説明

携帯端末装置及びその制御方法等

【課題】使用完了を自動検出し消費電力を管理することが可能な携帯端末装置、及びその制御方法等を提供する。
【解決手段】制御部7は、実行状態照度を測定及び記憶し、ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、待機状態照度を測定し、実行状態照度と比較し、実行状態照度と待機状態照度の差分が前記第一の閾値以上であった場合に、省電力状態に遷移する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置及びその制御方法等に関し、消費電力を管理する方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に代表される携帯端末装置では、充電池の長寿命化又は消費電力の増加に伴う本体部分の温度上昇を抑え製品の安全性を向上させる等との観点から、消費電力を低く抑えることが極めて大きな技術的命題として課されている。
【0003】
これら携帯端末装置に搭載される表示部(例えば、液晶モジュール等)は年々大型高精細化しており、前記表示部が駆動されている間には比較的大きな電力を必要としている。
【0004】
そこで、表示部に係る消費電力を低減させ、携帯情報端末装置全体の省電力化を図る種々の技術が提案されている。
【0005】
特許文献1では、照度センサを有する携帯端末装置で、センサによる照度測定結果が、予め指定した値以上減少して暗くなったと判断できた場合、あるいは所定時間以上経過しても指定値以上変化していない場合は、ユーザの携帯端末装置の使用が完了としたと判断してディスプレイをオフさせ省電力状態に遷移する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-229736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年の携帯電話機はタッチパネル付のものやスライド型など、メインディスプレイが常に露出されているものも多くなっている。このような端末では、ユーザがまだディスプレイを見ているか(端末を使用しているか)判断できないことから、ユーザからの入力が無い場合にも一定時間ディスプレイを表示し続けて待機するようになっている。
【0008】
その為、ユーザが鞄等に端末を片付けた後もディスプレイが表示されており、この間に余分な電力を消費してしまう。また、ユーザ入力が無くなってから自動で消灯するまでの時間を短くすると、ユーザがディスプレイを見ている間に消灯してしまうとの問題が生じる。
【0009】
また、夜間等周囲の照度が低い環境下で携帯端末装置が使用される場合は、当初から予め指定した値以上減少した照度を示す環境下で、携帯端末が使用されることとなる。
【0010】
従って、特許文献1に記載の技術では、上記使用中であっても、ユーザの携帯端末使用が完了としたと判断してしまう虞があり、上記ユーザの携帯端末使用が完了したことを正確に検出することができなかった。
【0011】
そこで、本発明は、上記各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減するための制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の携帯端末装置は、少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置において、前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定手段と、前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶手段と、前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定手段と、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移手段と、を備える。
【0013】
この発明によれば、携帯端末装置は、ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、待機状態照度を測定し、記憶された実行状態照度と比較し、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記省電力状態に遷移する。
【0014】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0015】
請求項2に記載の携帯端末装置は、請求項1に記載の携帯端末装置において、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定する待機状態遷移経過時間測定手段を更に備え、前記第一の省電力状態遷移手段は、更に、前記実行状態照度が記憶されていなかった場合であって、前記経過時間が第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移する。
【0016】
この発明によれば、実行状態照度が記憶されていなかった場合には、ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間が第二の閾値を超えた場合に、省電力状態に遷移する。
【0017】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0018】
請求項3に記載の携帯端末装置は、請求項1に記載の携帯端末装置において、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定する待機状態遷移経過時間測定手段を更に備え、前記第一の省電力状態遷移手段は、更に、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以下であって、前記経過時間が前記第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移する。
【0019】
この発明によれば、記憶された実行状態照度と待機状態照度の差分が第2の閾値以下であって、ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間が前記第2の閾値を超えた場合に、省電力状態に遷移する。
【0020】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0021】
