説明

携帯端末装置、プログラムおよび表示制御方法

【課題】表示面に表示させる電子文書のページの移動を、ユーザが快適に行うことができる携帯端末装置、プログラムおよび表示制御方法を提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、ディスプレイ11と、ディスプレイ表示面に対する入力を検出するタッチセンサ12と、CPU100とを備える。CPU100は、前記ディスプレイ11に電子文書の所定のページが表示されている場合、タッチセンサ12により入力が検出されている間は、電子文書のページを送るときの送り量を更新させ、入力が検出されなくなったときの送り量に基づいて、電子文書のページを送るときの送り量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(TabletPC)、電子書籍端末等の携帯端末装置および当該携帯端末装置に用いて好適なプログラムと表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを備えた携帯端末装置では、表示面に対する操作により、種々の動作が実行される。たとえば、表示面への操作により、表示面に表示された電子文書のページがめくられる。所定の操作によって、現在表示中のページの前または後ろのページが、表示面に現れる。
【0003】
また、所定の操作を行うことにより、複数のページをめくることができる構成も提案されている。たとえば、表示面にタッチする指の本数に基づいて、めくられるページの数を変更する構成が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開1996−76926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成によると、複数の指を表示面にタッチさせる必要があるため、表示面にタッチしない方の手で、携帯端末装置を持つ必要がある。
【0006】
また、上記構成では、一度にめくり得るページ数が、片手の指の本数の範囲に限られてしまう。このため、上記構成は、ページ数が多い電子文書の閲覧に向くとは言い難い。携帯端末装置が片手で持たれている場合においても、所望の数のページを、簡単な操作によって、快適にめくり得るようにするのが望ましい。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、表示面に表示させる電子文書のページの移動を、ユーザが快適に行うことができる携帯端末装置、プログラムおよび表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様の携帯端末装置は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部と、前記表示部を制御する制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されている間は、前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させ、前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定する。
【0009】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記検出部は、前記表示部に対する入力位置をさらに検出する構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記入力位置の変化に基づいて、前記送り量の増減の方向を決定する。
【0010】
この構成において、前記制御部は、さらに、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記入力位置の変化に基づいて、前記継続時間に対する前記送り量の更新の速度を変化
させる構成とされ得る。
【0011】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記検出部は、前記表示部に対する入力面積をさらに検出する構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記入力面積の変化に基づき、前記継続時間に対する前記送り量の更新の速度を決定する。
【0012】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、現在表示中のページから前記送り量を送った前記電子文書のページのサムネイル画像を、前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0013】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、前記送り量の変化が停止しているときに、前記サムネイル画像を、前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0014】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、前記表示部に対してページを進めるまたは戻すための選択入力が行われたことを判定し、当該判定の結果に応じて、現在表示中のページから前記送り量を進めたまたは戻した前記電子文書のページを前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0015】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、前記送り量の更新動作が継続しているとき、現在表示中のページから前記送り量だけ送った前記電子文書のページから前後に所定のページ範囲にある前記電子文書の特定のページのサムネイル画像を、前記表示部にさらに表示させる構成とされ得る。さらに、前記制御部は、表示された前記サムネイル画像を選択するための入力が前記表示部に対してなされたことに基づいて、選択された前記サムネイル画像に対応する前記特定のページを前記表示部に表示させる構成とされ得る。
【0016】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、前記特定のページが複数ある場合、前記特定のページに対応する前記サムネイル画像を含むサムネイルテーブルを、前記表示部に表示させる構成とされ得る。さらに、前記制御部は、前記サムネイルテーブルをスクロールさせるための所定の入力が前記表示部に対して行われたことに基づいて、前記サムネイルテーブル上の前記サムネイル画像をスクロールさせる構成とされ得る。
【0017】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記特定のページは、ユーザにより付箋が付されたページと、前記電子文書の各章節が開始されるページと、所定のキーワードを含むページの少なくとも一つを含み得る。
【0018】
本態様にかかる携帯端末装置において、前記制御部は、前記電子文書のページをめくる数を、前記送り量として、更新させ得る。
【0019】
本発明の第2の態様は、コンピュータに所定の機能を付与するプログラムに関する。本態様にかかるプログラムは、表示部を有する表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されると、当該入力が継続するに応じて前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させ、前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定する機能と、決定された送り量を前記所定のページから送った前記電子文書のページを前記表示部に表示させる機能と、を付与する。
【0020】
本発明の第3の態様は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部とを備え
る装置における表示制御方法に関する。本態様に係る表示制御方法は、前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されている間は、前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させるステップと、前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、表示面に表示させる電子文書のページの移動を、ユーザが快適に行うことができる。
【0022】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る表示面に表示される電子文書のページを示す図である。
【図4】実施の形態に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施の形態に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図6】変更例1に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】変更例1に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図8】変更例2に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】変更例2に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図10】変更例2に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図11】変更例3に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】変更例3に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図13】変更例4に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】変更例4に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図15】変更例4に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図16】変更例5に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図17】変更例5に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図18】変更例5に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図19】変更例6に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図20】変更例6に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図21】変更例6に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図22】変更例7に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図23】変更例8に係る処理手順を説明するためのフローチャートと、変更例8に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図24】その他の変更例に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図25】その他の変更例に係るページめくり処理が実行されたときの表示面に対する操作入力の例を示す図である。
