説明

携帯端末装置

【課題】プロジェクタ機能を使用する際に、現在のバッテリ残量で所望の動画コンテンツを全て投影再生できるかユーザが簡単に把握できる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置1は、動画コンテンツに応じた光像を形成し、形成した光像を被投影面に向けて投影するプロジェクタ部2と、携帯端末装置1に電力を供給するバッテリ7と、プロジェクタ部2により動画コンテンツを全て投影するために要する全投影時間を取得する全投影時間取得部32と、プロジェクタ部2で動画コンテンツを投影する際の消費電力とバッテリ7の残電力とに基づいてプロジェクタ部2の投影可能時間を算出する投影可能時間算出部33と、全投影時間取得部32により取得された動画コンテンツの全投影時間と投影可能時間算出部33により算出されたプロジェクタ部2の投影可能時間とを同時に表示する表示部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、より詳細には、動画コンテンツに応じた光像を被投影面に投影するプロジェクタ機能を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの携帯端末装置にプロジェクタ(投影)機能を搭載したものが製品化されている。このような携帯端末装置は通常内蔵電池(バッテリともいう)から電力供給を受けて動作する。プロジェクタの利用シーンでは映画など長時間の動画コンテンツを投影表示することが考えられるが、光源の発光駆動等に多くの電力が消費されてしまうため、電力容量の小さいバッテリでは長時間動作させることは難しい。このため、動画コンテンツの途中でバッテリ切れを起こさないように、ユーザは投影表示中にバッテリの残量を逐次確認しながら視聴しなくてはならず、動画コンテンツに集中して視聴することができないという問題があった。
【0003】
これに対して、例えば、特許文献1には、実際の動作に即してバッテリを管理し、確実に一連の画像の投影、表示を完了させる投影装置が記載されている。この投影装置は、電源として装置の動作電力を供給するバッテリと、光源ランプと、光源ランプの光を用いて光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影系と、投影系による投影時間を入力する操作部と、操作部で入力した投影時間とバッテリの残容量とにより光源ランプの発光輝度を調整する制御系とを備える。
【0004】
また、特許文献2には、投射像を投射する投射部と、投射以外の所定の動作を実行する動作部と、バッテリ残量に基づいて投射部に対する第1バッテリ残量表示と動作部に対する第2バッテリ残量表示をそれぞれ異なる基準で作成する作成部と、第1バッテリ残量表示を第2バッテリ残量表示とを異なる態様で表示する制御部とを備えた投射機能付き携帯電子機器が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、スライドショー投影が指示されたときに、バッテリの検出電圧に基づいて投影可能時間Rを推定し、この投影可能時間Rよりスライドショー投影の所要時間が長い場合、バッテリから供給される消費電流を抑制する投影装置が記載されている。この投影装置では、抑制された消費電流に基づいて投影可能時間Rsを再度推定し、この投影可能時間Rsよりスライドショー投影所要時間が長い場合、1コマ当たりの投影時間を短縮し、スライドショー投影所要時間を投影可能時間Rs内に収めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−244341号公報
【特許文献2】特開2008−276126号公報
【特許文献3】特開2007−78807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1に記載の投影装置は、操作部で入力した投影時間とバッテリの残容量とにより光源ランプの発光輝度を調整するものであるが、画像投影に必要な投影時間をユーザが操作部から入力するため、必ずしも画像に応じた適切な投影時間が入力されるとは限らない。そうすると、例えば、動画コンテンツの投影再生中にバッテリが切れてしまい、この動画コンテンツを最後まで投影再生できないということが起こり得る。
【0008】
また、特許文献2に記載の携帯電子機器では、投射部とそれ以外の動作部とにおいて異なる基準でバッテリ残量表示を作成しているが、ユーザはバッテリ残量表示によりバッテリ残量を把握できたとしても、現在のバッテリ残量で所望の動画コンテンツが全て投影再生できるか否かまで把握することはできない。
【0009】
