説明

携帯端末装置

【課題】小型の機器でも容易に所望の文字を入力することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【解決手段】選択対象文字列の情報を生成する選択対象文字生成手段1が表示手段2に接続され、選択対象文字列を表示する。また、接触位置検出手段3はペンや人間の指が接触している箇所の位置の情報を検出し、この位置情報に基づいて選択位置生成手段4では時々刻々変化する位置情報から接触位置検出手段3に接触している物体の移動距離と移動方向を算出して、さらに選択対象文字の変更処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接触位置検出手段を用いた文字および記号を入力する携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、片手で操作できる小型な携帯端末装置を実現することができる手段として、特許文献1に記載された発明がある。図12と図13を用いて従来の携帯端末装置の構成と動作を説明する。図12に示すように携帯端末装置本体27の正面に表示手段28を設けて、例えば機能の動作を指示するメニューを各領域29に分けて表示する。一方、図13に示すように背面には接触位置検出手段であるタッチパッド30を設け、表示手段28に表示された各領域29に対応するようにタッチパッド上を領域31に分ける。そして、例えば人間の指によって押されたタッチパッド30上の領域31に対応する機能を実行する。このような構成にすることによって、片手で操作できる小型な携帯端末装置を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−317799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の技術においては、表示手段上に例えば日本語のひらがなの50音表を表示し、その中で所望の文字を選択するという操作を行う場合、小型な携帯端末装置においては、表示手段の表示面積は小さく、また、接触位置検出手段も小さくなるので、50音表の各一つの文字に対応する接触位置検出手段上に設けられた各一文字分の領域は小さくなり、人間の指では押下操作が困難になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、例えば日本語のひらがなの50音表を表示し、その中で所望の文字を選択する操作を行う場合、現在選択されている文字を変更するときには、接触位置検出手段上に接触している指を動かすことによって所望の文字を選択することができる携帯端末装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、物体の接触した位置を検出する接触位置検出手段と、文字や記号の表を生成する選択対象文字生成手段と、この選択対象文字生成手段で生成された表を表示する表示手段と、前記選択対象文字生成手段により生成された文字または記号の一つを選択するとともに前記接触位置検出手段で検出された前記物体の接触した位置から算出された前記物体の移動距離と移動方向に基づいて、選択された文字または記号を変更する選択位置生成手段とを有している。この構成により、選択対象文字生成手段で生成された文字や記号の表の中で所望の文字または記号を選択する操作を行う場合、現在選択されている文字または記号を変更するときには、接触位置検出手段上に接触している指などの移動距離と方向に応じて選択される文字あるいは記号を変更し、所望の文字あるいは記号を選択することができることとなる。
【0007】
また、本発明の携帯端末装置は、前記選択対象文字生成手段により生成された文字または記号の一つを選択するとともに前記接触位置検出手段で検出された前記物体の接触した位置から算出された前記物体の移動速度と移動方向に基づいて、選択された文字または記号を変更する選択位置生成手段とを有している。この構成により、文字を選択する接触位置検出手段上に接触する物体を素早く動かすことによって、短時間で選択文字を大きく変更することができ、物体をゆっくり動かすことで、細かな選択文字の変更が行えることとなる。
【0008】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記接触位置検出手段上を少なくとも二つの領域に分割し、この領域にそれぞれ対応した文字または記号を定めたキー領域と、前記接触位置検出手段で検出された前記物体の接触した位置から前記キー領域を特定し、前記物体が接触した前記キー領域に対応した文字または記号の情報を出力するキー入力制御手段と、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報の出力先を前記キー入力制御手段と前記選択位置生成手段とに切り換える入力選択手段とを有している。この構成により、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態とを切り換えて利用できることとなる。