請求項4に記載の携帯端末装置は、請求項1に記載の携帯端末装置における、前記実行状態照度測定手段と、前記記憶手段と、前記照度判定手段とを備え、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が生じた場合であって、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定する照度再測定手段と、前記照度再測定手段によって測定された照度と前記待機状態照度の差分が閾値以下であった場合に、前記省電力状態に遷移する第二の省電力状態遷移手段と、を備える。
【0022】
この発明によれば、待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定し、再度測定された照度と待機状態照度の差分が第一の閾値以下であった場合に、省電力状態に遷移する。
【0023】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。また、照度測定時にユーザの指等が照度センサに触れていた場合には瑕疵あるデータが算出されるが、この様な瑕疵あるデータに基く省電力状態への遷移を未然に防止することができる。
【0024】
請求項5に記載の携帯端末装置は、請求項4に記載の携帯端末装置において、前記照度再測定手段は、更に、前記差分が第一の閾値以上であった場合に、前記再度照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定する。
【0025】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。また、照度測定時にユーザの指等が照度センサに触れていた場合には瑕疵あるデータが算出されるが、この様な瑕疵あるデータに基く省電力状態への遷移をより確実に防止することができる。
【0026】
請求項6に記載の端末制御方法は、少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置の制御を行う端末制御方法であって、前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定工程と、前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶工程と、前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定工程と、記憶された前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移工程と、を有する。
【0027】
請求項7に記載の端末制御プログラムは、少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置が有するコンピュータを、前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定手段、前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶手段、前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定手段、記憶された前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、待機状態照度を測定し、記憶された実行状態照度と比較し、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が閾値以上であった場合に、前記省電力状態に遷移するため、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態に係る携帯通信装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】携帯通信装置Sの第一の動作を示すフローチャートである。
【図3】携帯通信装置Sの第二の動作を示すフローチャートである。
【図4】所定時間の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本願の最良の実施形態を添付図面に基いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、携帯端末装置の一例として携帯通信装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0031】
まず、本実施形態にかかる携帯通信装置について、図1を用いて説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る携帯通信装置の概要構成を示すブロック図である。
【0033】
図1に示すように、携帯通信装置Sは、表示部1、操作部2、センサ部3、開閉検出部4、通信部5、記憶部6、及び制御部7等とを備えて構成される。
【0034】
携帯通信装置Sは、本願の携帯端末装置が有する機能の一例として、基地局との電波送受信により移動体通信網に接続して他の携帯通信装置やネットワークに接続されたサーバ等と通信を行うことができる通信機能を有する装置である。
【0035】
また、携帯通信装置Sは、かかる機能の実行状態について、ユーザによる操作を確認してから前記機能の実行を完了するまでの状態である実行状態と、ユーザから何らの操作を確認できない状態であるユーザ操作待機状態と、に概念化することができる。
【0036】
表示部1は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、文字や画像等の情報を表示する。また、表示部1は前面部に開閉可能な蓋が設けられるようにしてもよいし、前記蓋を設けず表示部1が経常的に外部に露出するものであってもよい。更に、表示部1を二以上備え、前記蓋が設けられた表示部1と、前記経常的に外部に露出するようにされた表示部1の双方を設けるようにしてもよい。さらに、折り畳み式携帯電話機のように、本体部に設けられたヒンジにより前記本体部が略「くの字型」に屈曲し、前記本体部の一部が上記蓋と同様の役割を果たすように構成してもよい。
【0037】
また表示部1は、制御部7の制御の下、例えば、表示部1に供給される電力を調節することにより、表示画面の輝度を任意に調節することができるようになっている。
【0038】
操作部2は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネル等であり、オペレータ等からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部7に出力する。
【0039】
センサ部3は、携帯通信装置Sの周囲の照度を感知するセンサであり、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード、又はフォトIC等が適用される。
【0040】