また、特許文献3に記載の投影装置は、スライドショー投影の所要時間が投影可能時間内に収まるように、バッテリから供給される電力を抑制し、さらには、スライドショーの1コマ当たりの投影時間を短くしているが、これは動画コンテンツを対象としたものではない。また、ユーザによっては、現在のバッテリ残量で所望の動画コンテンツを全て投影再生できるのかを把握した上で、必要に応じて投影モード(画質優先モード、省電力優先モードなど)を選択することが考えられる。このため、投影開始前に、動画コンテンツの全投影時間と投影装置の投影可能時間とを同時に表示し、現在のバッテリ残量で動画コンテンツが全て投影再生できるか否かをユーザが把握できることが望ましいが、このような考え方について特許文献3では何ら考慮されていない。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、プロジェクタ機能を使用する際に、現在のバッテリ残量で所望の動画コンテンツを全て投影再生できるかユーザが簡単に把握できる携帯端末装置を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、動画コンテンツに応じた光像を形成し、該形成した光像を被投影面に向けて投影する投影手段を備えた携帯端末装置であって、該携帯端末装置に電力を供給するバッテリと、前記投影手段により前記動画コンテンツを全て投影するために要する全投影時間を取得する全投影時間取得手段と、前記投影手段で前記動画コンテンツを投影する際の消費電力と前記バッテリの残電力とに基づいて前記投影手段の投影可能時間を算出する投影可能時間算出手段と、前記全投影時間取得手段により取得された前記動画コンテンツの全投影時間と前記投影可能時間算出手段により算出された前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示する表示手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、複数の動画コンテンツを記憶する動画コンテンツ記憶手段を備え、前記表示手段は、前記動画コンテンツ記憶手段に記憶されている複数の動画コンテンツの一覧をユーザにより選択可能に表示させ、該一覧からユーザにより選択された動画コンテンツに応じて、該動画コンテンツの全投影時間と前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示することを特徴としたものである。
【0013】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記表示手段は、前記動画コンテンツの全投影時間と前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示する際に、前記バッテリの残電力で前記動画コンテンツを全て投影できるか否かを通知するためのメッセージを併せて表示することを特徴としたものである。
【0014】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記投影手段の投影モードをユーザにより選択させる投影モード選択手段を備え、前記投影可能時間算出手段は、前記投影モード選択手段により選択された前記投影手段の投影モードに応じて、前記投影手段の投影可能時間を算出することを特徴としたものである。
【0015】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記投影手段の投影モードは、消費電力の大きい画質優先モードと、標準的な消費電力の通常モードと、消費電力の小さい省電力優先モードとを含むことを特徴としたものである。
【0016】
第6の技術手段は、第4又は第5の技術手段において、前記投影モード選択手段により選択された投影モードで前記投影手段が動作したときに、前記バッテリの残電力の推移をモニタする残電力モニタ手段と、該残電力モニタ手段によりモニタされた前記バッテリの残電力の推移を記憶する残電力推移記憶手段とを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プロジェクタ機能を使用する際に、動画コンテンツの全投影時間とプロジェクタの投影可能時間とを同時に表示することができるため、現在のバッテリ残量で所望の動画コンテンツを全て投影再生できるかユーザが簡単に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】複数の動画コンテンツをサムネイル表示したときの画面例を示す図である。
【図3】動画コンテンツの詳細表示画面の一例を示す図である。
【図4】投影モード選択設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の携帯端末装置に係る好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成例を示すブロック図で、図中、1は携帯端末装置、10は被投影面(スクリーン)を示す。この携帯端末装置1は、大きく分けて、動画コンテンツに応じた光像を形成し、形成した光像を被投影面10に向けて投影する投影手段に相当するプロジェクタ部2と、携帯端末装置1の動作を制御する制御部3と、複数の動画コンテンツを記憶する動画コンテンツ記憶手段に相当する不揮発性メモリ4と、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部5と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力部6と、携帯端末装置1の各部に電力を供給するバッテリ7と、バッテリ7の残電力の推移をモニタする残電力モニタ手段に相当する残電力モニタ部8で構成されている。
