説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】外部スピーカ装置を接続するだけで特別な操作を行うことなく、外部近傍のテレビ放送受信装置で受信中のチャンネルの音声を当該外部スピーカ装置で聴くことができるようにする。
【解決手段】携帯電話装置1は、外部スピーカ装置3が接続された際に、音楽再生機能などの音声出力機能が動作中でなければ、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置2からチャンネル情報を受信取得し、このチャンネル情報が示す放送チャンネルの音声を外部スピーカ装置3から出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビ放送受信機能及び音声出力機能を備える携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送受信機能付きの携帯端末装置の普及に伴って、据え置き型の大型テレビ放送受信機で受信している放送番組と同じ番組をこの携帯端末装置でも受信したい場合がある。このような場合、従来では、携帯受信機側で番組受信のための専用ボタンを押下すると、番組情報を要求するための信号を固定受信機に対して送信し、それに応答して固定受信機から送信されてくる番組情報を受信することで、固定受信機側と同じ番組を出力できるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−67198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した先行技術は、固定受信機でテレビ視聴していたユーザが他の場所に移動しても同じ番組を携帯受信機で視聴することができるようにしたもので、携帯受信機に固定受信機と同じ番組を出力させるようにした技術は開示されているが、同じ番組を出力させるための専用ボタンを用意しておく必要があり、また、この専用ボタンを操作した際に固定受信機が近くに存在していなかったり、近くに存在していても放送番組を受信をしていなかったりしている場合の対応などは、一切考慮されてはいなかった。
【0004】
ところで、テレビ画面の大型化に伴って、テレビ画面を遠くから見る機会が多くなってきているが、テレビ画面との距離や周囲の騒音などに応じてテレビ音量を上げることは、周囲の人達に迷惑をかけるなどの問題が起きる。そこで、固定受信機の大型画面でテレビ映像を見るようにし、その番組のテレビ音声は、携帯受信機に接続したヘッドホンやイヤホンを使って身近で臨場感のある音声を聞きたい、という楽しみ方があるが、このような場合、上述した先行文献では、先ず、専用ボタンを操作して固定受信機から番組情報を取得し、携帯受信機側で受信した当該番組の映像出力をオフし、ヘッドホンを接続してヘッドホンの音声のみにする、といった一連の手順が必要となってくる。このようにテレビ音声だけをヘッドホンで身近で聞きたいと思っても、そのための作業操作が煩雑化し、ヘッドホンでテレビ音声を手軽に楽しむことができなくなってしまう。
【0005】
この発明の課題は、外部スピーカ装置を接続するだけで特別な操作を行うことなく、外部近傍のテレビ放送受信装置で受信中のチャンネルの音声を当該外部スピーカ装置で聴くことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、テレビ放送受信機能及び音声出力機能を備える携帯端末装置であって、外部スピーカ装置の接続を検出した際に、前記音声出力機能が動作中か否かを判別する判別手段と、この判別手段によって音声出力機能が動作中でないことが判別された場合に、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置を探索する探索手段と、この探索手段によって探索されたテレビ放送受信装置から前記チャンネル確認要求に応答して発信されたチャンネル情報を受信取得した場合に、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを前記テレビ放送受信機能が受信するように制御すると共に、この放送チャンネルの音声を前記外部スピーカ装置が出力するように制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段によって音声出力機能が動作中であることが判別された場合に、この音声出力機能への音声出力を前記外部スピーカ装置に切り替える切替手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記探索手段によってテレビ放送受信装置を探索することができなかった場合に、前記外部スピーカ装置に対する音声出力を開始するために所定機能を起動する起動手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記探索手段によってテレビ放送受信装置を探索することができなかった場合に、前記外部スピーカ装置に対して音声出力を行う各種の機能