説明

携帯端末機

【課題】製品のサイズが最小化されつつディスプレイのサイズが最大化されて、信頼性が向上された携帯端末機を提供する。
【解決手段】一例として、本体と、前記本体の下面と外周面を覆って、両方向に開閉されるように設けられたカバー部と、中心部は前記本体の上面に露出され、両側部は前記カバー部の開閉によって前記カバー部の内部から引込・引出が可能であるように設けられるフレキシブルディスプレイ部と、前記カバー部が両方向にスライディングされて同時に開放または閉鎖されるように設けられるヒンジ部と、を含む携帯端末機が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近において、更なる携帯性を備えた携帯端末機、例えば、携帯電話、スマートフォン、MP3プレーヤー、携帯マルチメディアプレイヤー(PMP)などが商品化されている。そして、使用者に視覚的な経験或いは視覚的な体感を与えるために、前記の携帯端末機はディスプレイを備えており、使用者はディスプレイのサイズが更に大型化されたものを好む場合がある。
【0003】
しかし、このようにディスプレイの大型化が要求される一方、携帯端末機の携帯性を維持するために、製品の全体的なサイズは小さいことが要求される。また、ディスプレイ上への映像表現の際に歪曲が生じないように信頼性が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ディスプレイのサイズと製品のサイズを調和させ、製品のサイズが最小化されつつディスプレイのサイズが最大化され、且つ信頼性が向上された携帯端末機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による携帯端末機は、本体と、前記本体の下面と外周面を覆って、前記の本体の中心から離れる方向に開閉されるように設けられたカバー部と、前記カバー部の開閉によって前記カバー部の内部から引込・引出が可能であるように設けられてなる中心部及び両側部を備えるフレキシブルディスプレイ(flexible display)部と、前記カバー部が前記の本体の中心から離れる方向にスライドされる際に開放されるように設けられるヒンジ部と、を含む。
【0006】
本発明の別の実施例による携帯端末機は、本体と、前記本体の下面と外周面を覆って、前記の本体の中心から離れる方向に開閉可能に設けられたカバー部と、前記カバー部の開閉によって前記カバー部の内部から引込・引出が可能であるように構成された部分をそれぞれ備える第1入力部及び第2入力部と、前記カバー部が前記の本体の中心から離れる方向にスライドされる際に開放位置に回転するように設けられるヒンジ部と、を含む。
【0007】
また、前記カバー部は、第1カバー及び第2カバーを備え、前記ヒンジ部は、前記第1カバーに固定され、両側端にレールが形成された第1プレートと、前記第1プレートの上部に配置されて、曲線状の第1スリット孔が形成され、前記レールに沿ってスライドするように設けられた第2プレートと、前記第2カバーに固定されて前記第2プレートの上部に配置されて、直線状の第2スリット孔が形成され、前記レールに沿ってスライドするように設けられた第3プレートと、一側は前記第1プレートに回転可能に結合されて、中心部は前記第2プレートに回転可能に結合され、他側は前記第1スリット孔及び前記第2スリット孔に挿入される掛り突起を有する回転モジュールと、を含めてもよい。
【0008】
また、前記回転モジュールは、一側が前記第1プレートに回転可能に結合された第1回転部と、一側に前記掛り突起が形成されて、中心部は前記第2プレートに回転可能に結合された第2回転部と、前記第1回転部の他側と前記第2回転部の他側との間に接続される圧縮バネと、を含めてもよい。
【0009】
また、前記第2プレート及び前記第3プレートがスライドされる際、前記回転モジュールは前記回転モジュールの中心を軸にして回転する場合、前記第2プレートと前記第3プレートが同時にスライドされるようにし、前記掛り突起が前記第1スリット孔及び前記第2スリット孔に沿って移動するようにしてもよい。
【0010】
また、前記カバー部は、第1カバー及び第2カバーを備え、前記第1カバー及び前記第2カバーのうち少なくとも一つは、その内部及び前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一側部の間に接続される弾性体をさらに有していてもよい。
【0011】
また、前記第1カバー及び前記第2カバーのうち少なくとも一つは、前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一側部の引出の際に、前記弾性体において作用する弾性力の方向と逆方向に膨らんだ曲面を有するガイド部をさらに備え、前記曲面は前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一側部が引込・引出経路に沿って形成されてもよい。