【図26】その他の変更例に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図27】その他の変更例に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図28】その他の変更例に係る処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図29】その他の変更例に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【図30】その他の変更例に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、携帯電話機1の外観構成を示す図である。図1(a)、(b)は、それぞれ、正面図および側面図である。
【0025】
携帯電話機1は、正面および背面を含むキャビネット10を有する。キャビネット10の正面には、タッチパネルが配されている。タッチパネルは、画像を表示するディスプレイ11と、ディスプレイ11に重ねられるタッチセンサ12とを備える。
【0026】
ディスプレイ11は、表示部に相当する。ディスプレイ11は、液晶パネル11aと、液晶パネル11aを照明するパネルバックライト11bにより構成されている(図2参照)。液晶パネル11aは、画像を表示するための表示面11cを有し、表示面11cが外部に現れる。表示面11cの上にタッチセンサ12が配されている。なお、液晶パネル11aに代えて有機ELなど他の表示素子が用いられてもよい。
【0027】
タッチセンサ12は透明なシート状に形成される。タッチセンサ12を透して表示面11cを見ることができる。タッチセンサ12は、マトリクス状に配された第1透明電極、第2透明電極およびカバーを備えている。タッチセンサ12は、第1および第2透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザが触れた表示面11c上の位置(以下、「入力位置」と言う。)を検出し、その入力位置に応じた位置信号を後述のCPU100へ出力する。これにより、タッチセンサ12は、第1表示面11cに対するユーザの入力を受け付ける受付部に相当する。なお、タッチセンサ12は、静電容量式のタッチセンサ12に限られず、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等のタッチセンサ12であってもよい。
【0028】
なお、ユーザが表示面11cに触れるとは、たとえば、ユーザが指またはペンなどの接触部材(簡単のため、以下、単に「指」と言う。)によって表示面11cをタッチ、スライド、タップ、フリック等の操作をすることである。また、表示面11cに触れるとは、実際には、タッチセンサ12を覆うカバーの表面における表示面11cの画像が映る領域を触れることである。「スライド」とは、ユーザが表示面11cに指を接触したまま動かす動作を言う。「タップ」とは、ユーザが指で表示面11cを軽く叩くように、表示面11c上のある箇所に指をタッチさせ、そして短時間のうちにリリースする動作である。「フリック」とは、ユーザが指により表示面11cを素早く弾くような動作であり、表示面11cに指を接触したまま、短時間に所定距離以上指を動かし、リリースする動作を言う。
【0029】
キャビネット10の正面には、マイクロホン(以下、「マイク」と言う。)13および
スピーカ14が配されている。ユーザは、スピーカ14からの音声を耳で捉え、マイク13に対して音声を発することにより通話を行うことができる。
【0030】
キャビネット10の背面には、カメラモジュール15(図2参照)のレンズ窓(図示せず)が配されている。レンズ窓から被写体の画像がカメラモジュール15に取り込まれる。
【0031】
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、バックライト駆動回路304、映像デコーダ305、音声デコーダ306およびクロック307を備えている。
【0033】
カメラモジュール15は、CCD等の撮像素子を有し、画像を撮影する撮影部を含む。カメラモジュール15は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ301は、カメラモジュール15からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0034】
マイク13は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。音声エンコーダ302は、マイク13からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0035】
通信モジュール303は、CPU100からの情報を無線信号に変換し、アンテナ303aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ303aを介して受信した無線信号を情報に変換してCPU100へ出力する。
【0036】
バックライト駆動回路304は、CPU100からの制御信号に応じた駆動信号をパネルバックライト11bに供給する。パネルバックライト11bは、バックライト駆動回路304からの駆動信号により点灯し、液晶パネル11aを照明する。
【0037】
映像デコーダ305は、CPU100からの映像信号を液晶パネル11aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル11aに出力する。液晶パネル11aは、映像信号に応じた画像を表示面11c上に表示する。
【0038】
音声デコーダ306は、CPU100からの音声信号、着信音やアラーム音等の各種報知音の音信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号や音信号に変換してスピーカ14に出力する。スピーカ14は、音声デコーダ306からの音声信号や音信号に基づいて音声や報知音などを再生する。
【0039】
クロック307は、時間を計測し、計測した時間に応じた信号をCPU100へ出力する。
【0040】
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ200には、電子文書(Electronic Document)を閲覧するためのアプリケーションプログラ
ム(以下、「アプリケーション」と言う。)が記憶される。本発明において、電子文書は、閲覧できる任意の電子媒体のコンテンツを言う。電子文書は、液晶ディスプレイ等の表
示装置に表示させて閲覧することができる。電子文書は、電子書籍を含む。
【0041】
また、メモリ200は、CPU100のワーキングメモリとしても利用される。すなわち、メモリ200は、通話機能および電子文書閲覧機能などの各種のアプリケーションプログラムが実行される際、一時的に利用または生成されるデータを記憶する。たとえば、メモリ200は、表示面11cに対するタッチの入力位置に関する情報、表示面11cに表示させる電子文書のページのページ番号、各ページの画像(以下、「ページ画面」と言う。)、ページ画面のサムネイル画像(以下、「サムネイル」と言う。)などを記憶する。
【0042】
CPU100は、タッチセンサ12、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、クロック307からの入力信号に従って、実行する制御プログラムに基づいて、マイク13、通信モジュール303、パネルバックライト11b、液晶パネル11a、スピーカ14を動作させる。これにより、各種のアプリケーションが実行される。
【0043】
CPU100は、制御部として、ユーザからタッチセンサ12を介して入力された情報などに基づき、ディスプレイ11を制御する。たとえば、CPU100は、当該情報に基づき、映像信号を映像デコーダ305に出力し、液晶パネル11aの表示面11cに画像を表示させる。
【0044】
CPU100は、タッチセンサ12から入力する位置信号に基づき、ユーザによりなされた表示面11cに対するタッチに関する情報を検出する。たとえば、CPU100は、表示面11c上に対してなされたタッチの位置(以下、「タッチ位置」と言う。)と、タッチにより指が表示面11cに触れている領域(以下、「入力領域」と言う。)の面積(以下、「接触面積」と言う。)を検出する。
【0045】
さて、図3は、電子文書を閲覧するためのアプリケーションが実行されているときの、表示画面を説明するための図である。図3において、表示面11cには、電子文書の64ページが表示されている。表示面11cの右上隅には、現在の表示されているページ(以下、「現在のページ」と言う。)のページ番号(以下、「現在のページ番号」と言う。)をユーザに通知するために、「64ページ」なる文字列が表示される。
【0046】
なお、「nページが表示される」とは、正確には、ページ番号がnであるページのページ画面が表示面11cに表示されることを意味する。
【0047】
CPU100は、メモリ200から読み出した電子文書のデータに基づいて、表示対象となる電子文書のページのページ画面を生成し、当該ページ画面を表示面11cに表示させる。
【0048】
CPU100は、表示面11cに電子文書のあるページが表示されている状態において、後述するページめくり処理を実行する。ページめくり処理は、電子文書のページをめくる処理である。すなわち、ページめくり処理は、現在のページ番号を、表示面11cへのタッチに応じて更新し、そして新たに設定されたページ番号に対応するページを、表示面11cに表示するための処理である。
【0049】
なお、電子文書のデータは、常にメモリ200に記憶されている必要はない。また、各ページのページ画面は、CPU100により生成されなくともよい。たとえば、電子文書に関するデータは、通信モジュール303を介して取得されたものであってもよい。
【0050】
<本実施の形態の処理手順>
図4は、本実施の形態のページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図5(a)〜(c)は、図4のページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0051】
後述されるように、図4の変数である目標ページ番号pは、ページめくり処理の実行中、随時更新される。そして、ページめくり処理の最終ステップの処理(S107)において、pページが表示面11cに表示されることとなる。
【0052】
図4を参照して、CPU100は、まず、表示面11cがタッチされているか否かを判定する(S101)。表示面11cがタッチされている場合(S101:YES)、目標ページ番号pにp0+1を設定する(S102)。ここで、定数p0は、現在のページ番号である。
【0053】
ステップS103において、CPU100は、初期表示として、表示面11c上に設けられた目標ページ番号表示欄C1に目標ページ番号pを表示する。図3のように64ページが表示されている状態において、ユーザの指により表示面11cがタッチされると、目標ページ番号表示欄C1には数字65(=64+1)が表示される。
【0054】
目標ページ番号表示欄C1は、随時更新される目標ページ番号pを表示してユーザに通知するためのものである。目標ページ番号表示欄C1は、表示面11c上のタッチ位置のやや上方に設けられる。なお、目標ページ番号表示欄C1の背景には、現在のページの画像が表示される。
【0055】
ステップS104において、CPU100は、タイマーをスタートさせる。CPU100は、クロック307からの信号に基づきタイマーを動作させ経過時間Tを計る。経過時間Tの初期値は0である。
【0056】
ステップS105において、CPU100は、表示面11cが、現在タッチされているか否かを判定する(S105)。表示面11cがタッチされている場合(S105:YES)、CPU100は、次のステップS106の処理へ進む。
【0057】
ステップS106において、CPU100は、経過時間Tが所定の時間T0(以下、「更新周期」と言う。)に達したか否かを判定する。更新周期T0は、たとえば、数10ミリ秒〜数秒である。
【0058】
T<T0の場合(S106:NO)、CPU100は、ステップS105の処理へ戻る。このように、T<T0である間、CPU100は、ステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0059】
