説明

携帯端末および端末操作方法

【課題】 複数の階層を経ることなく、簡単な操作で迅速かつ確実にアイコンの情報を取得することを目的とする。
【解決手段】 本発明の携帯端末110は、表示部214と、表示部の表面に対するユーザ入力を受け付けるタッチ検出部218と、複数の可動操作キーで構成される操作部216と、操作部の所定の可動操作キーが押下され、タッチ検出部を通じて表示部に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、アイコンに関する所定の案内画面を表示部に表示させる案内表示部236と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に表示された複数のアイコンの情報を容易に入手可能な携帯端末および端末操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)等に代表される携帯端末が普及し、場所や時間を問わず通話や情報入手が可能となった。特に昨今では、入手可能な情報量も増加の一途を辿り、大容量のデータをダウンロードするため高速かつ高品質な無線通信方式が取り入れられるようになってきた。このように取り扱うことができる情報や、アプリケーションの容量および個数が多くなると、その内容、機能、操作方法を検索するためのヘルプ機能が必要となってくる。しかし、携帯端末はその携帯性を維持するため、入力キーの数が制限されたり、検索結果の表示領域が制限されていたり、ヘルプ機能自体の操作性の悪さなどから、十分な検索効率を発揮することができなかった。
【0003】
このようなキーワードによる検索効率の向上を図るため、キー入力操作後にそのキー入力操作の履歴を基に機能説明データベースを検索し、キーワードの再度の入力を伴わず、既に入力されたキーワードに基づいて適切なヘルプ情報の検索が可能な技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、ヘルプ機能を利用して任意の情報を検索する場合に、キーや検索要求文の入力だけでなく、それまでの操作履歴も同時に考慮することで、ユーザの所望するヘルプ情報を検索することができる技術も知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
一方、このような内容、機能、操作方法等の情報は、通常、メニュー項目から複数の階層を経て(選択肢を経由して)参照することができる。しかし、そのような情報を参照するのに、常に何層もの階層を経由しなければならず、ユーザに煩雑な操作と専門的な知識の取得を強いることとなる。そこで、一度利用した情報を次回から簡単に参照できるよう、メニューの階層関係を無視して、使用頻度の高い順に複数のメニュー項目を並べた操作画面を表示させる技術も開示されている(例えば特許文献3)。かかる技術により煩雑なメニューの選択操作を繰り返すことなく、所望の機能設定を容易に選択することができる。
【特許文献1】特開平11−231998号公報
【特許文献2】特開2000−137726号公報
【特許文献3】特開2006−287556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような携帯端末では、小さな表示領域に複数の操作対象を示すため、その操作機能を端的に示すアイコンが用いられている。かかるアイコンは、特定のアプリケーションを起動することを前提としたものだけでなく、待ち受け画面に予め配される、例えばバッテリーの残量表示やピクト(電波受信強度)といったアイコン、また、電子メールの着信があったことを示すアイコン等所定の状態を示すアイコンもある。
【0006】
アプリケーションの起動を前提としたアイコンでは、その情報が比較的上の階層で示されるが、上述したような所定の状態を示すアイコンは、3層や4層といった階層を経てようやく到達することができる。また、このような所定の状態を示すアイコンの情報は、そもそもどこに格納されているか検討もつかない場合が多い。このように現行の携帯端末ではアイコンによってその参照階層が異なっていたり、選択枝の多様性により到達が困難な場合もあった。
【0007】
ここで、上述した、使用頻度の高さを考慮して選択容易性を高める従来の技術を適用することも考えられるが、かかる技術では少なくとも1回は検索することを前提としているため、所定の状態を示すアイコンのような参照回数が極めて少ないアイコンに関しては効果を得ることができなかった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑み、複数の階層を経ることなく、簡単な操作で迅速かつ確実にアイコンの情報を取得することが可能な、携帯端末および端末操作方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末の代表的な構成は、表示部と、表示部の表面に対するユーザ入力を受け付けるタッチ検出部と、複数の可動操作キーで構成される操作部と、操作部の所定の可動操作キーが押下され、タッチ検出部を通じて表示部に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、アイコンに関する所定の案内画面を表示部に表示させる案内表示部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明では、タッチ検出部をタッチ可能な状態において、押下容易に配置された所定の可動操作キーを押下するだけで、案内表示を行う動作モードである案内表示モードに移行し、押止している間(案内表示モードの間)の任意のアイコンへのタッチは、そのアイコンに予め定められた動作ではなく、そのアイコンに関する案内画面を一意に表示する。