該データP1に一致する番組名を指示する番組IDデータBが格納されているか否かを判定する。格納されていないと判定すると(ステップS35でNO)、受信した番組データRを格納するために、後述の録画処理(ステップS43)に移行する。
【0086】
一方、一致する番組IDデータBが格納されていると判定すると(ステップS35でYES)、フラグデータFを“1”にセットする(ステップS37)。
【0087】
ステップS39において、上書き記録部211は、録画済みと判定した番組データAが、携帯電話20において再生済であるか否かを、当該番組データAに関連付けられたレコードCのデータC2に基づき判定する(ステップS39)。対応のデータC2が“1”を指示すると判定すると(ステップ39でYES)、すなわち当該番組データAは再生済みでありユーザが視聴済みと判定すると、受信した番組データRは格納せずに破棄し(ステップS41)、一連の処理を終了する。
【0088】
一方、データC2が“0”を指示していると判定すると(ステップS39でNO)、すなわち当該番組データAは再生済でなく未だユーザは視聴していないことを検出する。
【0089】
続いて、上書き記録部211は、当該番組データAがフルセグ放送の番組データであるかを対応のデータC1が“2”を指すか否かにより検出する(ステップS42)。“2”を指示すると検出すると(ステップS42でYES)、前述したステップS41の処理に移行する。一方、データC1が“2”を指示しないと検出すると(ステップS42でNO)、後述の録画処理(ステップS43)に移行する。
【0090】
このように、携帯電話20は、ディスク装置50からフルセグ放送の番組データRを受信した場合において、対応のワンセグ放送の番組データAが録画されており且つ当該番組データAが未再生であれば、受信した番組データRを格納するように動作する。したがって、ディスク装置50から転送されたフルセグ放送による画質に優れた番組データRであっても、一致する番組データAが既に携帯電話20において再生済みであれば、録画処理はスキップされる。
【0091】
これにより、ディスク装置50から転送される番組データRのうち、一致するワンセグ放送の番組データが未だ録画されていない、またはワンセグ放送の番組データが録画されているけれども未だ再生されていない場合に限り、受信した番組データRを格納する。したがって、ユーザが番組を一度再生すると、その後は繰返し再生する傾向は低いこと、また、同じ番組ならば、ユーザはワンセグ放送よりも画質に優れるフルセグ放送による番組視聴を好むとの傾向が高いことに鑑みると、図8の録画処理によってユーザの要求も満たすことができる。
【0092】
次に、図9の処理フローチャートを参照して、図8に示した録画処理(ステップS43)の詳細について説明する。
【0093】
上書き記録部211は、フラグデータFが“1”を指示するか否かを判定する(ステップS51)。F=“1”であると判定すると(ステップS51でYES)、番組データRを番組データAの領域に上書き格納する(ステップS53)。そして、番組データAに関連付けされたレコードCのデータC1を“2”に設定する。対応のデータC2は“0”のままである。また、関連付けされた番組IDデータBを、当該番組データRとともに受信した番組IDデータPを上書きすることにより更新する(ステップS55)。これにより、同一番組のワンセグ放送による未再生の番組データAは、フルセグ放送による番組データRに書換えられて、番組データRの格納が完了する。
【0094】
一方、フラグデータFが“1”ではないと判定されると(ステップS51でNO)、受信した番組データRを、番組データ群70に番組データAとして新規に格納する(ステップS57)。そして、番組データRとともに受信した番組IDデータPを、番組IDデータBとして当該新規格納された番組データAに関連付けてテーブル71に追加格納し、さらに、追加格納した番組IDデータBに関連付けて新たなレコードCをテーブル72に格納する。当該レコードCのデータC1は“2”を指示し、データC2は未再生“0”を指示するように設定される(ステップS59)。
【0095】
次に、図10を参照して、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして用いて、番組データの携帯電話20への転送が指示される場合の処理を説明する。
【0096】
携帯電話20のリモコン部206は、リモコンモードにおいて機能する。携帯電話20の操作部11が操作されて、リモコンモードに遷移すると、リモコン部206が起動する。リモコン部206は、ユーザが操作部11を操作して、番組表要求指示が入力されたか否かを入力処理部209の出力信号に基づき判定する(ステップS61)。番組表要求指示が入力されたと判定すると(ステップS61でYES)、番組表要求のリモコン信号を、リモコン信号通信部12を介しディスク装置50に送信する(ステップS63)。リモコン信号は、たとえば赤外線信号に変調されて送信される。
【0097】
ステップS65においては、リモコン部206はディスク装置50から番組表を受信したか否かを判定する(ステップS65)。番組表を受信したと判定すると(ステップS65でYES)、受信した番組表を、表示部10を介して表示する(ステップS67)。
【0098】
ステップS69では、表示部10に表示された番組表を確認したユーザは、操作部11を操作し、所望番組の転送を指示するリモコン操作を行う。図1の破線で示した状態が対応する。リモコン操作の入力を検知すると(ステップS69でYES)、リモコン部206は入力した操作内容に従うリモコン指令信号を生成する。そして、メモリ14から識別データMIDを読みだす。その後、生成した指令信号と読出した識別データMIDとをリモコン信号に変調して送信する(ステップS71)。
【0099】