の中から任意の機能を選択させるための機能メニューを表示するメニュー表示手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力に際して、その放送チャンネルの映像出力をオフした状態でその音声を外部スピーカ装置から出力させるように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対して応答が無い場合に、前記制御手段は、当該放送チャンネルの映像出力がオンするように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項6に従属する発明として、前記映像出力がオンの状態で、前記チャンネル確認要求に対する応答が有った場合に、前記制御手段は、その映像出力をオフするように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対して応答が無い場合に、前記制御手段は、前記起動中の放送受信機能を終了させるように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対してチャンネル変更の応答が有った場合に、前記制御手段は、前記放送受信機能で受信している放送チャンネルを当該変更内容に応じて変更するように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、前記探索手段によって探索されたテレビ放送受信装置からチャンネル情報を受信取得した際に、前記制御手段は、前記テレビ放送受信機能を起動して、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを当該テレビ放送受信機能で受信させるように制御する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、コンピュータに対して、外部スピーカ装置の接続を検出した際に、前記音声出力機能が動作中か否かを判別する機能と、前記音声出力機能が動作中でないことが判別された場合に、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置を探索する機能と、前記探索されたテレビ放送受信装置から前記チャンネル確認要求に応答して発信されたチャンネル情報を受信取得した場合に、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを前記テレビ放送受信機能が受信するように制御すると共に、この放送チャンネルの音声を前記外部スピーカ装置が出力するように制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、外部スピーカ装置を接続するだけで特別な操作を行うことなく、外部近傍のテレビ放送受信装置で受信中のチャンネルの音声を当該外部スピーカ装置で聴くことができ、テレビ音声を身近で手軽に楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1〜図5を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、テレビ放送受信機能及び音声出力機能を備える携帯端末装置として、携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、外部近傍のテレビ放送受信装置で受信している放送番組と同じ番組内容を携帯電話装置側でも受信し、テレビ放送受信装置と携帯電話装置とを使って放送番組の内容を視聴する場合を示した図である。
携帯電話装置1は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、テレビ放送受信機能、音声出力機能、近距離通信機能などが備えられている。
【0019】
このテレビ放送受信機能(テレビアプリケーション)は、例えば、携帯受信機向けの地上波デジタルテレビ放送(1セグ放送)を受信するもので、テレビ映像・音声以外にも文字情報、電子番組表(EPG)なども含めて受信可能なものである。また、上述の音声出力機能は、内部スピーカに対して音声を出力させる機能(音声出力に関連するアプリケーション)で、例えば、音楽再生機能のほか、テレビアプリケーションで受信したテレビ音声を出力させるテレビ音声出力機能などである。また、上述の近距離通信機能は、外部近傍のテレビ放送受信装置2との間で近距離通信(例えば、半径5m以内の通信)を行う通信機能である。
【0020】
テレビ放送受信装置2は、据え置き型の大型テレビ放送受信機やテレビ放送受信機能付き携帯電話装置などであり、近距離通信機能が備えられている。このテレビ放送受信装置2で受信している放送番組と同じ内容の放送番組を携帯電話装置1側でも自動受信できるようにするために、携帯電話装置1は、テレビ放送受信装置2との間で近距離通信を行うことによってテレビ放送受信装置2が現在受信中のチャンネル情報(番組情報)を受信取得するようにしている。なお、この実施形態ではテレビ映像に関しては、テレビ放送受信装置2の大型画面で見るが、テレビ音声に関しては、携帯電話装置1に対して着脱自在(抜き差し自在)なヘッドホンやイヤホンなどの外部スピーカ装置3を使って身近で聞くようにしている。