開閉検出部4は、上記蓋の開閉状態を検出するためのセンサであり、例えば、マイクロスイッチ等が適用される。
【0041】
通信部5は、基地局との電波送受信により移動体通信網に接続して他の携帯通信装置やネットワークに接続されたサーバ等との通信を制御し、当該通信方式としては、例えば、PDC(Personal Digital Cellular)方式、IMT(International Mobile Telecommunication)方式、又は、PHS(Personal Handyphone System)方式等が適用される。
【0042】
記憶部6は、例えば、フラッシュメモリ等であり、各種プログラム及びデータ等を記録する。また、記憶部6には、後述する実行状態照度を示す情報を記憶するようにしてもよい。
【0043】
制御部7は、携帯通信装置Sの各構成要素とバスを介して接続され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及び、RAM(Random Access Memory)等とを備え、例えばCPUが、ROMや記憶部に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、携帯通信装置Sの全体の動作を統括的に制御するとともに、本願の実行状態照度測定手段、記憶手段、照度判定手段、第一の省電力状態遷移手段、待機状態遷移経過時間測定手段、照度再測定手段、及び、第二の省電力状態遷移手段として機能するようになっている。
【0044】
この各手段等としての機能について説明すると、実行状態照度測定手段としての制御部7は、上記実行状態における携帯通信装置Sが置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を、例えばセンサ部3を用いて、測定するようになっている。
【0045】
記憶手段としての制御部7は、上記実行状態照度を示す情報を、例えば、記憶部6等に記憶するようになっている。
【0046】
照度判定手段としての制御部7は、上記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、携帯通信装置Sが置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を、例えばセンサ部3を用いて測定し、上記実行状態照度と比較するようになっている。
【0047】
ここで、ユーザ操作待機状態へ遷移した場合の一例として、例えば、制御部7が、開閉検出部4によって上記蓋が閉じられた状態を検出した時としてもよいし、表示部1に表示される画像が初期画面(待ち受け画面)に遷移した時としてもよい。
【0048】
第一の省電力状態遷移手段としての制御部7は、上記実行状態照度と上記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、携帯通信装置Sの必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移するようになっている。
【0049】
ここで、上記第一の閾値は、例えば、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了(例えば、携帯通信装置Sの操作を終了し鞄等に収納)したと判断可能とするために用いられる変数である。
【0050】
具体的に説明すると、通常、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了した場合には、ユーザは、携帯通信装置Sの操作を終了し(上記ユーザ操作待機状態へ遷移し)、携帯通信装置Sを、鞄等周囲環境の照度が低いところへ収納することが考えられる。
【0051】
そこで、制御部7は、上記実行状態照度と上記待機状態照度の差分が所定の値以上を示す場合には、携帯通信装置Sが鞄等に収納されたと判断し、上記省電力状態に遷移するようになっている。
【0052】
本実施形態では、上記所定の値を第一の閾値とし、任意に設定可能としている。
【0053】
また、上記必要な構成要素とは、携帯通信装置Sの前記機能の実行に必要な構成をいい、かかる実行状況に応じて任意に選択することができる。
【0054】
例えば、携帯通信装置Sにおいて何らの機能も実行されていない場合には、表示部1に表示画面を表示させる必要はない。この様な場合には、表示部1は必要な構成要素ではないため、表示部1への電力の供給を制限し、携帯通信装置Sの制御にのみ必要な(必要な構成要素としての)制御部7へ電力を供給するようになっている。
【0055】
このように、必要な構成のみに電力を供給することにより、携帯通信装置S全体の消費電力を低減することができる。
【0056】
本実施形態では、携帯通信装置Sの消費電力が低減される状態を、上記省電力状態としている。
【0057】
待機状態遷移経過時間測定手段としての制御部7は、前記待機状態に遷移してからの経過時間を測定するようになっている。
【0058】
また、第一の省電力状態遷移手段としての制御部7は、更に、前記実行実行状態照度が記憶されていなかった場合であって、前記経過時間が第二の閾値を越えた場合に前記省電力状態に遷移するようになっている。
【0059】
ここで、上記第二の閾値は、例えば、前記実行状態照度が記憶されていなかった場合であっても(換言すれば、上記実行状態照度と上記待機状態照度の差分を検出できない場合であっても)、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了したと判断可能とするために用いられる変数である。
【0060】
具体的に説明すると、通常、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了した場合には、ユーザは、携帯通信装置Sの操作を終了し、自ら表示部1の表示画面を上記初期画面に遷移させ、何らの操作もせずに放置することが考えられる。
【0061】
従って、制御部7は、上記初期画面に遷移してから一定時間経過した場合には、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了したと判断し、前記省電力状態に遷移するようになっている。
【0062】
本実施形態では、形態では、上記一定時間を第二の閾値とし、任意に設定可能としている。
【0063】
照度再測定手段としての制御部7は、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が生じた場合であって、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間から所定時間経過後に再度照度を測定するようになっている。
【0064】
