説明

携帯端末用装飾具

【課題】携帯端末の表面に取り付ける、本体と副体とからなる装飾具において、装飾性を高めるとともに、装飾具が取り付けられる携帯端末の表面への傷を付け難い装飾具に関する技術を提供する。
【解決手段】携帯端末の表面に接続される装飾具であって、表側に装飾が施され、前記携帯端末に固定される本体部と、表側に装飾が施された副体部と、前記副体部の表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で、前記副体部が前記携帯端末の表面上を前記本体部を基点として移動できるように、前記本体部と前記副体部とを接続する接続部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末用装飾具に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末を装飾する装飾具として、特許文献1に記載の技術が知られている。この装飾具に関する発明は、本発明者が先に発明したものであり、携帯端末としての携帯電話機の表面に取り付けられる本体と、本体にチェーンを介して吊り下げられる副体とによって形成されている。本体及び副体のそれぞれには、立体的な装飾が施されている。従って、特許文献1に記載の装飾具によれば、携帯端末自体に立体感のある質感に優れた装飾性を付与する本体と、本体から吊り下げられペンダント状に揺れ動く副体を備えることで、携帯電話機の装飾性を高めることができる。
【特許文献1】国際公開第2006/022306号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
立体的な装飾が施され携帯端末の表面に取り付けられる本体と、この本体にチェーンを介して吊り下げられる装飾が施された副体と、を備える装飾具によれば、携帯端末の装飾性を高めることができる。しかし、副体が本体にチェーンを介して接続される上記装飾具では、副体が揺れ動いた際、副体の表面に施されている装飾が携帯端末の表面に接触することで携帯端末の表面に傷を付けてしまう虞があった。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、携帯端末の表面に取り付け可能な本体と副体とからなる装飾具において、装飾性を高めるとともに、装飾具が取り付けられる携帯端末の表面への傷を付け難い装飾具に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、上記の課題を解決するために、本体部に接続される副体部を本体部に対して移動可能に接続し、かつ副体部の移動する方向を制限することとした。これにより、携帯端末の装飾性を高めるとともに、装飾具が取り付けられる携帯端末の表面へ傷が付くことを防止することができる。
【0006】
詳細には、本発明は、携帯端末の表面に接続される装飾具であって、表側に装飾が施され、前記携帯端末に固定される本体部と、表側に装飾が施された副体部と、前記副体部の表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で、前記副体部が前記携帯端末の表面上を前記本体部を基点として移動できるように、前記本体部と前記副体部とを接続する接続部と、を備える。
【0007】
本発明では、本体部と副体部の双方の表側に装飾が施されている。装飾の形態は、特に限定されるものではない。装飾は、動物や植物などをモチーフとして形成することができる。なお、装飾は、平面的、立体的どちらでもよいが、立体的とすることで、携帯端末に質感あふれる装飾性を付与することができる。但し、本体部の裏側は、形態端末の表面に固定され、副体部の裏側は、携帯端末の表面上を移動するものであることから、裏側については、平面的に形成することが好ましい。上記のように本体部及び副体部の表側にそれぞれ装飾が施されていることで、本発明によれば、携帯端末に立体感や質感に優れた装飾性を付与することができる。
【0008】
副体部は、本体部を基点として携帯端末の表面上を移動可能である。本体部を基点とし
た副体部の動きには、回転運動や往復運動などが含まれる。なお、本発明では、副体部が、携帯端末の表面上を移動することを特徴とする。この携帯端末の表面上の移動には、携帯端末の表面との間に僅かな間隔を空けて形成される携帯端末の表面とほぼ平行な仮想平面上での移動も含まれる。このように、本発明によれば、副体部が、携帯端末の表面に固定された本体部に対して移動可能であり、装飾具に動きをつけることができるので、単に貼り付けられるような固定された装飾具に比べて装飾性を高めることができる。
【0009】