この指令信号を送信後、ディスク装置50から番組データを受信するために、ユーザは、携帯電話20を、クレードル40に載置する。これにより通信路21および41ならびにクレードル40によるデータ通信経路が確立する。
【0100】
その後、携帯電話20のUSB通信部210は、通信路21を経由してディスク装置50から番組データRを受信する(ステップS73)。上書き記録部211は、受信した番組データRを格納する(ステップS75)。この録画処理は、前述した図8および図9の処理と同じであり、説明は略す。
【0101】
一方、ディスク装置50においては、リモコン部508は、ステップS63から送信された要求信号を受信するまで待機する(ステップS77)。要求信号を受信したと判定すると(ステップS77でYES)、番組表送信部505は、ディスク記憶部54の番組IDテーブル61を読出し、読出した番組IDテーブル61の番組IDデータPに基づき番組表を生成し、生成した番組表をリモコン部508を介して携帯電話20に送信する(ステップS79)。
【0102】
続いて、リモコン部508は、携帯電話20から、番組データの送信要求の指令信号を受信するまで待機する(ステップS81)。前述のステップS71において送信された指令信号を受信するか否かを判定し(ステップS81)、指令信号を受信したと判定すると(ステップS81でYES)、リモコン部508は指令信号を携帯電話チェック部514に出力し、指令信号とともに受信した識別データMIDをメモリ55に識別データPIDとして格納する。
【0103】
携帯電話チェック部514は、指令信号を入力すると携帯電話20のチェック処理を行なう(ステップS83、S85)。
【0104】
携帯電話20のチェック処理において、携帯電話20は、ユーザによってクレードル40に載置された状態にあるので、携帯電話チェック部514は、通信路21および41ならびにクレードル44を経由し、携帯電話20に対し識別データMIDを要求する。この要求に応じて携帯電話20においては、制御部1によりメモリ14から識別データMIDが読出されて、読出された識別データMIDは通信I/F6Bを経由し、通信路21および41ならびクレードル40を経由してディスク装置50に与えられる。
【0105】
携帯電話チェック部514は、入出力部52を介して、携帯電話20から送信された識別データMIDを受信すると、受信した識別データMIDと、メモリ55から読出した識別データPIDとを比較する。比較結果に基づき両データが一致するか否かを判定する(ステップS83、S85)。2つのIDデータが一致している、すなわちステップS81において受信した指令信号の送信元の携帯電話20が、クレードル40に載置された状態の携帯電話20に一致するかを検出する。
【0106】
一致していることを検出すると、番組データ検索部515は、ステップS81において受信した指令信号に含まれる要求された番組データの番組IDデータBに基づき、番組IDテーブル61を検索する。検索結果、受信した番組IDデータBに一致する番組IDデータPを検出すると、検出した番組IDデータPに関連付けられた番組データ群60の番組データRを読出す(ステップS87、S89)。読出した番組データRは、番組データ送信部506に与えられる。
【0107】
番組データ送信部506は、与えられる番組データRを、入出力部52および通信路41を介してクレードル40に送信する。クレードル40は、USBプロトコルに従い番組データRを受信し、受信した番組データRをUSBプロトコルに従い、携帯電話20に送信する(ステップS91)。これにより、携帯電話20においては、ステップS73においてディスク装置50から番組データRを受信し、格納する(ステップS73、S75)。
【0108】
ステップS93においては、送信データ管理部511は、ディスク記憶部54の番組データ群60のうち今回読出されて携帯電話20に送信された番組データRに対応の番組IDデータPに関連付けられた管理テーブル63のレコードQのデータQ2を“1”に更新する。これにより、対応の番組データRは携帯電話20に送信済であることが管理される。
【0109】
次に、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして使用し、ディスク装置50に接続された表示部80に所望の番組データを表示(再生)する場合の処理について、図11を参照し説明する。
【0110】
まず、ユーザは手元の携帯電話20を操作部11を介してリモコンモードに設定する。リモコンモードに設定後、ユーザが操作部11を操作して、所望の番組データRの番組名を指定して再生を指示するリモコン信号を、ディスク装置50に向けて送信する(図1の破線で示した状態を参照)。番組データRを指定するために、番組データ再生部507は番組IDテーブル61を読出し、読出した内容に基づき番組名データP1による番組名一覧表を生成し、表示部80に表示する。ユーザは、表示された番組表から所望の番組名を指定できる。
【0111】
ディスク装置50のリモコン部508は、携帯電話20から送信されたリモコン信号を、操作信号通信部58を介して受信する(ステップS97)。
【0112】
リモコン部508は、受信したリモコン信号を解析し、その解析結果に基づき、番組表検索部511は、リモコン信号が指示する番組名に従い、番組IDテーブル61を検索する。
【0113】
番組表検索部511は、指示された番組名に一致する番組名データP1を有する番組IDデータPを番組IDテーブル61から検索すると、番組データ検索部515は、当該番組IDデータPに関連付けられた番組データRを番組データ群60から検索し、読出す(ステップS99)。
【0114】