【0021】
図2は、テレビ放送受信機能及び音声出力機能を有した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、二次電池を備えた電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部13は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図3及び図4に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、音声出力に関連する各種のアプリケーション(音楽再生機能、テレビ音声出力機能など)が格納されている。記録メディア14は、着脱自在な可搬型メモリ(外部メモリ)で、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成され、音楽コンテンツなどを記憶している。メモリ15は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ15内の各種のデータは、記憶部13にセーブされる。
【0022】
電話通信部16は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部17を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部17から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU11は、操作部18からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部19は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、待受画像、テレビ映像などを表示する。
【0023】
テレビ放送受信部20は、テレビ放送受信機能を構成するもので、テレビ局から送信基地局を介して発信された地上波デジタル放送を受信するが、例えば、インターネットラジオのように無線通信網、インターネットを介してデジタル放送をダウンロード受信することもできる。このテレビ放送受信部20は、アンテナに接続されていて放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行ったりするデジタル回路部を有している。
【0024】
このテレビ放送受信部20によって受信したテレビ映像データ及び文字データは、表示部19から表示出力され、また、テレビ音声データは、内部スピーカ(サウンドスピーカ)21から音声出力される。外部スピーカ接続部22は、イヤホン、ヘッドホン、ハンズフリーキットなどの外部スピーカ装置3が接続されるコネクタ部で、この外部スピーカ装置3が接続されたか否か検出し、その検出結果をCPU11に与えるようになっているが、CPU11が外部スピーカ接続部22をアクセスして外部スピーカ装置3が接続されているか否かを検出するようにしてもよい。
【0025】
ここで、外部スピーカ装置3の接続が検出された際に、CPU11は、音声出力機能(音楽再生機能、テレビ音声出力機能など)が動作中か否かを判別し、動作中であれば、内部スピーカ21への音声出力を外部スピーカ装置3への音声出力に切り替えるが、音声出力機能が動作中でなければ、近距離無線通信部23を起動させるようにしている。この近距離無線通信部23は、例えば、Bluetooth(登録商標)通信方式あるいは赤外線通信方式によって外部近傍のテレビ放送受信装置2との間で通信を行う通信部である。
【0026】
そして、この近距離無線通信部23は、その通信待機状態においてCPU11からの駆動指令に応答して起動すると、チャンネル確認要求を発信するようになっている。このチャンネル確認要求は、外部近傍のテレビ放送受信装置2を探索して、そのテレビ放送受信装置2側で現在受信中のチャンネル情報を問い合わせるための信号であり、このチャンネル確認要求を受信したテレビ放送受信装置2は、それに応答して現在受信中のチャンネル情報を発信するようにしている。
【0027】
この場合、携帯電話装置1側では、チャンネル確認要求を発信したのち、テレビ放送受信装置2からの応答有無に応じて外部近傍のテレビ放送受信装置2、例えば、通信可能エリア内(例えば、半径5m以内)にテレビ放送受信装置2が存在しているかをチェックし、近傍にテレビ放送受信装置2が存在していれば、このテレビ放送受信装置2から発信された現在受信中のチャンネル情報を受信取得するようにしている。そして、携帯電話装置1は、テレビ放送受信装置2から発信されたチャンネル情報を受信取得すると、テレビ放送受信機能を起動してそのチャンネル情報が示す放送チャンネルを受信すると共に、受信した放送チャンネルの音声を外部スピーカ装置3から出力させるようにしている。
【0028】