接続部は、副体部の表側に施されている装飾が携帯端末の表面に対して外向きの状態で、副体部が移動できるように本体部と副体部とを接続する。すなわち、本発明の接続部によれば、副体部の表側に施されている装飾が常に表側を向くように本体部と副体部とを接続することができる。つまり、本発明では、副体部が、副体部に施された装飾が常に視認される状態を維持したまま携帯端末の表面上を移動することができる。従って、本発明によれば、副体部の表側に施された装飾が、携帯端末の表面に接触することが無いので、携帯端末の表面に傷を付けることを防止することができる。
【0010】
ここで、本発明において、前記本体部は、前記接続部が接続されるとともに該接続部を回転可能に支持する支持部を介して前記携帯端末に固定され、前記支持部は、前記携帯端末の表面に対して略直交するとともに前記基点としての回転軸部を有し、前記接続部は、前記回転軸部に回転可能に接続される基端部と、前記副体部の表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きになるように該副体部が接続される先端部と、該基端部と該先端部との間の腕部とを有し、前記副体部は、前記接続部が前記携帯端末の表面上を前記回転軸部の軸を基点として回転することで、表側に施された装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で前記本体部を基点として回転するようにしてもよい。
【0011】
本発明では、本体部が支持部を介して携帯端末に固定される。そして、この支持部は、接続部を可動可能に支持する。より具体的には、支持部は、携帯端末の表面に対してほぼ直交する軸を有する回転軸部を有し、この回転軸部に接続部の基端部が回転可能に接続される。なお、接続部の先端部には、表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で副体部が接続されている。従って、接続部が回転軸部の軸を基点として回転することで、表側に施された装飾が携帯端末の表面に対して外向きの状態で本体部を基点として回転することができる。
【0012】
また、本発明において、前記支持部は、前記回転軸部が設けられ前記携帯端末の表面と接続されるベース部と、前記回転軸部に接続された前記基端部が前記携帯端末の表面と略直交する方向に対して動くのを規制する規制部とを更に有するようにしてもよい。
【0013】
すなわち、本発明によれば、接続部がベース部と規制部との間で挟みこまれことで、接続部の携帯端末の表面と略直交する方向に対しての接続部の動きが規制される。これにより、接続部が、携帯端末の表面上を回転軸部の軸を中心に回転する。その結果、接続部の先端部に接続された副体部もこれに伴って携帯端末の表面上を回転軸部の軸を中心に回転することができる。
【0014】
また、本発明において、前記携帯端末は、折り畳み可能であって、前記副体部は、前記本体部を基点として回転可能であることにより、前記携帯端末の折り畳み動作に関わらず、前記本体部に対して常に下側に位置してもよい。
【0015】
本発明の携帯端末用装飾具は、折り畳み可能な携帯端末に特に好適に用いることができる。折り畳み可能な携帯端末では、折り畳んだ状態と、開いた状態とで端末の指す向きが異なることがある。すなわち、例えば携帯電話機についてみると、折り畳んだ状態では、開放端部が鉛直下方向を指しているのに対し、開いた状態では開放端部が鉛直上方向を指
すことがある。すなわち、携帯電話機の長手方向における天地が逆転することがある。しかしながら、本発明によれば、副体部が本体部を基点として回転可能であるので、携帯電話機の状態に関わらず、副体部が本体部の常に下側に位置することになる。従って、副体部が本体部の下側に位置する関係で互いがデザインされている場合等には、デザイン性が保持されるので、特に好適である。なお、折り畳み可能な携帯端末の種類は、特に限定されない。例えば、折り畳み可能な携帯電話機、折り畳み可能な形態ゲーム機等が例示される。
【0016】
また、本発明において、前記接続部の先端部には、前記副体部を着脱自在に接続するための副体接続部が設けられ、前記副体接続部は、前記副体部の移動時において、該副体部の表側に施された装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態になるように前記副体部を接続するようにしてもよい。
【0017】
本発明によれば、副体部を交換することができるので、一つの本体部に対して、複数の副体部を取り付けることが可能となり、装飾性のバリエーションを増やすことができる。また、副体接続部は、副体部の表側に施された装飾が携帯端末の表面に対して外向きの状態になるように副体部を接続するので、携帯端末の表面に傷を付けることを防止することができる。
【0018】
また、本発明において、前記副体部の裏側には、前記携帯端末の表面と接触して該携帯端末へ傷が付くのを防止するための保護層を設けてもよい。これにより、携帯端末の表面に傷が付くことをより確実に防止することができる。
【0019】
