説明

携帯端末及びプログラム

【課題】測位を繰り返す事前設定が携帯端末になされていない場合であっても、乗り過ごし防止機能を作動させる。
【解決手段】携帯端末は、GPS測位方式に従って自端末の位置を計測する測位部を有し、自端末が高速移動中であることを検知した場合に(S1;YES)、測位部に繰り返し測位させる自動測位を開始する(S2)。携帯端末は、自動測位が可能と判定した場合(S3;YES)、GPS測位方式に従う測位結果に基づいて、列車に自端末のユーザが乗車中であるか否かを判定する(S5)。携帯端末は、乗車中であると判定した場合(S5;YES)、測位部が計測した位置とユーザが降車予定駅とに基づいて、降車予定駅に接近したことをユーザに報知する(S6〜S9)。携帯端末は、高速移動という列車に乗車中に生じる事象の検知を契機に自動測位を開始するので、自動測位に関する事前設定に関わらず、乗り過ごし防止機能を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の報知機能に関する。
【背景技術】
【0002】
電車やバス等の車両を利用するユーザに、降車予定の停車場所(例えば、駅や停留所)に接近したことを報知する、乗り過ごし防止機能を備えた携帯端末がある。特許文献1は、GPS(Global Positioning System)衛星から取得した位置情報や内部時計を用いて、距離や時刻、速度を含むデータを計測し、ユーザが目的地に接近するとアラーム報知することを開示している。特許文献2は、PHS(Personal Handyphone System)における移動局装置に、駅周辺をサービスゾーンとする基地局装置の識別番号を記憶させ、基地局装置から受信した識別情報を用いて目的駅に接近したことを報知することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−177607号公報
【特許文献2】特開平9−130859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2が開示する技術では、少なくともユーザが車両に乗車している期間は携帯端末が測位を繰り返さなければならないが、この測位を行わないように携帯端末が予め設定されている場合、乗り過ごし防止機能が正常に作動しない。
これに対し、本発明の目的は、測位を繰り返す事前設定が携帯端末になされていない場合であっても、乗り過ごし防止機能を作動させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の携帯端末は、自端末の位置を計測する測位部と、自端末が所定速度以上で移動させられることにより生じる事象を検知する検知部と、前記検知部で前記事象が検知された後に、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御部と、予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを、前記事象が検知された後に前記測位部が計測した位置に基づいて判定する乗車判定部と前記乗車判定部で乗車中であると判定された場合に、前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記測位制御部は、前記検知部で前記事象が検知されたことを契機に前記計測の頻度を上げる。
本発明の別の好ましい態様において、基地局と無線通信する無線通信部を備え、前記検知部は、前記無線通信部が無線通信する基地局が変更する頻度、又は当該基地局から受信する電波の強度の変動量を表す前記事象を検知する。
本発明の別の好ましい態様において、自端末の位置から所定範囲内のエリアに存在する無線通信端末の数を取得する端末数取得部を備え、前記乗車判定部は、前記測位部が計測した位置が前記路線上にあることを示し、かつ、前記端末数取得部が取得した数が閾値以上である場合に、乗車中であると判定する。
【0007】
また、本発明の携帯端末は、自端末の位置を計測する測位部と、予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを判定する乗車判定部と、前記乗車判定部で乗車中であると判定されたことを契機に計測の頻度を上げて、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御部と、前記乗車判定部で乗車中であると判定された場合に、前記頻度を上げた後に前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の別の好ましい態様において、自端末に作用する加速度を検知する加速度検知部を備え、前記乗車判定部が乗車中であると判定する条件として、前記車両が走行するときに当該車両に作用する加速度パターンが前記加速度検知部で検知されたことを含む。
本発明の別の好ましい態様において、場所を指定したスケジュールを設定するスケジュール設定部と、前記スケジュール設定部が設定したスケジュールで指定される場所に基づいて、前記降車予定の停車場所を推定する降車場所推定部とを備え、前記報知部は、前記降車場所推定部で推定された停車場所に接近したことを報知する。
本発明の別の好ましい態様において、ユーザが各停車場所に訪れた頻度を蓄積する履歴蓄積部と、前記履歴蓄積部に蓄積された頻度が高いものをより優先するように、前記降車予定の停車場所を推定する降車場所推定部とを備え、前記報知部は、前記降車場所推定部で推定された停車場所に接近したことを報知する。
【0009】
また、本発明のプログラムは、自端末の位置を計測する測位部を有している携帯端末のコンピュータに、自端末が所定速度以上で移動させられることにより生じる事象を検知する検知ステップと、前記検知ステップにおいて前記事象が検知された後に、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御ステップと、予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを、前記事象が検知された後に前記測位部が計測した位置に基づいて判定する乗車判定ステップと、前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定された場合に、前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知ステップとを実行させるためのものである。
【0010】
また、本発明のプログラムは、自端末の位置を計測する測位部を有している携帯端末のコンピュータに、予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に、自端末のユーザが乗車中である否かを判定する乗車判定ステップと、前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定されたことを契機に計測の頻度を上げて、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御ステップと、前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定された場合に、前記頻度を上げた後に前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知ステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、測位を繰り返す事前設定が携帯端末になされていない場合であっても、乗り過ごし防止機能を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の概要を説明する図
【図2】システムの全体構成を示す図
【図3】携帯端末の構成を示すブロック図
【図4】路線情報DBのデータ構造を示す図
【図5】測位履歴DBのデータ構造を示す図
【図6】制御部が実現する機能構成を示す機能ブロック図