従って、その案内が比較的深い階層に設けられる所定の状態を示すアイコンに関しても、複数の階層を経ることなく簡単な操作でアイコンの案内を受けることが可能となる。また、そのような案内画面の表示を、所定の可動操作キーを押下したときといった必要時のみに制限することで、案内画面が不要な場合においても対応できるように常に監視し続けるといった電力や処理時間の消費を抑制することができる。
【0011】
所定の案内画面には、アイコンの内容を特定する情報が示されてもよい。案内画面として、そのアイコンの内容を特定する情報が統一的に示されることで、ユーザは携帯端末の種類や機能の違いに拘わらず画一的に当該案内操作を実行でき、煩雑な取扱説明書や機能説明を参照しなくても手慣れた手順で容易に所望する情報を視認することが可能となる。
【0012】
案内表示部は、所定の案内画面中のアイコンへのさらなるユーザ入力が検出されると、アイコンによって特定されるアプリケーションの起動方法を案内する案内画面を表示部に表示させてもよい。
【0013】
本発明では、所定の状態を示すアイコンも対象としているが、そのアイコンによって特定されるアプリケーションを起動することもできる。かかる起動方法の案内画面を表示する構成により、最初にタッチしたアイコンによって特定されるアプリケーションの存在を把握することができ、さらに、そのアプリケーションの起動方法も再度の検索を伴うことなく迅速かつ容易に視認することができる。
【0014】
起動方法を案内する案内画面には、アイコンによって特定されるアプリケーションの起動アイコンも示されていてもよい。
【0015】
かかる構成により、アイコンによって特定されるアプリケーションの手動検索を伴うことなく、迅速かつ容易に関連するアプリケーションを起動することが可能となる。
【0016】
案内表示部による所定の案内画面の履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、案内表示部は、さらに、操作部の所定の可動操作キーが押下され、タッチ検出部を通じて表示部に表示された所定の履歴参照アイコンへのユーザ入力を検出すると、履歴記憶部に記憶された所定の案内画面の履歴を表示部に表示させ、さらなるユーザ入力により履歴から選択された所定の案内画面を表示部に再度表示させてもよい。
【0017】
所定の可動操作キーが押下されると、所定の履歴参照アイコンが表示部に出現し、それをタッチすることで過去の案内表示モード時に操作した履歴を再度選択することが可能となる。かかる構成により、案内表示モード中に可動操作キーの押止状態が不意に途絶えてしまったとしても、再度案内表示モードを実行することで、前回の操作状態を再現することが可能となり、煩わしい再度の操作入力を経ることなく迅速かつ容易に所望する案内画面に到達することができる。
【0018】
本発明の代表的な他の構成は、表示部と、表示部の表面に対するユーザ入力を受け付けるタッチ検出部と、複数の可動操作キーで構成される操作部と、を備える携帯端末を操作する端末操作方法であって、操作部の所定の可動操作キーが押下され、タッチ検出部を通じて表示部に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、アイコンに関する所定の案内画面を表示部に表示させることを特徴とする。
【0019】
上述した携帯端末の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該端末操作方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、複数の階層を経ることなく、簡単な操作で迅速かつ確実にアイコンの情報を取得することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
(無線通信システム100)
図1は、無線通信システム100の概略的な接続関係を示した説明図である。当該無線通信システム100は、携帯端末110と、携帯端末110との無線通信を確立する基地局120と、基地局120に接続されISDN(Integrated Services Digital Network)回線、インターネット、専用回線等で構成される通信網130と、通信網130を通じて各基地局120を中継する中継サーバ140とを含んで構成される。
【0023】