【0012】
また、前記弾性体は、バネを備えてもよい。
【0013】
また、前記カバー部は、第1カバー及び第2カバーを含めて、前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一側部は、BtoB(Board to Board)コネクタ、ZIF(Zero Insertion Force)コネクタまたはF−PCB(Flexible Printed Circuit Board)ハンダ付け接続を介して前記第1カバー及び前記第2カバーのうち少なくとも一つの内部面と電気機械的に接続されてもよい。
【0014】
また、前記第1カバー及び前記第2カバーのうち少なくとも一つは、前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一側部が引込・引出される経路に沿って形成される曲面を有するガイド部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、製品のサイズは最小化されつつディスプレイのサイズは最大化されて、信頼性が向上された携帯端末機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、本発明の第1実施例による携帯端末機のカバー部が閉じている状態を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す携帯端末機の側面図である。
【図2】(a)は、図1(a)の実施例の携帯端末機のカバーが開けられている状態を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示す携帯端末機の側面図である。
【図3】図1(a)のI−I´線に沿った携帯端末機の断面図であり、図3(b)は、図2(a)のI−I´線に沿った携帯端末機の断面図であり、図3(c)は、図3(a)及び図3(b)に示す第2カバーを拡大した断面図である。
【図4】図1に示す本発明の第1実施例による携帯端末機の内部構成を示すための透視斜視図である。
【図5】(a)は、本発明の第1実施例によるヒンジ部の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示すヒンジ部の動作を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例による携帯端末機の断面図である。
【図7】(a)は、本発明の携帯端末機の応用例を示す図であり、図7(b)は、本発明の携帯端末機の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付された図面を参考に、本発明のいくつかの実施例について、更に十分に詳細に説明する。しかし、本発明は、いくつかの異なる形態での具現が可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が完全になるように完全に提供されたものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の開示範囲を十分に示すであろう。本願明細書において、周知の特徴及び技術は、示された実施形態を不必要に不明確にすることを避けるために省略されることがある。
【0018】
ここで使用される技術用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであって、本願の発明の開示を限定するものでは無い。本願明細書に記載されるように、単数形「a」及び「an」、と「the」は、文脈の前後関係から明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことが意図されている。更に、a、an等の用語は、量の限定を意味するものでは無く、むしろ、その付されたものの少なくとも一つの存在を意味する。更に、「第1」、「第2」等の用語の使用は、特定の順番を示すものでは無く、個々の要素を区別するために付け加えられる。更に、第1、第2等の用語の使用は、何らかの順番や重要性を示すのでは無く、むしろ、1つの要素を他の要素から区別するために使用される。また、本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」若しくは「包含する(includes)」及び/又は「を含む(including)」は、言及された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分を具体的に記載する。しかし、これらの用語は、一つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分及び又はその群を排除しない。
【0019】