【0009】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記物体が前記接触位置検出手段上の接触状態を保ったまま少なくとも二つの前記キー領域上を移動したことを検出した場合に前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報の出力先を前記キー入力制御手段から前記選択位置生成手段に切り換える入力選択手段とを有している。この構成により、隣接するキー領域をまたがって接触した物体が移動すると自動的に表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態に切り換えて利用できることとなる。
【0010】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記接触位置検出手段上を少なくとも二つの領域に分割し、前記領域にそれぞれ対応した文字または記号を定めたキー領域と、前記接触位置検出手段で検出された前記物体の接触した位置から前記キー領域を特定し、前記物体が接触した前記キー領域に対応した文字または記号の情報を出力するキー入力制御手段と、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報を、前記キー領域内に前記物体が接触した場合は前記キー入力制御手段に出力し、前記キー領域外に前記物体が接触した場合は前記選択位置生成手段に出力する入力振分け手段とを有している。この構成により、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態とを一つの接触位置検出手段で併用できることとなる。
【0011】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行う文字認識手段と、前記接触位置情報の出力先を前記選択位置生成手段と前記文字認識手段とに切り換える入力選択手段とを有している。この構成により、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態と、接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行って入力する形態とを切り換えて利用できることとなる。
【0012】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行う文字認識手段と、前記接触位置情報の出力先を前記選択位置生成手段と前記キー入力制御手段と前記文字認識手段とに切り換える入力選択手段とを有している。この構成により、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態と、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行って入力する形態とを切り換えて利用できることとなる。
【0013】
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行う文字認識手段と、この文字認識手段に与える筆跡を入力する前記接触位置検出手段上に設けられた文字認識領域と、前記接触位置検出手段から出力される接触位置情報を、前記キー領域内に前記物体が接触した場合は前記キー入力制御手段に出力し、前記文字認識領域内に前記物体が接触した場合は前記文字認識手段に出力し、前記キー領域外および前記文字認識領域外に前記物体が接触した場合は前記選択位置生成手段に出力する入力振分け手段とを有している。この構成により、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態と、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行って入力する形態とを一つの接触位置検出手段で併用できることとなる。
【発明の効果】
【0014】
以上にように本発明は、選択対象文字列の情報を生成する選択対象文字生成手段が表示手段に接続され、選択対象文字列を表示する。また、接触位置検出手段はペンや人間の指が接触している箇所の位置の情報を検出し、この位置情報に基づいて選択位置生成手段では時々刻々変化する位置情報から接触位置検出手段に接触している物体の移動距離と移動方向を算出して、さらに選択対象文字の変更処理を行うので、選択対象文字生成手段で生成された文字や記号の表の中で所望の文字または記号を選択する操作を行う場合、現在選択されている文字または記号を変更するときには、接触位置検出手段上に接触している指などの移動距離と方向に応じて選択される文字あるいは記号を変更し、所望の文字あるいは記号を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯端末装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における接触位置検出手段のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の携帯端末装置の動作説明図
【図4】本発明の実施の形態1の携帯端末装置の2ストローク動作の動作説明図
【図5】本発明の実施の形態2における携帯端末装置のブロック図
【図6】本発明の実施の形態2における携帯端末装置の正面図
【図7】本発明の実施の形態3における携帯端末装置のブロック図
