携帯端末
【課題】電子メールが相手に届いていないことをユーザに知らせることができる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、表示部18と、表示部18の状態を検出する検出部15,19と、所定の報知を行う報知部13,18,20と、電子メール機能動作部15と、電子メール機能動作部15により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に検出部15により表示部18が所定の状態にあることが検出されると、報知部13,18,20により所定の報知を行う制御部15とを備える。
【解決手段】携帯電話機1は、表示部18と、表示部18の状態を検出する検出部15,19と、所定の報知を行う報知部13,18,20と、電子メール機能動作部15と、電子メール機能動作部15により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に検出部15により表示部18が所定の状態にあることが検出されると、報知部13,18,20により所定の報知を行う制御部15とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関し、詳しくは電子メールを作成して送信する機能を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子メールを作成して相手に送信する携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−242613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている携帯端末では、電子メールの作成を開始してから送信を完了するまでの間に、ユーザが電子メールを送信したと考えていても、実際には相手に電子メールが届いていない場合がある。
【0005】
たとえば、電子メールを作成している途中で携帯端末をカバンなどにしまい、その後、ユーザが電子メールの作成中であったことを忘れた場合、携帯端末のユーザが電子メールを送信したと考えていても、実際には相手に電子メールが届いていない。また、携帯端末が電子メールの送信に失敗した場合においても、同様である。
【0006】
そして、携帯端末のユーザは、既に電子メールを送信したと考えているため、次に携帯端末を使用するまで、相手に届いていない電子メールを放置してしまうことになる。
【0007】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたもので、電子メールが相手に届いていないことをユーザに知らせることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点の携帯端末は、表示部と、表示部の状態を検出する検出部と、所定の報知を行う報知部と、電子メール機能動作部と、電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に検出部により表示部が所定の状態にあることが検出されると、報知部により所定の報知を行う制御部とを備える。
【0009】
好適には、表示部は、表示領域および当該表示領域に光を照射する光源体を有し、検出部は、所定の状態として、光源体から表示領域に光が照射されている状態から照射されていない状態になったことを検出してもよい。
【0010】
好適には、表示部が設けられた第1筐体と、第2筐体と、第1筐体と第2筐体とを連結する連結部とを有し、第1筐体は、連結部を介して表示部が外部に露出する開状態と表示部が第2筐体によって覆われる閉状態との間を移動可能に構成され、検出部は、所定の状態として、第1筐体が開状態から閉状態になったことを検出してもよい。
【0011】
好適には、制御部は、電子メールを送信する相手に応じて所定の報知の態様を異ならせてもよい。
【0012】
好適には、制御部は、検出部により表示部が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に報知部により所定の報知を行ってもよい。
【0013】
好適には、制御部は、電子メール機能動作部による電子メールの送信が失敗した場合に、報知部により所定の報知を行った後に電子メール機能動作部により電子メールを再送信してもよい。
【0014】
本発明の第2の観点の携帯端末は、所定の報知を行う報知部と、周囲の光量を検出する光量検出部と、電子メール機能を動作する電子メール機能動作部と、電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に光量検出部により周囲の光量が所定の光量以下になったことが検出されると、報知部により所定の報知を行う制御部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯端末に相手に届いていない電子メールが存在する場合、そのことを報知してユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の外観構造の一例を示す図である。図1(a)は開状態であり、図1(b)は閉状態である。
【図2】図1の携帯電話機の電気回路を示すブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】図1の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】図1の携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】図1の携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話機における報知態様テーブルのデータ構造説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話機の外観構造の一例を示す図である。
【図10】図9の携帯電話機の電気回路を示すブロック図である。
【図11】図9の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機の周囲の光量が所定の値以下となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0018】
[携帯端末の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機1の外観構造の一例を示す図である。
図1には、折り畳み型の携帯電話機1が例示されている。
図1(a)は、携帯電話機1を開いた開状態を示した図であり、図1(b)は携帯電話機1を折り畳んだ閉状態を示した図である。
【0019】
携帯電話機1は、上部筐体101、下部筐体102、および下部筐体102と上部筐体101とを連結するヒンジ部103を有する。閉状態においては、上部筐体101に設けられた後述の表示部18は、下部筐体102によって覆われる。
【0020】
図2は、図1の携帯電話機1に組み込まれる電気回路のハードウェア構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、通信部10、操作部11、CODEC(COder DECorder)部12、振動発生部13、記憶部14、制御部15、表示部18、開閉検出部19、スピーカ20、およびマイクロホン21を有する。
そして、表示部18は、ディスプレイデバイス16およびバックライトユニット17を含む。
【0021】
通信部10は、データを変復調するRF(Radio Frequency)モジュールなどを有する。通信部10は、制御部15に接続される。
そして、通信部10は、携帯電話機用の無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信によりデータを送受する。通信部10は、制御部15から通信データを含む信号STMが入力されると、基地局に接続して、通信データを基地局へ送信する。
また、通信部10は、基地局から通信データを受信すると、その通信データを含む信号STMを制御部15へ出力する。
なお、通信部10と基地局との間で送受されるデータには、たとえば電子メールデータ、音響データ、ウェブページデータなどがある。また、電子メールデータには、送信元アドレスのデータ、送信先アドレスのデータ、電子メールの内容を示す本文のデータなどが含まれる。
【0022】
また、通信部10は、電子メールデータを送信する場合において、所定のタイムアウト時間の間に電子メールデータを送信し終えることができなかったとき、送信処理を中断し、送信失敗を通知するデータを含む信号STMを制御部15へ出力する。
【0023】
操作部11は、複数の操作ボタンを有する。
複数の操作ボタンは、図1(a)に示すように、下部筐体102の操作領域11aに配設される。操作領域11aは、図1(b)に示すように携帯電話機1を閉じた場合、上部筐体101と重なって隠れる下部筐体102の内面に設けられている。
複数の操作ボタンには、たとえば数字ボタン、文字ボタン、送信ボタン、通話ボタン、登録ボタン、方向ボタン、決定ボタン、発信ボタン、電源ボタン、またはファンクションボタンなどがある。
【0024】
また、操作部11は、制御部15に接続される。
操作部11は、操作ボタンがユーザにより操作されると、操作された操作ボタンに予め対応付けられた入力データを含む信号S11を生成し、制御部15へ出力する。
たとえば、文字ボタンが操作された場合、操作部11は、操作された文字ボタンに予め対応付けられた文字データを含む信号S11を制御部15へ出力する。
また、電子メールの作成中に送信ボタンが操作された場合、操作部11は、電子メールの送信を指示するデータを含む信号S11を制御部15へ出力する。
【0025】
CODEC部12は、制御部15に接続される。
そして、CODEC部12は、マイクロホン21から入力される音響信号を音響データへ変換し、その音響データを含む信号SCOを制御部15へ出力する。