上記したように、制御部7は、上記実行状態照度を測定する。当該測定時において、例えば、センサ部3がユーザの指でふさがれていた場合には、センサ部3は、携帯通信装置Sが置かれる周囲環境が明るい場合であっても、携帯通信装置Sが置かれる周囲環境が暗い場合に示す値を検出(誤データの検出)してしまう。
【0065】
本実施形態では、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定することにより、かかる誤データの検出を防止するようになっている。
【0066】
第二の省電力状態遷移手段としての制御部7は、前記再度測定された照度と前記待機状態照度の差分が前記第一の閾値以下(換言すれば、前回測定された照度から指定値以上変化していない場合)であった場合に、前期省電力状態に遷移するようになっている。
【0067】
次に、本実施形態にかかる携帯通信装置Sの動作を、図2〜図4を用いて説明する。
【0068】
まず、本実施形態にかかる携帯通信装置Sの第一の動作を図2を用いて説明する。
【0069】
図2は、携帯通信装置Sの第一の動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、制御部7は、ユーザ操作待機状態に遷移したと判断した場合には(ステップS1:YES)、待機状態照度を測定する(ステップS2)。
【0071】
そして、制御部7は、上記実行状態照度と上記待機状態照度の差分が上記第一の閾値以上であるか否か(前回の測定結果から指定値以上変化したか?)をチェックし(ステップS3)、上記第一の閾値以上であった場合には(ステップS3:YES)、制御部7は、携帯通信装置Sを上記省電力状態へ遷移させ(ステップS4)、処理を終了する。
【0072】
なお、ステップS3では、他に、上記実行状態照度が記憶されていなかった場合を分岐の条件とするようにしてもよい。
【0073】
一方、上記第一の閾値以下であった場合には(ステップS3:NO)、制御部7は、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定し、前記経過時間が第二の閾値を越えたか否かをチェックする(ステップS5)。
【0074】
そして、前記経過時間が第二の閾値を越えた場合には(ステップS5:YES)、制御部7は、携帯通信装置Sを上記省電力状態へ遷移させ(ステップS4)、処理を終了する。
【0075】
一方、前記経過時間が第二の閾値を越えなかった場合には(ステップS5:NO)、さらに、前記経過時間が第二の閾値を越えるまで待機し(ステップS6)、ステップS2へ移行する。
【0076】
次に、本実施形態にかかる携帯通信装置Sの第二の動作を図3及び4を用いて説明する。
【0077】
図3は、携帯通信装置Sの第二の動作を示すフローチャートである。
【0078】
まず、制御部7は、ユーザ操作待機状態に遷移したと判断した場合には(ステップS11:YES)、待機状態照度を測定する(ステップS12)。
【0079】
そして、制御部7は、上記実行状態照度と上記待機状態照度の差分が上記第一の閾値以上であるか否か(前回の測定結果から指定値以上変化したか?)をチェックし(ステップS13)、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が生じた場合には(ステップS13:YES)、制御部7は、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後(所定時間経過まで待機し)に(ステップS14)、再度照度を測定する(ステップS15)。
【0080】
ここで、上記所定時間は任意に設定することができる。図4は、所定時間の一例を示すグラフである。
【0081】
図4に示すように、所定時間の一例を示すグラフは、横軸11を経過時間、縦軸12をセンサ部3によって測定された照度とし、測定結果が曲線13で示されている。ポイント15〜18は、曲線13上の任意の点を示している。
【0082】
曲線13における矢印部14では、測定された照度の急激な減少が観測されている。これは、ユーザが携帯通信装置Sの使用を完了し、携帯通信装置Sを鞄等に収納したことが想定される。
【0083】
上記再度の照度の測定は、例えば、ポイント18の時点に行うようにしてもよい。
【0084】
なお、上述した携帯通信装置Sの第一の動作ではポイント17の時点を、第二の動作ではポイント18の時点を、それぞれユーザが携帯通信装置Sの使用を完了した時点としている。
【0085】
図3の説明に戻り、制御部7は、前記再度測定された照度と前記待機状態照度の差分が前記第一の閾値以下(換言すれば、前回測定された照度から指定値以上変化していない場合)であった場合は(ステップS16:YES)、前記省電力状態に遷移し(ステップS17)、処理を終了する。
【0086】
一方、上記第一の閾値以下であった場合には(ステップS13:NO)、制御部7は、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定し、前記経過時間が第二の閾値を越えたか否かをチェックする(ステップS18)。
【0087】
そして、前記経過時間が第二の閾値を越えた場合には(ステップS18:YES)、制御部7は、携帯通信装置Sを上記省電力状態へ遷移させ(ステップS17)、処理を終了する。
【0088】
一方、前記経過時間が第二の閾値を越えなかった場合には(ステップS18:NO)、さらに、前記経過時間が第二の閾値を越えるまで待機し(ステップS19)、ステップS2へ移行する。
【0089】
また、制御部7は、前記再度測定された照度と前記待機状態照度の差分が前記第一の閾値以下(換言すれば、前回測定された照度から指定値以上変化した場合)でなかった場合は(ステップS16:NO)、前記経過時間が第二の閾値を越えるまで待機し(ステップS20)、ステップS2へ移行する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態においては、少なくとも一以上の機能を有し、上記実行状態と、上記ユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯通信装置Sにおける制御部7は、上記実行状態照度を測定、記憶し、前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、上記待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較し、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が前記第一の閾値以上であった場合に、省電力状態に遷移する。
【0091】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0092】
