説明

携帯端末装置および同装置におけるプログラム更新制御方法

【課題】ソフトウェアの更新状況を適切にユーザに通知することが可能な携帯端末装置および同装置におけるプログラム更新制御方法を提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、情報の表示を行う表示部15と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部13と、公衆通信網に接続可能な通信部11と、通信部11にて処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得して、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするよう記憶部13を制御するプログラム更新制御を実行可能な制御部12と、を備え、制御部12は、プログラム更新制御が正常に完了していない場合には、表示部15に正常に完了しなかった旨を示す通知画面を間欠的に表示させるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によりプログラム更新を行う、携帯端末装置および同装置におけるプログラム更新制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の多機能化に伴いそのソフトウェアは複雑化し、非常に高度なものになってきた。ソフトウェアが複雑化すると不具合(バグ)が発生する可能性も高くなる。このような不具合を解消するために、ユーザは、携帯電話機を販売店やサービス店へ持参し、専用のプラグ(端末装置)に接続して修正プログラムを上書きする必要があり、非常に手間がかかるものであった。
【0003】
一方、最近では通信ネットワークを介して専用サーバに接続し、修正プログラムや追加プログラムを専用サーバからダウンロードにより取得することでソフトウェアを更新する方法が一般化しつつある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−134948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記したダウンロードによりソフトウェアを更新する方法によれば、更新状況をユーザに通知しなければならない場合がありうる。しかしながら、最近の携帯電話機は搭載する表示デバイスも多様化してきており、この点については考慮されていないのが現状であった。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、ソフトウェアの更新状況を適切にユーザに通知することのできる、携帯端末装置および同装置におけるプログラム更新制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために本発明の第1の観点に係る携帯端末装置は、情報の表示を行う表示部と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部と、前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得して、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするよう前記記憶部を制御するプログラム更新制御を実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記プログラム更新制御が正常に完了していない場合には、前記表示部に正常に完了しなかった旨を示す通知画面を間欠的に表示させる。
【0007】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置において、前記表示部は、複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行うように構成してもよい。
【0008】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置において、前記制御部への指示を入力可能な操作部をさらに備え、前記制御部は、前記通知画面表示中には、前記操作部による操作の受け付けを行わないように構成してもよい。
【0009】
本発明の第1の観点に係る携帯端末装置において、前記制御部への指示を入力可能な操作部をさらに備え、前記制御部は、前記通知画面の表示制御中に前記操作部が操作された際、通知画面が非表示のときには当該通知画面を再表示する処理のみを行うように構成してもよい。
【0010】
本発明の第2の観点に係る携帯端末装置は、情報の表示を行う表示部と、記憶領域が複数のブロックを含んで区分けされ、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部と、前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得して、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするよう前記記憶部を制御するプログラム更新制御を実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記プログラム更新制御が行われると更新の状況を表示する更新中画面を前記表示部に表示させ、前記記憶部の所定数のブロックへの書き込みが生じるごとに、前記更新中画面の表示/非表示を切り替えるよう前記表示部を制御する。
【0011】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末装置において、開閉可能な筐体を備え、前記制御部は、前記更新中画面が非表示のときに前記筐体が開状態になると更新中画面を前記表示部に表示させ、当該表示させたタイミングにおける書き込み中ブロックの次の表示を切り替えるタイミングで前記更新中画面を非表示とするように構成してもよい。
【0012】