また、CODEC部12は、制御部15から入力される信号SCOに含まれる音響データを音響信号へ変換し、スピーカ20(報知部の1つ)へ出力する。
【0026】
振動発生部13(報知部の1つ)は、振動発生モータを有し、制御部15に接続される。
そして、制御部15から駆動データを含む駆動信号SVBが入力されると、振動発生モータは、入力された駆動データに基づいて、携帯電話機1を振動させるための振動を発生する。
【0027】
表示部18は、制御部15からの信号に基づき、所定の情報を表示することで報知を行う報知部としても動作する。
表示部18のディスプレイデバイス16は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)である。
ディスプレイデバイス16は、図1(a)に示すように上部筐体101の表示領域16aに配設される。表示領域16aは、図1(b)に示すように携帯電話機1をフリップクローズ操作により閉じた場合、下部筐体102と重なって隠れる上部筐体101の内面に設けられている。
また、ディスプレイデバイス16は、制御部15に接続される。そして、制御部15から表示データを含む信号SDPが入力されると、ディスプレイデバイス16は、表示データの表示内容を表示領域に表示する。
【0028】
表示部18のバックライトユニット17(光源体)は、制御部15に接続される。そして、バックライトユニット17は、制御部15からの制御信号SBKによりオン状態とオフ状態との間で切り替えられ、オン状態においてディスプレイデバイス16の表示領域に光を照射する。
【0029】
また、バックライトユニット17は、オン状態とオフ状態との間で切り替えられると、新たな状態を通知するための通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0030】
開閉検出部19(検出部の1つ)は、制御部15に接続される。そして、開閉検出部19は、携帯電話機1の開閉状態の変化を検出し、検出信号S19を制御部15へ出力する。
【0031】
記憶部14は、制御部15に接続される。
記憶部14は、たとえば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などにより構成される。
そして、記憶部14は、制御部15が実行する各種のプログラム、および後述の報知態様テーブル等の各処理に利用されるデータを記憶する。また、記憶部14は、プログラムの処理過程で生成される電子メールデータなども記憶する。
【0032】
なお、この記憶部14に記憶されるプログラムは、通信部10などを用いてインターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしてインストールしたものであっても、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていたものをインストールしたものであってもよい。
【0033】
制御部15は、コンピュータとしてのマイクロプロセッサ、内部タイマ、I/Oポートなどを有する。
内部タイマは、時間を計測する。
I/Oポートは、制御部15に接続された各種の周辺デバイスから入力される信号から、データを抽出する。また、I/Oポートは、制御部15内で発生したデータを含む信号を生成し、制御部15に接続された周辺デバイスへ出力する。
マイクロプロセッサは、記憶部14に記憶されているプログラムを読み込み、読み込んだプログラムをマルチタスク処理により実行する。これにより、マイクロプロセッサは、以下に示す各種の手順を実行する処理部として機能する。
【0034】
そして、制御部15は、携帯電話機1の電力消費を抑えるための節電制御を実行する。
節電制御を行う際、制御部15は、たとえば、携帯電話機1に対する操作がなされる度に、内部メモリに節電タイムアウト時間を更新設定する。
また、制御部15は、内部タイマに設定した節電タイムアウト時間が経過すると、バックライトユニット17へ制御信号を出力し、バックライトユニット17をオフ状態に制御する。
【0035】
また、制御部15は、電子メールを作成する電子メール作成処理および電子メールを送信する電子メール送信処理を行う電子メール機能動作部としても動作する。
電子メール作成処理において、制御部15は、電子メール作成画面のデータを生成し、このデータを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、電子メール作成画面が表示される。
また、制御部15は、操作部11から、文字データを含む信号S11が入力されると、作成中の電子メールデータにその文字データを追加する。これにより、制御部15は、電子メールデータを生成する。
また、制御部15は、追加更新後の電子メールデータの表示データを作成し、その表示データを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、作成中の電子メールの内容が表示される。
【0036】
また、電子メール送信処理において、制御部15は、操作部11から、送信を指示するデータを含む信号S11が入力されると、作成中または作成済みの未送信の電子メールデータを取得し、取得した電子メールデータを含む信号STMを通信部10へ出力する。
また、制御部15は、通信部10から、送信失敗を示すデータを含む信号STMが入力されると、送信失敗を表示する表示データを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、送信失敗の通知画面が表示される。
【0037】
なお、本実施形態において、電子メールの作成の開始とは、携帯電話機1の電子メール機能動作部が起動し、電子メールの新規作成画面で電子メールに係る項目、たとえば送信先アドレスなどが入力されたことをいう。
また、電子メールの送信の完了とは、電子メールを基地局へ送信し終えたことをいう。
【0038】
また、制御部15は、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20に対して報知を指示する信号を出力し、報知を行わせる。
なお、制御部15は、表示部18による報知、スピーカ20による報知および振動発生部13による報知を組み合わせて実施することができる。
【0039】
次に、図2の電気回路を含む携帯電話機1の動作を説明する。以下の説明では、主に、報知制御およびそれに関連する動作について説明する。
【0040】
[電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態になったことが検出された場合の報知動作]
図3は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0041】
なお、図3のシーケンスチャートにおいて、時間は上から下に流れる。
また、上下方向にのびた4本の縦線は、左側の縦線から順番に、表示部18の表示内容、制御部15の動作内容、携帯電話機1内でのイベント内容、ユーザのイベント内容の時系列を示している。
以下に示す他のシーケンスチャートも同様である。
【0042】
図3のステップST1において、制御部15は、電子メール作成処理を開始する。
これにより、ステップST2に示すように、制御部15は、表示部18に、電子メール作成画面を表示させる。
【0043】
電子メールを作成するユーザは、操作部11を操作し、電子メールの送信先アドレスまたは本文を入力する。
これにより、携帯電話機1では、ステップST3に示すように、操作部11は、操作された操作ボタンに応じた入力データを含む信号S11を制御部15へ出力する。
制御部15は、入力されたデータにより作成中の電子メールのデータを更新する。
また、ステップST4に示すように、制御部15は、表示部18に、作成中の電子メールの内容を表示させる。
【0044】
その後、ユーザは、送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないまま携帯電話機1を開状態から閉状態とする。
ステップST5に示すように、開閉検出部19は、携帯電話機1が閉状態になったことを検出し、検出信号S19を制御部15へ出力する。このとき、表示部18には電子メール作成画面が表示されたままであるため、制御部15は、表示部18に電子メール作成画面が表示されていると判断する。
【0045】
開閉検出部19から検出信号S19が入力されると、制御部15は、N秒(所定の時間)が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
具体的には、制御部15は、ステップST6、ST7に示すように、内部タイマにN秒を設定し、N秒後に内部タイマが未送信メール在りを通知するタイマ割り込み(内部イベント)を発生させると報知を行う。
【0046】
ここで待ち時間N秒は、0秒以上であればよい。
なお、待ち時間が0秒である場合、制御部15は、ステップST5において閉状態となったことが検出されるのと同時に報知を行う。
【0047】
具体的な報知の方法としては、ステップST8に示すように、制御部15は、表示部18に所定の画面を表示させる。
また、ステップST9に示すように、制御部15は、スピーカ20から所定の報知音を出力させる。
ここで、所定の報知音は、その旨を内容とする音声であってもよいが、ユーザが着信音に使用している音などを使用してもよい。
また、制御部15は、振動発生部13により、所定の振動を発生させる。
【0048】
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1が閉状態となり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0049】
[電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合の報知動作]
図4は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトユニット17がオン状態からオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0050】