本願の明細書による発明の開示の目的上、「少なくとも各一つ」という用語は、この用語の後に列挙される要素の任意の組み合わせを意味し、列挙された要素の複合的な組み合わせを含む。例えば、「X、Y及びZのうち少なくとも一つ」という語句は、Xのみ、Yのみ、Zのみ或いはX、Y及びZから選択された2つ以上の要素の任意の組み合わせ(例えば、XYZ、XZ、YZ、XY等)を意味する。
【0020】
ある要素が他の要素「の上に存在し(on)」又は「と連絡され(connected with)」、「との間に接続され(connected between)」、「に接続され(connected to)」ていると記載されている場合、その要素は前記他の他の要素の直接上に存在するか、又は前記の他の要素と直接に連絡されるか、直接的に他の要素との間に接続されるか、若しくは直接的に他の要素に接続される可能性があり、或いは、介在する要素が存在し得ることを理解するであろう。これとは対照的に、ある要素が他の要素「の上に直接的に存在する(directly on)」又は「に直接的に接続される(directly connected to)」と記載されている場合、介在する要素も層も存在しない。
【0021】
異なるように定義されていない限り、本願明細書で用いられる全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の分野における当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。通常使用される辞書で定義される用語等の用語は、関連する技術及び本願明細書の開示の前後の文脈における意味と整合するように解釈されるべきであって、明確に定義されていない限り、理想的な或いは過度に文語的に解釈されるものでは無い。
【0022】
図面において、同じ数字の参照符号は、同じ要素を示す。図面において、その形状、サイズ及び領域等は、明確さのために誇張されることがある。
【0023】
本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように、本発明の好ましい実施例を以下のとおりに添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
(実施例1)
以下では、本発明の第1実施例による携帯端末機の構成を説明する。
【0025】
図1(a)は、本発明の第1実施例による携帯端末機100のカバーが閉じている状態を示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示す携帯端末機100の側面図である。図2(a)は、図1(a)の携帯端末機100のカバーが開いている状態を示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す携帯端末機100の側面図である。図3(a)は、図1(a)のI−I´線に沿って切り取った携帯端末機100の断面図である。図3(b)は、図2(a)のI−I´線に沿って切り取った携帯端末機100の断面図である。図3(c)は、図3(a)及び図3(b)に示す第2カバー123部分を拡大した断面図である。
【0026】
図1(a)〜図3(c)を参照すると、本発明の第1実施例による携帯端末機100は、本体110、カバー部120、フレキシブルディスプレイ部130及びヒンジ部140を含む。
【0027】
本体110は、略棒(bar)状の形状を有し、その内部に携帯端末機100の回路及び機械的構成部品が配置される空間を有する。例えば、処理装置(processor)、メモリ、無線周波数(RF)送受信機、アンテナ等の回路部品は、前記携帯端末機100内に組み込まれても良い。尚、本発明の第1実施例では、携帯端末機100に回路的構成が含まれていることとして、回路的構成に対する詳しい説明は略する。
【0028】
カバー部120は、本体110の下面と外周面を覆うように構成され、本体110の上面に設けられたフレキシブルディスプレイ部130が外部に露出するように形成される。また、カバー部120は、互いに反対方向にスライドする直線的な動作によって開くことができるように本体110に取り付けられる。
【0029】
このカバー部120は、第1カバー121と第2カバー123を含めてもよい。前記の第1カバー121と第2カバー123は、互いに分離することもできる。本体110の領域を上部と下部に分けて説明する場合、第1カバー121は本体110の下部に設けられ、第2カバー123は本体110の上部に設けられることができる。この明細書において、前記の「上部」及び「下部」は、必ずしも、本体110の幾何学的な或いは地理的な配列若しくは方向を必ずしも表すのでは無い。むしろ、前記の「上部」及び「下部」は、本体110の第1の部分と第2の部分とを区別する目的においてのみ使用される。このように、前記の「上部」及び「下部」は、図2(a)に矢印に示された方向に限定することを意図するものでは無い。
【0030】