計時部24は、現在日時を計測する時計部や時間を計測するタイマを構成するもので、CPU11は、外部近傍のテレビ放送受信装置2を探索したのち、計時部24によって所定時間(例えば、3秒)が計測される毎に、上述のチャンネル確認要求を近距離無線通信部23から発信させたのち、テレビ放送受信装置2側での受信チャンネルが変更されたかをチェックしたり、テレビ放送受信装置2側の電源がオフされたかを調べたり、携帯電話装置1を所持したユーザがテレビ放送受信装置2から離れたかをチェックしたりするようにしている。
【0029】
次に、この実施形態における携帯電話装置の動作概念を図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、図3、図4は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図3、図4のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0030】
図3及び図4は、外部スピーカ接続部22にヘッドホンやイヤホンなどの外部スピーカ装置3が接続された際に実行開始される動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU11は、音声出力中か、つまり、音声出力機能(音楽再生機能、テレビ音声出力機能など)が動作中か否かを判別し(図3のステップS1)、音声出力中であれば(ステップS1でYES)、内部スピーカ21への音声出力を外部スピーカ装置3への音声出力に切り替えたのち(ステップS9)、この図3、図4のフローから抜ける。また、音声出力中(音声出力機能が動作中)でなければ(ステップS1でNO)、近距離無線通信部23を起動させて外部近傍のテレビ放送受信装置2を探索する(ステップS2)。この場合、近距離無線通信部23からチャンネル確認要求(探索要求)を発信させたのち、このチャンネル確認要求(探索要求)に対するテレビ放送受信装置2からの応答待ち状態となる(ステップS3)。
【0031】
ここで、テレビ放送受信装置2側では携帯電話装置1からのチャンネル確認要求(探索要求)を受信すると、それに応答して現在受信中のチャンネル情報を発信するが、携帯電話装置1と離れていて通信可能エリアから外れていれば、チャンネル確認要求(探索要求)を正常受信することができず、それに対する応答(チャンネル情報)を発信しないので、携帯電話装置1側では、テレビ放送受信装置2から応答有無に基づいて近傍にテレビ放送受信装置2が存在しているかをチェックすることで外部近傍のテレビ放送受信装置2を探索することができる。
【0032】
いま、テレビ放送受信装置2からの応答が無く近傍にテレビ放送受信装置2が存在していなければ(ステップS3でNO)、音声出力に関連する各種のアプリケーション(音楽再生機能、テレビ音声出力機能など)のうち、予めデフォルトとして設定されている音声関連アプリケーションの有無を調べ(ステップS4)、デフォルトの音声関連アプリケーションが設定されていれば(ステップS4でYES)、その音声関連アプリケーションを起動させたのち(ステップS5)、そのアプリケーションの音声出力先として外部スピーカ装置3に切り替える(ステップS9)。これによって図3及び図4のフローの終了となる。
【0033】
また、デフォルトの音声関連アプリケーションが設定されていなければ(ステップS4でYES)、各種の音声関連アプリケーション(音楽再生機能、テレビ音声出力機能など)の中から任意のアプリケーション(機能)を選択させるための機能メニューを表示させる(ステップS6)。このメニュー画面の中から任意のメニューを選択するメニュー選択操作が行われたかを調べ(ステップS7)、メニュー選択操作が行われなければ(ステップS7でNO)、図3及び図4のフローの終了となるが、メニュー選択操作が行われると(ステップS7でYES)、選択されたメニューの音声関連アプリケーションを起動させたのち(ステップS8)、そのアプリケーションの音声出力先として外部スピーカ装置3に切り替える(ステップS9)。
【0034】
一方、近傍のテレビ放送受信装置2から応答が有れば(ステップS3でYES)、図4のフローに移り、テレビ放送受信装置2からチャンネル情報を受信すると共に(ステップS10)、テレビ放送受信機能(テレビアプリケーション)を起動させる(ステップS11)。そして、テレビ放送受信装置2からのチャンネル情報が示す放送チャンネルをテレビアプリケーションで受信可能か、例えば、1セグ放送であって同じ番組を受信可能であるかを調べ(ステップS12)、その受信不可能であれば(ステップS12でNO)、テレビアプリケーションをオフして起動中のテレビ放送受信機能を終了させたのち(ステップS30)、図3のステップS4に移る。
【0035】