【0021】
プロジェクタ部2は、白色LED(Light Emitting Diode :発光ダイオード)21aと拡散板21bとで構成される投影光源21と、投影光源21の発光量を制御する光源駆動部22と、投影光源21からの光を変調する表示素子である透過型液晶板23と、透過型液晶板23に画像を設定する液晶駆動部24と、透過型液晶板23に表示された画像を被投影面10上に結像するための投影光学系を構成する投影レンズ25と、プロジェクタ部2の全体を制御するプロジェクタ制御部26とを備える。
【0022】
制御部3は、CPUやメモリなどで構成されるメインプロセッサ31と、プロジェクタ部2により動画コンテンツを全て投影するために要する全投影時間を取得する全投影時間取得手段に相当する全投影時間取得部32と、プロジェクタ部2で動画コンテンツを投影する際の消費電力とバッテリ7の残電力とに基づいてプロジェクタ部2の投影可能時間を算出する投影可能時間算出手段に相当する投影可能時間算出部33とを備える。
【0023】
表示部5は、例えば、LCDなどの表示デバイスであって、全投影時間取得部32により取得された動画コンテンツの全投影時間と投影可能時間算出部33により算出されたプロジェクタ部2の投影可能時間とを同時に表示する。
【0024】
ここで、不揮発性メモリ4は、例えば、メモリカードであり、複数の動画コンテンツをそのメタデータと共に記憶する。そして、全投影時間取得部32は、不揮発性メモリ4に記憶された複数の動画コンテンツの中からユーザにより指定された動画コンテンツの全投影時間をメタデータから取得することができる。この場合、各動画コンテンツのメタデータの中に目安となる全投影時間が含まれているものとする。また、メタデータの中に全投影時間が含まれていない場合、再生ビットレート、データサイズ(データ量)などから全投影時間を算出するようにしてもよい。具体的には、動画コンテンツのデータサイズ(bit)を、再生ビットレート(bps)で除算すればよい。
【0025】
また、投影可能時間算出部33は、投影再生時における携帯端末装置1の消費電力とバッテリ7の残電力とによりプロジェクタ部2の投影可能時間を算出することができる。具体的には、バッテリ7の残電力(kW)を、投影再生時における携帯端末装置1の消費電力(kWh)で除算すればよい。バッテリ7の残電力は残電力モニタ部8から取得することができる。また、投影再生時における携帯端末装置1の消費電力は投影モード毎に制御部3内のメモリ(図示せず)に予め格納しておけばよい。この投影モードには、例えば、光源輝度を上げるため消費電力は大きいが画質を優先させる画質優先モードと、光源輝度を中程度にして標準的な消費電力となる通常モードと、光源輝度を下げることで消費電力を小さくし省電力を優先させる省電力優先モードとが含まれる。なお、これらの投影モードのうち通常モードがデフォルトで設定されているものとする。
【0026】
図2は、複数の動画コンテンツをサムネイル表示したときの画面例を示す図である。図中、51は動画コンテンツ一覧画面、51aはカーソル、52はガイドボタン表示を示す。ガイドボタン表示52は操作入力部6のキー入力に対応しており、ユーザはガイドボタン表示52を見ながら操作入力部6の対応するキーを押下することで、ガイドボタン表示52の機能を実行することができる。ユーザが操作入力部6を操作して動画コンテンツの一覧表示を指示すると、表示部5は、不揮発性メモリ4に記憶されている複数の動画コンテンツを一覧にした動画コンテンツ一覧画面51をユーザにより選択可能に表示させる。この際、カーソル51aの置かれた動画コンテンツが選択状態となるが、操作入力部6の方向キーなどを操作することでカーソル51aを所望の動画コンテンツに移動させることができる。
【0027】
そして、この図2の動画コンテンツ一覧画面51を表示させた状態で、ユーザが操作入力部6から「投影開始」に対応するキーを押下すると、カーゾル51aの置かれた動画コンテンツの投影再生が開始される。また、ユーザが操作入力部6から「投影モード設定」に対応するキーを押下すると、後述の図4に示す投影モード選択設定画面が表示される。また、ユーザが操作入力部6から「詳細表示」に対応するキーを押下すると、後述の図3に示す詳細表示画面が表示される。
【0028】
図3は、動画コンテンツの詳細表示画面の一例を示す図である。図中、53は詳細表示画面を示す。上記図2の動画コンテンツ一覧画面51に対して、ユーザにより操作入力部6の「詳細表示」に対応するキーが押下されると、表示部5は、図3に示すように、動画コンテンツのデータ種別と共に、全投影時間取得部32により取得された動画コンテンツの全投影時間と投影可能時間算出部33により算出されたプロジェクタ部2の投影可能時間とを同時に表示する。本例では、動画コンテンツ一覧画面51の一部領域に詳細表示画面53を重畳表示させているが、画面全体を切り替える形で表示させてもよい。この詳細表示画面53では、動画コンテンツの全投影時間(1:23:01)がデフォルトである通常モードでのプロジェクタ部2の投影可能時間(0:30:01)よりも長いため、ユーザは一見して現在のバッテリ7の残量ではこの動画コンテンツを全て投影再生できないことがわかる。