なお、副体部は、本体部に対して複数設けてもよい。例えば、一つの基端部から放射状に広がる複数の腕部を設け、それぞれの腕部の先端に副体部を接続してもよい。また、基端部と先端部が一対一である、上述した接続部を複数重ね、それぞれが個別に回転軸部の軸を基点として回転するようにしてもよい。このように、副体部を複数とすることで、より装飾性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末の表面に取り付け可能な本体と副体とからなる装飾具において、装飾性を高めるとともに、装飾具が取り付けられる携帯端末の表面への傷を付け難い装飾具に関する技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の携帯端末用装飾具の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
<構成>
図1は、本実施形態の携帯端末用装飾具(以下、装飾具とする。)1を示す斜視図である。本実施形態では、装飾具1が、携帯電話機50の表面に取り付けられている。装飾具1は、立体的な装飾が施されている本体部10と、本体部10よりもその外径が小さく形成され、本体部10と同じく立体的な装飾が施されている副体部13と、本体部10と副体部13とを接続する接続部材12と、接続部材12を回転可能に支持する支持部11と、によって形成されている。
【0023】
なお、携帯電話機50は、本発明の携帯端末に相当し、操作キーを有する本体ユニット51と、ディスプレイを有するディスプレイユニット52と、これら二つのユニット同士を回動自在に接続する接続ユニット53と、を備えている。携帯電話機50は、いわゆる折りたたみ式の携帯電話機であり、装飾具1は、このような携帯電話機50のディスプレイユニット52の外側表面520に取り付けられて使用される。但し、上記携帯電話機5
0は、あくまで例示にすぎない。本実施形態では、折り畳み可能な携帯電話機を用いたが、折り畳み機能を有しない携帯電話機でもよい。また、携帯電話機に限られるわけではない。装飾具1は、携帯ゲーム機などにも好適に用いることができる。以下、装飾具1について更に詳細に説明する。
【0024】
図2Aは、装飾具1の分解斜視図である。図2Bは、図2AにおけるAA断面図である。装飾具1は、本体部10と、本体部10よりもその外径が小さく形成されている副体部13と、本体部10と副体部13とを接続する接続部材12と、接続部材12を回転可能に支持する支持部11とによって形成されている。
【0025】
本体部10の表側には、立体的な装飾が設けられている。本体部10の表側に設ける装飾は、特に限定されない。動物、植物、アニメキャラクターなど様々なものをモチーフとして形成することができる。従って、本体部10の形状自体も特に限定されない。但し、本体部10の裏面については、平面とすることが好ましい。平面とすることで支持部11との接着性を高めることができるからである。
【0026】
副体部13の表側にも同じく立体的な装飾が設けられている。副体部13についても、その形状は特に限定されない。但し、副体部13についても、裏面は平面とすることが好ましい。副体部13の裏面には、携帯電話機50の外側表面520へ傷付きを防止するための保護シート131が設けられており、平面とすることで保護シート131の接着性を高めることができるからである。なお、保護シート131を設けることで、携帯電話機50の外側表面520へ傷が付くことをより効果的に抑制することができる。このように立体的な装飾を本体部10、副体部13のそれぞれに設けることで、装飾具1による装飾性をより質感に富んだものとすることができる。
【0027】
なお、本体部10と副体部13とは、一対で形成されているので、それぞれに設けられる装飾を関連性のあるものとすることが好ましい。関連性とは、地球(本体部)と地球の回りを回る飛行機や車などの乗り物(副体部)といった関係や、花(本体部)と花の回りを回る蜂などの昆虫(副体部)といった関係が例示される。これにより、装飾具1の装飾性をより高めることができる。
【0028】
上述した本体部10は、支持部11を介して携帯電話機50に取り付けられている。支持部11は、ベース部材14と、蓋部材15とによって形成されている。なお、図では省略されているが、本体部10の裏面(紙面下側面)と蓋部111の表面(紙面上側面)とは、両面テープ等によって接続すればよい。同じように、携帯電話機50の外側表面520とベース部材14の裏面とは、両面テープ等によって接続することができる。
【0029】
ベース部材14について説明する。図3Aは、ベース部材14の平面図を示す。また、図3Bは、図3AにおけるBB断面図を示す。ベース部材14は、薄板状の円形プレート140によって形成されている。円形プレート140の外径は、平面視において本体部10に隠れる寸法として設計すればよく、これにより、円形プレート140が本体部10に隠れるので美観性が高められる。なお、円形プレート140の厚さは、強度を確保できる範囲内でより薄くすることが好ましい。これにより、円形プレート140を目立たなくさせることができ、美観性を高めることができるからである。