また、受信可能であれば(ステップS12でYES)、テレビ放送受信装置2で受信中のチャンネルと同一のチャンネルを受信するか否かを問い合わせるための確認メッセージを表示させる(ステップS13)。図5(a)は、この場合の確認メッセージ画面を例示したもので、この確認メッセージ画面には、テレビ放送受信装置2で受信中のチャンネルを携帯電話装置1側でも受信するか否かを問い合わせる旨のメッセージが表示されると共に、その問い合わせに対する回答を入力するための「YES」ボタンと「NO」ボタンが配置されている。
【0036】
ここで、受信を拒否する「NO」ボタンが操作されたときには(ステップS14でNO)、テレビアプリケーションをオフして起動中のテレビ放送受信機能を終了させたのち(ステップS30)、図3のステップS4に移る。また、受信を肯定する「YES」ボタンが操作されたときには(ステップS14でYES)、表示部19への出力(モニタ出力)をオフしたのち(ステップS15)、テレビ放送受信装置2からのチャンネル情報が示す放送チャンネルの受信をテレビアプリケーションに対して指示したのち(ステップS16)、その放送のテレビ音声の出力先を外部スピーカ装置3に切り替えることによってその音声を外部スピーカ装置3から出力させる(ステップS17)。
【0037】
これによってテレビ放送受信装置2の大型画面を見ながらそのテレビ音声を外部スピーカ装置3で聞く状態となる。この状態において、上述のチャンネル確認要求を発信してから所定時間(例えば、3秒)が経過したかを調べる(ステップS18)。すなわち、探索したテレビ放送受信装置2に対して、それ以降も上述のチャンネル確認要求を定期的に発信するために、所定時間の経過有無をチェックする。ここで、所定時間の経過を検出すると(ステップS18でYES)、上述のチャンネル確認要求を再度発信したのち(ステップS19)、テレビ放送受信装置2からの応答待ち状態となる(ステップS20)。いま、テレビ放送受信装置2から応答が無ければ(ステップS20でNO)、テレビ放送受信装置2側の電源がオフされたり、携帯電話装置1を所持したユーザがテレビ放送受信装置2から離れたりした場合であるから、次のステップS26に移り、現在のチャンネル放送を継続視聴するかを問い合わせるための確認メッセージを表示させる。
【0038】
図5(b)は、この場合の確認メッセージ画面を例示したもので、この確認メッセージ画面には、現時点まで視聴していたチャンネルの放送を視聴し続けるか否かを問い合わせる旨のメッセージが表示されると共に、その問い合わせに対する回答を入力するための「YES」ボタンと「NO」ボタンが配置されている。ここで、継続視聴を拒否する「NO」ボタンが操作されたときには(ステップS27でNO)、テレビアプリケーションをオフして起動中のテレビ放送受信機能を終了させたのち(ステップS29)、図3及び図4のフローから抜けるが、継続視聴を肯定する「YES」ボタンが操作されたときには(ステップS27でYES)、表示部19への出力(モニタ出力)をオンしたのち(ステップS28)、上述のステップS18に戻る。
【0039】
また、チャンネル確認要求の再発信に対してテレビ放送受信装置2から応答が有れば(ステップS20でYES)、モニタ出力がオンされているかを調べ(ステップS21)、モニタ出力がオンされていれば(ステップS21でYES)、モニタ出力をオフする(ステップS22)。そして、テレビ放送受信装置2からチャンネル情報を受信し(ステップS23)、前回受信したチャンネル情報と今回受信したチャンネル情報とを比較することによってテレビ放送受信装置2側でチャンネルが変更されたかを調べる(ステップS24)。
【0040】
いま、チャンネルが変更されていなければ(ステップS24でNO)、上述のステップS18にそのまま戻るが、テレビ放送受信装置2側でチャンネル変更が行われていれば(ステップS24でYES)、今回受信したチャンネル情報が示す放送チャンネルをテレビアプリケーションで受信することによって携帯電話装置1側でのチャンネルを変更したのち(ステップS25)、上述のステップS18に戻る。以下、チャンネル確認要求を発信してから所定時間が経過する毎に、チャンネル確認要求を再度発信しながら上述の動作を繰り返す。
【0041】
以上のように、この実施形態において携帯電話装置1は、外部スピーカ装置3が接続された際に、音楽再生機能などの音声出力機能が動作中でなければ、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置2からチャンネル情報を受信取得し、このチャンネル情報が示す放送チャンネルの音声を外部スピーカ装置3から出力させるようにしたので、ユーザにあっては外部スピーカ装置3を接続するだけで特別な操作を行うことなく、外部近傍のテレビ放送受信装置2で受信中のチャンネルの音声を当該外部スピーカ装置3で聴くことができ、テレビ音声を身近で手軽に楽しむことができる。
【0042】
また、外部スピーカ装置3の接続を検出した際に、音声出力機能が動作中であれば、この音声出力機能への音声出力を外部スピーカ装置3に切り替えるようにしたので、ユーザにあっては外部スピーカ装置3を接続するだけで、音声の出力先を内部スピーカ21から外部スピーカ装置3に切り替えることができる。
【0043】