図4のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、図3での電子メール作成処理と同じである。
【0051】
そして、ユーザは、送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないまま携帯電話機1を放置する。
【0052】
このように携帯電話機1が放置された場合、操作部11の操作ボタンは操作されない。
ここで、ステップST11およびST12に示すように、制御部15は、内部タイマに節電タイムアウト時間を設定し、内部タイマは、その節電タイムアウト時間の後に、タイムアウト通知(内部イベント)を発生する。
【0053】
内部タイマから節電タイムアウトの通知があると、制御部15は、ステップST13に示すように、バックライトユニット17へ制御信号SBKを出力し、バックライトユニット17をオフ状態に制御する。
このとき、バックライトユニット17は、ステップST14に示すように、その旨を通知する通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0054】
制御部15は、バックライトユニット17からオフ状態に制御されたことを通知する通知信号S17が入力されたことを検出すると、N秒が経過した後に報知部により報知を行う。
この場合の図4におけるステップST6〜ST9は、図3と同じである。
【0055】
これにより、ユーザは、バックライトユニット17から光が照射されていない状態となり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0056】
[電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態となったことが検出された場合の報知動作]
図5は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0057】
図5のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、図3と同じである。
【0058】
そして、ユーザは、電子メールを作成した後、送信ボタンを操作すると、ステップST21に示すように、操作部11は、送信指示のデータを含む信号S11を制御部15へ出力する。
【0059】
操作部11から送信指示のデータを含む信号S11が入力されると、ステップST22、ST23に示すように、制御部15は、電子メールの作成処理を終了し、電子メールの送信処理を開始する。
制御部15は、作成した電子メールのデータを取得し、通信部10へ出力する。通信部10は、基地局と接続し、制御部11から入力された電子メールのデータの送信を試みる。
【0060】
そして、所定のタイムアウト時間の間に電子メールデータを送信し終えることができなかった場合、通信部10は、送信処理を中断し、ステップST24に示すように、送信失敗を通知するデータを含む信号STMを制御部15へ出力する。
また、送信失敗を通知するデータを含む信号STMが入力されると、制御部15は、ステップST25、ST26に示すように、送信失敗の通知画面の表示データを生成し、その画面を表示部18に表示させる。
【0061】
その後、ユーザは、送信失敗の通知画面を確認しないまま、携帯電話機1を開状態から閉状態とする。
これにより、ステップST5に示すように、開閉検出部19から制御部15へ検出信号S19が出力される。このとき、表示部18には送信失敗の通知画面が表示されたままであるため、制御部15は、表示部18に送信失敗の通知画面が表示されていると判断する。
【0062】
開閉検出部19から検出信号S19が入力されると、制御部15は、N秒が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1に相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0063】
なお、図5のシーケンスチャートでは、ステップST26の処理により表示部16には送信失敗の報知表示がなされているので、制御部15は、ステップST8での送信失敗の報知表示処理を実行しなくてもよい。
【0064】
[電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合の報知動作]
図6は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトユニット17がオン状態からオフ状態になったことが検出された場合の報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0065】
図6のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理、ステップST21〜ST26の電子メールの送信および失敗画面表示処理は、図5と同じである。
【0066】
ユーザは、ステップST26で表示された送信失敗の通知画面を確認しないまま、携帯電話機1を放置すると、操作部11の操作ボタンは操作されない。ここで、制御部15は、ステップST11〜ST13においてバックライトユニット17をオン状態からオフ状態とする。
【0067】
オフ状態に制御されたバックライトユニット17は、ステップST14に示すように、その旨を通知する通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0068】
バックライトユニット17からオフ状態に制御されたことを通知する通知信号S17が入力されたことを検出すると、制御部15は、報知制御を開始する。
この場合の、図5におけるステップST6〜ST9は、図3と同じである。
【0069】
なお、図6のシーケンスチャートでは、ステップST26の処理により表示部18には送信失敗の報知表示がなされているので、制御部15は、ステップST9での送信失敗の報知表示処理を実行しなくてもよい。
【0070】
以上のように、第1の実施の形態に係る携帯電話機1では、携帯電話機1に未完成または未送信の電子メールが残ったまま携帯電話機1が閉じられた場合、制御部15は報知制御を実行する。
また、携帯電話機1に未完成または未送信の電子メールが残ったまま携帯電話機1が未使用状態に放置された場合、制御部15は報知制御を実行する。
【0071】
よって、電子メールが相手に届いていないことをユーザが認識していないと思われる場合には、表示部の状態に基づいてそのことを気付かせるための報知を行い、ユーザに認識させることができる。
【0072】
また、バックライトユニット17がオフ状態になると、表示部18に表示されている内容が視認し難くなるが、そのような場合でも、音や振動による報知によりユーザに効果的に気付かせることができる。
【0073】
また、携帯電話機1が閉じられた状態ではユーザは電子メールの作成画面や送信失敗の通知画面が表示されていることに気付くことができないが、そのような場合でも、音や振動による報知によりユーザに効果的に気付かせることができる。
【0074】
また、制御部15は、表示部18が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に報知を行う。
これにより、たとえばユーザが電子メールの作成中であること、または送信に失敗したことを認識している場合に、携帯電話機1を閉じた直後またはバックライトがオフになった直後に不用意に報知しないようにすることができる。
【0075】
本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話機1では、制御部15が、報知を行う際に、報知態様テーブルに基づいて送信先アドレス毎に報知の態様を異ならせる。
それ以外の構成は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
【0076】
図7は、報知態様テーブルのデータ構造説明図である。報知態様テーブルは、図2の記憶部14に記憶される。
【0077】
報知態様テーブルは、電子メールアドレス毎の複数のレコードを有する。
各レコードには、電子メールの送信先となる電子メールアドレスの情報と、報知態様の情報とが含まれる。
たとえば、図7の1行目のレコードには、送信先アドレスの情報として「A@B」が含まれ、報知態様の情報として「SDP+SCO」が含まれる。
報知態様の情報において「SDP」は、表示による報知を意味し、「SCO」は、音による報知を意味する。また、図7の2行目のレコードに含まれる「SVB」は、振動による報知を意味する。
【0078】
次に、第2の実施の形態に係る携帯電話機1の動作を説明する。
第2の実施の形態に係る携帯電話機1の全体的な動作は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
ただし、制御部15は、図3〜図6のシーケンス中のステップST8、ST9に関する報知部による報知を、図7の報知態様テーブルに基づいて行う。
【0079】
具体的には、制御部15または開閉検出部19により表示部18が所定の状態にあることが検出されると、制御部15は、作成中または未送信の電子メールから、送信先アドレスを取得する。
【0080】
送信先アドレスを取得した後、制御部15は、報知態様テーブルから、取得した送信先アドレスに対応する報知態様情報を取得し、取得した報知態様情報に基づいて報知を行う。
【0081】
たとえば取得した送信先アドレスが「A@B」である場合、制御部15は、図7の最初のレコードを選択し、報知態様情報として「SDP+SCO」を取得する。
そして、制御部15は、この報知態様情報に基づき、未完成または未送信の電子メールが残っていることを表示部18およびスピーカ20により報知する。
【0082】