【図7】制御部が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャート
【図8】第1乗車判定処理の流れを示すフローチャート
【図9】第2乗車判定処理の流れを示すフローチャート
【図10】降車駅推定処理の流れを示すフローチャート
【図11】降車駅推定処理の内容を説明する図
【図12】制御部が実現する機能構成を示す機能ブロック図
【図13】制御部が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャート
【図14】第1乗車判定処理の流れを示すフローチャート
【図15】制御部が実現する機能構成を示す機能ブロック図
【図16】制御部が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態の概要を説明する図である。
この実施形態で後述する携帯端末10を所有するユーザは、線路300を走行する列車200を利用することがある者である。列車200は本発明の車両の一例であり、線路300は列車200が走行する線路に対応し、本発明の路線の一例である。図1に示すように、ここでは線路300に沿うようにして道路500が敷設され、線路300と道路500とは互いに近接している。列車200は、利用者の乗降のために各駅400に停車しながら線路300を走行する。駅400は、本発明の停車場所の一例である。図1に示すように、線路300には予め決められた停車駅として、A駅400a、B駅400b及びC駅400cが含まれる。携帯端末10は乗り過ごし防止機能を作動するものであり、ユーザが降車予定の駅400に接近したときに、その接近をユーザに対して報知する。例えば、図1に示す矢印方向を進行方向として列車200が走行し、かつ、C駅400cが降車予定駅として携帯端末10に設定されている場合、図1に「報知」と付した破線矢印で示す位置であり、C駅400cよりも進行方向やや手前の位置で、携帯端末10はC駅400cへの接近をユーザに対して報知する。
【0014】
図2は、本実施形態のシステムの全体構成を示す図である。
携帯端末10は、ここでは携帯電話端末であり、基地局20a,20b,20c,・・・と無線通信する無線通信端末である。基地局20a,20b,20c,・・・(以下、これらを特に区別する必要のない場合に、「基地局20」と総称する。)はそれぞれ、自局が発する電波が届く範囲を通信可能エリアとする無線基地局である。携帯端末10が複数の基地局20の通信可能エリア内にいる場合、基本的には最寄りの基地局20と通信する。中継装置30a,30b,・・・(以下、これらを特に区別する必要のない場合に、「中継装置30」と総称する。)は、基地局20cと通信可能なように有線等で接続され、基地局20cと携帯端末10等との無線通信を中継するものである。中継装置30は、地下鉄やビルの中等のように基地局20からの電波が届きにくい場所であっても、携帯端末10等がネットワークNWに接続できるようにするものである。中継装置30は、例えば、IMCS(Inbuilding Mobile Communication System)(登録商標)と呼ばれるサービスで使用されるものである。携帯端末50は、携帯端末10のユーザ以外のユーザに所有されるものであり、ここでは一般的な構成の携帯電話端末である。携帯端末50も、携帯端末10と同様にしてネットワークNWに接続することができる。通信可能エリア内の携帯端末10,50は、基地局20からその基地局固有の信号を受信して自端末の位置を特定する一方、その位置を示す情報を自端末の識別情報とともに位置登録データベースに送信する。位置登録データベースは、携帯端末10や携帯端末50を識別する識別情報と各端末の位置を示す情報とを対応付けて記憶するデータベースである。
【0015】
サーバ装置40は、ネットワークNWに接続され、携帯端末10,50と通信可能である。サーバ装置40は、携帯端末10,50の位置を示す位置情報を、各端末を識別する識別情報と対応付けて蓄積する。サーバ装置40は、例えば乗り過ごし防止機能の作動において、GPS測位方式に従う測位結果を位置提供通知等を利用して各端末から受信し、これを蓄積する。この実施形態で「位置情報」と称するものは、緯度及び経度で表される位置を示す情報である。
本実施形態のシステムの全体構成の説明は以上である。
【0016】
図3は、携帯端末10の構成を示すブロック図である。携帯端末10は、図3に示すように、制御部11と、操作部12と、表示部13と、無線通信部14と、加速度センサ15と、音声入出力部16と、測位部17と、記憶部18とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置や計時部、メモリを備える。演算装置は、記憶部18に記憶されたデータをメモリに読み出して、携帯端末10の動作を制御する。計時部は、例えばリアルタイムクロックを備え、計時する機能を有している。操作部12は、テンキー等の複数の操作子を備え、ユーザによる操作子の操作を受け付ける。表示部13は、例えば液晶駆動回路や液晶ディスプレイを備え、画像の表示により情報に応じた内容を報知する。無線通信部14は、無線通信回路やアンテナを備え、基地局20や中継装置30と無線通信してネットワークNWに接続するためのインタフェースである。加速度センサ15は、いわゆる3軸加速度センサであり、携帯端末10に作用する加速度を検出し、その検出結果を制御部11に出力する。加速度センサ15は、携帯端末10に作用する加速度を検知する加速度検知部として機能する一方で、携帯端末10に作用する振動を検知する振動検知部としても機能するものである。音声入出力部16は、受話音声等を収音するマイクロホンや送話音声等を放音するスピーカを備え、携帯端末10に対する音声の入出力に関する機能を実現する。測位部17は、GPS測位方式に従って携帯端末10の位置を計測する。制御部11は、測位部17により受信されたGPS信号に基づいて測位を行って、携帯端末10の位置を示す位置情報を生成する。
【0017】
記憶部18は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)を備える記憶部であり、乗り過ごし防止アプリ181と、降車駅情報182と、路線情報DB(Data Base)183と、測位履歴DB184と、スケジュール帳185とを記憶する。乗り過ごし防止アプリ181は、乗り過ごし防止機能を作動するために制御部11により実行されるアプリケーションプログラムである。降車駅情報182は、ユーザの降車予定駅を記述したものである。本実施形態では、降車予定駅が携帯端末10に設定済みの場合には降車駅情報182が記憶部18に記憶されているが、降車予定駅が未設定の場合には降車駅情報182が記憶部18に記憶されていない。
【0018】
図4は、路線情報DB183のデータ構造を示す図である。
図4に示すように、路線情報DB183は、「路線位置情報」と、「駅ID」とを対応付けて記憶するデータベースである。「路線位置情報」のフィールドには、線路300上の各位置を示す位置情報が記述される。路線位置情報は、線路300上の位置を網羅するように路線情報DB183に記述されることが好ましいが、実施上差し支えのない程度に、所定間隔ごとに位置情報が間引いて記述されていてもよい。路線位置情報が示す位置に携帯端末10がある場合、携帯端末10は線路300上に位置することを意味する。すなわち、この場合、携帯端末10を所有するユーザが列車200に乗車中である可能性が高いといえる。「駅ID」のフィールドには、駅400のそれぞれを識別する識別情報である駅IDが記述される。つまり、路線情報DB183では、路線位置情報が示す位置にいずれかの駅400がある場合、この路線位置情報に対応付けて、「駅ID」のフィールドにその駅400を識別する駅IDが記述されている。一方、駅400が存在しない場合は、「駅ID」のフィールドはブランクである。駅IDは、路線情報DB183を参照して、各駅400の所在地を示す位置情報が特定できるように駅毎に割り当てられている。