【0029】
また、表示部5は、動画コンテンツの全投影時間とプロジェクタ部2の投影可能時間とを同時に表示する際に、現在のバッテリ7の残量で動画コンテンツを全て投影再生できるか否かを通知するためのメッセージを併せて表示してもよい。具体的には、図3の詳細表示画面53において、上記の時間表示に加え、全投影時間が投影可能時間よりも長い場合には、例えば、「現在のバッテリ残量ではこの動画コンテンツを全て投影再生することはできません。」というメッセージを表示させる。なお、全投影時間が投影可能時間よりも短い場合には、例えば、「現在のバッテリ残量でこの動画コンテンツを全て投影再生することができます。」というメッセージを表示させればよい。これにより、ユーザは時間表示を見るまでもなく、現在のバッテリ残量で動画コンテンツを全て投影再生できるか否かを容易に把握することができる。
【0030】
そして、この図3の詳細表示画面53を表示させた状態で、ユーザが操作入力部6から「戻る」に対応するキーを押下すると、図2に示した動画コンテンツ一覧画面51に戻る。また、ユーザが操作入力部6から「投影モード設定」に対応するキーを押下すると、後述の図4に示す投影モード選択設定画面が表示される。
【0031】
図4は、投影モード選択設定画面の一例を示す図である。図中、54は投影モード選択設定画面を示す。携帯端末装置1は、プロジェクタ部2の投影モードをユーザにより選択させる投影モード選択手段を備える。この投影モード選択手段は、制御部3、表示部5、及び操作入力部6により実現される。具体的には、上記図3の詳細表示画面53に対して、ユーザにより操作入力部6の「投影モード設定」に対応するキーが押下されると、表示部5は、図4に示すような投影モード選択設定画面54を表示させる。投影モード選択設定画面54において、投影モードのデフォルト設定は“通常モード”であるが、ユーザが操作入力部6の方向キーなどを操作することで、所望の投影モードを選択し、操作入力部6の「設定」に対応するキーが押下されると、選択された投影モードを携帯端末装置1に設定することができる。
【0032】
この図4の投影モード選択設定画面54を表示させた状態で、ユーザが操作入力部6から「戻る」に対応するキーを押下すると、図2に示した動画コンテンツ一覧画面51に戻すことができる。また、本例による選択設定可能な投影モードには、例えば、光源輝度を中程度にした通常モード、光源輝度を低くした省電力優先モード、光源輝度を高くした画質優先モード、着信非動作モードの4つのモードがある。着信非動作モードとは、投影再生時に着信を拒否したい場合に設定するモードである。これらの投影モードは、消費電力の大きい順に、画質優先モード、通常モード(着信非動作モード)、省電力優先モードとなる。
【0033】
ここで、図3の詳細表示画面53において、動画コンテンツの全投影時間がプロジェクタ部2の投影可能時間より長い場合には、投影途中でバッテリ切れが予想されるため、ユーザは投影モード選択設定画面54から“省電力優先モード”を選択して、設定することができる。この場合、投影可能時間算出部33は、選択されたプロジェクタ部2の投影モードに応じて、プロジェクタ部2の投影可能時間を算出する。この投影可能時間は、前述の方法で算出することができる。すなわち、バッテリ7の残電力(kW)を、“省電力優先モード”による投影再生時の消費電力(kWh)で除算すればよい。
【0034】
そして、投影モード選択設定画面54が表示された状態で、ユーザにより操作入力部6の「詳細表示」に対応するキーが押下されると、表示部5は、図3に示した詳細表示画面53を表示させる。この詳細表示画面53には、上記の“省電力優先モード”に基づき算出されたプロジェクタ部2の投影可能時間が表示される。
【0035】
このようにして、“通常モード”から“省電力優先モード”に変更したことで、消費電力が小さくなるため、プロジェクタ部2の投影可能時間が延長される。ユーザは図3の詳細表示画面53を見て投影モードの変更で動画コンテンツを全て投影再生できると判断した場合、プロジェクタ部2による投影を開始し、また、投影モードの変更でも動画コンテンツを全て投影再生できないと判断した場合には、バッテリ7を充電するなどの対応を取ることができる。
【0036】
また、動画コンテンツの全投影時間がプロジェクタ部2の投影可能時間より短い場合には、バッテリ残量にまだ余裕があるため、ユーザは投影モード選択設定画面54から“画質優先モード”を選択して、設定することができる。この場合も、上記と同様に、投影可能時間算出部33は、選択されたプロジェクタ部2の投影モードに応じて、プロジェクタ部2の投影可能時間を算出する。この投影可能時間は、前述の方法で算出することができる。すなわち、バッテリ7の残電力(kW)を、“画質優先モード”による投影再生時の消費電力(kWh)で除算すればよい。
【0037】
そして、投影モード選択設定画面54が表示された状態で、ユーザにより操作入力部6の「詳細表示」に対応するキーが押下されると、表示部5は、図3に示した詳細表示画面53を表示させる。この詳細表示画面53には、上記の“画質優先モード”に基づき算出されたプロジェクタ部2の投影可能時間が表示される。