本発明の第3の観点に係る携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法は、情報の表示を行う表示部と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部とを有する携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法であって、前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得する取得ステップと、取得した更新プログラムに対応する処理プログラムを前記記憶部に上書きする更新ステップと、前記表示部が複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う所定のタイプであるか否かを判定する判定ステップと、前記更新ステップが正常に完了せず、なおかつ前記表示部が前記所定のタイプである場合に、前記表示部に正常に完了しなかった旨を示す通知画面を間欠的に表示させる通知ステップと、を備える。
【0013】
本発明の第4の観点に係る携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法は、情報の表示を行う表示部と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部とを有する携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法であって、前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得する取得ステップと、取得した更新プログラムに対応する処理プログラムをブロック単位で複数のブロックにわたって前記記憶部に上書きする更新ステップと、前記表示部が複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う所定のタイプであるか否かを判定する判定ステップと、前記取得ステップおよび更新ステップによる更新の状況を表示する更新中画面を前記表示部に表示させる表示ステップと、前記表示ステップにおいて、前記表示部が前記所定のタイプである場合には、前記記憶部へのブロック単位での書き込みが生じるごとに、前記更新中表示の表示/非表示を切り替えるよう前記表示部を制御する表示切替えステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ソフトウェアの更新状況を適切にユーザに通知することのできる、携帯端末装置および同装置におけるプログラム更新制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。ここでは、携帯端末装置として携帯電話機が例示されている。
【0016】
携帯端末装置としての携帯電話機10は、図1に示されるように、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、音声処理部14と、表示部15と、操作部16とにより構成される。
【0017】
通信部11は、不図示の基地局のいずれかによって割り当てられるチャネルを用いて当該基地局との間で公衆回線を介し無線信号の送受信を行う。ここでは、通信部11にて処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得する。
【0018】
制御部12は、通信部11を介して取得される更新プログラムを、対応する処理プログラムに上書きするよう記憶部13を制御するプログラム更新制御を実行する。
【0019】
なお、記憶部13には、内部処理のための処理プログラムが複数格納されている。
記憶部13は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成されるものとする。ここでは、記憶部13は、不揮発性の半導体記憶デバイであり、ブロック単位でデータの書き込みが行われるNAND型のフラッシュメモリが使用されるものとして説明する。
【0020】
音声処理部14は、スピーカ(SP)から出力される音声信号やマイクロフォン(MIC、以下マイクという)において入力される音声信号の処理を行う。
すなわち、音声処理部14は、マイクから入力される音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部12に出力する。
また、音声処理部14は、制御部12から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
【0021】
表示部15は、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部12から供給される映像信号に応じた情報を表示する。
表示部15は、例えば、携帯電話機発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、バッテリ残量、発信成否、待ち受け画面などの各種の情報や画像を表示する。
ここでは、表示部15として、有機ELを用いることとする。有機ELは、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitted Diode)で構成され、高輝度、外観が2mm以下の軽薄、視野角が大きく低消費電力といった利点があるが、デバイスの特性上、連続使用を非常に苦手としている。具体的に、各表示画素自体が色を伴って発光するため、画素毎、使用時間に応じて輝度が劣化してしまい、したがって、特定箇所のみを表示させっぱなしにしている場合、使用する画素のみ輝度が低下し(焼付け)、隣接する画素とともに同一色を表示させたときに色合いが異なるといった現象が発生するといった欠点も合わせ持つ。
【0022】
操作部16は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部12に入力する。
【0023】
制御部12は、図2にその内部構成が機能展開して示されるように、プログラム更新制御部120と、更新プログラム取得部121と、表示タイプ判定部122と、筐体開閉検知部123と、画面表示制御部124とにより構成される。
【0024】