読出された番組データRは、番組データ再生部507に与えられる。番組データ再生部507は、与えられる番組データRを外部の表示部80に表示可能なようにデータ処理し、処理されたデータを表示I/F59を介して外部の表示部80へ出力する。これにより、外部の表示部80においては、ユーザが指定した番組データRに従う映像が表示され、また音声が出力される(ステップS101)。
【0115】
データ管理部501のリモコン再生データ管理部512は、表示部80に表示(再生)された番組データRに対応の番組IDデータPに関連付けられたレコードQのデータQ1を“1”に更新する。これにより、当該番組データRは、既に携帯電話20のリモコン操作により、表示部80において再生出力されたことが管理される(ステップS103)。
【0116】
したがって、携帯電話20に番組データRを送信する場合において、当該携帯電話20がリモコンとして用いられて、表示部80に再生表示済みである場合には(データQ1が“1”)は、未送信(データQ2が“0”)であるとしても、送信対象から外し、送信しないようにしてもよい。
【0117】
<データ転送時の表示例>
図12〜図14には、上述した番組データRの転送時における、携帯電話20とディスク装置50の表示画面の一例が示される。
【0118】
図12〜図14では、携帯電話20の表示態様と、ディスク装置50の表示態様とが対応付けて示される。携帯電話20の表示態様としてメイン表示部101、サブ表示部102およびLED15の表示が関連付けて示されて、ディスク装置50の表示態様として表示部80の表示、およびディスク装置50の本体に設けられた液晶表示部81とLED82の表示が関連付けて示される。これら表示部のメッセージ表示およびLEDの点灯は、携帯電話20側はメッセージ出力部215により制御されて、ディスク装置50側はメッセージ出力部516により制御される。
【0119】
図12を参照して、携帯電話20がメモリモードに遷移し番組データRの転送が開始される直前には、メイン表示部101およびサブ表示部102には“メモリモード”のメッセージが表示されて、LED15は点灯状態となる。また、表示部80に所定のメニューが表示されるか、転送するべき番組データRがある場合には、携帯電話20に自動的に番組データRを転送開始する旨のメッセージが表示される。
【0120】
図13(A)を参照して、メモリモードにおいて番組データRの自動転送が行われている場合には、メイン表示部101およびサブ表示部102には、データ転送中であり携帯電話20をクレードル40から取外さないように注意喚起のメッセージが表示される。LED15は、転送中は点滅状態となる。また、表示部80にも、携帯電話20にデータ転送中であるメッセージが表示されるとともに、転送したデータ量をインジケータと%の数値で表示する。液晶表示部81には%数値が表示され、LED82は消灯から点灯の状態となる。
【0121】
図7(A)または(B)の転送タイミングに従い番組データRのデータ転送が行われた結果、転送が完了すると、すなわちUSBプロトコルに従うエンドフレームの受信を検出すると、図13(B)に示すように、データ転送が終了したことのメッセージが、各表示部に表示されて、LED15は元の点灯状態に戻る。液晶表示部81には%数値は‘100’と表示され、またLED82は消灯し、データ転送が終了していることが通知される。
【0122】
図13(B)のメッセージを確認したユーザは、携帯電話20をクレードル40から取外す。信号入出力部6が、この取り外しを検出すると、メイン表示部101は所定の待ちうけ画面が表示される。そして、メイン表示部101およびサブ表示部102には、‘新着の番組データ’がある旨のメッセージが表示される。LED15は点灯から消灯に切換えられる。
【0123】
図14(A)〜(D)には、ステップS67で携帯電話20において表示した番組表を、表示部80に表示して、転送を所望する番組データRをディスク装置50の図示しない操作部を操作して指定し、携帯電話20に転送する場合の表示例が示される。
【0124】
図14(A)において表示部80には、番組データRを指定するために番組名データP1に従う番組名の一覧が表示される。このうち、携帯電話20に未転送のデータの番組名のみ表示態様を変更させてもよく、また、未転送の番組名のみ一覧表示してもよい。図中では、ユーザが転送すべきデータとして選択した番組名が強調表示される。
【0125】
指定された番組名の番組データRが番組データ群60から読出されて、ディスク装置50から携帯電話20に送信される。データ転送の開始、データ転送中、転送完了および携帯電話20をクレードル40から取外した場合の各表示部における表示メッセージ、LEDの点灯/消灯は図13に示したものと同様である。
【0126】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態においては、クレードル40を経由した番組データRの転送を説明したが、クレードル40を介さずに、携帯電話20とディスク装置50とが直接にケーブルなどで接続されて、USBプロトコルに従い番組データ転送のための通信を行なうようにしてもよい。その場合においても、携帯電話20とディスク装置50との間はケーブルを介した有線接続であってもよく、またケーブルを介さない無線接続であってもよい。
【0127】
また、クレードル40を経由したディスク装置50から携帯電話20への番組データの転送は、クレードル40による携帯電話20の内蔵バッテリ部7の電池の充電動作と並行して行なわれてもよい。
【0128】
また、ディスク装置50から番組データRを携帯電話20に転送する際に、記憶部5の空き容量に従い、番組データを転送するようにしてもよい。具体的には、携帯電話20のメモリ容量検出部202は、記憶部5の番組データAを格納可能なメモリサイズ(空き容量サイズ)を検出し、検出した空き容量サイズのデータをディスク装置50に送信する。ディスク装置50のデータ縮小部510は、受信した空き容量サイズのデータに基づき、転送すべき番組データRをサイズデータSに従い空き容量に格納可能なサイズに縮小(圧縮、データの間引き、コマーシャル部分の削除など)する。その後に番組データRは携帯電話20に送信される。