【図8】本発明の実施の形態3における携帯端末装置の正面図
【図9】本発明の実施の形態4における携帯端末装置のブロック図
【図10】本発明の実施の形態5における携帯端末装置のブロック図
【図11】本発明の実施の形態5における携帯端末装置の正面図
【図12】従来の携帯端末装置の正面図
【図13】従来の携帯端末装置の背面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置は、選択対象文字列の情報を生成する選択対象文字生成手段1が表示手段2に接続され、選択対象文字列を表示する。また、接触位置検出手段3はペンや人間の指が接触している箇所の位置の情報を検出する。そして、この位置情報に基づいて選択位置生成手段4では時々刻々変化する位置情報から接触位置検出手段3に接触している物体の移動距離と移動方向を算出して、さらに選択対象文字の変更処理を行う。変更された選択対象文字の確定をする選択文字確定手段5では、例えばボタンの押下により現在選択されている文字を確定して、確定された文字の情報を出力する。
【0018】
図2は本発明の第1の実施の形態の接触位置検出手段3のブロック図を示している。酸化抵抗薄膜6にはx方向電極7a、7bと、y方向電極8a、8bが接続されている。そして、x方向A/Dコンバータ9とy方向A/Dコンバータ10と直流電源11が切り換えスイッチ12によって、x方向電極7a、7bに直流電源11からの電圧が供給される場合にはy方向電極8a、8bにy方向A/Dコンバータ10が接続され、逆にy方向電極8a、8bに直流電源11からの電流が供給される場合にはx方向電極7a、7bにx方向A/Dコンバータ9が接続されるようにする。図2に示す例は前者の状態となっている。次に酸化抵抗薄膜6に接触している物体の位置座標値を得る動作について説明する。切り換えスイッチ12をx方向電極7a、7bに直流電源11からの電圧が供給されy方向電極8a、8bにy方向A/Dコンバータ10が接続される状態に切り換えた場合には、y方向A/Dコンバータ10には酸化抵抗薄膜6に接触している物体のy軸方向の位置に応じた電圧がかかり、これをA/D変換することにより、接触している物体のy軸方向の位置座標値を得ることができる。逆に切り換えスイッチ12をy方向電極8a、8bに直流電源11からの電圧が供給されx方向電極7a、7bにx方向A/Dコンバータ10が接続される状態に切り換えた場合には、x方向A/Dコンバータ10には酸化抵抗薄膜6に接触している物体のx軸方向の位置に応じた電圧がかかり、これをA/D変換することにより、接触している物体のx軸方向の位置座標値を得ることができる。そして、短時間に上記の2つの状態を切り換えることによって、時々刻々の酸化抵抗薄膜6に接触している物体の位置座標値を得ることができる。
【0019】
図3は本発明の第1の実施の形態の選択対象文字から所望の文字を選択するための動作説明図を示している。携帯端末装置本体13には表示手段2と接触位置検出手段3が設けられている。図1に示す選択対象文字生成手段1から生成された選択対象文字14が表示手段2に表示されている。この例では日本語のひらがなの50音表が表示されているが、この他の文字や他の言語の文字、記号やアイコンを表示することも可能である。次に接触位置検出手段3上に接触している物体15が左方向に接触状態を保ったまま移動した場合、選択位置生成手段4が物体15の移動方向と移動距離に応じて、選択文字16を変更する。この例の場合は、選択文字16が「ふ」であったものが「ゆ」に変更されている。接触位置検出手段3上に接触している物体15の移動距離と選択文字16の移動量の関係は、例えば物体15が接触位置検出手段3の一辺の長さの30%移動したときは、選択文字16は隣接する文字へ移動し、50%移動したときは2つ離れた文字へ移動する。さらに80%移動したときは3つ離れた文字へ移動する構成とすることができる。図3に示す例は50%移動したときの場合である。なお、この物体15の移動距離と選択文字16の移動量の関係は任意に設定可能である。また、物体15の移動方向と選択文字16の移動方向の関係は、物体15の移動方向の角度0〜360度を均等に8分割し、それぞれの方向と同様の方向に選択文字16を移動する。図3に示す例では、物体15が水平に左方向に移動して、選択文字16が左方向の文字へと変更される動作を示している。
【0020】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の携帯端末装置は、選択対象文字列の情報を生成する選択対象文字生成手段1が表示手段2に接続され、選択対象文字列を表示する。また、接触位置検出手段3はペンや人間の指が接触している箇所の位置の情報を検出し、この位置情報に基づいて選択位置生成手段4では時々刻々変化する位置情報から接触位置検出手段3に接触している物体の移動距離と移動方向を算出して、さらに選択対象文字の変更処理を行うので、選択対象文字生成手段1で生成された文字や記号の表の中で所望の文字または記号を選択する操作を行う場合、現在選択されている文字または記号を変更するときには、接触位置検出手段3上に接触している指などの移動距離と方向に応じて選択される文字あるいは記号を変更し、所望の文字あるいは記号を選択することができる。