ステップS105において、表示面11cがタッチされていない場合(S105:NO)、CPU100は、pページを表示面11cに表示する(S107)。ステップS107の処理が完了すると、図4のページめくり処理が終了される。
【0060】
ここで、ユーザは、1ページのみページをめくりたい場合、図5(a)のようにステップS103の初期表示の処理がされた直後に、指を表示面11cからリリースする。この場合、経過時間Tが更新周期T0を超える前にリリースされることとなるので、現在のページが65ページであれば、ステップS107の処理により、65ページが表示面11cに表示される。このように、ユーザは、表示面11cをタップすれば、ページを1ページめくることができる。
【0061】
以下に説明されるように、本実施の形態に係るページめくり処理では、ユーザが表示面11cをある時間の間タッチすることで、1ページだけでなく複数のページをめくることができる。
【0062】
ステップS106において、経過時間Tが更新周期T0に達したと判定された場合、即ちT≧T0の場合(S106:YES)、CPU100は、ステップS108の処理へ進む。CPU100は、目標ページ番号pを1増やす(S108)。次に、CPU100は、目標ページ番号表示欄C1に表示される目標ページ番号pを、更新された新たな現在の目標ページ番号pへ更新して表示する。(S109)。そして、CPU100は、動作させているタイマーをリセットする(S110)。タイマーがリセットされることにより、経過時間Tは再び初期値0に設定される。CPU100は、次に目標ページ番号pが更新される(S108)までの時間を計時することとなる。ステップS110の処理が完了すると、CPU100は、ステップS105へ進む。
【0063】
よって、図4のページめくり処理が開始されてからタッチが継続されている場合、更新周期T0毎に、ステップS108〜S110の処理が繰り返し実行され、目標ページ番号pが1ずつ加算され更新されることとなる。たとえば、図5(a)の状態(p=65)から、さらにタッチが継続された場合、目標ページ番号pが次第に増加してゆく。そして、たとえば、図5(b)に示されるように、目標ページ番号表示欄C1に数字80が表示される。
【0064】
CPU100は、指が表示面11cからリリースされると(S105:NO)、更新された目標ページ番号pのページを表示する(S107)。よって、図5(b)のように目標ページ番号pが80となっているときに、指が表示面11cからリリースされれば、図5(c)のように80ページが表示面11cに表示される。
【0065】
以上、本実施の形態によれば、表示面11cのある箇所がタッチされている間、CPU100は、目標ページ番号pを更新する。すなわち、表示面11cのある箇所がタッチされている間、電子文書のページを移動するときの送り量すなわちページをめくる数が更新させられる。タッチが検出されなくなると、送り量が決定され、pページが表示面11cに表示される。すなわち、ユーザは、一本の指で表示面11cに触れるだけで、複数のページめくることができる。よって、ユーザは、表示面11c上における電子文書のページの移動を、快適に行うことが出来る。ユーザは、携帯電話機1を片方の手で持った状態でも、他方の手の1本の指を使って、所望の数のページを簡便にめくり得る。
【0066】
<変更例1>
上記実施の形態では、目標ページ番号pの更新周期T0は一定である。すなわち、ユーザによるタッチが継続されている間、目標ページ番号pは、一定の速さで増加される。これに対し、変更例1では、更新周期T0は、ユーザによるスライドに応じて変更される。これによって、ユーザは、目標ページ番号pの更新の速度(1/T0)(以後、「更新の速さ」と言う。)を所望の速さにさせることができる。
【0067】
図6は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図6のフローチャートは、図4のフローチャートのステップS101とS102の間にステップS111の処理が追加され、また、ステップS108の間にステップS112およびS113の処理が追加されたものである。
【0068】
ステップS111において、CPU100は、ステップS101において検出されたタッチ位置、すなわち、ページめくりのためにユーザにより最初になされたタッチのタッチ
位置を、初期タッチ位置として検出する。
【0069】
S112において、CPU100は、現在なされているタッチのタッチ位置を、現在のタッチ位置として検出する。
【0070】
S113において、CPU100は、初期タッチ位置と現在のタッチ位置とがどれだけ左右方向(X軸方向)に関してずれているかに基づいて、更新周期T0を設定する。CPU100は、現在のタッチ位置と初期タッチ位置とが、X軸方向に関して略同じ位置にある場合、更新周期T0を所定の初期値に設定する。現在のタッチ位置が初期タッチ位置に比べ左側(X軸負方向)に位置する場合、CPU100は、更新周期T0を初期値より小さい値に設定する。現在のタッチ位置が初期タッチ位置に比べ右側(X軸正方向)に位置する場合、CPU100は、更新周期T0を初期値より大きい値に設定する。
【0071】
具体的には、CPU100は、初期タッチ位置のX軸座標(X0とする(単位はピクセル))と現在のタッチ位置のX軸座標(X1とする)とを比較する。X0−D≦X1≦X0+Dである場合、更新周期T0は、初期値に設定される。X1>X0+Dである場合、更新周期T0は、初期値の2倍に設定される。X1<X0−Dである場合、更新周期T0は、初期値の半分に設定される。ここで、Dは所定の閾値である。
【0072】
なお、タッチ位置のブレによる誤操作がされることを低減するために、所定値Dは、大きく設定されてもよい。タッチ位置の移動量が少なくてもユーザが更新周期T0を変化させることができるように、所定値Dは、小さく設定されてもよい。
【0073】
以下に、本変更例に係る処理手順が、図5(a)、(b)および図7(a)〜(c)を用いて説明される。図7(a)〜(c)は、本実施の形態に係るページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0074】
図5(a)のように、表示面11cがタッチされると、ステップS111において初期タッチ位置を検出される。表示面11cに対する当該タッチが、その位置が略変化されないまま継続される場合、ステップS112において検出される現在のタッチ位置は、初期タッチに略同じとなる。この場合、ステップS113において、上記説明の通り、更新周期T0が所定の初期値に設定される。よって、ステップS108〜S110、S112およびS113の処理が繰り返し実行されることにより、目標ページ番号pは、一定の速さで、1ずつ増加される。たとえば、図5(b)に示されるように、目標ページ番号pは、65から80へ増加される。
【0075】
また、図5(b)のように目標ページ番号pが80に設定されているとき、ユーザは、図7(a)の指および破線で囲まれた矢印に示されるように、タッチ位置を左方向へ移動させ得る。この場合、検出した初期タッチ位置および現在のタッチ位置に基づき、上述のように、ステップS113において更新周期T0が小さく設定される。これにより、図7(a)のようにタッチ位置が、目標ページ番号の更新の速さが速くなる。そのため、たとえば図7(b)に示されるように、現在のタッチ位置が初期タッチ位置に略同じで合った場合に比べて短時間のうちに、目標ページ番号表示欄C1に表示される通り、目標ページ番号pが194に設定される。図7(b)の表示がなされているときにタッチされていたユーザの指がリリースされると、図7(c)に示されるように、194ページが表示面11cに表示される。
【0076】
また、図5(b)の表示がなされているときにタッチされていたユーザの指が、初期タッチ位置に比べ、右側に移動(図7の一点鎖線の矢印参照)される場合が起こり得る。この場合には、ステップS113において更新周期T0が初期値より大きく設定される。こ
れにより、ユーザの指先が初期タッチ位置にあったときに比べ、目標ページ番号の更新の速さが遅くなる。
【0077】
以上、本変更例の構成によれば、ユーザは、現在のタッチ位置を、初期タッチ位置に比べ左側へ移動させると、目標ページ番号pの更新の速さを速くできる。
【0078】
したがって、ユーザは、一本の指による簡単な操作により、所望のページをより短時間で表示させることができる。
【0079】
また、本変更例の構成によれば、ユーザは、現在のタッチ位置を、初期タッチ位置に比べ右側へ移動させると、目標ページ番号pの更新の速さを遅くできる。
【0080】
したがって、ユーザは、目標ページ番号pの更新の速さを遅くさせることによって、現在設定されている目標ページ番号pの目視確認が容易に行える。さらに、ユーザは、所望のページを表示させるためのリリースの動作を容易に行える。すなわち、目標ページ番号pの更新の速さを遅くさせることによって、ユーザは、表示させたいページのページ番号が目標ページ番号表示欄C1に表示されているときに合わせてリリースすることを簡単に行える。
【0081】
本変更例では、ユーザは、表示面11cに対してタッチしている間、目標ページ番号pの更新の速さの変更のためのスライドの操作を、任意のタイミングで移動させることができる。よって、目標ページ番号の更新の速さを予めユーザが設定しなくとも、ユーザは、一本の指による簡単な操作により速さを自在に増減させながら、ページめくりの操作を快適に行える。
【0082】
<変更例2>
上記実施の形態では、目標ページ番号は、常に増加するよう更新された。変更例2では、目標ページ番号は、ユーザによるタッチのタッチ位置に応じて、増加に加えて減少されるよう更新される。
【0083】
図8は、変更例2に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図8のフローチャートは、図4のフローチャートのステップS101とS102の間にステップS111およびステップS121の処理が追加され、ステップS106(S106:YES)とS112の間にステップS112、S122およびS123の処理が追加されたものである。なお、図8におけるステップS111およびS112の処理は、図6において説明されたステップS111およびS112の処理に、それぞれ同じである。
【0084】
ステップS121において、CPU100は、変数である更新の向きd1に初期値1を代入する。後述されるように、更新の向きd1は、初期タッチ位置および現在のタッチ位置に応じて、1または−1に設定される。d1=1の場合、目標ページ番号pは増加され、d1=−1の場合、目標ページ番号pは減少されるよう設定される(後述のS123参照)。
【0085】
ステップS122において、CPU100は、初期タッチ位置と現在のタッチ位置に基づいて、更新の向きd1を更新する。たとえば、CPU100は、現在のタッチ位置が、左右方向に関して、初期タッチ位置と略同じ位置または初期タッチ位置より左側の位置にある場合、CPU100は、更新の向きd1を1に設定する。また、CPU100は、現在のタッチ位置が、左右方向に関して、初期タッチ位置より右側の位置にある場合、CPU100は、更新の向きd1を−1に設定する。
【0086】
具体的には、CPU100は、初期タッチ位置のX軸座標(X0とする(単位はピクセル))と現在のタッチ位置のX軸座標(X1とする)とを比較する。X1≦X0+Dである場合、更新の向きd1は、1に設定される。X1>X0+Dである場合、更新の向きd1は、−1に設定される。
【0087】
なお、タッチ位置のブレによる誤操作を低減するために、所定値Dは、大きく設定されてよい。また、タッチ位置の移動量が少なくてもユーザが更新の向きd1を容易に変更させることができるように、所定値Dは、小さく設定されてもよい。
【0088】
ステップS123において、CPU100は、目標ページ番号pをp+d1に更新して設定する。すなわち、d1=1の場合には、目標ページ番号pはp+1に更新され、d1=−1の場合には、目標ページ番号pはp−1に更新される。
【0089】