【0030】
円形プレート140の中央部には、円形状の貫通孔からなり、蓋部材15側に形成される結合部151を受け入れる被結合部141が形成されている。被結合部141の内径は、結合部151(図4A、図4B参照。)と結合できるよう、結合部151の外径よりも若干大きく形成されている。また、被結合部141の下部内壁面には、環状溝142が設けられている。環状溝142に結合部151に形成されている環状凸部152を嵌め合わ
せることで、ベース部材14と蓋部材15との固定状態を維持することができる。従って、被結合部141の内径は、結合部151に応じて設計すればよい。
【0031】
被結合部141の表側の縁には、縁に沿うように表側に突出した環状の凸部からなり、本発明の回転軸部に相当する回転軸部143が形成されている。回転軸部143の高さ寸法は、接続部材12の厚さに応じて設計すればよい。回転軸部143の高さ寸法をアーム部材の厚さ寸法よりも若干大きくすることで、ベース部材14と蓋部材15との間に挟みこまれる接続部材12の回転が許容される。
【0032】
なお、上述したベース部材14の材質は、特に限定されないが、十分な強度を有すると共に成形が容易な材料によって形成することが好ましい。例えば、ABSなどの合成樹脂によって形成することで、円形プレート140、被結合部141、回転軸部143を一体的に形成することができる。なお、ベース部材14は、極力目立たないようにすることが美観の面において好ましい。すなわち、ベース部材14は、できる限り薄く形成することが好ましいが、ABSといった合成樹脂によって形成することで、薄く形成することができ、また十分な強度を持たせることができる。
【0033】
次に、蓋部材(本発明の規制部に相当する。)15について説明する。図4Aは、蓋部材15の平面図を示す。また、図4Bは、図4AにおけるCC断面図を示す。蓋部材15は、薄板状の円形プレート150によって形成されている。円形プレート150の外径や厚さは、上述したベース部材14の円形プレート140と同様に設計することができる。円形プレート140の中央部には、環状の凸部からなり、ベース部材14の被結合部141に挿入する結合部151が形成されている。結合部151の外径は、被結合部141(図3A、図3B参照。)に応じて設計することができる。また、結合部151の下部外壁面には、内側に突出した環状の凸部152が形成されている。環状の凸部152と被結合部141に形成されている環状溝142とを嵌め合わせることで、ベース部材14と蓋部材15との固定状態を維持することができる。なお、蓋部材15の材質は、特に限定されない。ベース部材14と同じく例えば、ABSなどの合成樹脂によって形成することで、円形プレート150、結合部152を一体的に形成することができる。また、ABSなどの合成樹脂によって形成することで薄く十分な強度を有する蓋部材15とすることができる。また、ベース部材14と、蓋部材15とは、結合部151と被結合部141とを結合することで固定することができる。但し、より安定的に固定したい場合には、接続部12のリング部121を挟み込んだ状態で接着剤等によって固定すればよい。これにより、より強固に固定することが可能となる。
【0034】
次に接続部材12について説明する。図5Aは、接続部材12の平面図を示す。また、図5Bは、図5AにおけるDD断面図を示す。接続部材12は、細長状の腕部120と、腕部120の一端に設けられベース部材14の回転軸部143と接続されるリング部121と、腕部120の他端に設けられ副体部13が接続可能なフック部122と、によって形成されている。
【0035】
腕部120は、細長状のプレートによって形成されている。腕部120の長手方向の寸法によって、本体部10と副体部13との距離が決定される。すなわち、腕部120の長手方向の寸法を長くすることで、副体部13の回転半径が大きくなる。従って、腕部120の長手方向の寸法は、本体部10や副体部13に設けられる装飾や、装飾具1が取り付けられる携帯電話機50の大きさなどを考慮して設計すればよい。厚さは、強度を確保できる範囲内においてできる限り薄く設計することが好ましい。これにより、美観性を高めることができる。
【0036】
フック部122(本発明の副体接続部に相当する。)は、腕部120の先端部が表側に
折り返されることによって形成されている。これにより、副体部13に設けられているリング状の引掛け部130を取り付けることができる。また、フック部122は、断面視において長手方向における中央部が、開放端部よりも狭く形成されている。従って、引掛け部130がフック部122から不用意に外れるのを防止することができる。また、フック部122は、所定の幅を有している。この所定の幅は、フック部122に接続される副体部13の表裏が逆転しない程度の幅寸法とすることが好ましい。従って、副体部13に形成される引掛け部130についても、リングの一部にフック部122の幅寸法に応じた直線部を設けることが好ましい。これにより、副体部13の表裏が逆転することを防止することができる。