更新プログラム取得部121は、通信部11を介して不図示のサーバと通信を行うことによりダウンロードにより得た更新のための処理プログラムを取得してプログラム更新制御部120へ供給する。プログラム更新制御部120へは、他に、筐体開閉検知部123により検知された筐体の開閉状態を示す信号が供給されている。
【0025】
プログラム更新制御部120は、更新プログラム取得部121が取得した処理プログラムを、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするように記憶部13を制御するプログラム更新制御を実行する。
プログラム更新制御部120はまた、プログラム更新制御が行われると、画面表示制御部124を制御することによりプログラム更新の進捗状況を表示する更新中画面を表示部15に表示させ、フラッシュメモリが実装される記憶部13の所定数のブロックへの書き込みが生じる毎に、更新中画面の表示/非表示を切り替えるよう表示部15を制御する。
【0026】
プログラム更新制御部120はまた、画面表示制御部124を制御することにより、表示部15に更新中画面が非表示のときに筐体が開状態になると更新中画面を表示部15に表示させ、当該表示させたタイミングにおける書き込み中ブロックの次の表示を切り替えるタイミングで更新中画面を非表示とする制御も行う。詳細は後述する。
【0027】
なお、表示タイプ判定部122は、表示部15が複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う所定のタイプ(有機EL)であるか否かを判定する機能を持ち、ここで判定された情報は画面表示制御部124へ供給する。なお、表示部15のタイプ(表示デバイス)が有機ELであることは、記憶部13の所定の領域に格納される環境設定情報(不図示)を参照することにより識別することができる。
【0028】
図3は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作を説明するために示したフローチャートであり、ここではソフトウェア(プログラム)の更新処理の流れが示されている。
以下、図3のフローチャートを参照しながら図1、図2に示す携帯端末装置のソフトウェア更新動作について詳細に説明する。
【0029】
プログラム更新処理中、制御部12(プログラム更新処理部120)は、画面表示制御部124を制御して表示部15に対し、例えば、図6に画面構成の一例が示される進捗画面(更新中画面)を表示する(S31)。
ここでは進捗画面として、プログラム更新処理の進捗の度合いが進捗バー(エレベータアイコン)により表示されるものとする。
【0030】
プログラム更新処理部120は、プログラム更新制御を実行するにあたり、更新プログラム取得部121が通信部11を介して取得した更新のための処理プログラムを、記憶部13として実装されるフラッシュメモリにブロック単位で書き込む(S32)。
ここでは、取得した処理プログラムが持つ容量に相当するメモリブロック分の更新(上書き)が未完了であるため(S33“NO”)、プログラム更新処理部120は、更に、あらかじめ規定したn個(任意)のブロック数に相当する処理プログラムの書き込みが終了したか否かを判定する(S34)。
なお、ステップS33で、取得した処理プログラムが持つ容量に相当するメモリブロック分の更新が終了したと判定された場合(S33“YES”)は、ソフトウェアの更新処理を終了する。
【0031】
ステップS34にてn個のメモリブロックの書き込みが終了していない場合(S34“NO”)プログラム更新処理部120は、ステップS32以降の処理を繰り返し、n個のメモリブロックの書き込みが終了すると(S34“YES”)、更に、表示部15に、図6に示す進捗画面が表示中か否かを判定する(S35)。表示部15に進捗画面が表示中か否かの判定は、記憶部13の所定の領域に割り付けられ記憶されるフラグ(不図示)を参照することにより可能である。
ここで、進捗画面が表示中でない場合(S35“NO”)、プログラム更新処理部120は、画面表示制御部124を制御して表示部15に進捗画面を表示し(S36)、進捗画面表示中は(S35“YES”)、表示部15に進捗画面を非表示とするように画面表示制御部124を制御する(S37)。
【0032】
図4は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作を説明するために示したフローチャートであり、筐体の開閉をチェックして表示/表示を繰り返す随時判定処理である。ここに示す随時判定処理は、図3に示すソフトウェアの更新処理と組み合わせて実行する。
【0033】
すなわち、筐体開閉検知部123は、例えば、折畳式筐体が閉状態から開状態に移行した場合(S41“YES”)、センサ等によりこれを検知し、プログラム更新制御部120に通知する。これをうけたプログラム更新制御部120は、上記同様、表示部15が図6に示す進捗画面が表示中か否かを判定し(S42)、進捗画面が表示中でない場合(S42“NO”)、画面表示制御部124を制御して表示部15に進捗画面を表示継続し(S43)、進捗画面表示中であれば(S42“YES”)、表示部15に進捗画面を非表示とするように画面表示制御部124を制御する(S44)。
【0034】
プログラムの更新処理中は、ハード/ソフトともフルに資源を占有するため、バックグランドでタイマを使用することさえも好ましくない。したがって、上記した本発明の実施の形態によれば、記憶部13(フラッシュメモリ)に対するブロック書き込みの回数をカウントすることでタイマの代替とし、表示部15に対し更新中画面の表示と非表示を繰り返す(点滅等の間欠表示)制御を実行することにより、複雑な処理を要することなくプログラム更新のための進捗表示が可能になる。
また、表示部15に有機EL等、画面に焼き付きが生じやすい表示デバイスを使用した携帯電話機にあっては極力焼付きを防止することができ、また、進捗画面の表示/非表示を繰り返すため、約2倍の延命化がはかれる。
【0035】
なお、携帯電話機の内部の、特に、重要なプログラムの更新処理を行う場合、メーカ側では細心の注意をはらっていても極稀に更新に失敗することがある。例えば、通信が遮断され、或いは画面表示のためのユーザインタフェースに関する処理が出来なくなった場合、更なる修正プログラム取得のための操作や処理が出来なくなることが考えられる。