一方、取得した送信先アドレスが「C@D」である場合、制御部15は、図7の2番目のレコードを選択し、報知態様情報として「SDP+SVB」を取得する。
そして、制御部15は、この報知態様情報に基づき、未完成または未送信の電子メールが残っていることを表示部18および振動発生部13により報知する。
【0083】
以上のように、第2の実施の形態に係る携帯電話機1では、ステップST8〜ST9において報知部により所定の報知を行う際に図7に示す報知態様テーブルを用いて、電子メールを送信する相手に応じて所定の報知の態様を異ならせる。
これにより、携帯電話機1の使い勝手が向上する。
【0084】
本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話機1は、制御部15が、報知を行う際に、送信に失敗した電子メールを再送信する。
それ以外の構成は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
【0085】
図8は、第3の実施の形態に係る携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示され、その後に携帯電話機1が閉状態となった場合における報知動作を示すシーケンスチャートである。
なお、電子メールの送信に失敗するとは、ユーザが操作部11の送信ボタンを操作したが、電子メールが基地局へ届いていないことをいう。
【0086】
制御部15は、ステップST8、ST9において所定の報知を行った後、ステップST31において、通信部10により送信に失敗した電子メールを再送信する。
【0087】
なお、以上の説明は、図8に基づいて、電子メールの送信に失敗した後に携帯電話機1が閉状態となった場合での、電子メールの再送信処理を例として説明しているが、この他にも、電子メールの送信に失敗した後にバックライトがオフ状態なった場合に電子メールの再送信処理を実行してもよい。
【0088】
以上のように、第3の実施の形態に係る携帯電話機1では、制御部15は、ステップST8〜ST9において報知部により所定の報知を行った後、ステップST31において送信に失敗した電子メールを再送信する。これにより、携帯電話機1の使い勝手が向上する。
【0089】
本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話機1は、作成中の未完成の電子メールまたは送信に失敗した未送信の電子メールが携帯端末に存在する場合、これを報知によりユーザに知らせる点で、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
ただし、第4の実施の形態に係る携帯電話機1は、図9に示すようにストレート型の携帯電話機1であり、図10に示すように開閉検出部19の代わりに光センサ部31(光量検出部)を備える。
【0090】
光センサ部31は、光を受光するフォトダイオードまたはCdSセルを有し、携帯電話機1の周囲の光量を検出する。
光センサ部31は、たとえば図9に示すように、表示部18の表示領域16aと操作部11の操作領域11aとの間に配設される。
そして、光センサ部31は、制御部15に接続される。光センサ部31は、たとえば周囲の光量が所定値以上から所定値以下へ変化すると、検出信号S31を制御部15へ出力する。
【0091】
図11は、図10の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1の周囲の光量が所定の値以下となった場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0092】
図11のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0093】
そして、ユーザは、電子メールの作成中に、たとえば電子メールの作成を終えて送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないままの状態で携帯電話機1を放置する。
【0094】
ここで、周囲の光量が所定の光量以下となると、光センサ部31は、検出信号S31を制御部15へ出力する。
【0095】
光センサ部31から検出信号S31が入力されると、制御部15は、N秒が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
このときのステップST6〜ST9の処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0096】
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1の周囲が暗くなり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0097】
なお、以上の説明は、図11に基づいて、電子メールの作成中に携帯電話機1の周囲の光量が所定の値以下となった場合での報知処理を例として説明しているが、この他にも、電子メールの送信に失敗した場合に光センサ部31の検出結果に基づいて同様の報知を行ってもよい。
【0098】
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0099】
例えば、上述した各実施の形態では、携帯端末として携帯電話機1を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、電子メールを作成して送信する機能を有するものであれば、PDA(Personal Data Assistant)、PHS(Personal Handy Phone)、携帯ゲーム機等の他の携帯端末であってもよい。
【0100】
また、上述した各実施の形態では、制御部15は、表示部18に電子メールの作成画面または送信失敗の通知画面のいずれかが表示されている場合に表示部18の状態に基づいて報知を行うが、本発明はこれに限定されず、例えば、電子メールのプレビュー画面が表示部18に表示されている場合など、電子メールの作成が開始されてから送信が完了するまでの間に表示部18の状態に基づいて報知を行えばよい。
【0101】
また、上述した各実施の形態では、所定の報知を行う際に複数の報知部により報知を行っているが、本発明はこれに限定されず、1つの報知部により報知を行うようにしてもよい。ただし、各実施の形態において携帯電話機1が閉状態である場合には、振動発生部13またはスピーカ20により報知を行うことが望ましい。
【0102】
また、上述した第1から第3の実施の形態では折り畳み式の携帯電話機1を例示し、第4の実施の形態ではストレート型の携帯電話機1を例示しているが、本発明はこれに限定されず、スライド式やターン式の携帯電話機1であってもよい。
【0103】
また、上述した第2の実施の形態では、制御部15は、図7の報知態様テーブルに基づいて電子メールの送信先アドレス毎に報知の態様を異ならせているが、本発明はこれに限定されず、報知態様テーブルを用いずに報知の態様を異ならせてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1・・・携帯電話機(携帯端末)、13・・・振動発生部(報知部)、15・・・制御部(電子メール機能動作部、検出部)、17・・・バックライトユニット(光源体)、18・・・表示部(報知部)、18a・・・表示領域、19・・・開閉検出部(検出部)、20・・・スピーカ(報知部)、31・・・光センサ部(光量検出部)、101・・・上部筐体(第1筐体)、102・・・下部筐体(第2筐体)、103・・・ヒンジ部(連結部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関し、詳しくは電子メールを作成して送信する機能を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子メールを作成して相手に送信する携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−242613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている携帯端末では、電子メールの作成を開始してから送信を完了するまでの間に、ユーザが電子メールを送信したと考えていても、実際には相手に電子メールが届いていない場合がある。
【0005】
たとえば、電子メールを作成している途中で携帯端末をカバンなどにしまい、その後、ユーザが電子メールの作成中であったことを忘れた場合、携帯端末のユーザが電子メールを送信したと考えていても、実際には相手に電子メールが届いていない。また、携帯端末が電子メールの送信に失敗した場合においても、同様である。
【0006】
そして、携帯端末のユーザは、既に電子メールを送信したと考えているため、次に携帯端末を使用するまで、相手に届いていない電子メールを放置してしまうことになる。
【0007】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたもので、電子メールが相手に届いていないことをユーザに知らせることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点の携帯端末は、表示部と、表示部の状態を検出する検出部と、所定の報知を行う報知部と、電子メール機能動作部と、電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に検出部により表示部が所定の状態にあることが検出されると、報知部により所定の報知を行う制御部とを備える。
【0009】
好適には、表示部は、表示領域および当該表示領域に光を照射する光源体を有し、検出部は、所定の状態として、光源体から表示領域に光が照射されている状態から照射されていない状態になったことを検出してもよい。
【0010】
好適には、表示部が設けられた第1筐体と、第2筐体と、第1筐体と第2筐体とを連結する連結部とを有し、第1筐体は、連結部を介して表示部が外部に露出する開状態と表示部が第2筐体によって覆われる閉状態との間を移動可能に構成され、検出部は、所定の状態として、第1筐体が開状態から閉状態になったことを検出してもよい。