第1カバー121と第2カバー123は、本体110の側面に沿って互いに反対方向にスライドする直線的な動作によって、カバー部120が開閉されるように設けられる。ここで、前記第1カバー121及び第2カバー123のそれぞれが本体110の中心から離れる方向(以下、この方向を「第1方向」又は「開き方向」という。)に直線的にスライド動作する場合、カバー部120は開放できる。前記第1カバー121及び第2カバー123のそれぞれが本体110の中心へ向かう方向(以下、この方向を「第2方向」又は「開じ方向」という。)に直線的にスライド動作する場合、カバー部120は閉鎖できる。前記第1カバー121及び第2カバー123が開いた状態又は閉じた状態のどちらか一方から始まる場合、前記の第1カバー121及び第2カバー123は直線的な動作を行ない、互いに反対方向へスライドする(以下、スライドによって直線的に移動する動作を「直線的なスライド移動」という)。
【0031】
第1カバー121と第2カバー123は、ヒンジ部140の仕組み(mechanism)によって、開き方向又は閉じ方向に同時に直線的な動作をするようにスライドすることができる。例えば、カバー部120が閉鎖された状態で第1カバー121が開き方向に直線的なスライド移動をすると、第2カバー123も開き方向に直線的なスライド移動をするが、第2カバー123の開き方向は、第1カバー121のスライド移動の方向に対して反対方向にすることができる。それによって、第1カバー121及び第2カバー123を同時に開くようにすることもできる。同様に、第2カバー123が閉じた状態から開き方向に直線的なスライド移動をすると、第1カバー121も第2カバー123の移動方向に対して反対の方向に直線的なスライド移動を行なうことによって、第1カバー121及び第2カバー123を同時に開放させることができる。
【0032】
同様に、カバー部120が開放されている状態で第1カバー121が閉め方向に直線的なスライド移動をすると、第2カバー123も第1カバー121のスライド方向に対して反対方向に直線的なスライド移動することによって、第1カバー121及び第2カバー123を同時に閉鎖することもできる。同様に、第2カバー123が閉め方向に直線的なスライド移動をすると、第1カバー121も第2カバー123のスライド方向に対して反対方向に直線的なスライド移動をすることによって、第1カバー121及び第2カバー123を同時に閉鎖することもできる。
【0033】
一方、第1カバー121と第2カバー123が開放または閉鎖される場合、フレキシブルディスプレイ部130の両側部がカバー部120の内部から引き出し或いは前記カバー部120の内部への引き込むことによって、フレキシブルディスプレイ部130の外部への露出部分の範囲を変えることが可能である。この構成に対しては後述する。ここで、カバー部120の「内部(inside)」は、ユーザに露出されない領域或いは携帯端末機の外側に露出されない領域を含み得る。これは、ユーザの手指や他の外部からの物体との接触によってレキシブルディスプレイ部130の両側面が損傷され或いは汚染されるリスクを低減することができる。
【0034】
カバー部120は弾性体とガイド部を備えていてもよく、これらに関する詳しい説明は後述するフレキシブルディスプレイ部130の構成と併せて詳しく説明する。
【0035】
また、カバー部120はヒンジ部140と結合される固定板を備えてもよく、これに関する詳しい説明は後述するヒンジ部140の構成と併せて詳しく説明する。
【0036】
フレキシブルディスプレイ部130は、略直方体の形状を有して良い。尚、フレキシブルディスプレイ部130は、長さ方向に十分に延長された長さを有していても良い。フレキシブルディスプレイ部130は、中心部と両側部に分けることができ、両側部は第1側部と第2側部に分けることができる。フレキシブルディスプレイ部130の中心部は本体110の上部に配置され、カバー部120の開口部によって外部に露出できる。フレキシブルディスプレイ部130の第1側部と第2側部は、カバー部120の内部と機械的に接続されており、カバー部120の開閉の操作に応じてカバー部120の内部から引き出し或いはカバー部120の内部への引き込みが可能になるように設けられる。
【0037】
上述のように、カバー部120は、弾性体とガイド部を有していてもよい。より具体的には、第1カバー121は第1弾性体121aと第1ガイド部121bを備え、第2カバー123は第2弾性体123aと第2ガイド部123bを備えるようにすることができる。
【0038】
第1弾性体121aの一方の片側は第1カバー121の底面に固定されて、もう一方の片側はフレキシブルディスプレイ部130の第1側部に接続される。この第1弾性体121aは、バネを備えることもできる。よって、第1弾性体121aは、第1カバー121とフレキシブルディスプレイ部130の第1側部との間を伸縮自在に、或いは弾性力を有するように接続することができる。
【0039】