また、制御部7は、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定し、前記実行状態照度が記憶されていなかった場合であって、前記経過時間が第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移する。
【0093】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0094】
また、制御部7は、前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定し、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以下であって、前記経過時間が前記第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移する。
【0095】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。
【0096】
また、制御部7は、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が生じた場合であって、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定し、前記照度再測定手段によって測定された照度と前記待機状態照度の差分が閾値以下であった場合に、前記省電力状態に遷移する。
【0097】
従って、ユーザが端末の使用を完了したことを携帯端末装置が更に正確に自動検出して省電力状態に遷移し、消費電力を削減することができる。また、照度測定時にユーザの指等が照度センサに触れていた場合には瑕疵あるデータが算出されるが、この様な瑕疵あるデータに基く省電力状態への遷移を未然に防止することができる。
【0098】
また、制御部7は、前記差分が第一の閾値以上であった場合に、前記再度照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定する。
【0099】
本実施例においては、本願を携帯通信装置Sへ適用する一例を示したが、これに限定されるものではなく、PDA、ノード型パソコン、又はミニノート型パソコン等に適用することもできる。
【符号の説明】
【0100】
1 表示部
2 操作部
3 センサ部
4 開閉検出部
5 通信部
6 記憶部
7 制御部
S 携帯通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置において、
前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定手段と、
前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定手段と、
前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定する待機状態遷移経過時間測定手段を更に備え、
前記第一の省電力状態遷移手段は、更に、前記実行状態照度が記憶されていなかった場合であって、前記経過時間が第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記ユーザ操作待機状態に遷移してからの経過時間を測定する待機状態遷移経過時間測定手段を更に備え、
前記第一の省電力状態遷移手段は、更に、前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以下であって、前記経過時間が前記第二の閾値を超えた場合に前記省電力状態に遷移することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末装置における、
前記実行状態照度測定手段と、
前記記憶手段と、
前記照度判定手段とを備え、
前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が生じた場合であって、前記待機状態照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定する照度再測定手段と、
前記照度再測定手段によって測定された照度と前記待機状態照度の差分が前記第一の閾値以下であった場合に、前記省電力状態に遷移する第二の省電力状態遷移手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末装置において、
前記照度再測定手段は、更に、前記差分が前記第一の閾値以上であった場合に、前記再度照度が測定された時間から所定時間経過後に再度照度を測定することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置の制御を行う端末制御方法であって、
前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定工程と、
前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶工程と、
前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定工程と、
前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移工程と、
を有することを特徴とする端末制御方法。
【請求項7】
少なくとも一以上の機能を有し、ユーザの操作に基いて前記機能を実行する実行状態と、前記操作の用に供されないユーザ操作待機状態と、をさらに有する携帯端末装置が有するコンピュータを、
前記実行状態における前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す実行状態照度を測定する実行状態照度測定手段、
前記実行状態照度を示す情報を記憶する記憶手段、
前記ユーザ操作待機状態に遷移した場合に、前記携帯端末装置が置かれる周囲環境の照度を示す待機状態照度を測定し、前記実行状態照度と比較する照度判定手段、
前記実行状態照度と前記待機状態照度の差分が第一の閾値以上であった場合に、前記携帯端末装置の必要な構成要素にのみ電力を供給する省電力状態に遷移する第一の省電力状態遷移手段、
として機能させることを特徴とする端末制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−219707(P2010−219707A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62250(P2009−62250)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】