当該無線通信システム100において、携帯端末110は、基地局120との無線通信を通じて他の携帯端末110との通話や通信を実行し、また、通信網130を介して接続される各サービス事業者のWebサーバから様々なサービスを受けることができる。本実施形態では、無線通信システム100を経由した電子メールの着信や不在着信があった場合に出現するアイコンや、待ち受け画面に予め配されるバッテリーの残量表示やピクト(電波受信強度)といったアイコンが、そのアイコン表示だけでは何を意味しているのか分からないときに、簡易な操作を通じてそのアイコンの情報を取得することが可能となる。以下では、簡易な操作が可能な携帯端末110の具体的な構成を述べ、その後、携帯端末110の端末操作方法を詳述する。
【0024】
(携帯端末110)
図2は、携帯端末110のハードウェア構成を示した機能ブロック図であり、図3は、携帯端末110の外観を示した斜視図である。携帯端末110は、端末制御部210と、端末メモリ212と、表示部214と、操作部216と、タッチ検出部218と、音声入力部220と、音声出力部222と、端末無線通信部224とを含んで構成される。
【0025】
かかる携帯端末110としては、携帯電話、PHS端末、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、カーナビゲーション、ゲーム機器、DVDプレイヤー等無線通信可能な様々な電子機器を用いることもできる。
【0026】
端末制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により携帯端末110全体を管理および制御し、端末メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、撮像機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。端末メモリ212は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部210で処理されるプログラムや通信データ等を記憶する。また、端末メモリ212は、後述する案内表示部236による所定の案内画面の履歴を記憶する履歴記憶部230としても機能する。
【0027】
表示部214は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)等で構成され、端末メモリ212に記憶された、または通信網130を介してWebサーバから提供される、Webコンテンツ、アプリケーションのGUI(Graphical User Interface)等を表示することができる。また、本実施形態では、後述するタッチ検出部218によりタッチ可能な位置にアプリケーションを示す複数のアイコンを配置することもでき、バッテリーの残量表示やピクト(電波受信強度)といったアイコン、電子メールの着信があったことを示すアイコン等所定の状態を示すアイコンも表示することができる。
【0028】
操作部216は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等の複数の可動操作キー(ハードウェアキー)で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。本実施形態では、かかる操作部216のうち筐体側面に設けられた所定の可動操作キー(サイドキー)232を案内表示モードへの移行トリガとして設定し、それを押下している間、案内表示モードを維持する。本実施形態では可動操作キー232を押下し続ける、所謂押止状態で案内表示モードを維持させているが、押下後、所定時間経過する間表示モードを維持させたり、押下後、可動操作キー232を再度押下するまで表示モードを維持させたり、様々な維持操作を適用することができる。かかる所定の可動操作キー232は専用キーとすることもできるが、通常、他の機能と併用して利用され、所定時間、例えば0.5秒以上の押止によって初めて本実施形態の機能と認識される。ここでは、ユーザが押下し易いサイドキーを所定の可動操作キー232としているが、ユーザの使い勝手に応じて所定の可動操作キーの割当を変更することも可能である。
【0029】
図4は、所定の可動操作キーを説明するための説明図である。ここでは、図4(a)のような待ち受け画面の状態で、筐体側面の所定の可動操作キー232を押止することで、図4(b)のように、表示部214上に「Info」で示される履歴参照アイコン234が表示される。かかる履歴参照アイコン234は、ユーザが所定の可動操作キー232を押止している間継続して表示され、現在、案内表示モードであることを表す。そして、ユーザが当該所定の可動操作キー232の押止を解除すると、案内表示モードが終了し通常モードに復帰する。また、かかる履歴参照アイコン234が予め待ち受け画面に表示されている場合、案内表示モードの間、履歴参照アイコン234が点滅するとしてもよい。
【0030】
タッチ検出部218は、表示部214表面に対するその表示に対応したユーザの操作入力を受け付ける。かかるタッチ検出部218の検出方式としては、抵抗膜方式(感圧式)、静電容量方式、赤外遮光方式、超音波表面弾性波方式、電磁誘導方式、静電結合方式、音響パルス認識方式、画像認識方式等様々な既存の方式を用いることができる。また、表示部214に一体的に形成された光センサにより、表示部214表面に置かれた物体を認識する方式も本実施形態の技術範囲に属する。