【0011】
好適には、制御部は、電子メールを送信する相手に応じて所定の報知の態様を異ならせてもよい。
【0012】
好適には、制御部は、検出部により表示部が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に報知部により所定の報知を行ってもよい。
【0013】
好適には、制御部は、電子メール機能動作部による電子メールの送信が失敗した場合に、報知部により所定の報知を行った後に電子メール機能動作部により電子メールを再送信してもよい。
【0014】
本発明の第2の観点の携帯端末は、所定の報知を行う報知部と、周囲の光量を検出する光量検出部と、電子メール機能を動作する電子メール機能動作部と、電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に光量検出部により周囲の光量が所定の光量以下になったことが検出されると、報知部により所定の報知を行う制御部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯端末に相手に届いていない電子メールが存在する場合、そのことを報知してユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の外観構造の一例を示す図である。図1(a)は開状態であり、図1(b)は閉状態である。
【図2】図1の携帯電話機の電気回路を示すブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】図1の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】図1の携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】図1の携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話機における報知態様テーブルのデータ構造説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話機において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話機の外観構造の一例を示す図である。
【図10】図9の携帯電話機の電気回路を示すブロック図である。
【図11】図9の携帯電話機において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機の周囲の光量が所定の値以下となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0018】
[携帯端末の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機1の外観構造の一例を示す図である。
図1には、折り畳み型の携帯電話機1が例示されている。
図1(a)は、携帯電話機1を開いた開状態を示した図であり、図1(b)は携帯電話機1を折り畳んだ閉状態を示した図である。
【0019】
携帯電話機1は、上部筐体101、下部筐体102、および下部筐体102と上部筐体101とを連結するヒンジ部103を有する。閉状態においては、上部筐体101に設けられた後述の表示部18は、下部筐体102によって覆われる。
【0020】
図2は、図1の携帯電話機1に組み込まれる電気回路のハードウェア構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、通信部10、操作部11、CODEC(COder DECorder)部12、振動発生部13、記憶部14、制御部15、表示部18、開閉検出部19、スピーカ20、およびマイクロホン21を有する。
そして、表示部18は、ディスプレイデバイス16およびバックライトユニット17を含む。
【0021】
通信部10は、データを変復調するRF(Radio Frequency)モジュールなどを有する。通信部10は、制御部15に接続される。
そして、通信部10は、携帯電話機用の無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信によりデータを送受する。通信部10は、制御部15から通信データを含む信号STMが入力されると、基地局に接続して、通信データを基地局へ送信する。
また、通信部10は、基地局から通信データを受信すると、その通信データを含む信号STMを制御部15へ出力する。
なお、通信部10と基地局との間で送受されるデータには、たとえば電子メールデータ、音響データ、ウェブページデータなどがある。また、電子メールデータには、送信元アドレスのデータ、送信先アドレスのデータ、電子メールの内容を示す本文のデータなどが含まれる。
【0022】
また、通信部10は、電子メールデータを送信する場合において、所定のタイムアウト時間の間に電子メールデータを送信し終えることができなかったとき、送信処理を中断し、送信失敗を通知するデータを含む信号STMを制御部15へ出力する。
【0023】
操作部11は、複数の操作ボタンを有する。
複数の操作ボタンは、図1(a)に示すように、下部筐体102の操作領域11aに配設される。操作領域11aは、図1(b)に示すように携帯電話機1を閉じた場合、上部筐体101と重なって隠れる下部筐体102の内面に設けられている。
複数の操作ボタンには、たとえば数字ボタン、文字ボタン、送信ボタン、通話ボタン、登録ボタン、方向ボタン、決定ボタン、発信ボタン、電源ボタン、またはファンクションボタンなどがある。
【0024】
また、操作部11は、制御部15に接続される。
操作部11は、操作ボタンがユーザにより操作されると、操作された操作ボタンに予め対応付けられた入力データを含む信号S11を生成し、制御部15へ出力する。
たとえば、文字ボタンが操作された場合、操作部11は、操作された文字ボタンに予め対応付けられた文字データを含む信号S11を制御部15へ出力する。
また、電子メールの作成中に送信ボタンが操作された場合、操作部11は、電子メールの送信を指示するデータを含む信号S11を制御部15へ出力する。
【0025】
CODEC部12は、制御部15に接続される。
そして、CODEC部12は、マイクロホン21から入力される音響信号を音響データへ変換し、その音響データを含む信号SCOを制御部15へ出力する。
また、CODEC部12は、制御部15から入力される信号SCOに含まれる音響データを音響信号へ変換し、スピーカ20(報知部の1つ)へ出力する。
【0026】
振動発生部13(報知部の1つ)は、振動発生モータを有し、制御部15に接続される。
そして、制御部15から駆動データを含む駆動信号SVBが入力されると、振動発生モータは、入力された駆動データに基づいて、携帯電話機1を振動させるための振動を発生する。
【0027】
表示部18は、制御部15からの信号に基づき、所定の情報を表示することで報知を行う報知部としても動作する。
表示部18のディスプレイデバイス16は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)である。
ディスプレイデバイス16は、図1(a)に示すように上部筐体101の表示領域16aに配設される。表示領域16aは、図1(b)に示すように携帯電話機1をフリップクローズ操作により閉じた場合、下部筐体102と重なって隠れる上部筐体101の内面に設けられている。
また、ディスプレイデバイス16は、制御部15に接続される。そして、制御部15から表示データを含む信号SDPが入力されると、ディスプレイデバイス16は、表示データの表示内容を表示領域に表示する。
【0028】
表示部18のバックライトユニット17(光源体)は、制御部15に接続される。そして、バックライトユニット17は、制御部15からの制御信号SBKによりオン状態とオフ状態との間で切り替えられ、オン状態においてディスプレイデバイス16の表示領域に光を照射する。
【0029】
また、バックライトユニット17は、オン状態とオフ状態との間で切り替えられると、新たな状態を通知するための通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0030】
開閉検出部19(検出部の1つ)は、制御部15に接続される。そして、開閉検出部19は、携帯電話機1の開閉状態の変化を検出し、検出信号S19を制御部15へ出力する。
【0031】
記憶部14は、制御部15に接続される。
記憶部14は、たとえば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などにより構成される。
そして、記憶部14は、制御部15が実行する各種のプログラム、および後述の報知態様テーブル等の各処理に利用されるデータを記憶する。また、記憶部14は、プログラムの処理過程で生成される電子メールデータなども記憶する。
【0032】
なお、この記憶部14に記憶されるプログラムは、通信部10などを用いてインターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしてインストールしたものであっても、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていたものをインストールしたものであってもよい。
【0033】
制御部15は、コンピュータとしてのマイクロプロセッサ、内部タイマ、I/Oポートなどを有する。
内部タイマは、時間を計測する。
I/Oポートは、制御部15に接続された各種の周辺デバイスから入力される信号から、データを抽出する。また、I/Oポートは、制御部15内で発生したデータを含む信号を生成し、制御部15に接続された周辺デバイスへ出力する。