図9(a)〜(c)、図10(a)〜(c)は、本変更例に係るページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0090】
図3のように64ページが表示されている状態において、表示面11cがタッチされた場合、図9(a)に示されるように、目標ページ番号pである数字65(=64+1)が目標ページ番号表示欄C1に表示される。
【0091】
当該タッチが継続される間、現在のタッチ位置が、左右方向に関して、ステップS111で検出された初期タッチ位置に略同じである場合、ステップS122においてd1は1に設定される。これによって、ステップS123において、目標ページ番号pは1増加するように更新される。目標ページ番号pは1増加するように更新されることによって、たとえば、図9(b)のように、目標ページ番号pが80に設定される。
【0092】
図9(b)のように目標ページ番号pが80に設定された状態において、指が表示面11cからリリースされると、図9(c)のように、80ページが表示される。
【0093】
ところで、図9(b)のように目標ページ番号pが80に設定され、且つ現在のタッチ位置が初期タッチ位置に略同じ状態である場合に、図10(a)のように、スライドによってタッチ位置が右方向(X軸正方向)へ移動され得る。この場合、ステップS122において、更新の向きd1が−1に設定される。これによって、ステップS123において、目標ページ番号pは1減少するように更新される。図10(a)に示されるタッチ位置が保たれたままタッチが継続された場合、目標ページ番号pが1ずつ減少されつつ更新される。これによって、たとえば、図10(b)の目標ページ番号表示欄C1に表示されるように、目標ページ番号pが60に設定される。
【0094】
図10(b)のように目標ページ番号pが60に設定された状態において、指が表示面11cからリリースされると、図10(c)のように、60ページが表示面11cに表示される。
【0095】
以上、本変更例の構成によれば、ユーザは、表示面11cにタッチした指を、初期のタッチ位置と略同じ位置またはこれより左側へ移動させると、目標ページ番号pを増やすことができ、これにより、ページを送ることができる。また、ユーザは、表示面11cにタッチした指を、初期のタッチ位置より右側へ移動させると、目標ページ番号pを減らすことができ、これにより、ページを戻すことができる。さらに、ユーザは、目標ページ番号pの更新の向き(d1の符号)、すなわち目標ページ番号pを増減させることを、任意のタイミングで、切り替えることができる。
【0096】
よって、表示面11cに表示させるページの目標ページ番号の設定を、ユーザは、ページをおくるときの送り量の増減を自在に変えながら快適に行え、さらに便利である。
【0097】
<変更例3>
上記実施の形態では、表示面11cがタッチされなくなると、直ちに目標ページ番号に設定されたページ(以下、「目標ページ」と言う。)が表示面11cに表示された。これに対し、変更例3では、目標ページの表示がなされる前に、当該表示を許可するかキャンセルするかを、ユーザが選択できる。後述されるように、ユーザが許可するかキャンセルするかを選択するとき、目標ページのサムネイルが表示面11cに表示される。
【0098】
図11は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図11のフローチャートは、図4のフローチャートのステップS103とS104の間にステップS131の処理が追加され、ステップS105より後段にステップS132〜135の処理が追加されたものである。
【0099】
図12(a)〜(c)は、図11のページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0100】
CPU100は、表示面11cに目標ページ番号pを表示する初期表示を完了すると(S131)、OKボタンB1とCANCELボタンB2を表示面11cに表示する(S131)。OKボタンB1は、目標ページの表示を許可するためのものである。CANCELボタンB2は、目標ページの表示をキャンセルするためのものである。図12(a)に示されるように、目標ページ番号pである数字65が、タッチ位置の上方に設けられた目標ページ番号表示欄C1に表示される。そして、OKボタンB1とCANCELボタンB2が、横方向(X軸方向)に整列して、表示面11cに表示される。OKボタンB1とCANCELボタンB2は、タッチ位置と目標ページ番号表示欄C1の間に表示される。
【0101】
表示面11cがタッチされてから(S101:YES)、指がリリースされるまで(S105:NO)、CPU100は、ステップS108〜S109の処理を、図4のフローチャートに示される処理と同様にして、繰り返し実行する。
【0102】
指がリリースされると(S105:YES)、CPU100は、設定されている目標ページのサムネイルを表示面11cに表示する(S132)。
【0103】
たとえば、上述の図12(a)の状態からタッチが継続された後、目標ページ番号pが80に設定されているときに、指がリリースされ得る。この場合(S105:NO)、CPU100は、ステップS132の処理において、図12(b)に示されるように、目標ページである80ページのサムネイルP80を表示面11cに表示する。
【0104】
図12(b)では、サムネイルP80が、目標ページ番号表示欄C1の左側に表示される。しかし、サムネイルP80が表示される位置は、ユーザがサムネイルP80を視認できる位置であれば、目標ページ番号表示欄C1の左側でなくてもよい。たとえば、サムネイルP80が表示される位置は、目標ページ番号表示欄C1またはボタンB1、B2の、上方または右側等であってもよい。
【0105】
図11に戻り、ステップS133において、CPU100は、OKボタンB1が押下(ボタンの画像上をタッチ)されたか否かを判定する。OKボタンB1が押下された場合(S133:YES)、CPU100は、pページを表示面11cに表示する(S107)。
【0106】
OKボタンB1が押下されない場合(S133:NO)、CPU100は、次にCANCELボタンB2が押下されたか否かを判定する(S134)。CANCELボタンB2が押下された場合(S134:YES)、CPU100は、目標ページの表示がキャンセルされたとして、現在のページを表示面11cに再び表示する(S135)。
【0107】
図12(b)に示されるように80ページのサムネイルP80が表示面11cに表示されている状態において、図12(c)に示されるようにOKボタンが押下され得る。この場合、図9(c)のように80ページが表示面11cに表示される。
【0108】
また、図12(b)に示されるように80ページのサムネイルが表示面11cに表示されている状態において、CANCELボタンが押下される場合がある。この場合、64ページ(現在のページ)が表示面11cに表示される。
【0109】
ステップS107またはS135の処理が終了すると、本変更例に係るページめくり処理が終了する。
【0110】
以上、本変更例の構成によれば、指が表示面11cからリリースされ後、OKボタンB1が押下された場合、ページめくりが行われる。すなわち、現在設定されている目標ページが表示される。また、CANCELボタンB1が押下された場合には、ページめくりが行われない。すなわち、現在のページが再び表示面11cに表示される。よって、設定させている目標ページ番号のページを表示させるか否かを、ユーザ自身が選択でき、さらに便利である。
【0111】
さらに、本変更例では、指が表示面11cからリリースされたことにより目標ページ番号pの更新が停止されているときに、現在設定されている目標ページのサムネイルが表示面11cに表示される。これによって、ユーザは、表示された目標ページのサムネイルを見ることによって、目標ページの概要を知ることができる。よって、ユーザは、目標ページの概要を参考にして、目標ページの表示を許可するかキャンセルするかを選択でき、さらに便利である。
【0112】
<変更例4>
上記変更例2では、表示面11cがタッチされると、目標ページ番号は、増やされるまたは減らされるよう更新設定された。これに対し、変更例4では、目標ページ番号の更新が、ユーザによるタッチのタッチ位置に応じて一時停止される。また、目標ページ番号の更新の向きおよび速さ(後述の変数「更新の度合い」d2参照)が、ユーザによるタッチのタッチ位置に応じて、適宜変化される。
【0113】
図13は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図13のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS121の処理がS141の処理に置き換えられ、ステップS103とS104の間にステップS142の処理が追加され、ステップS122〜S123の処理がステップS142〜S143の処理に置き換えられたものである。
【0114】
図14(a)〜(c)、図15(a)〜(c)は、図13のページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0115】
初期タッチ位置が検出された後(S111)、ステップS141において、CPU100は、変数である更新の度合いd2を0に設定する。後述されるように、更新の度合いd2は、初期タッチ位置および現在のタッチ位置に応じて、設定される(S143参照)。そして、目標ページ番号pはp+d2に更新される(後述のS123参照)。なお、d2
=0である間は、目標ページ番号pは変更されないこととなる。
【0116】
ステップS142において、CPU100は、表示面11cにスケールSを表示する。図14(a)に示されるように、スケールSは、タッチ位置と目標ページ番号表示欄C1との間に、表示される。
【0117】
スケールSは、X軸方向に延びる。スケールSは、略等間隔に配された目盛りおよび各目盛りの上に表示される数字4、3、2、1、0、−1、−2、−3、−4の画像を含む。CPU100は、スケールSを、初期タッチ位置と数字0に対応する目盛りとのX軸座標が略一致するよう、表示面11cに表示する。
【0118】
スケールSは、タッチ位置と更新の度合いd2との関係を、ユーザへ通知するためのものである(下記のS143参照)。
【0119】
ステップS112の処理が終了した後、ステップS143の処理が実行される。CPU100は、更新の度合いd2に、現在のタッチ位置に最も近い目盛りに対応する数字を設定する(S143)。そして、CPU100は、目標ページ番号をpからp+d2に更新して設定する(S144)。
【0120】
たとえば、図14(a)に示されるように、指が目盛り0を指している場合、すなわちタッチ位置に最も近い目盛りが数字0に対応する目盛りである場合、ステップS143において、更新の度合いd2は0に設定される。
【0121】
また、たとえば、図14(a)の矢印に示される方向へスライドの操作がなされ、これによってタッチ位置が目盛り4を指すよう移動され得る。この場合、ステップS143において、更新の度合いd2は4に設定される。これに伴い、ステップS144において、目標ページ番号pは4加算され、p+4に設定される。
【0122】
このようにタッチ位置が目盛り4を指すようにタッチが継続された場合、CPU100は、目標ページ番号pを4ずつ増加させる。これにより、目盛4に対応する速度で目標ページ番号pが増加され、たとえば、図14(b)のように、目標ページ番号pが192に設定される。このとき、ユーザが指をリリースすれば、図14(c)のように、192ページが表示される。
【0123】
また、以下に説明されるように、更新の度合いd2は、タッチ位置に基づき負値にも設定される。
【0124】
図14(b)のように、目標ページ番号pが192に設定され、且つタッチ位置が目盛り4を指しているとき、タッチ位置が、右方向へ移動され得る。たとえば、図15(a)の右向きの矢印に示されるように、目盛り−2が指されるように、ユーザが指をスライドする場合が起こり得る。この場合、更新の度合いd2が−2に設定され(S143)、目標ページ番号pは、2ずつ減らされるよう更新される(S144)。
【0125】