【0021】
なお、図4に示すように、接触位置検出手段3に接触している物体15が接触状態を保ったまま移動方向を変更した場合は、それに連動して選択文字16も変更される構成とすることも可能である。図4の例では、最初は物体15が左水平方向に移動し、さらに接触状態を保ったまま、右上方向に移動した場合に、選択文字が最初は「ふ」であったものが、「ゆ」へ変更され、さらに物体15の移動方向に連動して「み」へと変更される動作を示している。この構成によれば、選択文字16が所望のものからずれた場合に、容易に選択文字16を変更/修正することができるという効果も得られる。
【0022】
また、選択位置生成手段4が物体15の移動速度と移動距離に応じて、選択文字16を変更する構成も可能である。例えば、物体15が1cm/秒の速さで移動したときは、選択文字16は1文字分だけ隣接した文字へ変更する。2cm/秒の速さで移動したときは2文字分移動する。移動方向の検出については前述のものと同様でよい。この構成によれば、文字を選択する接触位置検出手段3上に接触する物体15を素早く動かすことによって、短時間で選択文字16を大きく変更することができ、物体15をゆっくり動かすことで、細かな選択文字16の変更が行えるという効果も得られる。
【0023】
(第2の実施の形態)
図5は本発明の第2の実施の形態のブロック図を示し、これは上記実施の形態とはさらに入力選択手段17とキー入力制御手段18とを設けた点が相違している。入力選択手段17は使用者の指示により接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を選択位置生成手段4に出力するか、キー入力制御手段18に出力するかを選択する。選択位置生成手段4に出力された接触位置情報の処理については第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。キー入力制御手段18の動作については図6を参照しながら説明する。図6には携帯電話装置本体19に適用した例を示しており、キー入力制御手段18では接触位置検出手段3上を任意のキー領域20に分割し、各領域には固有の文字や記号、あるいは機能を割り当て、キー領域20において物体の接触を検出すると、この割り当てられた文字や記号の入力、あるいは機能を実行する。この例の場合、例えば「5」の領域に指で接触すると数字の「5」の情報がキー入力制御手段18から出力される。なお、切換検出領域21を押下すると、入力選択手段17では接触位置検出手段3から得られる接触位置情報をキー入力制御手段18に出力していた状態から、選択位置生成手段4に出力する状態に切り換える。逆に、接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を選択位置生成手段4に出力する状態において、切換メニュー22を選択すると、接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を選択位置生成手段4に出力する状態からキー入力制御手段18に出力する状態へと切り換える。
【0024】
以上のように、本発明の第2の実施の形態の携帯端末装置は、入力選択手段17とキー入力制御手段18とを設けたので、接触位置検出手段3上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、表示手段2に表示した選択対象文字14の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態とを切り換えて利用できる。
【0025】
なお、キー入力制御手段18において、隣接する複数のキー領域20を物体が接触しながら移動したことを検出すると、入力選択手段17で自動的に接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を選択位置生成手段4に出力する状態に切り換える構成も可能であり、切り換え指示を行わなくとも入力選択手段17に切り換え動作をさせることが可能となる効果も得られる。
【0026】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態のブロック図を示し、これは上記実施の形態とは入力選択手段17の代わりに入力振分け手段23を設けた点が相違している。入力振分け手段23は接触位置検出手段3上に接触している物体が、キー領域20にあるか、文字選択領域24にあるかを識別し、前者の場合は接触位置検出手段3から得られる接触位置情報をキー入力制御手段18に出力し、後者の場合は接触位置情報を選択位置生成手段4に出力する。図8には接触位置検出手段3上に設けたキー領域20と文字選択領域24の例を示している。キー領域20には「0」〜「9」までの数字を割り当て、接触位置検出手段3の残りの領域を文字選択領域24に割り当てている。キー領域20において、指などでキー領域20を押下すると、キー入力制御手段18からキー領域20に割り当てられた、文字、記号の情報、あるいは機能の実行がなされる。文字選択領域24に指などで接触すると第1の実施の形態で説明した文字入力の動作が実行される。
【0027】