第1ガイド部121bは、フレキシブルディスプレイ部130の第1側部が引き込み或いは引き出される経路に沿って設けることができる。例えば、カバー部120が閉じている位置にある場合において、フレキシブルディスプレイ部130のうち、カバー部120の内側にある部分が、カバー部120が開かれると第1ガイド部121b及び第1カバー121との間のスペース内を移動して露出されるように、第1ガイド部121bは、第1カバー121の内側縁端に設けられていてもよい。
【0040】
この第1ガイド部121bは、フレキシブルディスプレイ部130が第1ガイド部121b及び第1カバー121間のスペースを円滑に通過できるように、形成された第1曲面を有していても良い。第1カバー121が本体110の中心から離れる方向にスライドする際、フレキシブルディスプレイ部130の第1側部は、第1カバー121の内部から引き出される。この際、フレキシブルディスプレイ部130への張力を維持するように第1弾性体121aが伸びる。ここで、第1ガイド部121bの第1曲面は前記弾性力が作用する方向と反対方向に膨らんだ形態を有する。また、前記の第1曲面は、フレキシブルディスプレイ部130の第1側部が引き込まれ又は引き出される経路を一部提供し、前記の第1側部は、前記の第1曲面に沿って移動する。
【0041】
第2弾性体123aの一方の片側は第2カバー123の底面に固定されて、もう一方の片側はフレキシブルディスプレイ部130の第2側部に接続される。この第2弾性体123aはバネを備えていてもよい。よって、第2弾性体123aは第2カバー123とフレキシブルディスプレイ部130の第2側部との間を伸縮自在に、或いは弾性力を有するように接続することができる。
【0042】
第2ガイド部123bは、フレキシブルディスプレイ部130の第2側部が引き込み或いは引き出される経路に沿って設けることができる。例えば、カバー部120が閉じている位置にある場合において、フレキシブルディスプレイ部130のうち、カバー部120の内側にある部分が、カバー部120が開かれると第2ガイド部123b及び第2カバー123との間のスペース内を移動して露出されるように、第2ガイド部123bは、第2カバー123の内側上端に設けられてもよい。
【0043】
この第2ガイド部123bは、フレキシブルディスプレイ部130が第2ガイド部123b及び第2カバー123間のスペースをより円滑に通過できるように形成された第2曲面を有していても良い。第2カバー123が本体110の中心から離れる方向にスライドする際、フレキシブルディスプレイ部130の第2側部は、第2カバー123の内部から引き出される。この際、フレキシブルディスプレイ部130への張力を維持するように第2弾性体123aが伸びる。ここで、第2ガイド部123bの第2曲面は、前記弾性力が作用する方向に対して逆方向に膨らんだ形態を有する。また、第2曲面は、フレキシブルディスプレイ部130の第2側部が引込又は引出される経路を一部提供し、第2側部は、前記の第2曲面に沿って移動する。
【0044】
カバー部120が開く状態にスライドされつつ、フレキシブルディスプレイ部130がカバー部120から引き出される場合、第1弾性体121aと第1ガイド部121b、そして第2弾性体123aと第2ガイド部123bは、カバー部120が閉まる状態にスライドされる際にフレキシブルディスプレイ部130が引き込められるように、前記フレキシブルディスプレイ部130が張力が作用している状態に維持されるように作用する。
【0045】
以下では、本発明の第1実施例によるヒンジ部140に対して詳しく説明する。図4は、図1に開示された本発明の第1実施例による携帯端末機100の内部構成を示す斜視図である。図5(a)は、本発明の第1実施例によるヒンジ部140の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示すヒンジ部140の動作を示す斜視図である。
【0046】
ヒンジ部140に関する詳しい説明することに先立ち、カバー部120の固定板に対して簡略に説明する。カバー部120の固定板は、第1固定板121cと第2固定板123cを含めてもよい。ここで、第1固定板121cは、第1カバー121の内部底面に接続されてもよい。そして、第2固定板123cは、第2カバー123の内部の両側側面の間に接続されてもよい。
【0047】
以下、本発明の実施例によるヒンジ部140の構成に関して説明する。
【0048】
図4〜図5(b)を参照すると、ヒンジ部140は、第1プレート141、第2プレート143、第3プレート145及び回転モジュール147を備えることができる。
【0049】
第1プレート141は、第1固定板121cに接続され、第1プレート141の両側端にレール141aが形成されても良い。
【0050】
第2プレート143は、第1プレート141上に配置され、曲線状の第1スリット孔143aが形成されてもよい。また、第2プレート143は、第1プレート141のレール141aに沿って直線的なスライド移動が可能であるように第1プレート141に接続されてもよい。
【0051】