【0037】
リング部121(本発明の基端部に相当する。)は、リング内に回転軸部143が挿入される。リング部121のリング内径は、回転軸部143の外径よりも若干大きく設計すればよい。これにより、リング部121が回転可能に回転軸部143に接続される。また、リング部121の厚さ寸法は、回転軸部143の高さ、換言するとベース部材14と蓋部材15との間に形成される間隙の寸法よりも大きくすることが好ましい。これにより、リング部材121は、回転軸部143を軸としてスムーズに回転することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、上述した接続部材12を、鉄製の材料によって一体的に形成した。これにより、薄く成形することができると共に十分な強度を確保することができる。また、本実施形態では、ベース部材14と蓋部材15は、合成樹脂によって形成し、接続部材12は、合成樹脂とは異なる鉄製の材料によって形成した。これにより、ベース部材14と蓋部材15との間に挟まれる接続部との摩擦抵抗が小さくなり、接続部材12がスムーズに回転することができる。
【0039】
<使用方法、動作>
次に上述した装飾具1の使用方法について、装飾具1の動作と共に図面に基づいて説明する。装飾具1は、携帯電話機50の表面に両面テープ等で貼り付けて使用することができる。すなわち、ベース部材14の裏側面にベース部材14の外径よりも小さく形成された両面テープを貼り付け、この両面テープを介してユーザが好む携帯電話機50の任意の位置に装飾具1を取り付ける。なお、本実施形態では、携帯電話機50のディスプレイユニットの外側表面の略中央付近に配置した(図1参照。)
【0040】
なお、副体部13は、フック部122によって接続されているのでユーザの好みに応じて交換することができる。また、支持部11(蓋部15)と本体部10とは、両面テープによって取り付けられているので、支持部11を携帯電話機50の外側表面520に接続したまま、本体部10だけを取り外し、他の本体部と交換してもよい。
【0041】
装飾具1は、携帯電話機1に取り付けられることで以下のように動作する。図6Aは、装飾具1が取り付けられた携帯電話機50を示す正面図である。図6Bは、装飾具1が取り付けられた携帯電話機50示す側面図である。また、図6Cは、装飾具1が取り付けられた携帯電話機50を開いた状態を示す斜視図である。これらの図に示すように、装飾具1は、携帯電話機50の外側表面520上を本体部10を基点として回転することができる。従って、携帯電話機50の向きを変えた場合であっても、副体部13が常に本体部の下側に位置することになる。特に、折り畳み可能な本実施形態のような携帯電話機50では、ディスプレイユニット52の開放端部が、図6Bに示す状態(折り畳み状態)と、図6Cに示す状態(開いた状態)とでは異なる位置にくることがある。従って、接続部12が回転可能に固定されていないような場合には、本体部10と副体部13との位置関係が逆さまになり、デザイン性を損ねる虞がある。しかし、本実施形態の装飾具1では、接続部12が回転可能に支持されているので、副体部13が常に本体部の10の下側に位置し、デザイン性を損ねることもない。
【0042】
以上説明した、本実施形態の装飾具1によれば、本体部10と副体部13の双方に立体的な装飾が施されているので、携帯端電話機1に立体感や質感に優れた装飾性を付与することができる。また、副体部13は、本体部11に対して移動可能であることから、装飾具1に動きを与えることができる。従って、例えば、単に貼り付けられるような固定された装飾具に比べて装飾性を高めることができる。また、本実施形態の装飾具1では、副体部13が携帯電話機50の外側表面520を装飾面を表面に向けた状態を維持して移動する。すなわち、副体部13の表裏が逆転することなく、携帯電話機50の外側表面520を移動する。従って、副体部13の表側に施された装飾によって携帯電話機50の外側表面520に傷を付けること防止することができる。
【0043】
なお、上述した実施形態は、例示に過ぎない。例えば、上述した実施形態においては、一つの接続部12には、一つのリング部121、腕部120、フック部122が設けられていた。しかし、腕部120をリング部121の中心を基点として放射状に複数設け、それぞれの腕部120の先端にフック部122を設けてもよい。これにより、より装飾性を高めることができる。また、ベース部材14と蓋部材15との間に形成される間隙を大きくし、ベース部材と蓋部材15との間に複数の接続部12(リング部121)を重ねるように配置してもよい。これにより、より装飾性を高めることができる。