また、電源を一旦落として再起動してもブートプログラムが正常に起動できない事態もあり得、最悪の場合は、記憶部13に記憶されたユーザの貴重な個人データが消失してしまうことも考えられる。したがって、内部プログラムの更新に失敗した場合、ユーザには携帯電話機の操作を行わないように注意喚起するとともに、サービス店等へその携帯電話機を持参し、対策を依頼するように通知するために更新失敗通知(エラー画面)を出力することとする。
【0036】
図5は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートであり、ここでは、ソフトウェア更新失敗時の処理の流れが示されている。
以下、図5のフローチャートを参照しながら図1、図2に示す携帯端末装置のプログラム更新処理失敗時の動作について詳細に説明する。
【0037】
プログラム更新処理失敗すると、制御部12(プログラム更新処理部120)は、画面表示制御部124を制御して表示部15に対し、例えば、図7に画面構成の一例が示されるエラー画面を表示する(S51)。ここでは、「失敗しました。修理が必要です。サービス店にお持ち下さい。」といったエラー内容を通知する。
ユーザは、プログラムの更新処理に失敗した携帯電話機をサービス店に持参し、修理を委ねる。上記したエラー画面が表示されている状態において、携帯電話機の制御部12(プログラム更新処理部120)は、サービス店において携帯電話機が不図示の修理端末のプラグに接続され、当該プラグを介して到来する修理端末のコマンドの受信有無を周期的に判定する(S52)。ここで、プラグ接続が検知されず特定のコマンドを受信していなければ(S52“NO”)、プログラム更新処理部120は、内蔵のカウンタ(タイマ)を+1更新(カウントアップ)する(S53)。
【0038】
続いて、プログラム更新処理部120は、カウンタの値と、あらかじめ定義してある規定値との比較を行う(S54)。ここで、カウンタ値が規定値範囲内にある場合は(S54“NO”)、プラグ接続が検出されるまではカウンタの更新処理を繰り返し(S53)、カウンタ値が所定値を越えた場合(S54“YES”)、プログラム更新処理部120は、更に、表示部15に対し、図7に示すエラー画面が表示中か否かを判定する(S55)。
ここで、表示部15にエラー画面が表示されていない場合(S55“NO”)、プログラム更新処理部120は、画面表示制御部124を制御して表示部15にエラー画面を表示し(S56)、エラー画面表示中は(S55“YES”)、表示部15にエラー画面を非表示とするように画面表示制御部124を制御する(S57)。
一方、ステップS52において、プラグ接続が検出されて特定のコマンドを受信すると(S52“YES”)、プログラム更新処理部120は、修理端末による修理操作を受け付けるために、エラー画面の表示を終了させる。
【0039】
なお、フローチャートには示されていないが、画面表示制御部124は、表示部15として赤・緑・青の3原色の発光素子が合わさって構成される表示画素を縦横に配されて構成される有機ELが使用される場合、すなわち、表示タイプ判定部122が、表示部15として、複数の表示素子ごとの発光状態を制御する(赤・緑・青の3原色の発光素子の発光強度の調整)ことにより表示を行う有機ELが使用されていると判定し、かつ、プログラム更新処理部120からプログラム更新処理が正常に終了しなかった旨の通知を取得した場合に、上記したエラー画面の表示/非表示を繰り返す(間欠表示)ものである。
この制御を入れておくことにより、ソフトを変更せずとも焼付き対策制御が不要であるLCD(Liquid Crystal Display)を搭載するモデル、有機ELを搭載するモデルのいずれをも、簡単に作り分けすることが可能となる。
【0040】
上記した本発明の実施の形態に係る携帯端末装置によれば、例えば、表示部15に有機ELのような表示画面に焼き付きが生じやすいような表示デバイスを使用した場合、焼付きを極力回避しながらプログラムの更新に失敗したことを通知することができ、ユーザによる不要な操作を防止することができる。
また、サービス店等でプログラムの修正を行って以降、エラー画面が有機ELに焼き付き、結局は表示デバイスそのものの交換が必要になってしまうといった不要なコストが生じるといったことを回避することにもつながる。
【0041】
なお、上記した本発明の実施の形態によれば、携帯端末装置として携帯電話機のみを例示したが、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistants)、やゲーム機等にも同様に適用が可能である。
また、図2に示す本発明の実施の形態に係る携帯端末装置が持つ各構成ブロックの機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、プログラム更新制御部120、更新プログラム取得部121、表示タイプ判定部122、筐体開閉検知部123、画面表示制御部124におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御部の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作(ソフトエウェア更新処理)を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作(随時判定処理)を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作(更新失敗時の処理)を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置に表示される進捗画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置に表示されるエラー画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10…携帯電話機、11…通信部、12…制御部、13…記憶部、14…音声処理部、15…表示部、16…操作部、120…プログラム更新制御部、121…更新プログラム取得部、122…表示…タイプ判定部、123…筐体開閉検知部、124…画面表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の表示を行う表示部と、