【0129】
記憶部5における空き容量が足りない場合には、データ削除部213は、レコードCのデータC2が“1”(既に再生済)を指示する番組IDデータBに関連付けられた番組データAを、番組データ群70から削除するようにしてもよい。また、記憶部5には図示されないが受信した電子メールのデータが格納されているので、受信したメールデータのうち、既読のデータを削除するようにしてもよい。
【0130】
また、携帯電話20をディスク装置50のリモコンとして使用し、ディスク装置50に対し番組データRの予約録画の指示をした場合には、ディスク装置50の録画データ管理部513は、番組データを予約内容に従い録画をしたときに、録画した番組データRと、当該予約指示をした携帯電話20の識別データMIDとを関連付けて格納することにより、当該番組データRを再生する場合には、関連付けられた識別データに一致する識別データMIDを有する携帯電話20からの指示のみに従い再生するようにしてもよい。
【0131】
また、携帯電話20では、ワンセグ放送の受信よる番組データAの録画動作と、ディスク装置50から転送された番組データRの格納動作とが競合する場合には、録画優先制御部204により、所定の優先順位に従い、一方の録画動作を優先して実行し、一方の録画動作が完了するまで、他方の録画動作は実行待ち状態に置くようにしてもよい。
【0132】
また、番組データ群70の領域を、ワンセグ放送による番組データの録画領域と、ディスク装置50から受信したフルセグ放送の番組データRの録画領域に区分し、選択記録部212は、アンテナ2を介して受信したワンセグ放送の番組データと、信号入出力部6を介して受信したフルセグ放送により番組データRとを、選択的に区分して対応の領域に格納するようにしてもよい。これにより、番組データ群70の各番組データの検索を効率的に行うことができる。
【0133】
また、上述の実施の形態では、転送対象のデータは、テレビジョン放送信号を受信することにより取得した番組データとしているが、これに限定されない。たとえば、パソコンに管理する電話帳データを転送することにより、携帯電話20の電話帳データを最新にしてもよい。また、パソコンで受信したメールデータのうち未読のデータを転送することにより携帯電話20の受信メールを最新内容に更新するようにしてもよい。また、パソコンで管理するスケジュールデータのうち未送信のスケジュール項目のデータを転送することにより携帯電話20のスケジュールデータを最新内容に更新するようにしてもよい。
【0134】
また、クレードル40に代替してインターネットを介在させて、出先においてインターネット経由で、自宅のディスク装置50から番組データRを、または自宅のパソコンから電話帳データ、メールデータおよびスケジュールデータの転送を行なうようにしてもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
20 携帯電話、40 クレードル、50 ディスク装置、21,41 通信路、5 記憶部、54 ディスク記憶部、201,501 データ管理部、A,R 番組データ、P,B 番組IDデータ、S サイズデータ、C,Q レコード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部が受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、
外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、
前記記憶部を検索し、前記番組受信部が受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、
前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを備え、
前記第2番組データは、前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データであり、
前記番組格納部は、
前記番組検索部が録画済みでないと検出したとき、前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する、携帯端末。
【請求項2】
前記番組格納部は、
前記番組検索部が録画済みと検出した前記第1番組データを、前記番組受信部が受信した前記第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
表示部と、
前記記憶部から番組データを再生し前記表示部に表示する番組再生部と、をさらに備え、
前記番組格納部は、
前記番組検索部により録画済みと検出された前記第1番組データが、前記番組再生部により未再生であると検出したときは、前記番組受信部が受信した前記第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する、請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
携帯端末と、前記携帯端末にデータを転送して供給する情報処理装置と、を備えるデータ通信システムであって、
前記携帯端末は、
記憶部と、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部が受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、
前記情報処理装置から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、
前記記憶部を検索し、前記番組受信部が受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、