【0044】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る携帯端末用装飾具はこれに限らず可能な限りこれらの組み合わせを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】装飾具を示す斜視図である。
【図2A】装飾具の分解斜視図である。
【図2B】図2AにおけるAA断面図である。
【図3A】ベース部材の平面図である。
【図3B】図3AにおけるBB断面図である。
【図4A】蓋部材の平面図である。
【図4B】図4AにおけるCC断面図である。
【図5A】接続部材の平面図である。
【図5B】図5AにおけるDD断面図である。
【図6A】装飾具が取り付けられた携帯電話機を示す正面図である。
【図6B】装飾具が取り付けられた携帯電話機示す側面図である。
【図6C】装飾具が取り付けられた携帯電話機を開いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・装飾具
10・・・本体部
11・・・支持部
12・・・接続部
13・・・副体部
14・・・ベース部材
15・・・蓋部材
50・・・携帯電話機
120・・・腕部
121・・・リング部
122・・・フック部
140・・・円形プレート(ベース部材)
141・・・被結合部
142・・・環状溝
143・・・回転軸部
150・・・円形プレート(蓋部材)
151・・・結合部
152・・・環状の凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の表面に接続される装飾具であって、
表側に装飾が施され、前記携帯端末に固定される本体部と、
表側に装飾が施された副体部と、
前記副体部の表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で、前記副体部が前記携帯端末の表面上を前記本体部を基点として移動できるように、前記本体部と前記副体部とを接続する接続部と、
を備える携帯端末用装飾具。
【請求項2】
前記本体部は、前記接続部が接続されるとともに該接続部を回転可能に支持する支持部を介して前記携帯端末に固定され、
前記支持部は、前記携帯端末の表面に対して略直交するとともに前記基点としての回転軸部を有し、
前記接続部は、前記回転軸部に回転可能に接続される基端部と、前記副体部の表側に施されている装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きになるように該副体部が接続される先端部と、該基端部と該先端部との間の腕部とを有し、
前記副体部は、前記接続部が前記携帯端末の表面上を前記回転軸部の軸を基点として回転することで、表側に施された装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態で前記本体部を基点として回転する、
請求項1に記載の携帯端末用装飾具。
【請求項3】
前記支持部は、前記回転軸部が設けられ前記携帯端末の表面と接続されるベース部と、前記回転軸部に接続された前記基端部が前記携帯端末の表面と略直交する方向に対して動くのを規制する規制部とを更に有する、
請求項2に記載の携帯端末用装飾具。
【請求項4】
前記携帯端末は、折り畳み可能であって、
前記副体部は、前記本体部を基点として回転可能であることにより、前記携帯端末の折り畳み動作に関わらず、前記本体部に対して常に下側に位置する、
請求項2又は請求項3に記載の携帯端末用装飾具。
【請求項5】
前記接続部の先端部には、前記副体部を着脱自在に接続するための副体接続部が設けられ、
前記副体接続部は、前記副体部の移動時において、該副体部の表側に施された装飾が前記携帯端末の表面に対して外向きの状態になるように前記副体部を接続する、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯端末用装飾具。
【請求項6】
前記副体部の裏側には、前記携帯端末の表面と接触して該携帯端末へ傷が付くのを防止するための保護層が設けられている、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯端末用装飾具。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2008−236041(P2008−236041A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69180(P2007−69180)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(592045821)株式会社サンクレスト (8)
【Fターム(参考)】