【0031】
かかるタッチ検出部218により、例えば、操作部216を用いなくとも表示部214の画面に合わせた直感的なユーザ入力を受け付けることができ、また、表示部214に表示したWebコンテンツのスクロールやポインティング等のアナログ操作も可能となる。
【0032】
通常時(通常モード)においては、タッチ検出部218がアプリケーションを示すアイコンへのタッチを検出した場合、そのアプリケーションが立ち上がり、タッチすることが想定されていないバッテリーの残量表示やピクトといった所定の状態を示すアイコンへのタッチを検出した場合、何ら動作しない。ただし、所定の可動操作キー232を押止している間の案内表示モードにおいては、全てのアイコンへのタッチによって、画一的に案内画面が表示される。かかる詳細な動作は後述する。
【0033】
音声入力部220は、マイク等の音声認識手段で構成され、通話時に入力されたユーザの音声を携帯端末110内で処理可能な電気信号に変換する。音声出力部222は、スピーカで構成され、携帯端末110で受信した通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、着信音や、操作部216やタッチ検出部218の操作音、アラーム音等も出力できる。
【0034】
端末無線通信部224は、CDMA(Code Division Multiple Access)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信方式を通じて基地局120との無線通信を確立し、通信相手との音声通信やWebサーバとのデータ通信を遂行する。
【0035】
また、上述した端末制御部210は、案内表示部236として機能する。案内表示部236は、操作部216の所定の可動操作キー232が押止された状態、即ち案内表示モードで、タッチ検出部218を通じて表示部214に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、アイコンに関する所定の案内画面を表示部214に表示させる。
【0036】
本実施形態では、タッチ検出部218をタッチ可能な状態において、所定の可動操作キー232を押止するだけで案内表示モードに移行し、案内表示モードの間の任意のアイコンへのタッチは、そのアイコンに予め定められた動作ではなく、そのアイコンに関する案内画面を一意に表示する。従って、その案内が比較的深い階層に設けられる所定の状態を示すアイコンに関しても、複数の階層を経ることなく簡単な操作でアイコンの案内を受けることが可能となる。
【0037】
図5は、案内表示モードを説明するための説明図である。ここでは、ユーザによる所定の可動操作キー232の押止に応じて図5(a)の如く案内表示モードに移行し、図5(b)のような、ピクトのアイコン238へのユーザのさらなるタッチに基づいて図5(c)に示したように案内画面240が表示される。ここでは、特に案内画面240として、アイコン(ピクトのアイコン238)の内容を特定する情報が示されている。
【0038】
このように、案内画面240として、そのアイコンの内容を特定する情報が統一的に示されることで、ユーザは携帯端末110の種類や機能の違いに拘わらず画一的に当該案内操作を実行でき、煩雑な取扱説明書や機能説明を参照しなくても手慣れた手順で容易に所望する情報を視認することが可能となる。
【0039】
そのような案内表示部236による案内画面240の表示を、所定の可動操作キー232を押止したときといった必要時のみに制限することで、案内画面240が不要な場合においても対応できるように常に監視し続けメモリや電力を無駄に費やすといった電力や処理時間の消費を抑制することができる。
【0040】
図6は、このような案内画面の表示例を示した説明図である。ここでは、アイコンの内容を特定する情報として、アイコンの名称および説明文が示されている。
【0041】
また、案内表示部236は、案内画面240中のアイコンへのさらなるユーザ入力が検出されると、アイコンによって特定されるアプリケーションの起動方法を案内する新たな案内画面を表示部214に表示させる。
【0042】
図7は、案内表示モードの他の例を説明するための説明図である。ここでは、ユーザによる所定の可動操作キー232の押止に応じて図7(a)の如く案内表示モードに移行し、図7(b)のような、電子メール着信ありのアイコン242へのユーザのタッチに基づいて図7(c)に示したように案内画面240が表示される。ここでは、案内画面240として、アイコン(電子メール着信ありのアイコン)242と同一図柄のアイコン244と、そのアイコン244の内容を特定する情報(例えば、アイコンの名称や説明文)が示される。
【0043】
そして、案内画面240中のアイコン244へのさらなるユーザ入力が検出されると、図7(d)に示したような案内画面246が表示される。ここでは、案内画面246として、アイコン242および244によって特定されるアプリケーションの起動方法が統一的に示される。従って、かかる起動方法に従うと、当該アイコン242、244によって特定されるアプリケーションを起動することができる。