以上のように、本発明の第3の実施の形態の携帯端末装置は、入力選択手段17の代わりに入力振分け手段23を設けたので、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態とを一つの接触位置検出手段で併用できる。
【0028】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態のブロック図を示し、これは第2の実施の形態とはさらに文字認識手段25を設けた点が相違している。入力選択手段17は使用者の指示により接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を選択位置生成手段4に出力するか、キー入力制御手段18に出力するか、文字認識手段25に出力するかを選択する。選択位置生成手段4に出力された接触位置情報の処理については第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。また、キー入力制御手段18に出力された接触位置情報の処理については第2の実施の形態と同様なので説明は省略する。使用者の指示により入力選択手段17において文字認識による文字入力が選択された場合、文字認識手段25は接触位置検出手段3から得られる接触位置情報を時々刻々取り込み、予め設けられた文字や記号の情報と文字の筆跡データとの対応を記憶した文字認識辞書を用いて、接触位置検出手段3上に書かれた文字や記号を検出する。
【0029】
以上のように、本発明の第4の実施の形態の携帯端末装置は、第2の実施の形態とはさらに文字認識手段25を設けたので、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態と、接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行って入力する形態とを切り換えて利用できる。
【0030】
(第5の実施の形態)
図10は本発明の第5の実施の形態のブロック図を示し、これは第3の実施の形態とはさらに文字認識手段25を設けた点が相違している。入力振分け手段23は接触位置検出手段3上に接触している物体が、キー領域20にあるか、文字選択領域24にあるか、文字認識領域26にあるかを識別し、キー領域20にある場合は接触位置検出手段3から得られる接触位置情報をキー入力制御手段18に出力し、文字選択領域24にある場合は接触位置情報を選択位置生成手段4に出力し、文字認識領域26にある場合は文字認識手段25に出力する。図11には接触位置検出手段3上に設けたキー領域20と文字選択領域24と文字認識領域26の例を示している。キー領域20には「0」〜「9」までの数字を割り当て、接触位置検出手段3の残りの領域を文字選択領域24と文字認識領域26とに割り当てている。各部の動作は第1、第3、第4の実施の形態で説明したものと同様なのでその説明は省略する。
【0031】
以上のように、本発明の第5の実施の形態の携帯端末装置は、第3の実施の形態とはさらに文字認識手段25を設けたので、表示手段に表示した選択対象文字の表の中から任意の位置の文字あるいは記号を選択して入力する形態と、接触位置検出手段上の特定の文字あるいは記号を割り当てた領域において物体の接触を検出すると割り当てられた文字あるいは記号を入力できる入力形態と、接触位置検出手段から出力される接触位置情報を筆跡として取り込み文字認識処理を行って入力する形態とを一つの接触位置検出手段で併用できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は接触位置検出手段を用いた文字および記号を入力する携帯端末装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0033】
1 選択対象文字生成手段
2 表示手段
3 接触位置検出手段
4 選択位置生成手段
17 入力選択手段
18 キー入力制御手段
23 入力振分け手段
25 文字認識手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の接触した位置を検出する接触位置検出手段と、文字や記号の表を生成する選択対象文字生成手段と、この選択対象文字生成手段で生成された表を表示する表示手段と、前記選択対象文字生成手段により生成された文字または記号の一つを選択するとともに前記接触位置検出手段で検出された前記物体の接触した位置から算出された前記物体の移動距離と移動方向に基づいて、選択された文字または記号を変更する選択位置生成手段とを備えた携帯端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−48745(P2012−48745A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254033(P2011−254033)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2000−90363(P2000−90363)の分割
【原出願日】平成12年3月29日(2000.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】