タッチ位置が目盛り−2を指すようにタッチが継続された場合、目標ページ番号pを2ずつ減少されることにより、目盛−2に対応する速度で目標ページ番号pが減少され、たとえば、図15(b)に示されるように、目標ページ番号pが182に設定される。このとき、ユーザが指をリリースすれば、図15(c)に示されるように、182ページが表示される。
【0126】
なお、タッチ位置が、目盛り0を指すよう、スライドがなされた場合には、ステップS
143において更新の度合いd2は0に設定される。このため、目標ページ番号pは、ステップS143の処理の実行によって変化されない。すなわち、タッチ位置が目盛り0を指すようにタッチがなされている間、目標ページ番号pは変更されない。
【0127】
このように、ユーザは、タッチを継続している間、更新の度合いd2を、正、負および0の何れであるかに関わらず、任意のタイミングで変化させることができる。
【0128】
以上、本変更例の構成によれば、表示面11cがタッチされている間、初期タッチ位置および現在のタッチ位置に応じて、目標ページ番号pの更新の度合いd2が変化する。ユーザは、タッチ位置がスケールSの目盛り0を指すようタッチを行うと、目標ページ番号pを変化させないようできる。
【0129】
さらに、ユーザは、現在のタッチ位置を、初期タッチ位置に比べ左側へ移動させると、目標ページ番号pの増加の幅を大きくさせることができる。すなわち、目標ページ番号pの更新の速さ(d2/T0)が速められる。一方、ユーザは、現在のタッチ位置を、初期タッチ位置に比べ右側へ移動させると、目標ページ番号pの更新の向き(d2の符号)を反転させることができる。すなわち、目標ページ番号pを減少させることができる。これによって、ユーザは、目標ページ番号の更新の向きおよび速さを所望のタイミングで変更させながら、ページめくりの操作を快適に行うことができる。
【0130】
<変更例5>
上記実施の形態では、目標ページ番号pが更新されることに合わせて、設定された目標ページ番号pが、表示面11cに表示された。変更例5では、目標ページ番号pに加えて、付箋が付されたページのサムネイルを含む付箋リストが、表示面11cに表示される。以下に説明されるように、付箋リスト上のいずれかのサムネイルがユーザにより選択されると、選択されたサムネイルに対応するページが表示面11cに表示される。
【0131】
ここで、「付箋」は、ユーザにより作成された、メモ、しおり、ハイライトされたテキスト等の、電子文書の所望の位置に付される目印である。
【0132】
通常、付箋が付されたページは、電子書籍の全ページの中でも、ユーザにとって特に重要なページであると考えられる。よって、付箋が付されたページを表示させるための操作を、ユーザが簡単に行えることが望ましい。
【0133】
図16は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図16のフローチャートは、図4のフローチャートのステップS103とS104の処理の間にステップS151の処理が追加され、ステップS109とS110の処理の間にステップS152の処理が追加され、ステップS107の処理が、ステップS153〜S160の処理に置き換えられたものである。
【0134】
図17(a)〜(b)、図18(a)〜(c)は、図11のページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0135】
図3のように64ページが表示されている状態において、表示面11cがタッチされた場合(S101:YES)、CPU100は、ステップS102およびS103の処理の後、ステップS151の処理を実行する。ステップS151において、CPU100は、図17(a)に示されるように、付箋リストL1、OKボタンB1およびCANCELボタンB2を表示面11cに表示する。
【0136】
付箋リストL1は、付箋が付されたページのうち、目標ページ番号pに近いページ番号
を持つページのサムネイルが縦(Y軸方向)に配列されたものである。CPU100は、目標ページ番号pに最も近いページ番号を持つページのサムネイルが付箋リストL1の略中央に配置されるよう、付箋リストL1を表示する。
【0137】
図17(a)において、付箋リストL1は、55、67、75および82ページのサムネイルP55、P67、P75およびP82を含む。これらサムネイルP55、P67、P75、P82は、上から、ページ番号が小さい順に整列される。目標ページ番号p(=65)に最も近いページ番号を持つ67ページのサムネイルが付箋リストL1の略中央に位置している。
【0138】
ステップS152において、CPU100は、ステップS151の処理と同様にして、目標ページ番号pに近いページ番号を持つ付箋が付されたページのサムネイルが縦(Y軸方向)に配列された付箋リストを表示面11cに更新して表示する。これによって、ステップS108〜S110およびS152の処理が繰り返し実行される間、目標ページ番号pが更新されることに応じて、目標ページ番号pに最も近いページ番号を持つ付箋が付されたページのサムネイルが、付箋リストL1の略中央に配置される。
【0139】
たとえば、図17(b)に示されるように、目標ページ番号pが80に設定されているときに、ユーザの指が表示面11cからリリースされ得る。この場合、その後、OKボタンB1が押下されれば、目標ページである80ページが表示面11cに表示される。一方、CANCELボタンB2が押下されれば、現在のページ(64ページ)が表示面11cに表示される。
【0140】
なお、図17(b)において、付箋リストL1は、67、75、82、98および102ページのサムネイルP67、P75、P82、P98およびP102を含む。現在の目標ページ番号p(=80)に最も近いページ番号を持つ82ページのサムネイルP82が、付箋リストL1の略中央に表示される。
【0141】
CPU100は、ステップS155においてCANCELボタンB2が押下されないと判定した場合(S155:NO)、付箋リストL1上のいずれかのサムネイルがタップされたか否かを判定する(S157)。付箋リストL1上のいずれかのサムネイルがタップされた場合(S157:YES)、CPU100は、当該タップがなされたサムネイルに対応するページを表示面11cに表示する。たとえば、図17(b)に示されるように付箋リストL1が表示面11cに表示されている状態において、サムネイルP82がタップされる場合が起こり得る。この場合、CPU100は、82ページを表示面11cに表示させる。
【0142】
付箋リストL1上のいずれかのサムネイルがタップされないと判定された場合(S159)、CPU100は、付箋リストL1上で、上下方向にスライドがなされたか否かを判定する(S159)。付箋リストL1上で上下方向にスライドがなされた場合(S159:YES)、CPU100は、スライドがなされた方向に付箋リストL1をスクロールさせる。付箋リストL1上で上下方向にスライドがなされない場合(S159:YES)、CPU100は、ステップS153の処理へ戻る。
【0143】
たとえば、図18(a)の矢印に示されるように、付箋リストL1上で上方向にスライドがなされた場合(S159:YES)、CPU100は、付箋リストL1を上方向へスクロール(S160)させる。付箋リストL1がスクロールされることによって、たとえば図18(b)のように、これまで表示されていなかった、付箋が付された123ページおよび130ページのサムネイルP123およびP130が、サムネイルP102の下に表示される。
【0144】
図18(b)のように、サムネイルP123がタップされると(S157:YES)、CPU100は、図18(c)に示されるように、タップされたサムネイルP123に対応する123ページを、表示面11cに表示させる。
【0145】
ステップS154、S156またはS158の処理が終了すると、図16のフローチャートで説明されるページめくり処理が終了する。
【0146】
以上、本変更例の構成によれば、目標ページ番号pを更新させている最中に、ユーザは、目標ページに近い、目標ページから前後に所定のページ範囲にある付箋が付されたページのサムネイルを見ることが可能である。また、サムネイルをタップすることにより、当該サムネイルに対応するページを表示面11cに表示させることが可能である。
【0147】
さらに、本変更例の構成によれば、ユーザは、目標ページ番号pを更新させている最中に、付箋が付されたページのサムネイル表示を表示させるために、個別に特別な操作を行う必要はない。
【0148】
また、ユーザは、付箋リストL1を上下方向にスライドさせることにより、付箋が付されたページのサムネイルを、閲覧することが可能である。これにより、ユーザは、付箋が付されたページの概要を把握しながら、付箋リストL1をスクロールさせることが可能である。
【0149】
このように、本変更例の構成によると、ユーザにとって特に重要なページであると予想される付箋が付されたページを、一本の指による簡単な操作で表示させることができる。
【0150】
<変更例6>
上記実施の形態では、表示面11cがタッチされている間、表示面11cに表示させるページのページ番号である目標ページ番号が随時更新された。これに対し、変更例6では、表示面11cに表示させるページのページ番号は、当該タッチの後になされる選択入力に基づいて、具体的にはフリックの方向に基づいて、決定される。
【0151】
具体的には、表示面11cがタッチされている間は、ページ番号の増加または減少の幅(後述の「更新の幅」参照)が随時更新される。換言すると、一つではなく二つの目標ページ番号(後述の「第1および第2の目標ページ番号」参照)が随時更新される。第1および第2の目標ページ番号は、現在のページ番号に更新の幅をそれぞれ加算および減算したものである(S164参照)。以下に説明されるように、左方向へフリックされた場合、第1の目標ページ番号のページ(以下、「第1の目標ページ」と言う。)が表示面11cに表示されるページ番号とされる。また、右方向へフリックされた場合、第2の目標ページ番号のページ(以下、「第2の目標ページ」と言う。)が表示面11cに表示されるページ番号とされる。
【0152】
図19は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図19のフローチャートは、図4のフローチャートのステップS102およびS103の処理がステップS161およびS162の処理に置き換えられ、ステップS108およびS109の処理がステップS163およびS164の処理に置き換えられ、そしてステップS107の処理がステップS165〜S169の処理に置き換えられたものである。
【0153】
図20(a)〜(c)、図21(a)〜(b)は、本変更例に係るページめくり処理が実行される際の、表示画面を説明する図である。
【0154】
ステップS161において、CPU100は、変数である更新の幅cに初期値1を、第1の目標ページ番号p1に初期値p0+c(=p0+1)を、そして第2の目標ページ番号p2に初期値p0−c(=p0−1)を、それぞれ代入する。ここで、p0は現在のページ番号である。
【0155】
たとえば、図3のように64ページが表示されている状態において、表示面11cがタッチされた場合には、更新の幅cに1が設定され、第1の目標ページ番号p1に65(=64+1)が設定され、第2の目標ページ番号p2に63(=64−1)が設定される。
【0156】
ステップS162において、CPU100は、更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2の表示などの、初期表示の処理を行う。図20(a)に示されるように、タッチ位置の上方に設けられた目標ページ番号表示欄C2に、左から第1の目標ページ番号p1、更新の幅cそして第2の目標ページ番号p2が表示される。
【0157】
また、ステップS162において、CPU100は、タッチ位置の左側に左向きの矢印A1を表示し、タッチ位置の右側に右向きの矢印A2を表示する。図20(a)のように、矢印A1上には「送り」なる文字列が表示される。矢印A2上には「戻し」なる文字列が表示される。
【0158】