マイクロプロセッサは、記憶部14に記憶されているプログラムを読み込み、読み込んだプログラムをマルチタスク処理により実行する。これにより、マイクロプロセッサは、以下に示す各種の手順を実行する処理部として機能する。
【0034】
そして、制御部15は、携帯電話機1の電力消費を抑えるための節電制御を実行する。
節電制御を行う際、制御部15は、たとえば、携帯電話機1に対する操作がなされる度に、内部メモリに節電タイムアウト時間を更新設定する。
また、制御部15は、内部タイマに設定した節電タイムアウト時間が経過すると、バックライトユニット17へ制御信号を出力し、バックライトユニット17をオフ状態に制御する。
【0035】
また、制御部15は、電子メールを作成する電子メール作成処理および電子メールを送信する電子メール送信処理を行う電子メール機能動作部としても動作する。
電子メール作成処理において、制御部15は、電子メール作成画面のデータを生成し、このデータを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、電子メール作成画面が表示される。
また、制御部15は、操作部11から、文字データを含む信号S11が入力されると、作成中の電子メールデータにその文字データを追加する。これにより、制御部15は、電子メールデータを生成する。
また、制御部15は、追加更新後の電子メールデータの表示データを作成し、その表示データを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、作成中の電子メールの内容が表示される。
【0036】
また、電子メール送信処理において、制御部15は、操作部11から、送信を指示するデータを含む信号S11が入力されると、作成中または作成済みの未送信の電子メールデータを取得し、取得した電子メールデータを含む信号STMを通信部10へ出力する。
また、制御部15は、通信部10から、送信失敗を示すデータを含む信号STMが入力されると、送信失敗を表示する表示データを含む信号SDPをディスプレイデバイス16へ出力する。これにより、ディスプレイデバイス16には、送信失敗の通知画面が表示される。
【0037】
なお、本実施形態において、電子メールの作成の開始とは、携帯電話機1の電子メール機能動作部が起動し、電子メールの新規作成画面で電子メールに係る項目、たとえば送信先アドレスなどが入力されたことをいう。
また、電子メールの送信の完了とは、電子メールを基地局へ送信し終えたことをいう。
【0038】
また、制御部15は、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20に対して報知を指示する信号を出力し、報知を行わせる。
なお、制御部15は、表示部18による報知、スピーカ20による報知および振動発生部13による報知を組み合わせて実施することができる。
【0039】
次に、図2の電気回路を含む携帯電話機1の動作を説明する。以下の説明では、主に、報知制御およびそれに関連する動作について説明する。
【0040】
[電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態になったことが検出された場合の報知動作]
図3は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0041】
なお、図3のシーケンスチャートにおいて、時間は上から下に流れる。
また、上下方向にのびた4本の縦線は、左側の縦線から順番に、表示部18の表示内容、制御部15の動作内容、携帯電話機1内でのイベント内容、ユーザのイベント内容の時系列を示している。
以下に示す他のシーケンスチャートも同様である。
【0042】
図3のステップST1において、制御部15は、電子メール作成処理を開始する。
これにより、ステップST2に示すように、制御部15は、表示部18に、電子メール作成画面を表示させる。
【0043】
電子メールを作成するユーザは、操作部11を操作し、電子メールの送信先アドレスまたは本文を入力する。
これにより、携帯電話機1では、ステップST3に示すように、操作部11は、操作された操作ボタンに応じた入力データを含む信号S11を制御部15へ出力する。
制御部15は、入力されたデータにより作成中の電子メールのデータを更新する。
また、ステップST4に示すように、制御部15は、表示部18に、作成中の電子メールの内容を表示させる。
【0044】
その後、ユーザは、送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないまま携帯電話機1を開状態から閉状態とする。
ステップST5に示すように、開閉検出部19は、携帯電話機1が閉状態になったことを検出し、検出信号S19を制御部15へ出力する。このとき、表示部18には電子メール作成画面が表示されたままであるため、制御部15は、表示部18に電子メール作成画面が表示されていると判断する。
【0045】
開閉検出部19から検出信号S19が入力されると、制御部15は、N秒(所定の時間)が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
具体的には、制御部15は、ステップST6、ST7に示すように、内部タイマにN秒を設定し、N秒後に内部タイマが未送信メール在りを通知するタイマ割り込み(内部イベント)を発生させると報知を行う。
【0046】
ここで待ち時間N秒は、0秒以上であればよい。
なお、待ち時間が0秒である場合、制御部15は、ステップST5において閉状態となったことが検出されるのと同時に報知を行う。
【0047】
具体的な報知の方法としては、ステップST8に示すように、制御部15は、表示部18に所定の画面を表示させる。
また、ステップST9に示すように、制御部15は、スピーカ20から所定の報知音を出力させる。
ここで、所定の報知音は、その旨を内容とする音声であってもよいが、ユーザが着信音に使用している音などを使用してもよい。
また、制御部15は、振動発生部13により、所定の振動を発生させる。
【0048】
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1が閉状態となり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0049】
[電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合の報知動作]
図4は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態でバックライトユニット17がオン状態からオフ状態になったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0050】
図4のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、図3での電子メール作成処理と同じである。
【0051】
そして、ユーザは、送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないまま携帯電話機1を放置する。
【0052】
このように携帯電話機1が放置された場合、操作部11の操作ボタンは操作されない。
ここで、ステップST11およびST12に示すように、制御部15は、内部タイマに節電タイムアウト時間を設定し、内部タイマは、その節電タイムアウト時間の後に、タイムアウト通知(内部イベント)を発生する。
【0053】
内部タイマから節電タイムアウトの通知があると、制御部15は、ステップST13に示すように、バックライトユニット17へ制御信号SBKを出力し、バックライトユニット17をオフ状態に制御する。
このとき、バックライトユニット17は、ステップST14に示すように、その旨を通知する通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0054】
制御部15は、バックライトユニット17からオフ状態に制御されたことを通知する通知信号S17が入力されたことを検出すると、N秒が経過した後に報知部により報知を行う。
この場合の図4におけるステップST6〜ST9は、図3と同じである。
【0055】
これにより、ユーザは、バックライトユニット17から光が照射されていない状態となり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0056】
[電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態となったことが検出された場合の報知動作]
図5は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態で携帯電話機1が閉状態となったことが検出された場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0057】
図5のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、図3と同じである。
【0058】
そして、ユーザは、電子メールを作成した後、送信ボタンを操作すると、ステップST21に示すように、操作部11は、送信指示のデータを含む信号S11を制御部15へ出力する。
【0059】
操作部11から送信指示のデータを含む信号S11が入力されると、ステップST22、ST23に示すように、制御部15は、電子メールの作成処理を終了し、電子メールの送信処理を開始する。
制御部15は、作成した電子メールのデータを取得し、通信部10へ出力する。通信部10は、基地局と接続し、制御部11から入力された電子メールのデータの送信を試みる。
【0060】
そして、所定のタイムアウト時間の間に電子メールデータを送信し終えることができなかった場合、通信部10は、送信処理を中断し、ステップST24に示すように、送信失敗を通知するデータを含む信号STMを制御部15へ出力する。