第3プレート145は、第2固定板123cに接続され、第2プレート143上に配置されてもよい。また、第3プレート145は、直線状の第2スリット孔145aが形成されてもよい。また、第3プレート145は、第1プレート141のレール141a及び第2プレート143の両側端に沿って直線的なスライド移動が可能であるように第1プレート141及び第2プレート143に接続されてもよい。
【0052】
回転モジュール147の一方の片側は、第1プレート141に回転可能に接続されて、中心は第2プレート143に回転可能に接続され、他方の片側は第1スリット孔143aと第2スリット孔145aに嵌入される掛り突起147cを有するように構成されてもよい。
【0053】
回転モジュール147の構成は、以下のようにより具体的に説明される。
【0054】
回転モジュール147は、第1回転部147a、第2回転部147b、掛り突起147c及び圧縮バネ147dを備えてもよい。
【0055】
第1回転部147aの一方の側は、第1プレート141に回転可能に接続されてもよい。
【0056】
第2回転部147bの一方の側には、掛り突起147cが形成されていてもよい。第2回転部147bの中心部は、第2プレート143に回転可能に結合されていてもよい。
【0057】
掛り突起147cは、第2回転部147bの片側の上面から第1スリット孔143aと第2スリット孔145aを貫通する所定高さで突出する形状を有してもよい。掛り突起147cは、ヒンジ部140が直線的なスライド移動を行う際、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aの経路に沿って移動することができる。この際、掛り突起147cは、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aのそれぞれの縁端部分に係止することにより、ヒンジ部140のスライド動作が制限される。また、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aの長さに応じて、第1カバー121と第2カバー123のスライドの可能な長さが制限される。
【0058】
圧縮バネ147dは、第1回転部147aの一方の片側と第2回転部147bの他方の片側の間に接続されてもよい。従って、圧縮バネ147dは、第1回転部147aと第2回転部147bの間を伸縮自在に接続、或いは第1回転部147aと第2回転部147bの間を弾力的に接続することができる。
【0059】
続いて、本発明の第1実施例によるヒンジ部140の動作について説明する。
【0060】
先ず、カバー部120が閉じられている位置から始まる場合、ヒンジ部140が直線的なスライド移動を行わない状態である。そのため、回転モジュール147の掛り突起147cは、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aの第1端部に位置することができる。
【0061】
次に、第1カバー121及び第2カバー123が開く方向に移動すると、ヒンジ部140も第1カバー121及び第2カバー123の移動方向に沿って直線的なスライド移動を行う。より具体的に説明すると、第1プレート141が第1カバー121と一緒にカバー部120が開く方向に直線的なスライド移動を行う際、第2プレート143及び第3プレート145も第2カバー123と一緒にカバー部120が開く方向に直線的なスライド移動を行う。この際、回転モジュール147は、第2プレート143に接続された中心部の周りに、或いは前記の中心部を軸にして回転して、第1回転部147aの一方の片側も回転する。また、掛り突起147cは、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aの第1端部から第2端部に移動する。以後、掛り突起147cが第1スリット孔143a及び第2スリット孔145aの第2端部に到達して係止すると、回転モジュール147の回転が止まれると同時にカバー部120とヒンジ部140のスライディング動作が止まる。この時、カバー部120は開けられている状態になるので、フレキシブルディスプレイ部130の両側部は、カバー部120の内部から外部へ引き出される。この際、フレキシブルディスプレイ部130の露出される領域は、カバー部120が閉じた位置におけるフレキシブルディスプレイ部の外部に露出される領域よりも大きい。
【0062】
続いて、第1カバー121及び第2カバー123が閉まる方向に移動すると、ヒンジ部140も第1カバー121及び第2カバー123の移動方向に沿って直線的なスライド移動を行う。より具体的に説明すると、第1プレート141が第1カバー121とともにカバー部120が閉じる方向に直線的なスライド移動を行う際に、第2プレート143及び第3プレート145も第2カバー123とともにカバー部120が閉める方向に直線的なスライド移動を行う。この際、回転モジュール147は、第2プレート143に接続されたその中心部を軸にして或いは前記の中心部の周りを回転して、第1回転部147aの一方の片側も回転する。また、掛り突起147cは、第1スリット孔143aと第2スリット孔145aの第2端部から第1端部に移動する。以後、掛り突起147cが第1スリット孔143a及び第2スリット孔145aの第1端部に到達して係止すると、回転モジュール147の回転が止まり、カバー部120とヒンジ部140のスライディング動作が止まる。この際、カバー部120は閉じられた位置にあるので、フレキシブルディスプレイ部130の両側部はカバー部120の内部に引込まれる。