矢印A1は、左側へフリックすると、現在設定されている第1の目標ページ(p1ページ)が表示面11cに表示されることを、ユーザに通知するためのものである。矢印A2は、右側へフリックすると、現在設定されている第2の目標ページ(p2ページ)が表示面11cに表示されることを、ユーザに通知するためのものである。
【0159】
ステップS163において、CPU100は、更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2の更新の処理を実行する。CPU100は、更新の幅cを1増加させる。そして、CPU100は、第1の目標ページ番号p1にp0+cを設定する。CPU100は、第2の目標ページ番号p2にp0−cを設定する。すなわち、第1の目標ページ番号p1は1増加するよう設定され、第2の目標ページ番号p2は1減少するよう設定される。
【0160】
ステップS164において、CPU100は、更新された更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2を、目標ページ番号表示欄C2に更新して表示する。
【0161】
図20(a)のように初期表示の処理(S162)の処理が実行された後、表示面11cへのタッチが継続された場合(S105:YES)、ステップS163およびS163の処理は、更新周期T0で、繰り返し実行される。これによって、たとえば、図20(b)の目標ページ番号表示欄C2に表示されるように、更新の幅cが16に設定され、第1の目標ページ番号p1が80(=64+16)に設定され、第2の目標ページ番号p2が48(64−16)に設定される。
【0162】
さらにこのとき、指のリリースが検出されると(S105:NO)、ステップS165の処理が実行される。すなわち、図20(b)のように更新の幅cが16であるときに、図20(b)のように、指が表示面11cからリリースされると、ステップS165の処理が実行される。
【0163】
ステップS165において、CPU100は、所定の時間内に右方向または左方向へフリックがされたか否かを判定する(S165)。所定の時間は、たとえば、数100ミリ秒〜数秒である。所定の時間内に右方向または左方向へフリックがされなかった場合、C
PU100は、ページめくりのための操作がユーザによりキャンセルされたとみなし、現在のページ(p0ページ)を表示面11cに再び表示する(S165)。
【0164】
所定の時間内に右方向または左方向へフリックがされたとき(S165:YES)、CPU100は、ステップS167の処理へ進む。
【0165】
ステップS167において、CPU100は、ステップS165において検出されたフリックの方向が、右方向と左方向のどちらであるかを判定する。フリックが左方向へ向けてなされた場合(S167:左)、CPU100は、第1の目標ページすなわちp1ページを表示面11cに表示する。フリックが右方向へ向けてなされた場合(S167:右)、CPU100は、第2の目標ページすなわちp2ページを表示面11cに表示する。
【0166】
図20(b)に示されるように、第1の目標ページ番号p1が80に、第2の目標ページ番号p2が64にそれぞれ設定されている状態において、図20(c)に示されるように左向きの矢印A1の方向へフリックされ得る。この場合、図21(a)のように80ページが表示面11cに表示される。一方、図21(b)に示されるように右向きの矢印A2の方向へフリックがされた場合は、図21(c)のように48ページが表示面11cに表示される。
【0167】
ステップS166、S168またはS169の処理が終了すると、本変更例に係るページめくり処理が終了する。
【0168】
以上、本変更例の構成によれば、表示面11cに対してページを進めるまたは戻すための選択入力が行われたことが判定され、この判定の結果に応じて、現在表示中のページから更新の幅c(送り量)だけ進めたまたは戻したページが、表示面に、表示される。具体的には、表示面11cに対してタッチがなされると、更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2が随時更新される。ユーザは、p1ページへ読み進めるかp2ページへ戻るかの指定を、当該タッチの後に行うフリックの方向により指定できる。
【0169】
また、表示面11cに対してタッチが継続されている間は、随時更新される更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2が目標ページ番号表示欄C2に表示される。このため、ユーザは、フリックによる指定の動作を行う前においても、読み飛ばすページ数(更新の幅c)と、操作後に表示されるページのページ番号(第1および第2の目標ページ番号p1、p2)とを容易に知ることができ、便利である。
【0170】
よって、本変更例の構成においても、ユーザは、ページめくりの操作を快適に行える。
【0171】
<変更例7>
変更例6では、表示面11cに対するタッチがリリースされた後になされるフリックの方向にもとづいて、第1および第2の目標ページのうちいずれか一方が選択され、選択されたページが表示される。これに対し、変更例7では、第1および第2の目標ページのうちどちらを選択するか、すなわちページを進めるか戻すかの決定は、リリース後のフリックではなく、タッチ状態からのフリックの方向に基づいてなされる。ここで、「タッチ状態からのフリック」とは、表示面11cに触れた状態からフリックの操作を行うことを言う。タッチ状態からのフリックがされたか否かの判定は、リリースされる直前の所定の長さの時間帯でのスライドの速度(ピクセル/秒)が所定の閾値(たとえば、数10ピクセル/数10ミリ秒)を超えるか否かに基づいてなされる。
【0172】
図22は、本変更例に係るページめくり処理の手順を説明するためのフローチャートである。図19のフローチャートは、図19のフローチャートのステップS105およびS
165の処理が、ステップS171およびS172の処理に置き換えられたものである。
【0173】
ステップS171の処理は、ステップS104またはS109の処理が終了すると実行される。ステップS171において、CPU100は、右方向または左方向へタッチ状態からのフリックがなされた否かを判定する。
【0174】
右方向または左方向へタッチ状態からのフリックがなされない場合(S171:NO)、CPU100は、現在表示面11cに対してタッチされているか否かを判定する(S172)。タッチされている場合(S172:YES)、ステップS106へ進む。タッチされていない場合(S172:NO)、ステップS166へ進む。
【0175】
右方向または左方向へタッチ状態からのフリックがなされた場合(S171:YES)、図19のステップS167〜169の処理と同様にして、第1または第2の目標ページが表示面11cに表示される。すなわち、左方向へタッチ状態からのフリックがなされた場合(S167:左)、第1の目標ページであるp1ページが表示面11cに表示される(S168)。右方向へタッチ状態からのフリックがなされた場合(S167:右)、第2の目標ページであるp2ページが表示面11cに表示される(S169)。
【0176】
図20(a)に示されるように表示面11cに対してなされたタッチが継続し、その後、タッチ状態からのフリックがなされ得る。たとえば、第1および第2の目標ページ番号p1、p2がそれぞれ80および48のときに、図20(c)に示されるように、タッチしていた指がリリースすることなく、左方向(矢印A1の方向)へ、タッチ状態からのフリックが行われ得る。この場合、図21(a)のように、第1の目標ページとして設定されている80ページが、表示面11cに表示される。
【0177】
同様に、第1および第2の目標ページ番号p1、p2がそれぞれ80および48のときに、図21(b)に示されるように、タッチしていた指がリリースすることなく、右方向(矢印A2の方向)へ、タッチ状態からのフリックが行われ得る。この場合、図21(c)のように、第2の目標ページ番号として設定されている48ページが、表示面11cに表示される。
【0178】
ところで、ユーザは、上述のようにタッチ状態からのフリックではなく、表示面11cから指を離した状態からのフリックを行うことにより、1ページのみページを送るまたは戻すことが可能である。この場合の処理について、以下に説明される。
【0179】
たとえば、図3のように64ページが表示されている状態において、表示面11cに対して左方向へフリックがされた場合(S101:YES)、ステップS161において、第1の目標ページ番号に65が、そして第2の目標ページ番号に63が設定される。フリックによるタッチの継続時間が更新周期T0より短い場合、ステップS163の処理は一回も実行されないまま、リリースされる。この場合、第1の目標ページ番号が65である状態で、ステップS171においてYESと判定される。次のステップS167において、左方向へタッチ状態からフリックされたと判定され(S167:左)、そしてp1ページが表示面11cに表示される(S168)。
【0180】
すなわち、左方向へフリックされると、表示面11cには、電子文書の次のページが表示される。同様に、右方向へフリックされると、表示面11cには、1ページ前のページが、表示面11cに表示される。
【0181】
以上、本変更例の構成によれば、表示面11cに対してページを進めるまたは戻すための選択入力が行われたことが判定され、この判定の結果に応じて、現在表示中のページか
ら更新の幅c(送り量)だけ進めたまたは戻したページが、表示面に、表示される。具体的には、表示面11cに対してタッチがなされると、更新の幅cならびに第1および第2の目標ページ番号p1、p2が随時更新される。ユーザは、p1ページへ進むかp2ページへ戻るかの指定を、1本の指による操作であるタッチ状態からのフリックの方向により、簡単に指定できる。
【0182】
また、ユーザが1ページ読み進めたい場合には、ユーザは表示面11cを左方向へフリックすればよい。ユーザが1ページ戻したい場合には、ユーザは表示面11cを右方向へフリックすればよい。つまり、ページを複数ページ移動させるためのタッチの操作と、1ページ移動させるためのタッチの操作とを、ユーザは特に大きく区別して行う必要はない。
【0183】
よって、本変更例の構成においても、ユーザは、ページめくりの操作を快適に行える。
【0184】
<変更例8>
上記実施の形態では、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2は、タッチ位置の移動に応じて変更される。変更例8では、初期および現在のタッチ位置のX座標(ピクセル)のかわりに、初期および現在の接触面積(ピクセル^2)に基づいて、更新周期T0が設定される。
【0185】
図23は、変更例8に係る処理手順を説明するためのフローチャートと、変更例8に係るページめくり処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
【0186】
図23(a)のフローチャートは、図6のフローチャートのステップS111〜S113の処理が、ステップS181〜S183の処理に置き換えられたものである。ステップS181およびS182では、初期および現在のタッチの接触面積が検出される。ステップS183では、以下のように、初期および現在のタッチの接触面積に基づいて、更新周期T0が設定される。
【0187】
図23(b)は、指により表示面11cに対してタッチされているときに検出される接触面積を模式的に説明する図である。実線で囲まれた領域R1、R2およびR3は、表示面11cがタッチされたときに指が表示面11cに接触する領域を、それぞれ表す。更新周期T0は、初期の接触の領域が領域R1であり、現在の接触の領域が、領域R1より面積が大きな領域R2であるときに、小さくなるよう設定される。また、現在の接触の領域が、領域R1より面積が小さな領域R3である場合に、更新周期T0は、大きくなるよう設定される。つまり、初期および現在のタッチ位置の比または差に基づいて、更新周期T0が設定される。
【0188】
以上、本変更例の構成によっても、ユーザは、一本の指による簡単な操作により、更新の速さ(1/T0)を変化させ、所望のページをより短時間で表示させることができる。