また、送信失敗を通知するデータを含む信号STMが入力されると、制御部15は、ステップST25、ST26に示すように、送信失敗の通知画面の表示データを生成し、その画面を表示部18に表示させる。
【0061】
その後、ユーザは、送信失敗の通知画面を確認しないまま、携帯電話機1を開状態から閉状態とする。
これにより、ステップST5に示すように、開閉検出部19から制御部15へ検出信号S19が出力される。このとき、表示部18には送信失敗の通知画面が表示されたままであるため、制御部15は、表示部18に送信失敗の通知画面が表示されていると判断する。
【0062】
開閉検出部19から検出信号S19が入力されると、制御部15は、N秒が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1に相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0063】
なお、図5のシーケンスチャートでは、ステップST26の処理により表示部16には送信失敗の報知表示がなされているので、制御部15は、ステップST8での送信失敗の報知表示処理を実行しなくてもよい。
【0064】
[電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトがオフ状態になったことが検出された場合の報知動作]
図6は、図2の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示されたままの状態でバックライトユニット17がオン状態からオフ状態になったことが検出された場合の報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0065】
図6のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理、ステップST21〜ST26の電子メールの送信および失敗画面表示処理は、図5と同じである。
【0066】
ユーザは、ステップST26で表示された送信失敗の通知画面を確認しないまま、携帯電話機1を放置すると、操作部11の操作ボタンは操作されない。ここで、制御部15は、ステップST11〜ST13においてバックライトユニット17をオン状態からオフ状態とする。
【0067】
オフ状態に制御されたバックライトユニット17は、ステップST14に示すように、その旨を通知する通知信号S17を制御部15へ出力する。
【0068】
バックライトユニット17からオフ状態に制御されたことを通知する通知信号S17が入力されたことを検出すると、制御部15は、報知制御を開始する。
この場合の、図5におけるステップST6〜ST9は、図3と同じである。
【0069】
なお、図6のシーケンスチャートでは、ステップST26の処理により表示部18には送信失敗の報知表示がなされているので、制御部15は、ステップST9での送信失敗の報知表示処理を実行しなくてもよい。
【0070】
以上のように、第1の実施の形態に係る携帯電話機1では、携帯電話機1に未完成または未送信の電子メールが残ったまま携帯電話機1が閉じられた場合、制御部15は報知制御を実行する。
また、携帯電話機1に未完成または未送信の電子メールが残ったまま携帯電話機1が未使用状態に放置された場合、制御部15は報知制御を実行する。
【0071】
よって、電子メールが相手に届いていないことをユーザが認識していないと思われる場合には、表示部の状態に基づいてそのことを気付かせるための報知を行い、ユーザに認識させることができる。
【0072】
また、バックライトユニット17がオフ状態になると、表示部18に表示されている内容が視認し難くなるが、そのような場合でも、音や振動による報知によりユーザに効果的に気付かせることができる。
【0073】
また、携帯電話機1が閉じられた状態ではユーザは電子メールの作成画面や送信失敗の通知画面が表示されていることに気付くことができないが、そのような場合でも、音や振動による報知によりユーザに効果的に気付かせることができる。
【0074】
また、制御部15は、表示部18が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に報知を行う。
これにより、たとえばユーザが電子メールの作成中であること、または送信に失敗したことを認識している場合に、携帯電話機1を閉じた直後またはバックライトがオフになった直後に不用意に報知しないようにすることができる。
【0075】
本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話機1では、制御部15が、報知を行う際に、報知態様テーブルに基づいて送信先アドレス毎に報知の態様を異ならせる。
それ以外の構成は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
【0076】
図7は、報知態様テーブルのデータ構造説明図である。報知態様テーブルは、図2の記憶部14に記憶される。
【0077】
報知態様テーブルは、電子メールアドレス毎の複数のレコードを有する。
各レコードには、電子メールの送信先となる電子メールアドレスの情報と、報知態様の情報とが含まれる。
たとえば、図7の1行目のレコードには、送信先アドレスの情報として「A@B」が含まれ、報知態様の情報として「SDP+SCO」が含まれる。
報知態様の情報において「SDP」は、表示による報知を意味し、「SCO」は、音による報知を意味する。また、図7の2行目のレコードに含まれる「SVB」は、振動による報知を意味する。
【0078】
次に、第2の実施の形態に係る携帯電話機1の動作を説明する。
第2の実施の形態に係る携帯電話機1の全体的な動作は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
ただし、制御部15は、図3〜図6のシーケンス中のステップST8、ST9に関する報知部による報知を、図7の報知態様テーブルに基づいて行う。
【0079】
具体的には、制御部15または開閉検出部19により表示部18が所定の状態にあることが検出されると、制御部15は、作成中または未送信の電子メールから、送信先アドレスを取得する。
【0080】
送信先アドレスを取得した後、制御部15は、報知態様テーブルから、取得した送信先アドレスに対応する報知態様情報を取得し、取得した報知態様情報に基づいて報知を行う。
【0081】
たとえば取得した送信先アドレスが「A@B」である場合、制御部15は、図7の最初のレコードを選択し、報知態様情報として「SDP+SCO」を取得する。
そして、制御部15は、この報知態様情報に基づき、未完成または未送信の電子メールが残っていることを表示部18およびスピーカ20により報知する。
【0082】
一方、取得した送信先アドレスが「C@D」である場合、制御部15は、図7の2番目のレコードを選択し、報知態様情報として「SDP+SVB」を取得する。
そして、制御部15は、この報知態様情報に基づき、未完成または未送信の電子メールが残っていることを表示部18および振動発生部13により報知する。
【0083】
以上のように、第2の実施の形態に係る携帯電話機1では、ステップST8〜ST9において報知部により所定の報知を行う際に図7に示す報知態様テーブルを用いて、電子メールを送信する相手に応じて所定の報知の態様を異ならせる。
これにより、携帯電話機1の使い勝手が向上する。
【0084】
本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話機1は、制御部15が、報知を行う際に、送信に失敗した電子メールを再送信する。
それ以外の構成は、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
【0085】
図8は、第3の実施の形態に係る携帯電話機1において、電子メールの送信に失敗して送信失敗画面が表示され、その後に携帯電話機1が閉状態となった場合における報知動作を示すシーケンスチャートである。
なお、電子メールの送信に失敗するとは、ユーザが操作部11の送信ボタンを操作したが、電子メールが基地局へ届いていないことをいう。
【0086】
制御部15は、ステップST8、ST9において所定の報知を行った後、ステップST31において、通信部10により送信に失敗した電子メールを再送信する。
【0087】
なお、以上の説明は、図8に基づいて、電子メールの送信に失敗した後に携帯電話機1が閉状態となった場合での、電子メールの再送信処理を例として説明しているが、この他にも、電子メールの送信に失敗した後にバックライトがオフ状態なった場合に電子メールの再送信処理を実行してもよい。
【0088】
以上のように、第3の実施の形態に係る携帯電話機1では、制御部15は、ステップST8〜ST9において報知部により所定の報知を行った後、ステップST31において送信に失敗した電子メールを再送信する。これにより、携帯電話機1の使い勝手が向上する。
【0089】
本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話機1は、作成中の未完成の電子メールまたは送信に失敗した未送信の電子メールが携帯端末に存在する場合、これを報知によりユーザに知らせる点で、第1の実施の形態に係る携帯電話機1と共通する。
ただし、第4の実施の形態に係る携帯電話機1は、図9に示すようにストレート型の携帯電話機1であり、図10に示すように開閉検出部19の代わりに光センサ部31(光量検出部)を備える。
【0090】
光センサ部31は、光を受光するフォトダイオードまたはCdSセルを有し、携帯電話機1の周囲の光量を検出する。
光センサ部31は、たとえば図9に示すように、表示部18の表示領域16aと操作部11の操作領域11aとの間に配設される。
そして、光センサ部31は、制御部15に接続される。光センサ部31は、たとえば周囲の光量が所定値以上から所定値以下へ変化すると、検出信号S31を制御部15へ出力する。
【0091】