【0019】
図5は、測位履歴DB184のデータ構造を示す図である。
図5に示すように、測位履歴DB184は、「測位日時」と、「測位位置情報」とを対応付けて記憶するデータベースである。「測位日時」のフィールドには、測位部17が測位した日時であって制御部11の計時部により計時された日時が記述される。「測位位置情報」のフィールドには、測位部17の測位結果を示す位置情報が記述される。つまり、測位履歴DB184は、「測位日時」のフィールドに記述された日時に、「測位位置情報」のフィールドに記述された位置情報が示す位置が測位部17により計測されたという具合に、測位の履歴を蓄積するものである。換言すると、測位履歴DB184は携帯端末10のユーザが所在した位置の履歴を蓄積するものであり、ユーザが各駅400に訪れた頻度も含む。
なお、図4,5に示す路線情報DB183及び測位履歴DB184において、図示のパラメータが同一である位置情報同士は、互いに同一の位置を示す。
【0020】
スケジュール帳185は、いわゆるスケジューラを実現するために用いられるデータである。スケジュール帳185には、ユーザにより設定されたスケジュールとして、場所及び時刻を指定したスケジュールが記述される。
【0021】
図6は、乗り過ごし防止機能に関して制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図である。
制御部11は乗り過ごし防止アプリ181を含むプログラムを実行することにより、図6に示すように、高速移動検知部111と、測位制御部112と、位置情報取得部113と、路線情報取得部114と、周辺端末数取得部115と、乗車判定部116と、スケジュール設定部117と、降車駅推定部118と、報知部119とに相当する各機能を実現する。例えば、スケジュール設定部117以外の機能は、乗り過ごし防止アプリ181の実行により実現される。
【0022】
高速移動検知部111は、携帯端末10が所定速度以上で移動させられることにより携帯端末10で生じる事象を検知する検知部である。この所定速度は、列車200の走行速度に対応している。すなわち、高速移動検知部111は、携帯端末10のユーザが列車200に乗車しているときのような高速移動中に、携帯端末10で生じる事象を検知するものである。
【0023】
携帯端末10のユーザが、列車200や自動車等の高速移動しうる乗り物に乗車中である場合、いわゆるハンドオーバによって、携帯端末10が属する通信可能エリアが相対的に高い頻度で切り替わる。この頻度は、単位時間当たりに基地局20が切り替わる回数のことである。よって、この切り替わりの頻度は、携帯端末10が高速移動中であるか否かの判定の指標となる。例えば、高速移動検知部111は、基地局20から受信する位置登録のための信号を用いて、この切り替わりの頻度を検知する。
なお、位置登録は、複数の基地局をまとめた呼び出しエリアで区切って運用されることがある。高速移動検知部111は、この呼び出しエリア単位での切り替わりを検知してよい。
【0024】
また、高速移動中にあっては、携帯端末10が基地局20から受信する電波の強度の変動量が相対的に大きくなる。この変動量は、単位時間当たりの電波の受信強度の変化量である。よって、この電波の受信強度の変動量についても、携帯端末10が高速移動中であるか否かの判定の指標となる。そこで、高速移動検知部111は、例えば、通信可能エリアに属する基地局20が切り替わる頻度が閾値以上であり、かつ、基地局20からの電波の受信強度の変動量が閾値以上であることを、携帯端末10が高速移動中に生じる事象として検知する。このように、高速移動検知部111は、これらの2種類の事象を同時期に検知したことを、携帯端末10が高速移動中であることとして検知する。
なお、各閾値は、列車200の走行する速度に応じた値となるように、予め設計段階で決められているとよい。
【0025】
測位制御部112は、高速移動検知部111で高速移動中であることが検知された後に、携帯端末10の位置を測位部17に繰り返し計測させる。測位制御部112は、例えば一定間隔を空けて測位部17に繰り返し測位させる。以下では、この測位のことを、「自動測位」と称する。測位制御部112は、たとえ携帯端末10が高速移動中であることが検知される前に自動測位を行わせていなかったり、これよりも低い頻度で測位を行わせたりした場合であっても、この検知を契機に測位部17に自動測位を開始させる。この場合、測位制御部112は、高速移動検知部111で高速移動中であることが検知されたことを契機に測位の頻度を上げることになるが、携帯端末10の測位に関する事前設定に関わらず測位部17に自動測位を行わせるものと換言される。
これ以外にも、測位制御部112は、測位部17による測位が可能となった場合(例えば、測位可能なエリアへの復帰時)に測位部17による測位を開始させたり、GPS測位方式以外の測位方式であり、基地局20や中継装置30との無線通信を用いて測位するための制御を行ったりする。すなわち、測位制御部112は、携帯端末10における測位に関する制御を司るものである。
【0026】
位置情報取得部113は、測位部17の測位結果に基づいて位置情報を算出してこれを取得する。そして、位置情報取得部113は、測位部17の測位結果に基づいて算出した位置情報と、その測位を行った測位日時とを対応付けて測位履歴DB184に記憶させる。
【0027】
路線情報取得部114は、路線情報DB183が最新のものとなるように更新するべく、無線通信部14によりサーバ装置40等と通信して必要な情報を取得する。路線情報取得部114は、取得した情報を用いて路線情報DB183を更新する。これにより、路線が新設されたり、線路300の延伸があったりした場合も、最新の路線情報を携帯端末10で管理することができる。
【0028】
周辺端末数取得部115は、携帯端末10の位置から所定範囲内のエリアに存在する携帯端末50の数(以下、「周辺端末数」という。)を取得する。このエリアは、ユーザが列車200に乗車中であると仮定した場合に、その周辺にいる携帯端末50のユーザも列車200に乗車中と推測できる範囲に決められる。この範囲は、例えば列車200の乗車空間の大きさにも依存するが、設計段階等で予め決められた大きさでよい。周辺端末数取得部115は、サーバ装置40に蓄積された各端末の位置情報を用いてサーバ装置40により算出された周辺端末数を、無線通信部14により取得する。周辺端末数取得部115は、測位部17による自動測位が行われたときの周辺端末数をそれぞれ取得して、各測位日時の周辺端末数を把握する。
【0029】
乗車判定部116は、携帯端末10のユーザが列車200に乗車中であるか否かを、高速移動中であることが検知された後に測位部17の自動測位により得られた位置情報に基づいて判定する。乗車判定部116は、測位履歴DB184から、例えば最新の測位結果をより優先するようにその所定回数分の位置情報を取得する。乗車判定部116は、取得した位置情報が示す位置が線路300上にあることを示し、かつ、周辺端末数取得部115により取得された周辺端末数が閾値以上である場合に、乗車中と判定する。
【0030】
スケジュール設定部117は、スケジューラとしての機能を実現し、スケジュールの設定を行う。スケジュール設定部117は、ユーザによる操作部12の操作等によって入力されたスケジュールをスケジュール帳185に記述する。スケジュール設定部117は、必要に応じて、既に設定したスケジュールの内容を表示部13に表示させてユーザに提示する。
【0031】
降車駅推定部118は、スケジュール帳185で指定される場所に基づいて、ユーザの降車予定駅を推定する。また、降車駅推定部118は、測位履歴DB184に蓄積された履歴に基づいて、ユーザが訪れた頻度がより高い駅400をより優先するように、降車予定駅を推定する。降車駅推定部118は、推定した降車予定駅を記述した降車駅情報182を記憶部18に記憶する。すなわち、降車駅推定部118は、本発明の降車場所推定部の一例である。