【0038】
このようにして、“通常モード”から“画質優先モード”に変更したことで、消費電力が大きくなるため、プロジェクタ部2の投影可能時間が短縮される。ユーザは図3の詳細表示画面53を見て投影モードの変更で動画コンテンツを全て投影再生できると判断した場合、プロジェクタ部2による投影を開始し、また、投影モードの変更により動画コンテンツを全て投影再生できないと判断した場合には、消費電力の小さい投影モードに変更するか、あるいは、バッテリ7を充電するなどの対応を取ることができる。
【0039】
ここで、残電力モニタ部8は、投影モード選択設定画面54により選択された投影モードでプロジェクタ部2が動作したときに、バッテリ7の残電力の推移をモニタする。そして、制御部3内のメモリ(図示せず)は、残電力モニタ部8によりモニタされたバッテリ7の残電力の推移を記憶するようにしてもよい。このメモリは本発明の残電力推移記憶手段に相当する。これにより、各投影モード毎に、バッテリ7の残電力がどのように推移するのか変化の具合を知ることができる。このため、各投影モード毎により正確な消費電力を算出することができ、次回以降の投影再生時に、プロジェクタ部2の投影可能時間を精度よく算出することができる。
【0040】
このように本発明によれば、動画コンテンツの投影開始前に、ユーザが現在のバッテリ残量で動画コンテンツを全て投影再生できるか否かを容易に把握することができ、また、必要に応じて所望の投影モードに変更することができるため、ユーザは動画コンテンツに集中して視聴することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…携帯端末装置、2…プロジェクタ部、3…制御部、4…不揮発性メモリ、5…表示部、6…操作入力部、7…バッテリ、8…残電力モニタ部、10…被投影面、21…投影光源、22…光源駆動部、23…透過型液晶板、24…液晶駆動部、25…投影レンズ、26…プロジェクタ制御部、31…メインプロセッサ、32…全投影時間取得部、33…投影可能時間算出部、51…動画コンテンツ一覧画面、52…ガイドボタン表示、53…詳細表示画面、54…投影モード選択設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画コンテンツに応じた光像を形成し、該形成した光像を被投影面に向けて投影する投影手段を備えた携帯端末装置であって、
該携帯端末装置に電力を供給するバッテリと、前記投影手段により前記動画コンテンツを全て投影するために要する全投影時間を取得する全投影時間取得手段と、前記投影手段で前記動画コンテンツを投影する際の消費電力と前記バッテリの残電力とに基づいて前記投影手段の投影可能時間を算出する投影可能時間算出手段と、前記全投影時間取得手段により取得された前記動画コンテンツの全投影時間と前記投影可能時間算出手段により算出された前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
複数の動画コンテンツを記憶する動画コンテンツ記憶手段を備え、前記表示手段は、前記動画コンテンツ記憶手段に記憶されている複数の動画コンテンツの一覧をユーザにより選択可能に表示させ、該一覧からユーザにより選択された動画コンテンツに応じて、該動画コンテンツの全投影時間と前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記動画コンテンツの全投影時間と前記投影手段の投影可能時間とを同時に表示する際に、前記バッテリの残電力で前記動画コンテンツを全て投影できるか否かを通知するためのメッセージを併せて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記投影手段の投影モードをユーザにより選択させる投影モード選択手段を備え、前記投影可能時間算出手段は、前記投影モード選択手段により選択された前記投影手段の投影モードに応じて、前記投影手段の投影可能時間を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記投影手段の投影モードは、消費電力の大きい画質優先モードと、標準的な消費電力の通常モードと、消費電力の小さい省電力優先モードとを含むことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記投影モード選択手段により選択された投影モードで前記投影手段が動作したときに、前記バッテリの残電力の推移をモニタする残電力モニタ手段と、該残電力モニタ手段によりモニタされた前記バッテリの残電力の推移を記憶する残電力推移記憶手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−124621(P2012−124621A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272129(P2010−272129)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】