【0044】
かかる起動方法の案内画面246を表示する構成により、図7(d)のように、最初にタッチしたアイコン242によって特定されるアプリケーションの存在を把握することができ、さらに、そのアプリケーションの起動方法も再度の検索を伴うことなく迅速かつ容易に視認することができる。
【0045】
また、上述した図7(d)の起動方法を案内する案内画面246にはアプリケーションの起動アイコン248も示されている。かかる起動アイコン248をタッチすると、図7(e)のようにアイコン242で特定される電子メールアプリケーションが起動する。
【0046】
かかる構成により、アイコンによって特定されるアプリケーションの手動検索を伴うことなく、迅速かつ容易に関連するアプリケーションを起動することが可能となる。
【0047】
また、そもそもアプリケーションの起動を目的としていたが、どこから入ってよいのか分からない場合でも、関連するアイコン、ここでは電子メール着信ありのアイコン242から目的とする電子メールアプリケーションの起動方法および起動アイコン248を検索でき、さらに、その起動を簡単に実行できるので、利便性および操作性が向上する。
【0048】
一方、図5および図7を用いて説明した、例えば、ピクトのアイコン238、電子メール着信ありのアイコン242に関する案内画面の参照履歴は、履歴記憶部230に随時記憶される。そして、案内表示部236は、案内表示モードにおいて、表示部214に表示された所定の履歴参照アイコン234へのユーザ入力を検出すると、履歴記憶部230に記憶された所定の案内画面の履歴を表示部214に表示させる。
【0049】
図8は、案内表示モードのさらに他の例を説明するための説明図である。ここでも、ユーザによる所定の可動操作キー232の押止に応じて図8(a)の如く案内表示モードに移行する。そして、過去に案内表示モードを利用したことがあれば、「Info」で示される履歴参照アイコン234が点滅する。このように点滅している履歴参照アイコン234が図8(b)のようにタッチされると、かかるユーザ入力に基づいて図8(c)に示したように過去の案内表示モード時における参照履歴をリスト化した案内画面250が表示される。
【0050】
さらに、ユーザ入力により上記参照履歴から1つの案内画面が選択されると、選択された所定の案内画面を表示部214に再度表示させることができる。図8(c)の例においては、「New Email Messages」の名称で特定される電子メールアプリケーションのアイコン242の案内画面が選択されているので、過去に参照した図7(d)同様の案内画面246が表示される。
【0051】
ここでは、案内表示モードにおいて所定の履歴参照アイコン234がタッチされると過去の案内表示モード時に操作した履歴を再度選択することが可能となる。かかる構成により、例えば、操作中に着信がありその案内画面による案内を一旦中止した場合等、案内表示モード中に所定の可動操作キー232の押止状態が途絶えてしまったとしても、上述した案内表示モードを再度実行することで、前回の操作状態を再現することが可能となり、煩わしい再度の操作入力を経ることなく迅速かつ容易に所望する案内画面に到達することができる。
【0052】
以上、説明した携帯端末110によって、表示部214および直感的なタッチ検出部218を有効活用し、複数の階層を経ることなく、簡単な操作で迅速かつ確実にアイコンの情報を取得することが可能となる。
【0053】
(端末操作方法)
次に、上述した携帯端末110を操作する端末操作方法を説明する。
【0054】
図9は、端末操作方法の全体的な流れを示したフローチャートである。例えば、表示部214に待ち受け画面が表示されている状態で、ユーザが操作部216の所定の可動操作キー232を押止すると(S300)、当該携帯端末110の動作モードが通常モードから案内表示モードに移動し(S302)、表示部214の一部に履歴参照アイコン234を表示する。このとき、過去に案内表示モードを利用したことがあれば、即ち、履歴記憶部230に案内画面の参照履歴が記憶されていれば、履歴参照アイコン234を点滅させまたは色を変更させて表示する。
【0055】
かかる案内表示モードは、所定の可動操作キー232の押止状態を止めると解除される。従って、フローチャートのどの処理タイミングであっても、所定の可動操作キー232が無効になることで当該端末操作方法は終了する。
【0056】
ここで、タッチ検出部218を通じて表示部214に表示されたアイコンへのユーザ入力が検出されると(S304)、そのタッチされた対象アイコンが履歴参照アイコン234であるか否かが判断され(S306)、履歴参照アイコン234ではない通常のアイコンであれば、案内表示部236は、指定されたアイコンの案内画面を表示する(S308)。
【0057】
続いて、当該指定されたアイコンにアプリケーションが設定されているか否かが判断され(S310)、アプリケーションの設定があれば、案内表示部236は、案内画面に表示したアイコンへのユーザ入力を待って(S312)、そのアプリケーションの起動方法の案内画面を表示し、併せて起動アイコン248を表示する(S314)。ここで、起動アイコン248へのユーザ入力を検出すると(S316)、そのアプリケーションを起動する(S318)。