前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを含み、
前記情報処理装置は、
前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データを、前記第2番組データとして格納する格納部と、
前記携帯端末に未送信の前記第2番組データを、前記格納部から読出し、前記携帯端末に送信する番組データ送信部と、を含む、データ通信システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記第2番組データを前記携帯端末に送信するタイミングを制御する送信タイミング制御部を、さらに含む、請求項4に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記送信タイミング制御部は、
前記格納部に前記第2番組データが格納される毎に、当該第2番組データを前記格納部から読出し、前記携帯端末に送信する、請求項5に記載のデータ通信システム。
【請求項7】
前記送信タイミング制御部は、
所定時間間隔毎に、前記格納部を検索し、検索結果に基づき、前記携帯端末に未送信の前記第2番組データを読出し、前記携帯端末に送信する、請求項5または6に記載のデータ通信システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、
前記記憶部における空き容量を検出し、空き容量サイズを送信する容量検出部を、さらに含み、
前記情報処理装置は、
前記空き容量サイズを受信し、受信した前記空き容量サイズに基づき前記第2番組データのサイズを縮小するデータ縮小部を、さらに含み、
前記番組データ送信部は、
前記データ縮小部により縮小された前記第2番組データを、前記携帯端末に送信する、請求項4から7のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記情報処理装置に遠隔操作するための操作信号を送信する遠隔操作部を、さらに含む、請求項4から8のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記第2番組データを、表示部において再生出力する番組再生出力部を、さらに含み、
前記格納部の前記第2番組データのうち、前記遠隔操作部から受信した前記操作信号により、前記再生出力の指示がされた前記第2番組データは、前記番組データ送信部による送信対象から外す、請求項9に記載のデータ通信システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
前記操作信号を送信する前記携帯端末と、前記第2番組データを送信すべき前記携帯端末が一致するか否かを検出する携帯検出部を、さらに含み、
前記番組データ送信部は、
前記携帯検出部により前記一致が検出されたとき、前記格納部の前記第2番組データのうち、前記遠隔操作部から受信した前記操作信号により指定される前記第2番組データを、前記携帯端末に送信する、請求項9または10に記載のデータ通信システム。
【請求項12】
記憶部を有する携帯端末におけるデータ処理方法であって、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信ステップと、
前記放送受信ステップが受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画ステップと、
外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信ステップと、
前記記憶部を検索し、前記番組受信ステップが受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索ステップと、
前記番組検索ステップが録画済みでないと検出したとき、前記番組受信ステップが受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納するステップとを、備え、
前記第2番組データは、前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データである、データ処理方法。
【請求項1】
記憶部と、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部が受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、
外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、
前記記憶部を検索し、前記番組受信部が受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、
前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを備え、
前記第2番組データは、前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データであり、
前記番組格納部は、
前記番組検索部が録画済みでないと検出したとき、前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する、携帯端末。
【請求項2】
前記番組格納部は、
前記番組検索部が録画済みと検出した前記第1番組データを、前記番組受信部が受信した前記第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
表示部と、
前記記憶部から番組データを再生し前記表示部に表示する番組再生部と、をさらに備え、
前記番組格納部は、