内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、
公衆通信網に接続可能な通信部と、
前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得して、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするよう前記記憶部を制御するプログラム更新制御を実行可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記プログラム更新制御が正常に完了していない場合には、前記表示部に正常に完了しなかった旨を示す通知画面を間欠的に表示させる
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記表示部は、
複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御部への指示を入力可能な操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記通知画面表示中には、前記操作部による操作の受け付けを行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記制御部への指示を入力可能な操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記通知画面の表示制御中に前記操作部が操作された際、通知画面が非表示のときには当該通知画面を再表示する処理のみを行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
情報の表示を行う表示部と、
記憶領域が複数のブロックを含んで区分けされ、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、
公衆通信網に接続可能な通信部と、
前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得して、当該更新プログラムに対応する処理プログラムに上書きするよう前記記憶部を制御するプログラム更新制御を実行可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記プログラム更新制御が行われると更新の状況を表示する更新中画面を前記表示部に表示させ、前記記憶部の所定数のブロックへの書き込みが生じるごとに、前記更新中画面の表示/非表示を切り替えるよう前記表示部を制御する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
開閉可能な筐体を備え、
前記制御部は、
前記更新中画面が非表示のときに前記筐体が開状態になると更新中画面を前記表示部に表示させ、当該表示させたタイミングにおける書き込み中ブロックの次の表示を切り替えるタイミングで前記更新中画面を非表示とする
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
情報の表示を行う表示部と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部とを有する携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法であって、
前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得する取得ステップと、
取得した更新プログラムに対応する処理プログラムを前記記憶部に上書きする更新ステップと、
前記表示部が複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う所定のタイプであるか否かを判定する判定ステップと、
前記更新ステップが正常に完了せず、なおかつ前記表示部が前記所定のタイプである場合に、前記表示部に正常に完了しなかった旨を示す通知画面を間欠的に表示させる通知ステップと、
を備えることを特徴とする携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法。
【請求項8】
情報の表示を行う表示部と、内部処理のための処理プログラムが複数格納される記憶部と、公衆通信網に接続可能な通信部とを有する携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法であって、
前記通信部にて前記処理プログラムのいずれかに関する更新プログラムを取得する取得ステップと、
取得した更新プログラムに対応する処理プログラムをブロック単位で複数のブロックにわたって前記記憶部に上書きする更新ステップと、
前記表示部が複数の表示素子を有し、当該複数の表示素子ごとの発光状態を制御することにより表示を行う所定のタイプであるか否かを判定する判定ステップと、
前記取得ステップおよび更新ステップによる更新の状況を表示する更新中画面を前記表示部に表示させる表示ステップと、
前記表示ステップにおいて、前記表示部が前記所定のタイプである場合には、前記記憶部へのブロック単位での書き込みが生じるごとに、前記更新中表示の表示/非表示切り替えるよう前記表示部を制御する表示切替えステップと、
を備えることを特徴とする携帯端末装置におけるプログラム更新制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−177691(P2008−177691A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7375(P2007−7375)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】