【0063】
前記の開閉動作により、第1カバー121と第2カバー123は共に開放または閉鎖され、フレキシブルディスプレイ部130の両側部は、カバー部120内へ引き込まれ、又はカバー部120の中から引き出される。
【0064】
(実施例2)
以下、本発明の第2実施例に係る携帯端末機に対して説明する。
【0065】
図6は、本発明の第2実施例に係る携帯端末機600の断面図である。
【0066】
図6に示す本発明の第2実施例による携帯端末機600の構成及び動作原理は、第1実施例に係る携帯端末機100の構成及び動作原理とほぼ同様である。但し、弾性体を用いてカバー部120とフレキシブルディスプレイ部130と接続した第1実施例の構成とは異なり、第2実施例ではカバー部120とフレキシブルディスプレイ部130をBtoB(Board to Board)コネクタを介して接続されることができる。
【0067】
図6に示すように、フレキシブルディスプレイ部130の両側部のうち第1側部は、BtoB(Board to Board)コネクタ122を介して第1カバー121と接続することができる。また、フレキシブルディスプレイ部130の第2側部も、BtoB(Board to Board)コネクタ124を介して第2カバー123と接続することができる。接続構成としては、BtoB(Board to Board)コネクタ122、124のみならず、ZIF(Zero Insertion Force)コネクタまたはF−PCB(Flexible Printed Circuit Board)ハンダ付け接続も可能である。
【0068】
その他、第2実施例の携帯端末機600の構成と動作原理は、第1実施例の携帯端末機100と同様であるので、第2実施例の携帯端末機600に関する詳しい説明は、第1実施例に係る携帯端末機100に関する説明を参照されたい。
【0069】
携帯端末機100又は600において、処理装置(図示せず)は、フレキシブルディスプレイ部の露出部分の程度に応じて表示される画像を調整する演算機能を有していても良い。例えば、カバー部120が開いた位置にある場合、フレキシブルディスプレイ部が最大の長さで露出されている時、処理装置はフレキシブルディスプレイ部に原画像の拡大版を表示させることも可能である。或いは、処理装置は、フレキシブルディスプレイ部に1以上の画像を表示させることも可能である。また、或いは、処理装置は、閉じられた状態の携帯端末機を用いて最大解像度で見ることができないワイドスクリーンビデオのエッジ部分等の付加的な画像の部分をフレキシブルディスプレイ部に表示させ、又は、サブタイトル、メニュー情報、画面の詳細や特徴、或いはフレキシブルディスプレイ部に表示された画像に関連する他の情報を表示させることも可能である。
【0070】
(応用例)
本発明は、前記の実施例に限らず、様々な形態で実現することが可能である。図7(a)及び図7(b)は、本発明の携帯端末機の応用例700A、700Bを示す図である。
【0071】
本発明の第1実施例による携帯端末機100の構成と動作原理を用いて、図7(a)に示すように、両方向スライドキーパッドを有する携帯端末機700Aを具現することができる。この場合、カバー部120の第1カバー121及び第2カバー123を開くと、第1キーパッド720a及び第2キーパッド720bが露出されるようにすることができる。また、図7(a)の携帯端末機700Aは、キーの有用性を拡張することが可能であって、多様なキーの使用が可能な携帯端末機を具現することができる。
【0072】
また、図7(b)に示すように、一方向二重スライドキーパッドを有する携帯端末機700Bの具現も可能である。キーパッドを2段に開閉することで携帯端末機700Bのサイズを小さくすることができる。
【0073】
本発明によると、閉めた状態では小型化されて携帯に容易であって、両方向にスライディングされて開いた状態ではディスプレイ面積が最大になり使用者への便宜性を更に向上できる。
【0074】
以上で説明したことは本発明による携帯端末機を実施するための一つの実施例に過ぎないもので、本発明は上述した実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように本発明の要旨から逸脱することがなく当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神が及ぶと言える。
【符号の説明】
【0075】