また、外部スピーカ装置3の接続を検出した際に、何れのテレビ放送受信装置2も探索することができなかった場合には、外部スピーカ装置3に対する音声出力を開始するために所定機能(例えば、テレビアプリケーションや音声再生アプリケーションなど)を起動するようにしたので、ユーザにあっては特別な操作を行うことなく、外部スピーカ装置3を接続するだけで、テレビアプリケーションや音声再生アプリケーションなどを起動させることができる。
【0044】
また、外部スピーカ装置3の接続を検出した際に、何れのテレビ放送受信装置2も探索することができなかった場合には、各種の音声関連アプリケーションの中から任意のアプリケーション(機能)を選択させるための機能メニューを表示させるようにしたので、ユーザにあっては外部スピーカ装置3を接続したのち、所望する音声関連アプリケーションを起動させることができる。
【0045】
テレビ放送受信装置2から取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力に際して、その放送チャンネルの映像出力をオフした状態でその音声を外部スピーカ装置3から出力させるようにしたので、テレビ映像をテレビ放送受信装置2の大型画面で見ながらそのテレビ音声を携帯電話装置1に接続した外部スピーカ装置3を使って身近で聞くことができる。
【0046】
テレビ放送受信装置2から取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、テレビ放送受信装置2に対してチャンネル確認要求を再度発信した場合に、それに対する応答が無ければ、その放送チャンネルの映像出力をオンするようにしたので、例えば、テレビ放送受信装置2側の電源がオフされたり、携帯電話装置1を所持したユーザがテレビ放送受信装置2から離れたりした場合には、テレビ映像を手元で見ることができる。
【0047】
モニタ出力がオンの状態で、チャンネル確認要求に対する応答が有った場合には、そのモニタ出力をオフするようにしたので、例えば、テレビ放送受信装置2から一時的に離れたとしても、その位置に戻ってきたときには、テレビ映像をテレビ放送受信装置2の大型画面で見ることができる。
【0048】
テレビ放送受信装置2から取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、テレビ放送受信装置2に対してチャンネル確認要求を再度発信した場合に、それに対する応答が無ければ、起動中のテレビアプリケーションを終了させるようにしたので、例えば、テレビ放送受信装置2側の電源がオフしたり、テレビ放送受信装置2から離れたりした時点で、携帯電話装置1側のテレビ受信を終了させることができる。
【0049】
テレビ放送受信装置2から取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、テレビ放送受信装置2に対してチャンネル確認要求を再度発信した場合に、チャンネル変更の応答が有れば、テレビアプリケーションで受信している放送チャンネルを当該変更内容に応じて変更するようにしたので、テレビ放送受信装置2側でのチャンネル変更に直ちに対応することができ、同じ番組を携帯電話装置1側でも受信することができる。
【0050】
テレビ放送受信装置2からチャンネル情報を取得した際に、テレビアプリケーションを起動して、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを当該テレビアプリケーションで受信するようにしたので、テレビ放送受信装置2からの応答時に同じ番組を携帯電話装置1側でも受信することができる。
【0051】
なお、上述した実施形態においては、外部近傍のテレビ放送受信装置として、据え置き型の大型テレビ受信機を例示したが、テレビ放送受信機能付きのパーソナルコンピュータなどであってもよい。
その他、携帯端末装置は、携帯電話装置に限らず、例えば、テレビ放送受信機能を備えたPDA・デジタルカメラ・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】携帯電話装置の外部近傍のテレビ放送受信装置で受信している放送番組と同じ番組内容を携帯電話装置側でも受信して視聴する場合を示した図。
【図2】テレビ放送受信機能及び音声出力機能を有した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】外部スピーカ接続部22にヘッドホンやイヤホンなどの外部スピーカ装置3が接続された際に実行開始される動作を示したフローチャート。
【図4】図3に続く動作を示したフローチャート。
【図5】(a)は、テレビ放送受信装置2で受信中のチャンネルと同一のチャンネルを受信するか否かを問い合わせるための確認メッセージ画面を例示し、(b)は、チャンネル放送を継続視聴するかを問い合わせるための確認メッセージ画面を例示した図。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯電話装置
2 テレビ放送受信装置
3 外部スピーカ装置
11 CPU