【0032】
報知部119は、乗車判定部116で乗車中であると判定された場合に、測位部17が計測した位置がユーザの降車予定駅に接近したときには、その接近をそのユーザに報知する。報知部119は、例えば、最新の測位結果を示す位置情報と、路線情報DB183に記述された路線位置情報とを比較して両者の位置関係を特定する。そして、報知部119は、降車駅情報182が示す駅400をユーザの降車予定駅とし、降車予定駅から所定距離以下に携帯端末10が近づいたり、次に停車する駅400が降車予定駅となったりしたことを契機に、その接近を報知する。
携帯端末10の構成の説明は以上である。
【0033】
図7は、乗り過ごし防止機能に関して携帯端末10の制御部11が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明にする動作前においては、携帯端末10は自動測位を行っていないものとする。
制御部11は、乗り過ごし防止アプリ181を実行すると、携帯端末10が高速移動中であることで生じる事象の検知を試みる。そして、制御部11は、携帯端末10が高速移動中であることを検知したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、制御部11は、携帯端末10が無線通信する基地局20が切り替わる頻度が閾値以上であり、かつ、基地局20からの電波の受信強度の変動量が閾値以上であるという事象が発生すると、携帯端末10が高速移動中であることを検知する(ステップS1;YES)。
【0034】
制御部11は、携帯端末10が高速移動中であると検知した後に、測位部17に自動測位を行わせる(ステップS2)。ここでは、制御部11は、1分間につき1回として自動測位を行うよう、測位部17を制御する。このように、制御部11は、高速移動中であるという、ユーザが列車200に乗車中である場合に生じる事象のひとつを満たした後には必ず測位部17に自動測位を行わせる。
【0035】
次に、制御部11は、測位部17による自動測位を実行可能であるか否かを判定する(ステップS3)。ここでは、制御部11は、自動測位の可否を示す測位不能条件を満たすか否かを判定する。測位不能条件は、例えばGPS衛星からのGPS信号を携帯端末10が受信できないか、又はその受信強度が閾値以下であることを示す。また、測位が可能である場合であっても、測位結果の信頼度が閾値以下であることを測位不能条件としてもよい。
【0036】
ここで、制御部11は、測位不能条件を満たさず、測位部17による自動測位が可能であると判定した場合には(ステップS3;YES)、第1乗車判定処理を実行する(ステップS4)。第1乗車判定処理は、制御部11がGPS測位方式に従った測位部17による自動測位の結果に基づいて乗車判定処理を実行する。
ここで、第1乗車判定処理の詳細について説明する。
【0037】
図8は、第1乗車判定処理の流れを示すフローチャートである。
制御部11は、測位部17の測位結果を示す位置情報を所定回数分取得する(ステップS41)。ここでは、制御部11は、測位履歴DB184から例えば最新の測位結果をより優先するように所定回数分(例えば、10回分)の位置情報を取得する。次に、制御部11は、記憶部18から路線情報DB183を読み出す(ステップS42)。
次に、制御部11は、ステップS41の処理で取得した位置情報と、読み出した路線情報DB183の路線位置情報とを比較し、異なる2以上の測位結果が線路300上に位置しているか否かを判定する(ステップS43)。ここでは、制御部11は、測位部17の計測誤差を考慮して、線路300上に位置すると見做せる測位結果も含めて抽出してよい。制御部11が図5に示す内容の位置情報を取得した場合、「2010/07/11 08:52」、「2010/07/11 08:56」及び「2010/07/11 08:57」の測位結果が路線情報DB183に記述されたものと一致すると判定する。この場合、制御部11は、ステップS43の処理で「YES」と判定する。
GPS測位方式による測位の精度を考慮した場合、ユーザが線路300上にいないにも関わらず、計測誤差によって線路300上にいると検出されることがある。このような偶発的な計測誤差は、単発で生じることはあっても、続けて複数回生じる可能性はそれよりも小さい。よって、制御部11がステップS43の処理で複数の測位結果を参照することで、計測誤差による影響を抑えられると考えられる。
【0038】
次に、制御部11は、異なる2以上の測位結果が線路300上の同一位置にあるか否かを判定する(ステップS44)。ここで、制御部11が図5に示す内容の位置情報を取得した場合、「2010/07/11 08:55」及び「2010/07/11 08:56」の測位結果が同一位置であると判定する。この場合、制御部11は、ステップS44の処理で「YES」と判定する。
線路300上にユーザが位置し、かつ、異なる2以上の測位結果が同一位置を表す場合、これはいずれかの駅400で列車200が停止したことを意味する推測される。列車200は、線路300を走行する際に、利用者の乗降のために必ず駅400で停止する。このような列車200の走行上の特徴に照らして、制御部11はステップS44の処理を実行している。
【0039】
次に、制御部11は、測位部17で計測された一毎の周辺端末数を取得して(ステップS45)、異なる2以上の位置で周辺端末数が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS46)。制御部11は、サーバ装置40から取得した周辺端末数を参照し、閾値を超えるものが2以上ある場合には「YES」と判定する。周辺端末数については、その値が大きいほど、周辺に測位を行った携帯端末50のユーザが大勢いることを意味する。列車200にいるユーザは、自宅等のその他の場所にいる場合に比べて、GPS測位方式を利用する頻度や乗り過ごし防止機能を利用する頻度が高いと考えられる。また、携帯端末10のユーザの周辺に携帯端末50のユーザが大勢いる状況も、列車200の中であったり人混みの中であったりする等、或る程度限られてくる。よって、周辺端末数が閾値以上である場合には、周辺端末数が少ない場合に比べて、ユーザが列車200に乗車中である可能性が高いと推測される。
制御部11は、ステップS46の処理で「YES」と判定すると、携帯端末10のユーザが列車200に乗車中であると判定する(ステップS47)。
【0040】
一方、制御部11は、ステップS43の処理で異なる2以上の測位結果が線路300上に位置しないと判定した場合(ステップS43;NO)や、ステップS44の処理で異なる2以上の測位結果が線路300上の同一位置にない場合(ステップS44;NO)、ステップS46の処理で異なる2以上の位置で周辺端末数が閾値以上でない場合(ステップS46;NO)には、携帯端末10のユーザが列車200に乗車中でないと判定する(ステップS48)。
第1乗車判定処理の説明は以上である。
【0041】
図7に戻って説明する。
制御部11は、ステップS4の処理の第1乗車判定処理の結果に基づいて、ユーザが列車200に乗車中であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、制御部11は乗車中であると判定すると(ステップS5;YES)、降車予定駅が設定されているか否かを判定する(ステップS6)。
【0042】
制御部11は、降車駅情報182を参照して降車予定駅が設定されている場合(ステップS6;YES)、継続して測位部17に自動測位を行わせる(ステップS7)。そして、制御部11は、測位部17が計測した位置とユーザが降車予定駅の位置とに基づいて、その降車予定駅に接近したか否かを判定する(ステップS8)。ここでは、制御部11は、携帯端末10が降車予定駅から所定距離以下の距離に近づいたり、次の停車駅が降車予定駅となったりした場合に、接近したと判定する。制御部11は、ユーザが降車予定駅に接近していないと判定すると(ステップS8;NO)、ステップS7の処理に戻る。