【0189】
同様にして、更新の向きd1および更新の度合いd2が、初期および現在の接触面積に応じて、設定される構成が可能である。たとえば、接触面積が領域R1から領域R2に増加すれば、ページが増える方向に送られ、接触面積が領域R1から領域R3に減少すれば、ページが減る方向に送られる。
【0190】
<その他>
上記実施の形態では、タッチ位置が変化されない場合、更新周期T0は変化されない。しかし、これに限らず、更新周期T0は、各種のパラメータに基づいて、変化されてもよい。たとえば、ステップS101においてタッチが検出されてから時間が経過するにつれ
て、更新周期T0が、初期値に比べて減少するよう設定されてもよい。このように設定されることにより、目標ページ番号の更新の速さが徐々に加速され、多くのページを一度に読み進めるまたは戻るための操作にかかる時間を短縮し得る。加速は、タッチが検出されてからの経過時間に応じて同じ割合で一様に増加されてもよい。また、更新周期T0は、タッチが検出されてからの経過時間に応じて階段状に増加されるようになど、種々の設定のされ方がとられて良い。
【0191】
また、ステップS101においてタッチが検出されてから、はじめの数秒間は、更新周期が大きく設定されてもよい。このように設定されることにより、1ページだけページめくりする場合に、誤って複数ページめくられるような誤操作が低減され得る。
【0192】
変更例1では、表示面11cのどの位置がタッチされても(S101:YES)、S111移行の処理が実行された。しかしながら、この構成では、たとえば、最初のタッチが表示面11cの左端近くになされると、現在のタッチ位置が表示面11cの左端まで移動されても、タッチ位置の変化が閾値を超えず、このため、更新周期T0を変化させることができないことが起こり得る。このような不都合を回避するため、変更例1は、表示面11c上の左右方向の中央部分がタッチされた場合にのみ、図6の処理が実行されるよう修正されてもよい。この修正は、他の変更例においても同様に適用され得る。たとえば、変更例4では、スケールS(図14(a)参照)の全てが表示面11cに確実に表示され得るような範囲がタッチされた場合に、図13のS111移行の処理が実行されるよう修正されても良い。
【0193】
たとえば、T0=初期値×C^(X1−X0)と設定され得る。ここで、Cは所定の正値であり、記号「^」はべき乗を意味する。更新周期T0がこのように設定されることにより、ユーザが調整することができる更新の速さの幅を、広めることができる。また、更新周期T0は、タッチ位置の変化に応じて階段状に変化されるなど、種々の設定のされ方がとられてよい。
【0194】
変更例4では、更新の度合いd2は、タッチ位置の変化に略比例して変更される。しかし、更新の度合いd2は、タッチ位置の変化に略線形に比例される必要はない。たとえば、更新の度合いは、タッチ位置の変化量(X1−X0)に応じて指数関数的に変化するよう設定されてよい。また、更新の度合いd2は、タッチ位置の変化に応じて階段状に変化されるなど、種々の設定のされ方がとられてよい。
【0195】
変更例3では、目標ページのサムネイルは、OKボタンB1およびCANCELボタンB2が押下されていないときに、表示面11cに表示される(図12参照)。これに限らず、目標ページのサムネイルは、たとえば、図13に示す変更例4において更新の度合いd2が0に設定されているとき、すなわち目標ページ番号pが変化されないようページめくり処理が実行されるときに、表示面11cに表示されてもよい。この場合、目標ページのサムネイルが、図24(a)に示されるように、表示面11cに表示される。このように、目標ページ番号pの更新が停止しているときにサムネイルが表示されることによって、ユーザは、ページめくり処理を実行させつつ、目標ページであるpページの概要を知ることができる。
【0196】
また、目標ページ番号pの更新が停止している時に限らず、目標ページ番号pの更新の速さが低速である場合に、現在の目標ページのサムネイルが表示面11cに表示されてもよい。たとえば、更新周期T0が大きい場合や、更新の度合いd2が小さい場合に、現在の目標ページページのサムネイルが表示面11cに随時表示されてもよい。これによっても、ユーザは、ページめくり処理を実行させつつ、目標ページの概要を知ることができる。また、目標ページ番号の更新の速さが低速でない場合においても、現在の目標ページの
サムネイルが表示面11cに表示されてもよい。
【0197】
変更例5では、付箋リストL1は、目標ページ番号pの更新中に表示面11cに表示される。しかし、付箋リストL1は、目標ページ番号pの更新中表示面11cに表示されなくともよい。たとえば、付箋リストL1が表示されるかわりに、図24(b)に示されるように、表示面11cに、付箋リストを表示させるためのボタンB3が表示されてもよい。ボタンB3の上には文字列「付箋リスト」が表示される。この場合、ユーザは、ボタンB3を押下することにより、図24(c)のように付箋リストL1を表示面11cに表示させることができる。また、図24(c)のように付箋リストL1が表示されるときに、付箋リストの表示を解除するためのボタン(図示せず)が、表示面11cに表示されてもよい。
【0198】
変更例3では、目標ページ番号設定のためのタッチがリリースされると(S105:NO)、目標ページ番号pを再び増加させることができない。しかしながら、目標ページ番号pを再び増加させ得るようにしてもよい。たとえば、図12(b)のように指がリリースされた状態において、表示面11cの背景画像(64ページの画像)の領域がタッチされると、目標ページ番号pの更新が再開されるようにしても良い。この場合、再度のタッチが継続する間、現在の目標ページ番号pが、80からさらに増加される。変更例5においても、同様の修正が採られ得る。
【0199】
変更例1、変更例2および変更例4では、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2は、それぞれ、タッチ位置の横方向(X軸方向)の移動に応じて変更される。しかしながら、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2は、タッチ位置の横方向のみの移動に応じて更新される必要はなく、たとえば、タッチ位置の縦方向(Y軸方向)や斜め方向の移動に応じて変更されよう構成されてもよい。
【0200】
たとえば、変更例4で説明された更新の度合いd2が、図25(a)のように、タッチ位置の縦方向(矢印参照)の移動に応じて、変更されるよう構成されてもよい。この場合、表示面11cには、縦方向に延びるスケールSVが表示される。そして、タッチ位置が、初期のタッチ位置から、上向きおよび下向きの矢印の方向(図25(a)参照)へ移動されることに基づいて、更新の度合いd2が、タッチ位置が示す目盛りの数字に設定される(図13のS143参照)。
【0201】
この他、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2は、直線状の移動のみに応じて変更される必要はない。たとえば、表示面11c上のある円弧に沿って、タッチ位置が移動されることに基づいて、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2が変更される構成であってもよい。
【0202】
変更例4では、スケールSが表示面11cに表示される。変更例4に限らず他の変更例においても、目標ページ番号の更新の状態を表す、更新周期T0、更新の向きd0、更新の度合いd0、更新の速さ等のパラメータとタッチ位置との関係がユーザへ通知されるために、スケールの画像が、表示面11cに表示されてもよい。
【0203】
たとえば、更新周期T0(変更例1)とタッチ位置との関係がユーザへ通知されるためのスケールが、表示面11cに表示されるよう、変更例1の構成が変更さてもよい。さらに、更新周期T0が、タッチ位置の縦方向(Y座標方向)の位置の移動に応じて、更新されるような、構成がとられてもよい。この場合、縦方向に伸びるスケールが初期タッチ位置を略中心にして表示面11cに表示される。たとえば、スケールの各目盛り上に、Y軸正または負の方向の順に、更新の速さ(1/T0)の倍率(正確には、初期の更新の速さに対する現在の更新の速さの比率)を表す数字0.25、0.5、0.75、1、1.2
5、1.5、1.75が表示される。ユーザは、たとえばタッチ位置が目盛り0.5を指すよう指先をスライドさせることにより、目標ページ番号pを、初期の更新の速さの半分の速さで、更新させることができる。
【0204】
なお、スケールは、検出されるタッチ位置の移動に応じて、いかなる方向を向き、いかなる湾曲を有し、表示面11c上のいかなる位置に表示され、いかなる形状を有していてもよい。さらに、表示される画像は、スケールに限られる必要はない。目標ページ番号の更新状態とタッチ位置との関係がユーザへ通知されるための画像であれば、棒状や円グラフ状の画像、アニメーション等、いかなる画像が表示されてもよい。
【0205】
各変更例の構成は互いに複数組み合わされ得る。たとえば、図25(b)に示されるように、タッチ位置の縦方向の移動(上向きおよび下向きの矢印参照)に基づいて、変更例1に説明されたように更新周期T0が変更され、且つ横方向へのタッチ状態からのフリック(矢印A1およびA2参照)に基づいて、変更例7のように、ページを進めるか戻すかの決定がされてもよい。
【0206】
また、別の例として、変更例1および変更例2が互いに組み合され得る。すなわち、更新周期T0および更新の向きd1が、タッチ位置の移動に基づいて、変更され得る。たとえば、現在のタッチ位置と初期タッチ位置との上下方向(Y座標方向)の位置関係に合わせて、d1が正または負に変更されるとともに、現在のタッチ位置と初期タッチ位置の上下方向の距離に応じて、更新周期T0が小さくされるよう変更されてよい。この場合、ユーザは、図25(a)の場合と同様に、タッチ位置を初期タッチ位置に対して上または下方向へ移動させる距離の分だけ速く、減少または増加させる方向へ、目標ページ番号pを速く更新させることができる。この例においても、目標ページ番号を更新の状態を定めるパラメータとタッチ位置との関係が通知されるための、縦方向に延びるスケール等の画像が、さらに表示され得る。
【0207】
変更例5では、付箋リストL1に表示されたサムネイルがタップされた場合に、当該サムネイルに対応するページが表示面11cに表示された。ユーザが行うサムネイルの選択の方法は、タップに限られる必要はない。たとえば、図25(c)のように付箋リストL1が表示されている状態において、上方向(Y軸正方向)へタッチ状態からのフリック(矢印参照)された場合、現在設定されている目標ページ番号p(=80)最も近いページ番号をもつ、付箋が付されたページである82ページのページが、表示面11cに表示される構成が採られ得る。
【0208】
変更例5では、ユーザにより作成された付箋リストが表示面11cに表示された。しかしながら、電子文書に付される付箋は、携帯電話機1のユーザにより付されたものに限られる必要はない。たとえば、付箋は、他のユーザにより作成された付箋など、通信モジュール303を介して取得されたデータに基づいた付箋であってもよい。
【0209】
変更例5では、目標ページ番号の更新中、付箋リストが表示面11cに表示された。しかしながら、所定の条件により選択されたページのサムネイルが配列されたリストが表示面11cに表示されれば、付箋リストに限る必要はない。たとえば、目標ページ番号の更新中、各章節のタイトルが含まれるページのサムネイルが配列されたリストが、表示面11cに表示される構成とされてもよい。各章のタイトルが含まれるページのサムネイルが表示される場合には、各章節のタイトルが含まれるページが容易に検出されるよう、電子文書はタグ付きまたは構造化された電子文書であることが望ましい。タグ付きまたは構造化された電子文書でない電子文書が閲覧される場合には、CPU100は、たとえば、大きなフォントサイズの文字を含むページを、章節のタイトルが含まれるページとみなし、これらのページのサムネイルのリストを表示できる。上記所定の条件は、たとえば、付箋