前記番組検索部により録画済みと検出された前記第1番組データが、前記番組再生部により未再生であると検出したときは、前記番組受信部が受信した前記第2番組データで更新することにより、当該第2番組データを格納する、請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
携帯端末と、前記携帯端末にデータを転送して供給する情報処理装置と、を備えるデータ通信システムであって、
前記携帯端末は、
記憶部と、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部が受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画部と、
前記情報処理装置から送信される第2番組データを受信する番組受信部と、
前記記憶部を検索し、前記番組受信部が受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索部と、
前記番組受信部が受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納する番組格納部とを含み、
前記情報処理装置は、
前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データを、前記第2番組データとして格納する格納部と、
前記携帯端末に未送信の前記第2番組データを、前記格納部から読出し、前記携帯端末に送信する番組データ送信部と、を含む、データ通信システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記第2番組データを前記携帯端末に送信するタイミングを制御する送信タイミング制御部を、さらに含む、請求項4に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記送信タイミング制御部は、
前記格納部に前記第2番組データが格納される毎に、当該第2番組データを前記格納部から読出し、前記携帯端末に送信する、請求項5に記載のデータ通信システム。
【請求項7】
前記送信タイミング制御部は、
所定時間間隔毎に、前記格納部を検索し、検索結果に基づき、前記携帯端末に未送信の前記第2番組データを読出し、前記携帯端末に送信する、請求項5または6に記載のデータ通信システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、
前記記憶部における空き容量を検出し、空き容量サイズを送信する容量検出部を、さらに含み、
前記情報処理装置は、
前記空き容量サイズを受信し、受信した前記空き容量サイズに基づき前記第2番組データのサイズを縮小するデータ縮小部を、さらに含み、
前記番組データ送信部は、
前記データ縮小部により縮小された前記第2番組データを、前記携帯端末に送信する、請求項4から7のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記情報処理装置に遠隔操作するための操作信号を送信する遠隔操作部を、さらに含む、請求項4から8のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記第2番組データを、表示部において再生出力する番組再生出力部を、さらに含み、
前記格納部の前記第2番組データのうち、前記遠隔操作部から受信した前記操作信号により、前記再生出力の指示がされた前記第2番組データは、前記番組データ送信部による送信対象から外す、請求項9に記載のデータ通信システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
前記操作信号を送信する前記携帯端末と、前記第2番組データを送信すべき前記携帯端末が一致するか否かを検出する携帯検出部を、さらに含み、
前記番組データ送信部は、
前記携帯検出部により前記一致が検出されたとき、前記格納部の前記第2番組データのうち、前記遠隔操作部から受信した前記操作信号により指定される前記第2番組データを、前記携帯端末に送信する、請求項9または10に記載のデータ通信システム。
【請求項12】
記憶部を有する携帯端末におけるデータ処理方法であって、
所定サイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号を受信する放送受信ステップと、
前記放送受信ステップが受信した前記テレビジョン放送信号に基づく番組のデータを検出し、検出した番組のデータを、前記記憶部に第1番組データとして録画する番組録画ステップと、
外部機器から送信される第2番組データを受信する番組受信ステップと、
前記記憶部を検索し、前記番組受信ステップが受信した前記第2番組データと同一番組の前記第1番組データが、前記記憶部に録画済みであるか否かを検出する番組検索ステップと、
前記番組検索ステップが録画済みでないと検出したとき、前記番組受信ステップが受信した前記第2番組データを前記記憶部に格納するステップとを、備え、
前記第2番組データは、前記所定サイズよりも大きいサイズの周波数帯域を有するテレビジョン放送信号に基づく番組データである、データ処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
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【図14】
【公開番号】特開2010−258572(P2010−258572A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103935(P2009−103935)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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