【0043】
制御部11は、ユーザが降車予定駅に接近したと判定すると(ステップS8;YES)、報知音を音声入出力部16のスピーカから放音させたり、いわゆるバイブレーション機能を利用した振動を発生させたりして、ユーザが知覚できるようにその接近をユーザに報知する(ステップS9)。
【0044】
ところで、ステップS3の処理において、制御部11は、測位不能条件を満たし、測位部17による測位が不可能であると判定した場合には(ステップS3;NO)、第2乗車判定処理を実行する(ステップS10)。第2乗車判定処理は、中継装置30との無線通信により、携帯端末10のユーザが列車200に乗車中であるか否かを判定する処理である。
ここで、第2乗車判定処理について説明する。
【0045】
図9は、第2乗車判定処理の流れを示すフローチャートである。
制御部11は、中継装置30と無線通信部14により通信して、その中継装置30に割り当てられた識別情報(以下、「中継装置ID」という。)を取得する(ステップS101)。ただし、或る駅400の中継装置30に割り当てられる中継装置IDと駅IDとは同じであるか、又は携帯端末10が両者の対応関係を把握できるものとする。
携帯端末10が高速移動中であり、ユーザが列車200に乗車中の可能性がある場合に、自動測位が不可能であるときとは、ユーザが地下鉄に乗車中であることが考えられる。この場合、測位部17による測位が不可能であるので、代わりに、携帯端末10は中継装置30との通信により、携帯端末10の位置を計測する。中継装置30が送信する電波には、携帯端末10がどの中継装置30の通信可能エリアに属しているのかを判別できるように、各中継装置30固有の中継装置IDが重畳されている。携帯端末10がこの中継装置IDを受信すると、この中継装置IDからどの駅400に設置された中継装置30からこれを受信したかを特定することができる。すなわち、携帯端末10のユーザが現在どの駅400付近にいるのかを、この中継装置IDから携帯端末10は特定することができる。
以上のように、制御部11は、ステップS101の処理では中継装置30から中継装置IDを受信することによって、携帯端末10の測位を行う。
【0046】
次に、制御部11は、記憶部18から路線情報DB183を読み出す(ステップS102)。次に、制御部11は、取得した中継装置IDと、読み出した路線情報DB183とに基づいて、取得した中継装置IDが駅400に該当する中継装置IDであるか否かを判定する。(ステップS103)。ここで、制御部11は、中継装置IDがいずれかの駅400の中継装置30のものに一致すると判定した場合には(ステップS103;YES)、ユーザが列車200に乗車中であると判定する(ステップS104)。一方、制御部11は、例えばデパートの地下や駐車場等、駅400以外の中継装置30から中継装置IDを取得したと判定した場合には(ステップS103;NO)、ユーザは列車200に乗車中でないと判定する(ステップS105)。
【0047】
以上が、第2乗車判定処理の流れの説明である。この判定結果を用いて、制御部11は、ステップS5の処理で乗車中であるか否かを判定する。測位部17による測位が不可能である場合、ステップS8の処理では、制御部11は中継装置IDを用いて降車予定駅と現在位置との位置関係を特定する。例えば、制御部11は、降車予定駅の中継装置30から中継装置IDを受信したことを契機に接近を報知したり、ひとつ手前の駅400の中継装置30から中継装置IDを受信したりしたことを契機に、降車予定駅への接近をユーザに報知する。
【0048】
また、ステップS6の処理において、制御部11は、降車駅情報182より降車予定駅が設定されていないと判定した場合には(ステップS6;NO)、ステップS11の処理に進んで、「降車駅推定処理」を実行する。降車駅推定処理は、ユーザにより降車予定駅が設定されていない場合であっても、携帯端末10がそれを推定して乗り過ごし防止機能を作動できるようにするための処理である。
ここで、降車駅推定処理について説明する。
【0049】
図10は、降車駅推定処理の流れを示すフローチャートである。
制御部11は、記憶部18からスケジュール帳185を読み出して、これを取得する(ステップS111)。そして、制御部11は、スケジュール帳185に記述された内容を参照して、未着の場所が指定されたスケジュールが設定されているか否かを判定する(ステップS112)。例えば、当日中のスケジュールについてスケジュール帳185で場所が指定されている場合、ユーザがその場所に向かうべく列車200に乗車している可能性が考えられる。そうすると、降車予定駅は、その目的地となる場所に最寄りの駅400である可能性が、その他の駅400よりも高いと推測できる。そこで、制御部11は、ステップS112の処理で「YES」と判定した場合には、この目的地からの最寄りの駅400を降車予定駅に設定し(ステップS113)、その内容を示す降車駅情報182を記憶部18に記憶させる。このとき、制御部11は、最寄り駅のみならず、目的地近傍の複数の駅400について接近を報知してもよい。
なお、制御部11は、スケジュールに指定された時刻を参照し、この時刻と降車予定駅とする候補の駅400への到着予想時刻とを対比し、これらの時刻が所定の類似範囲で一致する場合に、この駅400を降車予定駅として設定してもよい。
【0050】
一方、制御部11は、ステップS112の処理で「NO」と判定した場合には、ステップS114の処理に進む。制御部11は、例えばスケジュール帳185に当日中のスケジュールが設定されていなかったり、スケジュールに場所が指定されていなかったりした場合に、ステップS112の処理で「NO」と判定する。
次に、制御部11は、記憶部18から路線情報DB183と測位履歴DB184とを読み出す(ステップS114)。そして、制御部11は、測位履歴DB184に含まれる測位結果のうち、路線情報DB183を参照して線路300上に位置するものを抽出する(ステップS115)。ここでは、制御部11は、計測誤差も考慮して、線路300上に位置すると見做せるものも含めて抽出してよい。
【0051】
次に、制御部11は、抽出した位置情報に基づいて、近傍エリア内での測位回数を駅400毎に算出する(ステップS116)。
図11は、降車駅推定処理の内容を説明する図である。図11の内容は、基本的に図1の内容に対応しているが、白丸印は過去に測位部17で測位が行われた場所であり、測位履歴DB184に情報が書き込まれた場所である。近傍エリアは、例えば、図中二点鎖線で示す円形領域であり、要するに、各駅400を中心とした所定範囲内のエリアである。つまり、近傍エリアで測位された頻度が高いということは、その駅400を頻繁に利用していることを意味し、ユーザの降車予定駅である可能性が相対的に高い。制御部11は、A駅400a、B駅400b、C駅400c・・・のそれぞれについて近傍エリアでの測位回数を算出し、これをユーザの利用頻度として算出する。ここで、例えばユーザの自宅600がC駅400cを最寄り駅とする場合、C駅400cの利用頻度がその他の駅400よりも高くなると考えられる。
なお、近傍エリアは、駅400を中心とした所定範囲内のエリアである限り、どのように定められてもよい。
【0052】
そして、制御部11は、現在位置から列車200の進行方向にある駅400のうち、利用頻度が最も高い近傍エリアに対応する駅400を降車予定駅として設定する(ステップS117)。利用頻度が高いということは、例えばその付近にユーザの自宅600や会社等たびたび訪れる最寄り駅があると推測されるので、この駅400を降車予定駅とすれば、ユーザの降車予定駅を精度よく推定できると考えられる。このように、制御部11は、ユーザが各駅400に訪れた頻度を参照し、その頻度が高いものをより優先するように降車予定駅を設定する。