13 記憶部
16 電話通信部
18 操作部
19 表示部
20 テレビ放送受信部
21 内部スピーカ
22 外部スピーカ接続部
23 近距離無線通信部
24 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送受信機能及び音声出力機能を備える携帯端末装置であって、
外部スピーカ装置の接続を検出した際に、前記音声出力機能が動作中か否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって音声出力機能が動作中でないことが判別された場合に、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置を探索する探索手段と、
この探索手段によって探索されたテレビ放送受信装置から前記チャンネル確認要求に応答して発信されたチャンネル情報を受信取得した場合に、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを前記テレビ放送受信機能が受信するように制御すると共に、この放送チャンネルの音声を前記外部スピーカ装置が出力するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記判別手段によって音声出力機能が動作中であることが判別された場合に、この音声出力機能への音声出力を前記外部スピーカ装置に切り替える切替手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記探索手段によってテレビ放送受信装置を探索することができなかった場合に、前記外部スピーカ装置に対する音声出力を開始するために所定機能を起動する起動手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記探索手段によってテレビ放送受信装置を探索することができなかった場合に、前記外部スピーカ装置に対して音声出力を行う各種の機能の中から任意の機能を選択させるための機能メニューを表示するメニュー表示手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力に際して、その放送チャンネルの映像出力をオフした状態でその音声を外部スピーカ装置から出力させるように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対して応答が無い場合に、前記制御手段は、当該放送チャンネルの映像出力がオンするように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記映像出力がオンの状態で、前記チャンネル確認要求に対する応答が有った場合に、前記制御手段は、その映像出力をオフするように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対して応答が無い場合に、前記制御手段は、前記起動中の放送受信機能を終了させるように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記受信取得したチャンネル情報が示す放送チャンネルの出力後に、前記探索手段によって探索されているテレビ放送受信装置に対して再度発信したチャンネル確認要求に対してチャンネル変更の応答が有った場合に、前記制御手段は、前記放送受信機能で受信している放送チャンネルを当該変更内容に応じて変更するように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記探索手段によって探索されたテレビ放送受信装置からチャンネル情報を受信取得した際に、前記制御手段は、前記テレビ放送受信機能を起動して、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを当該テレビ放送受信機能で受信させるように制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項11】
コンピュータに対して、
外部スピーカ装置の接続を検出した際に、前記音声出力機能が動作中か否かを判別する機能と、
前記音声出力機能が動作中でないことが判別された場合に、チャンネル確認要求を発信して外部近傍のテレビ放送受信装置を探索する機能と、
前記探索されたテレビ放送受信装置から前記チャンネル確認要求に応答して発信されたチャンネル情報を受信取得した場合に、そのチャンネル情報が示す放送チャンネルを前記テレビ放送受信機能で受信すると共に、受信した放送チャンネルの音声を前記外部スピーカ装置に対して出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−98511(P2010−98511A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267418(P2008−267418)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】