【0058】
上記対象アイコンが履歴参照アイコン234であるか否かの判断(S306)において、履歴参照アイコン234であると判断された場合(S306の「YES」)、案内画面の参照履歴があるか否かが判断され(S322)、参照履歴があれば、案内表示部236は、その案内画面の参照履歴をリスト化して表示部214に表示する(S324)。そして、その参照履歴に対するユーザの選択入力を待って(S326)、選択された案内画面を表示する(S328)。
【0059】
かかる端末操作方法によっても、携帯端末110に予め準備されている複数の階層を経ることなく、簡単な操作で迅速かつ確実にアイコンの情報を取得することが可能となる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
なお、本明細書の端末操作方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、表示部に表示された複数のアイコンの情報を容易に入手可能な携帯端末および端末操作方法に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】無線通信システムの概略的な接続関係を示した説明図である。
【図2】携帯端末のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。
【図3】携帯端末の外観を示した斜視図である。
【図4】所定の可動操作キーを説明するための説明図である。
【図5】案内表示モードを説明するための説明図である。
【図6】案内画面の表示例を示した説明図である。
【図7】案内表示モードの他の例を説明するための説明図である。
【図8】案内表示モードのさらに他の例を説明するための説明図である。
【図9】端末操作方法の全体的な流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
110 …携帯端末
214 …表示部
216 …操作部
218 …タッチ検知部
230 …履歴記憶部
232 …所定の可動操作キー
234 …履歴参照アイコン
236 …案内表示部
248 …起動アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の表面に対するユーザ入力を受け付けるタッチ検出部と、
複数の可動操作キーで構成される操作部と、
前記操作部の所定の可動操作キーが押下され、前記タッチ検出部を通じて前記表示部に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、該アイコンに関する所定の案内画面を前記表示部に表示させる案内表示部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記所定の案内画面には、前記アイコンの内容を特定する情報が示されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記案内表示部は、前記所定の案内画面中の前記アイコンへのさらなるユーザ入力が検出されると、該アイコンによって特定されるアプリケーションの起動方法を案内する案内画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記起動方法を案内する案内画面には、前記アイコンによって特定されるアプリケーションの起動アイコンも示されることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記案内表示部による所定の案内画面の履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記案内表示部は、さらに、前記操作部の所定の可動操作キーが押下され、前記タッチ検出部を通じて前記表示部に表示された所定の履歴参照アイコンへのユーザ入力を検出すると、前記履歴記憶部に記憶された所定の案内画面の履歴を前記表示部に表示させ、さらなるユーザ入力により該履歴から選択された所定の案内画面を前記表示部に再度表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
表示部と、該表示部の表面に対するユーザ入力を受け付けるタッチ検出部と、複数の可動操作キーで構成される操作部と、を備える携帯端末を操作する端末操作方法であって、
前記操作部の所定の可動操作キーが押下され、前記タッチ検出部を通じて前記表示部に表示されたアイコンへのユーザ入力を検出すると、該アイコンに関する所定の案内画面を前記表示部に表示させることを特徴とする端末操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−9287(P2010−9287A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167322(P2008−167322)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】