100、700A、700B:携帯端末機
110:本体
120:カバー部
121:第1カバー
122、124:BtoBコネクタ
123:第2カバー
130:フレキシブルディスプレイ部
140:ヒンジ部
141:第1プレート
141a:レール
143:第2プレート
143a:第1スリット孔
145:第3プレート
145a:第2スリット孔
147:回転モジュール
147a:第1回転部
147b:第2回転部
147c:掛り突起
147d:圧縮バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の下面と外周面を覆って、前記の本体の中央から両方向に開閉されるように設けられるカバー部と、
中心部及び両側部を備え、前記の両側部は前記カバー部の開閉に応じて前記カバー部の内部から引込・引出が可能であるように設けられるフレキシブルディスプレイ部と、
前記カバー部が前記の本体の中央から両方向にスライドされて開放または閉鎖されるように設けられるヒンジ部と、を含む携帯端末機。
【請求項2】
前記カバー部は第1カバー及び第2カバーを含み、
前記ヒンジ部は、
前記第1カバーに接続され、両側端にレールが形成された第1プレートと、
前記第1プレート上に配置されて、曲線状の第1スリット孔が形成され、前記レールに沿ってスライド可能に設けられた第2プレートと、
前記第2カバーに接続され、前記第2プレート上に配置されて、直線状の第2スリット孔が形成され、前記レールに沿ってスライド可能に設けられた第3プレートと、
一方の片側は前記第1プレートに回転可能に接続されて、中心部は前記第2プレートに回転可能に接続され、他方の片側は前記第1スリット孔及び前記第2スリット孔に挿入される掛り突起を有する回転モジュールと、を含む請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項3】
前記回転モジュールは、
一方の片側が前記第1プレートに回転可能に結合される第1回転部と、
一方の片側に前記掛り突起が形成されて、中心部は前記第2プレートに回転可能に接続される第2回転部と、
前記第1回転部の他方の片側と前記第2回転部の他方の片側との間に接続される圧縮バネと、を含む請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項4】
前記第2プレート及び前記第3プレートがスライドされる場合、
前記回転モジュールは、前記第2プレートと前記第3プレートをスライドさせ、
前記掛り突起は、前記第1スリット孔及び前記第2スリット孔に沿って移動する請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項5】
前記カバー部は、第1カバー及び第2カバーを含み、
前記カバー部の内部と前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一方の片側との間に接続される弾性体をさらに含む請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項6】
前記第1カバーは、ガイド部を更に含み、
前記ガイド部は、前記第1カバーが閉じる方向又は閉まる方向にそれぞれ移動する際に、前記フレキシブルディスプレイ部が引き込み又は引き出される経路に沿って形成された曲面を有する請求項5に記載の携帯端末機。
【請求項7】
前記弾性体は、バネを含む請求項5に記載の携帯端末機。
【請求項8】
前記カバー部は、第1カバーを含み、
前記フレキシブルディスプレイ部の両側部のうち一方の片側部は、BtoBコネクタ、ZIFコネクタまたはF−PCBハンダ付け接続を介して前記カバー部の内部面に接続される請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項9】
前記第1カバーは、ガイド部をさらに有しており、
前記ガイド部は、前記第1カバーが閉じる方向又は閉まる方向にそれぞれ移動する際に、前記フレキシブルディスプレイ部が引き込み又は引き出される経路に沿って形成された曲面を有する請求項8に記載の携帯端末機。
【請求項10】
本体と、
前記本体の下面と外周面を覆って、前記の本体の中央から開放可能なカバー部と、
前記カバー部の開閉によって前記カバー部の内部から引込・引出が可能であるように構成された部分をそれぞれ備える第1入力部及び第2入力部と、
前記カバー部が前記の本体の中心から離れる方向にスライドされる際に開放位置に回転するように設けられるヒンジ部と、を含む携帯端末機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−134971(P2012−134971A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276898(P2011−276898)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】