なお、制御部11は、ここで近傍エリア毎の測位回数を算出して降車予定駅を推定せずに、予めこの推定を行っておいて、降車予定駅の駅IDに対応付けて、降車予定駅であることを示すフラグを記憶しておいてもよい。この場合、制御部11は、このフラグを参照して降車予定駅を設定する。
【0053】
以上が、降車駅推定処理の説明である。この推定結果を用いて、制御部11は、ステップS7の処理で自動測位を行って、降車予定駅に接近した場合にその接近を報知する。
なお、制御部11は、ステップS1,S5の処理で「NO」と判定した場合は、上記処理ステップの実行を終了する。そして、制御部11は、所定期間が経過したら上記処理ステップを実行する等、決められた期間が経過するたびに、図7に示す処理ステップを実行する。
【0054】
以上説明した第1実施形態によれば、携帯端末10は、高速移動中であることを検知した後に、測位部17に自動測位を行わせて乗車判定処理を実行する。このように、制御部11は、ユーザが列車200に乗車しているときに生じる事象の一部として、高速移動中であることを検知した場合に、自動測位を測位部17に行わせる。携帯端末10によれば、ユーザが列車200に乗車中である場合には必ず自動測位を行うから、測位を繰り返す事前設定が携帯端末10になされていない場合であっても、乗り過ごし防止機能を作動させることができる。また、携帯端末10によれば、常に自動測位を行う場合に比べて、乗り過ごし防止機能の作動に要する消費電力の増大を抑えることができる。
また、携帯端末10は、自動測位の開始後、複数段階の処理からなる乗車判定処理を行うので、その誤判定の可能性を抑えることができる。例えば、図1の例において実際はユーザが道路500を自動車走行しているにも関わらず、計測誤差によって乗り過ごし防止機能が作動してしまうことを抑えられる。例えば、GPS測位方式に従った測位のみでは図1に「●」印で示す位置でも計測誤差を原因として降車予定駅への接近が報知される可能性があるが、この実施形態の乗車判定処理によればこの可能性を抑えられる。このように、携帯端末10によれば、誤った報知をすることを抑えられる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、乗車判定部116の乗車判定処理に関する条件として、列車200の走行中に列車200に作用する加速度パターンが加速度センサ15により検出されたことが含まれる。以下の説明において、本実施形態の携帯端末10が備える構成のうち、第1実施形態の携帯端末10が備える構成と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明を省略する。なお、携帯端末10のハードウェア構成は、第1実施形態のものと同じである。
【0056】
図12は、乗り過ごし防止機能に関して制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図である。
制御部11は乗り過ごし防止アプリ181を含むプログラムを実行することにより、図12に示すように、高速移動検知部111と、測位制御部112と、位置情報取得部113と、路線情報取得部114と、周辺端末数取得部115と、乗車判定部116aと、スケジュール設定部117と、降車駅推定部118と、報知部119とに相当する各機能を実現する。乗車判定部116aは、乗車中であると判定する条件として、列車200が線路300を走行するときに列車200に作用する加速度パターンが加速度センサ15で検知されたことを含むものである。制御部11が実現するこれ以外の機能は、上述の第1実施形態の構成と同じである。
【0057】
図13は、携帯端末10の制御部11が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャートである。図13に示すフローチャートにおいて図7に示すものと同じ符号を付した処理ステップは、互いに処理の内容が共通するので、ここではその説明を省略する。
制御部11は、乗り過ごし防止アプリ181を実行して高速移動中であることを検知すると(ステップS1;YES)、続いて、加速度センサ15による検知結果から自端末の減速を検知した後に、自動測位を開始する(ステップS2a)。つまり、制御部11は、加速度センサ15により検出された加速度が負の値になった後には、測位部17に自動測位を実行させている。
このステップS2aの処理で減速を契機に自動測位を開始しているのは、以下の理由に基づく。列車200にあっては、線路300を駅400で一時停車しながら走行するから、その駅400の手前で必ず減速する。つまり、駅400の進行方向手前の位置では、加速度センサ15による検出結果が負となる。制御部11は、この加速度を検知したことを契機に、列車200特有の加速度の時系列変化である加速度パターンが生じるか否かの検知を開始する。
【0058】
次に、制御部11は、ステップS3の処理で自動測位を実行可能であると判定した場合(ステップS3;YES)、第1乗車判定処理を実行する(ステップS4a)。この実施形態の第1乗車判定処理は、第1実施形態の内容と相違するので、続いてこの内容について説明する。
【0059】
図14は、第1乗車判定処理の流れを示すフローチャートである。
制御部11は、測位部17の測位結果を示す位置情報を所定回数分取得する(ステップS41)。ここでは、制御部11は、測位履歴DB184から例えば最新の測位結果をより優先するように所定回数分(例えば、10回分)の位置情報を取得する。次に、制御部11は、記憶部18から路線情報DB183を読み出す(ステップS42)。次に、制御部11は、加速度が負である期間が終了したとき(すなわち、加速度が負の値からゼロに切り替わったとき)、つまり、列車200が停車したときの位置が駅であるか否かを判定する(ステップS43a)。ここでは、制御部11は、ステップS41の処理で取得した位置情報を路線情報DB183と比較し、いずれかの駅400の位置を表すか否かを判定する。なお、制御部11は、測位部17における計測誤差により影響も考慮して、この判定を行ってよい。
【0060】
制御部11は、列車200が停車したときの位置が駅400に一致して現在位置が駅と判定すると(ステップS43a;YES)、次に、加速度センサ15の検知結果に基づいて、決められた期間連続して正の加速度が検知されたか否かを判定する(ステップS44a)。列車200は、駅400付近で、停車のための減速→乗降のための停車→出発のための加速という加速度パターンに従って走行する。ここでは出発のための加速に注目して、制御部11は、加速度の増大に係る判定を行う。
【0061】
制御部11は、ステップS44aの処理で「YES」と判定すると、路線情報DB183を参照して、次に列車200が停車する駅400を特定する(ステップS45a)。そして、制御部11は、この特定した駅400の位置を示す路線位置情報と、この次に実際に列車200が停車した位置の位置情報を比較して、これらが一致するか否かを判定する(ステップS46a)。ここでも、制御部11は、測位部17における計測誤差による影響も考慮して、この判定を行ってよい。
ユーザが列車200に乗車中である場合、次に停車する場所は駅400に一致する可能性が極めて高い。そこで、制御部11は、次に停車するべき位置である駅400に、実際に列車200が停車したか否かを確認する。そして、制御部11は、特定した駅400の位置を示す位置情報と、この次に停車した位置の位置情報とが一致した場合に(ステップS46a;YES)、ユーザが列車200に乗車中であると判定する(ステップS47)。
【0062】
一方、制御部11は、ステップS43aの処理で停車した位置が駅400に一致しないと判定した場合(ステップS43a;NO)や、ステップS44aの処理で加速度の増大に関する条件を満たさない場合(ステップS44a;NO)、ステップS46aの処理で特定した駅400の位置を示す位置情報と、この次に停車した位置の位置情報とが一致しない場合(ステップS46a;NO)には、携帯端末10のユーザが列車200に乗車中でないと判定する(ステップS48)。