図11は、図10の電気回路を含む携帯電話機1において、電子メール作成画面が表示されたままの状態で携帯電話機1の周囲の光量が所定の値以下となった場合での報知動作を示すシーケンスチャートである。
【0092】
図11のシーケンスチャートにおいて、ステップST1〜ST4までの電子メール作成処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0093】
そして、ユーザは、電子メールの作成中に、たとえば電子メールの作成を終えて送信ボタンを操作したと勘違いして、実際には送信ボタンを操作しないままの状態で携帯電話機1を放置する。
【0094】
ここで、周囲の光量が所定の光量以下となると、光センサ部31は、検出信号S31を制御部15へ出力する。
【0095】
光センサ部31から検出信号S31が入力されると、制御部15は、N秒が経過した後に、振動発生部13、表示部18およびスピーカ20により報知を行う。
このときのステップST6〜ST9の処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0096】
これらの報知により、ユーザは、携帯電話機1の周囲が暗くなり表示部18が視認できない場合でも、相手に届いていない電子メールがあることを知ることができる。
【0097】
なお、以上の説明は、図11に基づいて、電子メールの作成中に携帯電話機1の周囲の光量が所定の値以下となった場合での報知処理を例として説明しているが、この他にも、電子メールの送信に失敗した場合に光センサ部31の検出結果に基づいて同様の報知を行ってもよい。
【0098】
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0099】
例えば、上述した各実施の形態では、携帯端末として携帯電話機1を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、電子メールを作成して送信する機能を有するものであれば、PDA(Personal Data Assistant)、PHS(Personal Handy Phone)、携帯ゲーム機等の他の携帯端末であってもよい。
【0100】
また、上述した各実施の形態では、制御部15は、表示部18に電子メールの作成画面または送信失敗の通知画面のいずれかが表示されている場合に表示部18の状態に基づいて報知を行うが、本発明はこれに限定されず、例えば、電子メールのプレビュー画面が表示部18に表示されている場合など、電子メールの作成が開始されてから送信が完了するまでの間に表示部18の状態に基づいて報知を行えばよい。
【0101】
また、上述した各実施の形態では、所定の報知を行う際に複数の報知部により報知を行っているが、本発明はこれに限定されず、1つの報知部により報知を行うようにしてもよい。ただし、各実施の形態において携帯電話機1が閉状態である場合には、振動発生部13またはスピーカ20により報知を行うことが望ましい。
【0102】
また、上述した第1から第3の実施の形態では折り畳み式の携帯電話機1を例示し、第4の実施の形態ではストレート型の携帯電話機1を例示しているが、本発明はこれに限定されず、スライド式やターン式の携帯電話機1であってもよい。
【0103】
また、上述した第2の実施の形態では、制御部15は、図7の報知態様テーブルに基づいて電子メールの送信先アドレス毎に報知の態様を異ならせているが、本発明はこれに限定されず、報知態様テーブルを用いずに報知の態様を異ならせてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1・・・携帯電話機(携帯端末)、13・・・振動発生部(報知部)、15・・・制御部(電子メール機能動作部、検出部)、17・・・バックライトユニット(光源体)、18・・・表示部(報知部)、18a・・・表示領域、19・・・開閉検出部(検出部)、20・・・スピーカ(報知部)、31・・・光センサ部(光量検出部)、101・・・上部筐体(第1筐体)、102・・・下部筐体(第2筐体)、103・・・ヒンジ部(連結部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の状態を検出する検出部と、
所定の報知を行う報知部と、
電子メール機能動作部と、
前記電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に前記検出部により前記表示部が所定の状態にあることが検出されると、前記報知部により前記所定の報知を行う制御部と
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記表示部は、表示領域および当該表示領域に光を照射する光源体を有し、
前記検出部は、前記所定の状態として、前記光源体から前記表示領域に光が照射されている状態から照射されていない状態になったことを検出する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記表示部が設けられた第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する連結部と
を有し、
前記第1筐体は、前記連結部を介して前記表示部が外部に露出する開状態と前記表示部が前記第2筐体によって覆われる閉状態との間を移動可能に構成され、
前記検出部は、前記所定の状態として、前記第1筐体が前記開状態から前記閉状態になったことを検出する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記電子メールを送信する相手に応じて前記所定の報知の態様を異ならせる
請求項1から3のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出部により前記表示部が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に前記報知部により前記所定の報知を行う
請求項1から4のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記電子メール機能動作部による前記電子メールの送信が失敗した場合に、前記報知部により前記所定の報知を行った後に前記電子メール機能動作部により前記電子メールを再送信する
請求項1から5のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項7】
所定の報知を行う報知部と、
周囲の光量を検出する光量検出部と、
電子メール機能を動作する電子メール機能動作部と、
前記電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に前記光量検出部により前記周囲の光量が所定の光量以下になったことが検出されると、前記報知部により前記所定の報知を行う制御部と
を備える携帯端末。
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の状態を検出する検出部と、
所定の報知を行う報知部と、
電子メール機能動作部と、
前記電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に前記検出部により前記表示部が所定の状態にあることが検出されると、前記報知部により前記所定の報知を行う制御部と
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記表示部は、表示領域および当該表示領域に光を照射する光源体を有し、
前記検出部は、前記所定の状態として、前記光源体から前記表示領域に光が照射されている状態から照射されていない状態になったことを検出する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記表示部が設けられた第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する連結部と
を有し、
前記第1筐体は、前記連結部を介して前記表示部が外部に露出する開状態と前記表示部が前記第2筐体によって覆われる閉状態との間を移動可能に構成され、
前記検出部は、前記所定の状態として、前記第1筐体が前記開状態から前記閉状態になったことを検出する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記電子メールを送信する相手に応じて前記所定の報知の態様を異ならせる
請求項1から3のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出部により前記表示部が所定の状態にあることが検出されてから所定の時間が経過した後に前記報知部により前記所定の報知を行う
請求項1から4のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記電子メール機能動作部による前記電子メールの送信が失敗した場合に、前記報知部により前記所定の報知を行った後に前記電子メール機能動作部により前記電子メールを再送信する
請求項1から5のいずれか一項記載の携帯端末。
【請求項7】
所定の報知を行う報知部と、
周囲の光量を検出する光量検出部と、
電子メール機能を動作する電子メール機能動作部と、
前記電子メール機能動作部により電子メールの作成が開始されてから当該電子メールの送信が完了するまでの間に前記光量検出部により前記周囲の光量が所定の光量以下になったことが検出されると、前記報知部により前記所定の報知を行う制御部と
を備える携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−177971(P2010−177971A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17376(P2009−17376)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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