が付されたページ、章節のタイトルを含むページ、所定の検索キーワードを含むページ、絵図を含むページなどである。なお、表示面11cに表示されるサムネイルは、ページめくり処理の実行時に随時生成されてもよいし、事前に生成されたものか通信モジュール303を経由して取得されたものであってもよい。
【0210】
変更例1、変更例2および変更例4では、更新周期T0、更新の向きd1および更新の度合いd2は、それぞれ、初期のタッチ位置と現在のタッチ位置とに基づいて設定される。しかしながら、これらのパラメータは、必ずしも初期タッチ位置に依存して設定される必要はない。
【0211】
例えば、図6のステップS113は、図26のS191のように修正され得る。この場合、目標ページ番号pの更新の速さが、前回および現在のタッチ位置に基づいて設定される。ステップS191において、現在のタッチ位置のX座標X1と、前回のタッチ位置のX座標X1’との差に基づいて、更新周期T0が変更される。ここで、「前回のタッチ位置」とは、ステップS112が前回実行されたときに検出されたタッチ位置である。
【0212】
ステップS191において、更新周期T0は、更新周期の初期値の2^n倍(nは整数)に設定され得る。図27(a)に例示されるように、現在のタッチ位置(実線の指の絵参照)が、前回のタッチ位置(破線の指の絵参照)に対し、所定の幅D(ピクセル)以上左(矢印参照)に位置する場合、すなわちX1≦X1’−Dの場合、更新周期T0は、現在の更新周期T0の1/2倍に変更される。たとえば、変更前の更新周期T0がTsであると、変更後の更新周期T0はTs/2となる。この場合、目標ページ番号pの更新の速さが2倍となり、たとえば目標ページ番号pが80から194(図27(b)参照)に急速に増加される。
【0213】
また、X1≧X1’+Dの場合、更新周期T0は、現在の更新周期T0の2倍に設定される。たとえば、図27(b)のように、タッチ位置が図27(a)の状態から右方向へ(矢印参照)、幅D以上移動されると、更新周期T0は、現在の更新周期T0(Ts/2)の2倍(Ts)に変更される。この場合、目標ページ番号pの更新の速さが図27(a)の場合の1/2倍になる。その後、タッチ位置が変化されないままタッチが継続されると、たとえば、図27(c)のように、目標ページ番号pが、194から196に増加される。このとき、指がリリースされると、送り量に基づき、目標ページすなわち196ページが、表示面11cに表示される。
【0214】
また、たとえば、図28のフローチャートのように、目標ページ番号pの更新の向きd1が、前回および現在のタッチ位置に基づいて設定されてもよい。図28では、図8(変更例2のフローチャート)のステップS122の処理が、ステップS192の処理に置き換えられる。ステップS192では、現在のタッチ位置のX座標X1と、前回のタッチ位置のX座標X1’との差に基づいて、更新の向きd1が変更される。
【0215】
ステップS192において、更新の向きは、1または−1に設定される。図29(a)に例示されるように、現在のタッチ位置(実線の指の絵参照)が、前回のタッチ位置(破線の指の絵参照)に対し、所定の幅D(ピクセル)以上右(矢印参照)に位置する場合、すなわちX1≧X1’+Dの場合、更新の向きd1は、−1に設定される。これにより、たとえば目標ページ番号pが、所定の速さ(1/T0)で、80から60(図29(b)参照)に減少される。
【0216】
X1≦X1’+Dの場合、更新の向きd1は、1に設定される。図29(b)のように目標ページ番号pが60に設定されているときに、タッチ位置が左方向(矢印参照)へ、幅D以上移動された場合、更新の向きd1は、1に設定される。この場合、目標ページ番
号pは、所定の速さ(1/T0)で増加される。その後、位置が変化されないままタッチが継続されると、たとえば、図29(c)のように、目標ページ番号が、68に設定される。このとき、指がリリースされると、目標ページすなわち68ページが、表示面11cに表示される。
【0217】
上記実施の形態および変更例では、表示面11cに対するタッチが継続するに応じて、目標ページ番号表示欄C1に表示された目標ページ番号pが更新された。ここで、目標ページ番号pは、現在表示されているページのページ番号p0に、ページの送り量を加算したものである。しかし、これに限らず、ページの送り量、すなわち、送られるページの数(p−p0)が表示面11cに表示され、表示面11cに対するタッチが継続するに応じて、この送り量が更新されてもよい。
【0218】
たとえば、変更例2において図9(b)のように目標ページ番号pである数字「80」が表示されるかわりに、図30(a)のように送り量である数字「+16」が送り量表示欄C3に表示されるよう、修正がされ得る。この場合、送り量が負値、たとえば−4であるときには、図30(b)のように、送り量表示欄C3に「−4」が表示される。なお、このとき指がリリースされると、60(=64−4)ページが表示面に表示されることとなる。
【0219】
また、ページの送り量として更新される量は、ページを単位とした数に限られる必要はない。ページを単位とした数に限られず、他の単位に基づく数量がページの送り量として表示面11cに表示されてもよい。たとえば、全ページ数に対する目標ページ番号の割合(%)や、段落番号等が、表示面11cに表示されてもよい。たとえば、図30(c)のように、送り量表示欄C3に、送られる段落の数が表示されてもよい。
【0220】
このように、本発明におけるページの送り量は、目標ページ番号pとして間接的に設定されても良く、あるいは、現在表示中のページから目標ページ番号pまでの差分として直接的に設定されても良い。すなわち、本発明におけるページの送り量は、送った後のページを特定できるものであれば、どのような値であっても良い。
【0221】
さらに、上記実施の形態では、いわゆるストレート式の携帯電話機(スマートフォン)に本発明が適用されている。しかしながら、これに限らず、いわゆる折り畳み式、スライド式等、いかなるタイプの携帯電話機に本発明が適用されてもよい。
【0222】
さらに、本発明の携帯端末装置は、携帯電話機に限られず、PDA(PersonalDigital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等であってもよい。
【0223】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0224】
11 ディスプレイ (表示部)
11c 表示面 (表示部)
12 タッチセンサ (検出部)
100 CPU (制御部)
L1 付箋リスト (サムネイルテーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に対する入力を検出する検出部と、
前記表示部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されている間は、前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させ、前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記検出部は、前記表示部に対する入力位置をさらに検出し、
前記制御部は、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記入力位置の変化に基づいて、前記送り量の増減の方向を決定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記検出部は、前記表示部に対する入力位置をさらに検出し、
前記制御部は、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記入力位置の変化に基づいて、前記継続時間に対する前記送り量の更新の速度を変化させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記検出部は、前記表示部に対する入力面積をさらに検出し、
前記制御部は、前記表示部に対する前記入力が継続する間の前記面積の変化に基づき、前記継続時間に対する前記送り量の更新の速度を決定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、現在表示中のページから前記送り量を送った前記電子文書のページのサムネイル画像を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記送り量の変化が停止しているときに、前記サムネイル画像を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記表示部に対してページを進めるまたは戻すための選択入力が行われたことを判定し、当該判定の結果に応じて、現在表示中のページから前記送り量を進めたまたは戻した前記電子文書のページを前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記送り量の更新動作が継続しているとき、現在表示中のページから前記送り量だけ送った前記電子文書のページから前後に所定のページ範囲にある前記電子文書の特定のページのサムネイル画像を、前記表示部にさらに表示させ、さらに、表示された前記サムネイル画像を選択するための入力が前記表示部に対してなされたことに基づい
て、選択された前記サムネイル画像に対応する前記特定のページを前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記特定のページが複数ある場合、前記特定のページに対応する前記サムネイル画像を含むサムネイルテーブルを、前記表示部に表示させ、さらに、前記サムネイルテーブルをスクロールさせるための所定の入力が前記表示部に対して行われたことに基づいて、前記サムネイルテーブル上の前記サムネイル画像をスクロールさせる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯端末装置において、
前記特定のページは、ユーザにより付箋が付されたページと、前記電子文書の各章節が開始されるページと、所定のキーワードを含むページの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記電子文書のページをめくる数を、前記送り量として、更新させる、ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項12】
表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、
前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されている間は、前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させ、前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定する機能と、
決定された送り量を前記所定のページから送った前記電子文書のページを前記表示部に表示させる機能と、を付与する、
プログラム。
【請求項13】
表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部とを備える装置における表示制御方法において、
前記表示部に電子文書の所定のページが表示されている場合、前記検出部により入力が検出されている間は、前記電子文書のページを送るときの送り量を更新させるステップと、
前記入力が検出されなくなったときの前記送り量に基づいて、前記電子文書のページを送るときの送り量を決定するステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−230570(P2012−230570A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98778(P2011−98778)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】