第1乗車判定処理の説明は以上である。以降において携帯端末10が実行する処理は、上述した第1実施形態と同じであるから、その説明を省略する。
【0063】
以上説明した第2実施形態によれば、列車200が減速→停止→加速という加速度の時系列変化を生じさせて走行するという特徴に照らして、列車200の加速度パターンを第1乗車判定処理に適用した。この構成であれば、携帯端末10は、GPS測位方式だけに頼らないで第1乗車判定処理を行うことができるので、より乗車判定処理の精度を向上させることができる。
【0064】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
この第3実施形態では、携帯端末において、乗車判定部が測位部17による自動測位の結果を用いないで乗車判定を行い、この自動測位の結果をステップS9の処理での接近の報知のみに用いるという点で、上記第1実施形態の構成と相違する。以下の説明において、本実施形態の携帯端末10が備える構成のうち、第1実施形態の携帯端末10が備える構成と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明を省略する。なお、携帯端末10のハードウェア構成は、第1実施形態のものと同じである。
【0065】
図15は、制御部11が実現する機能構成を示す機能ブロック図である。
制御部11は乗り過ごし防止アプリ181を含むプログラムを実行することにより、図15に示すように、測位制御部112と、位置情報取得部113と、路線情報取得部114と、周辺端末数取得部115と、乗車判定部116bと、スケジュール設定部117と、降車駅推定部118と、報知部119とに相当する各機能を実現する。このように、この実施形態では、制御部11は高速移動検知部111に相当する機能を実現しない。乗車判定部116bは、測位部17による自動測位の測位結果を用いないで乗車判定処理を実行する。制御部11が実現するこれら以外の機能は、上述の第1実施形態の構成と同じである。
【0066】
乗車判定部116bが行う乗車判定処理は、例えば以下のものがある。
乗車判定部116bは、上述した第1実施形態のように、周辺端末数取得部115により取得された周辺端末数が閾値以上であるか否かによって乗車判定処理を行う。また、例えば、乗車判定部116bは、加速度センサ15により検出された加速度が上記第2実施形態のような加速度パターンを表しているか否かを判定する。また、乗車判定部116bは、列車200の走行中にその列車200に作用する振動パターンが加速度センサ15により検出されたか否かを判定してもよい。列車200が線路300を走行するときに特徴的な振動(例えば、縦揺れ)が列車200に与えられ、この振動が駅400間の距離に応じた期間だけ継続する。そこで、乗車判定部116bは、この振動パターンに基づいて乗車判定処理を実行してもよい。
乗車判定部116bは、上記のような1又は複数の処理を含む乗車判定処理を実行して、ユーザが列車200に乗車中であるか否かを判定する。乗車判定部116bは、すべての乗車判定処理の結果が乗車中であることを示すか、所定数以上の乗車判定処理の結果が乗車中であることを示す場合に、ユーザが列車200に乗車中と判定する。
なお、本実施形態で適用可能な乗車判定処理は、自動測位を用いないものであればこれ以外のものであってもよい。
【0067】
図16は、携帯端末10の制御部11が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャートである。図16に示すフローチャートにおいて図7に示すものと同じ符号を付した処理ステップは、互いに処理の内容が共通するので、ここではその説明を省略し、相違点を主に説明する。
制御部11は、乗り過ごし防止アプリ181を実行すると、乗車判定処理を実行する(ステップS12)。制御部11は、前掲したような測位部17による測位結果を用いない方法で乗車判定処理を実行する。制御部11は、ステップS12の処理の結果から列車200に乗車中であると判定すると(ステップS13;YES)、測位部17により自動測位を開始する(ステップS2)。そして、制御部11は、ステップS6の処理以降において、上記第1,2実施形態と同じ処理ステップを実行する。
なお、制御部11は、ステップS2の処理においては、乗車中であると判定されたことを契機に計測の頻度を上げて、携帯端末10の位置を測位部17に自動測位させる。例えば、制御部11は、事前に自動測位を行っていなければこれを開始するし、より低い頻度で測位していたり、周期的でない測位を行っていたりした場合にも、自動測位を開始する。
【0068】
以上説明した第3実施形態によれば、携帯端末10は測位部17による測位結果を用いないで乗車判定処理を実行する。この構成であれば、乗車中と確認されてから自動測位が開始されるので、上記第1、第2実施形態の構成よりも更なる低消費電力化の効果を期待することができる。
【0069】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した各実施形態では、本発明の路線が線路に対応する線路300とし、本発明の車両を列車200とし、本発明の停車場所を駅400とした列車に関する交通機関に本発明を適用していたが、これ以外の乗り物に本発明を適用してもよい。例えば、路線を道路とし、車両をバスとして、停車場所を停留所として、バスに関する交通機関に本発明を適用してもよい。この場合も道路上の決まった路線をバスが走行するため、上記各実施形態と同じ適用が可能である。また本発明の車両は、リニアモーターカーや路面電車等の乗り物でもよく、予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両であればよい。
【0070】
[変形例2]
上述した第1実施形態では、制御部11は、周辺端末数を乗車判定処理に用いていたが、これを省略する構成であってもよい。また、制御部11は、周辺端末数を乗車判定処理に用いつつ、例えば測位部17により測位された1つの位置に基づいて乗車判定処理を実行してもよく、測位部17の測位結果に基づく処理は第1実施形態の方法に限定されない。また、制御部11は、上述した第1及び2実施形態の第1乗車判定処理を組み合わせた乗車判定処理を実行してもよい。また、上述した第3実施形態で説明した振動パターンに係る乗車判定処理を、上述した第1及び2実施形態の第1,2乗車判定処理に組み合わせてもよい。
また、上述した各実施形態において、携帯端末10は、降車駅推定処理を行わないようにしてもよい。この場合、携帯端末10は降車予定駅が設定されていない場合には、報知を行わない。また、携帯端末10は、スケジュール帳185に基づく降車駅の推定と、駅400の利用頻度に基づく降車駅の推定との一方のみを行ってもよい。
【0071】
[変形例3]
上述した各実施形態において、携帯端末10はサーバ装置40から周辺端末数を取得していたが、その取得先はサーバ装置40以外であってもよい。例えば、携帯端末10が近距離通信等を利用して、近傍の携帯端末50と無線通信して周辺端末数を算出することができれば、この算出結果を取得してもよい。
【0072】
[変形例4]
上述した第1及び第2実施形態で高速移動検知部111が検知する事象は、携帯端末10が高速移動中であることで生じるものであれば、その他の事象であってもよい。例えば、高速移動検知部111は、加速度センサ15の加速度の検知結果を取得し、この検知結果から携帯端末10の移動速度を算出する。そして、高速移動検知部111は、算出した移動速度が閾値以上になったことを、高速移動中であることとして検知してもよい。また、高速移動検知部111は、無線通信部14が無線通信する基地局が変更する頻度、及びその無線通信に用いる電波の受信強度の変動量のいずれか一方のみを、高速移動中であることとして検知してもよい。
【0073】
[変形例5]
上述した各実施形態では、本発明の携帯端末を携帯電話端末に適用した場合を説明したが、本発明は、その他の携帯端末に適用することも可能である。例えば、本発明は、例えば、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯ゲーム機等の様々な携帯端末に適用することができる。また、携帯端末によっては、携帯端末10が備えていた各構成を適宜外部構成としても本発明を特定しうる。
上述した各実施形態において、測位部17はGPS測位方式により測位を行っていたが、時々刻々と変化する携帯端末10のおおよその位置を計測できる測位方式であれば、GPS方式に限定されない。例えば、基地局の通信可能エリアが駅間の距離よりも或る程度狭いのであれば、本発明の測位部は基地局を用いた測位を行ってもよい。このように、測位部17が例えば駅間の距離よりも或る程度狭い精度で位置を計測できれば、前掲以外の測位方式で測位を行ってもよい。
携帯端末10の振動検知部は、加速度センサ以外により実現されてもよい。
また、上述した携帯端末10の制御部11が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現されうる。
【符号の説明】
【0074】
10,50…携帯端末、11…制御部、111…高速移動検知部、112…測位制御部、113…位置情報取得部、114…路線情報取得部、115…周辺端末数取得部、116,116a,116b…乗車判定部、117…スケジュール設定部、118…降車駅推定部、119…報知部、12…操作部、13…表示部、14…無線通信部、15…加速度センサ、16…音声入出力部、17…測位部、18…記憶部、181…乗り過ごし防止アプリ、182…降車駅情報、183…路線情報DB、184…測位履歴DB、185…スケジュール帳、20…基地局、200…列車、30…中継装置、300…線路、40…サーバ装置、400…駅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末の位置を計測する測位部と、
自端末が所定速度以上で移動させられることにより生じる事象を検知する検知部と、
前記検知部で前記事象が検知された後に、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御部と、
予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを、前記事象が検知された後に前記測位部が計測した位置に基づいて判定する乗車判定部と、
前記乗車判定部で乗車中であると判定された場合に、前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知部と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記測位制御部は、前記検知部で前記事象が検知されたことを契機に前記計測の頻度を上げる
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
基地局と無線通信する無線通信部を備え、
前記検知部は、前記無線通信部が無線通信する基地局が変更する頻度、又は当該基地局から受信する電波の強度の変動量を表す前記事象を検知する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
自端末の位置から所定範囲内のエリアに存在する無線通信端末の数を取得する端末数取得部を備え、
前記乗車判定部は、前記測位部が計測した位置が前記路線上にあることを示し、かつ、前記端末数取得部が取得した数が閾値以上である場合に、乗車中であると判定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
自端末の位置を計測する測位部と、
予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを判定する乗車判定部と、
前記乗車判定部で乗車中であると判定されたことを契機に計測の頻度を上げて、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御部と、
前記乗車判定部で乗車中であると判定された場合に、前記頻度を上げた後に前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知部と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
自端末に作用する加速度を検知する加速度検知部を備え、
前記乗車判定部が乗車中であると判定する条件として、前記車両が走行するときに当該車両に作用する加速度パターンが前記加速度検知部で検知されたことを含む
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
場所を指定したスケジュールを設定するスケジュール設定部と、
前記スケジュール設定部が設定したスケジュールで指定される場所に基づいて、前記降車予定の停車場所を推定する降車場所推定部と
を備え、
前記報知部は、前記降車場所推定部で推定された停車場所に接近したことを報知する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
ユーザが各停車場所に訪れた頻度を蓄積する履歴蓄積部と、
前記履歴蓄積部に蓄積された頻度が高いものをより優先するように、前記降車予定の停車場所を推定する降車場所推定部と
を備え、
前記報知部は、前記降車場所推定部で推定された停車場所に接近したことを報知する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
自端末の位置を計測する測位部を有している携帯端末のコンピュータに、
自端末が所定速度以上で移動させられることにより生じる事象を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおいて前記事象が検知された後に、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御ステップと、
予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に自端末のユーザが乗車中であるか否かを、前記事象が検知された後に前記測位部が計測した位置に基づいて判定する乗車判定ステップと、
前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定された場合に、前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知ステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
自端末の位置を計測する測位部を有している携帯端末のコンピュータに、
予め決められた停車場所に停車しながら路線を走行する車両に、自端末のユーザが乗車中である否かを判定する乗車判定ステップと、
前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定されたことを契機に計測の頻度を上げて、自端末の位置を前記測位部に繰り返し計測させる測位制御ステップと、
前記乗車判定ステップにおいて乗車中であると判定された場合に、前記頻度を上げた後に前記測位部が計測した位置が前記ユーザの降車予定である停車場所に接近したときには、その接近を当該ユーザに報知する報知ステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−59144(P2012−59144A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203592(P2010−203592)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】